医用画像診断装置
【目的】医用画像診断装置において画像中の血管部位を正確に抽出する。
【構成】診断部位を計測した画像データを出力する原画像供給部21、データを入力する入力装置22、装置22からの画像データを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段23、該手段23からの血管追跡データを入力し血管辺縁を抽出する抽出手段24、該手段24からの血管抽出データを入力して供給部21からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部25を有する医用画像診断装置において、注目点からの放射状線の平均濃度値の算出ステップ1と、該濃度値から追跡候補線の選出ステップ2と、該候補線上の点を注目点と読み替えるステップ4を有し、終了条件まで血管追跡を行う手段を有し、血管中心を通る線への垂直線の算出ステップ51と、上記血管中心を通る線から外側への濃度勾配の算出ステップ52と、上記濃度勾配を用いる血管辺縁位置の決定ステップ53を有する。
【構成】診断部位を計測した画像データを出力する原画像供給部21、データを入力する入力装置22、装置22からの画像データを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段23、該手段23からの血管追跡データを入力し血管辺縁を抽出する抽出手段24、該手段24からの血管抽出データを入力して供給部21からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部25を有する医用画像診断装置において、注目点からの放射状線の平均濃度値の算出ステップ1と、該濃度値から追跡候補線の選出ステップ2と、該候補線上の点を注目点と読み替えるステップ4を有し、終了条件まで血管追跡を行う手段を有し、血管中心を通る線への垂直線の算出ステップ51と、上記血管中心を通る線から外側への濃度勾配の算出ステップ52と、上記濃度勾配を用いる血管辺縁位置の決定ステップ53を有する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線又は超音波又は電磁波などの情報キャリアを被検体内に透入し、この情報キャリアの変化を計測して診断部位の医用画像を得る例えばX線撮影装置又は超音波断層装置又はX線CT装置又は核医学イメージング装置あるいは磁気共鳴イメージング装置などの医用画像診断装置に関し、特に上記得られた画像中の血管部位を正確に抽出することができる医用画像診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の医用画像診断装置において、画像中の血管部位の抽出を行う場合、被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡部と、この血管追跡部からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出部と、この辺縁抽出部からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成っていた。そして、上記原画像供給部から被検体内の診断部位について計測した画像データを出力し、上記入力装置より入力されたデータを出力し、上記血管追跡部により上記原画像供給部から出力された画像データ及び上記入力装置より出力されたデータを入力し画像中の血管部位の中心付近を追跡し、上記辺縁抽出部により上記血管追跡部から出力された血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出し、上記画像表示部により上記辺縁抽出部から出力された血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示していた。
【0003】図2は従来の医用画像診断装置における血管追跡手段を説明するための図である。この図において、点Pは現在注目している点であり、方向Dは前回の追跡方向であり、血管5の追跡を行なっているものである。いま注目点Pを中心とした半径Rの円6の円周上の濃度プロファイルを考える。図3は、注目点Pを中心とした半円上の濃度プロファイルを示す図である。この半円は前追跡方向Dから±π/2の範囲で求められる。この図のように、追跡すべき血管の中心付近は濃度プロファイルに最大値を持つ。この最大値を持つ方向を次の追跡方向Dnとし、その方向の円周上の点を次の追跡点Pnとする。そして、追跡点Pnを注目点Pと読み替えて順次追跡を行い、上記円周上の濃度プロファイルにあらかじめ定められたしきい値以上の濃度値が存在しない場合に追跡を停止していた。
【0004】また、図4は従来の医用画像診断装置における辺縁抽出手段を説明するための図である。血管7において上記血管追跡手段により求められた血管追跡線8をほぼ垂直に横切る直線9が算出され、上記血管追跡線8をほぼ垂直に横切る直線9上の濃度プロファイル10を算出する。そして、上記濃度プロファイル10の1次濃度勾配11の値が大きく血管中心に近い点を血管辺縁12として求めていた。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、このような従来の医用画像診断装置においては、血管の追跡を円周上の濃度プロファイルにより行っているため、正確な追跡が行えなかった。図5は従来の医用画像診断装置において誤った血管追跡が行われる例を示す図である。この図は血管の主幹部13から血管の枝14が枝分かれしており、血管付近に濃度の高いノイズ15が存在する例である。この場合注目点Pを中心とした円周上の濃度プロファイルは図6のようになる。この濃度プロファイルにより方向Dnが追跡線方向として選ばれ、追跡点Pnが得られることになり、追跡したい血管の主幹部ではなく濃度の高いノイズ15の方に迷走する。また、上記濃度の高いノイズ15がない場合も、追跡したい血管の主幹部13ではなく血管の枝14の方に迷走する。また、この図において血管の枝14及び上記濃度の高いノイズ15が無い場合も、このように屈曲した血管は追跡できない。以上のように、従来の医用画像診断装置における血管の追跡は、血管の枝や周辺のノイズにより迷走し易く、屈曲した血管を追跡できない問題があった。
【0006】また、図14は従来の医用画像診断装置において血管辺縁を誤検出する例を示す図であり、血管115の付近にノイズ16が存在する例である。血管115をほぼ垂直に横切る直線17上の濃度プロファイル18及び1次濃度勾配19が算出されるが、このような例ではノイズ16による1次濃度勾配の値が高く、血管中心に近いため血管115付近のノイズ16を誤って血管辺縁位置と検出する。このように、従来の医用画像診断装置における血管辺縁の抽出は、血管付近の枝やノイズにより誤検知し易い問題があった。
【0007】そこで本発明は、このような問題点に対処し、被検体内の診断部位を計測した医用画像について、画像中の血管部位を正確に抽出する医用画像診断装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段と、この血管追跡手段からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出手段と、この辺縁抽出手段からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成る医用画像診断装置において、注目点からの放射状の線の平均濃度値を計算するステップと、上記平均濃度値を用いて追跡候補線を選出するステップと、上記追跡候補線上の追跡候補点を注目点と読み替えるステップとを有し、追跡終了の条件まで血管追跡を行う手段を有することで達成される(請求項1)。
【0009】また、被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段と、この血管追跡手段からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出手段と、この辺縁抽出手段からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成る医用画像診断装置において、血管の中心付近を通る線にほぼ垂直な線を算出するステップと、上記血管の中心付近を通る線から外側に向かった濃度勾配を算出するステップと、上記濃度勾配を用いて血管辺縁位置を決定するステップを有することで達成される(請求項2)。
【0010】さらに、被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段と、この血管追跡手段からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出手段と、この辺縁抽出手段からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成る医用画像診断装置において、注目点からの放射状の線の平均濃度値を計算するステップと、上記平均濃度値を用いて少なくとも主及び左側及び右側の追跡候補線を選出するステップと、上記少なくとも主及び左側及び右側の追跡候補線上の各追跡候補点を注目点と読み替えるステップと、追跡候補選出の終了条件となるまで追跡候補選出を行うステップと、上記追跡候補選出により複数できた経路の平均濃度及び前方指向度を計算するステップと、上記複数できた経路の平均濃度及び前方指向度を用いて追跡角度を決定するステップと、上記追跡角度方向の線上の濃度値を用いて追跡線の長さ決定するステップと、上記追跡候線上の追跡点を注目点と読み替えるステップとを有し、追跡終了の条件まで血管追跡を行う手段と、血管の中心付近を通る線にほぼ垂直な線を算出するステップと、上記血管の中心付近を通る線から外側に向かった1次濃度勾配を算出するステップと、上記1次濃度勾配を用いて血管辺縁位置を決定するステップを有することで達成される(請求項3)。
【0011】
【作用】以上のように構成された医用画像診断装置は、原画像供給部から被検体内の診断部位について計測した画像データを出力し、また、入力装置より入力されたデータを出力し、血管追跡部により上記原画像供給部から出力された画像データ及び上記入力装置より出力されたデータを入力し、注目点からの放射状の線の平均濃度値を計算し、上記平均濃度値を用いて少なくとも主及び左側及び右側の追跡候補線を選出し、上記少なくとも主及び左側及び右側の追跡候補線上の各追跡候補点を注目点と読み替え、追跡候補選出の終了条件となるまで追跡候補選出を行い、上記追跡候補選出により複数できた経路の平均濃度及び前方指向度を計算し、上記複数できた経路の平均濃度及び前方指向度を用いて追跡角度を決定し、上記追跡角度方向の線上の濃度値を用いて追跡線の長さ決定し、上記追跡候線上の追跡点を注目点と読み替え、追跡終了の条件まで血管追跡を行い、辺縁抽出部により上記血管追跡部から出力された血管追跡データを入力し、血管の中心付近を通る線にほぼ垂直な線を算出し、上記血管の中心付近を通る線から外側に向かった濃度勾配を算出し、上記濃度勾配を用いて血管辺縁位置を決定し、画像表示部により上記辺縁抽出部から出力された血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果するように動作する。これにより、上記得られた画像中の血管部位を正確に抽出することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。図7は、本発明による医用画像診断装置の構成の一実施例を示すブロック図である。この医用画像診断装置は、X線又は超音波又は電磁波などの情報キャリアを被検体内に透入し、この情報キャリアの変化を計測して診断部位の医用画像を得ると共に、この得られた画像について画像中の血管部位を正確に抽出するもので、図に示すように、原画像供給部21と、入力装置22と、血管追跡部23と、辺縁抽出部24と、画像表示部25とを備えて成る。上記原画像供給部21は、被検体内の診断部位について計測した画像データを出力するもので、例えばX線撮影装置又は超音波断層装置又はX線CT装置又は核医学イメージング装置あるいは磁気共鳴イメージング装置などにおいて被検体を計測又は撮影する計測部、あるいは被検体について計測した画像データを記憶しておき必要に応じて読み出す記憶装置などである。
【0013】上記入力装置22は、血管を追跡するためのパラメータを入力するためのもので、例えばキーボードまたはマウスまたはトラックボールあるいはペンなどである。上記血管追跡部23は、上記原画像供給部21からの画像データ及び上記入力装置22からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡するものである。上記辺縁抽出部24は、上記血管追跡部23からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出するものである。上記画像表示部25は、上記辺縁抽出部24からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部21からの原画像と共にその認識結果を表示するもので、例えばテレビモニタから成る。
【0014】次に、このように構成された医用画像診断装置において、得られた画像中の血管部位を正確に抽出する動作を説明する。まず、図7において、原画像供給部21から被検体内の診断部位について計測した画像データが出力される。これは、例えばX線撮影装置又は超音波断層装置又はX線CT装置又は核医学イメージング装置あるいは磁気共鳴イメージング装置などにより実際に計測されたデータでもよいし、予め計測され記憶部に書き込まれたデータを読み出したものでもよい。
【0015】また、上記入力装置22から、外部より入力された血管を追跡するためのパラメータ、例えば追跡開始点が出力される。上記原画像供給部21から出力された被検体内の診断部位について計測した画像データ及び上記入力装置22から出力された血管を追跡するためのパラメータは、上記血管追跡部23に入力され、画像中の血管部位の中心付近が追跡される。図1は、血管追跡のフローチャートを示した図であり、図8は、血管の追跡例を示した図である。まず、上記入力装置22から追跡開始点及び追跡開始方向が入力され、入力された追跡開始点より追跡が開始される。図8の点P及び方向Dはそれぞれ注目点及び前追跡方向であり、追跡開始時では上記入力装置22から入力された追跡開始点及び追跡開始方向となる。前追跡方向Dより±π/2の範囲で注目点Pを中心とした半径Rの円に向かう放射状の直線が求められ、その平均濃度値が算出される(ステップ1)。ここでは放射状の直線上の平均濃度を用いているが、これは曲線でもよい。図9は、放射状の直線の平均濃度値26及び重み関数27を示したグラフである。この平均濃度値26に対し前追跡方向Dでピークを持つ重み関数27がかけられ、この重み付き平均濃度値が最大である方向Dnが追跡方向として選択される(ステップ2)。そして、方向Dnの円周上の追跡候補点Pnが注目点Pと読み替えられ、追跡候補点Pnを注目点として次に示す追跡終了条件まで追跡が繰り返される(ステップ3、ステップ4)。
【0016】[追跡終了条件]
(1)方向Dnの平均濃度値 < 濃度しきい値Tg(2)方向Dnの平均濃度値/方向Dの平均濃度値 < 濃度変化しきい値Tr(3)すでに探索した部位である(4)画像周辺部に達している
【0017】以上のようにすれば、血管の枝127や血管付近のノイズ28を誤追跡することなく、血管主幹部を正確に追跡することができる。また、より高精度な血管追跡を実現する手段として、図10は、血管の追跡を行う第2のフローチャートを示した図であり、図11は、血管の追跡例を示した図である。まず、前追跡方向Dより±π/2の範囲で注目点Pを中心とした放射状の直線の平均濃度値が算出される(ステップ30)。次に、この平均濃度値が最大である方向Dmが主追跡候補線方向として選出される。また、主追跡候補線方向Dmから前追跡方向Dの範囲で、主追跡候補線の選出同様、右側及び左側の追跡候補線が選出される。主及び左側及び右側の追跡候補線の選出はの数1乃至数3のように行われる。
【0018】
【数1】
【0019】
【数2】
【0020】
【数3】
ただし、関数gは放射状の直線上の平均濃度値であり、数4である(ステップ31)。
【0021】
【数4】
そして、各追跡候補点Pm,Pr,Plがそれぞれ注目点PとN−1回読み替えられN段の追跡候補選出が繰り返され、候補がツリー状に広げられる(ステップ32、ステップ33)。次に、ツリー状に広げられ複数できた候補の経路の平均濃度及び前方指向度が計算される。前方指向度は次式のように前追跡方向D及び数5に示す追跡候補角度Dnにより求められる。
【0022】
【数5】
N段の追跡候補選出により1つの経路に対してN個の前方指向度が計算され、その和とその経路の平均濃度値の積が追跡方向決定の評価値として計算される(ステップ34)。そして、複数の経路の中で上記追跡方向決定の評価値が最も大きな経路が選ばれ、その経路における最初の注目点Pからの追跡候補角度を追跡角度と決定する(ステップ35)。このように決定された追跡角度の追跡候補線上において、予め設定した最短長より長い範囲で平均濃度値の最も大きくなる長さを追跡線長とする。(ステップ36)。決定された追跡線の先端を注目点として追跡を繰り返し、上記追跡終了条件となったとき追跡を終了する(ステップ37、ステップ38)。このようにして、画像中の血管部位の中心付近が追跡される。以上のようにすれば、屈曲した血管も正確に追跡することができる。
【0023】また、上記入力装置22から追跡開始点のみでなく追跡終了点も入力することができ、追跡終了点から逆方向に追跡を行い、順方向の追跡により求められた追跡線と交わった部分において結合し、更に正確な追跡を行うこともできる。そして、上記血管追跡部23から出力された血管追跡データは、上記辺縁抽出部24に入力され血管の辺縁が抽出される。
【0024】図12は、血管辺縁を抽出するフローチャートを示した図であり、図13は、血管辺縁抽出の一例を示す図である。図13(a)は、血管40付近にノイズ42が存在する場合を示している。まず、上記血管追跡部23から出力された血管追跡線41のほぼ垂直方向の直線43が算出される(ステップ51)。図13(b)は、この垂直方向の直線43上の濃度プロファイルを示している。次に、血管の中心付近を通る線から外側に向かった1次濃度勾配が算出される。これは、数6乃至数8に示す特定の角度θ方向の1次濃度勾配Gが用いられる。
【0025】
【数6】
【0026】
【数7】
【0027】
【数8】
ただし、f(x,y)は座標(x,y)における濃度値である。
【0028】そして、このように算出された1次濃度勾配の極大点が辺縁候補点として選出される。図13(c)は1次濃度勾配と辺縁候補点を示す図である。上記辺縁候補点の1次濃度勾配値に対して、追跡線を中心として広がる図13(d)に示すような重み関数及び前辺縁点位置44を中心として広がる重み関数が掛け算される。血管追跡線41の両側において重み付けされた1次濃度勾配が最大となる点を辺縁点と決定する(ステップ53)。図13(e)は抽出された辺縁点の例を示す図である。このようにすることにより、血管付近のノイズを間違って検出しにくい血管辺縁抽出が行われる。そして、上記辺縁抽出部24で抽出された血管の辺縁は、上記診断情報表示部に入力され原画像供給部21から出力される画像データと共に表示される。以上のようにすることにより、画像中の血管部位を正確に抽出することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたため、被検体内の診断部位を計測した医用画像について、画像中の血管部位を正確に抽出することができる。このことから、医用画像診断装置の臨床価値を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の血管追跡のフローチャートを示した図。
【図2】 従来の医用画像診断装置における血管追跡手段を説明するための図。
【図3】 注目点Pを中心とした半円上の濃度プロファイルを示す図。
【図4】 従来の医用画像診断装置における辺縁抽出手段を説明するための図。
【図5】 従来の医用画像診断装置において誤った血管追跡が行われる例を示す図。
【図6】 図5における注目点Pを中心とした円周上の濃度プロファイルを示す図。
【図7】 本発明による医用画像診断装置の構成の一実施例を示すブロック図。
【図8】 血管の追跡例を示した図。
【図9】 放射状の直線の平均濃度値及び重み関数を示したグラフ。
【図10】 血管の追跡を行う第2のフローチャートを示した図。
【図11】 血管の追跡例を示した図。
【図12】 血管辺縁を抽出するフローチャートを示した図。
【図13】 血管辺縁抽出の一例を示す図。
【図14】 血管辺縁を誤検知する例を示す図。
【符号の説明】
12 血管辺縁
20 血管辺縁位置
21 原画像供給部
22 入力装置
23 血管追跡部
24 辺縁抽出部
25 画像表示部
44 前辺縁点位置
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線又は超音波又は電磁波などの情報キャリアを被検体内に透入し、この情報キャリアの変化を計測して診断部位の医用画像を得る例えばX線撮影装置又は超音波断層装置又はX線CT装置又は核医学イメージング装置あるいは磁気共鳴イメージング装置などの医用画像診断装置に関し、特に上記得られた画像中の血管部位を正確に抽出することができる医用画像診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の医用画像診断装置において、画像中の血管部位の抽出を行う場合、被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡部と、この血管追跡部からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出部と、この辺縁抽出部からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成っていた。そして、上記原画像供給部から被検体内の診断部位について計測した画像データを出力し、上記入力装置より入力されたデータを出力し、上記血管追跡部により上記原画像供給部から出力された画像データ及び上記入力装置より出力されたデータを入力し画像中の血管部位の中心付近を追跡し、上記辺縁抽出部により上記血管追跡部から出力された血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出し、上記画像表示部により上記辺縁抽出部から出力された血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示していた。
【0003】図2は従来の医用画像診断装置における血管追跡手段を説明するための図である。この図において、点Pは現在注目している点であり、方向Dは前回の追跡方向であり、血管5の追跡を行なっているものである。いま注目点Pを中心とした半径Rの円6の円周上の濃度プロファイルを考える。図3は、注目点Pを中心とした半円上の濃度プロファイルを示す図である。この半円は前追跡方向Dから±π/2の範囲で求められる。この図のように、追跡すべき血管の中心付近は濃度プロファイルに最大値を持つ。この最大値を持つ方向を次の追跡方向Dnとし、その方向の円周上の点を次の追跡点Pnとする。そして、追跡点Pnを注目点Pと読み替えて順次追跡を行い、上記円周上の濃度プロファイルにあらかじめ定められたしきい値以上の濃度値が存在しない場合に追跡を停止していた。
【0004】また、図4は従来の医用画像診断装置における辺縁抽出手段を説明するための図である。血管7において上記血管追跡手段により求められた血管追跡線8をほぼ垂直に横切る直線9が算出され、上記血管追跡線8をほぼ垂直に横切る直線9上の濃度プロファイル10を算出する。そして、上記濃度プロファイル10の1次濃度勾配11の値が大きく血管中心に近い点を血管辺縁12として求めていた。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、このような従来の医用画像診断装置においては、血管の追跡を円周上の濃度プロファイルにより行っているため、正確な追跡が行えなかった。図5は従来の医用画像診断装置において誤った血管追跡が行われる例を示す図である。この図は血管の主幹部13から血管の枝14が枝分かれしており、血管付近に濃度の高いノイズ15が存在する例である。この場合注目点Pを中心とした円周上の濃度プロファイルは図6のようになる。この濃度プロファイルにより方向Dnが追跡線方向として選ばれ、追跡点Pnが得られることになり、追跡したい血管の主幹部ではなく濃度の高いノイズ15の方に迷走する。また、上記濃度の高いノイズ15がない場合も、追跡したい血管の主幹部13ではなく血管の枝14の方に迷走する。また、この図において血管の枝14及び上記濃度の高いノイズ15が無い場合も、このように屈曲した血管は追跡できない。以上のように、従来の医用画像診断装置における血管の追跡は、血管の枝や周辺のノイズにより迷走し易く、屈曲した血管を追跡できない問題があった。
【0006】また、図14は従来の医用画像診断装置において血管辺縁を誤検出する例を示す図であり、血管115の付近にノイズ16が存在する例である。血管115をほぼ垂直に横切る直線17上の濃度プロファイル18及び1次濃度勾配19が算出されるが、このような例ではノイズ16による1次濃度勾配の値が高く、血管中心に近いため血管115付近のノイズ16を誤って血管辺縁位置と検出する。このように、従来の医用画像診断装置における血管辺縁の抽出は、血管付近の枝やノイズにより誤検知し易い問題があった。
【0007】そこで本発明は、このような問題点に対処し、被検体内の診断部位を計測した医用画像について、画像中の血管部位を正確に抽出する医用画像診断装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段と、この血管追跡手段からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出手段と、この辺縁抽出手段からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成る医用画像診断装置において、注目点からの放射状の線の平均濃度値を計算するステップと、上記平均濃度値を用いて追跡候補線を選出するステップと、上記追跡候補線上の追跡候補点を注目点と読み替えるステップとを有し、追跡終了の条件まで血管追跡を行う手段を有することで達成される(請求項1)。
【0009】また、被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段と、この血管追跡手段からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出手段と、この辺縁抽出手段からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成る医用画像診断装置において、血管の中心付近を通る線にほぼ垂直な線を算出するステップと、上記血管の中心付近を通る線から外側に向かった濃度勾配を算出するステップと、上記濃度勾配を用いて血管辺縁位置を決定するステップを有することで達成される(請求項2)。
【0010】さらに、被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段と、この血管追跡手段からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出手段と、この辺縁抽出手段からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成る医用画像診断装置において、注目点からの放射状の線の平均濃度値を計算するステップと、上記平均濃度値を用いて少なくとも主及び左側及び右側の追跡候補線を選出するステップと、上記少なくとも主及び左側及び右側の追跡候補線上の各追跡候補点を注目点と読み替えるステップと、追跡候補選出の終了条件となるまで追跡候補選出を行うステップと、上記追跡候補選出により複数できた経路の平均濃度及び前方指向度を計算するステップと、上記複数できた経路の平均濃度及び前方指向度を用いて追跡角度を決定するステップと、上記追跡角度方向の線上の濃度値を用いて追跡線の長さ決定するステップと、上記追跡候線上の追跡点を注目点と読み替えるステップとを有し、追跡終了の条件まで血管追跡を行う手段と、血管の中心付近を通る線にほぼ垂直な線を算出するステップと、上記血管の中心付近を通る線から外側に向かった1次濃度勾配を算出するステップと、上記1次濃度勾配を用いて血管辺縁位置を決定するステップを有することで達成される(請求項3)。
【0011】
【作用】以上のように構成された医用画像診断装置は、原画像供給部から被検体内の診断部位について計測した画像データを出力し、また、入力装置より入力されたデータを出力し、血管追跡部により上記原画像供給部から出力された画像データ及び上記入力装置より出力されたデータを入力し、注目点からの放射状の線の平均濃度値を計算し、上記平均濃度値を用いて少なくとも主及び左側及び右側の追跡候補線を選出し、上記少なくとも主及び左側及び右側の追跡候補線上の各追跡候補点を注目点と読み替え、追跡候補選出の終了条件となるまで追跡候補選出を行い、上記追跡候補選出により複数できた経路の平均濃度及び前方指向度を計算し、上記複数できた経路の平均濃度及び前方指向度を用いて追跡角度を決定し、上記追跡角度方向の線上の濃度値を用いて追跡線の長さ決定し、上記追跡候線上の追跡点を注目点と読み替え、追跡終了の条件まで血管追跡を行い、辺縁抽出部により上記血管追跡部から出力された血管追跡データを入力し、血管の中心付近を通る線にほぼ垂直な線を算出し、上記血管の中心付近を通る線から外側に向かった濃度勾配を算出し、上記濃度勾配を用いて血管辺縁位置を決定し、画像表示部により上記辺縁抽出部から出力された血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果するように動作する。これにより、上記得られた画像中の血管部位を正確に抽出することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。図7は、本発明による医用画像診断装置の構成の一実施例を示すブロック図である。この医用画像診断装置は、X線又は超音波又は電磁波などの情報キャリアを被検体内に透入し、この情報キャリアの変化を計測して診断部位の医用画像を得ると共に、この得られた画像について画像中の血管部位を正確に抽出するもので、図に示すように、原画像供給部21と、入力装置22と、血管追跡部23と、辺縁抽出部24と、画像表示部25とを備えて成る。上記原画像供給部21は、被検体内の診断部位について計測した画像データを出力するもので、例えばX線撮影装置又は超音波断層装置又はX線CT装置又は核医学イメージング装置あるいは磁気共鳴イメージング装置などにおいて被検体を計測又は撮影する計測部、あるいは被検体について計測した画像データを記憶しておき必要に応じて読み出す記憶装置などである。
【0013】上記入力装置22は、血管を追跡するためのパラメータを入力するためのもので、例えばキーボードまたはマウスまたはトラックボールあるいはペンなどである。上記血管追跡部23は、上記原画像供給部21からの画像データ及び上記入力装置22からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡するものである。上記辺縁抽出部24は、上記血管追跡部23からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出するものである。上記画像表示部25は、上記辺縁抽出部24からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部21からの原画像と共にその認識結果を表示するもので、例えばテレビモニタから成る。
【0014】次に、このように構成された医用画像診断装置において、得られた画像中の血管部位を正確に抽出する動作を説明する。まず、図7において、原画像供給部21から被検体内の診断部位について計測した画像データが出力される。これは、例えばX線撮影装置又は超音波断層装置又はX線CT装置又は核医学イメージング装置あるいは磁気共鳴イメージング装置などにより実際に計測されたデータでもよいし、予め計測され記憶部に書き込まれたデータを読み出したものでもよい。
【0015】また、上記入力装置22から、外部より入力された血管を追跡するためのパラメータ、例えば追跡開始点が出力される。上記原画像供給部21から出力された被検体内の診断部位について計測した画像データ及び上記入力装置22から出力された血管を追跡するためのパラメータは、上記血管追跡部23に入力され、画像中の血管部位の中心付近が追跡される。図1は、血管追跡のフローチャートを示した図であり、図8は、血管の追跡例を示した図である。まず、上記入力装置22から追跡開始点及び追跡開始方向が入力され、入力された追跡開始点より追跡が開始される。図8の点P及び方向Dはそれぞれ注目点及び前追跡方向であり、追跡開始時では上記入力装置22から入力された追跡開始点及び追跡開始方向となる。前追跡方向Dより±π/2の範囲で注目点Pを中心とした半径Rの円に向かう放射状の直線が求められ、その平均濃度値が算出される(ステップ1)。ここでは放射状の直線上の平均濃度を用いているが、これは曲線でもよい。図9は、放射状の直線の平均濃度値26及び重み関数27を示したグラフである。この平均濃度値26に対し前追跡方向Dでピークを持つ重み関数27がかけられ、この重み付き平均濃度値が最大である方向Dnが追跡方向として選択される(ステップ2)。そして、方向Dnの円周上の追跡候補点Pnが注目点Pと読み替えられ、追跡候補点Pnを注目点として次に示す追跡終了条件まで追跡が繰り返される(ステップ3、ステップ4)。
【0016】[追跡終了条件]
(1)方向Dnの平均濃度値 < 濃度しきい値Tg(2)方向Dnの平均濃度値/方向Dの平均濃度値 < 濃度変化しきい値Tr(3)すでに探索した部位である(4)画像周辺部に達している
【0017】以上のようにすれば、血管の枝127や血管付近のノイズ28を誤追跡することなく、血管主幹部を正確に追跡することができる。また、より高精度な血管追跡を実現する手段として、図10は、血管の追跡を行う第2のフローチャートを示した図であり、図11は、血管の追跡例を示した図である。まず、前追跡方向Dより±π/2の範囲で注目点Pを中心とした放射状の直線の平均濃度値が算出される(ステップ30)。次に、この平均濃度値が最大である方向Dmが主追跡候補線方向として選出される。また、主追跡候補線方向Dmから前追跡方向Dの範囲で、主追跡候補線の選出同様、右側及び左側の追跡候補線が選出される。主及び左側及び右側の追跡候補線の選出はの数1乃至数3のように行われる。
【0018】
【数1】
【0019】
【数2】
【0020】
【数3】
ただし、関数gは放射状の直線上の平均濃度値であり、数4である(ステップ31)。
【0021】
【数4】
そして、各追跡候補点Pm,Pr,Plがそれぞれ注目点PとN−1回読み替えられN段の追跡候補選出が繰り返され、候補がツリー状に広げられる(ステップ32、ステップ33)。次に、ツリー状に広げられ複数できた候補の経路の平均濃度及び前方指向度が計算される。前方指向度は次式のように前追跡方向D及び数5に示す追跡候補角度Dnにより求められる。
【0022】
【数5】
N段の追跡候補選出により1つの経路に対してN個の前方指向度が計算され、その和とその経路の平均濃度値の積が追跡方向決定の評価値として計算される(ステップ34)。そして、複数の経路の中で上記追跡方向決定の評価値が最も大きな経路が選ばれ、その経路における最初の注目点Pからの追跡候補角度を追跡角度と決定する(ステップ35)。このように決定された追跡角度の追跡候補線上において、予め設定した最短長より長い範囲で平均濃度値の最も大きくなる長さを追跡線長とする。(ステップ36)。決定された追跡線の先端を注目点として追跡を繰り返し、上記追跡終了条件となったとき追跡を終了する(ステップ37、ステップ38)。このようにして、画像中の血管部位の中心付近が追跡される。以上のようにすれば、屈曲した血管も正確に追跡することができる。
【0023】また、上記入力装置22から追跡開始点のみでなく追跡終了点も入力することができ、追跡終了点から逆方向に追跡を行い、順方向の追跡により求められた追跡線と交わった部分において結合し、更に正確な追跡を行うこともできる。そして、上記血管追跡部23から出力された血管追跡データは、上記辺縁抽出部24に入力され血管の辺縁が抽出される。
【0024】図12は、血管辺縁を抽出するフローチャートを示した図であり、図13は、血管辺縁抽出の一例を示す図である。図13(a)は、血管40付近にノイズ42が存在する場合を示している。まず、上記血管追跡部23から出力された血管追跡線41のほぼ垂直方向の直線43が算出される(ステップ51)。図13(b)は、この垂直方向の直線43上の濃度プロファイルを示している。次に、血管の中心付近を通る線から外側に向かった1次濃度勾配が算出される。これは、数6乃至数8に示す特定の角度θ方向の1次濃度勾配Gが用いられる。
【0025】
【数6】
【0026】
【数7】
【0027】
【数8】
ただし、f(x,y)は座標(x,y)における濃度値である。
【0028】そして、このように算出された1次濃度勾配の極大点が辺縁候補点として選出される。図13(c)は1次濃度勾配と辺縁候補点を示す図である。上記辺縁候補点の1次濃度勾配値に対して、追跡線を中心として広がる図13(d)に示すような重み関数及び前辺縁点位置44を中心として広がる重み関数が掛け算される。血管追跡線41の両側において重み付けされた1次濃度勾配が最大となる点を辺縁点と決定する(ステップ53)。図13(e)は抽出された辺縁点の例を示す図である。このようにすることにより、血管付近のノイズを間違って検出しにくい血管辺縁抽出が行われる。そして、上記辺縁抽出部24で抽出された血管の辺縁は、上記診断情報表示部に入力され原画像供給部21から出力される画像データと共に表示される。以上のようにすることにより、画像中の血管部位を正確に抽出することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたため、被検体内の診断部位を計測した医用画像について、画像中の血管部位を正確に抽出することができる。このことから、医用画像診断装置の臨床価値を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の血管追跡のフローチャートを示した図。
【図2】 従来の医用画像診断装置における血管追跡手段を説明するための図。
【図3】 注目点Pを中心とした半円上の濃度プロファイルを示す図。
【図4】 従来の医用画像診断装置における辺縁抽出手段を説明するための図。
【図5】 従来の医用画像診断装置において誤った血管追跡が行われる例を示す図。
【図6】 図5における注目点Pを中心とした円周上の濃度プロファイルを示す図。
【図7】 本発明による医用画像診断装置の構成の一実施例を示すブロック図。
【図8】 血管の追跡例を示した図。
【図9】 放射状の直線の平均濃度値及び重み関数を示したグラフ。
【図10】 血管の追跡を行う第2のフローチャートを示した図。
【図11】 血管の追跡例を示した図。
【図12】 血管辺縁を抽出するフローチャートを示した図。
【図13】 血管辺縁抽出の一例を示す図。
【図14】 血管辺縁を誤検知する例を示す図。
【符号の説明】
12 血管辺縁
20 血管辺縁位置
21 原画像供給部
22 入力装置
23 血管追跡部
24 辺縁抽出部
25 画像表示部
44 前辺縁点位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段と、この血管追跡手段からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出手段と、この辺縁抽出手段からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成る医用画像診断装置において、注目点からの放射状の線の平均濃度値を計算するステップと、上記平均濃度値を用いて追跡候補線を選出するステップと、上記追跡候補線上の追跡候補点を注目点と読み替えるステップとを有し、追跡終了の条件まで血管追跡を行う手段を有することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段と、この血管追跡手段からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出手段と、この辺縁抽出手段からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成る医用画像診断装置において、血管の中心付近を通る線にほぼ垂直な線を算出するステップと、上記血管の中心付近を通る線から外側に向かった濃度勾配を算出するステップと、上記濃度勾配を用いて血管辺縁位置を決定するステップを有することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項3】被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段と、この血管追跡手段からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出手段と、この辺縁抽出手段からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成る医用画像診断装置において、注目点からの放射状の線の平均濃度値を計算するステップと、上記平均濃度値を用いて少なくとも主及び左側及び右側の追跡候補線を選出するステップと、上記少なくとも主及び左側及び右側の追跡候補線上の各追跡候補点を注目点と読み替えるステップと、追跡候補選出の終了条件となるまで追跡候補選出を行うステップと、上記追跡候補選出により複数できた経路の平均濃度及び前方指向度を計算するステップと、上記複数できた経路の平均濃度及び前方指向度を用いて追跡角度を決定するステップと、上記追跡角度方向の線上の濃度値を用いて追跡線の長さ決定するステップと、上記追跡候線上の追跡点を注目点と読み替えるステップとを有し、追跡終了の条件まで血管追跡を行う手段と、血管の中心付近を通る線にほぼ垂直な線を算出するステップと、上記血管の中心付近を通る線から外側に向かった1次濃度勾配を算出するステップと、上記1次濃度勾配を用いて血管辺縁位置を決定するステップを有することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項1】被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段と、この血管追跡手段からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出手段と、この辺縁抽出手段からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成る医用画像診断装置において、注目点からの放射状の線の平均濃度値を計算するステップと、上記平均濃度値を用いて追跡候補線を選出するステップと、上記追跡候補線上の追跡候補点を注目点と読み替えるステップとを有し、追跡終了の条件まで血管追跡を行う手段を有することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段と、この血管追跡手段からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出手段と、この辺縁抽出手段からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成る医用画像診断装置において、血管の中心付近を通る線にほぼ垂直な線を算出するステップと、上記血管の中心付近を通る線から外側に向かった濃度勾配を算出するステップと、上記濃度勾配を用いて血管辺縁位置を決定するステップを有することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項3】被検体内の診断部位について計測した画像データを出力する原画像供給部と、データを入力する入力装置と、この原画像供給部からの画像データ及びこの入力装置からのデータを入力しその画像中の血管部位の中心付近を追跡する血管追跡手段と、この血管追跡手段からの血管追跡データを入力し血管の辺縁を抽出する辺縁抽出手段と、この辺縁抽出手段からの血管抽出データを入力して上記原画像供給部からの原画像と共にその認識結果を表示する画像表示部とを備えて成る医用画像診断装置において、注目点からの放射状の線の平均濃度値を計算するステップと、上記平均濃度値を用いて少なくとも主及び左側及び右側の追跡候補線を選出するステップと、上記少なくとも主及び左側及び右側の追跡候補線上の各追跡候補点を注目点と読み替えるステップと、追跡候補選出の終了条件となるまで追跡候補選出を行うステップと、上記追跡候補選出により複数できた経路の平均濃度及び前方指向度を計算するステップと、上記複数できた経路の平均濃度及び前方指向度を用いて追跡角度を決定するステップと、上記追跡角度方向の線上の濃度値を用いて追跡線の長さ決定するステップと、上記追跡候線上の追跡点を注目点と読み替えるステップとを有し、追跡終了の条件まで血管追跡を行う手段と、血管の中心付近を通る線にほぼ垂直な線を算出するステップと、上記血管の中心付近を通る線から外側に向かった1次濃度勾配を算出するステップと、上記1次濃度勾配を用いて血管辺縁位置を決定するステップを有することを特徴とする医用画像診断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開平8−89501
【公開日】平成8年(1996)4月9日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−251643
【出願日】平成6年(1994)9月21日
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【公開日】平成8年(1996)4月9日
【国際特許分類】
【出願日】平成6年(1994)9月21日
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
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