説明

動力伝達装置

【課題】 磁力を利用した非接触での直交方向への動力の伝達を実現し、汎用性が高く、また、耐久性に優れる安価な動力伝達装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 駆動回転軸Ta端部の駆動円盤部材11と、従動回転軸Ga端部の従動円盤部材12と、駆動側空転軸TFa端部の駆動側空転円盤部材41と、3つの従動側空転軸GFa端部の従動側空転円盤部材42と、回転軸Ta、Gaの軸心の延長線を直交させるとともに空転軸TFa、GFaも互いに軸心が直交するように軸支する支持手段とを備え、それぞれの外周円錐面11m、12m、41m、42mを非接触対面させて、これらに埋め込まれている磁極に応じた吸引力または反発力により相対回転させることによって回転力を伝達するのと同時に、曲げ応力となる互いの磁力を均等に作用し合って相殺する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達装置に関し、詳しくは、駆動源からの動力を非接触に伝達することのできる動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、駆動源の動力を他の装置に伝達する装置として、駆動源からの回転軸と、動作目的の装置に繋がる回転軸とを、駆動ギヤおよび従動ギヤを噛合させた歯車列を介して連結するものが知られている。この装置では、駆動源側の回転軸に対して動作目的側の回転軸を歯車列を介して任意の回転方向に従動回転させることにより、駆動源の動力を動作目的の装置に伝達することができる。
【0003】
しかし、この歯車列による動力伝達装置は、駆動ギヤと従動ギヤを噛合させる状態を維持しつつ回転軸を相対回転させるものであるため、駆動ギヤおよび従動ギヤの磨耗を避けることができず、さらに、回転軸を大きなトルクで回転させたり、回転軸を高速回転させる動力を伝達する場合には、磨耗が激しくなってしまうという不都合があった。
【0004】
このことから、駆動側と従動側の回転軸を回転させる動力(回転力)を非接触に伝達するために、駆動側と従動側の回転軸を磁力により非接触に連結する動力伝達装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
この文献1に記載の動力伝達装置は、図13(a)に示すように、歯車に代えて、外周面1m、2mに磁極を配列した磁力円盤1、2を配置して、その外周面1m、2mを対面させて互いの磁力を作用させる構成にしている。これにより、この動力伝達装置は、駆動側の回転軸3に対して従動側の回転軸4を相対回転させて動力の伝達を実現している。
【0006】
また、文献2に記載の動力伝達装置は、駆動側および従動側の回転軸を円柱形状と円筒形状の一対により構成して同軸になるように組み合わせており、法線方向で対面する外周面には永久磁石を接着する一方、内周面には磁性体を固着している。これにより、この動力伝達装置は、駆動側と従動側の回転軸を同軸上で相対回転させて動力の伝達を実現している。
【0007】
なお、これら文献1、2に記載の装置は、磁力により非接触状態で連結していることから、過大な負荷が一方に掛かった時には、他方の自由回転を許容することができ、トルクリミッタとしても機能する。
【特許文献1】特開平6−51580号公報
【特許文献2】特開平7−7919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この文献1に記載の動力伝達装置にあっては、駆動側と従動側の回転軸3、4を磁力により非接触に連結することは達成されているが、その回転軸3、4は互いの軸心の延長線が離隔する平行状態にあることから、駆動源と動作目的装置をずらした状態で配置しなければならず、無駄なスペースができてしまう。また、駆動源と動作目的装置は回転軸3、4の延長方向に位置しなければならず、回転軸3、4を任意の角度に配置させることができずに、レイアウトに制限がある。
【0009】
さらに、磁力円盤1、2の軸心をずらして連結することから、図13(b)に示すように、回転軸3、4には曲げ応力が常に加わった状態で連結されることになる。このような機構においては、大きなトルクや高速回転させる動力を伝達する場合には、磁力強度を大きくする必要があり、回転軸に加えられる曲げ応力が大きくなって、例えば、耐久性に欠けたり、装置が大型化してしまうなどの問題がある。
【0010】
ここで、回転軸3、4は、図14に示すように、磁力円盤2に代えて、内周面5mに磁極を配列した磁力円筒部材5を配置して、磁力円盤1の外周面1mをその内周面5mに対面させることにより、軸心の延長線を接近させることはできる。しかし、この動力伝達装置でも、回転軸3、4には曲げ応力が常に加わった状態で連結されることになり、この問題を解消することが出来ない。
【0011】
一方、文献2に記載の動力伝達装置にあっては、駆動側と従動側の回転軸を磁力により非接触に同軸上で連結することは達成されているが、円柱形状と円筒形状の対面する空間内に互いに吸引する磁力を働かせていることから、同文献に記載されているように、安定して動作させるには、その隙間(クリアランス)を狭くする必要がある。このような構造においては、その隙間内に熱がこもり易く、永久磁石などが破損する虞があるとともに、構成材料にも制約がある。また、隙間を狭くするほど、非接触状態を維持することが難しく、駆動側と従動側の回転軸が摺接することによる磨耗が発生して耐久性に欠けたり、また、組立コストが高くなってしまったり、装置が大型化してしまうなどの問題がある。
【0012】
また、文献1に記載の装置では、互いに噛合する駆動ギヤと従動ギヤの歯数を変えるのと同様に、駆動側と従動側の磁力円盤1、2に配列する磁極数を変えることにより、回転軸3、4の回転を変化させて変速機としても動作させることはできるが、文献2に記載の装置では、駆動側と従動側の回転軸は互いの吸引箇所を通常変化させることはなく、同一の回転数で回転することから、変速機として動作させることはできない。
【0013】
そこで、本発明は、磁力を利用した非接触での動力の伝達を実現し、さらに、駆動側と従動側とで回転軸の回転を変化させることを実現して、汎用性が高く、また、耐久性に優れる安価な動力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決する動力伝達装置の第1の発明は、駆動源からの動力により回転駆動する駆動回転軸と、従動回転されることによる回転力を動作目的の装置に動力として供給する従動回転軸と、を連結して該駆動回転軸の回転駆動により従動回転軸を従動回転させて動力を伝達する動力伝達装置であって、駆動回転軸に固設されて該軸心の周囲に配置された複数の駆動側磁力発生手段と、従動回転軸に固設されて該軸心の周囲に配置された複数の従動側磁力発生手段と、駆動回転軸および従動回転軸を軸心の延長線が任意の角度で交差するように回転自在に支持する支持手段と、を備えて、駆動側磁力発生手段および従動側磁力発生手段は、磁力発生面の磁極が駆動回転軸および従動回転軸の軸心回りで交互になるように配列されるとともに、該磁力発生面が駆動回転軸および従動回転軸のそれぞれで同軸回転しつつ互いの回転軌道の一部で非接触対面して、駆動回転軸の磁力発生面が軸心回りに駆動回転したときに従動回転軸の磁力発生面が互いに対面する磁力によって軸心回りに従動回転されることにより、駆動源からの動力を動作目的装置に回転力として伝達することを特徴とするものである。
【0015】
この発明では、軸心が交差する駆動回転軸および従動回転軸の軸心回りに、永久磁石または電磁石の磁力発生手段がN極とS極の磁極を交互に配列されて磁力発生面が形成される。これら駆動回転軸および従動回転軸の磁力発生面は、常にその回転軌道の一部で非接触状態で対面して、回転に伴って変化する互いの磁極に応じた磁力による吸引力または反発力が作用し合う。このため、駆動回転軸が駆動源からの動力により回転した場合には、従動回転軸の磁力発生面の磁極毎に作用する駆動回転軸の磁極が繰り返し変化することにより、互いに作用する吸引力または反発力に応じて駆動回転軸に対して従動回転軸が従動回転する。したがって、駆動回転軸と従動回転軸とが交差する位置関係にレイアウトする場合にも対応することができ、磁極のすべてを直に対面させる構造、すなわち、隙間の狭い構造にすることなく、駆動回転軸から従動回転軸に回転力を伝達することができる。
【0016】
上記課題を解決する動力伝達装置の第2の発明は、上記第1の発明の特定事項に加え、前記駆動回転軸および従動回転軸に同軸回転する円形部材を設けて、該円形部材に形成する外周円筒面、一側面側同心円面、外周円錐面、あるいは、内周円錐面などの略同一位置を周回可能な面のうちの同一形状または異なる形状の2面に、磁極が交互になるように駆動側磁力発生手段または従動側磁力発生手段を配列することにより磁力発生面を構成した
ことを特徴とするものである。
【0017】
この発明では、駆動回転軸および従動回転軸の端部に、例えば、互いの磁力が効果的に作用し合うように、円形部材の外周円筒面、一側面側同心円面、外周円錐面、あるいは、内周円錐面などのように周回可能な面のうちの2面が磁力発生面にされる。例えば、円形部材の外周円筒面と一側面側同心円面を非接触対面させる場合には、駆動回転軸と従動回転軸は軸心の延長線が直交するように配置される。円形部材の円錐面同士(外周円錐面同士または外周円錐面と内周円錐面の組)や、円形部材の円錐面と外周円筒面または一側面側同心円面の組を非接触対面させる場合には、円錐面の傾斜角度を任意に設定することにより、駆動回転軸と従動回転軸は軸心の延長線を任意の角度で交差するように配置することができる。ここで、周回可能な面としては、ここに例示するものに限るものでなく、例えば、外面あるいは内面が多角形の筒形状や多角錐の斜面を構成したり、あるいは、湾曲面を連続させた花形などのような異形形状を構成する場合も含まれる。
【0018】
上記課題を解決する動力伝達装置の第3の発明は、上記第1または第2の発明の特定事項に加え、前記駆動回転軸に対して互いの軸心の延長線が任意の角度で交差するとともに従動回転軸と共に該駆動回転軸の軸心の周囲で均等間隔になるように配置されて回転自在に支持されている駆動側空転軸と、前記従動回転軸に対して互いの軸心の延長線が任意の角度で交差するとともに駆動回転軸と共に該従動回転軸の軸心の周囲で均等間隔になるように配置されて回転自在に支持されている従動側空転軸と、駆動側空転軸の軸心の周囲に配置されて該軸心回りで磁極が交互になる磁力発生面を形成するとともに該磁力発生面が駆動回転軸の磁力発生面に対して互いの回転軌道の一部で非接触対面する複数の駆動空転側磁力発生手段と、従動側空転軸の軸心の周囲に配置されて該軸心回りで磁極が交互になる磁力発生面を形成するとともに該磁力発生面が従動回転軸の磁力発生面に対して互いの回転軌道の一部で非接触対面する複数の従動空転側磁力発生手段と、を備えて、駆動回転軸および従動回転軸の磁力発生面が軸心回りに回転したときに、駆動側空転軸および従動側空転軸の磁力発生面が互いに対面する磁力によって軸心回りに従動回転しつつ当該駆動回転軸および従動回転軸に対して軸心回りの均等位置から均等な磁力を作用させることを特徴とするものである。
【0019】
この発明では、駆動回転軸の磁力発生面の周囲には従動回転軸および駆動側空転軸の磁力発生面が均等間隔に非接触対面する一方、従動回転軸の磁力発生面の周囲には駆動回転軸および従動側空転軸の磁力発生面が均等間隔に非接触対面して、回転に伴って変化する磁極に応じた吸引力または反発力が駆動回転軸および従動回転軸の磁力発生面に均等に作用する。このため、駆動回転軸および従動回転軸は、磁力発生面に作用する吸引力や反発力が大きな曲げ応力となって加えられることがなく、一方向からの磁気力に抗する強度を備えるように設計する必要がない。したがって、装置を、無用に大型化してしまうことがない。
【0020】
上記課題を解決する動力伝達装置の第4の発明は、上記第3の発明の特定事項に加え、前記駆動側空転軸は、従動回転軸と軸心が同軸になる位置に配置される一方、従動側空転軸は、駆動回転軸と軸心が同軸になる位置に配置されるとともに、該従動回転軸と駆動回転軸の双方に対して軸心の延長線が直交する位置には駆動側空転軸または従動側空転軸の一方あるいは双方として配置されることを特徴とするものである。
【0021】
この発明では、駆動回転軸および従動回転軸の軸心の延長線が交差する位置を中心にして、互いに直交する位置関係になる6方向に、駆動回転軸および従動回転軸と共に駆動側空転軸および従動側空転軸が配置されて、それぞれの磁力発生面が互いの軸心回りの均等位置で非接触対面する。このため、駆動回転軸および従動回転軸だけでなく、駆動側空転軸および従動側空転軸にも磁力発生面に作用する吸引力や反発力が大きな曲げ応力となって加えられることがなく、一方向からの磁気力に抗する強度を備えるように設計する必要がない。したがって、装置を、無用に大型化してしまうことがない。
【0022】
上記課題を解決する動力伝達装置の第5の発明は、上記第3または第4の発明の特定事項に加え、前記駆動側磁力発生手段、従動側磁力発生手段、駆動空転側磁力発生手段および従動空転側磁力発生手段の磁力発生面をそれぞれの回転軸の軸方向に複数並列させる一方、内側同士および外側同士の磁力発生面をそれぞれ非接触対面させるとともに、内側の磁力発生面の磁極の間に、外側の磁力発生面の磁極が位置するように配設することを特徴とするものである。
【0023】
この発明では、回転軸や空転軸の端部で軸方向に並列するようにそれぞれの磁力発生手段が設けられて、軸方向の内側と外側とで磁力発生面の磁極が軸心の円周方向にずれている。このため、磁力発生面の磁極に応じた大きな吸引力または反発力が作用するタイミングが内側と外側とでずれて、それぞれで駆動回転軸の回転に伴って従動回転軸や駆動側空転軸および従動側空転軸が従動回転される。したがって、駆動回転軸の回転力をできるだけムラなく従動回転軸などに伝達してスムーズに従動回転させることができる。
【0024】
上記課題を解決する動力伝達装置の第6の発明は、上記第1から第5のいずれかの発明の特定事項に加え、前記駆動側磁力発生手段の磁力発生面または従動側磁力発生手段の磁力発生面の一方を大径に形成するとともに他方を小径に形成して、一回転中における磁極数に駆動回転軸と従動回転軸とで差を設けたことを特徴とするものである。
【0025】
この発明では、駆動回転軸と従動回転軸とでは軸心回りに配置される磁極数が異なって、駆動回転軸が一回転する間に、従動回転軸を一回転未満あるいは一回転以上回転させることができる。したがって、駆動回転軸と従動回転軸とを異なる回転数で回転可能に連結する変速装置としても構成することができる。
【0026】
上記課題を解決する動力伝達装置の第7の発明は、上記第3から第6のいずれかの発明の特定事項に加え、前記駆動回転軸または従動回転軸の一方を、他方と同軸の駆動側空転軸または従動側空転軸と入れ替えて、駆動回転軸の磁力発生面が軸心回りに駆動回転したときに従動回転軸の磁力発生面が空転軸の磁力発生手段を介する磁力によって軸心回りに従動回転されることにより、駆動源からの動力を動作目的装置に回転力として伝達することを特徴とするものである。
【0027】
この発明では、駆動回転軸と従動回転軸とが同軸に支持されて、それぞれ空転軸の磁力発生面に非接触対面する。このため、駆動回転軸および従動回転軸の磁力発生面には、対面する空転軸の磁力発生面との磁極に応じた磁力による吸引力または反発力が作用する。このため、駆動回転軸の磁力発生面が回転すると、空転軸の磁力発生面との磁極同士の相関関係に応じた吸引力または反発力が作用して、その空転軸の磁力発生面が従動回転する。同様に、この空転軸の磁力発生面が回転すると、従動回転軸の磁力発生面の磁極同士に応じた吸引力または反発力が作用して、その従動回転軸が従動回転する。したがって、同軸に支持された駆動回転軸の回転を従動回転軸に伝達することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、軸心の延長線が任意の角度で交差する回転軸の軸心回りに、N極とS極の磁極が交互に配列された磁力発生面を形成するとともに、これらの磁力発生面を非接触状態で対面させることによって、回転に伴って変化する互いの磁極に応じた吸引力または反発力により、駆動回転軸の回転駆動に従動回転軸を従動回転させることができる。この場合には、磁力発生面の周囲に均等間隔に他の磁力発生面を配置して非接触対面させることにより、回転軸に加えられる曲げ応力を小さくすることができ、耐久性をより向上させることができるとともに、装置を簡易かつ小型に設計することができる。このことから、駆動回転軸と従動回転軸との間に狭い空間を形成することなく、駆動回転軸と従動回転軸とを簡易な構造で磁力により非接触に連結することができ、駆動源の動力を回転力として動作目的装置に伝達することができる。したがって、耐久性に優れる安価な動力伝達装置を実現することができる。
【0029】
さらに、回転軸の軸方向に複数の磁力発生面をそれぞれ並列させるとともに、その磁力発生面の磁極を内外で回転方向にずらすことにより、駆動回転軸の回転に伴って従動回転軸をムラなくスムーズに従動回転させることができ、駆動源からの動力を高品質な回転力として動作目的装置に伝達することができる。また、駆動回転軸と従動回転軸とで軸心回りに配置する磁極数を変えることにより、駆動回転軸と従動回転軸を変速装置を介して連結することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3は本発明に係る動力伝達装置の第1実施形態を適用した発電装置の一例を示す図である。
【0031】
図1において、発電装置は、例えば、火力による蒸気圧を動力として駆動回転軸Taを回転駆動させるタービン(駆動源)Tと、このタービンTからの動力を受けて従動回転軸Gaが従動回転されて発電する発電機(目的装置)Gと、これらのタービンTと発電機Gの回転軸Ta、Gaを連結させてタービンTからの動力を発電機Gに伝達する動力伝達装置10と、により構築されている。
【0032】
動力伝達装置10は、図2に示すように、タービンTの駆動回転軸Taの端部に固設されて駆動回転する駆動円盤部材(円形部材)11と、発電機Gの従動回転軸Gaの端部に固設されて従動回転する従動円盤部材12と、駆動回転軸Taおよび従動回転軸Gaを端部からの軸心の延長線が直交するように回転自在に支持する不図示のベアリング(支持手段)とを備えている。なお、駆動回転軸Taおよび従動回転軸Gaは、ベアリング以外の他の支持手段により回転自在に支持してもよいことはいうまでもない。
【0033】
駆動円盤部材11および従動円盤部材12は、先端を切り落とした肉厚の円錐形状に形成されており、傾斜する外周円錐面11m、12mが先端よりも外方に向かって対面するように回転軸Ta、Gaの端部に固設されている。この駆動円盤部材11の外周円錐面11mは、従動円盤部材12の外周円錐面12mに対して幅方向中央の直径が略1/2になるように形成されており、この外周円錐面11m、12mは、回転軸Ta、Gaに対して45度で傾斜して、互いに非接触状態で対面している。
【0034】
また、駆動円盤部材11の外周円錐面11mには、回転軸Taを中心とする対称(均等)位置にN極またはS極が位置するとともに、磁極が交互に現れるように4個の永久磁石が均等間隔に埋め込まれている。一方、従動円盤部材12の外周円錐面12mには、同様に、回転軸Gaを中心とする対称(均等)位置にN極およびS極が位置するとともに、磁極が交互に現れるように8個の永久磁石が均等間隔に埋め込まれている。なお、図中には、分かり易いようにN/Sの文字を部材の側面などに表示するが、実際には表示しても/しなくてもよいことはいうまでもない(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
【0035】
すなわち、駆動円盤部材11および従動円盤部材12は、回転軸Ta、Ga(軸心)を中心とする外周円錐面(周囲)11m、12mに磁力発生手段(永久磁石)が複数配置されており、それぞれの外周円錐面11m、12mを磁力発生面(回転軌道)として、その軸心回りの対称位置で交互に配列されたN極とS極の磁極が非接触に対面している。
【0036】
これにより、駆動円盤部材11と従動円盤部材12は、外周円錐面11m、12mの磁極を対面させる磁気的位置関係に設定されており、この外周円錐面11m、12mの磁極が互いに近接・対面したときの吸引力または反発力の磁力により相対回転する。
【0037】
具体的には、駆動回転軸Taが停止している際には、N極とS極とが互いに吸引(作用)し合うことにより、駆動円盤部材11および従動円盤部材12が互いに保持し合って従動回転軸Gaが停止状態に維持される。例えば、駆動円盤部材11のN極が上下に位置する回転角の場合には、そのN極に吸引される従動円盤部材12のS極が上下に位置する回転角に保持される。
【0038】
また、駆動回転軸Taが回転駆動すると、N極とS極は互いに吸引し合う一方、同極同士は互いに反発(作用)し合うことにより、駆動円盤部材11および従動円盤部材12が互いに相対回転して従動回転軸Gaを従動回転させる。例えば、駆動回転軸Taが端部に向かって時計回りに回転駆動すると、駆動円盤部材11のN極に近接する従動円盤部材12のS極が吸引されて外周円錐面11m、12m同士が連れ回ることにより、その駆動円盤部材11の回転により従動円盤部材12が反時計回りに従動回転される。このように互いに近接する磁極が変化して磁極毎に繰り返し吸引し合うことにより、駆動円盤部材11の回転が従動円盤部材12に伝達されて、駆動回転軸Taを回転させるタービンTの動力が発電機Gの従動回転軸Gaに回転力として伝達される。
【0039】
このとき、駆動円盤部材11および従動円盤部材12の磁極同士は、互いにN極とS極とが交互に近接・離隔を繰り返して駆動回転軸Taの回転力を従動回転軸Gaに伝達し、回転角にずれが生じる場合には、互いの同極が近接することによる反発力で正規の回転角で回転するように戻される。
【0040】
また、従動円盤部材12は、磁極を配列される外周円錐面12mが駆動円盤部材11の外周円錐面11mの略2倍の直径(大径)に形成されて2倍の磁極を配列されていることから、駆動回転軸Taの2回転に対して従動回転軸Gaを1回転させる。
【0041】
そして、この駆動回転軸Taおよび従動回転軸Gaは、図3(a)に示すように、駆動円盤部材11の外周円錐面11mの背面側に薄板の円筒部材15が同一回転するように固設される一方、従動円盤部材12の外周円錐面12mの背面側には薄板の円盤部材16が同一回転するように固設されており、この円筒部材15の円筒面と円盤部材16の外周縁の一部を常に非接触の状態で対面させつつ回転する。
【0042】
この円筒部材15および円盤部材16には、図3(b)に示すように、駆動回転軸Taが相対的に高速回転することから円筒部材15には駆動回転軸Taの回転方向を長手方向にする長穴15aが開口する一方、従動回転軸Gaが相対的に低速回転することから円盤部材16にはその長穴15aの回転位置に一致する半径方向の位置に丸穴16aが開口している。この円筒部材15と円盤部材16の背面側には、光を出射する発光ダイオード17と、その光を受光する受光ダイオード18とが、長穴15aおよび丸穴16aの形成位置に一致するように配置されており、その長穴15aと丸穴16aを通過してくる光の検出信号を外部に出力する。したがって、駆動回転軸Taおよび従動回転軸Gaが軸心の延長線を直交させるレイアウトでも、円筒部材15の長穴15aおよび円盤部材16の丸穴16aが一致する回転タイミングを検知することができ、駆動回転軸Taおよび従動回転軸Gaが同期回転しているか否かを判断することができる。
【0043】
このように本実施形態においては、直交する駆動回転軸Taおよび従動回転軸Gaが駆動円盤部材11と従動円盤部材12により非接触に連結されており、駆動円盤部材11および従動円盤部材12の間でN極とS極の磁極に応じた吸引力または反発力を働かせることにより、駆動回転軸Ta(駆動円盤部材11)の回転駆動を従動回転軸Ga(従動円盤部材12)に伝達して逆方向に従動回転させることができる。
【0044】
この駆動円盤部材11および従動円盤部材12は、磁力により非接触に連結されているので、異常な負荷が加わったときには、一方を他方に対して滑らせることができ、構成部材が損傷してしまうことを回避することができる。これにより、駆動回転軸Ta(駆動円盤部材11)、従動回転軸Ga(従動円盤部材12)およびベアリングなどの支持手段の構成を簡易かつ小型にしつつ耐久性をも向上させることができる。
【0045】
また、駆動円盤部材11および従動円盤部材12の磁極数は、これらの磁力発生面の長さに比例して1:2の比率に設定されていることから、駆動円盤部材11の回転数を1/2に減速して従動円盤部材12を従動回転させることができ、タービンTの駆動回転軸Taを、変速機として機能する動力伝達装置10を介して発電機Gの従動回転軸Gaに連結することができる。
【0046】
さらに、この駆動回転軸Taおよび従動回転軸Gaは、円筒部材15、円盤部材16およびダイオード17、18などの簡易な構成により、同期して適正に回転しているか否かを知ることができる。
【0047】
したがって、タービンTの駆動回転軸Taと発電機Gの従動回転軸Gaとを、直交する位置関係に、開放空間内における磁力により非接触に連結することができ、高速回転するタービンTの動力を耐久性に優れて安価に作製することのできる動力伝達装置により発電機Gに伝達して稼動させることができる。
【0048】
なお、本実施形態においては、円盤形状の駆動円盤部材11および従動円盤部材12により動力伝達装置10を構成するが、これに限るものではないことはいうまでもない。例えば、円盤形状の部材に代えて、法線方向に延在する複数のアームにより支持されるリング形状の部材(円形部材)にしてもよい。
【0049】
さらに、部材自体をきれいな円盤形状に形成する必要はなく、外周面の回転軌道が結果的に円形形状であればよい。例えば、円盤形状の部材を後述する実施形態のように円筒形状の部材に代えてもよく、また、軸心から法線方向の外方に延長させた端部に磁極を形成してもよい。ただし、異形に形成しないで、きれいな真円に形成することにより風切り音による騒音を小さくすることができることから、本実施形態のように、円盤形状などに形成する方が有利である。
【0050】
また、駆動回転軸Taの一回転に対して従動回転軸Gaを1/2回転させる変速機能を備えるように構成する場合を説明するが、これに限るものではないことはいうまでもない。例えば、駆動円盤部材11および従動円盤部材12の直径や埋め込む永久磁石の数などを適宜設計して、所望の変速機能を備えるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0051】
さらに、永久磁石を磁力発生手段として採用するが、これに限るものではないことはいうまでもなく、電磁石を採用してもよい。ただし、配線を不要にすることができることから、本実施形態のように、永久磁石を採用する方が有利である。
【0052】
次に、図4は本発明に係る動力伝達装置の第2実施形態を適用した発電装置の一例を示す図である。なお、本実施形態では、上述実施形態と略同様に構成されているので、同様の構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
【0053】
図4において、発電装置は、タービンTの駆動回転軸Taおよび発電機Gの従動回転軸Gaを動力伝達装置20により連結させてタービンTからの動力を発電機Gに伝達している。この動力伝達装置20は、上述第1実施形態と同様に、駆動回転軸Taの端部に固設されて駆動回転する駆動円盤部材21と、従動回転軸Gaの端部に固設されて従動回転する従動円筒部材(円形部材)22とを備えている。
【0054】
駆動円盤部材21は、上述第1実施形態と同様に構成されるが、傾斜する外周円錐面11mが回転軸Ta側に対面するようにその端部に固設されている。一方、従動円筒部材22は、底板22bが支持する円筒部22aの内面として、駆動円盤部材21の外周円錐面11mと同様の傾斜の内周円錐面22mを形成された有底の円筒形状に形成されている。この従動円筒部材22の内周円錐面22mには、上述第1実施形態の従動円盤部材12の外周円錐面12mと同様に形成されて、従動回転軸Gaを中心とする対称位置に、N極およびS極の磁極が交互に現れるように8個の永久磁石が均等間隔に埋め込まれている。
【0055】
すなわち、駆動円盤部材21および従動円筒部材22は、上述第1実施形態と同様に、外周円錐面11mが内周円錐面22mに対して幅方向中央の直径を略1/2になるように形成されており、それぞれの外周円錐面11mと内周円錐面22mが回転軸Ta、Gaに対して45度で傾斜する磁力発生面として、その軸心回りの対称位置で交互に配列されたN極とS極の磁極が非接触に対面している。
【0056】
これにより、駆動円盤部材21と従動円筒部材22は、上述第1実施形態と同様に、外周円錐面11mと内周円錐面22mの磁極を対面させる磁気的位置関係に設定されて、互いの磁極が近接・対面したときの吸引力または反発力の磁力により相対回転する。したがって、動力伝達装置20は、駆動回転軸Ta(駆動円盤部材21)の回転駆動を従動回転軸Ga(従動円筒部材22)に伝達して逆方向に従動回転させることができる。
【0057】
このように本実施形態においては、上述第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
次に、図5は本発明に係る動力伝達装置の第3実施形態を適用した発電装置の一例を示す図である。
【0059】
図5において、発電装置は、タービンTの駆動回転軸Taおよび発電機Gの従動回転軸Gaを動力伝達装置30により連結させてタービンTからの動力を発電機Gに伝達している。この動力伝達装置30は、上述第1実施形態と同様に、駆動回転軸Taの端部に固設されて駆動回転する駆動円盤部材31と、従動回転軸Gaの端部に固設されて従動回転する従動円盤部材32とを備えている。
【0060】
駆動円盤部材31および従動円盤部材32は、肉薄の円柱形状に形成されており、回転軸Ta、Gaの端部に同軸回転するように固設されている。この駆動円盤部材31の外周円筒面31mには、回転軸Taを中心とする対称(均等)位置にN極またはS極が位置するとともに、磁極が交互に現れるように4個の永久磁石が均等間隔に埋め込まれている。一方、従動円盤部材32の一側面側には、外周縁から駆動円盤部材31の外周円筒面31mの幅分の同心円面32m内に、同様に、回転軸Gaを中心とする対称(均等)位置にN極およびS極が位置するとともに、磁極が交互に現れるように8個の永久磁石が均等間隔に埋め込まれている。
【0061】
すなわち、駆動円盤部材31および従動円筒部材32は、上述第1実施形態と同様に、外周円筒面31mが同心円面32mに対して幅方向中央の直径を略1/2になるように形成されており、外周円筒面31mが回転軸Taに対して平行な磁力発生面として、また、同心円面32mが回転軸Gaに対して直交する磁力発生面として、その軸心回りの対称位置で交互に配列されたN極とS極の磁極が非接触に対面している。
【0062】
これにより、駆動円盤部材31と従動円盤部材32は、上述第1実施形態と同様に、外周円筒面31mと同心円面32mの磁極を対面させる磁気的位置関係に設定されて、互いの磁極が近接・対面したときの吸引力または反発力の磁力により相対回転する。したがって、動力伝達装置30は、駆動回転軸Ta(駆動円盤部材31)の回転駆動を従動回転軸Ga(従動円盤部材32)に伝達して逆方向に従動回転させることができる。
【0063】
このように本実施形態においては、上述第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0064】
次に、図6は本発明に係る動力伝達装置の第4実施形態を適用した発電装置の一例を示す図である。
【0065】
図6において、発電装置は、タービンTの駆動回転軸Taおよび発電機Gの従動回転軸Gaを動力伝達装置40により連結させてタービンTからの動力を発電機Gに伝達している。この動力伝達装置40は、上述第1実施形態における駆動円盤部材11および従動円盤部材12に加えて、駆動回転軸Ta回りで従動回転軸Gaと同軸になるように配置された駆動側空転軸TFaと、この駆動側空転軸TFaの端部に固設されて空転する駆動側空転円盤部材41と、駆動回転軸Taと共に従動回転軸Ga回りに配置された従動側空転軸GFaと、この従動側空転軸GFaの端部に固設されて空転する従動側空転円盤部材42と、を備えている。
【0066】
駆動側空転軸TFaは、従動回転軸Gaと同様に、駆動回転軸Taに対して互いの軸心の延長線が直交して、その従動回転軸Gaと同軸方向になるように配置されて不図示の支持手段により回転自在に支持されている。このため、駆動側空転軸TFaは、従動回転軸Gaの従動円盤部材12に対面する状態で駆動側空転円盤部材41が端部に固設されている。
【0067】
従動側空転軸GFaは、駆動側空転軸TFaと同様に、従動回転軸Gaに対して互いの軸心の延長線が直交して、駆動回転軸Taと共に、従動回転軸Gaの軸心の周囲で90度の均等間隔になるように3方向に配置されて不図示の支持手段により回転自在に支持されている。このため、従動側空転軸GFaは、駆動回転軸Taと同軸になって駆動円盤部材11に対面する1方向と、駆動回転軸Taと従動回転軸Gaの双方に対して軸心の延長線が直交することにより互いに同軸になって対面する2方向とに配置されて、それぞれの端部に従動側空転円盤部材42が固設されている。
【0068】
この駆動側空転円盤部材41および従動側空転円盤部材42は、駆動円盤部材11および従動円盤部材12と同様に、先端を切り落とした肉厚の円錐形状に形成されており、傾斜する外周円錐面41m、42mが先端よりも外方に向かって対面するように空転軸TFa、GFaの端部に固設されている。
【0069】
また、駆動側空転円盤部材41の外周円錐面41mは、駆動円盤部材11の周囲のうち従動円盤部材12と同軸になる位置に配置されて対面することから、駆動円盤部材11よりも大径の従動円盤部材12の外周円錐面12mと同径に形成されており、この外周円錐面41mは、空転軸TFaに対して45度で傾斜して、駆動円盤部材11の外周円錐面11mに非接触状態で対面している。
【0070】
一方、従動側空転円盤部材42の外周円錐面42mは、駆動円盤部材11と共に従動円盤部材12の周囲に配置されることから、駆動円盤部材11と同様に、従動円盤部材12の外周円錐面12mに対して幅方向中央の直径が略1/2になるように形成されており、この外周円錐面42mは、空転軸GFaに対して45度で傾斜して、従動円盤部材12の外周円錐面12mに非接触状態で対面している。
【0071】
そして、駆動側空転円盤部材41の外周円錐面41mには、同径の従動円盤部材12の外周円錐面12mと同様に、駆動側空転軸TFaを中心とする対称(均等)位置にN極およびS極が位置するとともに、磁極が交互に現れるように8個の永久磁石が均等間隔に埋め込まれている。一方、従動側空転円盤部材42の外周円錐面42mは、同径の駆動円盤部材11の外周円錐面11mと同様に、従動側空転軸GFaを中心とする対称(均等)位置にN極またはS極が位置するとともに、磁極が交互に現れるように4個の永久磁石が均等間隔に埋め込まれている。
【0072】
すなわち、駆動側空転円盤部材41および従動側空転円盤部材42は、駆動円盤部材11および従動円盤部材12と同様に、空転軸TFa、GFa(軸心)を中心とする外周円錐面(周囲)41m、42mに磁力発生手段(永久磁石)が複数配置されており、それぞれの外周円錐面41m、42mを磁力発生面(回転軌道)として、その軸心回りの対称位置で交互に配列されたN極とS極の磁極が非接触に対面している。
【0073】
これにより、駆動側空転円盤部材41および従動側空転円盤部材42は、外周円錐面(周囲)41m、42mの磁力を互いに対面させるとともに、駆動円盤部材11および従動円盤部材12の外周円錐面11m、12mの磁極にも対面させる磁気的位置関係に設定されており、互いの磁極が近接・対面したときの吸引力または反発力の磁力により相対回転する。
【0074】
言い換えると、駆動円盤部材11の外周円錐面11mには、従動円盤部材12と駆動側空転円盤部材41の外周円錐面12m、41mが駆動回転軸Taを中心とする対称位置で均等に非接触対面する。従動円盤部材12の外周円錐面12mには、駆動円盤部材11と3つの従動側空転円盤部材42の外周円錐面11m、42mが従動回転軸Gaを中心とする90度間隔の均等位置で非接触対面する。同様に、駆動側空転円盤部材41の外周円錐面41mには、従動円盤部材12と同様に、駆動円盤部材11と3つの従動側空転円盤部材42の外周円錐面11m、42mが駆動側空転軸TFaを中心とする90度間隔の均等位置で非接触対面する。3つの従動側空転円盤部材42の外周円錐面42mには、駆動円盤部材11と同様に、従動円盤部材12と駆動側空転円盤部材41の外周円錐面12m、41mが従動側空転軸GFaを中心とする対称位置で均等に非接触対面する。この動力伝達装置40は、この状態で、外周円錐面11m、12m、41m、42mの互いの磁極を近接・対面させて吸引力または反発力の磁力により相対回転する。
【0075】
具体的には、駆動回転軸Taが停止している際には、N極とS極とが互いに吸引(作用)し合うことにより、駆動円盤部材11および従動円盤部材12が互いに保持し合って従動回転軸Gaを停止状態に維持するのと同時に、駆動円盤部材11は、従動円盤部材12の対称位置に配置された駆動側空転円盤部材41との間でも同様に磁力を作用し合う。また、従動円盤部材12は、駆動円盤部材11と共に軸心回りで均等間隔になるように配置された従動側空転円盤部材42との間でも同様に磁力を作用し合う。
【0076】
また、駆動回転軸Taが回転駆動する際にも同様に、N極とS極とが互いに吸引あるいは反発(作用)し合うことにより、駆動円盤部材11および従動円盤部材12が互いに相対回転して従動回転軸Gaを従動回転させるのと同時に、駆動側空転円盤部材41および従動側空転円盤部材42も同様に磁力を作用し合って相対回転して駆動円盤部材11および従動円盤部材12に連れ回って従動回転する。
【0077】
このとき、駆動円盤部材11、従動円盤部材12、駆動側空転円盤部材41および従動側空転円盤部材42は、外周円錐面11m、12m、41m、42mが互いに軸心回りの均等位置で非接触対面して均等に磁力を作用し合うことから、中心の軸心に向かうように磁力が負荷されて相殺される。
【0078】
このように本実施形態においては、上述第1実施形態による作用効果に加えて、駆動円盤部材11、従動円盤部材12、駆動側空転円盤部材41および従動側空転円盤部材42が端部に固着されている回転軸Ta、Gaや空転軸TFa、GFaには、互いに作用し合う磁力は相殺されることにより、その磁力による負荷が過大な曲げ応力となって加えられることがない。したがって、回転軸Ta、Gaや空転軸TFa、GFaを、一方向からの磁気力に抗する強度を備えるように設計する必要がなく、耐久性をより向上させることができるとともに、装置を簡易かつ小型に設計することができる。
【0079】
なお、本実施形態においては、駆動側空転円盤部材41を従動側空転円盤部材42よりも大径に形成していることから、駆動円盤部材11や従動側空転円盤部材42には従動円盤部材12および駆動側空転円盤部材41の磁力が軸心を中心とする対称位置から作用するが、例えば、すべて同径に形成して、従動円盤部材や駆動側空転円盤部材と同様に、軸心の周囲で90度の均等間隔になるように配置して互いに磁力を作用させる構成としてもよいこというまでもない。
【0080】
また、回転軸Ta、Gaや空転軸TFa、GFaは、軸心の延長線が互いに直交するように軸心回りの90度や180度に配置するが、これに限るものではないことは言うまでもなく、例えば、軸心回りの3箇所や5箇所以上で均等間隔になるように配置してもよく、また、回転軸の周囲に配置する空転軸や円盤部材が駆動側と従動側とで緩衝し合わない角度で交差させて、それぞれで独立して軸心の周囲に均等間隔になるように配置してもよい。
【0081】
次に、図7は本発明に係る動力伝達装置の第5実施形態を適用した発電装置の一例を示す図である。
【0082】
図7において、発電装置は、タービンTの駆動回転軸Taおよび発電機Gの従動回転軸Gaを動力伝達装置50により連結させてタービンTからの動力を発電機Gに伝達している。この動力伝達装置50は、上述第4実施形態と同様に、上述第2実施形態における駆動円盤部材21および従動円筒部材22に加えて、駆動側空転軸TFaの端部に固設されて空転する駆動側空転円筒部材51と、従動側空転軸GFaの端部に固設されて空転する従動側空転円盤部材52と、を備えている。
【0083】
また、動力伝達装置50は、上述第4実施形態と同様に、駆動側空転円筒部材51が従動円筒部材22と同様に構成されるとともに、従動側空転円盤部材52が駆動円盤部材21と同様に構成されている。これにより、駆動側空転円筒部材51および従動側空転円盤部材52は、内周円錐面51mと外周円錐面52mの磁力を互いに対面させるとともに、駆動円盤部材21の外周円錐面11mおよび従動円筒部材22の内周円錐面22mの磁極にも対面させる磁気的位置関係に設定されており、互いの磁極が近接・対面したときの吸引力または反発力の磁力により相対回転する。
【0084】
すなわち、動力伝達装置50は、上述第4実施形態と同様に、駆動円盤部材21の外周円錐面11mには、従動円筒部材22と駆動側空転円筒部材51の内周円錐面22m、51mが駆動回転軸Taを中心とする対称位置で均等に非接触対面する。従動円筒部材22の外周円錐面22mには、駆動円盤部材21と3つの従動側空転円盤部材52の外周円錐面11m、52mが従動回転軸Gaを中心とする90度間隔の均等位置で非接触対面する。同様に、駆動側空転円筒部材51の内周円錐面51mには、従動円筒部材22と同様に、駆動円盤部材21と3つの従動側空転円盤部材52の外周円錐面11m、52mが駆動側空転軸TFaを中心とする90度間隔の均等位置で非接触対面する。3つの従動側空転円盤部材52の外周円錐面52mには、駆動円盤部材21と同様に、従動円筒部材22と駆動側空転円筒部材51の内周円錐面22m、51mが従動側空転軸GFaを中心とする対称位置で均等に非接触対面する。
【0085】
この駆動円盤部材21、従動円筒部材22、駆動側空転円筒部材51および従動側空転円盤部材52は、この状態で、外周円錐面11m、52mと内周円錐面22m、51mの互いの磁極を近接・対面させて吸引力または反発力の磁力により相対回転するとともに、この外周円錐面11m、52mと内周円錐面22m、51mが互いに軸心回りの均等位置で非接触対面して均等に磁力を作用し合うことから、中心の軸心に向かうように磁力が負荷されて曲げ応力が相殺される。
【0086】
このように本実施形態においては、上述第4実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0087】
次に、図8は本発明に係る動力伝達装置の第6実施形態を適用した発電装置の一例を示す図である。
【0088】
図8において、発電装置は、タービンTの駆動回転軸Taおよび発電機Gの従動回転軸Gaを動力伝達装置60により連結させてタービンTからの動力を発電機Gに伝達している。この動力伝達装置60は、上述第4実施形態と同様に、上述第3実施形態における駆動円盤部材31および従動円盤部材32に加えて、駆動側空転軸TFaの端部に固設されて空転する駆動側空転円盤部材61と、従動側空転軸GFaの端部に固設されて空転する従動側空転円盤部材62と、を備えている。
【0089】
また、動力伝達装置60は、上述第4実施形態と同様に、駆動側空転円盤部材61が従動円盤部材32と同様に構成されるとともに、従動側空転円盤部材62が駆動円盤部材31と同様に構成されている。これにより、駆動側空転円盤部材61および従動側空転円盤部材62は、同心円面61mと外周円筒面62mの磁力を互いに対面させるとともに、駆動円盤部材31の外周円筒面31mおよび従動円盤部材32の同心円面32mの磁極にも対面させる磁気的位置関係に設定されており、互いの磁極が近接・対面したときの吸引力または反発力の磁力により相対回転する。
【0090】
すなわち、動力伝達装置60は、上述第4実施形態と同様に、駆動円盤部材31の外周円筒面31mには、従動円盤部材32と駆動側空転円盤部材61の同心円面32m、61mが駆動回転軸Taを中心とする対称位置で均等に非接触対面する。従動円盤部材32の同心円面32mには、駆動円盤部材31と3つの従動側空転円盤部材62の外周円筒面31m、62mが従動回転軸Gaを中心とする90度間隔の均等位置で非接触対面する。同様に、駆動側空転円盤部材61の同心円面61mには、従動円盤部材32と同様に、駆動円盤部材31と3つの従動側空転円盤部材62の外周円筒面31m、62mが駆動側空転軸TFaを中心とする90度間隔の均等位置で非接触対面する。3つの従動側空転円盤部材62の外周円筒面62mには、駆動円盤部材31と同様に、従動円盤部材32と駆動側空転円盤部材61の同心円面32m、61mが従動側空転軸GFaを中心とする対称位置で均等に非接触対面する。
【0091】
この駆動円盤部材31、従動円盤部材32、駆動側空転円盤部材61および従動側空転円盤部材62は、この状態で、外周円筒面31m、62mと同心円面32m、61mの互いの磁極を近接・対面させて吸引力または反発力の磁力により相対回転するとともに、この外周円筒面31m、62mと同心円面32m、61mが互いに軸心回りの均等位置で非接触対面して均等に磁力を作用し合うことから、中心の軸心に向かうように磁力が負荷されて曲げ応力が相殺される。
【0092】
このように本実施形態においては、上述第4実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0093】
次に、図9は本発明に係る動力伝達装置の第7実施形態を適用した発電装置の一例を示す図である。
【0094】
図9において、発電装置は、タービンTの駆動回転軸Taおよび発電機Gの従動回転軸Gaを動力伝達装置70により連結させてタービンTからの動力を発電機Gに伝達している。この動力伝達装置70は、上述第4実施形態における駆動円盤部材11、従動円盤部材12、駆動側空転円盤部材41および従動側空転円盤部材42に加えて、回転軸Ta、Gaや空転軸TFa、GFaの外側に、大径に形成されることにより同様に構成された駆動円盤部材71、従動円盤部材72、駆動側空転円盤部材73および従動側空転円盤部材74が並列するように固設されている。
【0095】
この駆動円盤部材71、従動円盤部材72、駆動側空転円盤部材73および従動側空転円盤部材74の外周円錐面71m、72m、73m、74mには、駆動円盤部材11、従動円盤部材12、駆動側空転円盤部材41および従動側空転円盤部材42の外周円錐面11m、12m、41m、42mに埋め込まれている磁極の間に位置するように、N極またはS極の磁極が交互に現れるように永久磁石が均等間隔に埋め込まれている。
【0096】
すなわち、駆動円盤部材11、従動円盤部材12、駆動側空転円盤部材41および従動側空転円盤部材42が外周円錐面11m、12m、41m、42mを非接触対面させて互いの磁極が近接・対面したときの吸引力または反発力の磁力により相対回転するのに加えて、駆動円盤部材71、従動円盤部材72、駆動側空転円盤部材73および従動側空転円盤部材74は、内側の駆動円盤部材11などが互いに吸引または反発する間のタイミング、言い換えると、その吸引力または反発力が最も減衰しているタイミングに、同様に、外周円錐面71m、72m、73m、74mを非接触対面させて互いの磁極が近接・対面したときの吸引力または反発力の磁力により相対回転する。
【0097】
このように本実施形態においては、上述第4実施形態による作用効果に加えて、駆動円盤部材11、従動円盤部材12、駆動側空転円盤部材41および従動側空転円盤部材42が相対回転して駆動回転軸Taの回転力を従動回転軸Gaに伝達するタイミングの間でも、同様に、駆動円盤部材71、従動円盤部材72、駆動側空転円盤部材73および従動側空転円盤部材74が相対回転して駆動回転軸Taの回転力を従動回転軸Gaに伝達する。したがって、駆動回転軸Taの回転力を上述実施形態よりも小さな間隔で従動回転軸Gaに伝達することができ、その従動回転軸Gaをムラなくよりスムーズに従動回転させることができる。
【0098】
なお、本実施形態においては、内側の駆動円盤部材11等と外側の駆動円盤部材71等とを別部材として隙間を形成するように配置するが、隙間を形成することなく密着させてもよく、また、同一部材として同様の配列になるように磁極を埋め込んでもよいことはいうまでもない。また、第4実施形態における円盤形状に限るものではなく、他の第5、第6実施形態を同様に構成してもよいことはいうまでもない。
【0099】
次に、図10および図11は本発明に係る動力伝達装置の第8実施形態を適用した発電装置の一例を示す図である。
【0100】
図10において、発電装置は、タービンTの駆動回転軸Taおよび発電機Gの従動回転軸Gaが動力伝達装置80により同軸に連結されてタービンTからの動力を発電機Gに伝達している。この動力伝達装置80は、図11に示すように、上述第7実施形態における駆動円盤部材11、71、従動円盤部材12、72、駆動側空転円盤部材41、73および従動側空転円盤部材42、74と同様に構成された各種円盤部材111、112、141、142、171〜174を備えつつ、従動回転軸Gaと同軸となる位置を駆動回転軸Taに入れ替えることにより、タービンTおよび発電機Gを直列となる位置にレイアウトしての動力の伝達を実現している。
【0101】
詳細には、動力伝達装置80は、上述第7実施形態と同様に、従動円盤部材12、72に相当する従動円盤部材112、172が従動回転軸Gaの端部に固設されるとともに、駆動側空転円盤部材41、73と同様に構成された円盤部材が駆動回転軸Taの端部に固設されて駆動円盤部材141、173として機能する。また、従動側空転円盤部材42、74に相当する空転円盤部材142、174は空転軸Faの端部に固設されるとともに、駆動円盤部材11、71と同様に構成された円盤部材も空転軸Faの端部に固設されて空転円盤部材111、171として機能する。
【0102】
ここで、空転円盤部材111、142、171、174は、外周円錐面111m、142m、171m、174mを駆動円盤部材141、173と従動円盤部材112、172の双方の外周円錐面112m、141m、172m、173mに非接触対面させていることから、上述第7実施形態のように駆動側と従動側とに区別することはできずに、それぞれの磁極が近接・対面したときの吸引力または反発力の磁力により相対回転する。
【0103】
このとき、駆動円盤部材141、173は、空転円盤部材111、142、171、174を従動回転させ、この空転円盤部材111、142、171、174が同時に従動円盤部材112、172を従動回転させる。すなわち、駆動円盤部材141、173は、空転円盤部材111、142、171、174を介して従動円盤部材112、172を従動回転させて駆動回転軸Taの回転力を従動回転軸Gaに伝達する。ただし、この動力伝達装置80は、駆動円盤部材141、173および従動円盤部材112、172の外周円錐面112m、141m、172m、173mを同一の空転円盤部材111、142、171、174の外周円錐面111m、142m、171m、174mに非接触対面させて相対回転することから、駆動回転軸Taと従動回転軸Gaを同一回転速度で回転させつつ動力を伝達する。
【0104】
このように本実施形態においては、上述第7実施形態の作用効果に加えて、駆動回転軸Taと従動回転軸Gaを同軸になるようにレイアウトして、タービンTの動力を発電機Gに伝達して発電することができる。
【0105】
なお、本実施形態では、第7実施形態の構成を利用する場合を説明するが、これに限るものではなく、他の第4〜第6実施形態を同様に構成してもよいことはいうまでもない。
【0106】
次に、図12は本発明に係る動力伝達装置の第9実施形態を適用した発電装置の一例を示す図である。
【0107】
図12において、発電装置は、タービンTの駆動回転軸Taおよび発電機Gの従動回転軸Gaを動力伝達装置90により連結させてタービンTからの動力を発電機Gに伝達している。
【0108】
この動力伝達装置90は、駆動回転軸Taの円筒部材15には軸方向に連続する丸穴91a〜91cが開口して、これらの開口位置に光軸が一致するように、発光ダイオード97a〜97cが配置されている。一方、従動回転軸Gaの円盤部材16には、円筒部材15の丸穴91aの形成位置に一致する丸穴92aと、回転方向に所定量回転した円筒部材15の丸穴91bの形成位置に一致する丸穴92bと、反対方向に所定量回転した円筒部材15の丸穴91cの形成位置に一致する丸穴92cとが開口しており、これらの開口位置に光軸が一致するように、受光ダイオード98a〜98cが取り付けられている。
【0109】
したがって、駆動回転軸Taの回転に合わせて発光ダイオード97a〜97cを発光させたとき、その駆動回転軸Taに対して従動回転軸Gaが同期回転する際には、円筒部材15と円盤部材16の丸穴91a、92aを通過する光を受光ダイオード98aが受光し、また、駆動回転軸Taに対して従動回転軸Gaの回転が進んでいる場合には、その丸穴91c、92cを通過する光を受光ダイオード98cが受光し、さらに、駆動回転軸Taに対して従動回転軸Gaの回転が遅れている場合には、その丸穴91b、92bを通過する光を受光ダイオード98bが受光することができる。
【0110】
このように本実施形態においては、上述第1実施形態による作用効果に加えて、駆動回転軸Taおよび従動回転軸Gaの同期回転にずれが生じた場合に、そのずれ方向およびずれ量を検知することができる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。例えば、上述実施形態では、駆動回転軸側に少ない磁極を配列する一方、従動回転軸側に多くの磁極を配列して減速機能を有する変速機に構成する場合を説明するが、これに限るものでなく、駆動回転軸側に多くの磁極を配列する一方、従動回転軸側に少ない磁極を配列して増速機能を有する変速機に構成してもよく、また、同数の磁極を配列して、非接触に連結させることを実現してもよい。また、これらの磁極数や磁力伝達手段の配置数などは適宜設計すればよいこともいうまでもない。さらに、磁極を配列する磁力発生面として、外周円錐面などを採用する場合を一例に説明するが、これは一例に過ぎず、ほぼ同一位置を周回して互いの磁力が効果的に作用し合う2面であればよく、例えば、多角形の筒形状や多角錐の斜面に一面あるいは両面を置き換えて互いに対向する外面あるいは内面を構成させたり、あるいは、湾曲面を連続させた花形などのような異形形状に一面あるいは両面を置き換えて互いに対向する外面あるいは内面を構成させることもできる。
【0112】
ここで、図14に示す動力伝達装置でも、磁力円盤1の他に、磁力円筒部材5の内周面5mに非接触対面する磁力円盤を軸心に対して均等間隔になるように追加して、同時に互いに非接触対面するようにしても、それぞれの曲げ応力を緩和することはでき、入出力を1対複数にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明に係る動力伝達装置の第1実施形態を適用した発電装置の一例を示す図であり、その概略全体構成を示す連結ブロック図である。
【図2】その動力伝達装置の主要部を示す図であり、(a)は回転軸の双方に直交する方向から見た平面図、(b)はその一軸方向から見た平面図である。
【図3】その動力伝達装置の回転を検知する機構を示す図であり、(a)はその一部縦断面図、(b)はその要部を示す平面図である。
【図4】本発明に係る動力伝達装置の第2実施形態を適用した発電装置の一例を示す図であり、(a)はその動力伝達装置の主要部を回転軸の双方に直交する方向から見た一部縦断面図、(b)はその一軸方向から見た平面図である。
【図5】本発明に係る動力伝達装置の第3実施形態を適用した発電装置の一例を示す図であり、(a)はその動力伝達装置の主要部を回転軸の双方に直交する方向から見た平面図、(b)はその一軸方向から見た平面図である。
【図6】本発明に係る動力伝達装置の第4実施形態を適用した発電装置の一例を示す図であり、(a)はその動力伝達装置の主要部を一軸方向から見た一部縦断面図、(b)はその一軸に直交する方向から見た一部縦断面図である。
【図7】本発明に係る動力伝達装置の第5実施形態を適用した発電装置の一例を示す図であり、(a)はその動力伝達装置の主要部を一軸方向から見た一部縦断面図、(b)はその一軸に直交する方向から見た一部縦断面図である。
【図8】本発明に係る動力伝達装置の第6実施形態を適用した発電装置の一例を示す図であり、(a)はその動力伝達装置の主要部を一軸方向から見た一部縦断面図、(b)はその一軸に直交する方向から見た一部縦断面図である。
【図9】本発明に係る動力伝達装置の第7実施形態を適用した発電装置の一例を示す図であり、その動力伝達装置の主要部を一軸方向から見た一部縦断面図である。
【図10】本発明に係る動力伝達装置の第8実施形態を適用した発電装置の一例を示す図であり、その概略全体構成を示す連結ブロック図である。
【図11】その動力伝達装置の主要部を一軸方向から見た一部縦断面図である。
【図12】本発明に係る動力伝達装置の第8実施形態を適用した発電装置の一例を示す図であり、その動力伝達装置の回転を検知する機構を示す一部縦断面図である。
【図13】動力伝達装置の従来技術を示す図であり、(a)はその主要部の斜視図、(b)はその課題を説明する回転軸の法線方向から見た側面図である。
【図14】その従来技術の改良例を示す図であり、その主要部を示す一部縦断面図である。
【符号の説明】
【0114】
10、20、30、40、50、60、70、80、90 動力伝達装置
11、21、31、71、141、173 駆動円盤部材
11m、12m、22m、41m、42m、52m、71m、72m、73m、74m、111m、112m、141m、142m、171m、172m、173m、174m 外周円錐面
12、32、72、112、172 従動円盤部材
15 円筒部材
15a 長穴
16 円盤部材
16a、91a〜91c、92a〜92c 丸穴
17、97a〜97c 発光ダイオード
18、98a〜98c 受光ダイオード
22 従動円筒部材
22m、51m 内周円錐面
31m、62m 外周円筒面
32m、61m 同心円面
41、61、73 駆動側空転円盤部材
42、52、62、74 従動側空転円盤部材
51 駆動側空転円筒部材
111、142、171、174 空転円盤部材
Fa 空転軸
G 発電機
Ga 従動回転軸
T タービン
Ta 駆動回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源からの動力により回転駆動する駆動回転軸と、従動回転されることによる回転力を動作目的の装置に動力として供給する従動回転軸と、を連結して該駆動回転軸の回転駆動により従動回転軸を従動回転させて動力を伝達する動力伝達装置であって、
駆動回転軸に固設されて該軸心の周囲に配置された複数の駆動側磁力発生手段と、従動回転軸に固設されて該軸心の周囲に配置された複数の従動側磁力発生手段と、駆動回転軸および従動回転軸を軸心の延長線が任意の角度で交差するように回転自在に支持する支持手段と、を備えて、
駆動側磁力発生手段および従動側磁力発生手段は、磁力発生面の磁極が駆動回転軸および従動回転軸の軸心回りで交互になるように配列されるとともに、該磁力発生面が駆動回転軸および従動回転軸のそれぞれで同軸回転しつつ互いの回転軌道の一部で非接触対面して、
駆動回転軸の磁力発生面が軸心回りに駆動回転したときに従動回転軸の磁力発生面が互いに対面する磁力によって軸心回りに従動回転されることにより、駆動源からの動力を動作目的装置に回転力として伝達する
ことを特徴とする動力伝達装置。
【請求項2】
前記駆動回転軸および従動回転軸に同軸回転する円形部材を設けて、
該円形部材に形成する外周円筒面、一側面側同心円面、外周円錐面、あるいは、内周円錐面などの略同一位置を周回可能な面のうちの同一形状または異なる形状の2面に、磁極が交互になるように駆動側磁力発生手段または従動側磁力発生手段を配列することにより磁力発生面を構成した
ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項3】
前記駆動回転軸に対して互いの軸心の延長線が任意の角度で交差するとともに従動回転軸と共に該駆動回転軸の軸心の周囲で均等間隔になるように配置されて回転自在に支持されている駆動側空転軸と、
前記従動回転軸に対して互いの軸心の延長線が任意の角度で交差するとともに駆動回転軸と共に該従動回転軸の軸心の周囲で均等間隔になるように配置されて回転自在に支持されている従動側空転軸と、
駆動側空転軸の軸心の周囲に配置されて該軸心回りで磁極が交互になる磁力発生面を形成するとともに該磁力発生面が駆動回転軸の磁力発生面に対して互いの回転軌道の一部で非接触対面する複数の駆動空転側磁力発生手段と、
従動側空転軸の軸心の周囲に配置されて該軸心回りで磁極が交互になる磁力発生面を形成するとともに該磁力発生面が従動回転軸の磁力発生面に対して互いの回転軌道の一部で非接触対面する複数の従動空転側磁力発生手段と、を備えて、
駆動回転軸および従動回転軸の磁力発生面が軸心回りに回転したときに、駆動側空転軸および従動側空転軸の磁力発生面が互いに対面する磁力によって軸心回りに従動回転しつつ当該駆動回転軸および従動回転軸に対して軸心回りの均等位置から均等な磁力を作用させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の動力伝達装置。
【請求項4】
前記駆動側空転軸は、従動回転軸と軸心が同軸になる位置に配置される一方、従動側空転軸は、駆動回転軸と軸心が同軸になる位置に配置されるとともに、該従動回転軸と駆動回転軸の双方に対して軸心の延長線が直交する位置には駆動側空転軸または従動側空転軸の一方あるいは双方として配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
【請求項5】
前記駆動側磁力発生手段、従動側磁力発生手段、駆動空転側磁力発生手段および従動空転側磁力発生手段の磁力発生面をそれぞれの回転軸の軸方向に複数並列させる一方、
内側同士および外側同士の磁力発生面をそれぞれ非接触対面させるとともに、内側の磁力発生面の磁極の間に、外側の磁力発生面の磁極が位置するように配設する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の動力伝達装置。
【請求項6】
前記駆動側磁力発生手段の磁力発生面または従動側磁力発生手段の磁力発生面の一方を大径に形成するとともに他方を小径に形成して、一回転中における磁極数に駆動回転軸と従動回転軸とで差を設けた
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の動力伝達装置。
【請求項7】
前記駆動回転軸または従動回転軸の一方を、他方と同軸の駆動側空転軸または従動側空転軸と入れ替えて、
駆動回転軸の磁力発生面が軸心回りに駆動回転したときに従動回転軸の磁力発生面が空転軸の磁力発生手段を介する磁力によって軸心回りに従動回転されることにより、駆動源からの動力を動作目的装置に回転力として伝達する
ことを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の動力伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−29454(P2006−29454A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209389(P2004−209389)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)