説明

包装体

【課題】 台紙の引き?がしと貼り付けを繰り返し行える包装体を提供する。
【解決手段】 包装体(10)は、物品(50)を収容する凹状の収容部(21) およびその収容部(21)の周縁からフランジ部(22)を有するブリスターケース(20)と、前記収容部(21)を被蓋して前記フランジ部(22)へ固定する台紙(30)と、その台紙(30)と前記ブリスターケース(20)のフランジ部(22)の面を重ね合わせて接着する接着剤層(40)とで構成する。 前記台紙(30)は、前記ブリスターケース(20)の収容部(21)を被蓋し、かつ開封する蓋部領域(31)と、前記フランジ部(22)へ固定する固定領域(32)とで構成する。前記ブリスターケース(20)は、前記蓋部領域(31)に対応する範囲のフランジ部(22)の面に、前記接着剤層(40)に対して?離可能とする多数の斑点状に散在した非接触部(23)を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリスターケースの収容部を被蓋する台紙を改良することで、引き?がしと貼り付けを繰り返して行える包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品を収容する凹状の収容部およびその収容部の周縁からフランジ部を有するブリスターケースと、そのブリスターケースの収容部を被蓋して前記フランジ部へ固定する台紙と、で構成されるブリスター包装体がある。 例えば、特許文献1〜3に示すように、ブリスターケースと台紙を接着剤やヒートシールで接着して固定している。
【0003】
また、他の形態としては、前記フランジ部が矩形状をなし、そのフランジ部の対向する2辺または3辺の側縁に、折返し部を形成する。折返し部が無い一辺側から、台紙を前記フランジ部の面にてスライドさせ、前記収容部を被蓋する。次いで、フランジ部と台紙をステップラー等で固定する。開封するには、ステップラーを外したり、台紙を破いたりする必要があるので、包装された製品の取り出しが極めて簡単ではない。
【0004】
包装された製品の取り出しを容易にするための技術として、特許文献4に示すようなものがある。ココに開示される技術では、折返し部に切込部を介して長舌状の係脱用舌片を形成し、係脱用舌片には係合凸部を形成する。そして、台紙がスライドして挿入された状態で、前記係合凸部を、台紙に設けた係合孔に係合する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−120869号公報
【特許文献2】特開2002−128140号公報
【特許文献3】特開2009−67454号公報
【特許文献4】特開平7−41045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のブリスター包装体においては、前者のようにブリスターケースと台紙を接着した場合、開封時に台紙が損なわれる。そのために、台紙に印刷した種々の情報がなくなってしまう。また、開封することが困難である。ブリスターケースと台紙をヒートシールで固定する場合は、高価なヒートシール型を必要とするので、コスト高となる。そのことを理由とし、ヒートシール型では小ロット生産に対応することが難しい。
特許文献1〜3では、台紙をできるだけ損傷せずに開封できるように工夫しているが、一旦開封すると、物品を再び収容部へ収納することができない。つまり、包装されていた製品の保存容器としてそのまま再利用することは困難である。
【0007】
一方、後者のように、台紙をブリスターケースのフランジ部の面へスライドする、いわゆるスライド式ブリスター包装体は、ブリスターケースの側縁がストレートに限定される。ステップラーやその他の形態で台紙のスライドを固定する必要がある。作業者はともかく、一般消費者は手元にステップラーを常備しているとは限らない。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、台紙を損なうことなく引き?がして、ブリスターケースの収容部を容易に開封する。また、保存容器として再利用するために、引き?がした台紙を再びブリスターケースへ貼り付けることを可能とする。つまり、台紙の引き?がしと貼り付けを繰り返すことを可能とする包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(第一の発明)
本願における第一の発明は、 物品(50)を収容する凹状の収容部(21) およびその収容部(21)の周縁からフランジ部(22)を有するブリスターケース(20)と、前記収容部(21)を被蓋して前記フランジ部(22)へ固定する台紙(30)と、その台紙(30)と前記ブリスターケース(20)のフランジ部(22)の面を重ね合わせて接着する接着剤層(40)と、で構成される包装体(10)に係る。
前記台紙(30)は、前記ブリスターケース(20)の収容部(21)を被蓋し、かつ開封する蓋部領域(31)と、前記フランジ部(22)へ固定する固定領域(32)と、で構成し、 前記ブリスターケース(20)は、前記蓋部領域(31)に対応する範囲のフランジ部(22)の面に、前記接着剤層(40)に対して?離可能とする多数の斑点状に散在した非接触部(23)を形成している。
【0010】
(用語説明)
「非接触部」とは、前記接着剤層(40)に対して接触しない部分を意味する。この非接触部(23)がフランジ部(22)の面と接着剤層(40)との接着力を小さくする構成である。
【0011】
(作用)
包装体(10)は、ブリスターケース(20)のフランジ部(22)の面へ、接着剤層(40)を介して台紙(30)を貼り付けることで、物品(50)が収容部(21)内へ収容される。台紙(30)の固定領域(32)は、前記フランジ部(22)の面へ密着固定される。台紙(30)の蓋部領域(31)は、前記フランジ部(22)の面に設けた多数の斑点状の非接触部(23)を除くフランジ面へ接着剤層(40)を介して貼り付けられる。
包装体(10)から物品(50)を取り出すときは、台紙(30)の蓋部領域(31)をブリスターケース(20)のフランジ面から引き?がす。前記台紙(30)の蓋部領域(31)と前記フランジ部(22)の面との接着力は、多数の斑点状の非接触部(23)によって小さくなっている。その結果、台紙(30)の蓋部領域(31)が容易に?離される。?離後の接着剤層(40)の接着力は保持される。
?離した台紙(30)の蓋部領域(31)を元に戻すと、台紙(30)の蓋部領域(31)は、再び、多数の斑点状の非接触部(23)を除くフランジ面へ接着剤層(40)を介して貼り付けられる。台紙(30)の蓋部領域(31)は、上記の引き?がしと貼り付けを繰り返して行える。
【0012】
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記非接触部(23)は、凹部(24)であることが好ましい。
【0013】
(作用)
多数の凹部(24)は、ブリスターケース(20)を成形する際に、収容部(21)とフランジ部(22)と同時に成形加工される。また、多数の凹部(24)の大きさや配置状態は、成形金型にて容易に調整できる。
【0014】
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記非接触部(23)は、孔部であることとしてもよい。
【0015】
(作用)
多数の孔部は、例えば多数の突起部を有する打ち抜き金型によって、前記フランジ部(22)の面に多数の孔部を同時に形成される。孔部の大きさや配置状態は、打ち抜き金型にて容易に調整できる。
【0016】
(第一の発明のバリエーション3)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記台紙(30)は、前記ブリスターケース(20)の収容部(21)に対応する範囲の接着剤層(40)を被覆する非接着性の被覆層(41)を設けることもできる。
【0017】
(作用)
前記収容部(21)に対応する範囲の接着剤層(40)が被覆層(41)にて被覆されると、収容した物品(50)は接着剤層(40)から確実に遮断される。物品(50)が接着剤層(40)で台紙(30)へ接着されないよう防止する。
【0018】
(第一の発明のバリエーション4)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記被覆層(41)は、前記収容部(21)に対応する範囲の接着剤層(40)を部分的に被覆した糊殺し印刷とすることもできる。
【0019】
(作用)
前記収容部(21)に対応する範囲の接着剤層(40)に対して糊殺し印刷とすると、微弱な接着力によって物品(50)を台紙(30)へ接着する。そのため、接着物品(50)が収容部(21)内で回転したり、ずれたりすることを防止する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1から請求項5に記載の発明によれば、台紙を損なうことなく引き?がして、ブリスターケースの収容部を容易に開封することができる。 これにより、包装していた中身の保存容器として再利用するために、引き?がした台紙を再びブリスターケースへ貼り付けることができる。すなわち、台紙の引き?がしと貼り付けを繰り返し行える包装体を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る包装体を分解した斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る包装体の斜視図である。
【図3】図3(A)は、図2におけるIII−III線の部分的な断面図である。図3(B)は、図3(A)において台紙をフランジ面から引き?がした状態を示す断面図である。
【図4】図2に示した包装体を裏側から視た斜視図であり、台紙をフランジ面から引き?がして開封する状態を示す。
【図5】収容部に対応する範囲の接着剤層に対する糊殺し印刷の一例を示す斜視図である。
【図6】収容補助具である載置台を示す斜視図である。
【図7】物品の形状に合わせた変形形状の収容部や楕円形状の台紙を有する包装体の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る包装体10は、図1および図3(A)に示すように、ブリスターケース20と、台紙30と、接着剤層40で構成される。
すなわち、ブリスターケース20は、物品50を収容する凹状の収容部21と、その収容部21の周縁に備えたフランジ部22を有する。台紙30は、前記ブリスターケース20の収容部21を被蓋して前記フランジ部22へ固定するものである。接着剤層40は、台紙30を前記フランジ部22の面へ重ね合わせて接着するために、前記台紙30の片面に設けられる。
【0023】
台紙30は、ブリスターケース20の収容部21を被蓋したり、開封したりする蓋部領域31と、前記フランジ部22へ固定する固定領域32と、で構成される。なお、蓋部領域31と固定領域32は、ブリスターケース20の形状によって決まるものであり、予め設定されるものではない。つまり、ブリスターケース20と台紙30を重ね合わせたときに、前記収容部21を被蓋して開閉可能な蓋部となる部分が蓋部領域31となり、それ以外の部分が固定領域32となる。
【0024】
また、台紙30の固定領域32には、図1において右上側中央部に、本願の包装体10をフックに引っ掛けて店頭において展示したり、保管場所において保管したりするための吊り孔11が設けられている。
【0025】
台紙30は、例えば、厚紙、合成紙、合成樹脂製シートなどの単層シートまたは積層シート、並びに前記単層シートあるいは前記積層シートへ金属蒸着層などの他の層を積層した積層シートが挙げられるが、特に限定されない。
【0026】
本実施形態の台紙30は、片面に接着剤を塗布した合成紙等と、その合成紙等の表面側に貼り付ける透明の樹脂フィルムと、前記合成紙の裏面側に貼り付ける白などの色つきの樹脂フィルム等と、を積層した積層シートである。表面側の樹脂フィルムおよび裏面側の樹脂フィルムは、それぞれ、予め、商品名、絵柄、商品説明などの意匠を印刷している。例えば、表面側の意匠としては、商品名、絵柄などのデザインを鏡面印刷し、裏面側の意匠としては、原材料や商品説明、注意事項などの表示を印刷する。なお、表面側の樹脂フィルムおよび裏面側の樹脂フィルムとしては、PETフィルム等が用いられる。
【0027】
また、台紙30の表面に施す接着剤層40は、ベタ状に塗工している。ベタ状とは、平面において格子状、網目状、無数の点状を含むことを意味する。接着剤としては、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、ポリアクリル酸エステル系、ポリビニルエーテル系、シリコン系などの接着剤を挙げられるが、特に限定されない。
【0028】
ブリスターケース20は、好ましくは透明の樹脂製であり、台紙30の蓋部領域31に対応する範囲のフランジ部22の面に、前記接着剤層40に対して?離可能とする多数の斑点状に散在した非接触部23を形成している。
【0029】
非接触部23とは、前記接着剤層40に対して接触しない部分を意味している。この非接触部23がフランジ部22の面と接着剤層40との接着力を小さくする要素となる。
例えば1平方センチメートルの単位面積に対する非接触部23の面積の割合が、前記接着剤層40に対する?離力に影響する要素となる。また、例えば1平方センチメートルの単位面積当たりの非接触部23の数も、前記接着剤層40に対する?離力に影響する要素となる。
【0030】
そこで、発明者は、一般の人(特に女性)の力でも?離できる力の範囲を「適正な?離力の範囲」として予め設定した。その「適正な?離力の範囲」に対して?離可能とする。
【0031】
さらに、前記多数の非接触部23を有するフランジ部22の?離強度は、前記接着剤層40の接着力に影響を受けるものである。そこで、発明者は、上記の「適正な?離力の範囲」を満たす、前記接着剤層40の接着力と、前記多数の非接触部23の?離強度との関係を、割り出している。
【0032】
非接触部23としては、図1に示すように、例えば凹部24とすることができる。つまり、前記フランジ部22において台紙30と対向する面には、多数の斑点状に散在した凹部24を形成することによって、前記接着剤層40に対して?離可能となる。
【0033】
ブリスターケース20は、前記収容部21と前記フランジ部22と多数の凹部24を同時に成形加工することができる。このとき、多数の凹部24の大きさや配置状態は、成形金型にて容易に調整できる。
【0034】
また、非接触部23としては、貫通した孔部とすることができる。つまり、前記フランジ部22の面に、多数の斑点状に散在した孔部を形成することによって、前記接着剤層40に対して?離可能となる。
【0035】
なお、多数の孔部を形成する方法としては、例えば多数の突起部を有する打ち抜き金型によって、前記フランジ部22の面に多数の孔部を同時に形成することができる。孔部の大きさや配置状態は、打ち抜き金型に備える多数の突起部を変えることによって容易に調整することができる。
【0036】
前記ブリスターケース20において、台紙30の固定領域32に対応する範囲のフランジ部22には、図1において右上側中央部に、本願の包装体10をフックに引っ掛けて店頭において展示したり、保管場所において保管したりするため、前述した台紙30の吊り孔11と重なる同じ形状の吊り孔11が設けられている。
【0037】
また、台紙30には、図1に示すように、前記ブリスターケース20の収容部21に対応する範囲の接着剤層40を被覆するために、非接着性の被覆層41として例えばPETフィルムを貼り付ける。
【0038】
また、図1では、被覆層41が、前記収容部21に対応する範囲の接着剤層40の全体を被覆する構成である。しかし、物品50の表示を常に表側に見せたいときや、物品50を所定位置に保持したいときがある。そこで、物品50が転がったり、位置がずれたりしないために、接着剤層40に対して糊殺し印刷することができる。糊殺し印刷は、例えば、図5に示すように、前記収容部21に対応する範囲の接着剤層40を部分的に被覆層41にて被覆する。残りの範囲の接着剤層40が露出する。物品50は、露出した接着剤層40によって微弱な力で台紙30に貼り付けられるので、物品50が収容部21内で回転したり、ずれたりするのを防止できる。
【0039】
また、台紙30には、蓋部領域31を?離して収容部21を開封する際に、指でつまむための開封用のつまみ部33が形成されている。そのつまみ部33の接着剤層40を被覆するために非接着性の被覆層42であるPETフィルム等が貼り付けられる。
【0040】
上記のブリスターケース20の収容部21内へ物品50を収容してから、予め接着剤層40を設けた台紙30を、ブリスターケース20のフランジ部22の面へ重ね合わせる。台紙30の固定領域32は、前記フランジ部22の面へ接着剤層40を介して密着して固定される。一方、台紙30の蓋部領域31は、図3(A)に示すように、前記フランジ部22の面に設けた多数の斑点状の凹部24(非接触部23)を除くフランジ面へ接着剤層40を介して貼り付けられる。
図2に示すように、物品50は、ブリスターケース20の収容部21内へ収容され、台紙30にて被蓋される。
【0041】
包装体10から物品50を取り出すときは、台紙30の開封用のつまみ部33を摘まんで、図3(B)および図4の二点鎖線で示すように、ブリスターケース20のフランジ部22の面から引き?がすように引っ張る。このとき、台紙30の蓋部領域31と前記フランジ部22の面との接着力は、多数の斑点状の凹部24(非接触部23)によって小さくなっている。そのため、台紙30の蓋部領域31が容易に?離される。図4の実線の位置まで?離し、前記収容部21の開口をすべて開放する。なお、?離後の台紙30における接着剤層40の接着力は保持される。
【0042】
上記の物品50を再び包装体10の収容部21内へ収容するときは、台紙30の蓋部領域31を、収容部21の開口を被蓋するように元に戻す。台紙30の蓋部領域31は、再び、図3(A)に示すように、ブリスターケース20の多数の斑点状の凹部24(非接触部23)を除くフランジ面へ接着剤層40を介して貼り付けられる。図2に示すように、物品50が包装体10へ再び収容される。
【0043】
以上のことから、本発明の包装体10は、以下に示すような効果を奏する。
包装体10は、台紙30の蓋部領域31にて収容部21を容易に開封したり、被蓋したりすることができる。台紙30の蓋部領域31は、引き?がしと貼り付けを繰り返して行える、いわゆるリシール可能である。これによって、物品50を再び収容部21へ収納して、保存容器として再利用することができる。
また、上記の理由で、台紙30が全く損なわれないので、台紙30に表示された種々の情報を維持、確保できる。
【0044】
上記の保存容器としての再利用の一環として、包装体10の収容部21内で、物品50を所定箇所へ収容するための載置台等の収容補助具を用いることができる。それによって、収容される物品50の適用範囲を広くすることができる。
【0045】
例えば、図6に示すような載置台51は、透明の樹脂で成形したものである。その載置台51は、例えば注射液用容器を複数本、載置することができる。したがって、複数本の注射液用容器を載置台51に載せて包装体10の収容部21内へ収容することができる。これによって、台紙30の蓋部領域31にて収容部21を何度も繰り返し開閉して注射液用容器を1本ずつ取り出すことができる。
【0046】
また、ブリスターケース20と台紙30との貼り付けは、ヒートシールではないので、高価なヒートシール型が不要である。したがって、低コストを実現できる。また、小ロット生産も可能となる。
【0047】
従来のスライド式のブリスター包装体のように、ブリスターケース20の側縁がストレートに限定されない。その結果、外形形状を矩形状に限らず、例えば、図7に示すように、円形や楕円形などの曲線形状とすることができる。物品50の形状に合わせた変形形状とすることができる。図7の包装体10の基本的な構成は、図1の包装体10と同じであり、同様の部材に対して同符号を付している。その詳しい説明は省略する。
【0048】
なお、図1の場合における開封用のつまみ部33は、台紙30を?離しやすいので備えた方が良い。しかし、多数の斑点状の非接触部23を有するフランジ部22の面へ貼り付けられた台紙30は、容易に?離できるので、必ずしも開封用のつまみ部33がなくても良い。
【0049】
また、包装体10の収容部21に対応する範囲の接着剤層40は、非接着性の被覆層41によって被覆されると、収容した物品50を接着剤層40から確実に遮断することができる。つまり、物品50が接着剤層40で台紙30へ接着されないよう防止できる。
【0050】
また、前記収容部21に対応する範囲の接着剤層40は、糊殺し印刷することによって、収容した物品50が触れる部分に微弱な接着力を残すことができる。その結果、物品50が収容部21内で回転したり、ずれたりすることを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、工業製品、食品などを包装する包装体の製造業において、利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0052】
10 包装体 11 吊り孔
20 ブリスターケース 21 収容部
22 フランジ部 23 非接触部
24 凹部
30 台紙 31 蓋部領域
32 固定領域 33 開封用のつまみ部
40 接着剤層 41 被覆層
42 被覆層
50 物品 51 載置台(収容補助具)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する凹状の収容部およびその収容部の周縁からフランジ部を有するブリスターケースと、前記収容部を被蓋して前記フランジ部へ固定する台紙と、その台紙と前記ブリスターケースのフランジ部の面を重ね合わせて接着する接着剤層と、で構成される包装体であって、
前記台紙は、前記ブリスターケースの収容部を被蓋し、かつ開封する蓋部領域と、前記フランジ部へ固定する固定領域と、で構成し、
前記ブリスターケースは、前記蓋部領域に対応する範囲のフランジ部の面に、前記接着剤層に対して?離可能とする多数の斑点状に散在した非接触部を形成する包装体。
【請求項2】
前記非接触部は、当該非接触部に形成した凹部とした請求項1記載の包装体。
【請求項3】
前記非接触部は、当該非接触部を貫通する孔部とした請求項1記載の包装体。
【請求項4】
前記台紙は、前記ブリスターケースの収容部に対応する範囲の接着剤層を被覆する非接着性の被覆層を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の包装体。
【請求項5】
前記被覆層は、前記収容部に対応する範囲の接着剤層を部分的に被覆した糊殺し印刷とした請求項4に記載の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−136721(P2011−136721A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296806(P2009−296806)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(501128003)株式会社横浜巧芸 (3)
【Fターム(参考)】