説明

医療用使い捨てトレイおよび使い捨て医療用品セット

【課題】医療用使い捨てトレイを利用して使用後の医療用ガーゼの計数を容易とする。
【解決手段】トレイ1は、平面視において略矩形状のトレイ本体11、および、トレイ本体11の内側においてトレイ底部111および周壁部112に対して着脱自在に取り付けられる板状のガーゼ保持部12を備える。ガーゼ保持部12の上部には、複数のガーゼ保持要素である複数の切り込み部121が、トレイ底部111に平行な所定の配列方向に一列に等ピッチにて配列されている。トレイ1では、手術等の医療処置にて使用された後の複数のガーゼが、ガーゼ保持部12の複数の切り込み部121に1枚ずつ保持される。これにより、複数のガーゼが絡まったり重なって見えなくなってしまうことを防止し、使用後のガーゼの計数を容易とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用使い捨てトレイおよび医療用使い捨てトレイを備える使い捨て医療用品セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、手術室や病室等の医療施設内において医療処置が行われる際には、ガーゼやピンセット、メスやビーカー等の様々な医療用品が使用されおり、感染防止等の衛生管理の質の向上の観点から、これらの医療用品は使い捨てのものが利用されることが多い。
【0003】
近年、医療処置の内容に合わせて用意された複数の医療用品を梱包した使い捨て医療用品セットが使用されており、これにより、医療処置前に行われる医療用品の準備作業の簡素化、および、これらの医療用品の在庫管理の簡素化が図られている。
【0004】
例えば、特許文献1は、カテーテルを用いた手術に利用するための医療用器具を収容する医療用器具封入用トレイに関するものであり、医療用器具封入用トレイは、側壁部が略接した状態にて固定された第1トレイと第2トレイを有する。特許文献1の医療用器具封入用トレイでは、2つのトレイの固定を解除することにより、医療用器具封入用トレイの廃棄が容易とされる。
【0005】
一方、手術等が行われる際には、血液等の吸収に使用した医療用ガーゼの体内への残置を防止するために、手術終了後等にガーゼの計数が行われる。また、使用後のガーゼの重量を測定することにより、手術時の出血量を把握することも行われている。
【0006】
特許文献2は、複数の手術用ガーゼが包装された手術用ガーゼ包装体に関するものであり、手術用ガーゼ包装体では、2つ折りにされた板状のガーゼホルダの5つの切れ目状の係止部に5枚のガーゼが係止されたものが透明の滅菌袋に収容されている。特許文献2の手術用ガーゼ包装体では、ガーゼホルダの各係止部に1枚ずつ係止された未使用のガーゼを取り外して手術に使用し、使用済みのガーゼを再びガーゼホルダの各係止部に1枚ずつ係止することにより、手術前および手術後におけるガーゼの枚数の勘定(すなわち、計数)が容易とされる。
【特許文献1】特開2005−287796号公報
【特許文献2】特許第3447655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1のようなトレイは、使い捨て医療用品セットの搬送および保管時には、複数の医療用品の収容に利用されているが、使い捨て医療用品セットが開封された後は廃棄されるのみである。
【0008】
一方、特許文献2のようなガーゼホルダでは、使用済みのガーゼを係止する際にガーゼホルダが動かないように手で押さえておく必要があり、ガーゼを容易に係止することが困難である。また、ガーゼホルダに係止された使用済みのガーゼがガーゼホルダよりも大きく、ガーゼにしみ込んだ血液等が周囲の物品やガーゼホルダの使用者等に付着してしまうため、衛生管理の質の向上に限界があるとともに出血量の計量を正確に行うことも困難である。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、医療用使い捨てトレイを利用して使用後の医療用ガーゼの計数を容易とすることを主な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、医療用使い捨てトレイであって、トレイ底部と前記トレイ底部の周囲を囲む周壁部とを有するトレイ本体と、それぞれが1枚の医療用ガーゼの一部を保持する複数のガーゼ保持要素を有するとともに前記トレイ本体の内側に取り付けられるガーゼ保持部とを備える。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医療用使い捨てトレイであって、前記ガーゼ保持部が、前記トレイ底部および前記周壁部の少なくとも一方に対して着脱自在に取り付けられる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の医療用使い捨てトレイであって、前記ガーゼ保持部が板状であり、前記ガーゼ保持部が起立姿勢または傾斜姿勢にて前記トレイ本体の内側に取り付けられる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の医療用使い捨てトレイであって、前記ガーゼ保持部が、前記周壁部の互いに対向する部位の一方から他方まで前記トレイ底部を横断する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の医療用使い捨てトレイであって、前記ガーゼ保持部が、前記トレイ底部近傍に位置する前記トレイ底部に略平行な軸を中心として回転可能とされ、前記ガーゼ保持部の非使用時に、前記ガーゼ保持部の主面が前記トレイ底部に略平行とされ、前記ガーゼ保持部の使用時に、前記ガーゼ保持部が前記軸を中心として回転されて起立姿勢または傾斜姿勢にて固定される。
【0015】
請求項6に記載の発明は、医療用使い捨てトレイであって、トレイ底部と、前記トレイ底部の周囲を囲む周壁部とを備え、前記トレイ底部が上方に突出するガーゼ保持部を有し、前記ガーゼ保持部が、それぞれが1枚の医療用ガーゼを保持する複数のガーゼ保持要素を有する。
【0016】
請求項7に記載の発明は、医療用使い捨てトレイであって、トレイ底部と、前記トレイ底部の周囲を囲む周壁部とを備え、前記周壁部の一部が、それぞれが1枚の医療用ガーゼを保持する複数のガーゼ保持要素を有するガーゼ保持部である。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項3ないし7のいずれかに記載の医療用使い捨てトレイであって、各ガーゼ保持要素が、前記ガーゼ保持部の上部に設けられた切り込み部である。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の医療用使い捨てトレイであって、各ガーゼ保持要素が、前記ガーゼ保持部に形成された切り込み部または穴部である。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の医療用使い捨てトレイであって、前記各ガーゼ保持要素が、前記ガーゼ保持部に形成された前記穴部であり、前記穴部の周囲が、ガーゼの挿入方向に対して可撓性を有する。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の医療用使い捨てトレイであって、前記ガーゼ保持部に、前記複数のガーゼ保持要素に保持された医療用ガーゼの計数に利用される番号が記されている。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載の医療用使い捨てトレイであって、前記複数のガーゼ保持要素が前記トレイ底部に平行な所定の配列方向に一列に配列されており、前記トレイ底部に、各ガーゼ保持要素近傍から前記配列方向に略垂直に伸びる溝部が設けられている。
【0022】
請求項13に記載の発明は、使い捨て医療用品セットであって、請求項1ないし12のいずれかに記載の医療用使い捨てトレイと、前記ガーゼ保持部の前記複数のガーゼ保持要素に一部が保持されるとともに前記医療用使い捨てトレイに収容された未使用の複数の医療用ガーゼとを備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、使用後の医療用ガーゼの計数を容易とすることができる。請求項11および12の発明では、医療用ガーゼの計数をより容易とすることができる。また、請求項13の発明では、使用前の医療用ガーゼの計数を容易とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る使い捨て医療用品セットの一部である医療用使い捨てトレイ1(以下、単に「トレイ1」という。)を示す平面図であり、図2は、トレイ1を図1中のA−Aの位置にて切断した断面図である。使い捨て医療用品セットは、様々な医療用品がトレイ1に収容された状態でトレイ1と共に包装部材により梱包されることにより形成される。図2では、図示の都合上、断面よりも奥側(すなわち、図1中における上側)の部位も併せて描いている(図7および図10においても同様)。
【0025】
図1および図2に示すように、トレイ1は、平面視において略矩形のトレイ底部111およびトレイ底部111の周囲を囲む周壁部112を有するトレイ本体11、並びに、トレイ本体11の内側に取り付けられる板状のガーゼ保持部12を備える。トレイ本体11は、トレイ底部111の各辺の長さが周壁部112の高さ(すなわち、トレイ本体11の深さ)よりも大きい浅底型となっており、平坦な場所(例えば、手術室内において医療用品が載置されるワゴン)に安定して載置することができる。
【0026】
ガーゼ保持部12は、トレイ本体11の周壁部112の互いに対向する部位の一方から他方まで(すなわち、周壁部112を構成する4つの側面のうち、互いに対向する2つの側面の間において)トレイ底部111を横断している。図2に示すように、トレイ本体11では、トレイ底部111の上面にトレイ底部111を横断する2本の平行な凸部が形成されており、当該2本の凸部の間の溝が、ガーゼ保持部12が挿入される挿入溝1111となっている。また、ガーゼ保持部12の両端部と対向する周壁部112の2つの内側面にはそれぞれ、上記2本の凸部に連続するとともにトレイ底部111から斜め上方に伸びる2本の凸部が形成されており、当該2本の凸部の間の溝が、ガーゼ保持部12が挿入される挿入溝1121となっている。トレイ1では、ガーゼ保持部12が挿入溝1111,1121に挿入されることにより、トレイ底部111および周壁部112に対して着脱自在に取り付けられている。
【0027】
周壁部112の挿入溝1121は、トレイ底部111に対して傾斜して設けられており、挿入溝1121に挿入されるガーゼ保持部12は、傾斜姿勢にて(すなわち、ガーゼ保持部12の主面が、トレイ底部111に対して非垂直かつ非平行な状態にて)トレイ本体11の内側に取り付けられる。ガーゼ保持部12の上端(すなわち、トレイ底部111とは反対側のエッジ)は、周壁部112の上端近傍に位置しており、本実施の形態では、周壁部112の上端よりもトレイ底部111に近い位置に位置している。本実施の形態では、トレイ本体11およびガーゼ保持部12は共に熱可塑性樹脂により形成されており、トレイ本体11の挿入溝1111,1121の両側の凸部も、トレイ本体11の形成時に一体的に形成される。
【0028】
図3は、ガーゼ保持部12を、ガーゼ保持部12の法線に沿って図1中の右側から見た拡大図である。図3に示すように、略矩形板状のガーゼ保持部12の上部には、複数(本実施の形態では、10個)の切り込み部121が上部エッジに略垂直に設けられている。複数の切り込み部121は、ガーゼ保持部12が図1に示すトレイ本体11に取り付けられた状態において、トレイ底部111に平行な所定の配列方向(すなわち、水平面にトレイ本体11を載置した場合の水平方向)に一列に等ピッチにて配列されている。
【0029】
ガーゼ保持部12では、図3に示す各切り込み部121に1枚の医療用ガーゼ(以下、単に「ガーゼ」という。)の一部が挟まれる(例えば、略矩形のガーゼの一の角部近傍が、切り込み部121の上側から挿入されて挟まれる)ことにより、複数のガーゼがガーゼ保持部12に保持される。トレイ1では、ガーゼ保持部12に形成された複数の切り込み部121が、それぞれが1枚のガーゼの一部を保持する複数のガーゼ保持要素となっている。
【0030】
各切り込み部121の幅は、ガーゼ保持部12の上部エッジから離れた位置においておよそ一定であり、ガーゼ保持部12の上部エッジ近傍において、上部エッジに近づくに従って漸増している。このため、切り込み部121へのガーゼの挿入が容易とされる。また、ガーゼ保持部12の各切り込み部121の近傍には、複数の切り込み部121に保持されるガーゼの計数に利用される番号(本実施の形態では、1〜10の数字)が記されている。当該番号は、ガーゼ保持部12の両側の主面のうち、少なくともトレイ本体11の開口側の主面(すなわち、図2に示すトレイ底部111に対向する主面とは反対側の右側の主面であり、以下、「開口側主面」という。)に記されている。なお、図1では、上記番号の図示を省略している。
【0031】
図4は、トレイ本体11を図1中のB−Bの位置にて切断した断面図である。図4に示すように、トレイ本体11のトレイ底部111には、ガーゼ保持部12(図1参照)近傍からガーゼ保持部12に略垂直に伸びる複数(本実施の形態では、10本)の溝部1112が設けられており、図1に示すように、複数の溝部1112はガーゼ保持部12の複数の切り込み部121にそれぞれ対応している。換言すれば、トレイ本体11では、ガーゼ保持部12の各切り込み部121近傍から切り込み部121の配列方向に略垂直に伸びる溝部1112がトレイ底部111に設けられている。
【0032】
トレイ1に使用後のガーゼが保持される際には、看護士等の手に保持されたガーゼの一の角部近傍の部位が、ガーゼ保持部12の切り込み部121に挿入され、ガーゼの残りの部位(すなわち、切り込み部121に係止された一の角部近傍以外の部位)が、細長くなるようにまとめられた上で、当該切り込み部121に対応するトレイ底部111の溝部1112に沿って図1中の右側に伸ばされて当該溝部1112に載置される。
【0033】
図5は、上述のトレイ1を含む使い捨て医療用品セット6を示す平面図である。図5に示すように、使い捨て医療用品セット6は、未使用の複数(本実施の形態では、10枚)のガーゼ61、および、これらのガーゼ61を含む様々な医療用品が収容されるトレイ1を備える。図1では、図示の都合上、トレイ1に収容される複数の医療用品のうち未使用のガーゼ61のみを示し、ガーゼ61を除く他の医療用品の図示を省略している。また、トレイ1に収容される医療用品をトレイ1と共に梱包する包装部材の図示も省略している。
【0034】
使い捨て医療用品セット6では、複数のガーゼ61はそれぞれ、一の角部近傍がガーゼ保持部12の切り込み部121(図3参照)に保持された状態で、トレイ本体11から取り外されたガーゼ保持部12に巻き付けられており、ガーゼ保持部12と共にトレイ底部111上に載置されてトレイ本体11の内側に収容されている。
【0035】
使い捨て医療用品セット6が使用される際には、ガーゼ保持部12に巻き付けられた複数のガーゼ61がほどかれた後(すなわち、ガーゼ保持部12に対するガーゼ61の巻回が解除された後)、複数のガーゼ61を保持した状態のガーゼ保持部12が、トレイ本体11の挿入溝1111,1121に挿入されてトレイ本体11の内側に取り付けられる。そして、ガーゼ保持部12に記された番号(図3参照)を利用して、ガーゼ保持部12に保持されている複数のガーゼ61の計数が行われた後、ガーゼ保持部12からガーゼ61が取り外されて手術等の医療処置に使用される。
【0036】
医療処置が終了すると、血液等を吸収した使用後のガーゼ61が、トレイ本体11の内側に取り付けられているガーゼ保持部12の各切り込み部121に1枚ずつ挟み込まれて(すなわち、ガーゼ61がガーゼ保持部12により保持されて)トレイ本体11の内側に収容される。そして、ガーゼ保持部12に記された番号を利用してガーゼ61の計数が再び行われ、使用前の計数時におけるガーゼ61の枚数と使用後の計数時におけるガーゼ61の枚数とが等しいことが確認される。その後、トレイ1と共に複数のガーゼ61の重量が測定され、測定値とトレイ1および使用前のガーゼ61の重量との差が出血量として記録される。トレイ1および使用前のガーゼ61の重量は、使い捨て医療用品セット6の供給者から、使い捨て医療用品セット6の付帯情報として使用者に予め伝えられている。
【0037】
なお、使い捨て医療用品セット6の使用に際しては、ガーゼ保持部12がトレイ本体11に取り付けられるよりも前にガーゼ61の計数が行われ、ガーゼ61がガーゼ保持部12から取り外された後に、ガーゼ保持部12のみがトレイ本体11に取り付けられてもよい。また、トレイ1および使用前のガーゼ61の重量は、ガーゼ61が使用されるよりも前に使用者により測定されてもよい。
【0038】
以上に説明したように、トレイ1は、トレイ本体11およびトレイ本体11の内側に取り付けられるガーゼ保持部12を備え、ガーゼ保持部12が、それぞれが1枚のガーゼの一部を保持する複数のガーゼ保持要素である切り込み部121を有する。そして、手術等の医療処置にて使用された後の複数のガーゼが、ガーゼ保持部12の複数の切り込み部121に1枚ずつ保持される。これにより、複数のガーゼが絡まったり重なって見えなくなってしまうことを防止し、使用後のガーゼの計数を容易とすることができる。また、ガーゼ保持部12が、高い安定性を有するトレイ本体11の内側に取り付けられているため、ガーゼ保持部12の切り込み部121に対するガーゼの係止を容易とすることができる。このように、ガーゼの係止および計数が容易とされることにより、使用後のガーゼに対する看護士等の接触頻度が低減され、衛生管理の質の向上(例えば、感染の危険性の低減)を実現することができる。
【0039】
さらには、使用後のガーゼがトレイ本体11の内側に収容されることにより、ガーゼに吸収された血液等がトレイ1の周囲の物品に付着することが防止される。その結果、衛生管理の質の更なる向上が実現されるとともに、ガーゼの重量をトレイ1と共に測定することにより、医療処置の際にガーゼに吸収された血液の重量(すなわち、出血量)を正確に測定することができる。また、出血量の測定時にトレイ1を測定器上に安定して載置することにより、出血量の測定を容易とすることもできる。
【0040】
トレイ1では、ガーゼ保持部12の各切り込み部121の近傍に記されている番号を利用することにより、ガーゼの計数をより容易とすることができる。また、複数の切り込み部121に対応してトレイ底部111に形成された複数の溝部1112のそれぞれに、ガーゼ保持部12に保持されたガーゼを1枚ずつ載置することにより、ガーゼの重なりがより一層抑制されてガーゼの計数がさらに容易とされる。
【0041】
上述のように、トレイ1を備える使い捨て医療用品セット6では、ガーゼ保持部12の複数の切り込み部121に保持された複数の未使用のガーゼが、トレイ1のトレイ本体11内部に収容されており、使い捨て医療用品セット6が使用される際には、ガーゼ保持部12に保持された状態で当該複数のガーゼの計数が行われる。これにより、使い捨て医療用品セット6に含まれる使用前のガーゼの計数を容易とすることができる。
【0042】
使い捨て医療用品セット6では、トレイ1のトレイ本体11の内側に複数の医療用品が収容される。上述のように、トレイ1のガーゼ保持部12は、トレイ本体11の内側においてトレイ底部111および周壁部112に対して着脱自在に取り付けられているため、使用前の状態の使い捨て医療用品セット6において、ガーゼ保持部12をトレイ本体11の挿入溝1111,1121から取り外しておくことにより、医療用品をトレイ1に収容する際の配置の自由度を高くすることができる。
【0043】
また、使い捨て医療用品セット6では、トレイ本体11に取り付けられる前のガーゼ保持部12は、トレイ本体11の内側に収容されているが、このとき、図3に示すガーゼ保持部12とは構造が異なる他の種類のガーゼ保持部(例えば、後述するガーゼ保持部12a(図8参照)のような構造を有するガーゼ保持部)を、ガーゼ保持部12と共にトレイ本体11の内側に収容しておくことにより、医療処置が行われる現場の状況に適したガーゼ保持部を選択して使用することができる。
【0044】
トレイ1では、ガーゼ保持部12が板状とされることにより、ガーゼ保持部12の構造を簡素化することができ、その結果、トレイ1の製造コストが低減される。また、ガーゼ保持部12をトレイ本体11から取り外してトレイ本体11の内部に収容する際に、ガーゼ保持部12の収容に大きなスペースが必要とされないため、トレイ本体11の内部空間を有効に利用して多数の医療用品を収容することができる。
【0045】
上述のように、トレイ1では、板状のガーゼ保持部12が傾斜姿勢にてトレイ本体11の内側に取り付けられ、ガーゼ保持部12の開口側主面に番号が記されているため、当該番号の視認性を向上してガーゼの計数をより容易とすることができる。また、これらの番号がガーゼ保持部12の上部に記されているため、ガーゼがガーゼ保持部12に保持された状態においても、番号がガーゼにより隠されてしまうことが防止され、ガーゼの計数がさらに容易とされる。
【0046】
さらには、ガーゼ保持部12が、周壁部112の互いに対向する部位の一方から他方までトレイ底部111を横断してトレイ本体11に取り付けられることにより、ガーゼ保持部12の長さを長くすることができる。これにより、ガーゼ保持部12に多数の切り込み部121が形成され、多数のガーゼをガーゼ保持部12により保持される。
【0047】
ガーゼ保持部12では、各ガーゼ保持要素が、ガーゼ保持部12の上部に設けられた切り込み部121とされることにより、看護士等が、手に持ったガーゼをガーゼ保持部12に容易に係止する(すなわち、ガーゼ保持部12に保持させる)ことができる。また、ガーゼ保持要素の形状を単純な切り込みとすることにより、ガーゼ保持部12をより容易に形成することができる。
【0048】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る使い捨て医療用品セットの一部である医療用使い捨てトレイについて説明する。図6は、第2の実施の形態に係る医療用使い捨てトレイ1a(以下、単に「トレイ1a」という。)を示す平面図であり、図7は、トレイ1aを図6中のC−Cの位置にて切断した断面図である。図6および図7に示すように、トレイ1aは、図1に示すガーゼ保持部12とは構造が異なるガーゼ保持部12aを備える。その他の構成は、図1に示すトレイ1とほぼ同様であり、以下の説明では対応する構成に同符号を付す。
【0049】
図6に示すように、板状のガーゼ保持部12aは、第1の実施の形態と同様に、トレイ本体11の周壁部112の互いに対向する部位の一方から他方までトレイ底部111を横断しており、図6および図7に示すように、傾斜姿勢にて(すなわち、ガーゼ保持部12aの主面が、トレイ底部111に対して非垂直かつ非平行な状態にて)トレイ本体11の内側に取り付けられている。
【0050】
図8は、ガーゼ保持部12aを、ガーゼ保持部12aの法線に沿って図6中の右側から見た拡大図である。図8に示すように、ガーゼ保持部12aは、略矩形枠状の外周部122、および、外周部122の内側に固定された外周部122よりも薄い内板部123を備える。本実施の形態では、外周部122および内板部123は、熱可塑性樹脂により形成される。
【0051】
内板部123には、トレイ底部111(図6および図7参照)に平行な所定の配列方向(すなわち、水平面にトレイ本体11を載置した場合の水平方向)に一列に等ピッチにて配列された複数(本実施の形態では、10個)の穴部124が形成されており、各穴部124には、1枚のガーゼの一部(例えば、略矩形のガーゼの一の角部近傍)が挿入されて保持される。トレイ1aでは、各穴部124が、1枚のガーゼの一部を保持するガーゼ保持要素となっている。各穴部124の周囲には、各穴部124から放射状に伸びる複数の切れ目が形成されており、これにより、内板部123の各穴部124の周囲の部位が、ガーゼの挿入方向に対して可撓性を有する。
【0052】
ガーゼ保持部12aでは、各穴部124の上側の外周部122に、複数の穴部124に保持されるガーゼの計数に利用される番号(本実施の形態では、1〜10の数字)が記されている。当該番号は、第1の実施の形態と同様に、ガーゼ保持部12aの両側の主面のうち、少なくとも開口側主面に記される。なお、図6では、上記番号の図示を省略している。
【0053】
ガーゼ保持部12aは、下端部の幅方向(すなわち、穴部124の配列方向)の両側に側部突起125を有する。図6に示すように、2つの側部突起125は、トレイ本体11の周壁部112に形成された凹部に挿入されており、ガーゼ保持部12aは、図6および図7に示すように、トレイ底部111近傍に位置するトレイ底部111に略平行な軸J1を中心として回転可能とされる。
【0054】
ガーゼ保持部12aの非使用時(すなわち、ガーゼ保持部12aに対するガーゼの係止が行われない場合)には、ガーゼ保持部12aは、図7中に二点鎖線にて示すように、主面がトレイ底部111に略平行となるようにトレイ底部111上に載置されている。そして、ガーゼ保持部12aの使用時には、ガーゼ保持部12aが軸J1を中心として図7中に実線にて示す位置まで反時計回りに回転され、傾斜姿勢にて固定される。具体的には、図6および図7に示すように、トレイ本体11の周壁部112に形成された凸状の支持部1122によりガーゼ保持部12aが支持されるとともに、周壁部112に形成された突起1123によりガーゼ保持部12aの回転が規制されることにより、ガーゼ保持部12aがトレイ本体11の周壁部112に傾斜姿勢にて固定される。
【0055】
図6に示すトレイ1aに使用後のガーゼが保持される際には、ピンセット等に把持されたガーゼの一の角部近傍の部位が、ガーゼ保持部12aの穴部124に開口側主面から挿入され、ガーゼの残りの部位(すなわち、穴部124に係止された一の角部近傍以外の部位)が、細長くなるようにまとめられた上で、当該穴部124に対応するトレイ底部111の溝部1112に沿って伸ばされて当該溝部1112に載置される。
【0056】
以上に説明したように、トレイ1aでは、ガーゼ保持部12aの各穴部124に1枚のガーゼが保持されることにより、第1の実施の形態と同様に、複数のガーゼが絡まったり重なって見えなくなってしまうことを防止し、使用後のガーゼの計数を容易とすることができる。また、ガーゼ保持部12aが、高い安定性を有するトレイ本体11の内側に取り付けられているため、ガーゼ保持部12aの穴部124に対するガーゼの挿入を容易とすることができる。その結果、使用後のガーゼに対する看護士等の接触頻度が低減され、衛生管理の質の向上を実現することができる。さらには、第1の実施の形態と同様に、使用後のガーゼがトレイ本体11の内側に収容されることにより、衛生管理の質の更なる向上が実現されるとともに、医療処置の際にガーゼに吸収された血液の重量(すなわち、出血量)を正確かつ容易に測定することができる。
【0057】
トレイ1aでは、ガーゼ保持部12aの各穴部124の近傍に記されている番号を利用することにより、第1の実施の形態と同様に、ガーゼの計数をより容易とすることができる。また、複数の穴部124に対応してトレイ底部111に形成された複数の溝部1112のそれぞれに、ガーゼ保持部12aに保持されたガーゼを1枚ずつ載置することにより、ガーゼの計数がさらに容易とされる。
【0058】
ガーゼ保持部12aでは、各ガーゼ保持要素が、内板部123に設けられた穴部124とされる。これにより、看護士等が、ピンセット等により把持したガーゼをガーゼ保持部12aに容易に係止する(保持させる)ことができる。また、穴部124の周囲の部位が、ガーゼの挿入方向に対して可撓性を有することにより、穴部124に対するガーゼの挿入が容易とされ、ガーゼをガーゼ保持部12aにさらに容易に保持させることができる。
【0059】
トレイ1aを含む使い捨て医療用品セットでは、ガーゼ保持部12aを回転させてトレイ底部111上に載置することにより、医療用品をトレイ1aに収容する際の配置の自由度を高くすることができる。なお、トレイ1aでは、ガーゼ保持部12aが、トレイ本体11に対して着脱自在に取り付けられてもよい。これにより、医療用品をトレイ1aに収容する際の配置の自由度をより高くすることができる。
【0060】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る使い捨て医療用品セットの一部である医療用使い捨てトレイについて説明する。図9は、第3の実施の形態に係る医療用使い捨てトレイ1b(以下、単に「トレイ1b」という。)を示す平面図であり、図10は、トレイ1bを図9中のD−Dの位置にて切断した断面図である。トレイ1bは、全体が熱可塑性樹脂により一体的に形成されている。
【0061】
図9および図10に示すように、トレイ1bは、平面視において略矩形のトレイ底部111、および、トレイ底部111の周囲を囲む周壁部112を備え、トレイ底部111は、上方に突出する(すなわち、トレイ1bの開口に向かって突出する)ガーゼ保持部12bを備える。ガーゼ保持部12bは、周壁部112の互いに対向する部位の一方から他方まで(すなわち、周壁部112を構成する4つの側面のうち、互いに対向する2つの側面の間において)略直線状に設けられており、図9および図10中におけるガーゼ保持部12bの右側および左側の面は、トレイ底部111のガーゼ保持部12b以外の部位に対して傾斜している(すなわち、トレイ底部111のガーゼ保持部12b以外の部位に対して非垂直かつ非平行とされる)。なお、トレイ1bでは、ガーゼ保持部12bの左右両側の面、あるいは、いずれか一方の面が、トレイ底部111のガーゼ保持部12b以外の部位に略垂直とされてもよい。
【0062】
ガーゼ保持部12bの上部には、複数(本実施の形態では、10個)の切り込み部121aが上部エッジに略垂直に設けられており、複数の切り込み部121aは、所定の配列方向(すなわち、水平面にトレイ1bを載置した場合の水平方向)に一列に等ピッチにて配列されている。ガーゼ保持部12bでは、複数の切り込み部121aが、それぞれが1枚のガーゼの一部を保持する複数のガーゼ保持要素となっている。また、ガーゼ保持部12bの左右両側の面では、複数の切り込み部121aに保持されるガーゼの計数に利用される番号(図示省略)が、各切り込み部121aの近傍に記されている。
【0063】
トレイ1bでは、ガーゼ保持部12bの各切り込み部121aに1枚のガーゼが保持されることにより、第1の実施の形態と同様に、使用後のガーゼの計数を容易とすることができる。また、ガーゼ保持部12bが、高い安定性を有するトレイ1bの内側に設けられているため、ガーゼ保持部12bの切り込み部121aに対するガーゼの係止を容易とすることができる。その結果、衛生管理の質の向上が実現される。さらには、使用後のガーゼがトレイ1bの内側に収容されることにより、第1の実施の形態と同様に、衛生管理の質の更なる向上が実現されるとともに、出血量を正確かつ容易に測定することができる。
【0064】
トレイ1bでは、ガーゼ保持部12bが仕切りの役目を果たすことにより、複数種類の医療用品を区分けしてトレイ1bに収容することができるとともに、トレイ1b内における医療用品の移動が規制される。
【0065】
次に、本発明の第4の実施の形態に係る使い捨て医療用品セットの一部である医療用使い捨てトレイについて説明する。図11は、第4の実施の形態に係る医療用使い捨てトレイ1c(以下、単に「トレイ1c」という。)を示す平面図である。トレイ1cは、全体が熱可塑性樹脂により一体的に形成されている。
【0066】
図11に示すように、トレイ1cは、平面視において略矩形のトレイ底部111、および、トレイ底部111の周囲を囲む周壁部112を備え、周壁部112の一部(本実施の形態では、周壁部112を構成する4つの側面のうちの一の側面)が、それぞれが1枚のガーゼの一部を保持する複数のガーゼ保持要素である切り込み部121bを有するガーゼ保持部となっている。複数の切り込み部121bは周壁部112の上部に設けられており、周壁部112の上面では、複数の切り込み部121bに保持されるガーゼの計数に利用される番号(図示省略)が、各切り込み部121bの近傍に記されている。
【0067】
トレイ1cでは、周壁部112の各切り込み部121bに1枚のガーゼが保持されることにより、第1の実施の形態と同様に、使用後のガーゼの計数を容易とすることができ、その結果、衛生管理の質の向上が実現される。
【0068】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0069】
例えば、第1および第2の実施の形態に係るトレイでは、板状のガーゼ保持部が、トレイ底部111に略垂直な起立姿勢(すなわち、ガーゼ保持部の両主面がトレイ底部111に略垂直となる姿勢)にてトレイ本体11の内側に取り付けられてもよい。
【0070】
第1の実施の形態に係るトレイ1では、図8に示すような穴部124をガーゼ保持要素として有するガーゼ保持部が、トレイ本体11の挿入溝1111,1121に挿入されてトレイ本体11の内側に取り付けられてもよい。また、挿入溝1111,1121に代えて、トレイ底部111および周壁部112からトレイ本体11の内側に向かって突出する半球状の複数の突起が、ガーゼ保持部12の取り付け姿勢に合わせて配列され、これらの突起群によりガーゼ保持部12の移動が規制されてガーゼ保持部12の取り付けが実現されてもよい。
【0071】
第2の実施の形態に係るトレイ1aでは、ガーゼ保持部12aの穴部124は、必ずしも円形には限定されず、例えば、楕円形や矩形とされてもよい。また、内板部123全体、または、内板部123の穴部124の周囲の部位が、ゴム等の弾性体により形成されてもよい。
【0072】
第1および第2の実施の形態に係るトレイでは、ガーゼ保持部は、必ずしも板状とされる必要はなく、また、トレイ本体11のトレイ底部111および周壁部112の少なくとも一方に取り付けられていればよい。例えば、略三角柱状のガーゼ保持部の一の矩形状の側面に突起部が設けられ、当該突起部がトレイ底部111に形成された凹部に嵌合することにより、ガーゼ保持部がトレイ本体11の内側に取り付けられてもよい。この場合、ガーゼ保持部に設けられる複数のガーゼ保持要素は、例えば、ガーゼ保持部の上側のエッジ(すなわち、トレイ底部111とは反対側のエッジ)に形成された切り込み部や、当該エッジ近傍に形成された穴部とされる。
【0073】
第2ないし第4の実施の形態に係るトレイを含む使い捨て医療用品セットでは、第1の実施の形態と同様に、未使用の複数のガーゼが、トレイのガーゼ保持部において複数のガーゼ保持要素にそれぞれ保持された状態でトレイの内部に収容されてよい。また、上記実施の形態に係るトレイは、平面視において必ずしも矩形状とされる必要はなく、必要に応じて様々な形状とされてよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】第1の実施の形態に係るトレイの平面図である。
【図2】トレイの断面図である。
【図3】ガーゼ保持部の拡大図である。
【図4】トレイの断面図である。
【図5】使い捨て医療用品セットの平面図である。
【図6】第2の実施の形態に係るトレイの平面図である。
【図7】トレイの断面図である。
【図8】ガーゼ保持部の拡大図である。
【図9】第3の実施の形態に係るトレイの平面図である。
【図10】トレイの断面図である。
【図11】第4の実施の形態に係るトレイの平面図である。
【符号の説明】
【0075】
1,1a〜1c トレイ
6 使い捨て医療用品セット
11 トレイ本体
12,12a,12b ガーゼ保持部
61 ガーゼ
111 トレイ底部
112 周壁部
121,121a,121b 切り込み部
124 穴部
1112 溝部
J1 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用使い捨てトレイであって、
トレイ底部と前記トレイ底部の周囲を囲む周壁部とを有するトレイ本体と、
それぞれが1枚の医療用ガーゼの一部を保持する複数のガーゼ保持要素を有するとともに前記トレイ本体の内側に取り付けられるガーゼ保持部と、
を備えることを特徴とする医療用使い捨てトレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用使い捨てトレイであって、
前記ガーゼ保持部が、前記トレイ底部および前記周壁部の少なくとも一方に対して着脱自在に取り付けられることを特徴とする医療用使い捨てトレイ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の医療用使い捨てトレイであって、
前記ガーゼ保持部が板状であり、前記ガーゼ保持部が起立姿勢または傾斜姿勢にて前記トレイ本体の内側に取り付けられることを特徴とする医療用使い捨てトレイ。
【請求項4】
請求項3に記載の医療用使い捨てトレイであって、
前記ガーゼ保持部が、前記周壁部の互いに対向する部位の一方から他方まで前記トレイ底部を横断することを特徴とする医療用使い捨てトレイ。
【請求項5】
請求項3または4に記載の医療用使い捨てトレイであって、
前記ガーゼ保持部が、前記トレイ底部近傍に位置する前記トレイ底部に略平行な軸を中心として回転可能とされ、
前記ガーゼ保持部の非使用時に、前記ガーゼ保持部の主面が前記トレイ底部に略平行とされ、前記ガーゼ保持部の使用時に、前記ガーゼ保持部が前記軸を中心として回転されて起立姿勢または傾斜姿勢にて固定されることを特徴とする医療用使い捨てトレイ。
【請求項6】
医療用使い捨てトレイであって、
トレイ底部と、
前記トレイ底部の周囲を囲む周壁部と、
を備え、
前記トレイ底部が上方に突出するガーゼ保持部を有し、前記ガーゼ保持部が、それぞれが1枚の医療用ガーゼを保持する複数のガーゼ保持要素を有することを特徴とする医療用使い捨てトレイ。
【請求項7】
医療用使い捨てトレイであって、
トレイ底部と、
前記トレイ底部の周囲を囲む周壁部と、
を備え、
前記周壁部の一部が、それぞれが1枚の医療用ガーゼを保持する複数のガーゼ保持要素を有するガーゼ保持部であることを特徴とする医療用使い捨てトレイ。
【請求項8】
請求項3ないし7のいずれかに記載の医療用使い捨てトレイであって、
各ガーゼ保持要素が、前記ガーゼ保持部の上部に設けられた切り込み部であることを特徴とする医療用使い捨てトレイ。
【請求項9】
請求項1ないし7のいずれかに記載の医療用使い捨てトレイであって、
各ガーゼ保持要素が、前記ガーゼ保持部に形成された切り込み部または穴部であることを特徴とする医療用使い捨てトレイ。
【請求項10】
請求項9に記載の医療用使い捨てトレイであって、
前記各ガーゼ保持要素が、前記ガーゼ保持部に形成された前記穴部であり、
前記穴部の周囲が、ガーゼの挿入方向に対して可撓性を有することを特徴とする医療用使い捨てトレイ。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の医療用使い捨てトレイであって、
前記ガーゼ保持部に、前記複数のガーゼ保持要素に保持された医療用ガーゼの計数に利用される番号が記されていることを特徴とする医療用使い捨てトレイ。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の医療用使い捨てトレイであって、
前記複数のガーゼ保持要素が前記トレイ底部に平行な所定の配列方向に一列に配列されており、
前記トレイ底部に、各ガーゼ保持要素近傍から前記配列方向に略垂直に伸びる溝部が設けられていることを特徴とする医療用使い捨てトレイ。
【請求項13】
使い捨て医療用品セットであって、
請求項1ないし12のいずれかに記載の医療用使い捨てトレイと、
前記ガーゼ保持部の前記複数のガーゼ保持要素に一部が保持されるとともに前記医療用使い捨てトレイに収容された未使用の複数の医療用ガーゼと、
を備えることを特徴とする使い捨て医療用品セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−34331(P2009−34331A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201072(P2007−201072)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000110044)株式会社リブドゥコーポレーション (390)