説明

医療用器具またはインプラント、特に、歯科インプラント用の移動要素及びコンテナ

本発明は、医療用器具またはインプラント、特に、歯科インプラント(25)用の移動要素(1)とコンテナに関する。移動要素(1)は、医療用器具またはインプラントを保持すると共に移動要素(1)をコンテナのハウジングに取り付けるアダプター部(10)を含んでおり、また、手を使用して、及び/または、補助具を使用して、医療用器具またはインプラントを取り扱う手段を含むと共に、第1端部(7)に配置されて、アダプター部(10)に結合された任意のホルダー部(5)を含んでいる。結合部(15)は、ハウジングの対応する結合手段と相互に作用するように意図された結合手段を有している。手を使用して、及び/または、補助具を使用して、医療用器具またはインプラントを取り扱う手段は、結合部(15)及び/または任意のホルダー部(5)に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用器具またはインプラント用の移動要素及びコンテナに関するものであり、特に、請求項1及び11の前文に従う歯科インプラント用の移動要素及びコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用器具またはインプラント、特に、歯科インプラントは、滅菌した状態で医師または歯科医に提供される。運搬及び保管中に、滅菌した状態を保証するために、インプラントの包装は、外装要素で形成される滅菌した障壁を備えなければならない。さらに、インプラントの包装、特に、歯科インプラントの包装は、インプラントを、機械的な影響、特に、摩耗から保護するために、さらなる包装要素を有している。さらに、包装要素としてコンテナが使用され、このコンテナは、インプラントの表面を化学的に汚染する、すなわち、インプラントの表面を不活性化する他の材料との不必要な接触から保護する。
【0003】
インプラントは、通常、患者にインプラントの挿入を容易にさせる補助具で保持される。例えば、歯科インプラントは、(ねじ込み式)アダプター手段によって保持され、ソケットレンチを用いて骨にねじ込まれる。そのために、インプラントをコンテナから取り出して、補助具に挿入する際に、インプラントが、化学的に汚染されたり、生物に汚染されたり、微粒子に汚染されたり、或いは、細菌に過剰にさらされることがないことを、適切なコンテナにより保証する必要がある。
【0004】
特許文献1には、加工用具との係合に適した係合部、パッキングへの取り付けに適した取付部及び歯科インプラントのホルダー要素への取り付けに適したクランプ部を含む歯科インプラント用のホルダー要素が開示されている。クランプ部は、力伝達要素とクランプ要素を有している。
【0005】
特許文献2には、インプラントのボアホール(掘削した穴)の雌ネジにねじ込むことができるホルダー要素が開示されている。ホルダー要素は、アンプルの内側にインプラントを装着するように用いられると共に、着床中に、ねじ込み具を適用するように用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許公開第1749501号公報
【特許文献2】米国特許第6,261,097号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、運搬中に、器具またはインプラントを機械的な影響から保護すると共に、器具またはインプラントの運搬安全具として役立つ医療用器具またはインプラント用のコンテナ、特に、歯科インプラント用のコンテナを提供することにある。器具またはインプラントをコンテナからごく簡単に取り外すことが可能となり、このことは、器具またはインプラントの汚染の危険性が低減されるように実行することができる。さらに、コンテナは、器具またはインプラントの滅菌を簡単にできるように、器具またはインプラントがコンテナと接触する領域ができるだけないように、また、コンテナによって器具またはインプラントの表面の汚染の危険性が低減されるように、具体化されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、医療用器具またはインプラント用のコンテナ、特に、歯科インプラント用のコンテナであって、請求項11の発明の特徴を有するコンテナと、請求項1の発明の特徴とする移動要素によって達成される。特に、好適な実施の形態や特徴は従属する請求項で特定されている。
【0009】
本発明に従うと、医療用器具またはインプラント用の移動要素、特に、歯科インプラント用の移動要素は、長手方向軸と、第1端部及び第2端部と、第2端部に配置されて、医療用器具またはインプラントを保持すると共に移動要素をコンテナのハウジングに取り付けるアダプター部と、を含んでいる。移動要素は、さらに、手を使用して、及び/または、補助具を使用して、医療用器具またはインプラントを取り扱う手段を含むと共に、第1端部に配置されて、アダプター部に結合された任意のホルダー部を含んでいる。第1端部、第2端部、アダプター部及び任意のホルダー部は、長手方向の軸上に配置されている。アダプター部は、第2端部に配置されて、医療用器具またはインプラントを着脱可能に保持するアダプター端部領域と、このアダプター端部領域と第1端部またはホルダー部との間に配置された結合部を有している。結合部は、ハウジングの対応する結合手段と相互に作用するように意図された結合手段を有している。手を使用して、及び/または、補助具を使用して、医療用器具またはインプラントを取り扱う手段は、結合部及び/または任意のホルダー部に配置されている。
【0010】
本発明に従う移動要素は、医療用器具またはインプラントの取り扱いを簡単にさせる。特に、取り扱う手段は、手を使用して、及び/または、補助具を使用して、医療用器具またはインプラントの取り外しを簡単にさせる。
【0011】
好適な実施の形態では、移動要素は、ホルダー部を含んでいる。ホルダー部は、好適には、移動要素がハウジングに結合される際に、ハウジングを越えて少なくとも部分的に突出するように具体化されるが、しかしながら、少なくとも、外側から接近することができる。このことは、移動要素の簡単な取り扱いを保証する。
【0012】
手を使用して、及び/または、補助具を使用して、医療用器具またはインプラントを取り扱う手段は、好適には、ホルダー部に配置される。したがって、取り扱う手段は、簡単に接近することが可能となり、簡単に持ち上げさせるか、或いは、補助具と簡単に相互に作用させて、取り扱いを保証する。
【0013】
さらに、好適な実施の形態では、手を使用して取り扱う手段は、ホルダー部に配置され、また、補助具を使用して取り扱う手段は、結合部に配置される。
【0014】
特に、好適な実施の形態では、医療用器具またはインプラントを取り扱う手段は、手を使用して、及び/または、補助具を使用して、特に、ねじ込み具を使用して、インプラント、特に、歯科インプラントを着床部位に挿入するのに適しているように具体化される。その結果、歯科インプラントがハウジングに固定されて結合され、また、コンテナによって保護されている場合でも、歯科インプラントは、手を使用して、及び/または、補助具を使用して、移動要素によって直接的にまたは間接的に持ち上げることができ、また、歯科インプラントは、補助具を他の道具に交換する必要がなく、少なくとも部分的に着床部位に挿入することができる。
【0015】
手を使用して、及び/または、補助具を使用して、医療用器具またはインプラントを取り扱う手段、特に、インプラントを挿入する手段は、好適には、リブ、ノッチ、ハンドル、ネジ、インターナルトルクスまたはエクスターナルトルクス、スリット、及び、インターナル多角形(内側多角形)またはエクスターナル多角形(外側多角形)、特に、六角形または八角形、及び、それらの組合せのグループから選択される。この手段は、ホルダー部または結合部の内側、例えば、ボア内だけでなく、ホルダー部または結合部の外側にも配置することができる。
【0016】
インプラントは、通常、取り外す前にはコンテナのハウジング内に置かれており、移動要素のアダプター端部領域に結合されている。好適な実施の形態では、移動要素は、取り扱う手段を備えたホルダー部がハウジングの外側に置かれるように、ハウジングの開口端面に装着される。この実施の形態では、ホルダー部を、手を使用して簡単に持ち上げることができる。インプラントを着床部位に挿入するために、移動要素は、インプラントと一緒にハウジングから取り外される。ホルダー部を取り扱う手段により、好適には、インプラントを他の物体に接触させることなく、特に、汚染される可能性がある使用者の手に接触させることなく、インプラントをコンテナから簡単に取り外すことができる。インプラントは、続いて、移動要素を使用して着床部位に持ち運ばれる。インプラントを挿入するホルダー部の手段により、他の補助を必要とすることなく、使用者の手だけでインプラントを持ち上げて、続いて、インプラントを着床部位に運搬して、インプラントを例えば回転または押し付けることにより、着床部位に装着する。手を使用して医療用器具またはインプラントを取り扱う手段は、好適には、リブ、ノッチまたはハンドルを含む。
【0017】
特に、取り扱う手段は、この取り扱う手段が移動要素のホルダー部に配置されている場合には、他の補助を必要とすることなく、手を使用するだけで、インプラント、特に、歯科インプラントを、少なくとも部分的に骨のボアホールにねじ込むことが可能となる。
【0018】
代わりに、取り扱う手段は、補助具と医療用器具またはインプラントとの間で、直接相互に作用させることができる。さらに、例えば、インプラントをさらにねじ込む前に、補助具を使用して、移動要素を取り外すことが可能となる。
【0019】
好適な実施の形態では、補助具を使用して、医療用器具またはインプラントと一緒にコンテナから取り外すことができるように、移動要素は、補助具を、医療用器具またはインプラントを取り扱う手段に装着させる。インプラントの場合には、インプラントと移動要素は、通常、補助具を使用して、着床部位に運搬され、特に、ねじ込むことによって、着床部位に取り付けられる。好適には、補助具を使用する医療用器具またはインプラントを取り扱う手段は、ネジ、トルクス、スリット、或いは、内側多角形または外側多角形、特に、六角形または八角形を含んでいる。
【0020】
特に好適な実施の形態では、手で取り扱う手段と補助具を使用して取り扱う手段の両方の手段を有している。この実施の形態では、補助具と手の両方を使用する手段により、取り外し、運搬及び/または装着が可能となり、特に、インプラントのねじ込みが可能となる。インプラントを取り付けるためにより強い力を発生させることができるように、インプラントの取り外し、運搬及び第1ステージの装着、特に、第1ステージのねじ込みを手を使用して行うこと、また、インプラントの第2ステージの装着、特に、第2ステージのねじ込みを補助具を使用して行うことは、一般的なことである。第1ステージは、手を使用して行うことができるため、インプラントの装着がより簡単になる。さらに、インプラント及び着床部位に作用する力を、使用者が推定することがより簡単になる。続いて、取り扱う手段は、補助具を使用して、インプラントをさらに骨の中にねじ込むことを可能にする。
【0021】
移動要素は、好適には、補助具と移動要素との間の相互作用を簡単にするか、または、相互作用を可能にするために、中空円筒の形状にデザインされている。次に、特に好適には、アダプター部は、外側側面を備えた中空円筒の形状を有している。さらに、移動要素の第1端部は、開口しており、換言すると、ホルダー部または結合部は、好適には、長手方向軸に沿って、中心に凹部を有している。これにより、補助具を移動要素の中に挿入させて、補助具を取り扱う手段と相互に作用させる。
【0022】
長手方向軸に沿って通路孔を備えた移動要素の好適な実施の形態では、補助具を移動要素の中に挿入して、医療用器具またはインプラントと直接的に相互に作用させることができるようにする。特に、このことは、補助具から医療用器具またはインプラントに直接的に力を伝達する、例えば、トルクを直接伝達する可能性を与える。
【0023】
好適な実施の形態では、移動要素の結合手段は、ハウジングの結合手段と対応する閉鎖機構、特に、バヨネットクロージャーを形成する。この閉鎖機構は、回転する、締め付ける、または、ねじ込むことにより解除される。好適な実施の形態では、閉鎖機構、特に、バヨネットクロージャーは、移動要素をハウジングに対して回転することにより解除される。閉鎖機構、特に、バヨネットクロージャーは、医療用器具またはインプラントが、不注意でハウジングから落ちないことを保証する。このように、閉鎖機構、特に、バヨネットクロージャーは、インプラントを安全に運搬すると共に保管するために、コンテナの運搬安全具の少なくとも一部を形成する。さらに、バヨネットクロージャーは、手で簡単に解除することができ、また、インプラントの取り外しを簡単にすると共に単純化することができる。
【0024】
本発明に従う移動要素の好適な実施の形態では、アダプター部の結合部の結合手段は、外側側面に少なくとも一つの溝、好適には、少なくとも部分的に直径方向に延びる二つの溝を含んでいる。この少なくとも一つの溝は、ハウジングの対応する結合手段と相互に作用するように、特に、閉鎖機構、すなわち、バヨネットクロージャーを形成するために、ハウジングの案内突起を保持するように意図されている。
【0025】
好適には、移動要素の二つの溝は、これらの二つの溝が、ハウジングの二つの案内突起を保持する単一の溝として具体化されるように、互いに結合させることができる。好適には、これらの二つの溝はそれぞれ、移動要素の第1端部に開口端クロージャーを有しており、結合部のクロージャーを移動要素の第2端部に周方向に相互に結合させる。
【0026】
好適な実施の形態では、結合部の結合手段は、外側側面に少なくとも一つの案内突起、好適には、少なくとも互いに周方向のほぼ反対側に位置する二つの案内突起を含んでいる。少なくとも一つの案内突起は、閉鎖機構、特に、バヨネットクロージャーを形成するために、ハウジングの対応する結合手段と相互に作用するように、特に、ハウジングの対応する一つの溝に係合するように意図されている。
【0027】
同様に、結合部の結合手段における移動要素の実施の形態を含む本発明は、少なくとも一つの溝と少なくとも一つの案内突起の両方を含んでいる。結合部の結合手段は、ハウジングの対応する結合手段と相互に作用するように意図されている。移動要素の一つの実施の形態では、例えば、溝と案内突起を有しており、結合部における溝は、ハウジングの案内突起を保持すると共に、結合部の案内突起は、ハウジングの溝の中に係合する。この実施の形態の有利な点は、ハウジングに対する移動要素の回転方向の配置が予め決められていることであり、また、移動要素の取り外し、それに続く、ハウジング内への移動要素の再挿入中に、移動要素の同様の配置、つまり、医療用器具またはインプラントの同様の配置が保証されることである。
【0028】
好適には、ハウジングは、開口端面と、結合状態で、移動要素の長手方向軸と少なくともほぼ平行に延びる長手方向軸を有している。好適な実施の形態では、移動要素は、結合状態で、ホルダー部が外部から容易にアクセスできるように、より好適には、ハウジングの開口端面から突出するように、ハウジングに装着されている。取り扱う手段、特に、手で取り扱う手段は、好適には、この場合、ホルダー部の上に配置されている。それ故、好適には、ホルダー部は、移動要素を安全に取り扱うと共に作動させるハンドルとして使用される。医療用器具またはインプラントを取り外すために、移動要素は、結合されかつロックされた状態からスタートして、好適には、第1ステップでホルダー部から持ち上げられ、続いて、閉鎖機構、特に、バヨネットクロージャーをアンロックするために、ハウジングに対して、長手方向軸の回りに回転される。移動要素の結合手段はまた、このアンロック状態で、ハウジングの対応する結合手段と相互に作用する。第2ステップでは、移動要素は、ハウジングの長手方向軸に沿ってハウジングから部分的に引き出される。この引き出し状態で、移動要素の案内突起または溝はまた、ハウジングの溝または案内突起と相互に作用する。第3ステップでは、移動要素は、医療用器具またはインプラントと共に、ハウジングから取り外される。最後に、移動要素は、一回の動作で、対応する溝の形状に、好適には、ハウジングの長手方向軸にほぼ垂直に、ハウジングから持ち上げられる。
【0029】
好適な実施の形態では、移動要素は、少なくともほぼ直径方向に配置され、かつ、実質的に円筒形状、円錐形状または半球形状の二つの案内突起を有している。二つの案内突起の丸いまたは丸みのある基部領域の形状または断面形状は、医療用器具またはインプラントをハウジングから取り外すために、移動要素の長手方向軸に垂直で二つの案内突起を通って延びる旋回軸の回りに移動要素を旋回させることができるように利用することができる。それ故に、移動要素の長手方向軸は、ハウジングの長手方向軸に対して回転され、また、医療用器具またはインプラントは、ハウジングの案内突起と溝との間で接触させて、ハウジングから持ち上げられ、そのため、結合手段は、依然として相互に作用することができる。移動要素が旋回されている間、移動要素の二つの案内突起は、旋回軸のヒンジポイントとして使用される。その結果、移動要素は、ハウジングの溝の形状に対応するように、好適には、ハウジングの長手方向軸に対して垂直に移動させて、移動要素の案内突起を溝から取り外すことによって、ハウジングから完全に取り外される。その結果、この実施の形態では、医療用器具またはインプラントをハウジングから安全に取り外すことができ、案内突起が溝から取り外された時点で医療用器具またはインプラントが少なくとも部分的にハウジングの外に旋回されるため、他の材料、特に、ハウジングとの好ましくない接触の結果としてのインプラントの表面の汚染または損傷の危険性が減少される。
【0030】
移動要素の好適な実施の形態では、アダプターの端部領域は、移動要素と医療用器具またはインプラントとの間の接触領域が最小となるように具体化される。アダプター部のアダプター端部領域は、好適には、複数のラグを有する弾性フィンガーを備えている。これらのラグは、インプラント用の台面を形成する。インプラントは、これらの台面に支持されて、保持される。例えば、ラグは、インプラントのボディ部の下方を把持して、それに対応して、互いにロックするようにインプラントを保持する。その結果、移動要素は、特に、インプラントの骨内膜領域の表面、すなわち、インプラントされた状態で骨に直接接触する領域のような、医療用器具またはインプラントの高感度表面が、移動要素自体またはコンテナのハウジングと接触する領域を持たないことを保証する。
【0031】
一般に、二つの要素の間の接触領域の滅菌は、エチレンオキサイドガス、水蒸気またはHのような滅菌手段は、このような接触領域の他にも、液体やガスと自由にアクセスすることができる他の要素と接触しない領域にも到達することがないという事実によってさらに困難となる。それ故に、移動要素と医療用器具またはインプラントとの間の接触領域を最小とする利点は、滅菌プロセスが簡単になることである。接触領域をより少なくするデザインにより、完全な滅菌をやりにくい領域をより少なくして、粗末なまたは不完全な滅菌が原因となる副作用の危険性を最小限にすることが可能となる。
【0032】
弾性フィンガーを備えたアダプター端部領域のデザインにより、医療用器具またはインプラントの小さい領域のみが移動要素に接触したとしても、医療用器具またはインプラントの保持を確実にさせる。それ故に、医療用器具またはインプラントのほんの少しの領域が滅菌手段に自由にアクセスしないだけで、医療用器具またはインプラントの良好な滅菌性が保証される。
【0033】
本発明は、さらに、医療用器具または医療用インプラント、特に、歯科インプラント用のコンテナに関する。このコンテナには、本発明に従うハウジングと移動要素が含まれる。コンテナは、ハウジングと移動要素の結合部との間で作用する閉鎖機構を有するという事実によって特徴付けられている。
【0034】
好適な実施の形態では、ハウジングと結合部との間の閉鎖機構は、バヨネットクロージャー(バヨネット式閉鎖体)を含んでいる。このバヨネットクロージャーは、安全なクロージャーを保証して、さらに、手で非常に簡単に解放することができる。また、この閉鎖機構は、スナップ結合式またはねじ込み式のクロージャー(閉鎖体)を含むことができる。
【0035】
運搬や保存中に、移動要素は、通常、ハウジングと閉鎖機構、特に、バヨネットクロージャー内に挿入されて、ロックされる。閉鎖機構は、回転、締付またはねじ込みによってアンロックされる。好適な実施の形態では、閉鎖機構には、移動要素を回転することによってアンロックされるバヨネットクロージャーが含まれる。
【0036】
ロック状態では、移動要素、特に、結合部とハウジングとの間に複数の接触ポイントが存在する。
【0037】
移動要素がハウジングにロックされている場合、ハウジングがアダプター端部領域の弾性フィンガーの周りに係合することによって、ハウジングは、医療用器具またはインプラントを保持するアダプター端部領域の弾性フィンガーと相互に作用する。その結果、弾性フィンガーの締付力が増大して、特に、運搬中に、医療用器具またはインプラントの移動要素からの望ましくない解放が阻止される。
【0038】
本発明に従うコンテナは、医療用器具またはインプラント、特に、歯科インプラントの骨内膜領域がハウジングと接触する領域を有しないことを保証する。これにより、ハウジングによるインプラントの汚染または損傷が防止される。
【0039】
本発明に従うコンテナのハウジングには、好適には、開口端面と長手方向軸が含まれる。移動要素は、開口端部のおかげで外側からアクセスすることができる。ハウジングは、好適には、中空円筒の形状、特に、中空立方形状または中空円筒形状を有している。特に、好適な実施の形態では、本発明に従うコンテナのハウジングは、円筒形状の内部と内側側面を備えた中空円筒の形状を有している。円筒形状の内部は、特に、ハウジングの内側側面の少なくとも一つの溝との組合せに適している。
【0040】
好適な実施の形態では、本発明に従うコンテナのハウジングは、長手方向の開口部を有している。この開口部は、好適には、開口端面から、ハウジングの中間よりもさらにハウジングの反対側の方向に延びている。開口部は、好適には、円周方向において、ハウジングの表面の円周の半分以上にわたって延びていない。この開口部は、ハウジングの開口端面を通すために、医療用器具またはインプラントの取り外しを必要とすることなく、或いは、全く必要とすることなく、移動要素と医療用器具またはインプラントを取り外すために利用される。
【0041】
好適な実施の形態では、ハウジングの結合手段として、少なくとも一つの溝が内側側面に形成される。特に、好適な実施の形態では、少なくとも二つのほぼ直径方向に対向する溝が形成され、移動要素の対応する結合手段と相互に作用するように、特に、バヨネットクロージャーを形成して移動要素の案内突起を保持するように使用される。
【0042】
特に、好適な実施の形態では、ハウジングの少なくとも一つの溝が通路溝として、すなわち、溝が、ハウジングの径方向の開口部を含むように、具体化される。しかしながら、溝は、ハウジングの内側側面に開口部を有しない凹部として具体化することもできる。
【0043】
好適な実施の形態では、ハウジングの少なくとも一つの溝は、閉鎖端部と開口端部を有している。閉鎖端部は、好適には、溝の開口端部よりもハウジングの開口端面からさらに離れた端部である。コンテナのロック状態では、移動要素の案内突起は、好適には、溝の閉鎖端部で停止している。したがって、開口端部は、好適には、コンテナの開口端面のより近くに配置された端部である。溝の開口端部は、好適には、ハウジングの長手方向の開口部の方向に広がっている。溝の開口端部により、簡単な方法で移動要素の案内突起を溝から取り外すことを可能とし、或いは、簡単な方法で移動要素の案内突起を溝に挿入することが可能となる。
【0044】
特に、好適な実施の形態では、少なくとも一つの溝は、通路溝としてデザインされ、開口端部を有している。
【0045】
好適な実施の形態では、ハウジングは、ハウジング用の結合手段として、少なくとも一つの案内突起を内側側面に有している。特に、好適な実施の形態では、二つの案内突起が、長手方向軸に垂直な直線上に少なくとも配置されており、バヨネットクロージャーを形成するように、移動要素の一つの溝にそれぞれ係合させるために利用される。
【0046】
好適に実施の形態では、本発明に従うコンテナのハウジングは、医療用器具またはインプラントと二つの案内突起を取り外すための長手方向の開口部を有している。二つの案内突起は、実質的に円筒形状、円錐形状または半球形状である。案内突起の丸いまたは丸みのある基部領域の形状または断面形状は、ハウジングをインプラントから取り外すために、ハウジングの長手方向軸に垂直で二つの案内突起を通って延びる旋回軸の回りにコンテナを旋回させることができるように利用することができる。それ故に、ハウジングの長手方向軸は、移動要素の長手方向軸に対して回転され、また、医療用器具またはインプラントは、ハウジングと移動要素との間で接触したままで、ハウジングから持ち上げられ、そのため、ハウジングの結合手段は、依然として、対応する移動要素の結合手段と相互に作用することができる。旋回中は、ハウジングまたは移動要素の二つの案内突起は、旋回軸のヒンジポイントとして使用される。その結果、ハウジングは、移動要素またはハウジングの溝の形状に対応するように移動させて、ハウジングまたは移動要素の案内突起を溝から取り外すことによって、移動要素と医療用器具またはインプラントから完全に取り外される。その結果、この実施の形態のコンテナでは、医療用器具またはインプラントをハウジングから安全に取り外すことができ、案内突起が溝から取り外された時点で医療用器具またはインプラントが少なくとも部分的にハウジングから取り外されるため、他の材料、特に、ハウジングとの好ましくない接触の結果としてのインプラントの表面の汚染または損傷の危険性が減少される。
【0047】
本発明に従うコンテナは、好適にはさらに、移動要素に着脱自在に取り付けられ、運搬状態においてハウジングによって保護される、医療用器具またはインプラント、特に、歯科インプラントを含んでいる。
【0048】
ハウジングと移動要素は、好適には、滅菌を簡単に実行するとこができるように、生体適合性の滅菌可能な材料から製造される。好適な実施の形態では、ハウジング及び移動要素の材料は、ステンレススチール、セラミックス、複合材料、または、特に好適には、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのプラスチックまたはチタンから構成される。
【0049】
コンテナのさらに好適な実施の形態では、移動要素とハウジングは、特に、寸法が安定したデザインを有している。寸法安定性は、医療用器具またはインプラントを最適に保護して、特に、運搬中に、損傷から免れることになる。
【0050】
さらに、ハウジングは、好適には、複数の開口部、特に、スリット形状の孔を有しており、滅菌媒体が、医療用器具またはインプラントの表面に容易にアクセスできるようにしている。
【0051】
ハウジングはまた、移動要素及び/または医療用器具またはインプラントを保持するための保持部分であると考えることができる。
【0052】
本発明に従うコンテナは、運搬及び保管を目的として、好適には、さらに外側の包装要素に保管される。とりわけ、この外側の包装要素は、滅菌バリアとして使用される。さらに、段ボール箱のような要素で包装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施の形態に従う歯科インプラントを備えた移動要素を示す図である。
【図2A】図1の移動要素と歯科インプラントを備えた、本発明の第1の実施の形態に従うコンテナの斜視図であり、移動要素は、挿入されると共にロック状態で示されている。
【図2B】図1の移動要素と歯科インプラントを備えた、本発明の第1の実施の形態に従うコンテナの平面図であり、移動要素は、挿入されると共にロック状態で示されている。
【図3】図2のコンテナを示す図であり、移動要素は、挿入されると共にアンロック状態で示されている。
【図4】図2及び図3のコンテナを示す図であり、移動要素は、部分的に引き出された状態で示されている。
【図5】図2〜図4のコンテナを示す図であり、移動要素は、枢着された状態で示されている。
【図6】本発明の第2の実施の形態に従う歯科インプラントを備えたコンテナを示す図であり、移動要素は、歯科インプラントと共にハウジングから取り外されている。
【図7】本発明の第3の実施の形態に従う歯科インプラントを備えたコンテナを示す図であり、歯科インプラントを取り扱う手段が結合部の内側に配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1には、本発明に従う第1の実施の形態の移動要素1の斜視図が示されている。移動要素1には、第1端部7のホルダー部5と、このホルダー部5に結合されたアダプター部10が含まれる。ホルダー部5は、移動要素1を取り扱う手段として使用されるリブ12を有している。移動要素1は、リブ12を用いることにより、手で安全に持ち上げられ、また、保持することができる。
【0055】
アダプター部10は、結合部15とアダプター端部領域20を有しており、アダプター端部領域20は、第2端部22の末端に配置されており、また、結合部15は、アダプター端部領域20とホルダー部5との間に配置されている。歯科インプラント25は、アダプター端部領域20に装着されており、図において破線で示されている。アダプター端部領域20は、複数のラグ35を有する弾性フィンガー30を備えている。ラグ35は、歯科インプラント25用の台面を形成する。台面を備えたラグ35により、歯科インプラント25が移動要素1上に支持されると共に保持される。図1は、アダプター端部領域20のラグ35の背後でラグ35に係合して保持されるボディ部40を一体に備えた歯科インプラント25を示している。それ故に、歯科インプラント25の小さい領域のみが、移動要素1に接触する。歯科インプラント25の残りの領域、特に、骨内膜領域は、移動要素と接触することはなく、それ故、歯科インプラント25の良好な滅菌性を保証する、例えば、滅菌手段に自由にアクセスすることができる。
【0056】
図1に示された移動要素1の実施の形態では、その結合部15は、実質的に円筒形状のデザインを有しており、また、外側側面45を有している。外側側面45内には、移動要素1の結合手段の一部である溝50が形成されており、この溝は、コンテナのハウジングの結合手段と相互に作用して、バヨネットクロージャーを形成するように意図されている。溝50の二つの端部52が、移動要素1の長手方向軸55に垂直な面で直径方向に対向して配置されている。溝50の二つの端部52からスタートして、溝50は、まず、円周方向で反時計方向に延びている。次に、溝50は、それぞれ90°の円弧を描いて、移動要素1の長手方向軸55と平行に、アダプター端部領域20の方向に延びている。続いて、溝50は、再び、それぞれ90°の円弧を描いて、一方の端部52からスタートした溝50は円周方向で時計方向に延びると共に、他方の端部52からスタートした溝50は円周方向で反時計方向に延びる。
【0057】
溝50は、両端部52の近傍に円弧形状の拡大部57を有しており、この拡大部は、バヨネットクロージャーの不用意なアンロックを阻止するために、コンテナのハウジングの結合手段と相互に作用するように意図されている。
【0058】
図2A及び図2Bは、本発明に従う第1の実施の形態のコンテナ60を示しており、図1のような移動要素1と、ハウジング65と、図1の歯科インプラント25を含んでいる。図1に示すように、歯科インプラント25は移動要素1に装着されている。移動要素1はハウジング65の中に挿入され、バヨネットクロージャー手段でハウジング65にロックされている。コンテナ60は、好適には、ロック状態で、歯科インプラント25を運搬すると共に保管するために使用される。
【0059】
図2Aは、コンテナ60の斜視図を示している。コンテナ60のハウジング65は、丸みのある長手方向の端部を備えた中空立方の形状を有している。ハウジング65の第1端面70は、移動要素1を保持するために開口されている。ハウジング65の長手方向の側部は、第1端面70から反対側の端部72の方向に延びる長手方向の開口部75を有しており、長手方向の側部のほぼ3分の2が開口されている。
【0060】
ロック状態で、移動要素1の長手方向の軸55は、ハウジング65の長手方向の軸80とほぼ平行に延びている。移動要素1は、ホルダー部5を備えた第1端部7がハウジング65の外側に位置して、アダプター端部領域20を備えた第2端部とこの第2端部に装着された歯科インプラント25がハウジング65の中に位置するように、ハウジング65の中に挿入されている。それ故に、ホルダー部5は、外側から容易にアクセスして、容易に持ち上げることができる。
【0061】
図2Bは、コンテナ60の平面図を示している。開口端面70の近傍に、二つの対向する側部はそれぞれ、ハウジング65の内側側面82に一つの案内突起85を有している。これらの二つの案内突起85は、ハウジング65の長手方向軸80に垂直な直線上に配置されている。これらの二つの案内突起85は、移動要素1の溝50に係合する。図2に示されたコンテナ60のロック状態で、案内突起85は、移動要素1の溝50の直径方向に対向する端部52に位置している。端部52からスタートして、溝50は、まず、円周方向に延びている。それ故に、移動要素1は、ロック状態では、ハウジング65に対して長手方向軸80に沿って位置を変えることができない。
【0062】
図2から図6は、移動要素1をハウジング65から取り外す時間をそれぞれ異ならせて本発明に従うコンテナ60を示している。ホルダー部5をハウジング65に対してほぼ90°回転することによって、コンテナ60は、図2に示されたロック状態から図3に示されたアンロック状態に移動される。
【0063】
図3は、図2に示すロック状態からアンロック状態にある本発明に従うコンテナ60を示している。ハウジング65の二つの案内突起85は、もはや移動要素1の溝50の二つの端部52に位置していないが、溝50とは相互に作用し続けている。溝50の次の部分は、ハウジング65の長手方向軸80と平行に延びている。ハウジング65の案内突起85と相互に作用していることによって、溝50は、アンロック状態で、ハウジング65の長手方向軸80に沿って引っ張ることにより、移動要素1をハウジング65の開口端面70から部分的に引き出すことができる。
【0064】
図4は、図3のコンテナ60の平面図を示しており、移動要素1は、ハウジング65の開口端面70から部分的に引き出されている。ここで、溝50のさらなる形状の変化が方向を変化させて示されており、前と同様に円周方向に延びている。ハウジング65の案内突起85と相互に作用していることによって、溝50の方向転換はストッパを形成して、移動要素1をハウジング65の長手方向にどこまで引き出すことができるかを制限している。今や、移動要素1は、ハウジング65の長手方向軸80に対して直角に持ち上げることによって、ハウジング65から取り外すことができる。しかしながら、好適には、移動要素1は、この移動要素1の取り外しを簡単にするために、取り外す前に、ハウジング65に対して旋回される。
【0065】
図示したハウジング65の案内突起85は、実質的に円筒形状を有している。案内突起85の丸い基部領域は、案内突起85を旋回軸90を定めるヒンジポイントとして作用させる。旋回軸は、ハウジング65の長手方向軸80に直交して、かつ、二つの案内突起85を通って延びている。ホルダー部5を適切に作動させることにより、移動要素1の長手方向軸55は、ハウジング65の長手方向軸80に対して旋回することができるため、移動要素1の第2端部22に装着された歯科インプラント25は、ハウジング65の長手方向の開口部75を通ってハウジング65から部分的に持ち上げられる。
【0066】
図5は、図4のコンテナ60を示しており、移動要素1は、ハウジング65に対して約35°旋回されている。換言すると、移動要素1の長手方向軸55は、ハウジング65の長手方向軸80に対して約35°角度付けられている。この状態では、移動要素1の溝50の形状に従って、移動要素1を、この移動要素1の長手方向軸55に対して90°の角度でハウジング65の長手方向の開口部75を通して持ち上げることにより、歯科インプラント25は簡単に取り外される。移動要素1が持ち上げられる間に、ハウジング65の案内突起85は、移動要素1の溝50から取り外される。旋回させることにより、歯科インプラント25の大部分は、ハウジング65から取り外される。これにより、歯科インプラント25をハウジング65から安全に取り外すことが可能となり、この間に、ハウジング65との好ましくない接触の結果としてのインプラントの表面の汚染または損傷の危険性が減少される。
【0067】
さらに、ホルダー部5は、歯科インプラント25を取り外す全過程の間、移動要素1の安全な取り扱いを可能とする。特に、本発明に従う移動要素1のホルダー部5により、補助具を使用することなく、ためらうことなく手だけを使用して、歯科インプラント25をハウジング65から取り外すことが可能となる。
【0068】
図6は、本発明に従うコンテナ60の第2の実施の形態を示しており、この第2の実施の形態の移動要素1は、歯科インプラント25に着脱自在に結合されている。ここでは、移動要素はハウジング65から分離されて示されている。図6に示す実施の形態では、移動要素1の結合部15は、二つの案内突起85bを有しており、これらの案内突起はそれぞれ、ハウジング65の一つの溝と相互に作用するように意図されている。ハウジング65は、実質的に、円筒形状のデザインを有している。ハウジング65は、二つの溝95を有しており、この場合、これらの溝は、通路溝として具体化されており、移動要素1の二つの案内突起85bを保持するように意図されている。
【0069】
図6に示す実施の形態のように、歯科インプラント25をロックされたコンテナ60から取り外すことは、実質的に、図2から図5で説明した各ステップと同様に実行される。特に、図示した実施の形態では、ハウジング65に対して移動要素1を旋回させることによって歯科インプラント25を取り外すことが可能となる。
【0070】
図7は、本発明に従うコンテナ60の第3の実施の形態を示しており、この第3の実施の形態の移動要素1は、歯科インプラント25に着脱自在に結合され、ハウジング65にロックされている。ハウジング65は、図2に示された実施の形態に対応している。移動要素1は、実質的に円筒形状のアダプター部10を含んでいる。このアダプター部10は、アダプター端部領域20と、溝50を備えた結合部15と、移動要素1の長手方向軸55に沿ったほぼ円筒形状の開口部100を有している。アダプター端部領域20と結合部15は、図2に示された実施の形態のように具体化されている。図示した第3の実施の形態の移動要素は、ホルダー部を含んでいない。移動要素1を取り扱う手段(図示省略)は、長手方向軸55に沿って、かつ、結合部15と同じ高さで、開口部100に配置されており、補助具を保持するように使用される。補助具は、開口部100を通って、結合部15の中に挿入され、そこで、移動要素1を取り扱う手段と相互に作用する。例えば、この手段は、内側多角形(インターナル多角形)、特に、内側六角形または内側八角形、インターナルトルクス、スナップ結合または雌ネジの形状を有している。補助具は、ハウジング65から、歯科インプラント25と共に移動要素1を取り外すために使用することができる。取り外しは、実質的に上述したように、移動要素1を、回転すること、引っ張ること、旋回することによって、ハウジング65を取り外すことで、もたらすことができる。歯科インプラント25は、移動要素1と補助具を使用して、着床部位内に挿入することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用器具またはインプラント用の移動要素、特に、歯科インプラント(25)用の移動要素(1)であって、
該移動要素(1)は、長手方向軸(55)と、第1端部(7)と、第2端部(22)と、第2端部(22)に配置されて、医療用器具またはインプラントを保持すると共に移動要素(1)をコンテナ(60)のハウジング(65)に取り付けるアダプター部(10)と、を含んでおり、また、手を使用して、及び/または、補助具を使用して、医療用器具またはインプラントを取り扱う手段を含むと共に、第1端部(7)に配置されて、アダプター部(10)に結合された任意のホルダー部(5)を含んでおり、ここで、
第1端部(7)、第2端部(22)、アダプター部(10)及び任意のホルダー部(5)は、長手方向軸(55)上に配置され、また、アダプター部(10)は、第2端部(22)に配置されて、医療用器具またはインプラントを着脱可能に保持するアダプター端部領域(20)と、このアダプター端部領域(20)と第1端部(7)との間に配置されて、ハウジング(65)の対応する結合手段と相互に作用するように意図された結合手段を有する結合部(15)と、を有しており、また、医療用器具またはインプラントを取り扱う手段は、結合部(15)及び/または任意のホルダー部(5)に配置されている、ことを特徴とする移動要素(1)。
【請求項2】
移動要素(1)は、ホルダー部(5)と、このホルダー部(5)に配置されて、医療用器具またはインプラントを取り扱う手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の移動要素(1)。
【請求項3】
医療用器具またはインプラントを取り扱う手段は、手を使用して、及び/または、補助具を使用して、特に、ねじ込み具を使用して、歯科インプラントを着床部位に挿入するために適していることを特徴とする請求項1または2に記載の移動要素(1)。
【請求項4】
医療用器具またはインプラントを取り扱う手段は、リブ、ノッチ、ハンドル、ネジ、インターナルトルクスまたはエクスターナルトルクス、スリット、及び、内側多角形または外側多角形、特に、六角形または八角形、及び、それらの組合せのグループから選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動要素(1)。
【請求項5】
移動要素(1)は、少なくとも中空の円筒形状にデザインされており、また、移動要素(1)は、医療用器具またはインプラントと補助具との間で直接的に相互作用できるように具体化されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動要素(1)。
【請求項6】
移動要素(1)の結合手段は、対応するハウジング(65)の結合手段と共にバヨネットクロージャーを形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動要素(1)。
【請求項7】
結合部(15)の結合手段は、外側表面(45)上に、直径方向に延びる少なくとも一つの溝(50)、好適には、二つの溝(50)を含んでおり、この溝は、対応する結合手段としてバヨネットクロージャーを形成するように、ハウジング(65)の少なくとも一つの案内突起(85)、好適には、二つの案内突起(85)を保持するように使用されることを特徴とする請求項6に記載の移動要素(1)。
【請求項8】
結合部(15)の結合手段は、外側表面(45)上に、少なくとも一つの案内突起(85b)、好適には、二つの少なくともほぼ直径方向の案内突起(85b)を含んでおり、これらの案内突起は、対応する結合手段としてバヨネットクロージャーを形成するように、ハウジング(65)の少なくとも一つの溝(95)、好適には、二つの溝(95)に係合するように使用されることを特徴とする請求項6または7に記載の移動要素(1)。
【請求項9】
結合部(15)は、実質的に円筒形状または円錐形状の二つの案内突起(85b)を少なくともほぼ直径方向に有しており、二つの案内突起(85b)は、ハウジングの二つの溝と相互作用することにより、インプラントをハウジング(65)から少なくとも部分的に旋回させるピボット軸(90)のヒンジポイントとして使用されるように意図されていることを特徴とする請求項8に記載の移動要素(1)。
【請求項10】
アダプター端部領域(20)は弾性フィンガー(30)を備えており、この弾性フィンガーは、ラグ(35)により形成される台面に医療用器具またはインプラントを保持するように意図されたラグ(35)を有しており、ラグ(35)と医療用器具またはインプラントとの間の台面は最小面積を有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の移動要素(1)。
【請求項11】
医療用器具またはインプラント用のコンテナ、特に、歯科インプラント(25)用のコンテナ(60)であって、
該コンテナ(60)は、請求項1〜10のいずれか1項に記載のハウジング(65)と移動要素(1)を含んでおり、また、コンテナ(60)は、ハウジング(65)と移動要素(1)の結合部(15)との間で作用する閉鎖機構を有していることを特徴とするコンテナ(60)。
【請求項12】
ハウジング(65)と結合部(15)との間の閉鎖機構は、バヨネットクロージャーを含むことを特徴とする請求項11に記載のコンテナ(60)。
【請求項13】
ハウジング(65)は、開口端面(70)と長手方向軸(80)を含んでおり、また、内側側面(82)を備えた中空円筒の形状、特に、中空立方形状または中空円筒形状を有していることを特徴とする請求項11または12に記載のコンテナ(60)。
【請求項14】
ハウジング(65)は、医療用器具またはインプラントを取り外すために、長手方向の開口部(75)を有していることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載のコンテナ(60)。
【請求項15】
ハウジング(65)は、内側側面(82)に、少なくとも一つの溝(95)、好適には、二つの溝(95)を備えた円筒形状の内部を有しており、これらの溝は、バヨネットクロージャーを形成するために、請求項8の移動要素(1)の少なくとも一つの案内突起(85b)、好適には、二つの案内突起(85b)を保持するように使用されることを特徴とする請求項13または14に記載のコンテナ(60)。
【請求項16】
少なくとも一つの溝(95)、好適には、二つの溝(95)は、一つの通路溝または二つの通路溝として具体化されることを特徴とする請求項15に記載のコンテナ(60)。
【請求項17】
ハウジング(65)は、内側側面(82)に、少なくとも一つの案内突起(85b)、好適には、二つの案内突起(85b)を有しており、これらの突起は、バヨネットクロージャーを形成するために、請求項7の移動要素(1)の少なくとも一つの溝(50)、好適には、二つの溝(50)に係合するように使用されることを特徴とする請求項13または14に記載のコンテナ(60)。
【請求項18】
コンテナ(60)は、ほぼ円筒形状またはほぼ円錐形状の二つの案内突起(85,85b)を有しており、これらの案内突起(85,85b)は、移動要素(1)及び/またはハウジング(65)に取り付けられ、医療用器具またはインプラントを、長手方向の開口部(75)を介してハウジング(65)から少なくとも部分的に旋回させるピボット軸(90)のヒンジポイントとして使用されるように意図されていることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載のコンテナ(60)。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−500093(P2013−500093A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522021(P2012−522021)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004593
【国際公開番号】WO2011/012287
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.トルクス
【出願人】(506415207)ストラウマン ホールディング アーゲー (25)
【Fターム(参考)】