説明

動作訓練装置、動作訓練システム

【課題】被訓練者が指導を受けたときの姿勢や動作と、被訓練者が自己訓練を行っているときの姿勢や動作との差異を被訓練者に知らせることにより訓練効果を高める。
【解決手段】被訓練者が左右の足を載せる左足置部121および右足置部122が設けられ、左足置部121および右足置部122にそれぞれ作用する荷重を複数箇所で検出する荷重検出部131,132が設けられる。荷重情報抽出部201は、荷重検出部131,132が検出した荷重から被訓練者の姿勢と動作とに相当する現荷重情報を抽出する。情報評価部202は、荷重情報抽出部201が抽出した現荷重情報と目標設定部203にあらかじめ設定された目標荷重情報との差異を評価する評価量を算出する。算出された評価量は、提示部3を通して表示装置51に表示され被訓練者に示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被訓練者が正しい動作を修得するために用いる動作訓練装置、およびこの動作訓練装置を用いた動作訓練システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、人口比率の高齢化が進み、関節や骨の異常、筋力の低下などによって運動器に障害が生じる事例が増加している。運動器に障害が生じると、支援や介護が必要になり、自立した暮らしに支障をきたすという問題がある。この種の運動器の障害を総称して「ロコモティブシンドローム」と呼ぶことが提唱されている。運動器の障害は、高齢者だけではなく、たとえば、手術を行った患者にも生じる。
【0003】
このような運動器の障害予防や機能回復のために、高齢者の運動機能訓練や手術後の機能回復訓練などが従来から行われている。被訓練者は、この種の訓練を行う際、正しい動作を修得できるように、理学療法士のような指導者の指導を受けることが多い。
【0004】
しかしながら、指導者の人数は限られているから、被訓練者は訓練時につねに指導を受けられるとは限らず、被訓練者が指導された姿勢や動作とは異なる勝手な姿勢や動作を行っていると、正しい姿勢や動作を修得できない可能性がある。とくに、訓練として必要な姿勢や動作を行うときに痛みを伴う場合、被訓練者は、指導者の指導を受けていないときに、必要とわかっていても痛みを伴う姿勢や動作を避けようとし、訓練として必要な姿勢や動作を行わない可能性もある。また逆に、被訓練者によっては、指導者の指導を受けていないときに、過剰な訓練を行う場合もある。過剰な訓練は、症状を悪化させる場合があるから望ましいと言えない。
【0005】
また、運動器の障害予防や運動器の軽度の障害に対する機能回復のための訓練は、訓練施設(リハビリ施設)だけではなく、自宅などでも行うことが望ましい。しかしながら、上述したように、指導者の指導を受けられない場合、被訓練者が自己流の訓練を行う場合があり、また自宅などでは、訓練を行わないこともある。
【0006】
ロコモティブシンドロームの中でも歩行に関連する運動器の障害予防のために、主として足首に関連する筋肉(前脛骨筋、ヒラメ筋、腓腹筋など)の鍛錬を行うための装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1には、台座の上に対して踏板をシーソー運動が可能になるように配置した構成が記載されている。台座の上面に対する踏板の最大傾斜角は、踏板の前端と後端とが台座の上面に当たることによって規制されている。また、引用文献1には、構成要素の各部の寸法を変えることによって、踏板の最大傾斜角を使用者に応じて調節する旨の記載がある。特許文献1に記載された構成では、踏板に足を載せ、踏板を傾けることにより、足首に関連する筋肉を収縮させる運動が可能になっている。
【0007】
歩行に関連する運動器の運動を行うための装置は、他にも種々提案されており、たとえば、特許文献2には、人が上に載って足で踏む1枚あるいは2枚の足載板を備え、足載板が受ける荷重変化を荷重計測部によって計測する構成が記載されている。特許文献2に記載された装置は、足載板の足踏みを行う運動に用いられ、足踏みの回数、強さ、長さ、速さなどの要素を計測する構成が採用されている。特許文献2に記載された技術では、これらの要素に対して目標値の設定が可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−156311号公報
【特許文献2】特開平11−253575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように特許文献1に記載された技術は、足首に関連する筋肉のストレッチを行う装置であって、使用者に応じて踏板の最大傾斜角を調節する旨の記載はあるが、最大傾斜角を変えるには構成要素を取り替える必要がある。したがって、使用者に適合するように最大傾斜角を調節するために、仕様の異なる複数種類の構成要素を用意しておくことが必要になり、また構成要素を交換するための構成も必要であって、使用者に応じた調節を可能にするとコスト高になるという問題がある。また、足首に関連する筋肉のストレッチにしか用いることができないから、運動の内容が画一的であって、歩行関連に限ったとしてもロコモティブシンドロームの十分な改善にはならない。さらに、高齢者の歩行機能の障害については、足関節だけではなく膝関節や股関節にも着目する必要があり、特許文献1に記載された装置では、歩行機能の障害予防や機能回復には不十分である。
【0010】
一方、特許文献2に記載された技術は、運動として足踏みが想定されているから、特許文献1に記載された装置と比較すると、歩行機能の障害予防や機能回復に対する一定の効果が得られると考えられる。また、足踏みに関する要素に対して目標の設定が可能であって、足踏みに関する要素は電子制御手段に対して設定するから、仕様の異なる複数種類の構成要素を用意したり、構成要素の交換のための構成が不要であって、コスト増が抑制されると考えられる。
【0011】
しかしながら、特許文献2に記載された構成において設定される目標は、足踏みの回数、強さ、長さ、速さなどであって、基本的に運動の強度に関する目標であるから、正しい姿勢や動作を修得するという目的には適していない。すなわち、指導者による指導を受けた後に、自宅など指導者による指導を受けることができない場所や時間に自己訓練を行おうとしても、姿勢や動作に関する明確な目標が得られないから、結局は、訓練が不十分になったり、過剰になったりするという問題が生じる。
【0012】
本発明は、被訓練者が指導を受けたときの姿勢や動作と、被訓練者が自己訓練を行っているときの姿勢や動作との差異を被訓練者に知らせることにより訓練効果を高める動作訓練装置を提供し、さらに、この動作訓練装置を用いた動作訓練システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る動作訓練装置は、上記目的を達成するために、被訓練者が足を載せる足置部と、足置部に作用する荷重を足置部の複数箇所で検出する荷重検出部と、荷重検出部が検出した荷重から被訓練者の姿勢と動作との少なくとも一方に相当する現荷重情報を抽出する荷重情報抽出部と、荷重情報抽出部が抽出した現荷重情報とあらかじめ設定された目標荷重情報との差異を評価する評価量を算出する情報評価部と、情報評価部が算出した評価量を被訓練者に提示させる提示部と、情報評価部が用いる目標荷重情報が設定される目標設定部とを備えることを特徴とする。
【0014】
この動作訓練装置において、足置部は被訓練者の左右の足を片方ずつ載せるように左右一対設けられ、荷重検出部は左右の足置部ごとに複数個ずつ設けられることが好ましい。
【0015】
この動作訓練装置において、目標荷重情報を授受するインターフェイス部をさらに備えることが好ましい。
【0016】
この動作訓練装置において、荷重情報抽出部が抽出した現荷重情報を取り出すインターフェイス部をさらに備えることが好ましい。
【0017】
この動作訓練装置において、目標設定部に設定される目標荷重情報は、荷重情報抽出部が抽出した現荷重情報に基づいて生成されることが好ましい。
【0018】
この動作訓練装置において、提示部は、評価量を操作表示装置に引き渡し、操作表示装置を通して被訓練者に評価量を提示させることが好ましい。
【0019】
この動作訓練装置において、提示部は、評価量を無線通信により携帯端末に伝送し、携帯端末を通して被訓練者に評価量を提示させることが好ましい。
【0020】
この動作訓練装置において、足置部は、被訓練者の足の位置を記録する足位置記録媒体を着脱可能に取り付ける媒体取付部材を備えることが好ましい。
【0021】
本発明に係る動作訓練システムは、被訓練者が用いる複数台の動作訓練装置を備え、動作訓練装置は、被訓練者が足を載せる足置部と、足置部に作用する荷重を足置部の複数箇所で検出する荷重検出部と、荷重検出部が検出した荷重から被訓練者の姿勢と動作との少なくとも一方に相当する現荷重情報を抽出する荷重情報抽出部と、荷重情報抽出部が抽出した現荷重情報とあらかじめ設定された目標荷重情報との差異を評価する評価量を算出する情報評価部と、情報評価部が算出した評価量を被訓練者に提示する提示部と、情報評価部が用いる目標荷重情報を設定する目標設定部と、目標荷重情報を授受する第1のインターフェイス部と、荷重情報抽出部が抽出した現荷重情報を取り出す第2のインターフェイス部とを備え、動作訓練装置のいずれかを被訓練者が指導を受けながら訓練する基準装置として用い、動作訓練装置の残りを被訓練者が自己訓練を行う訓練装置として用いる場合に、基準装置を被訓練者が用いたときに荷重情報抽出部が抽出した現荷重情報に基づいて目標設定部が生成した目標荷重情報を、第1のインターフェイス部を通して訓練装置に引き渡し、訓練装置を被訓練者が用いたときに荷重情報抽出部が抽出した現荷重情報を第2のインターフェイス部を通して基準装置に引き渡すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の構成によれば、被訓練者が指導を受けたときの姿勢や動作と、被訓練者が自己訓練を行っているときの姿勢や動作との差異を被訓練者に知らせることにより訓練効果が高められるという効果が期待できる。すなわち、理学療法士のような指導者の指導下で訓練を行った後、指導者による指導を受けずに自己訓練を行う際に、指導を受けたときと同じ動作や姿勢か否かを確認して自己訓練を行うから、自己流の癖のない正しい姿勢や動作を修得することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上に用いる計測部の一例を示す分解斜視図である。
【図3】同上の一例を示す概略構成図である。
【図4】同上に用いる足載せシートの使用例を示す斜視図である。
【図5】同上の他例を示す概略構成図である。
【図6】同上の使用例を示す概念図である。
【図7】同上の他の構成例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に説明する動作訓練装置は、被訓練者の片足ごとの荷重の大きさと片足ごとの荷重の偏りとを計測する。また、動作訓練装置は、必要に応じて、時間経過に伴う荷重の大きさおよび偏りの変化を計測するように構成される。この動作訓練装置は、立位で使用することを想定している。ただし、深く腰掛けるのでなければ座位でも使用可能である。すなわち、着座している被訓練者が両足を床から上げると重力で臀部の位置が移動する座位であって、被訓練者の荷重が臀部と足とに分散して支持されている状態であれば、以下に説明する動作訓練装置を使用可能である。
【0025】
さらに、手摺などによる補助を行わずに訓練が行われることを想定しているが、歩行のための筋力が不十分であって転倒の危険がある被訓練者のために、必要に応じて、手摺を付加したり、被訓練者の身体を吊り下げる補助具を付加することは許容される。また、手摺などを設ける代わりに、机や椅子のような家具あるいは壁などに手をついて、身体を支持してもよい。
【0026】
この動作訓練装置は、基本的には、被訓練者が理学療法士などの指導者の指導下で使用する場合と、指導者による指導を受けずに自己訓練のために使用する場合とがある。本実施形態では、指導者の指導下で用いる動作訓練装置と、自己訓練で用いる動作訓練装置とは異なる装置であることを想定しており、両者の基本的な仕様や機能は同等であるが、細部は異なっていてもよい。以下では、必要に応じて、指導者の指導下で用いる動作訓練装置を「基準装置」と呼び、自己訓練で用いる動作訓練装置を「訓練装置」と呼ぶ。
【0027】
指導者の指導下ではなく自己訓練のために動作訓練装置を使用する場合は、先に指導者の指導を受けてから使用することが推奨される。すなわち、訓練装置を用いる場合、先に基準装置を用いることが推奨される。
【0028】
この動作訓練装置を用いて行う運動は、開眼片足立ち、スクワットなどのロコモーショントレーニングと称する運動、腕や上体を動かす運動などを想定している。ただし、動作訓練装置を用いて行える運動であれば、運動の種類にとくに制限はない。行う運動の種類は、表示装置(後述する)の画面表示によって指示される。
【0029】
動作訓練装置は、図1に示すように、被訓練者の荷重を計測する計測部1と、計測部1から取得した計測値の分析や評価を行う処理部2と、処理部2による分析や評価の結果を提示する提示部3と、処理部2に対する指示操作を取得する入力部4とを備える。提示部3および入力部4は、基本的には、計測部1とは別体に設けたコントローラ5と接続される。
【0030】
コントローラ5は、液晶表示器のようなフラットパネルディスプレイからなるドットマトリクス方式の表示装置51と、機械接点を備えるスイッチあるいはタッチスイッチのような操作装置52とを備える。すなわち、コントローラ5として操作と表示との機能が一体化された操作表示装置が用いられる。表示装置51と操作装置52との少なくとも一方は計測部1と一体化されていてもよい。
【0031】
処理部2は、プログラムに従って動作するプロセッサを備え、マイコン、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、PIC(Peripheral Interface Controller)などから選択される。すなわち、処理部2は、プロセッサにより適宜のプログラムが実行されることにより、以下に説明する各機能が実現される。
【0032】
計測部1は、図2に示すように、床上に載置される台板11と、台板11の上に設けられた左足置部121および右足置部122と、左足置部121が受ける下向き荷重を計測する荷重検出部としての荷重センサ131および右足置部122が受ける下向き荷重を計測する荷重検出部としての荷重センサ132とを備える。左足置部121は被訓練者の左足を載せ、右足置部122は被訓練者の右足を載せるために設けられている。左足置部121と右足置部122とに相当する領域は、それぞれ平面視において角を丸めた長方形状に形成されている。
【0033】
台板11は、被訓練者の荷重が作用しても実質的に撓まない程度の強度を有するように形成される。ただし、コンクリート床のような撓まない床の上で動作訓練装置を使用することが想定されている場合、台板11は、複数枚の板材を折り畳み可能に連結した構成、合成樹脂の薄板やシートにより変形可能に形成した構成を採用可能である。このような構成を採用すれば、非使用時には使用時よりも面積を小さくすることで、収納や持ち運びが容易になる。台板11は、床上に置かれたときに滑らないように、ゴムなどにより形成された滑り止め(図示せず)が下面に設けられている。
【0034】
左足置部121と右足置部122とは、それぞれ被訓練者の下向き荷重を受ける受圧プレート123,124を備え、受圧プレート123,124は、上面が台板11の上面とほぼ面一になるように配置される。たとえば、台板11の上面に凹所111,112を形成しておき、凹所111,112に受圧プレート123,124を収納する構成が採用される。また、受圧プレート123,124は台板11に対してコイルばねのような支持材(図示せず)で支持される。
【0035】
台板11の上面と受圧プレート123,124の上面とはほぼ面一になるように配置されているが、台板11の上面と受圧プレート123,124の上面との間に段差が生じる可能性があるから、左足置部121および右足置部122を含む台板11の上面の全体を化粧シート14で覆うことが好ましい。化粧シート14は、可撓性を有する合成樹脂シートにより形成され、左足置部121および右足置部122に相当する領域に作用する荷重を受圧プレート123,124に伝達する。
【0036】
受圧プレート123の四隅と台板11との間にはそれぞれ荷重センサ131が配置されており、受圧プレート124の四隅と台板11との間にはそれぞれ荷重センサ132が配置されている。要するに、左足置部121と右足置部122とに作用する下向き荷重は、4個ずつの荷重センサ131,132によって計測される。荷重センサ131,132としては、歪みゲージあるいはロードセルが用いられる。
【0037】
ここに、左足置部121と右足置部122とにそれぞれ4個ずつの荷重センサ131,132を設けることは必須ではなく、左足置部121と右足置部122とにそれぞれ3個以上の荷重センサ131,132が設けられていればよく、かつ3個以上の荷重センサ131,132が一直線上に並んでいなければよい。すなわち、荷重センサ131,132は、左足置部121と右足置部122とに作用する下向き荷重を、それぞれ異なる3箇所以上で計測するように配置される。
【0038】
上述した構成では、台板11に設けた凹所111,112に受圧プレート123,124を収納した構成を採用しているが、左足置部121と右足置部122とを下面開放された形状に形成し、台板11の上面に被せるように配置してもよい。この構成では、左足置部121および右足置部122の上面が受圧プレート123,124になり、左足置部121および右足置部122と台板の上面との間に形成される空間に、受圧プレート123,124を支持するコイルばねのような支持材と荷重センサ131,132とが配置される。この構造は、荷重センサを用いて体重を計測する体重計の構造とほぼ同様である。
【0039】
上述したように、受圧プレート123,124ごとに荷重センサ131,132が設けられているから、受圧プレート123,124ごとに作用する下向き荷重がそれぞれ計測される。また、受圧プレート123,124ごとに数個の荷重センサ131,132を設けていることにより、受圧プレート123,124ごとに作用する下向き荷重について重心などの位置が検出可能になる。
【0040】
ここに、台板11の前方をx軸方向の正の向き、台板11の左向きをy軸方向の正の向きとする二次元の直交座標系を規定すれば、受圧プレート123,124に作用する荷重の重心の位置は以下のようにして求められる。左側の受圧プレート123に対応する4個の荷重センサ131が検出した荷重をw1,w2,w3,w4とし、荷重センサ131の座標を(x1,y1),(x2,y2),(x3,y3),(x4,y4)とする。この場合、重心の座標(xg,yg)は、以下のようになる。xg=(w1・x1+w2・x2+w3・x3+w4・x4)/(w1+w2+w3+w4)、yg=(w1・y1+w2・y2+w3・y3+w4・y4)/(w1+w2+w3+w4)になる。右側の受圧プレート124についても同様にして重心の座標が求められる。
【0041】
なお、受圧プレート123,124ごとに多数個(たとえば、20個以上)の荷重センサ131,132を設け、受圧プレート123,124の場所ごとの荷重を検出することも可能である。この種の構成として、受圧プレート123,124に、多数個のピエゾ素子を配列した感圧式タッチスイッチを採用することが可能である。多数個の荷重センサ131,132を用いると、受圧プレート123,124に作用する下向き荷重の分布が計測可能になる。
【0042】
数個の荷重センサ131,132を設ける場合には、受圧プレート123,124は被訓練者からの下向き荷重で実質的に撓まない程度の強度に形成することが好ましい。一方、多数個の荷重センサ131,132を用いる場合には、受圧プレート123,124は可撓性を有することが好ましい。
【0043】
計測部1は、荷重センサ131,132ごとの下向き荷重の計測値を処理部2に出力する。処理部2は、上述したように、プログラムに従って動作するプロセッサからなる演算部20を備え、演算部20は、適宜のプログラムを実行することにより、以下に説明する各機能を実現する。また、処理部2は、荷重センサ131,132からの計測値を取得する取得部21と、取得部21が取得した計測値の時間変化を記憶する記憶部22と、他のコンピュータシステム6などの外部装置と通信するインターフェイス部23とを備える。
【0044】
取得部21は、荷重センサ131,132ごとのアナログ値である計測値をデジタル値に変換するAD変換の機能を有し、一定時間毎にデジタル値を出力する。取得部21は、荷重センサ131,132と同数のAD変換器を備えていてもよいが、マルチプレクサを設けて荷重センサ131,132ごとの計測値を順に(循環的に)デジタル値に変換する構成を採用することが好ましい。この構成であれば、荷重センサ131,132の計測値がシリアルデータになるので、データ伝送が容易になる。取得部21において個々の荷重センサ131,132の出力値をサンプリングする周期は、人の応答が検出できればよいから、0.01〜0.5s程度でよい。この数値は一例であって、サンプリング周期を限定する趣旨ではない。
【0045】
処理部2は、取得部21が取得した荷重センサ131,132の計測値から被訓練者の姿勢と動作との少なくとも一方に相当する現荷重情報を抽出する荷重情報抽出部201としての機能を備える。荷重情報抽出部201は、荷重センサ131,132が検出した荷重から求められる受圧プレート123,124ごとの重心位置に関して現荷重情報を抽出する。すなわち、荷重情報抽出部201は、サンプリング毎の左右の重心の位置を被訓練者の姿勢に関する現荷重情報に用い、サンプリング毎の左右の重心の位置の時間変化を被訓練者の動作に関する現荷重情報に用いる。現荷重情報は、被訓練者の姿勢と動作との一方についてのみ採用してもよい。
【0046】
重心の位置の時間変化には、被訓練者について着目する動作以外の変動成分が多く含まれることが予想される。したがって、被訓練者の動作に関する現荷重情報は、重心位置の移動平均、重心位置の軌跡、重心位置のうち特定の複数点の位置関係などから選択される情報を用いる。重心位置の軌跡を用いる場合、重心位置が変化する向き、距離に着目した変化の属性を現荷重情報に用いる。
【0047】
記憶部22は、被訓練者が装置を使用している期間に荷重情報抽出部201が抽出した現荷重情報の変化を記録する履歴記憶部221と、あらかじめ設定された目標荷重情報を記憶する目標記憶部222とを備える。目標荷重情報については後述する。処理部2は、目標記憶部222に設定された目標荷重情報を授受するインターフェイス部23を備え、必要に応じて、履歴記憶部221に記憶されている現荷重情報を取り出すインターフェイス部24を備える。
【0048】
目標荷重情報は、被訓練者が装置を使用しているときに得られる現荷重情報の目標とする情報である。したがって、被訓練者は、現荷重情報が目標荷重情報に近付けるように姿勢や動作に関する身体操作を行うことによって、所要の姿勢や動作を修得することが可能になる。このような目標荷重情報は、被訓練者が指導者による指導を受けて身体操作を行ったときの現荷重情報から抽出される。また、目標荷重情報は、姿勢や動作に対応付けられるから、目標記憶部222は姿勢や動作に応じた複数種類の目標荷重情報が記憶可能になっている。
【0049】
姿勢に関する目標荷重情報は、静的な情報であるから、被訓練者が適切な姿勢である時点において、指導者がコントローラ5の操作装置51を操作することによって、目標記憶部222に登録することが可能である。たとえば、土踏まずあるいは足関節の直上に膝関節が位置した状態での現荷重情報を目標荷重情報として採用する。これは、被訓練者に膝痛が生じている場合、膝が外側に開いていることにより、着地時に土踏まずあるいは足関節の直上に膝関節が位置していないことがあるからである。
【0050】
動作に関する目標荷重情報は、時間変化を伴う動的な情報であるから、被訓練者の訓練が終了した後、履歴記憶部221に記憶された現荷重情報をインターフェイス部24から外部に取り出し、別のコンピュータシステム7などを用いて設定される。コンピュータシステム7では、目標荷重情報の設定を支援するためのプログラムが実行され、指導者は支援プログラムの指示に従ってコンピュータシステム7を操作することにより、現荷重情報の履歴から適切な目標荷重情報を生成することが可能になる。
【0051】
コンピュータシステム7は、インターネットのような公衆網に接続されたサーバであってもよく、その場合、コントローラ5を用いてサーバとの間で対話的に目標荷重情報を生成する構成を採用することも可能である。
【0052】
また、目標荷重情報は、インターフェイス部23を通して授受することが可能であるから、別に作成された目標荷重情報をインターフェイス部23を通して受け取り、目標記憶部222に設定することも可能である。インターフェイス部23はメモリカードやUSBメモリのような記憶媒体6を接続するコネクタを備え、記憶媒体6を介在させて目標荷重情報を授受することが可能になっている。ただし、インターフェイス部23を、インターネットのような公衆網を通して通信する通信用として構成する場合は、記憶媒体6を用いることなく、データ通信によって目標荷重情報を授受することが可能になる。
【0053】
ここまでは、動作訓練装置の構成のうち、主としてリハビリ施設などにおいて、被訓練者が指導者の指導下で運動を行った結果から目標荷重情報を生成するための構成について説明した。以下では、被訓練者が指導者の指導を受けずに自宅などにおいて、運動を行うために必要になる構成について説明する。指導者の指導を受けずに被訓練者が運動する際には、指導者の指導下で行ったときと同じ動作ないし姿勢であることを確認できれば、動作や姿勢が自己流になるのを防止することができると考えられる。
【0054】
そのため、処理部2は、被訓練者が装置を使用している間に荷重情報抽出部201が抽出した現荷重情報と目標荷重情報とを比較する情報評価部202を備える。情報評価部202が現荷重情報と比較する目標荷重情報は、目標記憶部222に記憶された目標荷重情報から選択され処理部2に設けられた目標設定部203にあらかじめ設定される。情報評価部202は、現荷重情報と目標設定部203に設定された目標荷重情報との差異を評価し、評価結果を評価量として提示部3を通して表示装置51に表示する。すなわち、評価量が提示部3を通して被訓練者に提示される。
【0055】
目標荷重情報は指導者による指導下での現荷重情報から求められているから、情報評価部202で目標荷重情報と現荷重情報との差異に関する評価量が求められることにより、被訓練者の姿勢や動作について指導を受けたときとの相違の程度がわかる。
【0056】
情報評価部202で得られた評価量は、コントローラ5に設けられた表示装置51に表示される。コントローラ5は、音声を出力する発音装置を備えていてもよく、音声による評価量の提示を可能にしてもよい。すなわち、提示部3は、評価量についてコントローラ5を通して視覚的提示と聴覚的提示とのうち少なくとも視覚的提示を行わせる。
【0057】
コントローラ5に設けた操作装置52は、表示装置51の画面に重ねられたタッチスイッチ、機械接点を備える押釦スイッチなどから選択される。コントローラ5を設けている場合、提示部3および入力部4はコントローラ5に設けられる。なお、処理部2のうち取得部21は計測部1と一体に設けることが好ましく、処理部2の他の構成は、コントローラ5に設けることが好ましい。
【0058】
表示装置51の画面への評価量の表示例を図3に示す。図3に示す表示例では、画面の中央部に左足置部121と右足置部122とに作用する荷重の比率を示すバランス表示部511が設けられ、情報評価部202から出力された評価量はバランス表示部511の左右に表示されている。図示例では、バランス表示部511に「左45% 右55%」と表示されているから、重心が右側に偏っていることを示している。
【0059】
図示例は、姿勢に関する評価量を示しており、目標荷重情報としての重心の位置を示すマーク(丸印)514,515と、荷重情報抽出部201が抽出した現荷重情報としての重心の位置を示すマーク(十字印)512,513とを表している。したがって、被訓練者は、マーク512,513の位置をマーク514,515の位置に近づけるように姿勢を変化させることによって、指導者による指導時にほぼ一致する姿勢になる。ここに、差異に関する評価量は、マーク512,513とマーク514,515との距離および方向で示されている。
【0060】
動作に関する評価量を示す場合は、目標荷重情報として重心を移動させる軌跡および望ましい位置を示し、同時に、現荷重情報に相当する重心の位置を表示すればよい。このような表示によって、被訓練者は、望ましい位置に対する現在の位置のずれを認識することになる。したがって、被訓練者は、現荷重情報を目標荷重情報に合わせ込むように身体操作を行い、正しい動作を修得することが可能になる。
【0061】
ところで、上述した構成では、足置部121,122に足を載せる位置によって、現荷重情報が変動する可能性がある。したがって、動作訓練装置を用いて指導を受けたときと同じ姿勢や動作になるように訓練するには、動作訓練装置の使用毎に足を載せる位置を一致させる必要がある。この目的のために、台板11には紙や布のようなシート状の材料で形成された足位置記録媒体17を用いる。足位置記録媒体17は、フェルトペンなどの筆記具を用いて記入でき、足を載せても破れにくく、柔軟であって、しかも比較的安価である材料が用いられる。したがって、足位置記録媒体17には、たとえば、耐水性を有した不織布が用いられる。さらに、足位置記録媒体17の表面には、図4に示すように、薄い色(灰色、パステルカラーなど)で足形の基準線171が印刷されている。
【0062】
台板11には、足位置記録媒体17の角位置を当接させる2個の位置合わせ凸部113が形成される。位置合わせ凸部113は平面視においてL字状に形成される。また、台板11において位置合わせ凸部113の近傍にはマグネット15が埋め込まれている。したがって、磁性体により形成された押さえ板16とマグネット15との間に足位置記録媒体17の一部を挟み込むことによって、足位置記録媒体17を台板11に対して位置固定することが可能になっている。
【0063】
この構成では、足位置記録媒体17が位置合わせ凸部113に当てて位置決めされ、媒体取付部材であるマグネット15および押さえ板16を用いて足位置記録媒体17の位置が固定される。したがって、足位置記録媒体17を台板11に対してつねに同じ位置に固定することが可能になる。また、押さえ板16を外すことにより足位置記録媒体17を台板11から取り外すことができる。したがって、足位置記録媒体17は左足置部121および右足置部122に対して着脱可能になる。
【0064】
媒体取付部材としては、マグネット15と押さえ板16とに代えて、足位置記録媒体17の一部を挟み込むクリップ状の挟み部材(図示せず)を台板11に設けてもよい。すなわち、足位置記録媒体17の端部が挟み部材で挟み込まれることにより、足位置記録媒体17が台板11に対して位置固定される。なお、位置合わせ凸部113を設けている場合には、両面粘着テープを媒体取付部材に用いて足位置記録媒体17を台板11に取り付けてもよい。
【0065】
足位置記録媒体17は次のように使用される。すなわち、被訓練者がリハビリ施設などにおいて指導を受けて動作訓練装置を使用する際には、被訓練者は、台板11に取り付けられた足位置記録媒体17に印刷されている基準線171を目安にして足を載せる。この状態で指導者は被訓練者の爪先側と踵側との少なくとも一方について、フェルトペンなどを用いて足の周囲をなぞるように位置決め線172を書き込む。なお、被訓練者の足をなぞって位置決め線172を足位置記録媒体17に書き込むタイミングは、訓練の前後のどちらでもよい。そして、訓練後には足位置記録媒体17が台板11から外され、被訓練者に渡される。
【0066】
被訓練者の足をなぞった位置決め線172が書き込まれた足位置記録媒体17は、被訓練者が自宅などで使用する動作訓練装置に取り付けられる。足位置記録媒体17を位置合わせ凸部113に当接させて正確に位置を合わせ、足位置記録媒体17に書き込まれた位置決め線172に合わせて足を載せることによって、リハビリ施設において使用したときと同じ位置に足を載せることができる。すなわち、自宅などで動作訓練装置を使用する際に、リハビリ施設で指導者の指導下で行った訓練と同じ条件での使用が可能になる。
【0067】
足位置記録媒体17は、紙や布ではなく、熱収縮樹脂のシートのように加熱することにより足に沿った形状に変形する材料を用いてもよい。この種の材料を用いた足位置記録媒体17を用いる場合は、たとえば、足位置記録媒体17に足を載せた状態で、ドライヤなどで加熱すればよい。
【0068】
また、リハビリ施設に配置された動作訓練装置では、被訓練者ごとに足位置記録媒体17が交換されるから、動作訓練装置を多数人で使用しながらも、被訓練者ごとに新しい足位置記録媒体17に足を載せることになる。したがって、被訓練者が裸足で動作訓練装置を利用する場合でも、動作訓練装置が清潔に利用されることになる。
【0069】
上述した構成例では、計測部1とコントローラ5とを別体に設け、計測部1とコントローラ5を有線で接続することを想定しているが、計測部1とコントローラ5との間には無線の通信路を形成してデータを伝送してもよい。また、上述した構成では、コントローラ5に表示装置51を設けているが、図5に示すように、表示装置51を計測部1に一体に設けることも可能である。この構成では、表示装置51が台板11において左足置部121と右足置部122との前方に配置される。さらに、専用のコントローラ5ではなく、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)などをコントローラ5に代えて用いることも可能である。この場合、スマートフォン、タブレット端末、PDAなどをコントローラ5として機能させるための専用のアプリケーションソフトウェアを用いる。以下では、スマートフォン、タブレット端末、PDAなどをまとめて携帯端末と呼ぶ。携帯端末をコントローラ5として用いる場合は、被訓練者の携帯端末に目標荷重情報を保存し、この携帯端末を別の動作訓練装置のコントローラ5に用いることが可能である。
【0070】
上述の構成によって、本実施形態の動作訓練装置は、以下のように使用することが可能である。すなわち、図6に示すように、被訓練者は、病院などに設けられたリハビリ施設の設備である動作訓練装置(基準装置)10Aを指導者の指導下で使用し、指導者は、動作訓練装置10Aで得られた現荷重情報を用いて目標荷重情報61を作成する。被訓練者は、指導者から渡された目標荷重情報61を、自宅に設けた動作訓練装置(訓練装置)10Bの目標設定部203に設定することにより、指導を受けたときと同じ姿勢や動作を目指すように訓練することになる。この訓練により得られた現荷重情報の履歴は履歴記憶部221に記録されるから、インターフェイス部23を通して履歴情報62として取り出せる。したがって、この履歴情報62を指導者に渡すことによって、指導者は被訓練者の自宅での訓練の状況を知ることが可能になり、次の指導の参考に用いることが可能になる。このように、指導者から被訓練者に目標荷重情報61を渡し、被訓練者から指導者に履歴情報62を渡すことによって、指導者は被訓練者に適切な指導を行うことが可能になる。
【0071】
上述の使用例からわかるように、リハビリ施設に配置する動作訓練装置10Aと、被訓練者が自宅で使用する動作訓練装置10Bとは、必ずしも同じ性能ではなくてもよい。たとえば、動作訓練装置10Bでは、目標荷重情報を生成するために必要となるインターフェイス部24を省略してもよい。また、動作訓練装置10Aでは、多数個のピエゾ素子を配列したタッチスイッチ式の荷重センサ131,132を受圧プレート123,124に配置し、動作訓練装置10Bでは上述したロードセルのような荷重センサ131,132を用いてもよい。この構成では、動作訓練装置10Aでは、足位置記録媒体17を計測部1に置く代わりに、荷重センサ131,132で取得した足の位置をプリンタなどで印刷し、足位置記録媒体17として被訓練者に渡せばよい。
【0072】
さらに、上述した構成例では、左足置部121と右足置部122とに分けているが、両足を載せるように1個の足置部を設けた構成を採用することが可能である。1個の足置部では2個の足置部を設ける構成に比較すると姿勢や動作の検出精度が低下するが、簡便な使用であれば実用になり、しかも製造コストの低減が期待できる。一方、荷重センサ131,132に加えて加速度センサあるいはジャイロセンサを付加することによって、被訓練者の姿勢や動作をさらに精度よく検出することが可能になる。
【0073】
また、提示部3は、現荷重情報と目標荷重情報との差異の程度を示す評価量を表示装置51に表示するだけではなく、視覚障害者でも使用できるように、評価量を音の高低や音量で提示してもよい。たとえば、目標荷重情報との差異が大きくなると音が大きくなり、差異が小さくなると音が小さくなるようにしてもよい。あるいはまた、目標荷重情報との差異が大きくなると高音になり、差異が小さくなると低音になるようにしてもよい。これらの動作では、音が聞こえなくなると、現荷重情報が目標荷重情報にほぼ一致したことになる。
【0074】
さらにまた、被訓練者が動作訓練装置10Bを自宅で使用する場合、使用に過不足が生じる場合がある。たとえば、失念や怠惰により動作訓練装置10Bを使用しない場合や、忘却や意欲により動作訓練装置10Bの使用回数が過剰になる場合などが考えられる。これらの問題を解決するために、適宜の時刻になると使用を促す機能、使用が過剰になるときには警告する機能などを設けてもよい。
【0075】
上述した構成では、左足置部121と右足置部122との位置が固定されているが、図7に示すように、台板11を左台板10Aと右台板11Bとに分割し、左台板11Aに左足置部121を設け右台板11Bに右足置部122を設ける構成を採用してもよい。左台板11Aと右台板11Bとはレール18を用いて連結され、左台板11Aと右台板11Bとの距離が矢印Aで示すように、調節可能であるとともに所望の距離で位置を固定できるように構成される。この種の構成は周知であって、もっとも簡単な構成であれば、左台板11Aと右台板11Bとレール18との摩擦力を利用する構成を採用できる。
【0076】
図7に示す構成のように、左足置部121と右足置部122との距離が調節可能であれば、体格差に応じて足を載せる位置を調節したり、訓練のための姿勢や動作に応じて足を載せる位置を調節することが可能になる。
【符号の説明】
【0077】
3 提示部
6 記憶装置
10A 動作訓練装置(基準装置)
10B 動作訓練装置(訓練装置)
15 マグネット(媒体取付部材)
16 押さえ板(媒体取付部材)
17 足位置記録媒体
23 (第1の)インターフェイス部
24 (第2の)インターフェイス部
121 左足置部(足置部)
122 右足置部(足置部)
131 荷重センサ(荷重検出部)
132 荷重センサ(荷重検出部)
201 荷重情報抽出部
202 情報評価部
203 目標設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被訓練者が足を載せる足置部と、
前記足置部に作用する荷重を前記足置部の複数箇所で検出する荷重検出部と、
前記荷重検出部が検出した荷重から前記被訓練者の姿勢と動作との少なくとも一方に相当する現荷重情報を抽出する荷重情報抽出部と、
前記荷重情報抽出部が抽出した前記現荷重情報とあらかじめ設定された目標荷重情報との差異を評価する評価量を算出する情報評価部と、
前記情報評価部が算出した前記評価量を前記被訓練者に提示させる提示部と、
前記情報評価部が用いる前記目標荷重情報が設定される目標設定部と
を備えることを特徴とする動作訓練装置。
【請求項2】
前記足置部は前記被訓練者の左右の足を片方ずつ載せるように左右一対設けられ、前記荷重検出部は左右の前記足置部ごとに複数個ずつ設けられることを特徴とする請求項1記載の動作訓練装置。
【請求項3】
前記目標荷重情報を授受するインターフェイス部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の動作訓練装置。
【請求項4】
前記荷重情報抽出部が抽出した前記現荷重情報を取り出すインターフェイス部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の動作訓練装置。
【請求項5】
前記目標設定部に設定される前記目標荷重情報は、前記荷重情報抽出部が抽出した前記現荷重情報に基づいて生成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の動作訓練装置。
【請求項6】
前記提示部は、前記評価量を操作表示装置に引き渡し、前記操作表示装置を通して前記被訓練者に前記評価量を提示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の動作訓練装置。
【請求項7】
前記提示部は、前記評価量を無線通信により携帯端末に伝送し、前記携帯端末を通して前記被訓練者に前記評価量を提示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の動作訓練装置。
【請求項8】
前記足置部は、前記被訓練者の足の位置を記録する足位置記録媒体を着脱可能に取り付ける媒体取付部材を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の動作訓練装置。
【請求項9】
被訓練者が用いる複数台の動作訓練装置を備え、
前記動作訓練装置は、
前記被訓練者が足を載せる足置部と、
前記足置部に作用する荷重を前記足置部の複数箇所で検出する荷重検出部と、
前記荷重検出部が検出した荷重から前記被訓練者の姿勢と動作との少なくとも一方に相当する現荷重情報を抽出する荷重情報抽出部と、
前記荷重情報抽出部が抽出した前記現荷重情報とあらかじめ設定された目標荷重情報との差異を評価する評価量を算出する情報評価部と、
前記情報評価部が算出した前記評価量を前記被訓練者に提示する提示部と、
前記情報評価部が用いる前記目標荷重情報を設定する目標設定部と、
前記目標荷重情報を授受する第1のインターフェイス部と、
前記荷重情報抽出部が抽出した前記現荷重情報を取り出す第2のインターフェイス部とを備え、
前記動作訓練装置のいずれかを前記被訓練者が指導を受けながら訓練する基準装置として用い、前記動作訓練装置の残りを前記被訓練者が自己訓練を行う訓練装置として用いる場合に、
前記基準装置を前記被訓練者が用いたときに前記荷重情報抽出部が抽出した前記現荷重情報に基づいて前記目標設定部が生成した前記目標荷重情報を、前記第1のインターフェイス部を通して前記訓練装置に引き渡し、
前記訓練装置を前記被訓練者が用いたときに前記荷重情報抽出部が抽出した前記現荷重情報を前記第2のインターフェイス部を通して前記基準装置に引き渡すことを特徴とする動作訓練システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate