化粧料容器
【課題】金型を無理抜きせず2部品を係合できる円筒体を備えた化粧料容器を提供する。
【解決手段】化粧料カートリッジ1を備えた化粧料容器100であって、カートリッジ1の後部を収容する容器本体2と、容器本体2に装着され有底円筒状の円筒体4とを具備し、円筒体4は、その内側に底部から軸線方向に突出する突出部4bと、円筒体4の周壁部4aの内周面に周方向に離間して形成されカートリッジ1の第1部品5を係合する第1突起4eと、突出部4bの外周面に周方向に離間して形成されカートリッジ1の第2部品7を係合する第2突起4fとを備え、底部は、第1突起4eの軸線方向上の位置に内外を連通する第1窓部4gと、第1窓部4gより内側で第2突起4fの軸線方向に対応する位置に内外を連通する第2窓部4hとを有し、第1、第2窓部4g,4hを、成形時に金型を引き抜く窓とすることで、金型を無理抜きせず第1、第2突起4e,4fを成形する。
【解決手段】化粧料カートリッジ1を備えた化粧料容器100であって、カートリッジ1の後部を収容する容器本体2と、容器本体2に装着され有底円筒状の円筒体4とを具備し、円筒体4は、その内側に底部から軸線方向に突出する突出部4bと、円筒体4の周壁部4aの内周面に周方向に離間して形成されカートリッジ1の第1部品5を係合する第1突起4eと、突出部4bの外周面に周方向に離間して形成されカートリッジ1の第2部品7を係合する第2突起4fとを備え、底部は、第1突起4eの軸線方向上の位置に内外を連通する第1窓部4gと、第1窓部4gより内側で第2突起4fの軸線方向に対応する位置に内外を連通する第2窓部4hとを有し、第1、第2窓部4g,4hを、成形時に金型を引き抜く窓とすることで、金型を無理抜きせず第1、第2突起4e,4fを成形する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料を塗布するための化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、円筒体に対して軸線方向に複数箇所の突起を成形する場合には、例えばコアピン等の金型を無理抜きする必要があり、突起の変形、破損を生じる虞があった。そこで、以下の特許文献1には、このような無理抜きを必要としない円筒体及びその製造方法が記載されている。
【0003】
この特許文献1に記載の円筒体は、内周面に円周方向に延びる円弧状の突起を1個以上備え、この突起は円筒体の軸線方向に複数設けられ、これらの突起は軸線方向において重ならない配置とされ、このような円筒体を成形する一対のコアピンは、一方のコアピンが先端面に凹凸を有すると共に、他方のコアピンが先端面に一方のコアピンの凹凸に合致する凸凹を有し、これらを突き合わせると、突き合わせ部の外周面であって、一方のコアピンの凸と他方のコアピンの凹との間、及び、一方のコアピンの凹と他方のコアピンの凸との間に、それぞれ円弧状の隙間が形成されるため、この隙間に対応して上記円弧状の突起を形成でき、従って、一対のコアピンを引き抜く際に無理抜きとならないというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3970273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、化粧料カートリッジを備える化粧料容器にあっては、上記公報に記載の円筒体とは別構造の円筒体であって、上記のように金型を無理抜きすることなく、2部品を係合するための突起をそれぞれ備えた円筒体を用いたいという要求がある。
【0006】
そこで、本発明は、金型を無理抜きすることなく2部品を係合できる円筒体を備えた化粧料容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による化粧料容器は、内部に収容する化粧料を先端から出現可能とする化粧料カートリッジを備えた化粧料容器において、化粧料カートリッジの後部を収容する容器本体と、容器本体に装着され有底円筒状を成す円筒体と、を具備し、円筒体は、その内側に、底部から軸線方向に突出し、円環状又は円周方向に沿って断続し軸線方向視円弧状を成す突出部と、当該円筒体を構成する周壁部の内周面に周方向に沿って離間して形成され、前記化粧料カートリッジを構成する第1部品を係合するための第1突起と、突出部の外周面に周方向に沿って離間して形成され、化粧料カートリッジを構成する第2部品を係合するための第2突起と、を備え、底部は、第1突起の軸線方向に対応する位置に、内外を連通する第1窓部と、第1窓部より内側で第2突起の軸線方向に対応する位置に、内外を連通する第2窓部と、を有することを特徴としている。
【0008】
このような化粧料容器によれば、円筒体が底部に第1窓部、第2窓部を有すると共に、第1窓部、第2窓部の各軸線方向に対応する位置に、周壁部内周面の第1部品係合用の第1突起、突出部外周面の第2部品係合用の第2突起をそれぞれ有する構成のため、第1突起及び第2突起を有する円筒体の成形の際に、以下の成形方法を採用できる。すなわち、円筒体を成形するための一対の金型を軸線方向に向かい合わせて配置し、一方の金型が、第1窓部に対応する位置に第1突出部を具備すると共に第2窓部に対応する位置に第2突出部を具備し、第1突出部の先端側に第1突起を成形するための凹部である空間を備えると共に第2突出部の先端側に第2突起を成形するための凹部である空間を備え、一方の金型の第1突出部を他方の金型の対応する部分に突き合わせてこれらの間の空間に第1突起を成形すると共に、一方の金型の第2突出部を他方の金型の対応する部分に突き合わせてこれらの間の空間に第2突起を成形し、円筒体の成形後に、一方の金型の第1突出部及び第2突出部を無理抜きではなく第1窓部及び前記第2窓部を通してそのまま引く抜くことができる。このように、金型を無理抜きすることなく2部品を係合できる円筒体を備えた化粧料容器とすることができる。
【0009】
ここで、上記作用を効果的に奏する構成としては、具体的には、第1突起は、第1部品を軸線方向に移動不能且つ軸線周りに回転可能に係合し、第2突起は、第2部品を軸線周りに同期回転可能に係合する構成が挙げられる。
【0010】
また、第1突起及び第2突起は、円筒体の軸線方向の略同一位置に径方向に離間して配置されていると、円筒体を軸線方向に小型化でき、その結果、化粧料容器も軸線方向に小型化できる。
【発明の効果】
【0011】
このように本発明によれば、金型を無理抜きすることなく2部品を係合できる円筒体を備えた化粧料容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る化粧料容器の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す化粧料容器の縦断斜視図である。
【図3】図1に示す化粧料容器の縦断面図である。
【図4】図2及び図3中の化粧料カートリッジを示す斜視図である。
【図5】図2及び図3中の雌螺子部材を示す斜視図である。
【図6】図2及び図3中のラチェットバネ部材を示す斜視図である。
【図7】図6に示すラチェットバネ部材の縦断面図である。
【図8】図6に示すラチェットバネ部材の側面図である。
【図9】図7及び図8に示すラチェットバネ部材の左側面図である。
【図10】図2及び図3中の円筒体を上方から見た一部破断斜視図である。
【図11】図2及び図3中の円筒体を下方から見た斜視図である。
【図12】図11に示す円筒体の一部破断斜視図である。
【図13】図10〜図12に示す円筒体を金型を用いて製造する方法の説明図であり、上方から見た分解斜視図である。
【図14】図13の断面斜視図である。
【図15】図13に対応する図であり、下方から見た分解斜視図である。
【図16】図15の断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明による化粧料容器の好適な実施形態について図1〜図16を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る化粧料容器を示す外観斜視図、図2及び図3は、化粧料容器の各断面図、図4は化粧料カートリッジを示す斜視図、図5は、雌螺子部材を示す斜視図、図6〜図9は、ラチェットバネ部材を示す各図、図10〜図12は、円筒体を示す各斜視図、図13〜図16は、金型を用いた円筒体の製造方法を示す各説明図であり、本実施形態の化粧料容器100は、化粧料Lを使用者が必要に応じて適宜押し出し塗布に供するものである。化粧料Lは、ここでは軟らかい棒状の化粧料とされている。
【0015】
図1〜図3に示すように、化粧料容器100は、全体形状が筆記具の如き細長い丸棒状(スティック状)を成し良好な外観を呈するもので、容器前部を構成する化粧料カートリッジ1(図4参照)と、容器後部を構成する容器本体2と、化粧料カートリッジ1を保護すべく当該化粧料カートリッジ1に着脱可能に装着されたキャップ3と、を外形構成として具備し、さらに、容器本体2の後端部に装着されて蓋を成すと共に、化粧料カートリッジ1を構成する2部品を係合するための円筒体4を備える。なお、円筒体4は後述の窓部4g,4hを有するため、この窓部4g,4hが外部から見えないようにするための外蓋30が円筒体4の後端部に装着されている。
【0016】
図2〜図4に示すように、化粧料カートリッジ1は、化粧料Lを収容する略円筒状のカートリッジ筒(外筒、先筒ともいう;第1部品)5を外形構成として備える。このカートリッジ筒5は、その筒孔の略前半部が、化粧料Lを収容し、筒孔の略後半部が、化粧料Lを押し出すべく軸線方向に延在する移動体6と、この移動体6と螺合し螺合機構を構成する雌螺子部材(第2部品)7と、ラチェット機構を構成すると共に移動体6の回り止めとして機能するラチェットバネ部材8と、を収容する。
【0017】
カートリッジ筒5の後端部には、その外周面に、円環状の凹部5aが円筒体4に軸線方向に係合するためのものとして設けられている。また、カートリッジ筒5の後半部の軸線方向中央の内周面には、雌螺子部材7の前進を阻止するための円環状の段差部5cが設けられている。また、カートリッジ筒5の後端部の凹部5aより前側には、内外を連通する軸線方向視円弧状の貫通孔5pが設けられ、この貫通孔5pの後側の内周面に、軸線方向視円弧状の凸部5bが内側に突出し、この円弧状の凸部5bが、雌螺子部材7の後退を阻止するものとして設けられている。また、カートリッジ筒5の内周面の上記段差部5cより前側の位置及びカートリッジ筒5の軸線方向中央の内周面には、軸線方向に延びる凹設溝5d,5eが、ラチェットバネ部材8を回転方向に係合するためのものとして、周方向に沿って複数が設けられている。
【0018】
図2、図3及び図5に示すように、雌螺子部材7は、略円筒状を成し、筒孔の先端部の内周面に、螺合機構の一方を構成する雌螺子7aを軸線方向に沿って備える。この雌螺子部材7の筒孔の後端部の内周面には、周方向に多数の凹凸部が並設されて当該凹凸部が軸線方向に所定長延びるローレット7bが、円筒体4に回転方向に係合するためのものとして設けられている。また、雌螺子部材7の外周面には、その軸線方向略中央の位置に、カートリッジ筒5の段差部5cに対面し軸線方向に係合する円環状の凸部7cが設けられると共に、この凸部7cに連設されて前方に所定長延びる突条7dが、ラチェット機構の一方を構成するものとして周方向に沿って複数個(ここでは4個)設けられている。また、雌螺子部材7の後端部の外周面には、カートリッジ筒5の凸部5bに対面し軸線方向に係合する円環状の凸部7eが設けられている。
【0019】
この雌螺子部材7は、図2及び図3に示すように、カートリッジ筒5の筒孔の後側から内挿され、その凸部7cがカートリッジ筒5の段差部5cに対面すると共にその凸部7eがカートリッジ筒5の凸部5bに対面することで軸線方向前後に係合し、カートリッジ筒5に対して軸線周りに回転可能且つ軸線方向に移動不能に装着されている。
【0020】
ラチェットバネ部材8は、図6〜図9に示すように、略円筒状に構成された樹脂による一体成形品であり、その先端部の回り止め部8aと、その後端部のラチェット部8cと、これらの回り止め部8aとラチェット部8cを接続し軸線方向に伸縮可能なバネ部8bと、を具備する。
【0021】
回り止め部8aは、先端部が閉じられた円筒状に構成され、特に図9に示すように、当該先端部の中央に貫通孔8mを備えている。この貫通孔8mは、移動体6が挿通し当該移動体6の回り止めとして働くもので、対向する二平面8e,8eと、これらの二平面8e,8eの端部同士を円周方向に繋ぐ円弧面8f,8fと、から構成された非円形の孔である。また、回り止め部8aは、その外周面に、軸線方向に延びる突条8gを円周方向に沿って複数備えている。これらの突条8gは、カートリッジ筒5の凹設溝5eに進入し回転方向に係合するためのものであり、3個の突条の組を対向して一対と、1個の突条を対向して一対とを有する。
【0022】
ラチェット部8cは、その後端面に、周方向に沿って垂直面と下り傾斜面を有し雌螺子部材7の突条7dに噛み合って一方向のみの回転(移動体6が前進する回転)を許容するラチェット歯8dを、周方向に沿って複数個(ここでは4個)備えている。また、ラチェット部8cは、その外周面に、回り止め部8aの突条8gと同様な突条8hを備えている。この突条8hは、カートリッジ筒5の凹設溝5dに進入し回転方向に係合するためのものである。
【0023】
バネ部8bは圧縮バネであり、図6〜図8に示すように、ほぼ螺旋状のスリット8iを備え二条螺子状に構成されており、このスリット8iにより、軸線方向に沿って傾斜する傾斜部8jと、この傾斜部8jに続き軸線周りに(軸線に直交する面内で)湾曲する円弧部8kとを軸線方向に沿って交互に有する構成とされている。このバネ部8b及びラチェット歯8dがラチェット機構の他方を構成する。
【0024】
これらの回り止め部8a、バネ部8b及びラチェット部8cを有するラチェットバネ部材8は、図2及び図3に示すように、カートリッジ筒5と雌螺子部材7の前半部との間に挿入されると共に、回り止め部8aの貫通孔8mを有する先端部が雌螺子部材7の先端面に対面するように配置され、回り止め部8aの突条8gがカートリッジ筒5の凹設溝5eに進入し回転方向に係合すると共にラチェット部8cの突条8hがカートリッジ筒5の凹設溝5dに進入し回転方向に係合することで、カートリッジ筒5に対して軸線周りに同期回転可能(回転不能)とされた状態で、バネ部8bによりラチェット部8cが雌螺子部材7の突条7d側に付勢されてラチェット歯8dが突条7dと噛合可能な状態とされている。
【0025】
移動体6は、断面円形状の長尺な軸体とされてほぼ全長に亘って外周に対向する二平面部を形成し、この外周の二平面部同士を繋ぐ一対の対向する円弧面に、雌螺子部材7の雌螺子7aと螺合し螺合機構の他方を構成する雄螺子6aを軸線方向に沿って形成したものである。この移動体6の二平面部及び雄螺子6aは、ラチェットバネ部材8の回り止め部8aの貫通孔8mに合致する形状とされている。また、この移動体6の先端部には、化粧料Lを押し出すためのピストン9が設けられている。
【0026】
この移動体6は、ピストン9より後側の部分が、ラチェットバネ部材8の貫通孔8mを通ると共に雌螺子部材7に内挿され、この貫通孔8mが、移動体6の回り止めとされて移動体6を軸線周りに同期回転可能且つ軸線方向に移動可能に係合すると共に、その雄螺子6aが雌螺子部材7の雌螺子部材7aに螺合した状態とされ、この状態で、ピストン9がカートリッジ筒5の内周面に摺接、又は、僅かなクリアランスを持って係合する状態とされている。
【0027】
このような構成の化粧料カートリッジ1の略後半部を収容する容器本体2は、円筒状を成し、その後端部の内周面で周方向の等配位置(ここでは2箇所)に、容器本体2の後端面から軸線方向に延びる凹設溝2aが、円筒体4を回転方向に係合するためのものとして設けられている。また、容器本体2の後端部の内周面で凹設溝2a,2a間には、周方向に軸線方向視円弧状に延びる凹部(不図示)が、円筒体4を軸線方向に係合するためのものとして設けられている。また、容器本体2の先端部の内周面には、化粧料カートリッジ1にキャップ3を装着したときに化粧料カートリッジ1に密着しキャップ3内の気密性を確保することも可能な円環状の板バネ部材10が装着されている。
【0028】
本実施形態の特徴を成す円筒体4は、図10〜図12に示すように、有底円筒状を成し、この円筒体を構成する周壁部4aの内側に、底部から軸線方向に突出する突出部4bを備える。この突出部4bは、底部と同軸の円周方向に沿って断続し軸線方向視円弧状を成し、ここでは、一対が対向して設けられている。
【0029】
周壁部4aは、その外周面の周方向の等配位置(ここでは2箇所)に、容器本体2の凹設溝2aに進入し回転方向に係合するための突条4cが、軸線方向に延びるように設けられていると共に、その外周面で突条4c,4c間に、容器本体2の円弧状の凹部(不図示)に進入し軸線方向に係合するための凸部4dが周方向に軸線方向視円弧状に延びるように設けられている。
【0030】
また、周壁部4aには、その内周面の周方向の等配位置(ここでは4箇所)に、カートリッジ筒5の凹部5aに進入し軸線方向に係合するための凸部4eが、第1突起として周方向に互いに離間し短尺に延びるように設けられている。
【0031】
また、円弧状を成す突出部4bは、その外周面に、雌螺子部材7のローレット7bに進入し回転方向に係合するための凸部4fが、第2突起として軸線方向に短尺に延びるように設けられている。この第2突起4fは、突出部4bに対して周方向に離間して2個が設けられている。そして、第1突起4e及び第2突起4fは、円筒体4の軸線方向の略同一位置に径方向に離間して配置されている。
【0032】
また、円筒体4の底部で、第1突起4eの軸線方向に対応する位置(軸線方向上の位置)、すなわち周壁部4aの内側には、内外を連通する第1窓部4gが設けられている。この第1窓部4gは、径方向に所定幅を有し軸線方向視円弧状に開口されたスリットである。
【0033】
また、円筒体4の底部で、第1窓部4gより内側で第2突起4fの軸線方向に対応する位置、すなわち突出部4bの外側には、内外を連通する第2窓部4hが設けられている。この第2窓部4hも、径方向に所定幅を有し軸線方向視円弧状に開口されたスリットである。
【0034】
これらの第1窓部4g及び第2窓部4hは、詳しくは後述するが、円筒体4の成形後に金型を引き向くためのものである。
【0035】
そして、円筒体4は、図2及び図3に示すように、化粧料カートリッジ1及び容器本体2の後側に嵌め込まれることで、化粧料容器100が得られる。具体的には、移動体6の後端部が、円筒体4の底部及び突出部4bの内側に収容された状態で、円筒体4の周壁部4aの突条4cが、容器本体2の凹設溝2aに回転方向に係合すると共に、その周壁部4aの凸部4dが、容器本体2の円弧状の凹部(不図示)に軸線方向に係合することで、円筒体4は、容器本体2に対して軸線周りに同期回転可能且つ軸線方向に移動不能に装着され、容器本体2と一体化されている。また、円筒体4は、周壁部4aの第1突起4eが、カートリッジ筒5の凹部5aに軸線方向に係合することで、カートリッジ筒5を軸線周りに回転可能且つ軸線方向に移動不能に装着している。また、円筒体4は、周壁部4aの第2突起4fが、雌螺子部材7のローレット7bに回転方向に係合することで、雌螺子部材7を軸線周りに同期回転可能に装着している。前述したように、容器本体2に対してカートリッジ筒5は軸線方向に移動不能とされ、このカートリッジ筒5に対して雌螺子部材7は軸線方向に移動不能とされているため、雌螺子部材7は、容器本体2に一体化された円筒体4に対して、軸線方向に移動不能且つ軸線周りに同期回転可能とされている。
【0036】
ここで、このような構成を有する円筒体4を製造する方法を図13〜図16を参照しながら説明する。
【0037】
先ず、成形型である金型として、円筒体4の周壁部4aの内側の形状に対応する一対の金型51,52を向かい合わせに用意する。ここでは、図示下型の金型を一方の金型51と呼び、図示上型の金型を他方の金型52と呼ぶ。なお、図13〜図16においては、説明理解の容易性を考慮して、一方の金型51と他方の金型52との間には、成形品である円筒体4が示されている。また、円筒体4の外周面に対応する内周面を有し円筒体4の外周面を成形するための外型は、ここでは、図が煩雑となるのを避けるため、省略されている。
【0038】
一方の金型51は、円柱体の上面において、円筒体4の第1窓部4gの軸線方向に対応する位置に、軸線方向視円弧状を成し第1窓部4gと同じ大きさの第1突出部51aを備えると共に、円筒体4の第2窓部4hの軸線方向に対応する位置に、軸線方向視円弧状を成し第2窓部4hと同じ大きさの第2突出部51bを備える。第1突出部51aの外周面は円筒体4の周壁部4aの内周面を成形するためのものであり、第2突出部51bの内周面は円筒体4の突出部4bの外周面を成形するためのものである。
【0039】
第1突出部51aの先端側の外周面には、第1突起4eを成形するための凹部51cが上方に開放されて設けられていると共に、第2突出部51bの先端側の内周面には、第2突起4fを成形するための凹部51dが上方に開放されて設けられている。
【0040】
他方の金型52は、円柱体の下部が段差を介して上部の大径部52xに対して小径とされた小径部52aを有し、この小径部52aの外周面には、一方の金型51の第1突出部51a,51a間に進入するための凸部52bが径方向に突出し大径部52xの外径と同径となるように連設されている。この凸部52bの外周面は、一方の金型51の第1突出部51aの外周面と共に、円筒体4の周壁部4aの内周面を成形するためのものである。また、小径部52aは、円筒体4の周壁部4aより内側の空間部分を成形するためのものである。そして、大径部52xの下端で、凸部52b,52b同士の間の小径部52aの上端との境界部には、一方の金型51の第1突出部51aの先端側の外周面の凹部51cに合わさり第1突起4eを成形するための凹部52cが下方に開放されて設けられている。
【0041】
また、他方の金型52の小径部52aの底面には、一方の金型51の第2突出部51bが進入するための軸線方向視円弧状の凹部52dが設けられている。この凹部52dは、進入した一方の金型51の第2突出部51bとの間で円筒体4の突出部4bを成形するためのものであり、その内周面は円筒体4の突出部4bの内周面に対応する。また、凹部52dの上端側で外方側の位置には、一方の金型51の第2突出部51bの先端側の内周面の凹部51dに合わさり第2突起4fを成形するための凹部52eが下方に開放されて設けられている。
【0042】
このように構成された金型51,52を用い、円筒体4を成形する場合には、金型51,52を突き合わせ、一方の金型51の上面と他方の金型52の小径部52aの底面を当接させると共に、一方の金型51の第2突出部51bを他方の金型52の凹部52dに進入させ、一方の金型51の第1突出部51aを他方の金型52の凸部52b,52b同士の間に進入させる。この状態で外型により外周側をさらに覆い、全隙間に溶融樹脂を射出する。そして、溶融樹脂が固化することで、円筒体4が得られる。
【0043】
このとき、一方の金型51の第1突出部51aの凹部51c及び他方の金型52の大径部52xの凹部52cにより形成された空間に第1突起4eが成形されると共に、一方の金型51の第2突出部51bの凹部51d及び他方の金型52の凹部52dの凹部52eにより形成された空間に第2突起4fが成形される。
【0044】
このため、成形後には、一方の金型51の第1突出部51a及び第2突出部51bを無理抜きではなくそのまま後退させて円滑に引く抜くことができ、その結果、この引き抜き位置に、第1窓部4g、第2窓部4hが成形されることになる。
【0045】
このように、本実施形態の円筒体4によれば、円筒体4が底部に第1窓部4g、第2窓部4hを有すると共に、第1窓部4g、第2窓部4hの各軸線方向に対応する位置に、周壁部4aの内周面のカートリッジ筒係合用の第1突起4e、突出部4bの外周面の雌螺子部材係合用の第2突起4fをそれぞれ有する構成のため、第1突起4e及び第2突起4fを有する円筒体4の成形の際に、前述の成形方法を採用でき、その結果、成形後に、一方の金型51の第1突出部51a及び第2突出部51bを無理抜きではなく第1窓部4g及び第2窓部4hを通してそのまま引く抜くことができる。従って、本実施形態の円筒体4によれば、金型51を無理抜きすることなく2部品を係合できるものとなる。
【0046】
また、本実施形態の円筒体4にあっては、第1突起4e及び第2突起4fは、円筒体4の軸線方向の略同一位置に径方向に離間して配置されているため、円筒体4を軸線方向に小型化でき、その結果、化粧料容器100も軸線方向に小型化できる。
【0047】
そして、このように成形された円筒体4を有する化粧料容器100にあっては、使用者が容器本体2とカートリッジ筒5とを持って相対回転すると、容器本体2と円筒体4を介して同期回転する雌螺子部材7と、カートリッジ筒5と同期回転するラチェットバネ部材8とが相対回転し、移動体6の雄螺子6a及び雌螺子部材7の雌螺子7aにより構成された螺合機構、及び、ラチェットバネ部材8の非円形の貫通孔8mに移動体6が挿通することで構成される回り止めによって、移動体6が前進し、このとき、ラチェット機構を構成するラチェットバネ部材8のラチェット歯8d、雌螺子部材7の突条7d同士が噛合(係脱)を繰り返し、使用者にはラチェット歯8d、突条7d同士が係合する度にクリック感(抵抗感)が与えられながら、前進するピストン9により化粧料Lが先端側に押し出され、カートリッジ筒5の先端の開口から出現し使用状態とされる。このように、使用者に与えられるクリック感により、相対回転の度合いやピストン9の前進具合が感知され、化粧料Lを適量吐出できる。
【0048】
また、移動体6が進退限に位置している状態で、さらにそれ以上進めようとする相対回転力が付与されて過大な回転トルクが作用した場合、具体的には、円筒体4の突出部4bの第2突起4hに対して雌螺子部材7のローレット7bを介して過大な回転トルクが作用した場合には、突出部4bが軸線方向視円弧状を成しているため、この突出部4bが底部を支点として内側に倒れるように湾曲して過大な回転トルクを逃がし、クラッチとして機能する。このため、部品に過負荷が作用することがなく、部品の損傷を防止できる。
【0049】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、円筒体4の突出部4bを、クラッチとして機能させるべく、円周方向に沿って断続し軸線方向視円弧状を成す構成としているが、軸線方向視円環状に構成しても、金型の無理抜きの必要がないという本発明の効果を得ることができる。
【0050】
また、第1突起4eと第2突起4fを入れ替え、その機能を入れ替えるようにしても良い。
【0051】
また、突出部4bを軸線方向逆方向に突出させ、容器本体2の一方端側に第1化粧料カートリッジを配置すると共に他方端側に第2化粧料カートリッジを配置し、円筒体の周壁部の第1突起により第1化粧料カートリッジを係合し、逆方向に突出する突出部の第2突起により第2化粧料カートリッジを係合するようにしても良い。
【0052】
また、上記実施形態においては、特に好適であるとして、化粧料Lを軟らかい棒状の化粧料としているが、液状、半固形状の化粧料に対しても適用可能であり、この場合には、ラチェット機構を設けずに、移動体6と共に化粧料を前進、後退可能とするのが好ましく、ラチェット機構に代えてクリック機構を用いるのがより好ましい。また、カートリッジ筒先端の開口を小さくすることにより、泥状、ジェル状の化粧料を用いることも可能である。
【0053】
また、化粧料Lとして、例えば、リップグロス、リップ、アイカラー、アイライナー、美容液、洗浄液、ネールエナメル、ネールケア溶液、ネールリムーバー、マスカラ、アンチエイジング、ヘアーカラー、頭髪用化粧料、オーラルケア、マッサージオイル、角栓ゆるめ液、ファンデーション、コンシーラー、スキンクリーム、マーキングペン等の筆記用具等のインク、液状の医薬品、泥状物等を始めとした液状の塗布材を用いた塗布材押出容器に対しても勿論適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…化粧料カートリッジ、2…容器本体、4…円筒体、4a…円筒体の周壁部、4b…突出部、4e…第1突起、4f…第2突起、4g…第1窓部、4h…第2窓部、5…カートリッジ筒(第1部品)、7…雌螺子部材(第2部品)、51…金型、100…化粧料容器、L…化粧料。
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料を塗布するための化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、円筒体に対して軸線方向に複数箇所の突起を成形する場合には、例えばコアピン等の金型を無理抜きする必要があり、突起の変形、破損を生じる虞があった。そこで、以下の特許文献1には、このような無理抜きを必要としない円筒体及びその製造方法が記載されている。
【0003】
この特許文献1に記載の円筒体は、内周面に円周方向に延びる円弧状の突起を1個以上備え、この突起は円筒体の軸線方向に複数設けられ、これらの突起は軸線方向において重ならない配置とされ、このような円筒体を成形する一対のコアピンは、一方のコアピンが先端面に凹凸を有すると共に、他方のコアピンが先端面に一方のコアピンの凹凸に合致する凸凹を有し、これらを突き合わせると、突き合わせ部の外周面であって、一方のコアピンの凸と他方のコアピンの凹との間、及び、一方のコアピンの凹と他方のコアピンの凸との間に、それぞれ円弧状の隙間が形成されるため、この隙間に対応して上記円弧状の突起を形成でき、従って、一対のコアピンを引き抜く際に無理抜きとならないというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3970273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、化粧料カートリッジを備える化粧料容器にあっては、上記公報に記載の円筒体とは別構造の円筒体であって、上記のように金型を無理抜きすることなく、2部品を係合するための突起をそれぞれ備えた円筒体を用いたいという要求がある。
【0006】
そこで、本発明は、金型を無理抜きすることなく2部品を係合できる円筒体を備えた化粧料容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による化粧料容器は、内部に収容する化粧料を先端から出現可能とする化粧料カートリッジを備えた化粧料容器において、化粧料カートリッジの後部を収容する容器本体と、容器本体に装着され有底円筒状を成す円筒体と、を具備し、円筒体は、その内側に、底部から軸線方向に突出し、円環状又は円周方向に沿って断続し軸線方向視円弧状を成す突出部と、当該円筒体を構成する周壁部の内周面に周方向に沿って離間して形成され、前記化粧料カートリッジを構成する第1部品を係合するための第1突起と、突出部の外周面に周方向に沿って離間して形成され、化粧料カートリッジを構成する第2部品を係合するための第2突起と、を備え、底部は、第1突起の軸線方向に対応する位置に、内外を連通する第1窓部と、第1窓部より内側で第2突起の軸線方向に対応する位置に、内外を連通する第2窓部と、を有することを特徴としている。
【0008】
このような化粧料容器によれば、円筒体が底部に第1窓部、第2窓部を有すると共に、第1窓部、第2窓部の各軸線方向に対応する位置に、周壁部内周面の第1部品係合用の第1突起、突出部外周面の第2部品係合用の第2突起をそれぞれ有する構成のため、第1突起及び第2突起を有する円筒体の成形の際に、以下の成形方法を採用できる。すなわち、円筒体を成形するための一対の金型を軸線方向に向かい合わせて配置し、一方の金型が、第1窓部に対応する位置に第1突出部を具備すると共に第2窓部に対応する位置に第2突出部を具備し、第1突出部の先端側に第1突起を成形するための凹部である空間を備えると共に第2突出部の先端側に第2突起を成形するための凹部である空間を備え、一方の金型の第1突出部を他方の金型の対応する部分に突き合わせてこれらの間の空間に第1突起を成形すると共に、一方の金型の第2突出部を他方の金型の対応する部分に突き合わせてこれらの間の空間に第2突起を成形し、円筒体の成形後に、一方の金型の第1突出部及び第2突出部を無理抜きではなく第1窓部及び前記第2窓部を通してそのまま引く抜くことができる。このように、金型を無理抜きすることなく2部品を係合できる円筒体を備えた化粧料容器とすることができる。
【0009】
ここで、上記作用を効果的に奏する構成としては、具体的には、第1突起は、第1部品を軸線方向に移動不能且つ軸線周りに回転可能に係合し、第2突起は、第2部品を軸線周りに同期回転可能に係合する構成が挙げられる。
【0010】
また、第1突起及び第2突起は、円筒体の軸線方向の略同一位置に径方向に離間して配置されていると、円筒体を軸線方向に小型化でき、その結果、化粧料容器も軸線方向に小型化できる。
【発明の効果】
【0011】
このように本発明によれば、金型を無理抜きすることなく2部品を係合できる円筒体を備えた化粧料容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る化粧料容器の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す化粧料容器の縦断斜視図である。
【図3】図1に示す化粧料容器の縦断面図である。
【図4】図2及び図3中の化粧料カートリッジを示す斜視図である。
【図5】図2及び図3中の雌螺子部材を示す斜視図である。
【図6】図2及び図3中のラチェットバネ部材を示す斜視図である。
【図7】図6に示すラチェットバネ部材の縦断面図である。
【図8】図6に示すラチェットバネ部材の側面図である。
【図9】図7及び図8に示すラチェットバネ部材の左側面図である。
【図10】図2及び図3中の円筒体を上方から見た一部破断斜視図である。
【図11】図2及び図3中の円筒体を下方から見た斜視図である。
【図12】図11に示す円筒体の一部破断斜視図である。
【図13】図10〜図12に示す円筒体を金型を用いて製造する方法の説明図であり、上方から見た分解斜視図である。
【図14】図13の断面斜視図である。
【図15】図13に対応する図であり、下方から見た分解斜視図である。
【図16】図15の断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明による化粧料容器の好適な実施形態について図1〜図16を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る化粧料容器を示す外観斜視図、図2及び図3は、化粧料容器の各断面図、図4は化粧料カートリッジを示す斜視図、図5は、雌螺子部材を示す斜視図、図6〜図9は、ラチェットバネ部材を示す各図、図10〜図12は、円筒体を示す各斜視図、図13〜図16は、金型を用いた円筒体の製造方法を示す各説明図であり、本実施形態の化粧料容器100は、化粧料Lを使用者が必要に応じて適宜押し出し塗布に供するものである。化粧料Lは、ここでは軟らかい棒状の化粧料とされている。
【0015】
図1〜図3に示すように、化粧料容器100は、全体形状が筆記具の如き細長い丸棒状(スティック状)を成し良好な外観を呈するもので、容器前部を構成する化粧料カートリッジ1(図4参照)と、容器後部を構成する容器本体2と、化粧料カートリッジ1を保護すべく当該化粧料カートリッジ1に着脱可能に装着されたキャップ3と、を外形構成として具備し、さらに、容器本体2の後端部に装着されて蓋を成すと共に、化粧料カートリッジ1を構成する2部品を係合するための円筒体4を備える。なお、円筒体4は後述の窓部4g,4hを有するため、この窓部4g,4hが外部から見えないようにするための外蓋30が円筒体4の後端部に装着されている。
【0016】
図2〜図4に示すように、化粧料カートリッジ1は、化粧料Lを収容する略円筒状のカートリッジ筒(外筒、先筒ともいう;第1部品)5を外形構成として備える。このカートリッジ筒5は、その筒孔の略前半部が、化粧料Lを収容し、筒孔の略後半部が、化粧料Lを押し出すべく軸線方向に延在する移動体6と、この移動体6と螺合し螺合機構を構成する雌螺子部材(第2部品)7と、ラチェット機構を構成すると共に移動体6の回り止めとして機能するラチェットバネ部材8と、を収容する。
【0017】
カートリッジ筒5の後端部には、その外周面に、円環状の凹部5aが円筒体4に軸線方向に係合するためのものとして設けられている。また、カートリッジ筒5の後半部の軸線方向中央の内周面には、雌螺子部材7の前進を阻止するための円環状の段差部5cが設けられている。また、カートリッジ筒5の後端部の凹部5aより前側には、内外を連通する軸線方向視円弧状の貫通孔5pが設けられ、この貫通孔5pの後側の内周面に、軸線方向視円弧状の凸部5bが内側に突出し、この円弧状の凸部5bが、雌螺子部材7の後退を阻止するものとして設けられている。また、カートリッジ筒5の内周面の上記段差部5cより前側の位置及びカートリッジ筒5の軸線方向中央の内周面には、軸線方向に延びる凹設溝5d,5eが、ラチェットバネ部材8を回転方向に係合するためのものとして、周方向に沿って複数が設けられている。
【0018】
図2、図3及び図5に示すように、雌螺子部材7は、略円筒状を成し、筒孔の先端部の内周面に、螺合機構の一方を構成する雌螺子7aを軸線方向に沿って備える。この雌螺子部材7の筒孔の後端部の内周面には、周方向に多数の凹凸部が並設されて当該凹凸部が軸線方向に所定長延びるローレット7bが、円筒体4に回転方向に係合するためのものとして設けられている。また、雌螺子部材7の外周面には、その軸線方向略中央の位置に、カートリッジ筒5の段差部5cに対面し軸線方向に係合する円環状の凸部7cが設けられると共に、この凸部7cに連設されて前方に所定長延びる突条7dが、ラチェット機構の一方を構成するものとして周方向に沿って複数個(ここでは4個)設けられている。また、雌螺子部材7の後端部の外周面には、カートリッジ筒5の凸部5bに対面し軸線方向に係合する円環状の凸部7eが設けられている。
【0019】
この雌螺子部材7は、図2及び図3に示すように、カートリッジ筒5の筒孔の後側から内挿され、その凸部7cがカートリッジ筒5の段差部5cに対面すると共にその凸部7eがカートリッジ筒5の凸部5bに対面することで軸線方向前後に係合し、カートリッジ筒5に対して軸線周りに回転可能且つ軸線方向に移動不能に装着されている。
【0020】
ラチェットバネ部材8は、図6〜図9に示すように、略円筒状に構成された樹脂による一体成形品であり、その先端部の回り止め部8aと、その後端部のラチェット部8cと、これらの回り止め部8aとラチェット部8cを接続し軸線方向に伸縮可能なバネ部8bと、を具備する。
【0021】
回り止め部8aは、先端部が閉じられた円筒状に構成され、特に図9に示すように、当該先端部の中央に貫通孔8mを備えている。この貫通孔8mは、移動体6が挿通し当該移動体6の回り止めとして働くもので、対向する二平面8e,8eと、これらの二平面8e,8eの端部同士を円周方向に繋ぐ円弧面8f,8fと、から構成された非円形の孔である。また、回り止め部8aは、その外周面に、軸線方向に延びる突条8gを円周方向に沿って複数備えている。これらの突条8gは、カートリッジ筒5の凹設溝5eに進入し回転方向に係合するためのものであり、3個の突条の組を対向して一対と、1個の突条を対向して一対とを有する。
【0022】
ラチェット部8cは、その後端面に、周方向に沿って垂直面と下り傾斜面を有し雌螺子部材7の突条7dに噛み合って一方向のみの回転(移動体6が前進する回転)を許容するラチェット歯8dを、周方向に沿って複数個(ここでは4個)備えている。また、ラチェット部8cは、その外周面に、回り止め部8aの突条8gと同様な突条8hを備えている。この突条8hは、カートリッジ筒5の凹設溝5dに進入し回転方向に係合するためのものである。
【0023】
バネ部8bは圧縮バネであり、図6〜図8に示すように、ほぼ螺旋状のスリット8iを備え二条螺子状に構成されており、このスリット8iにより、軸線方向に沿って傾斜する傾斜部8jと、この傾斜部8jに続き軸線周りに(軸線に直交する面内で)湾曲する円弧部8kとを軸線方向に沿って交互に有する構成とされている。このバネ部8b及びラチェット歯8dがラチェット機構の他方を構成する。
【0024】
これらの回り止め部8a、バネ部8b及びラチェット部8cを有するラチェットバネ部材8は、図2及び図3に示すように、カートリッジ筒5と雌螺子部材7の前半部との間に挿入されると共に、回り止め部8aの貫通孔8mを有する先端部が雌螺子部材7の先端面に対面するように配置され、回り止め部8aの突条8gがカートリッジ筒5の凹設溝5eに進入し回転方向に係合すると共にラチェット部8cの突条8hがカートリッジ筒5の凹設溝5dに進入し回転方向に係合することで、カートリッジ筒5に対して軸線周りに同期回転可能(回転不能)とされた状態で、バネ部8bによりラチェット部8cが雌螺子部材7の突条7d側に付勢されてラチェット歯8dが突条7dと噛合可能な状態とされている。
【0025】
移動体6は、断面円形状の長尺な軸体とされてほぼ全長に亘って外周に対向する二平面部を形成し、この外周の二平面部同士を繋ぐ一対の対向する円弧面に、雌螺子部材7の雌螺子7aと螺合し螺合機構の他方を構成する雄螺子6aを軸線方向に沿って形成したものである。この移動体6の二平面部及び雄螺子6aは、ラチェットバネ部材8の回り止め部8aの貫通孔8mに合致する形状とされている。また、この移動体6の先端部には、化粧料Lを押し出すためのピストン9が設けられている。
【0026】
この移動体6は、ピストン9より後側の部分が、ラチェットバネ部材8の貫通孔8mを通ると共に雌螺子部材7に内挿され、この貫通孔8mが、移動体6の回り止めとされて移動体6を軸線周りに同期回転可能且つ軸線方向に移動可能に係合すると共に、その雄螺子6aが雌螺子部材7の雌螺子部材7aに螺合した状態とされ、この状態で、ピストン9がカートリッジ筒5の内周面に摺接、又は、僅かなクリアランスを持って係合する状態とされている。
【0027】
このような構成の化粧料カートリッジ1の略後半部を収容する容器本体2は、円筒状を成し、その後端部の内周面で周方向の等配位置(ここでは2箇所)に、容器本体2の後端面から軸線方向に延びる凹設溝2aが、円筒体4を回転方向に係合するためのものとして設けられている。また、容器本体2の後端部の内周面で凹設溝2a,2a間には、周方向に軸線方向視円弧状に延びる凹部(不図示)が、円筒体4を軸線方向に係合するためのものとして設けられている。また、容器本体2の先端部の内周面には、化粧料カートリッジ1にキャップ3を装着したときに化粧料カートリッジ1に密着しキャップ3内の気密性を確保することも可能な円環状の板バネ部材10が装着されている。
【0028】
本実施形態の特徴を成す円筒体4は、図10〜図12に示すように、有底円筒状を成し、この円筒体を構成する周壁部4aの内側に、底部から軸線方向に突出する突出部4bを備える。この突出部4bは、底部と同軸の円周方向に沿って断続し軸線方向視円弧状を成し、ここでは、一対が対向して設けられている。
【0029】
周壁部4aは、その外周面の周方向の等配位置(ここでは2箇所)に、容器本体2の凹設溝2aに進入し回転方向に係合するための突条4cが、軸線方向に延びるように設けられていると共に、その外周面で突条4c,4c間に、容器本体2の円弧状の凹部(不図示)に進入し軸線方向に係合するための凸部4dが周方向に軸線方向視円弧状に延びるように設けられている。
【0030】
また、周壁部4aには、その内周面の周方向の等配位置(ここでは4箇所)に、カートリッジ筒5の凹部5aに進入し軸線方向に係合するための凸部4eが、第1突起として周方向に互いに離間し短尺に延びるように設けられている。
【0031】
また、円弧状を成す突出部4bは、その外周面に、雌螺子部材7のローレット7bに進入し回転方向に係合するための凸部4fが、第2突起として軸線方向に短尺に延びるように設けられている。この第2突起4fは、突出部4bに対して周方向に離間して2個が設けられている。そして、第1突起4e及び第2突起4fは、円筒体4の軸線方向の略同一位置に径方向に離間して配置されている。
【0032】
また、円筒体4の底部で、第1突起4eの軸線方向に対応する位置(軸線方向上の位置)、すなわち周壁部4aの内側には、内外を連通する第1窓部4gが設けられている。この第1窓部4gは、径方向に所定幅を有し軸線方向視円弧状に開口されたスリットである。
【0033】
また、円筒体4の底部で、第1窓部4gより内側で第2突起4fの軸線方向に対応する位置、すなわち突出部4bの外側には、内外を連通する第2窓部4hが設けられている。この第2窓部4hも、径方向に所定幅を有し軸線方向視円弧状に開口されたスリットである。
【0034】
これらの第1窓部4g及び第2窓部4hは、詳しくは後述するが、円筒体4の成形後に金型を引き向くためのものである。
【0035】
そして、円筒体4は、図2及び図3に示すように、化粧料カートリッジ1及び容器本体2の後側に嵌め込まれることで、化粧料容器100が得られる。具体的には、移動体6の後端部が、円筒体4の底部及び突出部4bの内側に収容された状態で、円筒体4の周壁部4aの突条4cが、容器本体2の凹設溝2aに回転方向に係合すると共に、その周壁部4aの凸部4dが、容器本体2の円弧状の凹部(不図示)に軸線方向に係合することで、円筒体4は、容器本体2に対して軸線周りに同期回転可能且つ軸線方向に移動不能に装着され、容器本体2と一体化されている。また、円筒体4は、周壁部4aの第1突起4eが、カートリッジ筒5の凹部5aに軸線方向に係合することで、カートリッジ筒5を軸線周りに回転可能且つ軸線方向に移動不能に装着している。また、円筒体4は、周壁部4aの第2突起4fが、雌螺子部材7のローレット7bに回転方向に係合することで、雌螺子部材7を軸線周りに同期回転可能に装着している。前述したように、容器本体2に対してカートリッジ筒5は軸線方向に移動不能とされ、このカートリッジ筒5に対して雌螺子部材7は軸線方向に移動不能とされているため、雌螺子部材7は、容器本体2に一体化された円筒体4に対して、軸線方向に移動不能且つ軸線周りに同期回転可能とされている。
【0036】
ここで、このような構成を有する円筒体4を製造する方法を図13〜図16を参照しながら説明する。
【0037】
先ず、成形型である金型として、円筒体4の周壁部4aの内側の形状に対応する一対の金型51,52を向かい合わせに用意する。ここでは、図示下型の金型を一方の金型51と呼び、図示上型の金型を他方の金型52と呼ぶ。なお、図13〜図16においては、説明理解の容易性を考慮して、一方の金型51と他方の金型52との間には、成形品である円筒体4が示されている。また、円筒体4の外周面に対応する内周面を有し円筒体4の外周面を成形するための外型は、ここでは、図が煩雑となるのを避けるため、省略されている。
【0038】
一方の金型51は、円柱体の上面において、円筒体4の第1窓部4gの軸線方向に対応する位置に、軸線方向視円弧状を成し第1窓部4gと同じ大きさの第1突出部51aを備えると共に、円筒体4の第2窓部4hの軸線方向に対応する位置に、軸線方向視円弧状を成し第2窓部4hと同じ大きさの第2突出部51bを備える。第1突出部51aの外周面は円筒体4の周壁部4aの内周面を成形するためのものであり、第2突出部51bの内周面は円筒体4の突出部4bの外周面を成形するためのものである。
【0039】
第1突出部51aの先端側の外周面には、第1突起4eを成形するための凹部51cが上方に開放されて設けられていると共に、第2突出部51bの先端側の内周面には、第2突起4fを成形するための凹部51dが上方に開放されて設けられている。
【0040】
他方の金型52は、円柱体の下部が段差を介して上部の大径部52xに対して小径とされた小径部52aを有し、この小径部52aの外周面には、一方の金型51の第1突出部51a,51a間に進入するための凸部52bが径方向に突出し大径部52xの外径と同径となるように連設されている。この凸部52bの外周面は、一方の金型51の第1突出部51aの外周面と共に、円筒体4の周壁部4aの内周面を成形するためのものである。また、小径部52aは、円筒体4の周壁部4aより内側の空間部分を成形するためのものである。そして、大径部52xの下端で、凸部52b,52b同士の間の小径部52aの上端との境界部には、一方の金型51の第1突出部51aの先端側の外周面の凹部51cに合わさり第1突起4eを成形するための凹部52cが下方に開放されて設けられている。
【0041】
また、他方の金型52の小径部52aの底面には、一方の金型51の第2突出部51bが進入するための軸線方向視円弧状の凹部52dが設けられている。この凹部52dは、進入した一方の金型51の第2突出部51bとの間で円筒体4の突出部4bを成形するためのものであり、その内周面は円筒体4の突出部4bの内周面に対応する。また、凹部52dの上端側で外方側の位置には、一方の金型51の第2突出部51bの先端側の内周面の凹部51dに合わさり第2突起4fを成形するための凹部52eが下方に開放されて設けられている。
【0042】
このように構成された金型51,52を用い、円筒体4を成形する場合には、金型51,52を突き合わせ、一方の金型51の上面と他方の金型52の小径部52aの底面を当接させると共に、一方の金型51の第2突出部51bを他方の金型52の凹部52dに進入させ、一方の金型51の第1突出部51aを他方の金型52の凸部52b,52b同士の間に進入させる。この状態で外型により外周側をさらに覆い、全隙間に溶融樹脂を射出する。そして、溶融樹脂が固化することで、円筒体4が得られる。
【0043】
このとき、一方の金型51の第1突出部51aの凹部51c及び他方の金型52の大径部52xの凹部52cにより形成された空間に第1突起4eが成形されると共に、一方の金型51の第2突出部51bの凹部51d及び他方の金型52の凹部52dの凹部52eにより形成された空間に第2突起4fが成形される。
【0044】
このため、成形後には、一方の金型51の第1突出部51a及び第2突出部51bを無理抜きではなくそのまま後退させて円滑に引く抜くことができ、その結果、この引き抜き位置に、第1窓部4g、第2窓部4hが成形されることになる。
【0045】
このように、本実施形態の円筒体4によれば、円筒体4が底部に第1窓部4g、第2窓部4hを有すると共に、第1窓部4g、第2窓部4hの各軸線方向に対応する位置に、周壁部4aの内周面のカートリッジ筒係合用の第1突起4e、突出部4bの外周面の雌螺子部材係合用の第2突起4fをそれぞれ有する構成のため、第1突起4e及び第2突起4fを有する円筒体4の成形の際に、前述の成形方法を採用でき、その結果、成形後に、一方の金型51の第1突出部51a及び第2突出部51bを無理抜きではなく第1窓部4g及び第2窓部4hを通してそのまま引く抜くことができる。従って、本実施形態の円筒体4によれば、金型51を無理抜きすることなく2部品を係合できるものとなる。
【0046】
また、本実施形態の円筒体4にあっては、第1突起4e及び第2突起4fは、円筒体4の軸線方向の略同一位置に径方向に離間して配置されているため、円筒体4を軸線方向に小型化でき、その結果、化粧料容器100も軸線方向に小型化できる。
【0047】
そして、このように成形された円筒体4を有する化粧料容器100にあっては、使用者が容器本体2とカートリッジ筒5とを持って相対回転すると、容器本体2と円筒体4を介して同期回転する雌螺子部材7と、カートリッジ筒5と同期回転するラチェットバネ部材8とが相対回転し、移動体6の雄螺子6a及び雌螺子部材7の雌螺子7aにより構成された螺合機構、及び、ラチェットバネ部材8の非円形の貫通孔8mに移動体6が挿通することで構成される回り止めによって、移動体6が前進し、このとき、ラチェット機構を構成するラチェットバネ部材8のラチェット歯8d、雌螺子部材7の突条7d同士が噛合(係脱)を繰り返し、使用者にはラチェット歯8d、突条7d同士が係合する度にクリック感(抵抗感)が与えられながら、前進するピストン9により化粧料Lが先端側に押し出され、カートリッジ筒5の先端の開口から出現し使用状態とされる。このように、使用者に与えられるクリック感により、相対回転の度合いやピストン9の前進具合が感知され、化粧料Lを適量吐出できる。
【0048】
また、移動体6が進退限に位置している状態で、さらにそれ以上進めようとする相対回転力が付与されて過大な回転トルクが作用した場合、具体的には、円筒体4の突出部4bの第2突起4hに対して雌螺子部材7のローレット7bを介して過大な回転トルクが作用した場合には、突出部4bが軸線方向視円弧状を成しているため、この突出部4bが底部を支点として内側に倒れるように湾曲して過大な回転トルクを逃がし、クラッチとして機能する。このため、部品に過負荷が作用することがなく、部品の損傷を防止できる。
【0049】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、円筒体4の突出部4bを、クラッチとして機能させるべく、円周方向に沿って断続し軸線方向視円弧状を成す構成としているが、軸線方向視円環状に構成しても、金型の無理抜きの必要がないという本発明の効果を得ることができる。
【0050】
また、第1突起4eと第2突起4fを入れ替え、その機能を入れ替えるようにしても良い。
【0051】
また、突出部4bを軸線方向逆方向に突出させ、容器本体2の一方端側に第1化粧料カートリッジを配置すると共に他方端側に第2化粧料カートリッジを配置し、円筒体の周壁部の第1突起により第1化粧料カートリッジを係合し、逆方向に突出する突出部の第2突起により第2化粧料カートリッジを係合するようにしても良い。
【0052】
また、上記実施形態においては、特に好適であるとして、化粧料Lを軟らかい棒状の化粧料としているが、液状、半固形状の化粧料に対しても適用可能であり、この場合には、ラチェット機構を設けずに、移動体6と共に化粧料を前進、後退可能とするのが好ましく、ラチェット機構に代えてクリック機構を用いるのがより好ましい。また、カートリッジ筒先端の開口を小さくすることにより、泥状、ジェル状の化粧料を用いることも可能である。
【0053】
また、化粧料Lとして、例えば、リップグロス、リップ、アイカラー、アイライナー、美容液、洗浄液、ネールエナメル、ネールケア溶液、ネールリムーバー、マスカラ、アンチエイジング、ヘアーカラー、頭髪用化粧料、オーラルケア、マッサージオイル、角栓ゆるめ液、ファンデーション、コンシーラー、スキンクリーム、マーキングペン等の筆記用具等のインク、液状の医薬品、泥状物等を始めとした液状の塗布材を用いた塗布材押出容器に対しても勿論適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…化粧料カートリッジ、2…容器本体、4…円筒体、4a…円筒体の周壁部、4b…突出部、4e…第1突起、4f…第2突起、4g…第1窓部、4h…第2窓部、5…カートリッジ筒(第1部品)、7…雌螺子部材(第2部品)、51…金型、100…化粧料容器、L…化粧料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容する化粧料を先端から出現可能とする化粧料カートリッジを備えた化粧料容器において、
前記化粧料カートリッジの後部を収容する容器本体と、
前記容器本体に装着され有底円筒状を成す円筒体と、を具備し、
前記円筒体は、
その内側に、底部から軸線方向に突出し、円環状又は円周方向に沿って断続し円弧状を成す突出部と、
当該円筒体を構成する周壁部の内周面に周方向に沿って離間して形成され、前記化粧料カートリッジを構成する第1部品を係合するための第1突起と、
前記突出部の外周面に周方向に沿って離間して形成され、前記化粧料カートリッジを構成する第2部品を係合するための第2突起と、を備え、
前記底部は、
前記第1突起の軸線方向に対応する位置に、内外を連通する第1窓部と、
前記第1窓部より内側で前記第2突起の軸線方向に対応する位置に、内外を連通する第2窓部と、を有することを特徴とする化粧料容器。
【請求項2】
前記円筒体の成形の際に、前記第1窓部及び前記第2窓部を通して金型が引き抜かれることを特徴とする請求項1記載の化粧料容器。
【請求項3】
前記第1突起は、前記第1部品を軸線方向に移動不能且つ軸線周りに回転可能に係合し、
前記第2突起は、前記第2部品を軸線周りに同期回転可能に係合することを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料容器。
【請求項4】
前記第1突起及び前記第2突起は、前記円筒体の軸線方向の略同一位置に径方向に離間して配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の化粧料容器。
【請求項1】
内部に収容する化粧料を先端から出現可能とする化粧料カートリッジを備えた化粧料容器において、
前記化粧料カートリッジの後部を収容する容器本体と、
前記容器本体に装着され有底円筒状を成す円筒体と、を具備し、
前記円筒体は、
その内側に、底部から軸線方向に突出し、円環状又は円周方向に沿って断続し円弧状を成す突出部と、
当該円筒体を構成する周壁部の内周面に周方向に沿って離間して形成され、前記化粧料カートリッジを構成する第1部品を係合するための第1突起と、
前記突出部の外周面に周方向に沿って離間して形成され、前記化粧料カートリッジを構成する第2部品を係合するための第2突起と、を備え、
前記底部は、
前記第1突起の軸線方向に対応する位置に、内外を連通する第1窓部と、
前記第1窓部より内側で前記第2突起の軸線方向に対応する位置に、内外を連通する第2窓部と、を有することを特徴とする化粧料容器。
【請求項2】
前記円筒体の成形の際に、前記第1窓部及び前記第2窓部を通して金型が引き抜かれることを特徴とする請求項1記載の化粧料容器。
【請求項3】
前記第1突起は、前記第1部品を軸線方向に移動不能且つ軸線周りに回転可能に係合し、
前記第2突起は、前記第2部品を軸線周りに同期回転可能に係合することを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料容器。
【請求項4】
前記第1突起及び前記第2突起は、前記円筒体の軸線方向の略同一位置に径方向に離間して配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の化粧料容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−81005(P2012−81005A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228685(P2010−228685)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(591147339)株式会社トキワ (141)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(591147339)株式会社トキワ (141)
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