医療用コネクタ
【課題】コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力によって雄コネクタと雌コネクタとが分離することのない医療用コネクタを提供する。
【解決手段】本発明の医療用コネクタは、雄コネクタ本体12と、第1のチューブ14と、中空針16と、雄コネクタ本体12の第1の溝部18に挿入される突出部20が上流端部に形成されていると共に下流端部に内側に突出する爪部22が形成されている筒状部24とを有する雄コネクタ10と、雌コネクタ本体42と、第2のチューブ44と、ロート部材46と、ゴム部材48と、押付部材49とを有し、雌コネクタ本体42には、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22を係止する第2の溝部54が形成されていると共に、第2の溝部54の下流側の外周に第3の溝部58が形成され、第3の溝部58から連続して第4の溝部62が形成されている雌コネクタ40とを備えたものである。
【解決手段】本発明の医療用コネクタは、雄コネクタ本体12と、第1のチューブ14と、中空針16と、雄コネクタ本体12の第1の溝部18に挿入される突出部20が上流端部に形成されていると共に下流端部に内側に突出する爪部22が形成されている筒状部24とを有する雄コネクタ10と、雌コネクタ本体42と、第2のチューブ44と、ロート部材46と、ゴム部材48と、押付部材49とを有し、雌コネクタ本体42には、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22を係止する第2の溝部54が形成されていると共に、第2の溝部54の下流側の外周に第3の溝部58が形成され、第3の溝部58から連続して第4の溝部62が形成されている雌コネクタ40とを備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用輸液管の接続に用いられる雄コネクタと雌コネクタから構成される医療用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば医療に用いられる2つのチューブ同士を接続するコネクタとして、留置針が接続されたチューブを基端に備える第1コネクタ部材と、輸液バックが接続されたチューブを基端に備える第2コネクタ部材とからなる下記のような医療用コネクタが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
第1コネクタ部材は、外筒部と、外筒部内に位置し、かつ第1のチューブ接続部内部と連通する内筒部と、外筒部に設けられ、外筒部の内方に突出する第1係合部とを備え、第2コネクタ部材は、外筒部内に挿入可能でありかつ内筒部を内部に収納可能な筒状部と、筒状部の外面に設けられ、かつ筒状部の軸方向に延びる第1係合部係合時用誘導溝と、誘導溝と所定角度をもって接続する第1係合部回動用溝と、回動用溝と所定角度をもって接続する第1係合部離脱用誘導溝と、第1係合部係合時用誘導溝と回動用溝とを区切るように、かつ第1係合部と係合可能に形成された第2係合部とを備えるものである。
【0004】
このものでは、第1コネクタ部材と第2コネクタ部材の連結は、第1コネクタ部材の第1係合部が第2コネクタ部材に対して押し込まれて、第2コネクタ部材の筒状部の軸方向に延びる第1係合部係合時用誘導溝に誘導され、第2コネクタ部材の第2係合部を乗り越えて誘導溝と所定角度をもって接続する第1係合部回動用溝と嵌合することによってなされる。また、第1コネクタ部材と第2コネクタ部材の分離は、第1コネクタ部材が第2コネクタ部材の回動用溝に形成されている保持用リブを乗り越えるように回転されて、回動用溝と所定角度をもって接続する第1係合部離脱用誘導溝に誘導され引き抜かれることによってなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3382053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、コネクタに接続されているチューブがねじれてコネクタに伝達されるねじり力により、第1コネクタ部材が第2コネクタ部材の回動用溝の保持用リブを乗り越えるように回転して、第1コネクタ部材と第2コネクタ部材が分離してしまうおそれがあるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みて、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力によって雄コネクタと雌コネクタとが分離することのない医療用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の医療用コネクタは、医療用輸液管の接続に用いられる雄コネクタと雌コネクタとから構成される医療用コネクタであって、前記雄コネクタ側を上流側として前記雌コネクタ側を下流側としたときに、前記雄コネクタは、円筒状であり前記雌コネクタと接続される下流端から所定の距離上流側の外周の全周に亘って第1の溝部が形成された雄コネクタ本体と、前記雄コネクタ本体の上流部に接続された第1のチューブと、前記雄コネクタ本体に設けられ前記雄コネクタ本体の上流側の前記第1のチューブと下流側とを連通する第1の通路と、前記第1の溝部に挿入される突出部が上流端部に形成されていると共に下流端部に内側に突出する爪部が形成された筒状部とを有し、前記雌コネクタは、円筒状であり雄コネクタと接続される上流端から所定の距離下流側の外周に前記雄コネクタの筒状部の爪部を係止する第2の溝部が形成され、前記第2の溝部の下流側の外周の全周に亘って前記雄コネクタの筒状部の爪部が係合可能な第3の溝部が形成され、前記第3の溝部から連続し上流側に向けて延びる第4の溝部が形成された雌コネクタ本体と、前記雌コネクタ本体の下流部に接続された第2のチューブと、前記雌コネクタ本体に設けられ前記雌コネクタ本体の下流側の前記第1のチューブと上流側とを連通する第2の通路とを有し、前記雄コネクタの筒状部の内部に前記雌コネクタを挿入することにより、前記雄コネクタの前記第1の通路と前記雌コネクタの前記第2の通路とを接続して前記雄コネクタ本体の第1のチューブと前記雌コネクタの第2チューブとを連通すると共に、前記雄コネクタ本体の筒状部の爪部が下流側には移動可能に前記雌コネクタの第2の溝部に係止され、前記雄コネクタの筒状部の突出部と前記雄コネクタ本体の第1の溝部とが係合することで、前記雄コネクタの筒状部の突出部と前記雄コネクタ本体の第1の溝部とが軸回りに相対回転可能となる前記雄コネクタと前記雌コネクタとが連結され、前記雌コネクタに対して前記雄コネクタを下流側に押し込むことで前記雄コネクタの筒状部の爪部を前記雌コネクタの第3の溝部に進入させ、前記雄コネクタを前記雌コネクタに対して回転させて、前記雄コネクタの筒状部の爪部を前記第3の溝部から前記第4の溝部に誘導して引き抜くことで前記雄コネクタと前記雌コネクタとが分離されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、雄コネクタの筒状部の内部に雌コネクタを挿入することにより、雄コネクタの通路と雌コネクタの通路とを接続して雄コネクタ本体の第1のチューブと雌コネクタの第2チューブとが連通すると共に、雄コネクタ本体の筒状部の爪部が雌コネクタの第2の溝部に回転不能に係止され、雄コネクタの筒状部の突出部と雄コネクタ本体の第1の溝部とが係合することで、雄コネクタの筒状部の突出部と雄コネクタ本体の第1の溝部とが軸回りに相対回転可能であるように雄コネクタと前記雌コネクタとが連結される。
【0010】
一方、雌コネクタに対して雄コネクタを下流側に押し込むことで雄コネクタの筒状部の爪部が雌コネクタの第3の溝部に進入して、雄コネクタを雌コネクタの第3の溝部に対して回転させて、雄コネクタの筒状部の爪部を第4の溝部に導入し引き抜くことで雄コネクタと前記雌コネクタとを分離される。
【0011】
従って、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力により雄コネクタの筒状部の突出部と雄コネクタ本体の第1の溝部は軸回りに相対回転可能であるため、雄コネクタと雌コネクタとが分離することが防止される。
【0012】
本発明において、前記雄コネクタの第1の溝部の軸方向の幅は前記雄コネクタの筒状部の突出部の軸方向の幅より大きく形成され、前記筒状部が前記雄コネクタ本体に対して上流位置と下流位置に移動自在であり、前記雄コネクタと前記雌コネクタが接続状態で前記筒状部が上流側のときは前記爪部が前記第2の溝部に位置し、前記筒状部が下流側のときは前記爪部が第3の溝部に位置することが好ましい。
【0013】
この形態によれば、雄コネクタの筒状部を雌コネクタの方向に押し込むことで、雄コネクタの筒状部の爪部が雌コネクタの第2の溝部から第3の溝部に進入する。
【0014】
また、本発明の医療用コネクタは、医療用輸液管の接続に用いられる雄コネクタと雌コネクタとから構成される医療用コネクタであって、前記雄コネクタ側を上流側として前記雌コネクタ側を下流側としたときに、前記雄コネクタは、円筒状に形成されている雄コネクタ本体と、前記雄コネクタ本体の上流部に接続された第1のチューブと、前記雄コネクタ本体に設けられ前記雄コネクタ本体の上流側の前記第1のチューブと下流側とを連通する第1の通路と、前記雄コネクタ本体よりも大径であり軸方向の中間部から下流側に延びると共に下流端部に内側に突出する爪部が形成された筒状部とを有し、前記雌コネクタは、円筒状に形成され外周に第5の溝部及び第6の溝部が形成された雌コネクタ本体と、前記雌コネクタ本体の下流部に接続された第2のチューブと、前記雌コネクタ本体に設けられ前記雌コネクタ本体の下流側の前記第1のチューブと上流側とが連通する第2の通路とを有し、前記雌コネクタ本体の第5の溝部は、上流側から下流側に向けて拡径して傾斜し、前記筒状部の爪部を上流側には移動不能にし、前記筒状部の爪部を円周方向に係止して回転を阻止する突出部を有し、前記雌コネクタ本体の第6の溝部は、前記第5の溝部の傾斜面の中間部から上流に向けて延びると共に記第5の溝部の上流側と段差を有し、前記雄コネクタと前記雌コネクタとが連結する際には、前記筒状部の爪部を前記第5の溝部に係止され、前記雄コネクタと前記雌コネクタとが相対回転したときに前記段差に上り回転が阻止され、前記雄コネクタと前記雌コネクタとを分離する際には、前記筒状部を前記雌コネクタに対して下流側に押し込みながら回転させ、前記爪部が前記段差に当接するのを回避して前記第6の溝部に誘導して引き抜き可能となっていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、雌コネクタは、円筒状に形成され外周に第5の溝部及び第6の溝部が形成された雌コネクタ本体と、雌コネクタ本体の下流部に接続された第2のチューブと、雌コネクタ本体に設けられ雌コネクタ本体の下流側の第1のチューブと上流側とが連通する第2の通路とを有し、
雌コネクタ本体の第5の溝部は、上流側から下流側に向けて拡径して傾斜し、前記筒状部の爪部を上流側には移動不能にし、前記筒状部の爪部を円周方向に係止して回転を阻止する突出部を有し、
雌コネクタ本体の第6の溝部は、第5の溝部の傾斜面の中間部から上流に向けて延びると共に前記第5の溝部の上流側と段差を有し、
雄コネクタと雌コネクタとを連結する際には、筒状部の爪部が第5の溝部に係止され、雄コネクタと雌コネクタとが相対回転したときに段差に上り回転が阻止され、
雄コネクタと雌コネクタとを分離する際には、筒状部を前記雌コネクタに対して下流側に押し込みながら回転させ、爪部が段差に当接するのを回避して第6の溝部に誘導して引き抜き可能となっていることを特徴とする。
【0016】
従って、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力により雄コネクタ本体の筒状部の爪部と雌コネクタ本体の第5の溝部は所定角度軸回りに相対回転可能であるため、雄コネクタと雌コネクタが分離することが防止される。
【0017】
本発明において、前記雄コネクタの筒状部は、前記雄コネクタ本体の下流端部の外周に形成された第1の溝部に挿入される突出部が上流端部に形成されていると共に下流端部に内側に突出する爪部が形成されていることが好ましい。
【0018】
この形態によれば、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力により雄コネクタ本体の筒状部の爪部と雌コネクタ本体の第1の溝部は所定角度軸回りに相対回転可能であり、また、雄コネクタの筒状部の突出部と雄コネクタ本体の第1の溝部は相対回転可能であるため、雄コネクタと雌コネクタとが分離することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る第1実施形態の医療用コネクタの雄コネクタを示す図である。
【図2】第1実施形態の医療用コネクタの雄コネクタにおける筒状部を示す図である。
【図3】第1実施形態の医療用コネクタの雄コネクタにおける筒状部を雄コネクタ本体に係合させる方法を示す図である。
【図4】第1実施形態の医療用コネクタの雌コネクタを示す図である。
【図5】第1実施形態の医療用コネクタの雄コネクタと雌コネクタとが連結される状態を示す図である。
【図6】第1実施形態の医療用コネクタの雄コネクタと雌コネクタとが分離される状態を示す図である。
【図7】第2実施形態の医療用コネクタの雄コネクタを示す図である。
【図8】第2実施形態の医療用コネクタの雌コネクタを示す図である。
【図9】第2実施形態の医療用コネクタの雄コネクタと雌コネクタとが連結される状態を示す図である。
【図10】第2実施形態の医療用コネクタの雄コネクタと雌コネクタとが分離される状態を示す図である。
【図11】第3実施形態の医療用コネクタの雄コネクタと雌コネクタとが連結される状態を示す図である。
【図12】第3実施形態の医療用コネクタの雄コネクタと雌コネクタとが分離される状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
本発明の医療用コネクタは雄コネクタと雌コネクタから構成されている。以下の説明においては、雄コネクタと雌コネクタが接続された状態で雄コネクタを上流側として雌コネクタを下流側とする。
図1を参照して、第1実施形態の医療用コネクタの雄コネクタ10について説明する。図1(a)は雄コネクタ10の正面図及び側面図、並びに図1(b)は雄コネクタ10の側面断面図である。
【0021】
雄コネクタ10は、雄コネクタ本体12と、雄コネクタ本体12の上流端面の中央部から下流側に挿入される第1のチューブ14と、雄コネクタ本体12の下流端面の中央部に第1のチューブ14と連通して下流端部が斜めに形成され下流側に突出するように設けられている中空針(第1の通路)16と、雄コネクタ本体12の下流端部の外周の全周に亘って形成された第1の溝部18に挿入される突出部20が上流端部に形成されていると共に下流端部に内側に突出する爪部22が形成されている筒状部24を備えている。
【0022】
雄コネクタ本体12は、下流側の第1円筒部26と上流側の第2円筒部28とから構成されている。第1円筒部26の側面には、外周の全周に亘って第1の溝部18が形成されている。第1円柱部26の下流端面の中央部から軸方向の上流側には、中空針16設けられている孔30が形成されている。また、第2円筒部28には、上流端面の中央部から軸方向の下流側に孔30まで第1のチューブ14が挿入される孔32が形成されている。
【0023】
図2を参照して、図2(a)は筒状部24の正面図及び側面図、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb断面図、並びに図2(b)は図2(a)のIIc−IIc断面図である。筒状部24には、上流端部の径方向の内側に対称に突出している突出部20が形成されている。また、上流端部の突出部20と直交する下流端部の径方向の内側に対称に突出している爪部22が形成されている。突出部20の両端部には、溝部34,34が下流側に所定の距離延びて形成されている。爪部22の両端部には、溝部36,36が上流側に所定の距離延びて形成されている。
【0024】
図3を参照して、雄コネクタ本体12と筒状部24とが連結する方法について説明する。図3(a)は、雄コネクタ本体12の下流端部に形成されている面取部38に筒状部24の突出部20が当接されている状態を示している。また、図3(b)は、雄コネクタ本体12と筒状部24とが連結されている状態を示している。雄コネクタ本体12と筒状部24との連結は、雄コネクタ本体12の下流端部に形成されている面取部38に筒状部24の突出部20を当接させて、雄コネクタ本体12に対して上流側に押し込むことで、雄コネクタ本体12の第1の溝部18に筒状部24の突出部20が挿入されてなされる。この時、筒状部24の突出部20が雄コネクタ本体12の第1円筒部26の外径に沿って外側に撓むように、突出部20の両端に下流側に所定の距離延びて形成されている溝部34,34が作用する。また、雄コネクタ10の第1の溝部18の軸方向に幅は雄コネクタ10の筒状部24の突出部20の軸方向の幅より大きく形成されている。
【0025】
次に、図4を参照して、第1実施形態の医療用コネクタの雌コネクタ40について説明する。図4(a)は雌コネクタ40の正面図及び側面図、図4(b)は図4(a)のIVb−IVb断面図、並びに図2(b)は図2(a)のIVc−IVc断面図である。
【0026】
雌コネクタ40は、雌コネクタ本体42と、雌コネクタ本体42の下流端面の中央部から上流側に挿入される第2のチューブ44と、雌コネクタ本体42の上流端部の中央部に第2のチューブ44と連通するように設けられたロート状のロート部材(第2の通路)46と、ロート部材46と嵌合する円錐状に形成されたゴム部材48と、ロート部材46の上流端部に設けられゴム部材48をロート部材46に押し付ける環状の押付部材49を備えている。
【0027】
雌コネクタ本体42は、中空の截頭円錐状に形成されている。雌コネクタ本体42には、下流端面の中央部から軸方向の上流側に第2のチューブ44が挿入される孔50が形成されている。また、上流端面の中央部から軸方向の下流側にロート部材46が挿入される孔52が形成されている。
【0028】
雌コネクタ本体42の外周には、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が係止される第2の溝部54が形成されている。第2の溝部54は、軸方向に中央部に断面形状が楔状であり側面視で矩形状に形成されている。また、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22を第2の溝部54に導入する凹面56が形成されている。凹面56は、側面視で最大径から小径の逆三角形状に形成されている。また、第2の溝部54の下流側には、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が係合可能な第3の溝部58が形成されている。第3の溝部58は、第2の溝部54の後壁と雌コネクタ本体42の軸方向の中央部の外周に形成されている鍔部60との間に形成されている。また、第3の溝部58から連続して軸方向とは直交する方向に対称に円弧状となる側面視で三角形状の第4の溝部62が形成されている。また、凹面56と第4の溝部62との間には突出部64が形成されている。
【0029】
次に、図5及び図6を参照して本実施形態の医療用コネクタの連結及び分離方法について説明する。
【0030】
図5(a)は、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが連結される前の状態を示している。図5(b)は、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが連結された状態を示している。
【0031】
図5(a)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが連結される前には、雄コネクタ10の筒状部24の内部に雌コネクタ40を挿入することにより、雄コネクタ10は、雌コネクタ本体42の凹面56に雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が乗り上げて軸方向の下流側に押し込まれる。この時、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22の両端に形成されている溝部36,36の作用で爪部22は外側に撓むことになる。また、雄コネクタ10の中空針16が押付部材49の中央部を通ってゴム部材48に差し込まれる。
【0032】
図5(b)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが連結された状態では、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22は、雌コネクタ本体42の第2の溝部54に係止される。また、雄コネクタ10の中空針16がゴム部材48を貫通して雄コネクタ10の第1のチューブ14と雌コネクタ40の第2チューブ44とが連通される。この時、雄コネクタ本体42を雌コネクタ40に押し込むため、雄コネクタ10の筒状部24は、雌コネクタ本体42の第2の溝部54に係止されて雄コネクタ10の下流端面と雌コネクタ44の上流端面が突き当たって止まる。
【0033】
また、雄コネクタ10の筒状部24の突出部20は、雄コネクタ本体12の第1の溝部18に挿入されているため、雄コネクタ10の筒状部24の突出部20と雄コネクタ本体12の第1の溝部18は軸回りに相対回転可能である。
【0034】
図6(a)は、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離される第1の状態を示している。図6(b)は、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離される第2の状態を示している。
【0035】
図6(a)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離される第1の状態では、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが連結された状態から雄コネクタ10の筒状部24を軸方向の下流側に押し込むことにより、雌コネクタ本体42の第2溝部54の軸方向の下流側に形成されている第3の溝部58に雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が進入している。
【0036】
図6(b)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離される第2の状態では、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が雌コネクタ本体42の第3の溝部58に進入した状態から雄コネクタ10を第4の溝部62に沿って誘導して引いている。更に、雄コネクタ10を軸方向の上流側に引くと雌コネクタ40は中空の截頭円錐状に形成されているため、上流端部で突出部64を乗り越えて雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離される。
【0037】
以上、本実施形態によれば、雄コネクタ10の筒状部24の内部に雌コネクタ40を挿入することにより、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22は雌コネクタ本体42の第2の溝部54で係止されて、雄コネクタ10の筒状部24の突出部20と雄コネクタ本体12の第1の溝部18は軸回りに相対回転可能であるように雄コネクタ10と雌コネクタ40とが連結される。
【0038】
一方、雄コネクタ10の筒状部24を下流側に押し込み筒状部24の爪部22を雌コネクタ本体42の第3の溝部58に進入させて、雄コネクタ10の筒状部24を雌コネクタ本体42の第4の溝部62に沿って引くことで雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離される。
【0039】
従って、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力により雄コネクタ10の筒状部24の突出部20と雄コネクタ本体12の第1の溝部18は軸回りに相対回転可能であるため、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離することが防止される。
【0040】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の医療用コネクタについて説明する。尚、第1実施形態と同一のものは同一の符号を付けて説明を省略する。
【0041】
図7を参照して、第2実施形態の医療用コネクタの雄コネクタ70について説明する。図7(a)は雄コネクタ70の正面図及び側面図、並びに図7(b)は雄コネクタ70の側断面図である。
【0042】
雄コネクタ70は、雄コネクタ本体72と、雄コネクタ本体72の上流端面の中央部から下流側に挿入される第1のチューブ14と、雄コネクタ本体72の軸方向の中央部から上流側に第1のチューブ14と連通して下流端部が斜めに形成され下流側に突出するように設けられている中空針(第1の通路)16と、雄コネクタ本体72の下流端面の端部から下流側に延びる共に下流端部に内側に突出する爪部74が形成されている筒状部76とを備えている。
【0043】
雄コネクタ本体72は、筒状部76、第1円筒部78、及び第2円筒部80から構成されている。筒状部76の爪部74の両端部には、溝部82,82が上流側に所定の距離延びて形成されている。第1円筒部78の下流端面の中央部から軸方向の上流側には、中空針16が設けられている孔84が形成されている。また、第2円筒部80には、下流端面の中央部から軸方向の上流側に孔84まで第1のチューブ14が挿入される孔86が形成されている。
【0044】
次に、図8を参照して、第2実施形態の医療用コネクタの雌コネクタ88について説明する。図8(a)は雌コネクタ88の正面図及び側面図、図8(b)は図8(a)のVIIIb−VIIIb断面図、並びに図8(b)は図8(a)のVIIIc−VIIIc断面図である。
【0045】
雌コネクタ88は、雌コネクタ本体90と、雌コネクタ本体90の下流端面の中央部から上流側に挿入される第2のチューブ44と、雌コネクタ本体90の上流端部の中央部に第2のチューブ44と連通するように設けられたロート状のロート部材(第2の通路)46と、ロート部材46と嵌合する円錐状に形成されたゴム部材48と、ロート部材46の上流端部に設けられゴム部材48をロート部材46に押し付ける環状の押付部材49を備えている。
【0046】
雌コネクタ本体90は、円筒状に形成されている。雌コネクタ本体90には、下流端面の中央部から軸方向の上流側に第2のチューブ44が挿入される孔92が形成されている。また、上流端面の中央部から軸方向の下流側にロート部材46が挿入される孔94が形成されている。
【0047】
雌コネクタ本体90の外周には、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74が係合される第5の溝部96が形成されている。また、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74を溝部96に導入する曲面100が形成されている。曲面100は、雌コネクタ本体90の上流側から下流側にかけて中空の截頭円錐状に雌コネクタ本体90を形成する外周である。溝部96は軸方向の上流側から下流側に向けて拡径するように傾斜して雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74が下流側に移動可能に形成されている。雌コネクタ本体90の溝部96の軸方向に下流側には外周に突出して鍔部98が形成されている。
【0048】
第5の溝部96には、径方向の外側に対称に雄コネクタ70の回転を阻止する突出部102が形成されている。また、曲面100には、突出部102から上流端に向けて延設された第1の壁部104と第1の壁部104と径方向に所定間隔で第2の壁部106とが形成されている。
【0049】
また、突出部102及び第1の壁部104と第2の壁部106との間に下流端部が第5の溝部96の傾斜面の中間部から上流に向けて延びると共に第5の溝部96と段差を有している第6の溝部が形成されている。
【0050】
次に、図9及び図10を参照して本実施形態の医療用コネクタの連結及び分離方法について説明する。
【0051】
図9(a)は、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが連結される前の状態を示している。図9(b)は、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが連結された状態を示している。
【0052】
図9(a)を参照して、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが連結される前には、雄コネクタ本体72の筒状部76の内部に雌コネクタ88を挿入することにより、雌コネクタ本体90の曲面100に雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74が乗り上げて軸方向の下流側に押し込まれる。この時、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74の両端に形成されている溝部82,82の作用で爪部74は外側に撓むことになる。また、雄コネクタ70の中空針16が押付部材49の中央部を通ってゴム部材48に差し込まれる。
【0053】
図9(b)を参照して、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが連結された状態では、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74は、雌コネクタ本体90の第5の溝部96に係合している。また、雄コネクタ70の中空針16がゴム部材を貫通して雄コネクタ70の第1のチューブ14と雌コネクタ88の第2チューブ44とが連通される。
【0054】
また、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74は、雌コネクタ本体90の外周に形成されている第5の溝部96に係合しているため、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74と雌コネクタ本体90の第5の溝部96とは所定角度軸回りに相対回転可能である。
【0055】
図10(a)は、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが分離される第1の状態を示している。図10(b)は、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが分離される第2の状態を示している。
【0056】
図10(a)を参照して、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが分離される第1の状態では、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが連結され雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74が雌コネクタ本体90の第5の溝部96の上流側に係合されている状態から雄コネクタ70を軸方向の下流側に押し込むことにより、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74が雌コネクタ本体90の第5の溝部96の軸方向の下流側に移動する。
【0057】
図10(b)を参照して、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが分離される第2の状態では、第1の状態から雄コネクタ70を突出部102に突き当たるまで第5の溝部96と第6の溝部108との段差を回避して回転され、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74を第6の溝部108に誘導して上流側に引いている。更に、雄コネクタ70を軸方向の上流側に引くと雄コネクタ70と雌コネクタ88とが分離される。
【0058】
以上、本実施形態では、雄コネクタ本体72の筒状部76の内部に雌コネクタ88を挿入することにより、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74は雌コネクタ本体90の第5の溝部96に係合されて、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74と雌コネクタ本体90の第5の溝部96は所定角度軸回りに相対回転可能であるように雄コネクタ70と雌コネクタ88とが連結される。
【0059】
一方、雄コネクタ本体72を下流側に押し込み回転させて雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74を第6の溝部108に沿って上流側に引くことで雄コネクタ70と雌コネクタ88とが分離される。
【0060】
従って、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力により雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74と雌コネクタ本体90の溝部96とは所定角度軸回りに相対回転可能であるため、雄コネクタ70と雌コネクタ88が分離することが防止される。
【0061】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の医療用コネクタについて説明する。尚、第1実施形態又は第2実施形態と同一のものは同一の符号を付けて説明を省略する。第3実施形態の医療用コネクタは、第2実施形態の雄コネクタ70を第1実施形態の雄コネクタ10にすると共に、第2実施形態の雌コネクタ88を適用したものである。
【0062】
図11及び図12を参照して第3実施形態の医療用コネクタの連結及び分離方法について説明する。
【0063】
図11(a)は、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが連結される前の状態を示している。図11(b)は、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが連結された状態を示している。
【0064】
図11(a)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが連結される前には、雄コネクタ10の筒状部24の内部に雌コネクタ88を挿入することにより、雄コネクタ10は、雌コネクタ本体90の曲面100に雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が乗り上げて軸方向の下流側に押し込まれる。この時、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22の両端に形成されている溝部36,36の作用で爪部22は外側に撓むことになる。また、雄コネクタ10の中空針16が押付部材49の中央部を通ってゴム部材48に差し込まれる。
【0065】
図11(b)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが連結された状態では、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22は、雌コネクタ本体90の第5の溝部96に係合している。また、雄コネクタ10の中空針16がゴム部材48を貫通して雄コネクタ10の第1のチューブ14と雌コネクタ88の第2チューブ44とが連通される。
【0066】
図12(a)は、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが分離される第1の状態を示している。図12(b)は、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが分離される第2の状態を示している。
【0067】
図12(a)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが分離される第1の状態では、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが連結され雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が雌コネクタ本体90の第5の溝部96の上流側に係合している状態から雄コネクタ10を軸方向の下流側に押し込むことにより、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が雌コネクタ本体90の第5の溝部96の軸方向の下流側に移動する。
【0068】
図12(b)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが分離される第2の状態では、第1の状態から雄コネクタ10を突出部102に突き当たるまで回転され、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22を第6の溝部108に導入して上流側に引いている。更に、雄コネクタ10を軸方向の上流側に引くことで雄コネクタ10と雌コネクタ88とが分離される。
【0069】
以上、本実施形態によれば、第1実施形態の雄コネクタ10及び第2実施形態の雌コネクタ88を適用しているので、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力により雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74と雌コネクタ本体90の第5の溝部96とは所定角度軸回りに相対回転可能であり、また、雄コネクタ10の突出部20と雄コネクタ10の第1の溝部18は軸回りに相対回転可能であるため、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが分離することが防止される。
【符号の説明】
【0070】
10…雄コネクタ、12…雄コネクタ本体、14…第1のチューブ、16…中空針、18…第1の溝部、20…突出部、22…爪部、24…筒状部、26…第1円筒部、28…第2円筒部、30…孔、32…孔、34…溝部、36…溝部、38…面取部、40…雌コネクタ、42…雌コネクタ本体、44…第2のチューブ、46…ロート部材、48…ゴム部材、49…押付部材、50…孔、52…孔、54…第2の溝部、56…凹面、58…第3の溝部、60…鍔部、62…第4の溝部、64…突出部、70…雄コネクタ、72…雄コネクタ本体、74…爪部、76…筒状部、78…第1円柱部、80…第2円柱部、82…溝部、84…孔、86…孔、88…雌コネクタ、90…雌コネクタ本体、92…孔、94…孔、96…第5の溝部、98…鍔部、100…曲面、102…突出部、104…第1の壁部、106…第2の壁部、108…第6の溝部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用輸液管の接続に用いられる雄コネクタと雌コネクタから構成される医療用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば医療に用いられる2つのチューブ同士を接続するコネクタとして、留置針が接続されたチューブを基端に備える第1コネクタ部材と、輸液バックが接続されたチューブを基端に備える第2コネクタ部材とからなる下記のような医療用コネクタが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
第1コネクタ部材は、外筒部と、外筒部内に位置し、かつ第1のチューブ接続部内部と連通する内筒部と、外筒部に設けられ、外筒部の内方に突出する第1係合部とを備え、第2コネクタ部材は、外筒部内に挿入可能でありかつ内筒部を内部に収納可能な筒状部と、筒状部の外面に設けられ、かつ筒状部の軸方向に延びる第1係合部係合時用誘導溝と、誘導溝と所定角度をもって接続する第1係合部回動用溝と、回動用溝と所定角度をもって接続する第1係合部離脱用誘導溝と、第1係合部係合時用誘導溝と回動用溝とを区切るように、かつ第1係合部と係合可能に形成された第2係合部とを備えるものである。
【0004】
このものでは、第1コネクタ部材と第2コネクタ部材の連結は、第1コネクタ部材の第1係合部が第2コネクタ部材に対して押し込まれて、第2コネクタ部材の筒状部の軸方向に延びる第1係合部係合時用誘導溝に誘導され、第2コネクタ部材の第2係合部を乗り越えて誘導溝と所定角度をもって接続する第1係合部回動用溝と嵌合することによってなされる。また、第1コネクタ部材と第2コネクタ部材の分離は、第1コネクタ部材が第2コネクタ部材の回動用溝に形成されている保持用リブを乗り越えるように回転されて、回動用溝と所定角度をもって接続する第1係合部離脱用誘導溝に誘導され引き抜かれることによってなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3382053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、コネクタに接続されているチューブがねじれてコネクタに伝達されるねじり力により、第1コネクタ部材が第2コネクタ部材の回動用溝の保持用リブを乗り越えるように回転して、第1コネクタ部材と第2コネクタ部材が分離してしまうおそれがあるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みて、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力によって雄コネクタと雌コネクタとが分離することのない医療用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の医療用コネクタは、医療用輸液管の接続に用いられる雄コネクタと雌コネクタとから構成される医療用コネクタであって、前記雄コネクタ側を上流側として前記雌コネクタ側を下流側としたときに、前記雄コネクタは、円筒状であり前記雌コネクタと接続される下流端から所定の距離上流側の外周の全周に亘って第1の溝部が形成された雄コネクタ本体と、前記雄コネクタ本体の上流部に接続された第1のチューブと、前記雄コネクタ本体に設けられ前記雄コネクタ本体の上流側の前記第1のチューブと下流側とを連通する第1の通路と、前記第1の溝部に挿入される突出部が上流端部に形成されていると共に下流端部に内側に突出する爪部が形成された筒状部とを有し、前記雌コネクタは、円筒状であり雄コネクタと接続される上流端から所定の距離下流側の外周に前記雄コネクタの筒状部の爪部を係止する第2の溝部が形成され、前記第2の溝部の下流側の外周の全周に亘って前記雄コネクタの筒状部の爪部が係合可能な第3の溝部が形成され、前記第3の溝部から連続し上流側に向けて延びる第4の溝部が形成された雌コネクタ本体と、前記雌コネクタ本体の下流部に接続された第2のチューブと、前記雌コネクタ本体に設けられ前記雌コネクタ本体の下流側の前記第1のチューブと上流側とを連通する第2の通路とを有し、前記雄コネクタの筒状部の内部に前記雌コネクタを挿入することにより、前記雄コネクタの前記第1の通路と前記雌コネクタの前記第2の通路とを接続して前記雄コネクタ本体の第1のチューブと前記雌コネクタの第2チューブとを連通すると共に、前記雄コネクタ本体の筒状部の爪部が下流側には移動可能に前記雌コネクタの第2の溝部に係止され、前記雄コネクタの筒状部の突出部と前記雄コネクタ本体の第1の溝部とが係合することで、前記雄コネクタの筒状部の突出部と前記雄コネクタ本体の第1の溝部とが軸回りに相対回転可能となる前記雄コネクタと前記雌コネクタとが連結され、前記雌コネクタに対して前記雄コネクタを下流側に押し込むことで前記雄コネクタの筒状部の爪部を前記雌コネクタの第3の溝部に進入させ、前記雄コネクタを前記雌コネクタに対して回転させて、前記雄コネクタの筒状部の爪部を前記第3の溝部から前記第4の溝部に誘導して引き抜くことで前記雄コネクタと前記雌コネクタとが分離されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、雄コネクタの筒状部の内部に雌コネクタを挿入することにより、雄コネクタの通路と雌コネクタの通路とを接続して雄コネクタ本体の第1のチューブと雌コネクタの第2チューブとが連通すると共に、雄コネクタ本体の筒状部の爪部が雌コネクタの第2の溝部に回転不能に係止され、雄コネクタの筒状部の突出部と雄コネクタ本体の第1の溝部とが係合することで、雄コネクタの筒状部の突出部と雄コネクタ本体の第1の溝部とが軸回りに相対回転可能であるように雄コネクタと前記雌コネクタとが連結される。
【0010】
一方、雌コネクタに対して雄コネクタを下流側に押し込むことで雄コネクタの筒状部の爪部が雌コネクタの第3の溝部に進入して、雄コネクタを雌コネクタの第3の溝部に対して回転させて、雄コネクタの筒状部の爪部を第4の溝部に導入し引き抜くことで雄コネクタと前記雌コネクタとを分離される。
【0011】
従って、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力により雄コネクタの筒状部の突出部と雄コネクタ本体の第1の溝部は軸回りに相対回転可能であるため、雄コネクタと雌コネクタとが分離することが防止される。
【0012】
本発明において、前記雄コネクタの第1の溝部の軸方向の幅は前記雄コネクタの筒状部の突出部の軸方向の幅より大きく形成され、前記筒状部が前記雄コネクタ本体に対して上流位置と下流位置に移動自在であり、前記雄コネクタと前記雌コネクタが接続状態で前記筒状部が上流側のときは前記爪部が前記第2の溝部に位置し、前記筒状部が下流側のときは前記爪部が第3の溝部に位置することが好ましい。
【0013】
この形態によれば、雄コネクタの筒状部を雌コネクタの方向に押し込むことで、雄コネクタの筒状部の爪部が雌コネクタの第2の溝部から第3の溝部に進入する。
【0014】
また、本発明の医療用コネクタは、医療用輸液管の接続に用いられる雄コネクタと雌コネクタとから構成される医療用コネクタであって、前記雄コネクタ側を上流側として前記雌コネクタ側を下流側としたときに、前記雄コネクタは、円筒状に形成されている雄コネクタ本体と、前記雄コネクタ本体の上流部に接続された第1のチューブと、前記雄コネクタ本体に設けられ前記雄コネクタ本体の上流側の前記第1のチューブと下流側とを連通する第1の通路と、前記雄コネクタ本体よりも大径であり軸方向の中間部から下流側に延びると共に下流端部に内側に突出する爪部が形成された筒状部とを有し、前記雌コネクタは、円筒状に形成され外周に第5の溝部及び第6の溝部が形成された雌コネクタ本体と、前記雌コネクタ本体の下流部に接続された第2のチューブと、前記雌コネクタ本体に設けられ前記雌コネクタ本体の下流側の前記第1のチューブと上流側とが連通する第2の通路とを有し、前記雌コネクタ本体の第5の溝部は、上流側から下流側に向けて拡径して傾斜し、前記筒状部の爪部を上流側には移動不能にし、前記筒状部の爪部を円周方向に係止して回転を阻止する突出部を有し、前記雌コネクタ本体の第6の溝部は、前記第5の溝部の傾斜面の中間部から上流に向けて延びると共に記第5の溝部の上流側と段差を有し、前記雄コネクタと前記雌コネクタとが連結する際には、前記筒状部の爪部を前記第5の溝部に係止され、前記雄コネクタと前記雌コネクタとが相対回転したときに前記段差に上り回転が阻止され、前記雄コネクタと前記雌コネクタとを分離する際には、前記筒状部を前記雌コネクタに対して下流側に押し込みながら回転させ、前記爪部が前記段差に当接するのを回避して前記第6の溝部に誘導して引き抜き可能となっていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、雌コネクタは、円筒状に形成され外周に第5の溝部及び第6の溝部が形成された雌コネクタ本体と、雌コネクタ本体の下流部に接続された第2のチューブと、雌コネクタ本体に設けられ雌コネクタ本体の下流側の第1のチューブと上流側とが連通する第2の通路とを有し、
雌コネクタ本体の第5の溝部は、上流側から下流側に向けて拡径して傾斜し、前記筒状部の爪部を上流側には移動不能にし、前記筒状部の爪部を円周方向に係止して回転を阻止する突出部を有し、
雌コネクタ本体の第6の溝部は、第5の溝部の傾斜面の中間部から上流に向けて延びると共に前記第5の溝部の上流側と段差を有し、
雄コネクタと雌コネクタとを連結する際には、筒状部の爪部が第5の溝部に係止され、雄コネクタと雌コネクタとが相対回転したときに段差に上り回転が阻止され、
雄コネクタと雌コネクタとを分離する際には、筒状部を前記雌コネクタに対して下流側に押し込みながら回転させ、爪部が段差に当接するのを回避して第6の溝部に誘導して引き抜き可能となっていることを特徴とする。
【0016】
従って、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力により雄コネクタ本体の筒状部の爪部と雌コネクタ本体の第5の溝部は所定角度軸回りに相対回転可能であるため、雄コネクタと雌コネクタが分離することが防止される。
【0017】
本発明において、前記雄コネクタの筒状部は、前記雄コネクタ本体の下流端部の外周に形成された第1の溝部に挿入される突出部が上流端部に形成されていると共に下流端部に内側に突出する爪部が形成されていることが好ましい。
【0018】
この形態によれば、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力により雄コネクタ本体の筒状部の爪部と雌コネクタ本体の第1の溝部は所定角度軸回りに相対回転可能であり、また、雄コネクタの筒状部の突出部と雄コネクタ本体の第1の溝部は相対回転可能であるため、雄コネクタと雌コネクタとが分離することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る第1実施形態の医療用コネクタの雄コネクタを示す図である。
【図2】第1実施形態の医療用コネクタの雄コネクタにおける筒状部を示す図である。
【図3】第1実施形態の医療用コネクタの雄コネクタにおける筒状部を雄コネクタ本体に係合させる方法を示す図である。
【図4】第1実施形態の医療用コネクタの雌コネクタを示す図である。
【図5】第1実施形態の医療用コネクタの雄コネクタと雌コネクタとが連結される状態を示す図である。
【図6】第1実施形態の医療用コネクタの雄コネクタと雌コネクタとが分離される状態を示す図である。
【図7】第2実施形態の医療用コネクタの雄コネクタを示す図である。
【図8】第2実施形態の医療用コネクタの雌コネクタを示す図である。
【図9】第2実施形態の医療用コネクタの雄コネクタと雌コネクタとが連結される状態を示す図である。
【図10】第2実施形態の医療用コネクタの雄コネクタと雌コネクタとが分離される状態を示す図である。
【図11】第3実施形態の医療用コネクタの雄コネクタと雌コネクタとが連結される状態を示す図である。
【図12】第3実施形態の医療用コネクタの雄コネクタと雌コネクタとが分離される状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
本発明の医療用コネクタは雄コネクタと雌コネクタから構成されている。以下の説明においては、雄コネクタと雌コネクタが接続された状態で雄コネクタを上流側として雌コネクタを下流側とする。
図1を参照して、第1実施形態の医療用コネクタの雄コネクタ10について説明する。図1(a)は雄コネクタ10の正面図及び側面図、並びに図1(b)は雄コネクタ10の側面断面図である。
【0021】
雄コネクタ10は、雄コネクタ本体12と、雄コネクタ本体12の上流端面の中央部から下流側に挿入される第1のチューブ14と、雄コネクタ本体12の下流端面の中央部に第1のチューブ14と連通して下流端部が斜めに形成され下流側に突出するように設けられている中空針(第1の通路)16と、雄コネクタ本体12の下流端部の外周の全周に亘って形成された第1の溝部18に挿入される突出部20が上流端部に形成されていると共に下流端部に内側に突出する爪部22が形成されている筒状部24を備えている。
【0022】
雄コネクタ本体12は、下流側の第1円筒部26と上流側の第2円筒部28とから構成されている。第1円筒部26の側面には、外周の全周に亘って第1の溝部18が形成されている。第1円柱部26の下流端面の中央部から軸方向の上流側には、中空針16設けられている孔30が形成されている。また、第2円筒部28には、上流端面の中央部から軸方向の下流側に孔30まで第1のチューブ14が挿入される孔32が形成されている。
【0023】
図2を参照して、図2(a)は筒状部24の正面図及び側面図、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb断面図、並びに図2(b)は図2(a)のIIc−IIc断面図である。筒状部24には、上流端部の径方向の内側に対称に突出している突出部20が形成されている。また、上流端部の突出部20と直交する下流端部の径方向の内側に対称に突出している爪部22が形成されている。突出部20の両端部には、溝部34,34が下流側に所定の距離延びて形成されている。爪部22の両端部には、溝部36,36が上流側に所定の距離延びて形成されている。
【0024】
図3を参照して、雄コネクタ本体12と筒状部24とが連結する方法について説明する。図3(a)は、雄コネクタ本体12の下流端部に形成されている面取部38に筒状部24の突出部20が当接されている状態を示している。また、図3(b)は、雄コネクタ本体12と筒状部24とが連結されている状態を示している。雄コネクタ本体12と筒状部24との連結は、雄コネクタ本体12の下流端部に形成されている面取部38に筒状部24の突出部20を当接させて、雄コネクタ本体12に対して上流側に押し込むことで、雄コネクタ本体12の第1の溝部18に筒状部24の突出部20が挿入されてなされる。この時、筒状部24の突出部20が雄コネクタ本体12の第1円筒部26の外径に沿って外側に撓むように、突出部20の両端に下流側に所定の距離延びて形成されている溝部34,34が作用する。また、雄コネクタ10の第1の溝部18の軸方向に幅は雄コネクタ10の筒状部24の突出部20の軸方向の幅より大きく形成されている。
【0025】
次に、図4を参照して、第1実施形態の医療用コネクタの雌コネクタ40について説明する。図4(a)は雌コネクタ40の正面図及び側面図、図4(b)は図4(a)のIVb−IVb断面図、並びに図2(b)は図2(a)のIVc−IVc断面図である。
【0026】
雌コネクタ40は、雌コネクタ本体42と、雌コネクタ本体42の下流端面の中央部から上流側に挿入される第2のチューブ44と、雌コネクタ本体42の上流端部の中央部に第2のチューブ44と連通するように設けられたロート状のロート部材(第2の通路)46と、ロート部材46と嵌合する円錐状に形成されたゴム部材48と、ロート部材46の上流端部に設けられゴム部材48をロート部材46に押し付ける環状の押付部材49を備えている。
【0027】
雌コネクタ本体42は、中空の截頭円錐状に形成されている。雌コネクタ本体42には、下流端面の中央部から軸方向の上流側に第2のチューブ44が挿入される孔50が形成されている。また、上流端面の中央部から軸方向の下流側にロート部材46が挿入される孔52が形成されている。
【0028】
雌コネクタ本体42の外周には、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が係止される第2の溝部54が形成されている。第2の溝部54は、軸方向に中央部に断面形状が楔状であり側面視で矩形状に形成されている。また、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22を第2の溝部54に導入する凹面56が形成されている。凹面56は、側面視で最大径から小径の逆三角形状に形成されている。また、第2の溝部54の下流側には、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が係合可能な第3の溝部58が形成されている。第3の溝部58は、第2の溝部54の後壁と雌コネクタ本体42の軸方向の中央部の外周に形成されている鍔部60との間に形成されている。また、第3の溝部58から連続して軸方向とは直交する方向に対称に円弧状となる側面視で三角形状の第4の溝部62が形成されている。また、凹面56と第4の溝部62との間には突出部64が形成されている。
【0029】
次に、図5及び図6を参照して本実施形態の医療用コネクタの連結及び分離方法について説明する。
【0030】
図5(a)は、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが連結される前の状態を示している。図5(b)は、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが連結された状態を示している。
【0031】
図5(a)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが連結される前には、雄コネクタ10の筒状部24の内部に雌コネクタ40を挿入することにより、雄コネクタ10は、雌コネクタ本体42の凹面56に雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が乗り上げて軸方向の下流側に押し込まれる。この時、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22の両端に形成されている溝部36,36の作用で爪部22は外側に撓むことになる。また、雄コネクタ10の中空針16が押付部材49の中央部を通ってゴム部材48に差し込まれる。
【0032】
図5(b)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが連結された状態では、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22は、雌コネクタ本体42の第2の溝部54に係止される。また、雄コネクタ10の中空針16がゴム部材48を貫通して雄コネクタ10の第1のチューブ14と雌コネクタ40の第2チューブ44とが連通される。この時、雄コネクタ本体42を雌コネクタ40に押し込むため、雄コネクタ10の筒状部24は、雌コネクタ本体42の第2の溝部54に係止されて雄コネクタ10の下流端面と雌コネクタ44の上流端面が突き当たって止まる。
【0033】
また、雄コネクタ10の筒状部24の突出部20は、雄コネクタ本体12の第1の溝部18に挿入されているため、雄コネクタ10の筒状部24の突出部20と雄コネクタ本体12の第1の溝部18は軸回りに相対回転可能である。
【0034】
図6(a)は、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離される第1の状態を示している。図6(b)は、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離される第2の状態を示している。
【0035】
図6(a)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離される第1の状態では、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが連結された状態から雄コネクタ10の筒状部24を軸方向の下流側に押し込むことにより、雌コネクタ本体42の第2溝部54の軸方向の下流側に形成されている第3の溝部58に雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が進入している。
【0036】
図6(b)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離される第2の状態では、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が雌コネクタ本体42の第3の溝部58に進入した状態から雄コネクタ10を第4の溝部62に沿って誘導して引いている。更に、雄コネクタ10を軸方向の上流側に引くと雌コネクタ40は中空の截頭円錐状に形成されているため、上流端部で突出部64を乗り越えて雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離される。
【0037】
以上、本実施形態によれば、雄コネクタ10の筒状部24の内部に雌コネクタ40を挿入することにより、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22は雌コネクタ本体42の第2の溝部54で係止されて、雄コネクタ10の筒状部24の突出部20と雄コネクタ本体12の第1の溝部18は軸回りに相対回転可能であるように雄コネクタ10と雌コネクタ40とが連結される。
【0038】
一方、雄コネクタ10の筒状部24を下流側に押し込み筒状部24の爪部22を雌コネクタ本体42の第3の溝部58に進入させて、雄コネクタ10の筒状部24を雌コネクタ本体42の第4の溝部62に沿って引くことで雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離される。
【0039】
従って、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力により雄コネクタ10の筒状部24の突出部20と雄コネクタ本体12の第1の溝部18は軸回りに相対回転可能であるため、雄コネクタ10と雌コネクタ40とが分離することが防止される。
【0040】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の医療用コネクタについて説明する。尚、第1実施形態と同一のものは同一の符号を付けて説明を省略する。
【0041】
図7を参照して、第2実施形態の医療用コネクタの雄コネクタ70について説明する。図7(a)は雄コネクタ70の正面図及び側面図、並びに図7(b)は雄コネクタ70の側断面図である。
【0042】
雄コネクタ70は、雄コネクタ本体72と、雄コネクタ本体72の上流端面の中央部から下流側に挿入される第1のチューブ14と、雄コネクタ本体72の軸方向の中央部から上流側に第1のチューブ14と連通して下流端部が斜めに形成され下流側に突出するように設けられている中空針(第1の通路)16と、雄コネクタ本体72の下流端面の端部から下流側に延びる共に下流端部に内側に突出する爪部74が形成されている筒状部76とを備えている。
【0043】
雄コネクタ本体72は、筒状部76、第1円筒部78、及び第2円筒部80から構成されている。筒状部76の爪部74の両端部には、溝部82,82が上流側に所定の距離延びて形成されている。第1円筒部78の下流端面の中央部から軸方向の上流側には、中空針16が設けられている孔84が形成されている。また、第2円筒部80には、下流端面の中央部から軸方向の上流側に孔84まで第1のチューブ14が挿入される孔86が形成されている。
【0044】
次に、図8を参照して、第2実施形態の医療用コネクタの雌コネクタ88について説明する。図8(a)は雌コネクタ88の正面図及び側面図、図8(b)は図8(a)のVIIIb−VIIIb断面図、並びに図8(b)は図8(a)のVIIIc−VIIIc断面図である。
【0045】
雌コネクタ88は、雌コネクタ本体90と、雌コネクタ本体90の下流端面の中央部から上流側に挿入される第2のチューブ44と、雌コネクタ本体90の上流端部の中央部に第2のチューブ44と連通するように設けられたロート状のロート部材(第2の通路)46と、ロート部材46と嵌合する円錐状に形成されたゴム部材48と、ロート部材46の上流端部に設けられゴム部材48をロート部材46に押し付ける環状の押付部材49を備えている。
【0046】
雌コネクタ本体90は、円筒状に形成されている。雌コネクタ本体90には、下流端面の中央部から軸方向の上流側に第2のチューブ44が挿入される孔92が形成されている。また、上流端面の中央部から軸方向の下流側にロート部材46が挿入される孔94が形成されている。
【0047】
雌コネクタ本体90の外周には、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74が係合される第5の溝部96が形成されている。また、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74を溝部96に導入する曲面100が形成されている。曲面100は、雌コネクタ本体90の上流側から下流側にかけて中空の截頭円錐状に雌コネクタ本体90を形成する外周である。溝部96は軸方向の上流側から下流側に向けて拡径するように傾斜して雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74が下流側に移動可能に形成されている。雌コネクタ本体90の溝部96の軸方向に下流側には外周に突出して鍔部98が形成されている。
【0048】
第5の溝部96には、径方向の外側に対称に雄コネクタ70の回転を阻止する突出部102が形成されている。また、曲面100には、突出部102から上流端に向けて延設された第1の壁部104と第1の壁部104と径方向に所定間隔で第2の壁部106とが形成されている。
【0049】
また、突出部102及び第1の壁部104と第2の壁部106との間に下流端部が第5の溝部96の傾斜面の中間部から上流に向けて延びると共に第5の溝部96と段差を有している第6の溝部が形成されている。
【0050】
次に、図9及び図10を参照して本実施形態の医療用コネクタの連結及び分離方法について説明する。
【0051】
図9(a)は、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが連結される前の状態を示している。図9(b)は、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが連結された状態を示している。
【0052】
図9(a)を参照して、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが連結される前には、雄コネクタ本体72の筒状部76の内部に雌コネクタ88を挿入することにより、雌コネクタ本体90の曲面100に雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74が乗り上げて軸方向の下流側に押し込まれる。この時、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74の両端に形成されている溝部82,82の作用で爪部74は外側に撓むことになる。また、雄コネクタ70の中空針16が押付部材49の中央部を通ってゴム部材48に差し込まれる。
【0053】
図9(b)を参照して、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが連結された状態では、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74は、雌コネクタ本体90の第5の溝部96に係合している。また、雄コネクタ70の中空針16がゴム部材を貫通して雄コネクタ70の第1のチューブ14と雌コネクタ88の第2チューブ44とが連通される。
【0054】
また、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74は、雌コネクタ本体90の外周に形成されている第5の溝部96に係合しているため、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74と雌コネクタ本体90の第5の溝部96とは所定角度軸回りに相対回転可能である。
【0055】
図10(a)は、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが分離される第1の状態を示している。図10(b)は、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが分離される第2の状態を示している。
【0056】
図10(a)を参照して、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが分離される第1の状態では、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが連結され雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74が雌コネクタ本体90の第5の溝部96の上流側に係合されている状態から雄コネクタ70を軸方向の下流側に押し込むことにより、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74が雌コネクタ本体90の第5の溝部96の軸方向の下流側に移動する。
【0057】
図10(b)を参照して、雄コネクタ70と雌コネクタ88とが分離される第2の状態では、第1の状態から雄コネクタ70を突出部102に突き当たるまで第5の溝部96と第6の溝部108との段差を回避して回転され、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74を第6の溝部108に誘導して上流側に引いている。更に、雄コネクタ70を軸方向の上流側に引くと雄コネクタ70と雌コネクタ88とが分離される。
【0058】
以上、本実施形態では、雄コネクタ本体72の筒状部76の内部に雌コネクタ88を挿入することにより、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74は雌コネクタ本体90の第5の溝部96に係合されて、雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74と雌コネクタ本体90の第5の溝部96は所定角度軸回りに相対回転可能であるように雄コネクタ70と雌コネクタ88とが連結される。
【0059】
一方、雄コネクタ本体72を下流側に押し込み回転させて雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74を第6の溝部108に沿って上流側に引くことで雄コネクタ70と雌コネクタ88とが分離される。
【0060】
従って、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力により雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74と雌コネクタ本体90の溝部96とは所定角度軸回りに相対回転可能であるため、雄コネクタ70と雌コネクタ88が分離することが防止される。
【0061】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の医療用コネクタについて説明する。尚、第1実施形態又は第2実施形態と同一のものは同一の符号を付けて説明を省略する。第3実施形態の医療用コネクタは、第2実施形態の雄コネクタ70を第1実施形態の雄コネクタ10にすると共に、第2実施形態の雌コネクタ88を適用したものである。
【0062】
図11及び図12を参照して第3実施形態の医療用コネクタの連結及び分離方法について説明する。
【0063】
図11(a)は、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが連結される前の状態を示している。図11(b)は、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが連結された状態を示している。
【0064】
図11(a)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが連結される前には、雄コネクタ10の筒状部24の内部に雌コネクタ88を挿入することにより、雄コネクタ10は、雌コネクタ本体90の曲面100に雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が乗り上げて軸方向の下流側に押し込まれる。この時、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22の両端に形成されている溝部36,36の作用で爪部22は外側に撓むことになる。また、雄コネクタ10の中空針16が押付部材49の中央部を通ってゴム部材48に差し込まれる。
【0065】
図11(b)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが連結された状態では、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22は、雌コネクタ本体90の第5の溝部96に係合している。また、雄コネクタ10の中空針16がゴム部材48を貫通して雄コネクタ10の第1のチューブ14と雌コネクタ88の第2チューブ44とが連通される。
【0066】
図12(a)は、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが分離される第1の状態を示している。図12(b)は、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが分離される第2の状態を示している。
【0067】
図12(a)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが分離される第1の状態では、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが連結され雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が雌コネクタ本体90の第5の溝部96の上流側に係合している状態から雄コネクタ10を軸方向の下流側に押し込むことにより、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22が雌コネクタ本体90の第5の溝部96の軸方向の下流側に移動する。
【0068】
図12(b)を参照して、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが分離される第2の状態では、第1の状態から雄コネクタ10を突出部102に突き当たるまで回転され、雄コネクタ10の筒状部24の爪部22を第6の溝部108に導入して上流側に引いている。更に、雄コネクタ10を軸方向の上流側に引くことで雄コネクタ10と雌コネクタ88とが分離される。
【0069】
以上、本実施形態によれば、第1実施形態の雄コネクタ10及び第2実施形態の雌コネクタ88を適用しているので、コネクタに接続されているチューブがねじれてもコネクタに伝達されるねじり力により雄コネクタ本体72の筒状部76の爪部74と雌コネクタ本体90の第5の溝部96とは所定角度軸回りに相対回転可能であり、また、雄コネクタ10の突出部20と雄コネクタ10の第1の溝部18は軸回りに相対回転可能であるため、雄コネクタ10と雌コネクタ88とが分離することが防止される。
【符号の説明】
【0070】
10…雄コネクタ、12…雄コネクタ本体、14…第1のチューブ、16…中空針、18…第1の溝部、20…突出部、22…爪部、24…筒状部、26…第1円筒部、28…第2円筒部、30…孔、32…孔、34…溝部、36…溝部、38…面取部、40…雌コネクタ、42…雌コネクタ本体、44…第2のチューブ、46…ロート部材、48…ゴム部材、49…押付部材、50…孔、52…孔、54…第2の溝部、56…凹面、58…第3の溝部、60…鍔部、62…第4の溝部、64…突出部、70…雄コネクタ、72…雄コネクタ本体、74…爪部、76…筒状部、78…第1円柱部、80…第2円柱部、82…溝部、84…孔、86…孔、88…雌コネクタ、90…雌コネクタ本体、92…孔、94…孔、96…第5の溝部、98…鍔部、100…曲面、102…突出部、104…第1の壁部、106…第2の壁部、108…第6の溝部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用輸液管の接続に用いられる雄コネクタと雌コネクタとから構成される医療用コネクタであって、前記雄コネクタ側を上流側として前記雌コネクタ側を下流側としたときに、
前記雄コネクタは、
円筒状であり前記雌コネクタと接続される下流端から所定の距離上流側の外周の全周に亘って第1の溝部が形成された雄コネクタ本体と、
前記雄コネクタ本体の上流部に接続された第1のチューブと、
前記雄コネクタ本体に設けられ前記雄コネクタ本体の上流側の前記第1のチューブと下流側とを連通する第1の通路と、
前記第1の溝部に挿入される突出部が上流端部に形成されていると共に下流端部に内側に突出する爪部が形成された筒状部とを有し、
前記雌コネクタは、
円筒状であり雄コネクタと接続される上流端から所定の距離下流側の外周に前記雄コネクタの筒状部の爪部を係止する第2の溝部が形成され、前記第2の溝部の下流側の外周の全周に亘って前記雄コネクタの筒状部の爪部が係合可能な第3の溝部が形成され、前記第3の溝部から連続し上流側に向けて延びる第4の溝部が形成された雌コネクタ本体と、
前記雌コネクタ本体の下流部に接続された第2のチューブと、
前記雌コネクタ本体に設けられ前記雌コネクタ本体の下流側の前記第1のチューブと上流側とを連通する第2の通路とを有し、
前記雄コネクタの筒状部の内部に前記雌コネクタを挿入することにより、前記雄コネクタの前記第1の通路と前記雌コネクタの前記第2の通路とを接続して前記雄コネクタ本体の第1のチューブと前記雌コネクタの第2チューブとを連通すると共に、前記雄コネクタ本体の筒状部の爪部が下流側には移動可能に前記雌コネクタの第2の溝部に係止され、前記雄コネクタの筒状部の突出部と前記雄コネクタ本体の第1の溝部とが係合することで、前記雄コネクタの筒状部の突出部と前記雄コネクタ本体の第1の溝部とが軸回りに相対回転可能となる前記雄コネクタと前記雌コネクタとが連結され、前記雌コネクタに対して前記雄コネクタを下流側に押し込むことで前記雄コネクタの筒状部の爪部を前記雌コネクタの第3の溝部に進入させ、前記雄コネクタを前記雌コネクタに対して回転させて、前記雄コネクタの筒状部の爪部を前記第3の溝部から前記第4の溝部に誘導して引き抜くことで前記雄コネクタと前記雌コネクタとが分離されることを特徴とする医療用コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載の医療用コネクタであって、
前記雄コネクタの第1の溝部の軸方向の幅は前記雄コネクタの筒状部の突出部の軸方向の幅より大きく形成され、前記筒状部が前記雄コネクタ本体に対して上流位置と下流位置に移動自在であり、前記雄コネクタと前記雌コネクタが接続状態で前記筒状部が上流側のときは前記爪部が前記第2の溝部に位置し、前記筒状部が下流側のときは前記爪部が第3の溝部に位置することを特徴とする医療用コネクタ。
【請求項3】
医療用輸液管の接続に用いられる雄コネクタと雌コネクタとから構成される医療用コネクタであって、前記雄コネクタ側を上流側として前記雌コネクタ側を下流側としたときに、
前記雄コネクタは、
円筒状に形成されている雄コネクタ本体と、
前記雄コネクタ本体の上流部に接続された第1のチューブと、
前記雄コネクタ本体に設けられ前記雄コネクタ本体の上流側の前記第1のチューブと下流側とを連通する第1の通路と、
前記雄コネクタ本体よりも大径であり軸方向の中間部から下流側に延びると共に下流端部に内側に突出する爪部が形成された筒状部とを有し、
前記雌コネクタは、
円筒状に形成され外周に第5の溝部及び第6の溝部が形成された雌コネクタ本体と、
前記雌コネクタ本体の下流部に接続された第2のチューブと、
前記雌コネクタ本体に設けられ前記雌コネクタ本体の下流側の前記第1のチューブと上流側とが連通する第2の通路とを有し、
前記雌コネクタ本体の第5の溝部は、上流側から下流側に向けて拡径して傾斜し、前記筒状部の爪部を上流側には移動不能にし、前記筒状部の爪部を円周方向に係止して回転を阻止する突出部を有し、
前記雌コネクタ本体の第6の溝部は、前記第5の溝部の傾斜面の中間部から上流に向けて延びると共に記第5の溝部の上流側と段差を有し、
前記雄コネクタと前記雌コネクタとを連結する際には、前記筒状部の爪部が前記第5の溝部に係止され、前記雄コネクタと前記雌コネクタとが相対回転したときに前記段差に上り回転が阻止され、
前記雄コネクタと前記雌コネクタとを分離する際には、前記筒状部を前記雌コネクタに対して下流側に押し込みながら回転させ、前記爪部が前記段差に当接するのを回避して前記第6の溝部に誘導して引き抜き可能となっていることを特徴とする医療用コネクタ。
【請求項4】
請求項3記載の医療用コネクタであって、
前記雄コネクタの筒状部は、前記雄コネクタ本体の下流端部の外周に形成された第1の溝部に挿入される突出部が上流端部に形成されている共に下流端部に内側に突出する爪部が形成されたことを特徴とする医療用コネクタ。
【請求項1】
医療用輸液管の接続に用いられる雄コネクタと雌コネクタとから構成される医療用コネクタであって、前記雄コネクタ側を上流側として前記雌コネクタ側を下流側としたときに、
前記雄コネクタは、
円筒状であり前記雌コネクタと接続される下流端から所定の距離上流側の外周の全周に亘って第1の溝部が形成された雄コネクタ本体と、
前記雄コネクタ本体の上流部に接続された第1のチューブと、
前記雄コネクタ本体に設けられ前記雄コネクタ本体の上流側の前記第1のチューブと下流側とを連通する第1の通路と、
前記第1の溝部に挿入される突出部が上流端部に形成されていると共に下流端部に内側に突出する爪部が形成された筒状部とを有し、
前記雌コネクタは、
円筒状であり雄コネクタと接続される上流端から所定の距離下流側の外周に前記雄コネクタの筒状部の爪部を係止する第2の溝部が形成され、前記第2の溝部の下流側の外周の全周に亘って前記雄コネクタの筒状部の爪部が係合可能な第3の溝部が形成され、前記第3の溝部から連続し上流側に向けて延びる第4の溝部が形成された雌コネクタ本体と、
前記雌コネクタ本体の下流部に接続された第2のチューブと、
前記雌コネクタ本体に設けられ前記雌コネクタ本体の下流側の前記第1のチューブと上流側とを連通する第2の通路とを有し、
前記雄コネクタの筒状部の内部に前記雌コネクタを挿入することにより、前記雄コネクタの前記第1の通路と前記雌コネクタの前記第2の通路とを接続して前記雄コネクタ本体の第1のチューブと前記雌コネクタの第2チューブとを連通すると共に、前記雄コネクタ本体の筒状部の爪部が下流側には移動可能に前記雌コネクタの第2の溝部に係止され、前記雄コネクタの筒状部の突出部と前記雄コネクタ本体の第1の溝部とが係合することで、前記雄コネクタの筒状部の突出部と前記雄コネクタ本体の第1の溝部とが軸回りに相対回転可能となる前記雄コネクタと前記雌コネクタとが連結され、前記雌コネクタに対して前記雄コネクタを下流側に押し込むことで前記雄コネクタの筒状部の爪部を前記雌コネクタの第3の溝部に進入させ、前記雄コネクタを前記雌コネクタに対して回転させて、前記雄コネクタの筒状部の爪部を前記第3の溝部から前記第4の溝部に誘導して引き抜くことで前記雄コネクタと前記雌コネクタとが分離されることを特徴とする医療用コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載の医療用コネクタであって、
前記雄コネクタの第1の溝部の軸方向の幅は前記雄コネクタの筒状部の突出部の軸方向の幅より大きく形成され、前記筒状部が前記雄コネクタ本体に対して上流位置と下流位置に移動自在であり、前記雄コネクタと前記雌コネクタが接続状態で前記筒状部が上流側のときは前記爪部が前記第2の溝部に位置し、前記筒状部が下流側のときは前記爪部が第3の溝部に位置することを特徴とする医療用コネクタ。
【請求項3】
医療用輸液管の接続に用いられる雄コネクタと雌コネクタとから構成される医療用コネクタであって、前記雄コネクタ側を上流側として前記雌コネクタ側を下流側としたときに、
前記雄コネクタは、
円筒状に形成されている雄コネクタ本体と、
前記雄コネクタ本体の上流部に接続された第1のチューブと、
前記雄コネクタ本体に設けられ前記雄コネクタ本体の上流側の前記第1のチューブと下流側とを連通する第1の通路と、
前記雄コネクタ本体よりも大径であり軸方向の中間部から下流側に延びると共に下流端部に内側に突出する爪部が形成された筒状部とを有し、
前記雌コネクタは、
円筒状に形成され外周に第5の溝部及び第6の溝部が形成された雌コネクタ本体と、
前記雌コネクタ本体の下流部に接続された第2のチューブと、
前記雌コネクタ本体に設けられ前記雌コネクタ本体の下流側の前記第1のチューブと上流側とが連通する第2の通路とを有し、
前記雌コネクタ本体の第5の溝部は、上流側から下流側に向けて拡径して傾斜し、前記筒状部の爪部を上流側には移動不能にし、前記筒状部の爪部を円周方向に係止して回転を阻止する突出部を有し、
前記雌コネクタ本体の第6の溝部は、前記第5の溝部の傾斜面の中間部から上流に向けて延びると共に記第5の溝部の上流側と段差を有し、
前記雄コネクタと前記雌コネクタとを連結する際には、前記筒状部の爪部が前記第5の溝部に係止され、前記雄コネクタと前記雌コネクタとが相対回転したときに前記段差に上り回転が阻止され、
前記雄コネクタと前記雌コネクタとを分離する際には、前記筒状部を前記雌コネクタに対して下流側に押し込みながら回転させ、前記爪部が前記段差に当接するのを回避して前記第6の溝部に誘導して引き抜き可能となっていることを特徴とする医療用コネクタ。
【請求項4】
請求項3記載の医療用コネクタであって、
前記雄コネクタの筒状部は、前記雄コネクタ本体の下流端部の外周に形成された第1の溝部に挿入される突出部が上流端部に形成されている共に下流端部に内側に突出する爪部が形成されたことを特徴とする医療用コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−56009(P2011−56009A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208258(P2009−208258)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(390029676)株式会社トップ (106)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(390029676)株式会社トップ (106)
【Fターム(参考)】
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