説明

医療用チューブの連結デバイス

カテーテルのような医療用チューブ(2)の解除可能な連結のための連結デバイス(1)が開示される。連結デバイスは、医療用チューブのルーメン内に挿入される連結部材なしで、従って柔らかい壁及び/又は小内径の医療用チューブの使用に対して非常に有利である。連結デバイスは、医療用チューブの端部を受け取るための第1の末端を有する中空本体部材(110)、医療用チューブへの流入又は流出を搬送するための反対側の第2の末端、及び前記第1の末端と第2の末端の間の中間部材(113)を含み、前記中間部材は、前記第1の末端を通って挿入される医療用チューブの端部を収容するように配置され、そして内向きに可変な直径を有す。さらに、連結デバイスは、中空本体部材の中間部材に亘って配置される中空圧縮スリーブ(120)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、医療用チューブのルーメンに連結部材が導入されない形式の、カテーテルのような医療用チューブの着脱可能な連結のための連結デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルのような医療用チューブは、さまざまな医療用途に使用される。原則として、カテーテルは患者から流体を除去する、例えば創部から血液などを抜き取るため、又は患者に流体を与える、例えば薬剤を投与するためのいずれかに使用される。例えば、細いカテーテル−通常は約2mmの外径サイズが好適−を、術後疼痛緩和用の液状製剤を患者に投与するために使用することが出来る。
【0003】
使用に当たって、カテーテルは、通常、薬物投与デバイスのような他の医療デバイスに機械的及び流動的に連結される必要がある。医療用チューブへの連結は、適度に強く、確実なそして流密性である必要があるが、医療用チューブの流量が著しく制限されないことも重要である。さらに、医療用チューブ連結操作は、好ましくは簡単で迅速である必要がある。それでもさらに、連結は、好ましくは、医療用チューブの連結解除及び再連結の両者を可能にする、解除可能であるべきである。
【0004】
医療用チューブ用連結デバイスのよくあるタイプは、医療用チューブのルーメンに挿入される1つの部品及び医療用チューブの端部の挿入部分と外側部分を締め付けるもう1つの部品を使う。そのような連結デバイスの例は、特許文献1に記載されている。しかし、このタイプの連結器は幾つかの欠点を有する。例えば、医療用チューブの内側への部品の配置は、特に細い医療用チューブについては比較的複雑で、それが連結操作を退屈で煩わしくさせる。さらに、医療用チューブのルーメンへの部品の導入は、しばしば医療用チューブの流量の制限、及び/又は医療用チューブを可撓性の弾性のある材料で作るという必要条件に至らせる。それでもさらに、ごく最近知られた連結デバイスもまた、比較的複雑で製造コストが高い。
【0005】
それ故、医療用チューブのルーメンに突き出る部品の無いタイプで、医療用チューブ末端の迅速且つ確実な連結をもたらし、そして比較的安価に製造することが出来る連結デバイスの必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6971390号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の全体的な目的は、上で論じた問題を緩和し、医療用チューブのルーメンに挿入される部品無しに確実な連結をもたらす医療用チューブ用の連結デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の最初の態様によると、医療用チューブのルーメン内に挿入される連結部材を用いない、医療用チューブの着脱可能な連結用の連結デバイスが提供され、前記連結デバイスは:
医療用チューブ端を受けるための第1の末端、前記医療用チューブに流入/流出を搬送するための反対側の第2の末端、及び前記第1の末端と第2の末端の間の中間部材、ここで中間部材は、前記第1の末端を通して挿入される医療用チューブの端部を収容するように配置され、そして内向きに可変の直径を有する、を有する中空本体部材;及び
前記中間部材に圧縮力を与え、それによって中間部材の内側の直径を比較的一様に減少させるための圧縮手段;
ここで、中間部材の内側の直径の比較的一様な減少は、実質的な長さに亘って起こり、その長さが医療用チューブの外径の少なくとも2倍であるように配置される;
を含む。
【0009】
本発明の別の態様によると、医療用チューブの着脱可能な連結用の連結デバイスが提供され、前記連結デバイスは:
医療用チューブ端を受けるための第1の末端、該医療用チューブに流入/流出を搬送するための反対側の第2の末端、及び該第1の末端と第2の末端の間の中間部材、ここで中間部材は前記第1の末端を通して挿入される医療用チューブの端部を収容するように配置され、そして内向きに可変の直径を有する、を有する中空本体部材;及び
中空本体部材の中間部材の上に配置可能であり、前記配置された中空本体部材の係合領域と係合可能であり、それによって中空圧縮スリーブと中空本体部材の係合が中空圧縮スリーブに中間部材に向かう力を発揮させ、それによって中間部材の内側の直径を比較的一様に減少させる中空圧縮スリーブ;
を含む。
【0010】
好ましくは、中間部材の内側の直径の比較的一様な減少は、医療用チューブの外径の少なくとも2倍の長さを越すように、そして好ましくは前記外径の少なくとも3倍の長さを越すように、そして最も好ましくは前記外径の少なくとも5倍の長さを越して起こるように配置される。
【0011】
この連結デバイスを使うことによって、非常に強い、確実なそして流密性のある連結が達成可能である。医療用チューブに対する圧縮は、比較的一様に且つ延長した長さ(extended length)に加えられるので、医療用チューブの特性を著しく変えることなく,非常に優れた係合の持続(holding engagement)が得られる。従って、新しい連結デバイスを使用したとき、医療用チューブの流量は基本的に全く影響を受けない。
【0012】
好ましくは、連結デバイスと医療用チューブの係合は、摩擦適合を介して得られる。しかし、代りに又は加えて、係合は、機械的インターロッキングのような機械的な係合であってもよい。これは、例えば、連結デバイスの内側に面する連結表面上に、又は医療用チューブの外向きの表面のいずれか、若しくは2つの組み合わせに与えられた表面構造を介して得られてもよい。表面構造は、例えば、粗面、及び好ましくは、溝、突き出た肋骨状などのような特定のパターンを含んでもよい。表面構造はまた、鉤様の突起(barb-like protrusion)を形成してもよい。さらに、表面構造は、例えば医療用チューブの壁を介して配置された穴又は穿孔(perforation)を含んでもよい。医療用チューブの末端及び連結デバイスの表面構造はまた、部品間の優れた係合及びインターロッキングを得るために対応又は適合すればよい。
【0013】
新規な連結デバイスは、少数の部品を含めるなら、それらの全てが射出成形のような単純な方法で製造可能なので、比較的簡単で製造のコスト効率が高い。
【0014】
さらに、新規な連結デバイスは、非常に迅速で使いやすい。医療用チューブの端部が、中空本体部材の第1の末端を通して挿入される必要があるだけで、圧縮力が、中空本体部材の中間部材を介して医療用チューブに加わるように、圧縮手段が所定の位置に移動される。医療用チューブの取り外しは同様に容易であり、医療用チューブを損傷させることなく医療用チューブを何度も繰り返し分離及び再連結させることができる。
【0015】
それでもさらに、本連結デバイスは、医療用チューブのサイズ及び材料に関係なく、基本的にカテーテルなどの全ての種類の医療用チューブに対して使用可能である。
【0016】
しかし、本発明は、外径が0.5〜3.0mmの範囲、そして好ましくは1.0〜2.5mmの範囲、そして最も好ましくは約2mmを有する医療用チューブのような、細い医療用チューブに対して特に有用である。
【0017】
特に、本連結デバイスは、従来知られている連結デバイスによって変形されやすい、柔らかで曲げやすい医療用チューブの連結に極めて好適である。
【0018】
さらに、医療用チューブのルーメンへのいかなる物質の導入も回避することによって、汚染のリスクは非常に低くなる。本発明によって、連結デバイスは、医療用チューブの外表面とだけ接触する。さらに、連結デバイスへの医療用チューブの連結は、医療用チューブの端部又は端部のいかなる近傍にも接触すること無しに行うことができ、それはまた汚染のリスクの低下につながる。
【0019】
中間部材は、好ましくは、複数のフィンガを含み、ここでそれらのフィンガは周方向に少なくともある大きさの間隙を持つ。この結果、フィンガは、互いに制約することなく、内向き及び外向きに容易に動くことができる。しかし、代りに固形の、例えば弾性のある材料で出来た中間部材でも同様に実行可能である。
【0020】
中間部材は、弾性のある材料でできた管状の部品であってもよく、それによって内側の直径は、中間部材の長さの増減によって変化し得る。そのような代替品では、圧縮手段は、中空本体部材の第1の末端と第2の末端の間の距離を変えるための手段を含んでもよい。
【0021】
しかし、好ましくは、圧縮手段は、中空本体部材の中間部材に亘って配置可能であり、前記配置された中空本体部材の係合領域と係合可能な中空圧縮スリーブを含み、それによって、中空圧縮スリーブと中空本体部材の係合が、中空圧縮スリーブに、中間部材に向けて力を及ぼさせる。
【0022】
中空圧縮スリーブと中空本体部材の係合は、例えば、好適な表面構造を用いるような、摩擦適合及び/又は機械的インターロックによることが可能である。しかし、係合は、ネジ山を通して起こることが好ましい。これにより、圧縮スリーブと中空本体部材の間に回転運動を適用することによって圧縮スリーブと中空本体部材の間の縦方向の移動が非常に容易に且つ調節可能になる。
【0023】
中空胴体の係合領域は、好ましくは中間部材と第2の末端の間に配置される。しかし、係合領域は、例えば、中間部材と第1の末端の間に配置されてもよい。
【0024】
好ましくは、中空本体部材の中間部材は、第1の末端に向かって先細になる少なくとも1つの表面を含み、そして中空圧縮スリーブは、対応する少なくとも1つの先細り表面を含み、それによって、前記中空本体部材上に前記第1の末端から前記第2の末端の方向への中空圧縮スリーブの移動は、前記先細り表面間の係合、そしてそれによって前記中間部材への圧縮力をもたらす。
【0025】
1つの実施態様によると、中間部材は、1つの円錐形に先細になる部品を含み、そして圧縮スリーブは1つ又は数個の、対応して先細になる表面を含む。上記で論じた複数のアームを有する中間部材を持つ代替え品を使う場合、円錐形に先細になる部品は、この場合、対応する数の区分に分割される。
【0026】
別の実施態様によると、中間部材は、複数個の外側に突出する部分を含み、その部分は複数個の先細になる表面を形成する。好ましくは、外側に突出する部分はネジ山として形成され、それによって中空本体部材の少なくとも1つの先細になる表面は相当するネジ山を形成する。
【0027】
中間部材及び中空本体部材の係合領域の両者が、ネジ山を通して圧縮スリーブと係合する場合、中空圧縮スリーブと中空本体部材の係合領域の間のネジ山のネジピッチは、中空圧縮スリーブと中空本体部材の中間部材の間のネジ山のネジピッチより大きいことが好ましい。これによって、係合領域のネジ山が、圧縮スリーブのネジ山を、中間部材のネジ山上に、先細り表面の所為で「よじ登り」させ、それによって中間部材を内側に圧縮させる。
【0028】
中空圧縮スリーブと中空本体部材の間のネジ山を用いることによって、比較的小さな回転方向の運動が、係合領域全体に働く比較的小さな軸方向の運動に転送され、連結デバイスの比較的大きな軸方向の延長に亘って係合をもたらす。
【0029】
好ましくは、圧縮スリーブは、係合しそして連結した状態に到達したとき、中空胴体に施錠可能である。この施錠は、例えば、係合の特定の点で部品を自動的にロックするバネ錠の配置によって達成される。
【0030】
中空本体部材は、さらに好ましくは、中空圧縮スリーブに対して強制的な停止を形成し、継続する中空圧縮スリーブと中空本体部材の係合をある点で阻止し、そしてそれによって、中間部材の内側の直径の減少に対する最大値を規定するショルダが提供される。これによって、医療用チューブの損傷につながる可能性のある連結の過剰引締めのリスクを防止する。
【0031】
連結デバイスはまた、好ましくは、中間部材の領域の中空本体部材に配置される可撓性の材料で作られたチューブをさらに含み、それによってそのチューブは、本体部材の中間部材と連結デバイスに挿入された医療用チューブ端との間に置かれる。これによって、医療用チューブと連結デバイスとの間の摩擦が改善され、そしてまた、堅固で漏れない連結を得ることが容易になる。
【0032】
これら及び他の発明概念の態様は、以下に説明する実施態様から明らかになり、及びそれを参照して引き出される。
【0033】
例証として、本発明の実施態様を添付の図面を参照して説明する:
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による連結デバイスの第1の実施態様の、連結しない配置の断面図である。
【図2】図1の連結デバイスの側面図である。
【図3】図1の連結デバイスの、連結したが固く締めない状態の断面図である。
【図4】図1の連結デバイスの、連結し固く締めた状態の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施態様による連結デバイスの、連結したが固く締めない状態の断面図である。
【図6】図5の連結デバイスの、連結し固く締めた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の詳細な説明で、本発明の好ましい実施態様を説明する。しかしながら、他に特に明示しない限り、異なる実施態様の特徴は実施態様間で交換可能であり、そして異なる方法で組み合わせてもよい。また、明確さを目的に図面に描かれた特定の構成要素の寸法は、本発明の現実の遂行において対応する寸法、例えば、連結デバイスの長さなどと異なってもよいことを留意してもよい。
【0036】
第1の実施態様による連結デバイスを、最初に図1〜4を参照して説明する。医療用チューブのルーメンに挿入される連結部材を使わない、この医療用チューブ2の着脱可能な連結用連結デバイス1は、中空本体部材110、圧迫スリーブの形態の圧迫手段120、及び可撓性の内部チューブ130を含む。他方の端で、連結デバイスは医療用チューブ3、医療デバイスなどに結合可能である。
【0037】
中空本体部材110は、医療用チューブ端を受けるための第1の末端111及び医療用チューブへの流入/流出を搬送するための反対側の第2の末端112を含む。中空本体部材の第1と第2の末端の間の少なくとも一部分は、中間部材113を形成する。好ましくは中空本体部材120よりも剛性の低い材料で作られる可撓性の内側のチューブ130は、好ましくは中空本体部材の内側の穴の内側に、中間部材全体に広がるように配置され、そして少なくともチューブの末端で中空本体部材の内側に取り付けられることが好ましい。
【0038】
この実施態様の中間部材113は、複数の分離したフィンガ114を含む。フィンガの間の分離距離(separation distance)は、中間部材が収縮及び拡大するのを容易にする。分離は、好ましくは開いた穴であるが、弾性のある材料など(示されていない)で充填されてもよい。
【0039】
分離したフィンガは、それぞれ多数の外側に突出する部分115を含み、それぞれは、中空本体部材の第1の末端の方向に先細になる表面を有する。突出する部分115は、少なくとも中間部材113の実体の部分に沿ってネジ山を形成する通路に配置される。
【0040】
中間部材113と第2の末端112の間に、係合領域が形成され、そして突き出たネジ山116が付けられる。係合領域と第2の末端112の間に、ショルダ部品117がさらに付けられる。
【0041】
中空本体部材の第2の末端には、従来の医療用チューブ3及び/又は医療デバイスに取り付けるための突き出たネジ山118などを付けてもよい。例えば、第2の末端は、いわゆる「ルアーロック」連結を形成してもよい。そのような連結は、業界に自体公知である。
【0042】
中間部材113は、医療用チューブに面する内側の直径が減少する圧縮状態に、圧縮可能である。この圧縮は、この実施態様では、圧縮スリーブ120を用いて達成される。圧縮スリーブは、これからより詳細に開示される様に、中空本体部材の部品の周りにカラー(collar)を形成し、中空本体部材の様々な部品と係合する。
【0043】
圧縮スリーブ120は、使用時に中空本体部材の第1の末端111上に移動される第1の末端121、及び反対側の第2の末端122を含む。圧縮スリーブの内部の穴の内面には、第2の末端122の近くに第1のネジ山123が、そして第1の末端121の近くに第2のネジ山124が付けられる。第1のネジ山は、中空本体部材110の中間部材113の突出する部分115の先細りに対応する、先細りの表面積が備わっている。
【0044】
圧縮スリーブの第2のネジ山124は、中空本体部材のネジ山116と係合するように配置され、圧縮スリーブの第1のネジ山123は中空本体部材の突出する部分115によって形成されるネジ山116と係合するように配置される。ネジ山124/116とネジ山123/115のネジピッチは異なり、好ましくは、ネジ山124/116のネジピッチは、ネジ山123/115のネジピッチよりも大きい。
【0045】
使用時、圧縮スリーブ120は、中空本体部材110上の連結された位置に配置され、医療用チューブ端は、中空本体部材の第1の末端を通って挿入され、中間部材113を貫くような長さに挿入される。この状態は、図3に例示される。
【0046】
従って、圧縮スリーブ120と中空本体部材110の連結は、部品の相対的な回転によって固く締められる。この結果、圧縮スリーブと中空本体部材は、最初にネジ山124/116で係合し、それが、圧縮スリーブのネジ山123を中間部材のネジ山115上に、先細り表面の所為で「よじ登り」させ、それによって中間部材を内側に圧縮させる。そのような堅く締められた状態は、図4に例示される。この状態で、医療用チューブ端は連結デバイスに連結され、所定の位置に、医療用チューブなどを損傷させることなくしっかり保持される。
【0047】
堅く締められた位置では、中空本体部材のショルダ117は、圧縮スリーブの先端121と結合して強制的な停止を提供する。これによって、過剰締め付けが防止される。
【0048】
第2の実施態様は、今から論じる。この実施態様の連結デバイスは、全体的に前に論じた第1の実施態様と似ているが、中空本体部材の中間部材に関して次のような違いがある:
【0049】
この実施態様では、中間部材113’は、それぞれが先細りの表面を有する複数個の突出する部分の代わりに、大よそ中間部材113’全体に亘って広がるただ1つの円錐形に先細になる表面115’を含む。圧縮スリーブは、対応する1つの円錐形に先細になる表面123’が付けられる。もし弾性のある材料を使うなら、中間部材113’は、前に論じた実施態様のような分離したフィンガに配置する必要はない。しかし、そのような分離したフィンガをこの実施態様に付けることも、もちろん実行可能であり、それによって、円錐形に先細になる部品は、必然的に対応する数の部品に分轄される。
【0050】
この実施態様では、圧縮スリーブと中空本体部材の係合、続く中間部材113’の圧迫及び収縮は、第1の実施態様に関連して上で論じたのと同様の方法で起こる。図5は、堅く締めない状態を示し、一方図6は、堅く締められた状態を示す。
【0051】
中空本体部材及び圧縮スリーブは、例えば、プラスチック材料で射出成形されてもよい。これらの部品は、好ましくは比較的硬い材料で作られる。可撓性のチューブは、1本の通常の医療用チューブであればよく、好ましくは多少剛性の低い物質で作られる。可撓性のチューブは、接着、溶着等によって中空本体に連結すればよい。或いは、可撓性のチューブは、中空胴体と一体化してもよい。例えば、中空胴体と可撓性のチューブは、2成分射出成形などによって、単一の製造方法で製造することが可能である。
【0052】
本発明は、これまで様々な実施態様について論じてきた。しかし、当業者には、幾つかのさらなる代替が可能であることを理解すべきである。例えば、上記に論じた異なる実施態様の特徴は、当然ながらさまざまに組み合わせられてもよい。さらに、中空本体部材と圧縮スリーブ間の堅い締め付けをもたらすネジ山の代わりに、摩擦適合又は同様のものを使用することは可能である。それでもさらに、中空本体部材の第2の末端は、さまざまな方法、及び例えば、医療デバイス又は同様のものと一体化して形成されてもよい。上記のものに類似する幾つかのそのような代替えは、本発明の精神から逸脱することなく使用することができ、そして全てのそのような改変は、添付した請求項に定義するように、本発明の一部と見なされるべきであることは、当業者によって理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用チューブのルーメン内に挿入される連結部材なしで、カテーテルのような医療用チューブの着脱可能な連結のための連結デバイスであって:
医療用チューブ端を受けるための第1の末端、該医療用チューブへの流入又は流出を搬送するための反対側の第2の末端、及び該第1の末端を通して挿入される医療用チューブの端部を収容するように配置され、そして内向きに可変の直径を有する、該第1の末端と第2の末端の間の中間部材を有する中空本体部材;及び
中空本体部材の中間部材の上に配置可能であり、該中空本体部材の係合領域と係合可能であり、それによって中空圧縮スリーブと中空本体部材の係合が、中空圧縮スリーブに中間部材に向かう力を発揮させ、それによって中間部材の内側の直径を比較的一様に減少させる、中空圧縮スリーブ;
を含んでなる、上記連結デバイス。
【請求項2】
中空圧縮スリーブと中空本体部材の間の係合が、ネジ山を通して起こる、請求項1記載の連結デバイス。
【請求項3】
中空本体部材の中間部材が、第1の末端の方向に先細になる少なくとも1つの表面を含み、そして中空圧縮スリーブが、対応する少なくとも1つの先細になる表面を含み、それによって該第1の末端から該第2の末端の方向の該中空本体部材上への中空圧縮スリーブの移動が、先細になる表面間の係合及びそれによって該中間部材に対する圧縮力をもたらす、請求項1又は2に記載の連結デバイス。
【請求項4】
中間部材の内側の直径の比較的一様な減少が、実質的な長さにわたって起こり、その長さが医療用チューブの外径の少なくとも2倍であるように配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の連結デバイス。
【請求項5】
中間部材が、複数の外側に突出する部分を含み、該部分が複数の先細になる表面を形成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の連結デバイス。
【請求項6】
複数の突出する部分が、ネジ山として形成され、それによって中空本体部材の少なくとも1つの先細になる表面が、対応するネジ山を形成する、請求項5記載の連結デバイス。
【請求項7】
中空圧縮スリーブと中空本体部材の係合領域の間のネジ山のネジピッチが、中空圧縮スリーブと中空本体部材の中間部材の間のネジ山のネジピッチよりも大きい、請求項2に従属する請求項6記載の連結デバイス。
【請求項8】
中空本体部材はショルダを備えており、そのショルダは、前記中空圧縮スリーブの強制的停止部を形成し、中空圧縮スリーブと中空本体部材の間の継続した係合を一定の点で阻止し、そしてそれによって中間部材の内側の直径の減少に対して最大値を与える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の連結デバイス。
【請求項9】
医療用チューブのルーメン内に挿入される連結部材なしで、カテーテルのような医療用チューブの着脱可能な連結のための連結デバイスであって:
医療用チューブ端を受けるための第1の末端、該医療用チューブへの流入又は流出を搬送するための反対側の第2の末端、及び該第1の末端を通して挿入される医療用チューブの端部を収容するように配置され、そして内向きに可変の直径を有する、該第1の末端と第2の末端の間の中間部材を有する中空本体部材;及び
該中間部材上に圧縮力を与え、それによって中間部材の内側の直径を比較的一様に減少させるための圧縮手段;
を含んでなり、
ここで、中間部材の内側の直径の該比較的一様な減少は、実質的な長さに亘って起こり、その長さが医療用チューブの外径の少なくとも2倍であるように配置される;
上記連結デバイス。
【請求項10】
中間部材の内側の直径の前記比較的一様な減少が、医療用チューブの外径の少なくとも3倍の長さに、最も好ましくは該直径の5倍に亘って起こるように配置される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の連結デバイス。
【請求項11】
中間部材が複数のフィンガを含み、該フィンガが円周方向に少なくとも一定程度相隔っている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の連結デバイス。
【請求項12】
中間部材の領域の中空本体部材に配置される可撓性の材料で作られたチューブをさらに含み、それによってチューブが、本体部材の中間部材と連結デバイス内に挿入された医療用チューブ端との間に位置する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の連結デバイス。
【請求項13】
中空本体部材上の中空圧縮スリーブを係合した位置に自動的にロックするスナップロック配置をさらに含んでなる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の連結デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−505755(P2013−505755A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530254(P2012−530254)
【出願日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064025
【国際公開番号】WO2011/036194
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(501249869)アストラ・テック・アクチエボラーグ (22)
【Fターム(参考)】