説明

動物を治療するための装置

動物が保持されるベース(3)の上に一時的又は永久的に配設されるように適合されたプレート(1)を含み、前記プレート(1)が、それに適した少なくとも1個の駆動源(51、52)によって振動させられるように配置されている、動物、特に大型動物の筋肉、腱、関節、関節嚢などを予防的、回復的及び治癒的に処置するための装置。プレート(1)は、プレート(1)を平坦なベース(3)の上方に所定の距離で保持するための多数の可撓性スペーサ(2mn)をその下面に備えた機能性単層プレートである。プレートは、軸(a1)に沿って互いに隣接して配設された少なくとも2個の別個のプレート要素(1A、1B)で構成されていることができ、プレート要素(1A、1B)それぞれが、軸(a1)に沿う内縁及び軸(a1)に対して平行であり、軸(a1)から離間している外側軸(それぞれx及びy)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物の予防的、回復的及び治癒的処置のための装置に関する。本装置は、特に大きめの動物のための筋肉、腱、関節、関節嚢などの処置及び胃腸障害、たとえば疝痛の処置に適している。
【0002】
背景
ウマのような大型動物が、硬直を起こしたり、他の理由のため、筋群、腱、関節嚢又は関節の治癒的又は予防的処置を要したりすることは珍しくない。これは、特に、厳しい負荷又は緊張、たとえば重労働、ギャロップ走、速足又は他の馬術競技にさらされるウマに当てはまる。
【0003】
ウマを手作業のマッサージで処置したり、レーザ又は超音波治療を使用したりすることは異例ではない。しかし、多くの場合、そのような処置は、動物が痛みを感じている又は目に見える傷害を負っていることが明らかになった場合にだけ施さなければならない。これは、一部には、そのような大型動物を処置するためには多大な物資を要し、動物がどのような不快感を感じているのかを容易には表すことができないという事実による。普通、そのような動物に関しては明白な傷だけが処置される。
【0004】
ギャロップ走や速足をするウマは特に貴重であり、訓練や競技の間にさらされる厳しい緊張のせいで特に傷害を負いやすい。原則として、そのような動物を処置するのに十分な物資があるが、レースの前後の長い移動期間のせいで、各レースの後で回復処置を施すのに十分な時間がないことが多い。
【0005】
超音波治療の効果に関しては、動物の体に数センチメートルしか浸透せず、したがって、効果があるとしても、特定の局所的傷害に対してだけである。
【0006】
米国特許第4,782,822号は、特定の床又はベースが振動するようにセットされており、その振動をウマの蹄及び脚から体全体に伝えることができる箱又は馬房の中でウマを処置するための従来技術装置を記載している。米国特許第4,782,822号の箱の欠点は、それが主に、重く高価である金属部品に基づくということである。そのうえ、この箱は、上下のプレート(コイルばねによって分離されている)を含み、それらがさらに重さ及び費用を増大させる。同じ理由で、この装置は、処置される動物にとってかろうじて充分な大きさであるような小さな箱の中での使用にしか適さない。非常に限られた動きの自由しか許さないため、このような箱に対する専門用語は「拘束箱」であり、したがって、動物の管理のためにもはや一般には使用されてない。このような拘束箱に固有の問題は、動物の筋系の緊張を生じさせやすいということである。
【0007】
目的
本発明の目的は、特に動物の筋群、腱、「腱のための付属物」、関節などのすべてにおける傷害及び起こりうる傷害に関して、大型動物の予防的、回復的及び治癒的処置のための簡単で廉価な装置を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、振動するベースプレートを含む前記カテゴリーの装置であって、該当する動物が通常に保持される飼育房の中での組み立て及び解体が容易であって、そのため動物を慣れた環境で処置することができる装置を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、一定のサイズで大量生産したり、特定の寸法に応じて製造したりすることが容易であり、重い工具又は機械ベースの工具なしで使用する場所で容易に組み立てることができるような上述の装置を提供することである。
【0010】
本発明のなおさらなる目的は、入手しやすい軽量で廉価な材料から製造されるそのような装置を提供することである。
【0011】
最後に、本発明の目的は、この分野における従来技術装置に比較して改善された機能性を有する、上述したような装置を提供することである。
【0012】
本発明
上述した目的は、請求項1によって定義される装置によって達成される。好ましい実施態様が従属項によって開示される。
【0013】
装置の機能は、そのもっとも簡単な形態で、一般に、先に論じた米国特許第4,782,822号に記載された装置の機能に対応する。駆動源がプレートを振動させ、それにより、そのプレートの上に載るウマ又は他の動物は、骨格を介しそして体全体に心地よいマッサージを受ける。このマッサージは、一つには、一般に高められた血流を生じさせ、それが逆に、腱及び/又は関節への適度な過負荷の形態で、起こりうる緊張性の傷害及び小さな傷害に対して回復効果をもたらす。この効果は、低い振動強度で起こる。本発明の装置はまた、より大きな傷害、たとえば重篤な胃腸障害、疝痛及び他の方法では治癒しないと思われる傷害の治療にも効果的であることが証明された。
【0014】
先に論じた米国特許(4,782,822)から公知である装置とは違って、本発明の装置は、ウマ又は他の大型動物のための一般的な飼育房の中での使用に十分に適し、したがって、別個の壁又はフレームを含まない。したがって、装置は、非常に限られた垂直方向の範囲しか有さず、すべての必要な接続とともに床の上に位置する機能性単層プレートを、任意の水平面、たとえば使用する場所での永久的な床に載る可撓性スペーサとともに含む。「機能性単層プレート」とは、そのプレートが、先に論じた米国特許の場合のように、コイルばねなどのスペーサによって分けられた2個の別個のプレート要素を含まないということであると理解される。他方、プレートはまた、異なる材料、たとえば、少なくとも上面を可撓性の合成又は天然材料で被覆された木部繊維又は比較的剛性のある合成材料のコアを含むこともできる。装置は、工場でプレファブし、使用現場で重い工具を使うことなく速やかに組み立てるのに十分に適している。この組み立てでは、プレートが、組み立てられたとき共通の軸に沿って互いに隣接する少なくとも2個の別個のプレート要素でできていることが好ましい。プレート要素は、組み立てられた状態で、なおも互いに物理的に離れていてもよいし、いっしょに蝶着されてもよい。どのような状況でも、2個以上のプレート要素への分割は、プレートを、それが中で組み立てられる飼育房又は飼育舎に運び込むことをより容易にする。プレートは、好ましくは、組み立てられた状態で、箱又は飼育舎の床全体又はそのうちの動物のために用意された部分を実質的に覆うことを確実にする外形及び寸法でプレファブされる。このように装置を動物の通常の環境に適合させることにより、動物がリラックスし、その使用効果がストレス及び筋群の緊張によって減じられないことが確実になされる。
【0015】
機能性単層プレートとしての本発明のプレート構造の主な利点は、そのようなプレートをそれが使用される空間に応じて寸法決めすることが容易であり、そのため、動物を処置するために拘束箱に運び入れなくてもよいということである。また、この特徴の他の態様がある。上述した一つの側面は、動物が拘束箱に入れられることからストレスを受け、最適に満たない処置効果しか得られないことである。もう一つの側面は、一部の動物は、箱に入れるために鎮静剤を投与されなければならず、そうでなければ、パニックを起こし、自ら又は看病する人を傷づけるおそれがあるということである。第三の側面は、拘束箱は、拘束箱中の動物を全く単独にしておくことはできないため、不釣合いな数の人材を要するということである。
【0016】
本発明の装置のさらに別の利点は、両面を清浄するために縁をつかんで簡単に持ち上げることができるということであり、それに対し、接続された(二層)プレートは、2枚のプレート層の間を清浄することははるかに困難である。
【0017】
プレートが別個のプレート要素でできている好ましい実施態様はまた、以下に詳述するさらなる特徴を包含することを可能にする。これらの特徴は、プレート要素を中心軸を中心に旋回可能に配設して、プレート要素を実質的に水平なベース位置から上昇した斜め位置まで持ち上げることができるようにした設計に基づく。
【0018】
本明細書で使用する「大型動物」とは、主にウシ、ウマなどの動物をいうが、最大体重が30kgを超える、好ましくは50kgを超える他の動物をもいう。
【0019】
以下、添付図面に例示するいくつかの好ましい実施態様によって本発明をさらに詳細に論じる。
【0020】
図1は、1個のプレート要素1A及び1個のプレート要素1Bで構成されたプレート1を示す。部品又は要素1A及び1Bは、共通の軸a1を中心に旋回可能に蝶着され、軸a1に対して平行である外縁x及びyをそれぞれ有している。
【0021】
プレート1の下面には、ベース3、たとえば通常のウマの飼育舎(馬房)の床によって支持され、おそらくはそれに取り付けられるように適合された多数の可撓性スペーサ要素又はスペーサ211〜264(24個あり、そのうち無作為な1個を2mnと指定する)がマトリックス配置で取り付けられている。プレート1の上面は通常、その上に載る動物にとって快適で軟らかいと同時に動物の脚/蹄に対して摩擦を提供する合成又は天然のゴム材料などの層によって覆われている。2個の電気モータがプレート1と直に接して配設されている。モータ51及び52は、多くの異なるタイプであることができ、本発明のために特に設計されている必要はない。モータは、たとえば、偏心ターンテーブル/フライホイールを備えた種類のものであってもよいし、偏心荷重が設けられたターンテーブルを備えた種類のものであってもよい。ターンテーブルの平衡点が可動であって、その偏心度合を調節可能にすることが特に好ましい。
【0022】
図1のプレート1の下には、破線で示すように、1個以上のコンプレッサ(図示せず)に接続されている4個のベローシリンダ4A、4B、4C、4Dがある。ベローシリンダは、空気が充填されると、それらの上に取り付けられているプレート要素に上昇力を与える。図2に示す装置に関しては、2個ずつ対のベローシリンダが同時に充填及び排気されるように配置されている。すなわち、ベローシリンダ4Aと4Bとが同時に充填及び排気され、一方、ベローシリンダ4Cと4Dとは、同時に、ただし通常はシリンダ4A及び4Bとは別のタイミングで充填及び排気される。ベローシリンダ4A及び4Bが充填されると、プレート要素1がその水平位置から上昇した斜め位置に持ち上げられ、この斜め位置では、プレート要素1Aの内側軸a1は実質的にその元の位置にとどまるが、プレート要素1Aの外縁xは、ベローシリンダの上昇した頂点よりもいくらか高い垂直レベルまで持ち上げられる。ベローシリンダの上昇動は変動するが、通常は約5cmの範囲にある。たとえばウマがプレート1に載っているときプレート要素1Aが持ち上げられると、ウマは、車に引かれる馬運車で運ばれているときにカーブを感じる場合といくらか類似した動きを感じる。すなわち、ウマは、平衡を保つため、その筋肉を使ってプレート要素の動きに合わせて調節しなければならない。そのような調節を実施するとき、ウマは通常、足を上げ、わずかに異なる位置に降ろす。すなわち、一般に(スルー)ステップと呼ばれる動作、原則として歩くときに実施する動作と同じ動作を実施する。
【0023】
通常の使用では、プレート1を振動させるため、両方のモータは接続される。モータは、その効果及び/又は周波数、ひいてはプレート振動の強さを制御することができるよう、変圧器及び/又は周波数変圧器(図示せず)などから給電されることができる。2個以上のモータを適用する目的は、主として、1個のモータが停止し、それによって修理又は交換を要する場合でも、動作可能な装置を保証するためである。
【0024】
モータ51、52は、給電のために電気ケーブル(図示せず)に接続されなければならず、その電気ケーブルは、プレートの下に敷設し、下からモータに接続することができる。モータへの動力は、電力グリッドからの交流であってもよいし、車の発電機のような可動装置からの電力であってもよいが、また、加圧給気系からの空気圧などの形態の動力であってもよい。モータは、偏心釣り合い重りを有する少なくとも1個のホイール(偏重心ホイール)が取り付けられた回転軸を有することが好ましい。さらに、モータは、その速度を無段階に変化させる又は多数の不連続段階で変化させることができるように適合されていることが好ましい。モータは、原則として、簡単で廉価であるいかなる種類であってもよく、したがって、「通常の」サイズの、特に0.1〜2kWの出力及び約4000rpmの最大回転速度を有する電気モータであることが好ましい。
【0025】
モータはまた、出力側が回転軸及び偏重心ホイールを有する前述の電気モータに類似している空気制御モータであってもよい。もう一つの代替は、線形の発振動、すなわち実質的に垂直方向に設定された動きを生じさせるピストンを有する空気制御ピストンエンジンである。加圧空気に基づくさらに別の代替は、研磨され、調質された閉鎖ループ上で回転するように設定された鋼球などによって振動を発生させる空気制御ボール振動器である。
【0026】
モータ51、52は、図1及び2に示すようにプレート1に直接取り付ける必要はない。代りに、モータを、プレートと同じ材料又は振動を伝達するのに適した他の材料でできていることができる「橋脚」(図示せず)を介してプレート1に取り付けると、モータを動物の脚が届く区域からさらに離して配置することが可能である。通常、このような橋脚は、ファイバボードであることができ(特にプレート1のコアがファイバボードである場合)、プレート1の下面にその縁の一つの近くで、ネジにより、当該飼育房の壁の穴などに通すことを可能にする寸法で取り付けることができる。
【0027】
図1及び2に示すモータの位置は無作為に選択される。2個以上のモータが使用される場合、どの2個のモータも互いからいくらか離れていることが好都合である。しかし、2個以上のモータがプレートの短い端部又は長い端部の一つの同じ縁に取り付けられることを阻止するものはない。許容できるモータの位置は試行錯誤によって見いだすことができる。許容できる位置は、プレートの大きな領域の中でモータが互いにマイナスに干渉しない位置であると理解される。
【0028】
処置中に異なるプレート要素1A及び1Bを交互に持ち上げる実施態様を適用する場合、これは通常、ベローシリンダ4A、4B、4C、4Dに空気を充填することができる1個以上のコンプレッサに接続された制御装置(PLS)の助けをかりて実施される。前記PLS(プログラムロジックS...)は、軸a1の各々の側でベローシリンダの規則的又は不規則な充填及び排気を、通常は反復するパターンで、ただし、動物がそのパターンを認識しないような長い反復サイクルで実施するようにプログラムされる。ベローシリンダは、動物がその平衡を保つために実際の補償が必要になるよう、非常に速やかに充填されることが好ましい。
【0029】
図2は、4個の別個の要素1A、1B、1C及び1Dに分割されていることを除き図1に示すプレートに相当するプレート1を示す。プレートを長手方向に分割する軸a1に加えて、2個の要素それぞれを横方向に分割する軸a2がある。プレート要素1A、1B、1C及び1Dは、両方の軸a1、a2に沿って同様に蝶着されている。また、4個のプレート要素それぞれの下には、図1に示すように、4個のベローシリンダ4A、4B、4C、4Dが配設されている。ここでもまた、ベローシリンダは、2個ずつ平行に協働するように配設されているが、4個の要素へのプレートの分割がより高い自由度を与え、すなわち、プレート要素が、要素1Aと1B、1Bと1C、1Cと1D及び1Aと1Dを対として交互に持ち上げることができるようになっている。図2に示すプレートの外縁には参照文字x、y、z及びwを付している。
【0030】
たとえばベローシリンダ4A及び4Dが空気を充填する場合、プレート要素1A及び1Dが、これらのプレート要素の縁zがベローシリンダ4A及び4Dの高揚された頂点よりもいくらか高い垂直レベルまで持ち上げられる上昇した斜め位置まで持ち上げられ、一方で軸a2が実質的に静止したままとどまるプレート要素になる。
【0031】
図1を参照して上記した同じ方法で、図2に示すベローシリンダ4A、4B、4C、4Dは、前記プレート要素の対ごとに上昇のための一定の反復パターンを「実行」するようにプログラムされているPLS装置によって制御される。
【0032】
プレート1は、ベースに対して徐々に変位しないよう、ベローシリンダを介してベース3に固着されていることが好都合である。これに関連する「固着」とは、プレートが、所望の振動から生じる振幅の範囲内で動くことができ、特に、垂直方向には動きの自由を有するが、横方向には動きの自由を有意に有しないことをいう。
【0033】
さらに、プレートが、当該動物が静止状態で又は輸送のために保持される特定の飼育舎(飼育房)又は「箱」に適合した寸法で製造される(特注される)ことが好都合である。たとえば、プレートの振動が壁との接触によって減衰しないよう、そのような飼育舎の床よりもわずかに小さい寸法でプレート1を製造することが好都合である。図中、軸a1(及びa2)は、プレート1を実質的に等分割するように示されている。これは、好都合な実施態様を表すが、強制的な特徴ではない。
【0034】
本発明の装置の組み立て及び使用に十分に適したもう一つの場所は、たとえばウシに使用する場合、ウシが少なくとも1日に一度移動して通過しなければならない柵の区域内である。このような場所は、ウシが毎朝晩に通過する「夜間房」と「昼間房」との間の通路中にあるかもしれないし、ウシが飲食時に自らの選択で本発明の装置のプレートの上又は傍らに立つことができるよう、給餌場に近い区域中にあるかもしれない。これらの用途の場合、機能性単層プレートに固有のスケールアップの可能性が非常に重要であるということが明白である。
【0035】
図3は、本発明の装置を図2のIII−III線から見た断面図である。この図では、プレート1は、軸a1によって分けられ、外縁x及びyをそれぞれ有するプレート要素1A及び1Dを含むものとして示されている。プレート要素1A及び1Dは支持コア6を含み、可撓性材料、たとえばゴムなどの被覆7がそれらの上面を覆っている。スペーサ2mnは、円柱形、正方形又は他の断面を有することができる。スペーサの不可欠な特徴は、駆動源からプレート本体全体への振動の伝播を可能にするのに適切な可撓性を有するということである。プレート1のコア6及び被覆7は、可撓性スペーサ2mnの反対側にもプレート要素を構成するプレートとは違って、機能性単層プレートを構成する。コア6は通常、厚さ20nmであることができるが、材料の選択に依存して、より薄くても厚くてもよく、被覆7は通常、厚さ10mm未満である。
【0036】
プレート要素1A及び1D(又は1A及び1B)は、軸a1を中心にしていっしょに蝶着することができるが、そうする必要はない。プレート要素が軸a1を中心にして物理的にいっしょに蝶着されないならば、それらは通常、間に切り込みをはさんで互いに隣接して配置される。切り込みの幅は、動物の体の部分が切り込みに挟まることがないことを保証するのに十分な小ささである。通常、切り込みは、2cm未満、好ましくは1cm未満、たとえば0.5cmである。
【0037】
通常、本発明の装置は、望まれない危険な装置の変位を招くおそれのある実質的な横方向移動に対して保護される。これを実施する好都合な方法は、スペーサ2mnの少なくともいくつかの下寄り部分に、ベースに固く取り付けられたボルトなどの上端を受けるように適合された開口(図示せず)を設ける方法である。スペーサ中の開口は、円錐形又は円柱形であることができ、その直径が前記ボルトの外径よりもいくらか大きい。したがって、ボルトとスペーサとの間の動きの自由は、垂直方向には重要であるが、水平方向には厳しく制限される。
【0038】
駆動源51、52の動力接続は、一定時間後に処置を自動的に止めることができるよう、(サイクル)タイマによって制御されることが好都合である。また、場合によっては、起動をタイマによって制御して、処置を自動的に開始及び停止することができるようにしてもよい。
【0039】
ベローシリンダ4(A-D)として例示した上記の上昇要素はまた、他のタイプであってもよい。図1は、プレート要素1個あたり2個のベローシリンダ/上昇要素(たとえば4A及び4B)を示し、図2は、プレート要素1個あたり1個のベローシリンダ/上昇要素を示す。プレート要素2個の構造及びプレート要素4個1A、1B、1C及び1Dの構造の両方に関して1個以上の上昇要素があってもよいため、これらは例示的な実施態様に過ぎないということが理解されるべきである。
【0040】
モータ構造に関して、モータは、望みの振動をプレートに提供するのに適した事実上いかなるタイプであってもよく、したがって、モータ又は駆動源の選択は決定的ではない。しかし、プレートの垂直運動が、動物の関節に対して非常にプラスの影響を及ぼす運動であり、したがって、唯一又は主として水平動/振動をプレートに提供する駆動力はあまり適さないということが理解されるべきである。回転するモータに基づくのではなく、交流を印加される多数のコイルからの磁力に基づく駆動源は良好な代替であり、振動が主に線形であり、それを垂直軸に沿って向けることができるという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】プレートが2個の別個のプレート要素で構成されている本発明の実施態様の斜視図である。
【図2】プレートが4個の別個のプレート要素で構成されている本発明の第二の実施態様の斜視図である。
【図3】図2に示す実施態様を図2のIII−III線から見た断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用中に動物が位置するベース(3)の上に一時的又は永久的に配置されるように適合されたプレート(1)を含み、前記プレート(1)が、それに適した少なくとも1個の駆動源(51、52)によって振動させられるように配置されている、動物、特に大型動物の筋肉、腱、関節、関節嚢などを予防的、回復的及び治癒的に処置するための装置であって、プレート(1)が、プレート(1)を平坦なベース(3)の上方に所定の距離で保持するための多数の可撓性スペーサ(2mn)をその下面に備えた機能性単層プレートであることを特徴とする装置。
【請求項2】
1個以上のモータ(51、52)、好ましくは偏重心回転ホイールを有するモータが前記駆動源として使用されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
駆動源(51、52)が、その強さが無段階に又は不連続に可変であるように配置されていることを特徴とする、請求項2記載の装置。
【請求項4】
駆動源(51、52)が、(サイクル)タイマによって自動的に始動及び停止されるように配置されていることを特徴とする、請求項2又は3記載の装置。
【請求項5】
駆動プレート(1)が、軽くて廉価な材料、たとえばファイバボード又は合成材料のコアを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
プレート(1)の、動物に面する側が、動物の脚に対して所望の摩擦を提供する可撓性材料の被覆(7)を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
プレート(1)が、動物が保持される飼育舎(飼育房又は箱)に対応する形状及びサイズを有し、その中の内側の床を構成することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
駆動源(5)が0.1〜2kWの範囲内で出力することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
プレート(1)が、物理的又は仮想の共通軸(a1)に関して互いに隣接して配置された少なくとも2個の別々のプレート要素(1A、1B)を含み、プレート要素(1A、1B)それぞれが、軸(a1)に沿う内縁と、軸(a1)に対して平行であり、軸(a1)から離間している外側軸(それぞれx及びy)とを有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
プレート要素(1A、1B)が軸(a1)に沿って物理的にいっしょに蝶着されていることを特徴とする、請求項9記載の装置。
【請求項11】
プレート要素(1A、1B)が軸(a1)に沿って互いに物理的に離れていることを特徴とする、請求項9記載の装置。
【請求項12】
プレート要素(1A)が、実質的に水平な第一の位置から、プレート要素がその外縁(x)から軸(a1)に向けて下方に傾斜する上昇した斜め位置まで回動させることができるように配置され、プレート要素(1B)が、対応する方法で、実質的に水平な第一の位置から、プレート要素がその外縁(y)から軸(a1)に向けて下方に傾斜する上昇した斜め位置まで回動させることができるように配置されていることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
プレート要素(1A)が、ベローシリンダ(4A、4B)によって回動させられるように配置され、プレート要素(1B)が、ベローシリンダ(4C、4D)によって回動させられるように配置されていることを特徴とする、請求項12記載の装置。
【請求項14】
プレート要素(1A)が、相互に交差する軸(a1、a2)に沿って互いに隣接して配置された4個のプレート要素(1A、1B、1C及び1D)によって構成されていることを特徴とする、請求項9記載の装置。
【請求項15】
軸(たとえばa2)の同じ側にある隣接するプレート要素(たとえば1A、1D)の各対が、前記軸(a2)を中心に、実質的に水平な第一の位置から、プレート要素(1A、1D)の前記対がその外縁(z)から軸(a2)に向けて下方に傾斜する上昇した斜め位置まで回動するように配置されていることを特徴とする、請求項14項記載の装置。
【請求項16】
プレート要素(たとえば1A、1D)の各対が、ベローシリンダ(たとえば4A、4D)によって前記軸(a2)を中心に回動させることができるように配置されていることを特徴とする、請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記ベローシリンダ(4A、4B、4C、4D)が少なくとも1個のコンプレッサ(図示せず)に接続されていることを特徴とする、請求項13又は16記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1個のコンプレッサが、PLSによって制御されてベローシリンダの対(4Aと4B、4Bと4C、4Cと4D及び4Dと4A)を規則的又は不規則に充填及び排気してプレート要素(1A及び1B)又はプレート要素の対(1Aと1B、1Bと1C、1Cと1D及び1Dと1A)の前記回動を生じさせるように配設されていることを特徴とする、請求項17記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−502794(P2006−502794A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545087(P2004−545087)
【出願日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【国際出願番号】PCT/NO2003/000338
【国際公開番号】WO2004/034947
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(505141738)
【氏名又は名称原語表記】BO HORSE & INVENTION AS