説明

動物用患部保護脱落防止カバー

【課題】動物の四肢及び体幹への包帯やギブス等の固定用品による患部処置の保護・固定を一体化して、患部全体を覆い保護するとともに、保護カバーのずれを抑制し、患部処置の脱落を防止できる動物用患部保護脱落防止カバーを提供する。
【解決手段】動物の左前脚Cに処置した患部を覆う脚部保護用の筒状覆い部1と、筒状覆い部1から一体に延長して動物の体幹Bを周回できるテープ状の体幹保護用の体幹覆い部2とを、布等の柔軟性のある同一の素材から一体に形成し、体幹覆い部2に、右前脚Dが挿通できる挿通孔3を設けるととともに、幹覆い部2と筒状覆い部1に、互いに着脱自在に係合する係合部材4,5をそれぞれ設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫当の動物の四肢及び体幹への包帯やギブス等の固定用品による患部処置を保護するとともに前記患部処置の脱落を防止する動物用患部保護脱落防止カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、犬や猫等のペットが皮膚病にかかったとき、ペットが患部を舐めたり、患部に処理した塗り薬を舐めたりするのを防止するものとして、後掲する引用文献1に記載されたペット用皮膚カバーバンドが提案されている。また、ペットの外科手術や避妊手術等の治療後の傷口を保護するものとして、後掲する特許文献2に示すようなペット用保護胴着が知られている。
【0003】
前述した特許文献1に記載のペット用皮膚カバーバンドは、図9に示すように伸縮性、通気性の良い網目状の布で、H形状の本体21の足部25に輪状の足帯22を設け、本体21の胴体部26に腹帯23を設け、腹帯23と本体21にそれぞれ止め具24を設けたもので、本体21の足部25が輪状になっているため、ペットの足から着用できるとともに、腹帯23と本体21にそれぞれ止め具24がついているので、お腹を包んでとめることができるというものである。
【0004】
前述した特許文献2に記載のペット用保護胴着は、図10に示すように、伸縮性を持った部材からなる本体と、該本体に、動物の首に対応して開いた伸縮性を持つ31部分と、前脚に対応して肩甲骨と上腕骨の動きを妨げない開き32,32と、後ろ脚に対応して大腿骨の動きに対して適応する開き33,33と、臀部に対応して臀部との繋がりが着脱や排泄が容易にできる臀部の開放部34を形成したもので、開放部34の開きから31部分に向かってペットの頭を入れ、続けて32,32に前脚を出し、33,33に後ろ足を出して着用するようになっている。また、前脚、後ろ足、四肢のカバーが可能にすることができる。さらに、前脚、後ろ足、四肢の脚先口に31部分と同素材を用いることもできるようになっている。
【0005】
前述した四肢用保護カバーに関する先行技術文献として、次の特許文献1〜2等がある。
【特許文献1】特開平11−71号公報
【特許文献2】特開2000−204015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1のようなペット用皮膚カバーバンドは、ペットが患部を舐めたり、患部に処理した塗り薬を舐めたりするのを防止するものであり、ペットの四肢や体幹への包帯やギブス等の患部処置を保護するようになっていないし、また、本体21は、網目状の布から作られており、ペットが屋外等で歩行するとき、患部が汚れるおそれがある。また、図9に示すように、このペット用皮膚カバーバンドの本体21は、胴体部26と、全ての四肢を覆うため、4つの足部25を備えており、製作が容易でないし、全ての四肢を輪状の足体22に通す必要があり、装着が容易でないという問題もある。さらに、四肢を覆う足部25は、その端部に輪状の足帯22を備えているが、足部25全体が筒状に作られていないので、四肢の周囲全体を覆うことができないという問題もある。
【0007】
前述した特許文献2のようなペット用保護胴着は、ペットの骨格に即してフィットするように作られており、ペットの四肢や体幹への包帯やギブス等の患部処置を保護するようになっていない。また、この保護胴着は、図10に示すように、ペットの首部、四肢部、臀部に対応する部分にそれぞれ開き31,32,32、33、33、34を設け、ペットに装着するときは、臀部の開き34から首部の開き31に向かって頭を入れ、続けて四肢の開き32、32に前脚出し、四肢の開き33、33に後ろ足を出して装着する必要があり、装着が容易でないという問題がある。さらに、この保護胴着は、四肢部分をカバーするように構成することが可能であるが、この場合、構造が煩雑になり、製作に手間がかかるという問題がある。
【0008】
本発明の課題は、簡単な構成で、犬や猫当の動物の四肢及び体幹への包帯やギブス等の固定用品による患部処置の保護・固定を一体化して、患部全体を覆い保護するとともに、四肢及び体幹により保護カバーのずれを抑制し、患部処置の脱落を防止できる、装着容易で、かつ製作容易な動物用患部保護脱落防止カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題を解決するための手段は、特許請求の範囲の請求項1(以下、「請求項1」などという)のように、動物の四肢うちいずれか一つの脚に処置したギブスあるいは包帯等の固定用品を覆うことのできる大きさを有する脚部保護用の筒状覆い部と、該筒状覆い部の開口端から一体に延長して前記動物の体幹を周回できる長さを有し、かつ、前記筒状覆い部の内径より大きい幅を有するテープ状の体幹保護用の体幹覆い部とを、布等の柔軟性のある同一の素材から一体に形成し、前記体幹覆い部には、前記一つの脚と左右反対側の脚が挿通できる挿通孔を設けるととともに、前記体幹覆い部の端部側と前記筒状覆い部の外面に、互いに着脱自在に係合する係合部材をそれぞれ設けた動物用患部保護脱落防止カバーにある。
【0010】
このような動物用患部保護脱落防止カバーは、適宜の長さを有し、かつ、脚部保護用の筒状覆い部の内径と等しい内径を有する布等からなる柔軟性のある筒状の素材を縦方向に、動物の四肢のうちいずれか一つの脚を保護する脚部保護用の筒状覆い部が残るように、一条の切り裂きを入れたり、適宜の長さを有し、かつ、脚部保護用の筒状覆い部を形成できる幅を有する一枚の布等から素材の一端部側を脚部保護用の筒状覆い部を形成するように接合したりして脚部保護用の筒状覆い部を形成し、この筒状覆い部以外の部分を体幹覆い部を形成するテープ状とし、このテープ状の体幹覆い部に、前記一つの脚と左右反対側の脚が挿通できる挿通孔を設けるとともに、体幹覆い部の端部側と筒状覆い部の外面に互いに着脱自在に係合できる係合部材を設けるようにして製作することができ、簡単な製作方法で動物用患部保護脱落防止カバーを提供することができる。
【0011】
前述した動物用患部保護脱落防止カバーの使用方法は、次のとおりである。動物の四肢のうちいずれか一つの脚、例えば、左前脚に怪我や骨折等の患部があって、その患部をギブスや包帯等の固定用品で固定している場合には、その左前脚に、ギブスや包帯等の固定用品の全体を覆うように脚部保護用の筒状覆い部を装着し、次いで、この筒状覆い部と一体に形成されたテープ状の体幹覆い部を動物の体幹の胸部側に回し、体幹覆い部に設けた挿通孔に右前脚を挿通させる。その後、体幹覆い部を動物の体幹の背部側に回し、さらに、体幹覆い部を、体幹覆い部の端部が筒状覆い部の外面に設けた係合部材の位置まで周回させ、この位置で体幹覆い部の端部側に設けた係合部材と筒状覆い部の外面に設けた係合部材とを係合させて、動物用患部保護脱落防止カバーを装着する。したがって、動物用患部保護脱落防止カバーを容易に動物に装着でき、また、動物用患部保護脱落防止カバーは、動物の四肢と体幹によって支持されるので、動物用患部保護脱落防止カバーのずれを抑制し、患部処置の脱落を防止できる。
【0012】
また、体幹覆い部は、広い幅を有しているので、体幹への処置を行った場合にも、患部部分を保護することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、動物用患部保護脱落防止カバーを、動物の四肢うちいずれか一つの脚に処置したギブスあるいは包帯等の固定用品を覆うことのできる大きさを有する脚部保護用の筒状覆い部と、該筒状覆い部の開口端から一体に延長して前記動物の体幹を周回できる長さを有し、かつ、前記筒状覆い部の径より大きい幅を有するテープ状の体幹保護用の体幹覆い部とを、布等の柔軟性のある同一の素材から一体に形成し、前記体幹覆い部には、前記一つの脚と左右反対側の脚が挿通できる挿通孔を設けるととともに、前記体幹覆い部の端部側と前記筒状覆い部の外面に、互いに着脱自在に係合する係合部材をそれぞれ設けて構成したので、前述したように一つの柔軟性筒状素材や一枚の柔軟性素材から簡単に製作することができ、製作コストの低減を図ることができる。
【0014】
また、動物への装着、脱着がきわめて容易であり、また、動物の四肢と体幹によって支持されているので、動物への装着、脱着がきわめて容易であるにもかかわらず、動物用患部保護脱落防止カバーのずれを抑制し、患部処置の脱落を防止できる。
【0015】
さらに、患部全体を覆うことができるので、ギブスや包帯等の固定用品の汚れを防ぎ、患部の汚染予防、固定部品の交換の軽減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の動物用患部保護脱落防止カバーの実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、動物用患部保護脱落防止カバーを展開した図であり、図2は、動物用患部保護脱落防止カバーを動物に装着するときの模式図である。図3〜6は、動物用患部保護脱落防止カバーを動物に装着した図である。なお、図6は、筒状覆い部を後述する靴下型にした動物用患部保護脱落防止カバーを示し、筒状覆い部の先端側構成を除けば、他の構成は、後述する筒状覆い部先端が開口した図1〜5のものと同一の構成である。
【0017】
図1〜6において、動物用患部保護脱落防止カバーは、動物Aの四肢うちいずれか一つの脚C(この実施例においては、左前脚を示す)に処置したギブスあるいは包帯等の固定用品Eを覆うことのできる大きさを有する脚部保護用の筒状覆い部1と、筒状覆い部1の上端1aから一体に延長して動物Aの体幹Bを周回できる長さを有し、かつ、筒状覆い部1の径より大きい幅bを有するテープ状の体幹保護用の体幹覆い部2と、体幹覆い部2に設けられ、一つの脚C(以下、図に対応して「左前脚C」で説明する)と左右反対側の脚D(以下、図に対応して「右前脚D」で説明する)が挿通できる挿通孔3と、体幹覆い部2の端部2a側に設けられた係合部材5と、筒状覆い部1の外面に設けられ、係合部材5と着脱自在に係合する係合部材4を備えている。
【0018】
筒状覆い部1と体幹覆い部2は、布等の柔軟性のある同一の素材から一体に形成されている。この柔軟性のある素材は、ギブスあるいは包帯等の固定用品E全体を覆ったとき固定用品Eの汚れを防ぐものであればどのような素材であってもよい。また、その材質も化学繊維製、天然繊維性等種々のものを使用できる。また、用途によって、この柔軟性素材に、通気性や伸縮性や防水性を適宜付与したものを使用してもよい。この実施の形態では、メリヤスが使用されている。また、筒状覆い部1と体幹覆い部2は、動物の種類や大小に適した適宜の大きさ、形状とすることができる。
【0019】
筒状覆い部1は、図1〜5に示すように、ギブスあるいは包帯等の固定用品E全体を保護、覆うことができる大きさであれば、左前脚Cの先端側が筒状覆い部1からはみ出すようにしてもよいし、また、図6に示す他の実施の形態のように、左前脚C全体を包むように、筒状覆い部1の下端1bが閉じた、いわゆる靴下型としてもよい。なお、靴下型とした場合、筒状覆い部1の長さは、左前脚Cの全体が包まれる長さとされることはいうまでもない。また、靴下型とした場合、歩行を容易にするため、筒状覆い部1の下端に滑り止め1cを設けるとよい。滑り止めは、図6に示した多数の突起状のものやテープ状のもの等適宜のものが採用される。さらに、筒状覆い部1の開口した上端1aや下端1bの周囲に開口を締め付ける締め付け手段として、伸縮性のある素材や帯状ゴム体を設けるようにしてもよい。
【0020】
体幹覆い部2は、上端2aと側部2b,2bを有するテープ状とされ、体幹覆い部2の幅bが筒状覆い部1の内径dより大きく、かつ、筒状覆い部1と体幹覆い部2が一体に形成されているため、側部2b、2bの下方側は、筒状覆い部1の開口する上端1aに向けて折り部2cが形成されている。
【0021】
筒状覆い部1と体幹覆い部2は、例えば、次の方法によって一体に製作することができる。その方法の1つは、図7に示すように、布等からなる柔軟性のある内径dの筒状素材11を用意する。この筒状素材11の長さtは、筒状覆い部1の長さt1と体幹覆い部2の長さt2の和にほぼ等しく、その内径dは、筒状覆い部1の内径dに等しい。
【0022】
このように用意した筒状素材11を、その開口した一端11aから縦方向に、体幹覆い部2の長さとほぼ同じ長さt2、すなわち、筒状素材11の他端11b側に脚部保護用の筒状覆い部1となる筒状部11dが残る長さに切断(切断線11c)し、切断された筒状部分をテープ上に開拡部11eとして開拡する。この開拡部11eが図1に示す体幹覆い部2となり、残った筒状部分11dが図1に示す筒状覆い部1となる。なお、体幹覆い部2の幅bが、筒状覆い部1の内径dより大きいため、筒状部分11eを開拡したとき、図1に示すように、体幹覆い部2の側部2b、2bの下方側には、筒状覆い部1の開口する上端1aに向けて折り部2cが形成される。
【0023】
この方法において、左前脚Cの先端側が筒状覆い部1からはみ出るように構成する場合は、筒状の素材11は、一端11aと他端11bがともに開口したものを使用する。前述した靴下型として構成する場合、一端11aが開口し、他端11bが予め閉じたものを使用してもよいし、一端11aと他端11bが開口したものを使用し、筒状部11dを形成した後、他端11bを適宜閉止するようにしてもよい。
【0024】
他の方法は、図8に示すように、布等からなる柔軟性のある1枚の長方形素材12を用意する。長方形素材12の長さtは、筒状覆い部1の長さt1と体幹覆い部2の長さt2の和にほぼ等しく、その幅bは、内径dの筒状部12dが構成できる幅とされる。
【0025】
このように用意された長方形部材12の他端12b側の両側を、筒状覆い部1の長さとほぼ同じ長さt1だけ折り曲げ、適宜の手段によって接合(図8において、接合部12cで示す)して、筒状部12d(図8において、2点鎖線で示す)を形成する。これによって、長方形素材12の接合されない非接合部12eが体幹覆い部2を構成し、筒状に接合された筒状部12dが筒状覆い部1を構成する。なお、体幹覆い部2の幅bは、筒状覆い部1の内径dより大きいため、図1に示すように、体幹覆い部2の側部2b、2bの下方側には、筒状覆い部1の開口する上端1aに向けて折り部2cが形成される。
【0026】
この方法において、筒状覆い部1は、左前脚Cの先端側が筒状覆い部1からはみ出るように構成する場合は、長方形素材12の端部12bを接合しないようにし、前述した靴下型として構成する場合は、筒状部12dを形成した後、その端部12bを適宜閉止するようにすればよい。
【0027】
体幹覆い部2に設けられる挿通孔3は、動物の左前脚Cに筒状覆い部1を装着し、体幹覆い部2を、折り部2c、2cを広げながら、動物Aの胸部側から背部側に巻くとき、右前脚Dが体幹覆い部2を貫通して装着できる位置に穿設されている。これによって、筒状覆い部の開口端1aと挿通孔3との間の体幹覆い部2の部分が胸部側覆い部2dとなり、挿通孔3と体幹覆い部2の端部2aとの間に背部側覆い部2eとなる。挿通孔3は、前述した方法において、素材11や12の段階で予め穿設しておいてもよいし、筒状覆い部1と体幹覆い部2を製作した後で穿設するようにしてもよい。
【0028】
係合部材4は、筒状覆い部1の上端1a側近傍の外面に設けられ、係合部材5は、体幹覆い部2の端部2a側近傍に設けられ、互いに着脱自在に係合するようになっている。係合部材4と係合部材5は、互いに着脱自在に係合できるものであれば、面ファスナー、ホック、ボタン等適宜のものが使用できる。図1では、面ファスナーが使用されている。
【0029】
このように構成された動物用患部保護脱落防止カバーは、前述したように布等の素材で作られているため、繊維のほころびを避けたり、動物に容易に装着できるようにするため、筒状覆い部の1の開口する上端1aや下端1b、体幹覆い部2の端部2aや側部2b,2b、挿通孔3の縁部3a等の適宜の部位をかがり縫いや返し縫い等の手段や他の適宜の補強手段によって補強するようにしてもよい。
【0030】
次に、この実施の形態における前述した動物用患部保護脱落防止カバーの使用方法を説明する。動物Aの左前脚Cに怪我や骨折等の患部があって、その患部をギブスや包帯等の固定用品Eで固定している場合には、その左前脚Cに、ギブスや包帯等の固定用品Eの全体を覆うように脚部保護用の筒状覆い部1を装着し、次いで、この筒状覆い部1と一体に形成され体幹覆い部2を、折り部2c,2cを広げながら、動物の体幹Bの胸部側に回し、体幹覆い部2に設けた挿通孔3に動物の右前脚を挿通させて、動物の胸部側を体幹覆い部2の胸部側覆い部2dで覆い、保護する。その後、体幹覆い部2を動物Aの体幹Bの背部側に回し、さらに、体幹覆い部2の端部2aを、左前脚Cに装着されている筒状覆い部1の外周に設けた係合部材4の位置まで周回させ、この位置で体幹覆い部2の端部2aに設けた係合部材5と筒状覆い部1の上端1a側外周に設けた係合部材4とを係合、止着して、動物の背部側を体幹覆い部2の背側覆い部2eで覆い、保護し、動物用患部保護脱落防止カバーの装着が完了する。動物用患部保護脱落防止カバーを脱着するときは、係合部材4と係合部材5の係合を解除し、前述したと逆に行って脱着する。
【0031】
以上説明した実施の形態によれば、ギブスや包帯等の固定用品によって固定されている部分を、さらに保護することができ、固定部分の負荷の軽減、固定用品Eの保護、患肢の調節等を行うことができる。また、固定用品Eの汚れを防ぎ、患部の汚れを防ぎ、患部の汚染予防、固定用品に用いられるテープ交換等の軽減を図ることができる。
【0032】
また、脚部保護用の筒状覆い部1と他方の脚を挿通することのできる挿通孔3と動物の体幹を周回できる体幹覆い部2と係合部材4,5によって、保護、固定を一体化でき、患部全体を覆い保護するとともに、動物用患部保護脱落防止カバーは、左右前脚C,Dと体幹Bによって支持されるので、該カバーのずれを防止でき、患部処理の脱落を防止することができるとともに、簡単かつ迅速に動物へ装着、脱着することができる。
【0033】
さらに、脚部保護用の筒状覆い部1と体幹覆い部2は、布等からなる一つの柔軟性のある筒状素材11や一枚の長方形素材12から簡単な工程で一体に製作できるので、製作が容易であり、製作コストの低減を図ることができる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず種々の設計変更が可能であり、それらはいずれも本発明に含まれる。
【0035】
例えば、素材11の径が一様なものを説明したが、一端11aと他端11bの径が異なるものを採用してもよいし、中央が膨らんだ形状としてもよい。また、素材12を長方形状として説明したが、台形状等適宜の形状とすることができる。また、動物の種類や大小にあわせて、異なる大きさの動物用患部保護脱落防止カバーを複数種用意しておくとよい。
【0036】
筒状部11が動物の左前脚を覆う動物用患部保護脱落防止カバーについて説明したが、右前脚用、左後脚用、右後脚用のものにも適用できることは言うまでもない。なお、後脚用構成する場合には、体幹にあわせて、体幹覆い部2を適宜の形状とすればよい。さらに、動物用患部保護脱落防止カバーを裏返して使えるようにすれば、すなわち、リバーサブルで使えるようにすれば、左脚、右脚共用のカバーとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施の形態における動物用患部保護脱落防止カバーを展開した図
【図2】本発明の一実施の形態における動物用患部保護脱落防止カバーを動物に装着した時の模式図
【図3】本発明の一実施の形態における動物用患部保護脱落防止カバーを動物に装着した時、動物の正面をみた図。
【図4】本発明の一実施の形態における動物用患部保護脱落防止カバーを動物に装着した時、動物の側面をみた図。
【図5】本発明の一実施の形態における動物用患部保護脱落防止カバーを動物に装着した時、動物の腹部を見た図。
【図6】本発明の他の実施の形態における動物用患部保護脱落防止カバーを動物に装着した時、動物の正面をみた図。
【図7】本発明の動物用患部保護脱落防止カバーの筒状素材を示す図。
【図8】本発明の動物用患部保護脱落防止カバーの長方形素材を示す図。
【図9】従来のペット用カバーを示す図。
【図10】他の従来のペット用カバーを示す図。
【符号の説明】
【0038】
A・・・・・・動物
B・・・・・・動物の体幹
C・・・・・・動物の左前脚
D・・・・・・動物の右前脚
E・・・・・・固定用品
1・・・・・・脚部保護用の筒状覆い部
2・・・・・・体幹覆い部
3・・・・・・挿通孔
4・・・・・・係合部
5・・・・・・係合部
11・・・・・筒状素材
12・・・・・長方形素材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の四肢うちいずれか一つの脚に処置したギブスあるいは包帯等の固定用品を覆うことのできる大きさを有する脚部保護用の筒状覆い部と、該筒状覆い部の開口端から一体に延長して前記動物の体幹を周回できる長さを有し、かつ、前記筒状覆い部の径より大きい幅を有するテープ状の体幹保護用の体幹覆い部とを、布等の柔軟性のある同一の素材から一体に形成し、前記体幹覆い部には、前記一つの脚と左右反対側の脚が挿通できる挿通孔を設けるととともに、前記体幹覆い部の端部側と前記筒状覆い部の外面に、互いに着脱自在に係合する係合部材をそれぞれ設けたことを特徴とする動物用患部保護脱落防止カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−43369(P2008−43369A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−218907(P2006−218907)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(506275221)