説明

動物用整体具

【課題】動物に生じた疲れを容易且つ確実に解消させてやることができ、動物による各種効果(競技結果や生産物など)を十分に発揮させ、また動物の故障等に伴う損失を防止し、もって産業に寄与させることができるようにした動物用整体具を開発する。
【解決手段】動物の身体の一部に対して巻き付け状の装着を可能にした装着装置2と、この装着装置2に保持されて振動を発生させる加振装置3とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物用整体具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人間を対象として、任意の箇所を自由にマッサージできるように開発された手持ち式のマッサージ装置は周知である(例えば、特許文献1等参照)。
【特許文献1】特開2001−120631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
人間以外の動物にとっても、疲労が溜まることは好ましくない。例えば、競技に使用される動物(競争馬等)では、疲労は成績不振や怪我に直結する。また家畜(例えば乳牛や肉牛等)では、生産物(乳や肉等)の品質低下や生産量低下等に繋がることもある。
このような動物にとっての疲労の有無や疲労の度合い、或いは疲労の箇所などは個体ごとに異なり、それらを見極めてやるのは日頃、動物と密接な関係にある調教師や飼育係、獣医といえども非常に困難である。まして、その疲労を回復させてやるのは、休ませて栄養補給をしてやる以外、殆ど手だてがないのが実状である。
【0004】
ところで、人間を対象として開発された手持ち式のマッサージ装置を用い、例えば馬などの疲労箇所をマッサージしてやったとしても、振動の範囲が狭すぎ、また振動の振幅や周波数などが不適であるため、何ら効果がないばかりでなく、動物が嫌がり、場合によっては暴れ出すこともあって、全く役に立たないものであった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、動物に生じた疲れを容易且つ確実に解消させてやることができ、動物による各種効果(競技結果や生産物など)を十分に発揮させ、また動物の故障等に伴う損失を防止し、もって産業に寄与させることができるようにした動物用整体具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る動物用整体具は、動物の身体の一部に対して巻き付け状の装着を可能にした装着装置と、この装着装置に保持されて振動を発生させる加振装置とを有している。
このような動物用整体具を使用することによって、動物に対するマッサージを簡単に行うことができる。
加振装置は、少なくとも一方へ突出する駆動軸と、この駆動軸を回転させるモーターと、各駆動軸に対してそれぞれ一体回転可能に設けられる偏心錘とを有したものとすればよい。このようにすることで、簡潔構造で且つコンパクトなものとすることができる。
【0006】
装着装置は、動物の身体に対する巻き付け形状に沿って帯形状に形成された芯材と、この芯材を覆う保護カバーとを有したものとすることができる。この場合、上記芯材は、帯形状を呈するうちの長手方向中央部に設けられる中央支持部と、この中央支持部の両側へ延び出す一対の振動伝達部とを有したものとすればよく、また上記保護カバーには、上記芯材に設けられた左右の振動伝達部同士を、上記中央支持部とは反対側の端部で連結又は連結解除可能にする離合操作手段が設けられたものとすればよい。
振動伝達部は、金属製の薄板で且つ短冊状に形成されたフレーム材によって枠形状に枠組みされたものとすることができる。このようにすることで軽量化及び低コスト化が可能となる。また適度な弾性を得ることができ、動物に対しての装着状態をフィットさせるうえで有益となる。しかも弾性変形後の形状復元性を得ることができる。
【0007】
このような芯材において、少なくとも振動伝達部はステンレス製とするのが好適である。なお、振動伝達部だけでなく、中央支持部もフレーム材によって枠形状に枠組みされたものとすればよい。或いは、振動伝達部や中央支持部は、フレーム材ではなく、板材を用いて形成することも可能である。
芯材に中央支持部が設けられたものにおいて、この中央支持部に対応して加振装置が設置されたものとするのが好適である。このようにすることで、各振動伝達部へ振動を伝達するようにでき、加振装置を1台で済ませられる利点がある。なお、この他、各振動伝達部に対して加振装置を設けるようにすることも可能である。
【0008】
加振装置には、モーターに対して電源供給するバッテリーが着脱自在な状態で設けられているものとすればよい。このようにすることで、本発明に係る動物用整体具を装着した動物が、電源供給場所の周辺に拘束されることなく自由に動き回ることができる。また、電源供給場所から遠い場所にいる動物に対して、本発明に係る動物用整体具を使用することができる。
加振装置には、モーターによる偏心錘の回転数を1200rpm以上3000rpm以下に制御するコントローラを設けるのが好適である。偏心錘の回転数が1200rpmに満たない場合の振動や3000rpmを超える場合の振動ではマッサージ作用に乏しいことが判っている。なお、偏心錘の回転数を上記範囲内で変更自在にすることも可能であり、このようにすることで、動物の疲れ状況や健康状態、動物の個性(好き嫌いな性格)、或いは動物の種類などに応じて、適正な振動を選んで動物に与えることができるようになる。
【0009】
コントローラには、振動状態と休止状態とを所定時間おきに交互運転させる間欠振動モードと振動状態を連続運転させる連続振動モードとのモード切替部を設けたり、運転状況を所望に設定可能にするタイマー設定部を設けたりすることもできる。
加振装置は、モーターに対してその相反する両側へ駆動軸が突出する状態に設けられたものとすることができる。この場合、加振装置は、両側の駆動軸が前後方向へ向く状態で装着装置に対して設けるようにすればよい。このような状態で加振装置を設けるのが、動物に対してバランスよく装着できることになる。
【0010】
装着装置は、馬の首筋から尻部にかけた領域内の所定位置で、馬の胴体に対してその上方から跨らせる状態となるように左右両脇へ振り分ける一対の巻き付け部を有したものとすることができる。
このようにすることで、本発明に係る動物用整体具は、馬の胴体に対して一対の巻き付け部を左右に振り分け、巻き付けるような状態で使用することができる。なお、馬だけでなく、牛をはじめとする種々の動物に対しても使用可能である。
装着装置には、左右の巻き付け部の各内面側に所定厚みを有する体型パットが設けられたものとするのが好適である。この体型パットは、下部が先細りで上部になるほど肉厚が厚肉化された逆三角形状に形成されたものとすればよく、これによって馬の首筋から背にかけた領域で装着装置をフィットさせるようにする。
【0011】
装着装置には、体型パットを保持させるべき配置でパット保持部が設けられたものとし、このパット保持部に対して体型パットが着脱自在とするのが好適である。
このようにすることで、体型パットに摩耗、へたり、亀裂、汚れ、カビといったものが発生した場合などにあって、体型パットを新品のものと交換することが簡単に行えるようになる。また動物の体格や年齢、動物の種類などを代える場合にも、適正な形状をした体型パットと交換することが簡単に行える利点がある。
パット保持部は、体型パットの下部と、少なくとも動物へ向けられる面とを覆う部分を有してポケット形に形成されたものであって、且つ、動物へ向けられる面を覆う部分の上端から延出してポケット内へ差し込み可能となる蓋部を有したものとするのが好適である。
【0012】
このようにすると、パット保持部内へ体型パットを入れ、更に蓋部をポケット内へ差し込むようにすることで、体型パットを外から見えないような完全な収納状態で保持させることができる。しかも、この状態で装着装置を動物へ装着させると、パット保持部が動物の体表面に接触し、圧縮される状態になって、このときの圧縮作用がポケット内へ差し込まれた蓋部を体型パットで押さえ付けるような状態として作用する。
そのため、蓋部がポケット内から引き抜かれるようなことが必然的に防止されるようになり、結果として、パット保持部内の体型パットが抜け出たり、位置ズレしたり、蓋部が外れて体型パットが汚れたりする、といったことが防止されることになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る動物用整体具では、動物に生じた疲れを容易且つ確実に解消させてやることができ、動物による各種効果(競技結果や生産物など)を十分に発揮させ、また動物の故障等に伴う損失を防止し、もって産業に寄与させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図10は、本発明に係る動物用整体具1の一実施形態を示している。この動物用整体具1は、図5に示すように、動物の身体の一部に対して巻き付け状の装着を可能にするための装着装置2を有している。また図1乃至図4に示すように、この動物用整体具1は、装着装置2に対して設けられた加振装置3を有している。
なお本実施形態は、図5から明らかなように馬の胴体(首筋から尻部にかけた領域内であって更に好ましくは首筋から背にかけた領域)に巻き付けて使用する場合を想定して構成させたものを示している。馬にとって、上記の領域には疲れを癒し、またマッサージでほぐすに適したツボがある。
【0015】
装着装置2は、馬の胴体に対し、その上方から跨らせる状態となるように左右両脇へ振り分ける一対の巻き付け部2A,2Bを有したものとなっている。これら巻き付け部2A,2Bの相互間には両者を繋ぐようにして中央部2Cが設けられており、この中央部2Cを馬の背に乗せて両側の巻き付け部2A,2Bを馬の胴体(胴体側面乃至腹側面へかけた領域)に巻き付けるような状態で使用する。
なお、これら巻き付け部2A,2Bと中央部2Cとの間に物理的な境界はなく、互いに一体的に設けられたものとなっており、使用状態において馬の背に乗る部分が中央部2Cで、その両側で馬の胴体に巻き付けられる部分が巻き付け部2A,2Bということになる。
【0016】
図10に示すように、装着装置2は芯材5とこの芯材5を覆う保護カバー6とを有した構造になっている。芯材5は、上記のように馬の胴体に巻き付けた使用を可能にするために、その巻き付け長さに対応する帯形状(動物の身体に対する巻き付け形状に沿った形状)に形成されている。この帯形状は、非使用時には真っ直ぐに(フラットに)延ばすことが可能であり、使用に際してこの帯形状を立体的に曲げることで動物の身体に対する巻き付け形状にする。
本実施形態では、芯材5を真っ直ぐに延ばしたときに長手方向中心が「く」字状に折れ曲がるようなブーメラン形の帯形状とし、これによって馬の胴体へ巻き付けた状態として、装着装置2の巻き付け部2A,2Bが垂直状態に揃うようにしてある。芯材5における長手方向の約半分長さLを666mm、帯幅Wを250mmとなるように形成した。
【0017】
芯材5は、その全体が成す帯形状において、長手方向中央部に設けられる中央支持部7と、この中央支持部7の両側へ延び出す一対の振動伝達部8とを有したものとなっている。おおよそ、中央支持部7が装着装置2としての中央部2Cに対応し、振動伝達部8が装着装置2としての巻き付け部2A,2Bに対応するようになっている。
芯材5におけるこれら中央支持部7や振動伝達部8は、ステンレス(SUS301)等の金属製の薄板で且つ短冊状に形成されたフレーム材10によって枠形状に枠組みされている。本実施形態ではフレーム材10の板厚を0.8mmで幅を19mmとした。
【0018】
このようにフレーム材10により枠形状に形成させることで、芯材5として、また装着装置2全体としての軽量化及び低コスト化が可能となる。殊に、形成材料としてステンレスを選択した場合には、芯材5全体、ひいては装着装置2全体としての帯形状に適度な弾性を得ることができ、動物に対しての装着状態をフィットさせるうえで有益となる。しかも弾性変形後の形状復元性を得ることができる。
保護カバー6は、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)等の合成皮革によって形成されている。カバー内面にはウレタン等のクッション材を設けて芯材5を包み込むようにしておくのが、動物に対する肌触り感やリラックス感を高め、警戒心を解くうえで好適である。
【0019】
この保護カバー6には、芯材5に設けられた左右の振動伝達部8同士を、中央支持部7とは反対側の端部(装着装置2としての両側の巻き付け部2A,2Bにおける各先端部分)で連結又は連結解除可能にする離合操作手段12が設けられている。
この離合操作手段12は、左右の振動伝達部8に対して振り分けられる2本の締め付けベルト13と、これらの各先端部分に設けられるバックル14とを有したものとされている。締め付けベルト13には非伸縮性のものを使用して、バックル14との接続部分で長さ調節できるようにするのが好適である。ただし、長手方向の一部又は全部が伸縮性を有したものを使用してもよい。バックル14は、雄部材と雌部材とをワンタッチで係合させたり離脱させたりできるものを採用するのが便利である。なお、バックル14は面ファスナー等を採用したものに置換することもでき、要は、互いの係合と離脱とが簡単にでき、且つ何度でも繰り返し行えるものであればよい。
【0020】
これら締め付けベルト13及びバックル14は、装着装置2の帯幅方向(馬の胴体の長手方向)で、互いに所定間隔をおいて複数箇所(図例では2箇所とした)に設けるのが好適とされる。
本実施形態では馬の胴体へ巻き付けることを想定しているので、保護カバー6の前縁部に対し、馬の胸部分(首の前面)へ締め付けベルト16を回し掛けできるように、ベルト止め17を設けている。
図4に示すように、装着装置2には、左右の巻き付け部2A,2Bの各内面側に対し、所定厚みを有する体型パット20が設けられている。そして図6及び図7に示すように、これら体型パット20を保持させ、且つ必要に応じて体型パッド20を着脱できるようにするため、装着装置2にはパット保持部21が設けられている。
【0021】
体型パット20は、例えばウレタンやスポンジ等を形成素材としており適度な弾性を有したものとなっており、下部が先細りで上部になるほど左右方向の肉厚が厚肉化された逆三角形状に形成されている。そのため、馬の胴体(首筋から背にかけた領域内)に装着装置2を装着させた場合、装着装置2を馬の胴体にフィットさせることができる。従って、馬が少々動いても、装着装置2がずれたり外れたりしない。
パット保持部21は、体型パット20の下部を覆う部分21aと、動物へ向けられる面を覆う部分21bとを有しており、上部が開口するポケット形に形成されている。またこのパット保持部21は、動物へ向けられる面を覆う部分21bの上端から延出する蓋部21cを有しており、この蓋部21cはポケット内へ差し込み可能となっている。
【0022】
このようなパット保持部21内へ体型パット20を入れると、体型パット20に摩耗、へたり、亀裂、汚れ、カビといったものが発生した場合などにあって、体型パット20を新品のものと交換することが簡単に行える。また動物の体格や年齢等に応じて適正な形状をした体型パット20と交換することも簡単に行える。
また蓋部21cをポケット内へ差し込む状態にすれば、体型パット20を外から見えないような完全な収納状態で保持させることができる。しかも、この状態で装着装置2を動物へ装着させると、パット保持部21が動物の体表面に接触し、圧縮される状態になって、このときの圧縮作用がポケット内へ差し込まれた蓋部21cを体型パット20で押さえ付けるような状態として作用するため、蓋部21cがポケット内から引き抜かれるようなことが必然的に防止される。
【0023】
そのため、パット保持部21内の体型パット20が抜け出たり、位置ズレしたり、蓋部21cが外れて体型パット20が汚れたりする、といったことが防止されることになる。
一方、上記加振装置3は、装着装置2に保持されて振動を発生させるためのものであって、装着装置2内に設けられた芯材5に対し、その中央支持部7に対応する位置付けで設置されており、この中央支持部7から各振動伝達部8へ振動を伝達するようになっている。
図8及び図9に示すように、この加振装置3は、相反する両側へ突出する駆動軸30と、これら駆動軸30を回転させるモーター31と、各駆動軸31に対してそれぞれ一体回転可能に設けられる偏心錘32とを有している。
【0024】
このような加振装置3に対し、コントローラ33とバッテリー34が接続されている。装着装置2に対し、重心のバランスを考慮して最も荷重的負担の大きくなる加振装置3を中央に配置して、その両脇にコントローラ33とバッテリー34とを振り分け配置させるものとしてある。
図2に示すように、バッテリー34はカプラー35を介して加振装置3と接続されており、充電時や耐用期間終了時などの交換の必要が生じたときには、このカプラー35の部分を分離することで加振装置3との着脱が自在となっている。なお、このバッテリー34は、装着装置2の保護カバー6に対しては面ファスナーテープ等(図示略)により着脱自在になっている。
【0025】
このようなバッテリー34を具備させることで、動物用整体具1を装着した動物が、厩舎等の建物に設置された電源供給部(コンセント)の周辺に拘束されることなく自由に動き回ることができる。また、電源供給場所から遠い場所にいる動物に対して動物用整体具1を使用することができる。なお、電源供給部から有線で電源の供給を受けるようにしても勿論構わない。
コントローラ33は、モーター31による偏心錘32の回転数を1200rpm以上3000rpm以下に制御可能にしたものである。偏心錘32の回転数が1200rpmに満たない場合の振動や3000rpmを超える場合の振動では、マッサージ作用に乏しいことが判っている。
【0026】
なお、偏心錘32の回転数を上記範囲内で変更自在にすることも可能であり、このためのダイヤルツマミ37が設けられている。そのため、このダイヤルツマミ37を適宜操作して、動物の疲れ状況や健康状態、動物の個性(好き嫌いな性格)、或いは動物の種類などに応じて、適正な振動を選ぶことができる。
コントローラ33には、振動状態と休止状態とを所定時間おきに交互運転させる間欠振動モードと、振動状態を連続運転させる連続振動モードとのモード切替部38が設けられている。このモード切替部38を一回操作するごとに、各ボードの切り替えが可能になっている。
【0027】
なお、間欠振動モードの場合、振動時間を5秒、休止時間を3秒などとして設定しておくことができる。
図1乃至図4に示したように、本実施形態では、装着装置2の保護カバー6に対し、加振装置3(コントローラ33及びバッテリー34を含む)の上方を覆うようにする機器カバー40を設けてある。この機器カバー40は、一端側を保護カバー6に縫着又は接着によって固定し、他端部を面ファスナー41によって着脱自在にしたもので、コントローラ33の操作やバッテリー34の交換、或いは各機器のメンテナンス時など、必要に応じて開閉できるようになっている。
【0028】
このような機器カバー40を設けることで、外見的にスッキリとし、動物に対しても威圧感や違和感を覚えさせることがなく、またマッサージ動作中における加振装置3の安定性を高めるといった種々の利点がある。また更に、霧や露、少々の雨に対して機器類を防水する利点もある。
以上詳説したような動物用整体具1を使用することによって、動物に対するマッサージを簡単に行うことができる。そのため、動物に生じた疲れを容易且つ確実に解消させてやることができ、動物による各種効果(競技結果や生産物など)を十分に発揮させ、また動物の故障等に伴う損失を防止し、もって産業に寄与させることができる。
【0029】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
コントローラ33には、運転状況を所望に設定可能にするタイマー設定部(例えば20分程度で運転を自動停止させるもの)を設けることもできる。
予備のバッテリー34を収納するためのバッテリー収納部を、装着装置2に対して一体又は別体で付属させることもできる。
本発明に係る動物用整体具1において、使用の対象とする動物の種類は特に限定されるものではない。従って、その対象とする動物に応じて、装着装置2の構造や材質、加振装置3の出力の大小(強弱)なども適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る動物用整体具の一実施形態を示した斜視図である。
【図2】図1のA方向から見た状態を示した要部斜視図である。
【図3】図2の状態から機器カバーを開いた状態を示した要部斜視図である。
【図4】図1に対応する動物用整体具の正面図である。
【図5】動物(馬)に対する使用状態を示した側面図である。
【図6】図4のB方向から見た状態を示した要部斜視図である。
【図7】図6の状態から蓋部を開いた状態を示した要部斜視図である。
【図8】加振装置を示した平面図である。
【図9】(B)は加振装置を示した平面図であり(A)は(B)の右側面図である。
【図10】装着装置を透視状態で示した(保護カバーを仮想線で示した)展開図である。
【符号の説明】
【0031】
1 動物用整体具
2 装着装置
2A 巻き付け部
3 加振装置
5 芯材
6 保護カバー
7 中央支持部
8 振動伝達部
10 フレーム材
12 離合操作手段
20 体型パット
21 パット保持部
21a 体型パットの下部を覆う部分
21b 動物へ向けられる面を覆う部分
21c 蓋部
30 駆動軸
31 モーター
32 偏心錘
33 バッテリー
34 コントローラ
38 モード切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の身体の一部に対して巻き付け状の装着を可能にした装着装置(2)と、この装着装置(2)に保持されて振動を発生させる加振装置(3)とを有していることを特徴とする動物用整体具。
【請求項2】
前記加振装置(3)は、少なくとも一方へ突出する駆動軸(30)と、この駆動軸(30)を回転させるモーター(31)と、各駆動軸(30)に対してそれぞれ一体回転可能に設けられる偏心錘(32)とを有していることを特徴とする請求項1記載の動物用整体具。
【請求項3】
前記装着装置(2)は、動物の身体に対する巻き付け形状に沿って帯形状に形成された芯材(5)と、この芯材(5)を覆う保護カバー(6)とを有しており、上記芯材(5)は、帯形状を呈するうちの長手方向中央部に設けられる中央支持部(7)と、この中央支持部(7)の両側へ延び出す一対の振動伝達部(8)とを有したものとされており、上記保護カバー(6)には、上記芯材(5)に設けられた左右の振動伝達部(8)同士を上記中央支持部(7)とは反対側の端部で連結又は連結解除可能にする離合操作手段(12)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動物用整体具。
【請求項4】
前記振動伝達部(8)は、金属製の薄板で且つ短冊状に形成されたフレーム材(10)によって枠形状に枠組みされていることを特徴とする請求項3記載の動物用整体具。
【請求項5】
前記芯材(5)において少なくとも振動伝達部(8)はステンレス製とされていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の動物用整体具。
【請求項6】
前記芯材(5)の中央支持部(7)に対応して前記加振装置(3)が設置されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の動物用整体具。
【請求項7】
前記加振装置(3)には、モーター(31)に対して電源供給するバッテリー(33)が着脱自在な状態で設けられていることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の動物用整体具。
【請求項8】
前記加振装置(3)には、モーター(31)による偏心錘(32)の回転数を1200rpm以上3000rpm以下に制御するコントローラ(34)が設けられていることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の動物用整体具。
【請求項9】
前記コントローラ(34)には、振動状態と休止状態とを所定時間おきに交互運転させる間欠振動モードと振動状態を連続運転させる連続振動モードとのモード切替部(38)が設けられていることを特徴とする請求項8記載の動物用整体具。
【請求項10】
前記加振装置(3)は、モーター(31)に対してその相反する両側へ駆動軸(30)が突出する状態に設けられたものとなっており、この加振装置(3)は両側の駆動軸(30)が前後方向へ向く状態で装着装置(2)に対して設けられていることを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれか1項に記載の動物用整体具。
【請求項11】
前記装着装置(2)は、馬の首筋から尻部にかけた領域内の所定位置で馬の胴体に対してその上方から跨らせる状態となるように左右両脇へ振り分ける一対の巻き付け部(2A)を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の動物用整体具。
【請求項12】
前記装着装置(2)には、左右の巻き付け部(2A)の各内面側に所定厚みを有する体型パット(20)が設けられていることを特徴とする請求項11記載の動物用整体具。
【請求項13】
前記体型パット(20)は、下部が先細りで上部になるほど肉厚が厚肉化された逆三角形状に形成されており、馬の首筋から背にかけた領域で装着装置(2)をフィット可能となっていることを特徴とする請求項12記載の動物用整体具。
【請求項14】
前記装着装置(2)には、体型パット(20)を保持させる位置付けでパット保持部(21)が設けられており、このパット保持部(21)に対して前記体型パット(20)が着脱自在とされていることを特徴とする請求項12又は請求項13記載の動物用整体具。
【請求項15】
前記パット保持部(21)は、体型パット(20)の下部と少なくとも動物へ向けられる面とを覆う部分(21a,21b)を有してポケット形に形成されたものであって、且つ、動物へ向けられる面を覆う部分(21b)の上端から延出してポケット内へ差し込み可能となる蓋部(21c)を有していることを特徴とする請求項14記載の動物用整体具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−93108(P2008−93108A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−276708(P2006−276708)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【特許番号】特許第4021462号(P4021462)
【特許公報発行日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(306041994)株式会社サンワ (1)
【Fターム(参考)】