説明

化粧品パッケージのためのシフターディッシュ挿入物

製品貯蔵領域よりも上方且つ瓶のキャップよりも下方でパウダー瓶の首部に嵌め込むためのシフター挿入物が提供される。シフター挿入物は、ある量のパウダー製品を支持する中央の凹状ディッシュ部分を有する。ディッシュ部分の外周の周りには、チャネルが設けられる。シフター挿入物は、ディッシュ部分がキャップの底部よりも下方にある距離を空けて置かれるようにして、瓶の首部の開口部内で固定される。チャネルのスロット状開口部によって、瓶が逆さまにされると、パウダーが製品貯蔵容器からチャネル内に、その後、隙間内に流れ込むことが可能になる。逆さまの瓶が真っ直ぐにされると、隙間内のある量のパウダーがディッシュ部分上に堆積され、そこでは、キャップを瓶から外すと、そのパウダーがユーザにとってアクセス可能である。パウダーブラシ又はパフを使用して、ディッシュ部分内に置かれている量からパウダーが取り出されてもよい。ユーザがパウダー製品をディッシュ部分から取り出し終えると、キャップを瓶に固定することができ、瓶を振って、余分な製品をディッシュ部分からスロットを通して製品貯蔵容器へと戻すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品パッケージのためのシフター挿入物(shifter inserts)に関する。シフター挿入物は、一般に、パウダー瓶のリムから吊り下げられ、ユーザがアクセスするため、少量のパウダーを一時的に保持する役割を果たす。特に、本発明は、中央のディッシュ部分と、製品貯蔵容器との間で粉末を移動できるようにするディッシュの外周の周りのスロットを備えたシフター挿入物を対象とする。
【背景技術】
【0002】
図2で示すように、従来技術の化粧パウダーパッケージ、例えばフェースパウダーは、一般的に、ねじ込み式の首部4を備えた、プラスチック、金属、又はガラスで作られた瓶1と、クロージャとして首部4上にねじ留めすることができるプラスチック又は金属のキャップ2とから成る。瓶は製品貯蔵容器7を画定し、首部4は、貯蔵容器7へのアクセスを提供する開口部8を画定する。プラスチックの射出成形されたシフター3は、瓶の首部内側の開口部8内に摩擦嵌めされる。シフター3のほぼ平坦な天面5は、一般に首部4の上縁部6よりも下方に窪んでいるので、シフター3の天面5とキャップ2の底面11との間には隙間10が作り出される。天面5にある複数の小さな穴9によって瓶1が逆さまにされたとき、パウダー(図示なし)がシフター3を通って貯蔵容器7から隙間10に流れ込むことができる。キャップ2を外すと、パウダーは、ユーザの皮膚上、又はパウダーブラシ若しくはパウダーパフなどのアプリケータ上に直接振りかけられてもよく、或いは、パウダーは、ユーザがアプリケータをつけることができる別個のディッシュ又はトレイに振り入れられてもよい。或いは、キャップ2が瓶1の首部4に固定された状態で、瓶1を少しの間逆さまにして、パウダーが穴9を通って隙間10に流れ込めるようにすることができる。瓶1が直立位置に戻されると、パウダーの一部はシフター3の天面5上に残る。次に、ユーザは、キャップ2を外して、シフター3の天面5上に溜まったパウダーにアクセスすることができる。
【0003】
従来技術の構成に伴う問題は、シフターの天面上に堆積する製品の量に対するユーザの制御が限定されることである。それに加えて、使用中、シフター3の天面5上に保持されたパウダーは、穴9を通って製品貯蔵容器7内へと再び落ちる傾向があり、そのことによって、ひいては、ユーザにアクセス可能な残されるパウダーの量が不十分になることがある。瓶の中のパウダーへのアクセスを改善するため、一部のユーザはシフターを首部から外すことさえある。その結果、ユーザはアプリケータを製品貯蔵容器に挿入して製品を取り出すことができ、又は、ユーザはパウダーを瓶からキャップに空け、ブラシ若しくはパフを用いてパウダーをキャップから取り出すことができる。キャップ内の未使用のパウダーは再び瓶に流し込まれる。上述の方法は両方とも不便であり、且つ散らかる場合がある。
【0004】
したがって、従来技術の設計の不便さ又は散らかりを伴わない、内容物の一部分へのアクセスを提供することができるパウダーパッケージが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一つの目的は、瓶の内容物の一部分への便利なアクセスを提供する化粧品容器を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、従来技術の問題を回避する、製品への便利なアクセスを備えた化粧品容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、製品貯蔵容器よりも上方且つ瓶のキャップよりも下方でパウダー瓶の首部に嵌め込むためのシフター挿入物が提供される。シフター挿入物は、ある量のパウダー製品を支持する中央の凹状ディッシュ部分を有する。ディッシュ部分の外周の周りには、外壁及び内壁によってチャネルが画定される。外壁は、ディッシュ部分がキャップの底面よりも下方にある距離を空けて置かれるようにして、シフター挿入物を瓶の首部の開口部内で固定する。換言すれば、ディッシュ部分とキャップの底面との間には隙間がある。シフターの内壁又は外壁どちらかのチャネルのスロット状開口部によって、瓶が逆さまにされると、パウダーが製品貯蔵容器からチャネルに流れ込み、その後、隙間を通ることが可能になる。逆さまの瓶が真っ直ぐにされると、隙間を通ったある量のパウダーがディッシュ部分上に堆積され、そこでは、キャップを瓶から外すとそのパウダーはユーザにとってアクセス可能となっている。パウダーブラシ又はパフを使用して、ディッシュ部分に堆積した量からパウダーが取り出されてもよい。ユーザがパウダー製品をディッシュ部分から取り出し終えると、キャップを瓶に固定することができ、瓶を振って、余分な製品をディッシュ部分からスロットを通して製品貯蔵容器へと戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の化粧品パッケージの斜視断面分解組立図である。
【図2】従来技術の斜視断面分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1には、プラスチック、金属、又はガラスで作られた、ねじ込み式の首部4を備えた瓶1が示されている。また、クロージャとして首部4上にねじ留めすることができる、協働するようにねじ山が付けられたプラスチック又は金属のキャップ2が提供される。瓶は製品貯蔵容器7を画定し、首部4は、製品貯蔵容器7へのアクセスを提供する開口部8を画定する。首部4は上縁部6を有しており、キャップ2は底面11を有している。
【0010】
シフター挿入物20は、開口部8に受け入れられるように寸法が定められる。挿入物20は、瓶1の開口部8内で挿入物20を支持するように適合された外周壁22を有している。挿入物20は、例えば、開口部8内での摩擦嵌め又はプレス嵌めによって固定することができる。外周壁22は頂端部24から下端部26まで垂下する。内周壁28は、外周壁22の下端部26から上端部30まで上向きに延在する。周チャネル32は外周壁22と内周壁28との間に画定される。
【0011】
凹状ディッシュ部分34は内周壁28の上端部30によって支持される。ディッシュ部分34は、ある量のパウダー(図示なし)を受け入れ保持するように適合される。シフター挿入物20は、ディッシュ部分34がキャップ2の底面11よりも下方の予め定められた距離で支持されて、内周壁28の上端部30とキャップ2の底面11との間に隙間を作り出すようにして、首部4内で固定されるように適合される。これは、ドーム型のキャップ(図示なし)によって達成されてもよい。図示される実施形態では、これは、外周壁22の頂端部24と下端部26との間の第1の距離を画定し、外周壁22の下端部26と内周壁28の上端部30との間の第1の距離よりも短い第2の距離を画定することによって達成される。換言すれば、外周壁22は内周壁28よりも高いので、内周壁の上端部30は外周壁22の頂端部24よりも相対的に低い(高低差又は隙間は、参照番号38の破線によって示される)。外周壁22の頂端部24が首部4の上縁部6とほぼ同じ高さのとき、内周壁28の上端部30は縁部6よりも下方の地点に位置付けられる。パン部分(pan portion)34がキャップ2の底面11よりも下方に位置する予め定められた距離は、例えば、底面が開口部内へと突出するキャップ(図示なし)を収容するのに十分でなければならない。隙間38は、挿入物20のチャネル32とディッシュ部分34との間の流体連通をもたらす。
【0012】
複数のスロット36が外周チャネル32に設けられる。各スロット36は、外周壁22又は内周壁28の少なくとも一方に配置される。各スロットは、外周壁22及び内周壁28の両方にまたがってもよい。スロットの一部分は、挿入物20のパン部分34まで延在してもよい。各スロット36は、外周チャネル32と瓶1の製品貯蔵容器7との間の流体連通をもたらす。
【0013】
キャップ2が瓶1から外され、瓶1が逆さまにされると、パウダーは、製品貯蔵容器7からスロット36を通って任意の選択された場所の上に、例えば、ユーザの皮膚上、別個のパン若しくはディッシュ上、又はブラシ若しくはパフなどのアプリケータ上に流れることができる。
【0014】
好ましくは、使用するパウダーをより効率的に計量するとともに、パウダーを瓶から別個の表面上へと直接振り出すことによって生じ得る散らかりとパウダーの余分な放出を回避するため、キャップ2は最初は瓶1をしっかり閉じたまま保たれる。閉じた瓶1が逆さまにされ、パウダーが製品貯蔵容器7からスロット36を通って外周チャネル32に流れ込む。その後、瓶1が真っ直ぐにされると、隙間38によって、パウダーが外周チャネル32から挿入物20のディッシュ部分34へと流れることが可能になる。したがって、ある量のパウダーがディッシュ部分34上に堆積されて保持され、そこでユーザが、キャップ2を開いた後にブラシ又はパフを用いてパウダーにアクセスすることができる。ユーザがディッシュ部分34上に堆積したパウダーにアクセスし終わると、キャップ2は再び瓶1に固定され、パウダーを製品貯蔵容器7に戻すために逆のプロセスが行われる。隙間38、外周チャネル32、及びスロット36によって、閉じた瓶1を単に振ることでパウダーをディッシュ部分34から製品貯蔵容器7に戻すことができる。
【0015】
外周壁22は、外周壁22の頂端部24から外向きに延在する水平リム40によって、挿入物20を瓶1の開口部8内で支持するように適合されてもよい。リム40は垂下するスカート壁42を備えてもよい。したがって、外周壁22の頂端部24、リム40、及びスカート壁42は、首部4の上縁部6の上に重なる構造を形成する。この重なり合う構造は、挿入物20を開口部8内でしっかりと支え、予め定められた隙間38の指標となる。リム40は、瓶1の首部4の上縁部6とキャップ2の底面11との間のシールとしても作用することができる。
【0016】
複数のスロット36はそれぞれ任意の適切な形状となっており、その形状は例えば、三角形、円形、楕円形、正方形、又は長方形である。挿入物20は、好ましくは射出成形によって、適切なプラスチック材料から成形されるのが好ましい。或いは、機械加工又は型押しされた金属から作ることもできる。スロット36は、射出成形キャビティ内で適切な構造を提供することによって、挿入物20に成形することができる。或いは、挿入物20が、例えば、機械加工、打ち抜き、研削、切断などによって作られた後に、スロット36を形成することができる。
【0017】
挿入物20は、フェースパウダー、ボディーパウダーなどのようなパウダーに使用するのに適している。
【0018】
なお、本願は図示例に何等限定されるものでなく、請求項の範囲から逸脱することのない範囲で、様々な部品の形態や構造を包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部及び製品貯蔵容器を有するパウダー瓶に嵌め込むためのシフター挿入物であって、
前記挿入物を前記瓶の前記開口部内で支持するように適合された、頂端部から下端部まで垂下する外周壁と、
前記外周壁と内周壁との間に周チャネルが画定されるようにして、前記外周壁の前記下端部から上端部まで上向きに延在する内周壁と、
前記内周壁の前記上端部内で支持され、ある量のパウダーを受け入れ保持するように適合された凹状ディッシュ部分と、
前記外周壁又は前記内周壁の少なくとも一方にそれぞれ配置され、前記挿入物の前記外周チャネルと前記瓶の前記製品貯蔵容器との間の流体連通をそれぞれもたらす複数のスロットと、を備える、シフター挿入物。
【請求項2】
第1の距離が前記外周壁の前記頂端部と前記下端部との間で画定され、前記第1の距離よりも短い第2の距離が、前記外周壁の前記下端部と前記内周壁の前記上端部との間で画定される、請求項1に記載のシフター挿入物。
【請求項3】
前記外周壁が、前記頂端部から外向きに延在するリムによって、前記挿入物を前記瓶の前記開口部内で支持するように適合された、請求項1に記載のシフター挿入物。
【請求項4】
前記リムが、垂下するスカート壁を更に備える、請求項3に記載のシフター挿入物。
【請求項5】
前記複数のスロットがそれぞれ、三角形、円形、楕円形、正方形、又は長方形のうち一つから選択された形状を含む、請求項1に記載のシフター挿入物。
【請求項6】
製品貯蔵容器を画定する瓶であって、開口部を画定するねじ込み式の首部を有する瓶と、
前記首部上に受け入れられて前記開口部を選択的に閉じるために協働するようにねじ山が付けられた、底面を有するキャップと、
前記開口部に嵌め込むためのシフター挿入物と、を備え、
前記挿入物が、前記挿入物を前記瓶の前記開口部内で支持するように適合された、頂端部から下端部まで垂下する外周壁と、
前記外周壁と内周壁との間に周チャネルが画定されるようにして、前記外周壁の前記下端部から上端部まで上向きに延在する内周壁と、
前記内周壁の前記上端部内で支持され、ある量のパウダーを受け入れ保持するように適合された凹状ディッシュ部分と、
前記外周壁又は前記内周壁の少なくとも一方にそれぞれ配置され、前記挿入物の前記外周チャネルと前記瓶の前記製品貯蔵容器との間の流体連通をそれぞれもたらす複数のスロットと、を備え、
前記キャップが前記首部上に固定されると、前記外周チャネルと前記ディッシュ部分との間の流体連通をもたらす隙間が、前記キャップの前記下面と前記内周壁の前記上端部との間に提供される、パウダーパッケージ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−528264(P2011−528264A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518786(P2011−518786)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/049489
【国際公開番号】WO2010/008941
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)