説明

化粧品スティック

【課題】止め具変動装置の既定の作動信頼性によって製造コストを減少するような、化粧品スティックを創り出すこと。
【解決手段】化粧品スティックはスティックハウジング、補充品開口部へ延在可能な補充品、補充品を延在する供給装置を有し、補充品はハウジング内へ誘導されたピストンと押し接続し、供給装置はピストンプッシュロッドと作動プッシュロッドを有し、作動プッシュロッドは作動要素と押し接続し、作動プッシュロッドは一対の止め具によってピストンプッシュロッドと押し接続し、止め具変動装置は、第一止め具と多数の第二止め具の一つ間で変動し、作動プッシュロッドに固定されたドライバ本体を有する。ランプはドライバ本体と協働し、その傾斜は作動プッシュロッドの作動位置で、二つの隣接する第二止め具間の距離と少なくとも同一の前進路を上記ドライバ本体が覆うや否や瞬間止め具から第一止め具が外れる。プレテンショニングバネは停止位置で作動プッシュロッドにバイアスを加える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブル部分(於いて部分)に係る化粧品スティックに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】US5011317A
【0003】
このタイプの化粧品スティックは、特許文献1から公知である。上記特許文献1における止め具変動装置(stop alternating device)は複雑な構造から成っており、製作公差、及び信頼され得る作動を確保することに伴う構成部分の材料パラメータの厳密な遵守における厳しい要求を強いる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の課題は、最初に述べたタイプの化粧品スティックが、上記止め具変動装置の既定の作動信頼性によって製造コストを減少するような、化粧品スティックを創り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明に従い、請求項1の特徴づけ部分において述べられている特徴を有する化粧品スティックによって成し遂げられる。
【0006】
本発明に従い、信頼され得る止め具変動が二つの協働する作動プッシュロッド(push rod)を用いて成し遂げられるかもしれないことが判明した、その中で、二つの止め具間の相対的な運動が瞬間的に一緒になって一対の止め具を形成する上記動きは、二つのプッシュロッドのうち一つをランプ(ramp)の上に実際に作動することによって意図的に作られる。そうすることに於いて、一つのドライブロッド(drove rod)は、実際の作動の際、その縦軸を横切る運動構成部品によって曲げられる。このための基準になるモデルは従来技術において存在していない。総体的にみて、このことは、ハウジング壁の差によって生じるひけマーク(sink mark)の危険性を最小限度に抑えるハウジング構造を備える化粧品スティックを可能にする。化粧品スティックの個々の構成部品は、射出成形されたプラスチック材料部品として簡単に生産され得る。代替として、スティックハウジング及び補充品開口部(refill opening)を覆うキャップを金属構成部品として生産することも可能である。化粧品スティックを組み立てるための特別な工具、特にハウジング構成部品又はプッシュロッド用の引き上げ工具は必要とされない。
【0007】
請求項2に係る止め具の配置は、供給装置の単純な構造をもたらす。代替的に、第一止め具をピストンプッシュロッド上に、第二止め具を作動プッシュロッド上に備えることが可能である。
【0008】
請求項3に係る実施形態は、供給装置の簡潔な(compact)構造をもたらす、なぜなら、「ランプ誘導」及び「第一止め具」の機能がドライバ本体(driver body)上で簡潔な様式に組み合わさっているからである。
【0009】
請求項4に係る接触部分は、作動位置から停止位置へ作動プッシュロッドが戻る際に、望ましくないピストンプッシュロッドの引きずり、がないように確保する。このようにピストンプッシュロッドを固定することは、ハウジングに設置された成分内の通路口を介して備えられた誘導手段内のピストンプッシュロッドの対応して生じる摩擦によって更に補助されても良い。
【0010】
請求項5に係るプラスチック製プレテンショニングバネ(pretensioning spring)は、化粧品スティックの単純な構造をもたらす。プラスチック製バネは、射出成形部品として生産されても良く、また、様々な機能を組み合わせても良い。こうして、プラスチック製バネは、ピストンプッシュロッドの動きを誘導するために、通路口が切り抜かれる中間棚(intermediate bottom)を特に有しても良い。プラスチック製プレテンショニングバネが使用される場合、一方の化粧品製品ハウジング部分、即ち補充品ハウジング部分を接合するように、他方では供給ハウジング部分と結合するが、該結合においてその結果外側から見えることになる製品に関して所望される該結合の開口部が無いように結合するための、差込留め具(bayonet catch)が特に可能である。金属バネは使用されない。
【0011】
請求項6に係るランプはまた、上記設備の簡潔な特性を高める、というのは、追加機能の統合が生じるからである。
【0012】
請求項7に係る誘導装置は、供給作動の際、信頼でき、かつ確かなプッシュロッドの相対的な動きをもたらす。
【0013】
請求項8に係るシートは、補充品(refill)がしっかり保持されることを確保し、かつ、化粧品スティックが補充品に単純な方法で装備されることを可能にする。
【0014】
本発明の実施形態は、図を参照しながら以下に記述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
化粧品スティック1は、化粧製品ハウジング部分3及び供給ハウジング部分4を備えたスティックハウジング2を有する。化粧製品ハウジング部分3を備えたスティックハウジング2は、SAN-ABSから製造される。化粧製品ハウジング部分3は、例えば化粧品スティック1が保管される場合、キャップ6によって覆われた、円錐形ハウジング本体5を有する。図2は、円錐形ハウジング本体5上に押し込まれたキャップ6を示し、その際、上記キャップ6は、円錐形ハウジング本体5の周縁の鍔7に接している。円錐形ハウジング本体5及びキャップ6のわずかなアンダーカット(詳細に示されていない)は、キャップ6が、確実な嵌め込みによって保持され、その上、周縁の鍔7上に載る際に円錐形ハウジング本体5上において固定されることを確実にする。同時に、使用者は、円錐形ハウジング本体5からキャップ6を簡単に取り除くことができる。
【0016】
周縁の鍔7に隣接して、円錐形ハウジング本体5は、供給ハウジング部分4に面し、かつ、円錐形ハウジング本体5が組み立てられる際に、供給ハウジング部分4内において、対応する内周の窪みで受け取られる、差込区分8を有する。差込区分8は、供給ハウジング部分4内の、対応する差込シートと共に、これら二つのハウジング構成要素を接合するための差込留め具を形成する。留め具の接続は、差込留め具の他の可能性もある。
【0017】
補充品9の形態の化粧製品は、円錐形ハウジング本体5内に設置される。上記補充品9は、補充品開口部10を介して円錐形ハウジング本体5の外へ動かされ得る。供給ハウジング部分4の内に収容され、かつ、以下に詳細を記載される供給装置11は、補充品9を突き出すために使われる。
【0018】
補充品9は、円錐形ハウジング本体5内に誘導されたピストン12と、押し接続(push connection)状態にある。この点で、補充品9はカップ形状をした、ピストン12のシート内に保持される。補充品9は6mmの直径を有する。ピストン12のシートは、それに一致する内径を有する。他の補充品直径も可能である。特に、8mmの補充品直径も可能である。ピストン12上に形成されたものは、ピストン接続構成部品13であり、その外径は、ピストン12のレスト(rest)の外径と比較して小さくされている。ピストンプッシュロッド15のスリーブ形状をした接続構成部品14の周縁シートは、ピストン接続構成部品13の差込区分に対する相補的な様式に形成される。ピストンプッシュロッド15は、POMから作られる。ピストンプッシュロッド15は、ピストン12と押し接続状態にあり、ピストン12の補充品9から隔たった側の上に配置される。ピストンプッシュロッド15が属するピストン12と供給装置11の間の完全で安定した接続は、構成部品13と14を接続することによって形成される、差込接続によってもたらされる。
【0019】
作動プッシュロッド16も、供給装置11に属している。上記作動プッシュロッド16は、ピストンプッシュロッド15と押し接続状態にある。作動プッシュロッド16はPOMから作られる。上記押し接続は、作動プッシュロッド16上に配置された第一止め具17から成る止め具と、ピストンプッシュロッド15に沿って軸を成すように互いから等間隔に連続して配置された多数の第二止め具18の間の対によって作られる。図2に示された供給位置において、作動プッシュロッド16の第一止め具17は、図2において最も遠い左手位置において示された第二止め具18と協働する、それによって、開始位置においてピストン12を備えた補充品9は、スティックハウジング12内部に完全に納められる。
【0020】
全体的に、同じ高さで、第二止め具18の二つの列が存在し、それらの間を作動プッシュロッド16が進む。作動プッシュロッド16が、止め具点19に面するピストンプッシュロッド15まで第二止め具18の二つの列間を進む場合、二つのプッシュロッド15、16は互いの方へ誘導される、それによって、互いに対する二つのプッシュロッド15、16の規定された相対運動が可能となる。この誘導は、プッシュロッド15、16の隣接部分の相補的な、断面の相対的形状によって成し遂げられる。この誘導手段は、T溝誘導である。
【0021】
ピストン12から隔たった側上において、作動プッシュロッド16は、接触外縁鍔19を有する。接触外縁鍔19の外径は、供給ハウジング部分4の内径と一致する。接触外縁鍔19と隣接する、作動プッシュロッド16の自由端20は、自由端20にしっかり掴まれた作動要素として、稼動ボタン21をもうけている。稼動ボタン21は、ボールペンの稼動ボタンのように、補充品9とは反対側の、供給ハウジング部分4の末端から突き出している。稼動ボタン21が突き出ている、供給ハウジング部分4内のハウジング開口部内部にしっかり掴まれているものは、ストッパ22であり、スリーブのような形状をし、かつ、稼動ボタン21によって貫かれている。稼動ボタン21はストッパ22と同様にSAN-ABSから作られている。ストッパ22の末端内壁は、作動プッシュロッド16の接触外縁鍔19に寄りかかって載っている。プラスチック製プレテンショニングバネ23は、ストッパ22から隔たった側上の、接触外縁鍔19に寄りかかって載っている。プラスチック製プレテンショニングバネ23は、POMから作られている。その反対側の自由端において、プラスチック製プレテンショニングバネ23は、供給ハウジング部分4の内側に突き出ている外縁鍔24に寄りかかって支えられている。この外縁鍔24は、供給ハウジング部分4と円錐形ハウジング本体5の間の境界線にぴったりと隣接している。
【0022】
プラスチック製プレテンショニングバネ23は、円錐形ハウジング本体5の自由端の末端壁に隣接し、差込区分8を収容できる中間棚25を有する。上記中間棚25は、ピストンプッシュロッド15が通る、およそ正方形の通路開口部26を有する。
【0023】
止め具変動装置27は、供給装置11の構成部品である。補充品9を進めるために、止め具変動装置27は、第一止め具17が瞬時に協働し、かつ、第二瞬間止め具とも呼ばれる第二止め具18の一つと、ターゲット止め具とも呼ばれる軸方向に隣接する他の第二止め具18の間で第一止め具17を変動する。止め具変動装置は、ピストン12に面する自由端上に形成された、作動プッシュロッドのドライバ本体28を有する。ドライバ本体28は、両側面に於いて、同じ高さに羽根の断端のように配置された、二つの第一止め具17を支える。
【0024】
ランプ29は、ドライバ本体28と協働する。上記ランプ29は、供給ハウジング部分4上に順番に固定されたプラスチック製プレテンショニングバネ23の中間棚25内に設計される。従って、ランプ29はスティックハウジング2において固定される。
【0025】
プラスチック製プレテンショニングバネ23は、止め具変動装置27にも属する。軸方向に互いに前後して、かつ、互いに等間隔で配置された第二止め具18は、鋸の歯のように設計される。各場合において鋭角で、かつ実際に垂直な、この鋸の歯形状の側面は、第二止め具18を形成する。傾斜壁部分30は、これら垂直な壁部分の間を進む。これら傾斜壁部分30の、スティックハウジング2の縦軸に対する傾きは、結果的にピストンプッシュロッド15がスティックハウジング2に対して軸方向にずれることなく、供給方向とは逆の方向にドライバ本体28の羽根の断端が傾斜壁部分30上を押し進むことができるように十分に低い。
【0026】
化粧品スティック1は以下のようにして組み立てられる。
第一に、プラスチック製プレテンショニングバネ23は、止め鍔24と合うまで、供給ハウジング部分4に押し込まれる。プラスチック製プレテンショニングバネ23の周縁内の合致する溝と協働している供給ハウジング部分4のストッパ側にある隆起部は、プラスチック製プレテンショニングバネ23が、予め決められた向きにのみ、供給ハウジング部分4内に押し込まれ得ることを確保する。供給ハウジング部分4の内径は、プラスチック製プレテンショニングバネ23の外径と一致し、両部品は組立末端部分において互いに容易に留められる。それから、ピストンプッシュロッド15は、プラスチック製プレテンショニングバネ23内へ誘導される。これは、図2の左手側から成される。この点で、通路開口部の部分及び断面は、プラスチック製プレテンショニングバネ23内へのピストンプッシュロッド15の正確な導入向きのみを可能にする。ピストンプッシュロッド15のプッシュロッド接続構成部品14が、プラスチック製プレテンショニングバネ23の中間棚25に寄りかかるまで、上記ピストンプッシュロッド15は、プラスチック製プレテンショニングバネ23内へ誘導される。装着された稼動ボタン21に既に備えられている作動プッシュロッド16は、それから、図2の右手側から供給ハウジング部分4内へ挿入され、かつ、ガイダンスに関して、ピストンプッシュロッド15の相補的なガイダンス内へねじ込まれる。
【0027】
作動プッシュロッド16が供給ハウジング部分4内へ押し込まれる場合、作動プッシュロッド16の第一止め具17は、最初に、図3の右手の最も遠い部分において、ピストンプッシュロッド15の第二止め具18と係合する。更なる挿入の際、作動プッシュロッド16は、作動プッシュロッド16のドライバ本体28がランプ29上に進むまで、ピストンプッシュロッド15を、その前方へ押す。そうすることにおいて、第一止め具17は、第二瞬間止め具18から外れる。ピストンプッシュロッド15は、それから、開始位置に到達するまで図2の右手側に押し戻されても良い。それからストッパ22は、押され、供給ハウジング部分4内へ取り込まれる。そうすることにおいて、プラスチック製バネは、外縁鍔19と外縁鍔24の間で、わずかにバイアスをかけられる(biased)。
【0028】
稼動ボタン21が稼動される場合、言い換えれば、稼動ボタン21がスティックハウジング2内へ押される場合、ピストンプッシュロッド15は、第一止め具と第二瞬間止め具18の係合を介して、最初は、二つの第二止め具18間の間隔と少なくとも等しい前進路まで、作動プッシュロッド16によって進められる。この前進路の後、ドライバ本体18は、第一止め具17が第二瞬間止め具18から外れるほどの範囲まで、ランプ29上を進んだことになる。従って、稼動ボタン21が更にスティックハウジング2内へ押されようが、ピストンプッシュロッド15の更なる前進は起こらない。稼動ボタン21が解放される場合、外縁鍔19がストッパ22に寄りかかるまで、上記ボタンは、プラスチック製プレテンショニングバネ23によって図2に示された停止位置に再度押し戻される。この押し戻し作動の際、ドライバ本体28は、ピストンプッシュロッド15の傾斜壁部分30上を押し進む。そうすることにおいて、ピストンプッシュロッド15は、スティックハウジング2に対して軸方向にずれず、それによって稼動ボタン21の静止位置において、第一止め具17は更にまた、先の第二瞬間止め具18に軸方向に隣接している、特に、図2の右手側において軸方向に隣接している第二ターゲット止め具18と係合できるようになる。
【0029】
図4〜6は、化粧品スティック1のベーススティック構成要素32のための化粧製品取替えユニット31をあらわす。ベーススティック構成要素32は、化粧製品ハウジング部分3、ピストン12、及び補充品9を除く、化粧品スティック1の全ての構成部品を含む。
【0030】
化粧製品取替えユニット31は、化粧製品ハウジング部分3と同様の取替えハウジング33を有する、即ち、それは円錐形ハウジング本体5とキャップ6を有している。取替えハウジング33上に配置され、かつそれに対して差込留め具を介して固定された封鎖キャップ34は、ピストン12の側面上で取替えハウジング33を封鎖する。封鎖キャップ34はポリプロピレン(PP)から作られる。スティックハウジング縦軸の領域にある、封鎖キャップ34のベース上に形成された支持体35は、ピストン接続構成部品13の規定された接触のために使用される。化粧製品取替えユニット31の取替えハウジング33内に配置されているのは、補充品9とピストン12であり、化粧品スティック1の化粧製品ハウジング部分3内におけるのと同様に、円錐形ハウジング本体5に対して同様の向きと位置にある。
【0031】
化粧製品取替えユニット31は以下のように組み立てられる、即ち、
第一に、ピストン12が、円錐形ハウジング本体5内に導く誘導シート開口部を、特に差込区分8が円錐形ハウジング本体5に位置する側から押し進められる。ピストン12が、円錐形ハウジング本体5内にねじ込まれることから保護されるように、ピストン12の外壁上に形成された隆起部36は、円錐形ハウジング本体5の内壁内における軸上の溝内を、この点で進む。一方でピストン12上に、他方で円錐形ハウジング本体5上に相補的に形成された掛け金要素によって形成された掛け金は、円錐形ハウジング本体5内のピストン12の組立末端位置を示している。その次に、封鎖キャップ34が、差込接続を介して円錐形ハウジング本体5上に装着される。それから、補充品9がピストン12内のシート内部に誘導されて、最後にキャップ6が円錐形ハウジング本体5上に設置される。
【0032】
補充品9が使い切られた際に化粧製品ハウジング部分3を新しい化粧製品取替えユニット31と取り替えるために、化粧製品ハウジング部分3と供給ハウジング部分4の間の差込接続が外される。封鎖キャップ34が、化粧製品取替えユニット31から取り外され、上記取替えユニット31は化粧品スティック1の供給ハウジング部分4と接続される。そうすることにおいて、差込接続は、一方で取替えハウジング33と供給ハウジング部分4の間、他方でピストン接続構成部品13とプッシュロッド接続構成部品14の間に同時に作られる。その後、化粧品スティック1は、再度新しい補充品9の使用のための準備が整う。
【0033】
図7〜9は、化粧品スティックの他の実施形態をあらわしており、化粧製品取替えユニット31も使用されても良い。図1〜6に関して先に記載されたものと同一の構成部品は、同様の参照番号を付し、再度詳細には記載されない。
【0034】
図7〜9に係る化粧品スティックのベーススティック構成要素37は、稼動ホイール39(actuating wheel)を備えた供給装置38を有している。上記稼動ホイール39の外周部分は、図7〜9に係る化粧品スティック1の供給ハウジング部分40の外側に突き出している。稼動ホイール39は、供給ハウジング部分40と同様にSAN-ABSから作られている。ギヤホイール42は、稼動ホイール39の両側面において突き出るように誘導されたベアリングジャーナル(bearing journal)41の上に、各々稼動ホイール39と一体化して形成されている。ギヤホイール42は、互いに平行に進んでいる、図7〜9に係る化粧品スティック1のピストンプッシュロッド44の二つの歯板部分43とかみ合っている。ピストンプッシュロッド44はPOMから作られている。歯板部分43と一体化して形成され、ピストン12のに面しているのは、図1〜3に係る実施形態のピストンロッド接続本体14と同一に設計された、プッシュロッド接続本体14である。上記ピストンプッシュロッド44は、ここでは再び、プラスチック製プレテンショニングバネ23内の通路開口部26を通り抜けている。
【0035】
稼動ホイール39のベアリングジャーナル41は、スクリーンハウジング部分46の掛け金シート45内につけられる。スクリーンハウジング部分46はSAN-ABSから作られる。稼動ホイール39を囲む、上記スクリーンハウジング部分46は、ここで再び供給ハウジング部分40内の枠(mounting)内につけられる。
【0036】
図7〜9に係る化粧品スティック1の組立のために、図1〜3に係る化粧品スティック1の組立に関して記載されたように、プラスチック製プレテンショニングバネ23がまた、最初に供給ハウジング部分40内に誘導される。その次に、ストッパ22が、図8の右手側から供給ハウジング部分40内へ押され、その内部でつけられる。それから、ピストンプッシュロッド44が、図8の左手側から通路開口部26を通ってプラスチック製プレテンショニングバネ23内へ誘導される。稼動ホイール39はスクリーンハウジング部分46内の掛け金シート45内へつけられ、前期スクリーンハウジング部分46は次に供給ハウジング部分40内のシート内へつけられる。補充品9は、補充品開口部10から押し出されても良いし、又は、稼動ホイール39を回転することによってスティックハウジング2内へ押し戻されても良い。
【0037】
両実施形態、即ち、補充品を前進するための稼動ボタン21を備えた図1〜3に係る実施形態、及び補充品を前進するための稼動ホイール39を備えた図7〜9に係る実施形態において、ピストンプッシュロッド15及び44の動きの際、通路開口部26を介する誘導において摩擦効果が生じるように、ピストンプッシュロッド15及び44の断面の輪郭は、プラスチック製プレテンショニングバネ内の通路開口部26の内側断面と一致している。図1〜3に係る実施形態において、この摩擦は、ピストンプッシュロッドと作動プッシュロッド16の間の摩擦よりも大きい。このことは、作動プッシュロッド16が作動位置から停止位置へ戻る際に、望ましくない作動プッシュロッド16によるピストンプッシュロッド15のひきずりが、無いという事実に貢献している。図7〜9に係る実施例において、ピストンプッシュロッド44と通路開口部26の内壁間の摩擦の効果は、使用中に、ある程度の軸方向の圧力が補充品9上に加えられ得るということであり、これ無くしては、望ましくない、スティックハウジング2内部へ補充品9が押し戻されるという結果になる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】化粧品スティックの透視図である。
【図2】図1に係る化粧品スティックの縦軸に沿った断面図である。
【図3】図1に係る化粧品スティックを組み立てるための、全ての個々の部品の比較可能な拡大図である。
【図4】図1〜3に係る化粧品スティックのベーススティック構成要素のための、化粧製品取替えユニットの透視図である。
【図5】図4に係る化粧製品取替えユニットの縦軸に沿った断面図である。
【図6】図3に類似の化粧製品取替えユニットの図である。
【図7】化粧製品の供給装置を有した異なるベーススティック構成要素を備えた、他の化粧品スティックの透視側面図であり、上記供給装置は、その機械的作動原理に関して、図1に係る化粧品スティックのベーススティック構成要素の供給装置とは異なっている。
【図8】図7に係る化粧品スティックの、縦軸に沿った断面図である。
【図9】図7に係る化粧品スティックの個々の部品の、図3に類似の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スティックハウジング(2)と、
補充品開口部(10)を通って上記ハウジング(2)の外へ移されることが可能な補充品(9)と、
上記補充品(9)を伸ばすために、上記ハウジング(2)内に設置された供給装置(11)と、
止め具変動装置(27)と、
を有する化粧品スティック(1)にして、上記補充品(9)は、上記ハウジング(2)内に誘導されたピストン(12)と、押し接続状態にあり、
上記供給装置(11)は、
上記ピストン(12)と押し接続状態にあり、かつ、補充品(9)から離れた側のピストン(12)上に配置されたピストンプッシュロッド(15)と、
補充品開口部(10)とは反対側の末端に配置された作動要素(21)と押し接続状態にある、作動プッシュロッド(16)と、
を備えて構成され、上記作動プッシュロッド(16)は、一対の止め具(17、18)によって、上記ピストンプッシュロッド(15)と押し接続状態にあり、上記一対の止め具は、二つのプッシュロッド(15、16)のうちの一方の上に配置された第一止め具(17)、及び、他方のプッシュロッド(16、15)の軸方向に沿って、互いに等間隔に連続して配置された多数の第二止め具(18)とから成り、
上記止め具変動装置を用いて、補充品を前進させるために、上記第一止め具(17)と瞬間的に協働する、上記多数の第二止め具(18)のうちの第二瞬間止め具と、軸方向に隣接する第二ターゲット止め具(18)との間で第一止め具(17)が変動する、
化粧品スティック(1)において、
上記止め具変動装置(27)が、
上記作動プッシュロッド(16)に固定されたドライバ本体(28)と、
上記ハウジング(2)に固定され、かつ、上記ドライバ本体(28)と協働する少なくとも一つのランプ(29)と、
プレテンショニングバネ(23)と、
を備えて構成され、上記ランプ(29)のランプ傾斜は、上記作動プッシュロッド(16)の作動位置で、二つの隣接する第二止め具(18)間の距離と少なくとも同一の前進路を上記ドライバ本体(28)が覆うと直ぐに、瞬間止め具(18)から第一止め具(17)が外れるような傾斜であり、上記プレテンショニングバネ(23)は、作動要素(21)がハウジング(2)から押し出される非稼動停止位置で、上記ハウジング(2)に対して上記作動プッシュロッド(16)にバイアスをかけることを特徴とする、化粧品スティック(1)。
【請求項2】
第一止め具(17)が作動プッシュロッド(16)上に配置され、かつ、第二止め具(18)がピストンプッシュロッド(15)上に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品スティック。
【請求項3】
ドライバ本体(28)が第一止め具(17)を有することを特徴とする、請求項2に記載の化粧品スティック。
【請求項4】
結果的にピストンプッシュロッド(15)がハウジングに対して軸方向にずれること無く、プッシュロッド(15、16)が互いにすべることによって、作動プッシュロッド(16)が作動位置から停止位置へ戻ることが可能となるように、プッシュロッド(15、16)が係合している接触部分(17、30)が形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧品スティック。
【請求項5】
プレテンショニングバネ(23)が、プラスチック製バネとして構成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧品スティック。
【請求項6】
ランプ(30)が、プレテンショニングバネ(23)と一体化して形成されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧品スティック。
【請求項7】
プッシュロッド(15、16)が、少なくとも部分的に、互いに対して軸方向の運動を誘導するための誘導手段を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧品スティック。
【請求項8】
補充品(9)が、ピストン(12)内のカップ形状をしたシート内で保持されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化粧品スティック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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