説明

包装用容器

【課題】未熟な作業者であっても、収容物が整然と見栄え良く盛り付けられた商品価値の高い商品を製造することができ、購入者が商品を持ち帰る際においても見栄え良い盛り付けが崩れにくい包装用容器を提供すること。
【解決手段】樹脂シートを熱成形してなる包装用容器であって、該容器底部の上面に形成された突条から構成された、前記上面を等間隔に分ける手段が複数設けられ、前記複数の手段は、前記上面を分ける間隔が異なる少なくとも2種類の手段からなり、かつ、前記複数の手段は、各々異なる形態を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂シートを熱成形してなる包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、発泡シートを熱成形した断熱性に優れた包装用容器に、例えばしゃぶしゃぶ用生肉や一口サイズにカットされた生肉等を整然と盛り付けしたものが食品スーパーや百貨店等で販売されている。
【0003】
具体的にこの盛り付けは、作業者が薄切りされた生肉を折り、その折った状態の生肉の端辺を横一直線に整然と並べて行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−119735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような盛り付けを整然と見栄え良くすることは難しく、これまでは熟練した作業者でないと効率の良い盛り付け作業ができなかった。
【0006】
そこで、未熟な作業者であっても、熟練した作業者同様に整然と見栄え良く盛り付けができ、その際の作業効率も高い包装用容器の開発が求められていた。
【0007】
一方、このように盛り付けられた生肉等が、食品スーパーや百貨店等から購入者が持ち帰る途中、容器が傾くこと等によって容器内で偏ってしまうことが起こりにくい包装用容器も求められていた。
【0008】
ここで、特許文献1には、容器の底面に複数の突起を設けて、その突起に食品が係止されることにより、容器に対する食品の位置ずれや型崩れを抑制できるとの記載がある。しかしながら、この特許文献1に係る包装用容器は、前記の、未熟な作業者であっても、熟練した作業者同様に整然と見栄え良く盛り付けができるという要求を満たすものとはなっていない。
【0009】
そこで本発明は、未熟な作業者であっても、収容物が整然と見栄え良く盛り付けられた商品価値の高い商品を、高い製造効率で製造することができ、購入者が商品を持ち帰る際においても見栄え良い盛り付けが崩れにくい包装用容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、本発明は、樹脂シートを熱成形してなる包装用容器であって、該容器底部の上面に形成された突条から構成された、前記上面を等間隔に分ける手段が複数設けられ、前記複数の手段は、前記上面を分ける間隔が異なる少なくとも2種類の手段からなり、かつ、前記複数の手段は、各々異なる形態を有していることを特徴とする包装用容器を提供する。
【0011】
前記構成の包装用容器によれば、容器底部の上面に形成された突条から構成され、前記上面を等間隔に分ける手段が複数設けられたことにより、前記手段を構成する突条を目安に収容物を整然と並べることができ、かつ、前記目安として用いなかった突条に収容物が当接することで、容器底部の上面を収容物が滑ることを防止できる。そして、前記複数の手段が、各々異なる形態を有していることにより、収容物を並べる際の目安とすべき突条を作業者が容易に見分けることができる。
【0012】
そして本発明の包装用容器は、前記手段として、前記上面を2等分する手段と、前記上面を3等分する手段とが設けられたものであることが好ましい。
【0013】
前記構成の包装用容器によれば、前記上面を2等分する手段と3等分する手段のうち一方を構成する突条を、収容物を並べるための目安として用い、他方を構成する突条を、収容物の滑り止めとして用いることができる。
【0014】
そして本発明の包装用容器は、前記上面を2等分する手段を構成する突条に対し、前記上面を3等分する手段を構成する突条が角度を変えて形成されたものであることが好ましい。
【0015】
前記構成の包装用容器によれば、角度を変えた突条を任意に選択して用いることで、収容物の配置にバリエーションをもたせることができる。
【0016】
そして本発明の包装用容器は、前記手段として、前記上面を2等分する手段、前記上面を3等分する手段、前記上面を4等分する手段がそれぞれ設けられたものであることが好ましい。
【0017】
前記構成の包装用容器によれば、前記上面を2等分する手段、3等分する手段、4等分する手段のうちいずれかを構成する突条を、収容物を並べるための目安として用い、前記目安に用いなかった突条を、収容物の滑り止めとして用いることができる。
【0018】
そして本発明の包装用容器は、前記上面を2等分する手段を構成する突条に対し、前記上面を3等分する手段を構成する突条と前記上面を4等分する手段を構成する突条とが角度を変えて形成されたものであることが好ましい。
【0019】
前記構成の包装用容器によれば、角度を変えた突条を任意に選択して用いることで、収容物の配置にバリエーションをもたせることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の包装用容器は、突条が収容物を並べる目安となることから、未熟な作業者であっても、収容物が整然と見栄え良く盛り付けられた商品価値の高い商品を製造することができ、その際の作業効率も高い。そして、突条が収容物の滑り止めとなることから、購入者が商品を持ち帰る際においても見栄え良い盛り付けが崩れにくく、その点でも商品価値の高い商品とできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(A)は本発明の一実施形態に係る包装用容器を示す概略平面図、(B)は(A)のX−X矢視における概略端面図である。
【図2】(A)〜(F)共、本発明の他の実施形態を示す概略平面図である。
【図3】(A)(B)共、本発明の一実施形態に係る包装用容器に収容物を配置した例を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明につき、一実施形態を取り上げて説明を行う。本実施形態の包装用容器の基本的構成は、従来から存在する包装用容器と同様であって、図1(A)(B)に示すように、容器底部1と、該容器底部1の外周から起立した周壁部2を備えている。周壁部2の上端部は外側に張り出しておりフランジ部3とされている。
【0023】
容器底部1は、例えばしゃぶしゃぶ用生肉等の収容物が配置される部分であり、周壁部2は、収容物がこぼれ落ちないために設けられる部分である。フランジ部3は、収容物を保護するための、包装用容器に対して着脱自在とされた蓋体(図示しない)が取り付けられたり、ラップフィルム(図示しない)が掛け渡されたりする部分である。なお場合によっては、周壁部2と蓋体を一体に形成したものであっても良い。
【0024】
また、フランジ部3の外周縁には、図示はしていないが、成形による細かな凹凸加工やエンボス加工を施すことにより、側面視にて波形(正弦波、三角波、台形波等)の外縁線、即ち、直線ではない外縁線を備えるようにすることが望ましい。これにより、外周縁のエッジが鋭利でなくなるため、例えば、包装用容器に触れる際や蓋体を開閉する際の指先を保護することができ、また、ラップフィルムをフランジ部3に掛け渡す際にラップフィルムが裂断するのを防止することができる。さらに、外周縁の強度が増し、包装用容器が裂断するのを防止する効果もある。
【0025】
本実施形態の包装用容器の平面視形状は、図1(A)に示すように略正方形の角部が面取りされた略八角形状とされているが、本発明の包装用容器の形状はこれに限定されるものではなく、長方形等の他の多角形、円形、長円形、楕円形、その他種々の形状としても良い。また、本実施形態の包装用容器では、容器底部1の上面11の平面視形状も外周形状と同じく略八角形状とされているが、上面11の形状と外周形状とが異なっていても良い。
【0026】
本実施形態の包装用容器には、樹脂シートを金型等によって熱成形したものを使用でき、特に、発泡シートを熱成形したものを使用することが望ましい。この発泡シートを熱成形したものを使用する場合は、発泡シートの片面もしくは両面に樹脂フィルムが積層された、発泡層と表面フィルム層とを有する積層樹脂シートを使用することもできる。
【0027】
前記樹脂シートの素材としては、本発明では特に限定されず、従来から公知の種々の素材を使用することができる。例えば、スチレン樹脂単独、あるいは、スチレンモノマーと共重合可能なブタジエン、無水マレイン酸、メタクリル酸等のモノマーとスチレンモノマーとの共重合体樹脂単独、または、スチレン樹脂と前記共重合体樹脂やポリフェニレンエーテル系樹脂等の耐熱性樹脂等との混合物、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂がある。
【0028】
前記発泡シートとしては、例えば、前記で示した樹脂に、ブタンやペンタン等の物理的発泡剤や、アゾジカルボンアミド等の化学的発泡剤や、二酸化炭素、窒素、空気等の発泡剤とともに押出機で混練して押出し発泡させてなる発泡シートがある。
【0029】
前記発泡シートに積層される樹脂フィルムとしては、例えば、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、耐熱ポリスチレン樹脂等のスチレン系樹脂が用いられてなるフィルムや、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂が用いられてなるフィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂が用いられてなるフィルム、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等のガスバリヤ性に優れた樹脂が用いられてなるフィルムをそれぞれ単独で用いることができる。あるいは、これらのフィルム同士を複数積層させたフィルム(積層フィルム)として用いることができる。
【0030】
なかでも、発泡シートに用いられたスチレン樹脂や共重合体樹脂が用いられてなるフィルムを用いる場合には、発泡シートと該発泡シートに積層される樹脂フィルムの全体が同じ材質で構成されることとなり、包装用容器のリサイクル性を向上させ得る点において好適である。
【0031】
包装用容器を、食品等を収容させるために用いる場合には、通常、前記発泡シートによって1〜5mmのいずれかの厚みに前記発泡層が形成され、前記樹脂フィルムによって3〜500μmのいずれかの厚みに前記表面フィルム層が形成された樹脂シートを用いることが望ましい。
【0032】
なお、本実施形態に係る包装用容器の形成に用いる、発泡層を備えている樹脂シートは、前記に例示した樹脂シートに限定されるものではなく、種々のものを採用することができ、表面フィルム層を有していない発泡層のみによって構成されたものや、発泡層を介して両面に表面フィルム層が形成されているもの等も採用が可能である。
【0033】
前記のように樹脂シートを熱成形してなる包装用容器における、容器底部1の上面11に複数の突条4が形成されている。この突条4は、容器底部1と一体に形成されたものである。本実施形態における突条4の断面形状は、図1(B)に示すように、略半円形状とされており、上面11からの突出高さは1mmとされている。突条4の断面形状及び突出高さについては、本実施形態のものに限られるものではなく、包装用容器の大きさや収容物の性状(軟らかさ等)に最も適合するように、種々の断面形状及び突出高さを採用し得る。
【0034】
ただし、突条4の突出高さは、収容物の滑りを防ぐことができる高さである。そして、容器底部から突出して形成される仕切りとは異なり、収容物が盛り付けられた後は、基本的に、収容物に隠れてしまい見えなくなる。この突条4の突出高さとしては具体的に、包装用容器の周壁部2の高さの1/3〜1/60程度とすることが好ましい。
【0035】
この突条4は、上面11を等間隔に分ける位置に形成されている。前記「等間隔」とは、具体的には、容器底部1の端部12と隣り合う突条4の距離、及び、隣り合う突条4,4同士の距離(下記の、上面11を等間隔に分ける手段を構成する突条4が複数形成されている場合)が等しい間隔であることを指す。更に詳しく述べると、突条4の延びる方向に対して直交する方向を想定した場合、該方向における容器底部1の対向する辺同士の距離を等しく分けた際の分けられた間隔を指す。なお、前記の「直交する方向」とは、突条4が直線状である場合は、上面11上にて突条4に直交する関係となる直線方向であり、突条4が湾曲している場合は、突条4上のある点における、突条4の接線方向に直交する関係となる直線方向である。
【0036】
前記の突条4は、1本あるいは複数が集合して、上面11を等間隔に分ける手段を構成している。この手段は一つの包装用容器に複数が設けられており、この複数の手段が、上面11を分ける間隔の異なる、少なくとも2種類の手段からなっている。本実施形態では、図1(A)に示すように、上面11を図示右上と左下に2等分する手段D2、上面11を図示上下に3等分する手段D3、上面11を図示上下に4等分する手段D4の3種類の手段がそれぞれ設けられている。
【0037】
上面11を2等分する手段D2は1本の突条4aにより構成されている。同3等分する手段D3は並行な2本の突条4bにより構成されている。同4等分する手段D4は並行な3本の突条4cにより構成されている。本実施形態の突条4a〜4cはいずれも直線状であるが、後述のように、複数の手段が各々異なる形態を有するものとすれば良いので、本実施形態のような直線状に限定されるものではなく、例えば湾曲したものであっても良い。
【0038】
本実施形態では3種類の手段D2〜D4が設けられ、これら各々の手段を構成する突条4a〜4cが、一つの包装用容器に組み合わされて形成されているが、この組み合わせのバリエーションは種々に変更することができる。例えば、上面11を2等分する突条4aと、上面11を3等分する突条4bとが形成されたものであっても良いし、上面11を3等分する突条4bと、上面11を4等分する突条4cとが形成されたものであっても良い。つまり、上面11の等分の仕方に応じた複数種類の突条4を組み合わせて形成して良い。
【0039】
本実施形態の突条4aは、図1(A)に示す上面11の平面視形状(略八角形状)にて、図示左上と右下で対向する短辺それぞれの中央部を結ぶように、連続的に形成された1本の突条である。この突条4aは1本で上面11を図示右上と左下に2等分する手段D2を構成する。つまり、この突条4aは上面11の中央を通るように設けられている。そして、この突条4aは突条4bと突条4cに対して交差して形成されている。このように本発明では、上面11を等間隔に分ける複数の手段のうち少なくとも一つを構成する突条4の延びる方向が、他の手段を構成する突条4の延びる方向と交差するようにして実施することができる。
【0040】
なお、本実施形態では突条4aのみが図1(A)上での水平・垂直方向に対して傾いて形成されている。つまり、上面11を2等分する突条4aに対し、上面11を3等分する突条4bと上面11を4等分する突条4cとが角度を変えて形成されている。本実施形態における突条4aは、異なる部位の肉(バラ肉ともも肉等)や異なる種類の肉(牛肉と豚肉等)等の異種収容物を一つの包装用容器に盛り付ける際、異種収容物の境界となる位置の目安(仕分手段)として用いられる。なお、この突条4aは、前記目安として用いた場合であっても用いなかった場合であっても、収容物が当接することから、収容物の滑り止めとして機能する(滑り止め手段)。
【0041】
このように、上面11上において他の突条4とは角度を変えた突条4(本実施形態では突条4a)を少なくとも1種類形成しておくことで、その角度を変えた突条4を任意に選択して用い、収容物の配置にバリエーションをもたせることができる。
【0042】
突条4の形成される角度は、図1(A)に示す本実施形態のものに限られるものではなく、種々の角度で設定でき、それぞれ異なる複数の角度とした突条4を組み合わせて形成することも可能である。
【0043】
また、本実施形態の突条4bは、図1(A)に示す上面11の平面視形状(略八角形状)にて、図示水平方向に延びる対向する辺(上辺と下辺)同士の距離を3等分する位置に、それぞれ並行に、断続的(破線状)に形成された2本の突条であって、前記2本が一組とされ、この一組が上面11を図示上下に3等分する手段D3を構成する。この突条4bの形成により、図1(A)上で「A」と示したように、上面11が等間隔に3つの領域に分けられる。本実施形態における突条4bは、収容物を見栄え良く並べる際の目安(整列手段)として用いられる。なお、この突条4bは、前記目安として用いなかった場合、収容物が当接することにより、収容物の滑り止めとして機能する(滑り止め手段)。
【0044】
そして、本実施形態の突条4cは、図1(A)に示す上面11の平面視形状(略八角形状)にて、図示水平方向に延びる対向する辺(上辺と下辺)同士の距離を4等分する位置に、それぞれ並行に、連続的に形成された3本の突条であって、前記3本が一組とされ、この一組が上面11を図示上下に4等分する手段D4を構成する。この突条4cの形成により、図1(A)上で「B」と示したように、上面11が等間隔に4つの領域に分けられる。本実施形態における突条4cも、収容物を見栄え良く並べる際の目安(整列手段)として用いられる。また、この突条4cも、前記目安として用いなかった場合、収容物が当接することにより、収容物の滑り止めとして機能する(滑り止め手段)。
【0045】
そして、本実施形態では、上面11を2等分する手段D2を構成する突条4a、及び、同4等分する手段D4を構成する突条4cは連続的に形成されている。そして、上面11を3等分する手段D3を構成する突条4bは断続的に形成されている。このように、突条4が、上面11を等間隔に分ける分け方ごとに、少なくとも2種類の異なる形態で形成されている。この形態の違いにより、後述のように上面11に収容物を並べる際の、収容物の位置合わせの目安とすべき突条4を作業者が容易に識別できる。
【0046】
本実施形態では、突条4の形態について、連続的に形成されたものと断続的に形成されたものの2種類としたが、作業者が容易に突条4を識別できるものであれば、例えば、点線状、一点鎖線状、波線状等の種々の形態を採用し得る。
【0047】
なお、上面11を2等分する手段D2を構成する突条4aと同4等分する手段D4を構成する突条4cとは、前記のように連続的に形成されている点では共通している。しかし、前記のように、突条4aは図1(A)上での水平及び垂直方向に対して傾いて形成され、突条4cは図1(A)上での水平方向に対して並行に形成されたものであるから、手段D2と手段D4とは異なる形態を有している。ここで、「異なる形態」とは、各手段を構成する突条4自体の形態が異なること(例えば連続的に形成された突条と断続的に形成された突条の違い)のみを意味するのではなく、上面11上で突条4の形成された角度が異なる等、視認により作業者が各手段を見分けられるように形態が異なることを意味する。このように、一つの包装用容器に設けられた複数の手段が、各々異なる形態を有していることで、作業者がどの手段を用いて盛り付け作業すべきか、迅速に判断できる。
【0048】
次に、その他の実施形態の例について図2に示す。(A)は、図示水平方向に延びる突条4a(連続状)及び突条4b(断続状)を設けたものである。これらの突条が上面11を図示上下に2等分する手段D2と、図示上下に3等分する手段D3とを構成する。
【0049】
(B)は、図示斜め方向に延びる突条4a(連続状)を角度を変えて2本設け、図示水平方向に延びる突条4b(断続状)と、図示垂直方向に延びる突条4b(断続状)とを設けたものである。これらの突条が上面11を図示右上と左下に2等分する手段D2a、図示左上と右下に2等分する手段D2bと、上面11を図示上下に3等分する手段D3a、図示左右に3等分するD3bとを構成する。
【0050】
(C)は、図示水平方向に延びる突条4a(連続状)及び突条4b(断続状)を設け、図示垂直方向に延びる突条4a(連続状)を設けたものである。これらの突条が上面11を図示上下に2等分する手段D2a、図示左右に2等分するD2bと、上面11を図示上下に3等分する手段D3とを構成する。
【0051】
(D)は、図示水平方向に延びる突条4b(連続状)及び突条4c(断続状)を設け、図示垂直方向に延びる突条4a(連続状)を設けたものである。これらの突条が上面11を図示左右に2等分する手段D2と、上面11を図示上下に3等分する手段D3と上面11を図示上下に4等分する手段D4とを構成する。
【0052】
(E)は、図示水平方向に延びる突条4a(連続状)及び突条4b(断続状)を設け、図示垂直方向に延びる突条4c(連続状)を設けたものである。これらの突条が上面11を図示上下に2等分する手段D2と、上面11を図示上下に3等分する手段D3と、上面11を図示左右に4等分する手段D4とを構成する。
【0053】
(F)は、図示斜め方向に延びる突条4a(連続状)を角度を変えて2本設け、図示水平方向に延びる突条4c(連続状)と、図示垂直方向に延びる突条4b(断続状)を設けたものである。これらの突条が上面11を図示右上と左下に2等分する手段D2a、図示左上と右下に2等分する手段D2bと、上面11を図示左右に3等分する手段D3と、上面11を図示上下に4等分する手段D4とを構成する。
【0054】
次に、本実施形態の包装用容器の使用方法につき、収容物の一例としてしゃぶしゃぶ用生肉Mを盛り付ける場合について述べる。
【0055】
まず、盛り付け状態に応じて用いるべき突条4を作業者が選択する。図3(A)に示した盛り付け状態は、同一部位の肉(例えばバラ肉)Mを4列に並べたものである。この盛り付けをする場合には、上面11を4等分する手段D4を構成する突条4c(図1(A)参照)を選択する。突条4cは、図1(A)において水平方向に3本設けられ、各々が連続的に形成された突条であるため、作業者において、突条4a(図示斜め方向に1本設けられ、連続的に形成された突条)や突条4b(図示水平方向に2本設けられ、各々が断続的に形成された突条)とは一目で見分けがつく。
【0056】
前記選択した突条4c(整列手段)を目安にして肉Mを配置していく。具体的には、肉Mを適宜の大きさに作業者が折り、その折った状態の肉Mの端辺を、容器底部1の端部12及び突条4cに位置合わせしつつ、上面11に肉Mを配置する。目安となる突条4cの存在により、未熟な作業者であっても、図3(A)に示した、肉Mの端辺により形成されるラインLを一直線に揃えることが容易であって、整然と見栄え良く盛り付けることができる。そのため、商品価値の高い商品を製造することができ、その際の作業効率も高い。
【0057】
なお、前記目安として用いられなかった突条4a,4b(図1(A)参照)は、配置された肉Mの下敷きになるが、この突条4a,4bは滑り止めとして機能し(滑り止め手段)、購入者が商品を持ち帰る際において、包装用容器を多少傾けた場合であっても盛り付けが崩れてしまうことを防止できる。
【0058】
一方、図3(B)に示した盛り付け状態は、異なる部位の肉(例えばバラ肉ともも肉)M1,M2を、一方の肉(例えばバラ肉)M1が図示右上になるように、他方の肉(例えばもも肉)M2が図示左下になるようにして、全体で4列に並べたものである。この盛り付けをする場合には、上面11を2等分する手段D2を構成する突条4aと、上面11を4等分する手段D4を構成する突条4cとを選択する。そしてこの場合には前記と同じく、突条4cを、各列を並べる目安として用い(整列手段)、突条4aを異なる肉M1,M2の境界線の目安として用いる(仕分手段)。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明に係る包装用容器は、しゃぶしゃぶ用生肉や一口サイズにカットされた生肉等を整然と盛り付けることが容易であるため、食品容器として好適に用いられる。そして、部位の異なる生肉を一緒に盛り付けるための食品容器としても好適に用いられる。
【符号の説明】
【0060】
1 容器底部
11 容器底部の上面
4 突条
4a 2等分する手段を構成する突条
4b 3等分する手段を構成する突条
4c 4等分する手段を構成する突条
D2 2等分する手段
D3 3等分する手段
D4 4等分する手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂シートを熱成形してなる包装用容器であって、
該容器底部の上面に形成された突条から構成された、前記上面を等間隔に分ける手段が複数設けられ、
前記複数の手段は、前記上面を分ける間隔が異なる少なくとも2種類の手段からなり、
かつ、前記複数の手段は、各々異なる形態を有していることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記手段として、前記上面を2等分する手段と、前記上面を3等分する手段とが設けられたことを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記上面を2等分する手段を構成する突条に対し、前記上面を3等分する手段を構成する突条が角度を変えて形成されたことを特徴とする請求項2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記手段として、前記上面を2等分する手段、前記上面を3等分する手段、前記上面を4等分する手段がそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項5】
前記上面を2等分する手段を構成する突条に対し、前記上面を3等分する手段を構成する突条と前記上面を4等分する手段を構成する突条とが角度を変えて形成されたことを特徴とする請求項4に記載の包装用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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