説明

包装用シート

【課題】 所望の模様による包装が容易になる包装用シートを提供する。
【解決手段】 包装用シート10は、正方形形状を有するシート体11よりなる。シート体11の表面には、中心点14から第1隅15に向かう、第1線分16及びその周辺からなる図の2点鎖線の曲線で囲んで示す第1領域17の内、中心点14近くの第1模様領域18に第1模様12が、第1領域17の内、第1模様領域18を除いた第1隅15近くの第1目印領域19に第1模様12に対応する第1目印13が、それぞれ形成されている。又、他の模様及び対応する目印も同様に形成されている。模様の各々は、被包装体の厚みの約2分の1に応じた距離だけ中心点14から離れる、破線で囲まれた範囲の外側に位置する。このように構成すると、隅を折り返した際に視認できる目印が、包装後に被包装体の正面に表れる模様に対応するので、所望の模様による包装が容易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は包装用シートに関し、特に食品を包装する包装用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来の包装用シートの表面図である。
【0003】
図を参照して、包装用シート80は、例えば20cm四方の正方形形状を有するシート体81よりなる。シート体81は、アルミニウム箔とグラシン紙とを貼り合わせたものより構成されている。尚、アルミニウム箔の側をシート体81の表面と、グラシン紙の側をシート体81の裏面とする。シート体81の表面には模様82が形成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図7は、図6で示した包装用シートで被包装体を包装した状態を示した正面図である。
【0005】
図を参照して、被包装体90(おにぎり)は、シート体81の裏面で包装されている。このようにすると、被包装体90から発生する余分な水分及び油分がシート体81のグラシン紙に吸収されるため、被包装体90のべたつきを抑制できる。
【0006】
しかし、被包装体90をシート体81の裏面で包装するとなると、包装の際にシート体81の表面が見えず、被包装体90と模様82との位置関係を確認し辛い。その結果、例えば模様82の全体を被包装体90の正面に表そうとしても、図で示すように、模様82が一部を欠いた状態で被包装体90の正面に表れてしまうなど、所望の模様82で包装することが困難となっている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、所望の模様による包装が容易になる包装用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、直角四辺形形状を有し、その裏面で被包装体を包装するシート体よりなる包装用シートであって、シート体の表面であって、その中心点から四隅の内の第1隅に向かう第1線分及びその周辺からなる第1領域の内中心点近くの第1模様領域に形成された第1模様と、第1領域の内第1模様領域を除いた第1隅近くの第1目印領域に形成され、第1模様に対応する第1目印とを少なくとも備えたものである。
【0009】
このように構成すると、隅を折り返した際に視認できる目印が包装後に表れる模様に対応する。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、シート体の表面であって、中心点から四隅の内の他の第2隅に向かう第2線分及びその周辺からなる第2領域の内中心点近くの第2模様領域に形成された第2模様と、第2領域の内第2模様領域を除いた第2隅近くの第2目印領域に形成され、第2模様に対応する第2目印とを少なくとも更に備え、第1模様と第2模様とは異なるものである。
【0011】
このように構成すると、目印に応じて異なった模様が包装後に表れる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、第1模様領域及び第2模様領域の各々は、中心点から被包装体の厚みの約2分の1に応じた距離だけ離れて位置するものである。
【0013】
このように構成すると、第1模様又は第2模様は被包装体の正面に表れる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、シート体は正方形形状を有するものである。
【0015】
このように構成すると、折り返した時の目印と模様との位置がずれない。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、隅を折り返した際に視認できる目印が包装後に表れる模様に対応するので、所望の模様による包装が容易になる。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、目印に応じて異なった模様が包装後に表れるので、一枚の包装用シートで異なった模様の包装が可能となる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、第1模様又は第2模様は被包装体の正面に表れるので、模様のズレが少なくなり、効果的な包装となる。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、折り返した時の目印と模様との位置がずれないので、包装後の模様の位置がより正確になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の第1の実施の形態による包装用シートの表面図である。
【図2】図1で示した包装用シートの各模様及び各目印の位置関係を表すための補助線を示した状態の表面図である。
【図3】図1で示した包装用シートで包装する際の模様確認過程を示す模式図である。
【図4】図1で示した包装用シートによる包装過程を示す模式図である。
【図5】図1で示した包装用シートで被包装体を包装した状態を示した正面図である。
【図6】従来の包装用シートの表面図である。
【図7】図6で示した包装用シートで被包装体を包装した状態を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、この発明の第1の実施の形態による包装用シートの表面図である。
【0022】
図を参照して、包装用シート10は、例えば20cm四方の正方形形状を有するシート体11よりなる。シート体11は、アルミニウム箔とグラシン紙とを貼り合わせたものより構成されている。尚、アルミニウム箔の側をシート体11の表面と、グラシン紙の側をシート体11の裏面とする。シート体11の表面には、それぞれ異なる模様である第1模様12、第2模様22、第3模様32及び第4模様42と、第1目印13、第2目印23、第3目印33及び第4目印43とが形成されている。
【0023】
図2は、図1で示した包装用シートの各模様及び各目印の位置関係を表すための補助線を示した状態の表面図である。
【0024】
図を参照して、第1模様12は、シート体11の中心点14からシート体11の四隅の内の第1隅15に向かう、図の1点鎖線で示した第1線分16及びその周辺からなる図の2点鎖線の曲線で囲んで示す第1領域17の内、第1隅15の近くに示す図の2点鎖線の直線よりも中心点14近くの第1模様領域18に形成されている。
【0025】
第1目印13は、第1領域17の内、第1模様領域18を除いた第1隅15近くの第1目印領域19に形成されている。尚、第1目印13は第1模様12に対応するものとなっている。
【0026】
このように構成すると、隅を折り返した際に視認できる目印が包装後に表れる模様に対応するので、所望の模様による包装が容易になる。
【0027】
尚、第1領域17の範囲は、中心点14から第1隅15及び第2隅25の中間地点までと、中心点14から第1隅15及び第4隅45の中間地点までとをそれぞれ結ぶ、図で示す細い直線で区切られた範囲の第1隅15の側を最大の範囲として変動可能である。
【0028】
第2模様22と第2目印23とは、第1模様12と第1目印13との関係と同様の位置関係及び対応関係を有するものであり、中心点14から四隅の内の第2隅25に向かう第2線分26及びその周辺からなる第2領域27の内の第2模様領域28に第2模様22が、第2目印領域29に第2目印23が、それぞれ形成される。
【0029】
第3模様32及び第3目印33も、第1模様12と第1目印13との関係と同様の位置関係及び対応関係を有するものであり、中心点14から四隅の内の第3隅35に向かう第3線分36及びその周辺からなる第3領域37の内の第3模様領域38に第3模様32が、第3目印領域39に第3目印33が、それぞれ形成される。
【0030】
第4模様42及び第4目印43も、第1模様12と第1目印13との関係と同様の位置関係及び対応関係を有するものであり、中心点14から四隅の内の第4隅45に向かう第4線分46及びその周辺からなる第4領域47の内の第4模様領域48に第4模様42が、第4目印領域49に第4目印43が、それぞれ形成される。
【0031】
このように構成すると、目印に応じて異なった模様が包装後に表れるので、一枚の包装用シート10で異なった模様の包装が可能となる。
【0032】
尚、第1模様12、第2模様22、第3模様32及び第4模様42の各々は、後述する被包装体の厚みの約2分の1に応じた距離だけ中心点14から離れる、図に示す破線で囲まれた範囲の外側に位置する。このように構成すると、選択した模様のいずれもが被包装体の正面に表れるため、模様のズレが少なくなり、効果的な包装となる。
【0033】
図3は、図1で示した包装用シートで包装する際の模様確認過程を示す模式図であり、図4は、図1で示した包装用シートによる包装過程を示す模式図であり、図5は、図1で示した包装用シートで被包装体を包装した状態を示した正面図である。
【0034】
まず、図3を参照して、被包装体90(おにぎり)をシート体11の裏面で包装するためにシート体11を裏返し、被包装体90をシート体11の裏面に配置する。このようにすると、被包装体90から発生する余分な水分及び油分がグラシン紙に吸収されるため、包装時及び包装後の被包装体90のべたつきが抑制される。
【0035】
被包装体90の配置に当たっては、被包装体90の角の一つを中心点14に向けて、かつ、被包装体90の厚みの約2分の1の距離に応じて被包装体90をシート体11の四隅の内の一つに向かってずらす。尚、ここでは第1隅15に向かって被包装体90をずらす。
【0036】
この状態から被包装体90の第1隅15の側において第1隅15を折り返すと、第1目印13が視認できる。すると上述したように、第1目印13は第1模様12に対応しているから、包装後の被包装体90の正面に表れる模様が第1模様12となることが確認できる。尚、上述したように、シート体11は正方形形状を有するから、折り返したときの第1目印13と第1模様12との位置はずれない。このように構成したことによる効果は後述する。この状態から更に、図の2点鎖線で示す位置まで第1隅15を折り返す。
【0037】
次に、図4を参照して、第1隅15を折り返した後、第1隅15の対角にあたる第3隅35を被包装体90に向けて、図の2点鎖線で示す位置まで折り返す。そして更に、被包装体90の左右に位置する第2隅25及び第4隅45を被包装体90に向けてそれぞれ折り返し、余ったシート体11を適宜被包装体90の背面側で折り込んで被包装体90を包装する。
【0038】
最後に、図5を参照して、上記のように包装することによって被包装体90の正面に第1模様12が表れる。尚、図3の説明で述べたように、シート体11が正方形形状を有するために、第1隅15を折り返したときの第1目印13と第1模様12との位置がずれないので、包装後の第1模様12の位置はより正確なものになる。
【0039】
尚、上記の第1の実施の形態では、シート体は正方形形状を有するものであったが、矩形形状を有するものであっても同様に適用できる。
【0040】
又、上記の第1の実施の形態では、シート体は正方形形状を有するものであったが、円形状や楕円形状を有するものであっても同様に適用できる。その場合、各領域は、中心点から放射状にシート体の端部に向かう線分及びその周辺からなり、各模様は、各領域の内中心点近くに形成され、各目印は、各領域の内各線分とシート体の端部との交点近くに形成されればよい。
【0041】
更に、上記の第1の実施の形態では、第1模様と第1目印、第2模様と第2目印、第3模様と第3目印及び第4模様と第4目印がそれぞれ形成されていたが、第1模様と第1目印だけ形成されていてもよい。そのように構成すると、包装用シートは包装時に模様の有無の選択が可能なものとなる。
【0042】
更に、上記の第1の実施の形態では、第1模様と第1目印、第2模様と第2目印、第3模様と第3目印及び第4模様と第4目印が形成されていたが、第1模様と第1目印及び第2模様と第2目印のみ形成されていてもよい。
【0043】
更に、上記の第1の実施の形態では、第1模様、第2模様、第3模様及び第4模様はいずれもシート体の中心点から被包装体の厚みの約2分の1に応じた距離だけ離れて位置していたが、それ以外の距離だけ離れて位置していてもよく、あるいは中心点との距離が無くてもよい。
【0044】
更に、上記の第1の実施の形態では、シート体はアルミニウム箔とグラシン紙とを貼り合わせたものからなるとしていたが、アルミニウム箔のみやグラシン紙のみからなるものでもよく、又、合成樹脂フィルムなどの他の素材からなるものであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
10…包装用シート
11…シート体
12…第1模様
13…第1目印
14…中心点
15…第1隅
16…第1線分
17…第1領域
18…第1模様領域
19…第1目印領域
22…第2模様
23…第2目印
25…第2隅
26…第2線分
27…第2領域
28…第2模様領域
29…第2目印領域
90…被包装体
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直角四辺形形状を有し、その裏面で被包装体を包装するシート体よりなる包装用シートであって、
前記シート体の表面であって、その中心点から四隅の内の第1隅に向かう第1線分及びその周辺からなる第1領域の内前記中心点近くの第1模様領域に形成された第1模様と、
前記第1領域の内前記第1模様領域を除いた前記第1隅近くの第1目印領域に形成され、前記第1模様に対応する第1目印とを少なくとも備えた、包装用シート。
【請求項2】
前記シート体の前記表面であって、前記中心点から四隅の内の他の第2隅に向かう第2線分及びその周辺からなる第2領域の内前記中心点近くの第2模様領域に形成された第2模様と、
前記第2領域の内前記第2模様領域を除いた前記第2隅近くの第2目印領域に形成され、前記第2模様に対応する第2目印とを少なくとも更に備え、
前記第1模様と前記第2模様とは異なる、請求項1記載の包装用シート。
【請求項3】
前記第1模様領域及び前記第2模様領域の各々は、前記中心点から被包装体の厚みの約2分の1に応じた距離だけ離れて位置する、請求項2記載の包装用シート。
【請求項4】
前記シート体は正方形形状を有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の包装用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−1406(P2013−1406A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131798(P2011−131798)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000222141)東洋アルミエコープロダクツ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】