医薬品および薬剤の計量およびパッケージングさらには移送
【課題】公知の吸入デバイスに対する改良をもたらすこと。
【解決手段】吸入デバイスのための圧力センサおよびコントローラであって、音響的コントローラを具備し、この音響的コントローラは、自身の周囲の流体圧力を検出し得るとともに流体圧力の周波数および強度を代理する信号を形成し得る音響的検出部材(208)を備え、信号が、吸入デバイスの構成部材(226,228)を制御するために使用されるようになっている。
【解決手段】吸入デバイスのための圧力センサおよびコントローラであって、音響的コントローラを具備し、この音響的コントローラは、自身の周囲の流体圧力を検出し得るとともに流体圧力の周波数および強度を代理する信号を形成し得る音響的検出部材(208)を備え、信号が、吸入デバイスの構成部材(226,228)を制御するために使用されるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大まかに言えば、医薬品および薬剤の計量およびパッケージングさらには移送の技術分野に関するものである。本発明の好適な用途は、乾燥粉末薬の計量およびパッケージングを容易とすることであり、および/または、粉末薬の吸入を容易とすることである。しかしながら、本発明は、他の薬物応用にも適用可能である。
【背景技術】
【0002】
気道に関するある種の疾病は、治療薬剤の直接的適用によって処置することが公知である。このような薬剤が乾燥粉末の形態として最も容易に入手可能であることにより、鼻や口から粉末物質を吸入することによって、薬剤の適用を行うことが最も一般的である。粉末の形態であることにより、薬剤が正確に要望箇所に堆積して所望の作用をもたらすという点において、薬剤治療が有効に行われている。よって、非常に少量の薬剤の適用であっても、他の手段によって大量に投与されるものと同等の効果がもたらされる。これにより、望ましくない副作用の発生が極度に減少するとともに、薬物にかかる費用が大幅に低減される。これに代えて、このような粉末の形態の薬剤は、気道系の疾病以外の疾病の治療に使用することができる。薬剤が肺の非常に大部分の表面領域上に堆積する場合には、薬剤は、血液流内に非常に迅速に吸収される。これにより、この適用方法は、注射や錠剤や他の従来手段による投与方法に取って代わる可能性がある。
【0003】
気道へと導入された薬剤粒子のサイズが1〜5μmであるときに薬剤の生物学的利用能が最適となるということが、医薬業界では言われている。薬剤粒子がこのサイズ範囲であることが必要とされたときには、乾燥粉末の搬送システムは、多くの点を克服する必要がある。
【0004】
(1)小さなサイズの粒子は、製造時および貯蔵時に、自身に静電電荷をもたらす。これにより、粒子どうしが凝集して塊状化し、このため、5μmよりも大きいような実効サイズの粒子クラスターが形成される。よって、このような大きなクラスターが肺の深部にまで到達できる可能性が、減少する。これにより、パッケージングされた薬剤が患者によって吸収される割合が減少することとなる。
【0005】
(2)患者に対して導入する必要のある活性薬剤の量は、数十μgの程度とすることができる。例えば喘息に対して使用される薬剤であるアルブテロールの場合には、25〜50μgである。現在の製造装置は、mg範囲であれば薬剤の一部を許容し得る正確さでもって有効に搬送することができる。そのため、標準的な手法においては、活性薬剤に対して、例えばラクトースといったようなフィラーすなわちバルク化剤を混合することである。この添加剤は、また、薬剤を『流通しやすい』ものとする。このフィラーは、薬剤粒子どうしが静電結合または化学結合によって粒子どうしを固着させることにより、キャリアとも称される。これらキャリア粒子のサイズは、薬剤粒子のサイズよりも、ずっと大きなものである。乾燥薬剤の吸入器が吸入キャリアから薬剤を分離させ得る可能性は、有効性に関して、重要な性能パラメータである。
【0006】
(3)5μmよりも大きなサイズの活性薬剤粒子は、口内または咽喉内のいずれかに堆積することとなる。このことは、このような場所における薬剤の生物学的利用能および吸収が肺におけるものとは相異することにより、他の不確定さをもたらしてしまう。乾燥粉末の吸入器は、薬剤の生物学的利用能に関する不確定さを減少させるために、このような場所への薬剤の堆積を最小化する必要がある。
【0007】
従来技術による乾燥粉末吸入器(dry powder inhalers,DPIs)は、通常、高速空気流内に薬剤(活性薬剤とキャリアとの双方)を導入するための手段を備えている。高速空気流は、μmサイズの粒子クラスターを分解するための主要機構として、すなわち、薬剤粒子をキャリアから分離させるための主要機構として、使用される。薬剤適用においてこのような粉末の形態で投与するのに好適ないくつかの吸入デバイスは、従来技術において公知である。例えば、米国特許明細書第3,507,277号、米国特許明細書第3,518,992号、米国特許明細書第3,635,219号、米国特許明細書第3,795,244号、米国特許明細書第3,807,400号には、粉末薬を収容しているカプセルに穴を開けるための手段を具備しているような吸入デバイスが開示されている。この場合、吸入時には、穴開きカプセルから薬剤が取り出されて使用者の口内へと適用される。上記特許文献のいくつかは、カプセルからの粉末の吸引を吸入空気だけに頼る必要がないように吸入時にカプセルからの粉末の取出を補助するための推進手段を開示している。例えば、米国特許明細書第2,517,482号には、粉末を収容しているカプセルを吸入前に下部チャンバ内に配置し、下部チャンバ内において、使用者が孔開けピンを手動で押圧することによってカプセルの孔開けを行うことが開示されている。孔開け後に、吸入が開始され、カプセルは、デバイスの上部チャンバへと吸い込まれる。上部チャンバ内においては、カプセルは、あらゆる方向に動き回り、これにより、孔開けされた孔から粉末が取り出され、吸入空気流に乗って運ばれる。米国特許明細書第3,831,606号には、複数の孔開けピンと、推進手段と、外部からの手動操作によって推進手段を駆動するための内蔵型電源と、を具備している吸入デバイスが開示されている。この場合、吸入時には、推進手段が吸入空気流への粉末の適用を補助する。また、米国特許明細書第5,458,135号を参照されたい。
【0008】
これら従来技術によるデバイスは、本発明によって克服されるような、いくつかの問題点および欠点を有している。例えば、従来技術によるデバイスにおいては、孔開け済みのカプセルから吸入空気流へと粉末を吸い出すために、使用者がかなりの吸入を行う必要がある。このような従来デバイスであると、カプセルの孔を通しての吸入に基づく粉末の吸出によって、通常、すべての粉末あるいは大部分の粉末をカプセル外へと引き出すことができず、そのため、薬剤の全量を使用することができない。また、そのような従来デバイスであると、微細に分散した粉末が制御量だけ一定に吸入されるというよりも、粉末材料からなる塊または非制御量が吸入されてしまう。
【0009】
上記従来技術の説明の大部分は、Wilke 氏他による米国特許明細書第3,948,264号からの引用である。Wilke 氏他は、粉末薬剤の吸入を容易とするためのデバイスであって、一次空気流入チャネルと二次空気流入チャネルと流出チャネルとを有したボディ部を具備したデバイスを開示している。二次空気流入チャネルは、粉末薬剤を収容しているカプセルのための容器をなし、流出チャネルは、ボディ部から突出するマウスピースとして形成される。カプセル孔開け構造が設けられており、このカプセル孔開け構造は、回転によってカプセルに1つまたは複数の孔を開け、これにより、電気機械的バイブレータによるカプセルに対しての振動付与時には、粉末薬剤がカプセルから取り出されるようになっている。Wilke 氏他によって開示された孔開け手段は、トロコイド状チャンバ内に取り付けられた、径方向を向くとともにスプリングによって付勢されている3つの孔開けニードルを備えている。チャンバを手動で回転させた時には、ニードルの同時的内向き径方向移動によって、カプセルが孔開けされる。チャンバをさらに回転させると、スプリング付勢取付に基づいて、カプセルから退避した初期位置へと、ニードルが引っ込められる。電気機械的バイブレータは、最内端部に、流入チャネルと流出チャネルとの交点内に突出する振動プランジャロッドを有している。プランジャロッドには、ロッドを振動させるための機械的ソレノイドブザーが連結されている。このブザーは、高エネルギー電池によって駆動されるものであって、外部ボタンスイッチによって起動される。Wilke 氏他によれば、流出チャネル3を通しての吸入時に、スイッチ10dが押されることによって、電気機械的振動手段10が駆動される。これにより、流入チャネル4,12を通して空気が吸い込まれるとともに、二次流入チャネル4を通しての空気流が、振動プランジャロッド10aのところにまでカプセルを押し上げる。これにより、カプセルが急速に振動することとなり、粉末が流動化して孔から取り出される。(この技術は、ホッパから粉末を取り出すに際して、製造分野においては通常的に使用されている。つまり、ホッパを振動させることにより、粉末を流動化(流体化)させ、ホッパ出口から粉末が取り出される。カプセル内の孔は、ホッパ出口に相当する。)流入チャネル4,12を通しての空気流は、カプセルからの粉末の取出を補助し、この粉末を、流出チャネル3を経由して使用者の口へと搬送する(Wilke 氏他の文献における第3コラム、第45〜55行目)。Wilke 氏他は、さらに、電気機械的バイブレータ手段を、流入チャネルに対して直角に配置し得ること、および、振動の強度および周波数を、吸入による取出特性の制御に応じて変更できること、を開示している。
【0010】
ここで、上述のように、Wilke 氏他の吸入器におけるバイブレータは、ソレノイドブザーによって駆動されるロッドを有した電気機械的デバイスである。(電気機械的手段は、カムを駆動するモータとすることもできる(第4コラム、第40行参照)。)Wilke 氏他によって開示されたような吸入器の不利な点は、カプセルを効果的に振動させるために、比較的大きな機械的移動をロッドに対して引き起こす必要があることである。通常数百μmの程度とされるような、ロッドの大きな移動は、カプセル壁の弾性のために、また、薬剤およびカプセルの慣性のために、必要とされる。
【0011】
さらに、ソレノイドブザーは、典型的には、5KHz以下の動作周波数を有している。動作周波数は、ノイズ(騒音、不快音)をもたらしてしまいがちなものであり、したがって、患者の立場からは、乾燥粉末吸入器に組み込むことが望ましくないものである。Wilke 氏他のデバイスにおける電気機械的アクチュエータのさらなる欠点は、高エネルギー源を必要とすることである(Wilke 氏他の文献における第3コラム、第38行目)。よって、大きなバッテリ源を必要としたり、あるいは、携帯型ユニットとしてのバッテリパックを頻繁に交換する必要がある。このような特性は、患者に対する安全性という観点から、また、『使用の容易さ』という観点から、望ましくない。
【0012】
Wilke 氏他による吸入器は、従来技術において引用されている他の吸入器と比較して、カプセル内に残される粉末の量を低減することを主要な目的としている(Wilke 氏他の文献における第4コラム、第59〜68行目、および、第5コラム、第1〜48行目)。しかしながら、Wilke 氏他は、肺に対して薬剤を有効に搬送するために要求されているような、粒子サイズへの粉末の解離の必要性あるいは6μm以下というサイズのグループへの粉末の解離の必要性には応えていない。どちらかといえば、Wilke 氏他は、従来の吸入器と同様に、肺に向けての搬送のために適切な粒子サイズへの解離を空気流内に粉末を放出することによって行うというように、空気流速に依存して粉末の解離を行っている。
【0013】
他の従来技術による吸入デバイスは、Burns 氏他による米国特許明細書第5,284,133号に開示されている。このデバイスにおいては、液体薬剤が、例えば圧電性部材といったような超音波デバイスによって霧化される(Burns 氏他による文献の第10コラム、第36〜51行目)。通常は高速のものとされる空気流が、推進役となって、霧化された粒子を患者に対して搬送する。噴霧器内における液体薬剤の霧化に必要なエネルギーは、ひどく大きなものであり、肺にまでの薬剤搬送に際してのこの手法の実施を、机上の空論のものとしている。機械的変位をもたらすのに必要とされるような、圧電体駆動用の高電圧は、また、デバイスの重量およびサイズを、ひどく大きなものとしてしまう。噴霧器を動作原理とするこの手法を、肺への粉末薬剤の搬送のための乾燥薬剤吸入器に対して適用し得ないことも、また、明瞭である。
【0014】
したがって、従来技術によるデバイスは、肺にまでの乾燥粉末の搬送に際して望ましくないような、多くの欠点を有している。これら欠点のいくつかは、下記のようなものである。
−従来技術による吸入器の性能が、使用者によって生成される流速に基づくものであること。流速が小さいと、粒子が全体的に解離されることがなく、そのため、患者に対して搬送される薬剤量が悪影響を受けてしまう。
−解離プロセスの一貫性の欠如のために、投与量と薬剤効能とが一致しなくなってしまうこと。
−電気機械的吸入器の駆動のために大きなエネルギーが必要とされ、このため、デバイスのサイズが大きくなってしまって、携帯用途に適さないものとなってしまうこと。
【0015】
1997年12月9日付で付与された我々の以前の米国特許明細書第5,694,920号において、我々は、上記従来デバイスの上記欠点を克服するために、振動を使用して、ガス内への粉末の浮遊を容易とするような吸入器を提案している。より詳細には、我々の上記特許における吸入器は、粉末を振動させるための圧電性バイブレータを備えている。ガス内に粉末の少なくとも一部を最適に浮遊させ得るような振動を粉末に与えるために、バイブレータに対しての駆動電力供給を制御する(例えば、強度および/または周波数)ためのコントローラが設けられている。我々の上記特許に記載されているように、このコントローラは、吸入器において現在使用されているタイプの粉末をガス内に最適に浮遊させ得るように使用者が振動周波数および/または強度を選択できるような、使用者駆動制御部材を備えている。使用者駆動制御部材は、粉末の少なくとも一部をガス中に最適に浮遊させ得るようにして使用者駆動制御部材によって選択されたタイプの粉末を振動させるために必要なバイブレータ駆動用の駆動電力の強度および/または周波数をコントローラが調整し得るように、コントローラによって予め校正される。使用者駆動制御部材は、ガス中に浮遊させるべき粉末粒子の平均サイズという観点から、および/または、所望の振動周波数および強度という観点から、選択の幅を有することができる。振動周波数は、そのような通常的に使用される粉末薬剤をガス中に最適に浮遊させるために、少なくとも約12KHzであるように調整される。当然のことながら、振動周波数および強度は、使用されている粉末薬剤が最適に浮遊するように調整することができる。
【0016】
空気流を横切って静電界が形成されことによって、この静電界の強度を制御することにより、主に所望サイズの粒子だけが、空気流内に導入される。この場合、大きなサイズの粒子は、容器内に残される。このことは、従来技術におけるデバイスにも共通しているように大きな粒子が口内または咽喉内に堆積することのために生じていた薬剤の効能に関しての不一致さを、低減する。
【特許文献1】米国特許明細書第5,694,920号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、例えば我々の上記米国特許明細書第5,694,920号に記載されたような吸入デバイスといったような従来技術による吸入デバイスに対する改良をもたらすものである。本発明のある実施形態においては、吸入器は、2つまたはそれ以上のバイブレータ手段あるいは圧電素子を備えている。これにより、互いに異なる薬剤、すなわち、粒子サイズが互いに異なる薬剤を、同一の吸入器から搬送することができる。
【0018】
本発明のさらに他の実施形態においては、圧電部材は、粉末内における定常波形性の可能性を避けるために、2つ以上の設定周波数の間で切り換えられる、あるいは、2つ以上の周波数の間にわたって掃引される。
【0019】
本発明のさらに他の実施形態においては、吸入器は、例えば投与回数のカウントや患者の使用状況の観測や使用の注意喚起といったような1つ以上の機能を記録したりまた制御したりするための電気回路を備えている。また、吸入器は、搬送プロトコルに従って、すなわち、時間的に薬剤の搬送量を変更し得るように、プログラムすることができる。必要に応じて、吸入器は、例えば不適切に高温すぎる温度環境に曝されたときに吸入器の駆動を禁止するために、環境センサと禁止回路とを備えることができ、また、所定使用期限を経過した吸入器の駆動を禁止するためのクロックを備えることができ、また、安全性のための禁止機構を備えることができる。
【0020】
本発明のさらに他の実施形態においては、吸入デバイスの様々な構成部材を制御するための空気流通センサが提供される。好ましい実施形態においては、音響的コントローラを具備しており、この音響的コントローラは、自身の周囲の流体圧力を検出し得るとともに流体圧力の周波数および強度を代理する信号を形成し得る音響的検出部材を備え、それら信号が、吸入デバイスのある種の構成部材を制御する(例えば、駆動する、駆動禁止する、電圧を増加する、等)ために使用されるようになっている。
【0021】
好ましくは、音響的検出部材が、マイクロホンまたは流体圧力トランスデューサであって、吸入デバイス(例えば、乾燥粉末吸入器)の通路内に配置されており、吸入空気流に応答して信号を生成する。これら信号を使用して、吸入器のある種の部材、例えば高周波バイブレータや静電プレートやタイマーやカウンタ等、の制御が行われる。また、好ましくは、これら信号を使用することにより、患者が最大の薬効を得られるよう吸入効率を最大化させるために、吸入デバイスのある種の構成部材の駆動/制御が行われる。
【0022】
よって、本発明は、呼吸によって駆動され、特定の薬剤の最適利用を可能とするような、全自動吸入デバイスを提供する。例えば、音響信号を使用することにより、患者が最適の(例えば最大の)吸入効果を行ったときにのみ、高周波バイブレータおよび静電プレートを起動することができる。これにより、薬剤の全投与量(適正な投与量)が患者の呼吸器系へと適切に導入されることが、確保される。これに代えて、これら信号(呼吸によって駆動される信号)を使用することによって、最適の吸入投与が行われるように吸入デバイスの様々な部材をしだいに強力運転させるようにしたり、あるいは、順次的に駆動/停止させたりすることができる。
【0023】
本発明は、また、乾燥粉末のパッケージングに関するものであり、特に、医療用途の薬剤の正確な計量およびパッケージングに関するものである。
【0024】
新たな薬剤の認可は、動物実験から始まって効能および安全性に関しての化学的試行を行うといったように、長期にわたるものであってコストのかかるプロセスである。薬剤の特性が製造および/またはパッケージングによって影響を受ける可能性があることにより、認可プロセスは、特定の製造およびパッケージングプロセスに対する認可によって制限を受ける。
【0025】
1997年12月23日付けで許可された我々の米国特許明細書第5,699,649号には、静電光学的技術を使用することによって薬剤といったようなマイクログラムレベルの量の微小粉末をパッケージングするための方法および装置が記載されている。より詳細には、上記米国特許明細書第5,699,649号に開示されているように、有利には、粉末が電荷を獲得する能力が使用されて、粉末のマイクログラムレベルの量が正確に測定され、その後、正確に測定された量の薬剤が、個々の容器内に配置されて、それら容器がシールされる。
【0026】
静電荷は、表面に向けて所定量の粉末を引きつけるために既に使用されている。この一例は、ドラムを帯電させトナー粒子を静電荷によって吸引して所定位置に保持するという、レーザープリンタや静電複写デバイスである。ドラム上の電荷は、吸引されたトナー粒子によって中性化され、これにより、ドラム上の帯電イメージに従ってトナー量が制限される。プリンタドラム上の電荷は、その後、紙シートや他のキャリア上へと転写され、最終イメージが形成される。我々の米国特許明細書第5,699,649号においては、同じ静電帯電技術を使用することによって、所定強度および面積でもって電荷を帯電させたキャリアまたはドラム等の中間部に対しての所定量の微細粉末状薬剤の転写が行われ、表面上に所定量の粉末薬剤を付帯した帯電ドラム表面が解放ステーションにまで回転され、そこで、帯電に抗して乾燥粉末がパッケージング内へと移送され、その後、パッケージがシールされる。ドラムに代えて、ベルトや他の移動表面であっても、局所領域だけを所定電位に帯電させることができる。
【0027】
与えられた量の粉末薬剤をパッケージングするときには、各薬剤投与量に関してまた各粒子サイズ分布に関して、電荷および帯電面積を実験的に決定することができる。これは、個々の任意の帯電面積上における、与えられた電荷密度での帯電面積か、あるいは、総静電帯電電荷か、のいずれかを制御することによって行うことができる。これら条件は、特定薬剤の正確な所望量が実質的に解放ステーションにおいて放出されるように、調整することができる。
【0028】
本発明においては、容易に摂取可能な形態すなわち錠剤やカプセルという形態でもって、単位投与量の薬剤を計量してパッケージングするために、我々の上記米国特許明細書第5,699,649号に開示されている静電帯電技術が使用される。この技術によれば、薬剤の正確かつ再現性の良い計量およびパッケージングが可能であり、実験室スケールから、パイロットプラントにおけるフルスケール生産におけるスケールにまで、再認可の必要なく、スケール変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の他の特徴点および利点は、添付図面を参照した以下の詳細な説明により、理解できるであろう。添付図面においては、同一の参照符号は、同様の部材を示している。
【0030】
図1〜図3は、我々の上記の米国特許明細書第5,694,920号によって形成された吸入器の一実施形態10を示している。吸入器10は、硬質プラスチック製のまたは金属製の、ハウジング18を具備している。ハウジング18は、長さ方向横断面においては、全体的にL字形とされている。ハウジング18は、4個の空気流通開口20,28,30,32を備えている。吸入器10は、空気流通用の主通路26を具備している。主通路26は、(開口部20のところにおける)前面22から(開口28のところにおける)背面24にまで延在しており、全体的に正方形形状の横断面形状を有している。主通路26は、前面22から背面24までにわたって空気を流通させることができる(図1において、矢印Fによって示されている)。
【0031】
二次空気コンジット31は、全体的にL字形とされていて、ハウジング18の背面24内の開口30から主通路26にまで延在している。一方向流通バルブ50が、通常のスプリングによって付勢されたヒンジ機構(図示せず)を介して、主通路26の内面33に対して取り付けられている。この場合、ヒンジ機構は、主通路26内の空気流通Fの圧力が、主通路26を通しての使用者による吸入を示すような所定しきい値よりも小さいときには、バルブ50が空気流通Sを完全に遮断するし得るように、構成されている。
【0032】
粉末適用チャンバ54は、吸入されるべき粉末薬剤のカプセル34を保持するために、ハウジング18内に形成されている。ハウジング18は、背面24に、チャンバ54内にカプセル34を導入してガイド手段60A、60B間において振動手段36のシート52上に配置することを可能とするための可動パネル部32を備えている。好ましくは、振動手段36は、圧電性バイブレータ90を内包している硬質プラスチック製または金属製の保護シェル37を備えている(図4)。好ましくは、バイブレータ90は、バイブレータ90からシェル37を経由してカートリッジ(カプセル)34にまで最大の振動エネルギーを伝達し得るよう、薬剤カートリッジ34に対して、ディスク(図示せず)を介して、シェル37を経由して機械的に連結される。ガイド手段60A、60Bは、チャンバ51内におけるシート52上へのカプセルの導入と保持とを容易なものとし得るよう、シート52に向けて下向きに傾斜した2つの傾斜面を有している。可動パネル32は、使用者による吸入時にチャンバ51からコンジット61を通りコンジット31内へと流通する付加的空気流S2を形成し得るよう、他の空気流入口34を有している。好ましくは、パネル32およびハウジング18は、使用済みの(すなわち、空となった)カプセルの取出と、新品の(すなわち、完全に無傷の)カプセルの導入と、の間において使用者によってパネル32を着脱可能式にハウジングに対して再取付させ得るような、従来型の係合取付手段(図示せず)を備えている。
【0033】
吸入器10は、さらに、コンジット26の内面上に取り付けられた、空気流速センサまたは圧力センサ40を備えている。これにより、空気流Fの速度および/または圧力を検出することができる。好ましくは、センサ40は、従来型のスプリングによって付勢された曲げフラップ型のスイッチを有している。このスイッチは、コンジット26内の空気流Fの速度および/または圧力を代理する電気信号を生成し、それら信号を、電気接続ライン42を介して、ハウジング18内に収容されていてこれら信号に基づいてバイブレータ手段の駆動を制御するための電気制御回路48に対して、伝達する。
【0034】
好ましくは、制御回路48は、特定応用集積回路チップとして、および/または、他のタイプの高集積回路チップとして、具現されている。これに代えて、制御回路48は、マイクロプロセッサの形態とすることができ、あるいは、離散型電気および電子素子の形態とすることができる。詳細に後述するように、制御回路48は、従来型の電源46(例えば、1つまたは複数のDCバッテリ)から圧電バイブレータへと供給される駆動電力の強度および周波数を決定し、これにより、バイブレータの振動を制御する。駆動電力は、バイブレータと回路48との電気接続ライン44を介して、圧電素子90に対して供給される。
【0035】
圧電素子90は、高周波数に適した材料から形成される。好ましくは、超音波共鳴振動周波数(例えば、15〜100MHz)を有した材料から形成される。圧電素子90は、圧電素子90に対して印加される励起電力の周波数および/または強度に応じた、特定の周波数および強度でもって振動するようになる。圧電素子90を構成するために使用可能な材料の例としては、石英および多結晶セラミック材料(例えば、チタン酸バリウム、および、チタン酸鉛ジルコニウム)がある。有利には、圧電素子90を超音波周波数でもって振動させることにより、低周波数(非超音波周波数)での圧電素子90の振動に関連するノイズ(不快音)を防止することができる。
【0036】
次に、図4を参照して、制御回路48の様々な機能部材についておよびそれらの動作について説明する。図4に図示されている様々な機能部材は、制御回路48のアナログ的具現のために設けられているけれども、図4の各部材を、本発明のこの実施形態10を逸脱することなく、制御回路48をデジタル的具現のために適切に修正し得ることは、当業者には理解されるであろう。
【0037】
制御回路48は、好ましくは、駆動コントローラ70と振動フィードバック制御システム72とを備えている。駆動コントローラ70は、センサ40から供給された信号に基づいてまた電源スイッチ12の状態に基づいて電源46から制御システム72への電力供給を可能とし得るような、従来型のスイッチング機構を備えている。言い換えれば、コントローラ70は、スイッチ12のスライドインジケータバー14がチャネルトラック16内において『オン』位置にセットされており、かつ、主通路26を通って吸入が行われていることを示す信号を吸入検知センサ40がコントローラ70に対して供給しているときには、電源46からシステム72への駆動電力の供給を可能とする。しかしながら、コントローラ70は、スイッチ12が『オフ』位置にセットされているか、あるいは、主通路26を通っての吸入が行われていないことを示す信号を吸入検知センサ40がコントローラ70に対して供給しているか、のいずれかであるときには、電源46からシステム72への駆動電力の供給を禁止する。
【0038】
コントローラ70が、最初に、電源46からフィードバック制御システム72への駆動電力の供給を許可したときには、システム72は、初期化状態へと移行する。初期化状態においては、駆動電力の所定周波数および強度を供給するための制御手段74が制御信号を生成することにより、従来型のポンピング回路80によって、初期化メモリ手段82内に格納されている周波数値および強度値に基づいて駆動電力の初期所望周波数および強度を設定させる。好ましくは、手段74は、従来型の周波数掃引発生器とされ、周波数発生手段76,78を備えている。手段74によって生成された信号は、電荷ポンピング回路80へと供給され、ポンピング回路80により、圧電素子90に対して、信号によって特定される駆動電力を供給させるようにする。
【0039】
好ましくは、圧電素子90に対して供給される駆動電力の初期周波数および強度は、粉末カートリッジまたは粉末が手段36上に配置されているときに圧電素子90が圧電素子90の共鳴周波数でもって振動するように、予め校正されている。圧電素子が圧電素子の共鳴周波数で振動する場合に、圧電素子から容器34内の粉末に対しての振動力の伝達が最大で行われることは、当業者であれば理解されるであろう。これにより、使用者による吸入空気内への、容器34からの粉末の最大の浮遊と最大の解離とが起こることがわかった。しかしながら、容器36または粉末が振動手段36上に配置されていない場合には、粉末容器の重量および容積が、また、圧電素子によって浮遊されるべき粉末の重量および体積および特定サイズが、圧電素子の振動特性を変化させる。これにより、圧電素子は、共鳴周波数以外の周波数でもって、振動することとなる。このことにより、圧電素子から粉末への振動エネルギー伝達が減少し、その結果、使用者による吸入空気内への粉末の浮遊および解離に関しての圧電素子による効率が低下する。
【0040】
フィードバック制御システム72は、この問題点を克服する。このシステム72においては、駆動電力の初期周波数および強度が圧電素子90に対して供給された後に、周波数発生手段74が、回路80によって圧電素子90に対して供給されるべき電力の様々な強度および様々な周波数を代理した制御信号を、体系的に生成する。生成手段74が、様々な周波数および強度を『一巡』させるときに、このような様々な周波数および様々な強度の各々に対応した圧電素子90の瞬時的パワー伝達特性が、検出器88によって決定される。この情報は、ピークパワー検出器86へと伝達される。ピーク検出器86は、圧電素子90の瞬時的パワー伝達特性を解析し、パワー伝達特性が極大点を示したときに試料採取および保持(サンプルアンドホールド)フィードバック制御部材84に対して信号を送信する。コントローラ84は、これら極大値と、圧電素子90に対して発生器74から供給された周波数および強度の命令値と、の相関関係を決定する。
【0041】
周波数発生器74が、圧電素子90に対して供給すべき電力の周波数および強度に関しての掃引を完了させたときには、コントローラ84は、発生器74によって、複数の極大値をもたらしたいくつかの電力の周波数および強度を発生させる。その後、どの周波数および強度が、圧電素子90に関しての最適のパワー伝達特性をもたらすかを、決定する。
【0042】
コントローラ72の動作完了は、クロック500によって行われる。クロック500は、駆動電力が圧電素子90に対して最初に供給されたときにトリップ(始動)される。クロック500は、設定時間を超えての圧電素子の2回目の駆動を防止するためのカウンタを備えている。これにより、患者による過度の使用および過度の投与を防止することができる。
【0043】
実施形態10の動作時には、薬剤を収容しているパッケージ34が、孔開けされ、上述のようにして、チャンバ51内のバイブレータ36の表面52上に配置される。電源スイッチを『オン』位置とし、使用者は、コンジット26を通して空気を吸入する。これにより、空気流Fが、コンジット26を通して生成される。これにより、一方向性バルブ50が偏向し、コンジット26内への開口30を通しての空気流Sと、コンジット26内への開口34およびチャンバ51を通しての空気流S2と、が引き起こされる。吸入空気流Fは、センサ40によって検出され、駆動コントローラ70へと、この検出信号が伝達される。これにより、駆動コントローラ70は、コントローラ72へと電力を供給する。コントローラ72は、カプセルからの粉末Pの、空気流SおよびS2を介しての空気流F内への浮遊および解離が最良となるような最適の周波数および強度が得られるまで、圧電素子に対して供給される駆動電力の強度および周波数を調節する。
【0044】
図5は、本発明の他の実施形態を示している。図5は、図4と同様の図であるものの、クロック500が、デバイスによって搬送された投与回数をカウントするためのカウンタ502に置き換えられている点において相違している。カウンタ502は、ディスプレイ504に対して接続されている。ディスプレイ504は、搬送回数を表示し、さらに場合によっては、残っている投与回数を表示する。
【0045】
図6は、本発明のさらに他の実施形態を示している。図6の実施形態は、図4の実施形態と同様であるものの、クロック500が、吸入器の使用記録を収容した内部モニタ508に置き換えられている点において相違している。図6の実施形態においては、ハッチ510が設けられている。このハッチ510を通して、医師は、モニタ508内のデータに対してアクセスしたりデータを読み込んだりまたデータをダウンロードしたりすることができる。これにより、患者の適応状況を決定することができる。
【0046】
図7は、本発明のさらに他の実施形態を示している。図7の実施形態は、図4の実施形態と同様であるものの、図7の実施形態においては、患者が吸入器の使用を確認する目的のために、クロック500が時間をカウントする点において相違している。よって、クロック500は、音発生器514に対して接続されている。
【0047】
図8は、本発明のさらに他の実施形態を示している。図8の実施形態は、図4の実施形態と同様であるものの、駆動時間を変更するようにすなわち期間を短縮したり延ばしたりするようにコントローラ84に対して信号を送出し、これにより、搬送される薬剤の量を変更し得るような例えば所定時間にわたっての投与量を増減し得るような、クロックまたはカウンタ516を備えている点において相違している。これに代えて、クロック516は、ある日数が経過した後に吸入機を使用禁止とするように、すなわち、使用期間外の薬剤を使用してしまう可能性を避けるように、プログラムすることができる。
【0048】
図9は、本発明のさらに他の実施形態を示している。図7は、図4と同様であるものの、カウンタまたはクロック500が、温度センサ518へと置き換えられている点において相違している。ある種の薬剤は、感熱性であり、例えば吸入器が晴天の日に自動車内に放置された場合に起こり得るように高温に曝されたときに、活性を失ったりあるいは潜在的に危険なものとなったりすることがある。温度モニタ518は、予め設定された温度に到達した場合に、コントローラ72の駆動を禁止する。場合によっては、モニタ518は、また、予設定温度に到達したことを患者に対して警告するために、ディスプレイを備えることができる。
【0049】
図10の実施形態は、図9の実施形態と同様であるものの、図10の実施形態においては、温度センサが、デバイスの駆動のために使用者のピンコードを入力するための例えば3個ボタン型キーボードといったような『キー』へと置き換えられている点において相違している。これにより、例えば、対象患者以外の誰かが吸入器を使用することが防止され、例えば管理の必要な危険な薬剤が子供によって誤って使用されることが防止される。使用を容易とするために、キー520は、患者が特定使用者に対する特定のピンコードをプログラムすることを可能とすることができる。
【0050】
さて、図11には、また別の実施形態が示されている。この実施形態においては、2つの圧電性バイブレータ90A、90Bが、吸入器シェル内において並置されている。この実施形態においては、各圧電素子は、互いに異なる強度および周波数でもって振動することができるようになっている。これにより、例えば、有利には、互いに異なる2つの薬剤を、各薬剤に対しての投与性能に関して妥協を行うことなく、同一の吸入器によって同時に投与することができる。このことは、互いに対しての反応性に富んでおりそのため容易には一緒に格納することができないような2つの薬剤の搬送を可能とする。例えば、ぜん息用の吸入器が、互いに異なる圧電性の設定を必要とするような、例えばアルブテロールといったような気管支拡張薬と、ステロイドと、の双方を収容することができるようになる。図11の実施形態は、予め校正されたコントローラ112(112Aおよび/または112B)を備えている。コントローラ112は、ポンピング回路80A、80Bに対して制御信号を供給するための、予め校正された第1および第2の周波数/強度制御信号発生器110A、110Bを備えている。当然のことながら、予め校正されたコントローラ112は、図4に示すのと同様の一対のフィードバックコントローラによって置き換えることができる。
【0051】
図12および図13には、吸入デバイス202の空気流通通路212の断面図が示されている。図12の示す空気流通通路212の上流側に、例えば上述のような典型的な吸入デバイスの一般的な空気流通通路が存在していることに注意されたい。しかしながら、本発明は、空気流通通路の特定の形状に無関係に、任意の吸入デバイスに対して適用することを意図している。最も基本的なレベルにおいては、本発明は、センサ208の周囲の流通擾乱(すなわち、吸入器の使用者による吸息性の空気流通速度)を検出して、後述するように、検出された空気流の擾乱の強度および周波数の関数として吸入デバイス202の様々な構成部材を制御するために、空気流通センサ208を設けることによって、動作する。
【0052】
図12に示すように、空気110(または他の流体)は、典型的にはデバイス202において吸入を行っている患者の吸気活動によって、空気流通通路212内に流入する。空気210が通路212を通して流通するときには、空気の一部は、キャビティ204の中の通路202内の開口206を通して、流入する。キャビティ204内には、空気流検出デバイス208が配置されている。好ましくは、空気流検出デバイス208は、例えばマイクロホンといったような音響的検出デバイスである。また、好ましくは、マイクロホン208は、キャビティ204内において検出された空気流に応じた適切な信号248を生成するように構成されている。キャビティ204内において検出される空気流の強度および周波数は、デバイス202の空気流通通路212内の空気流速210の関数である。よって、マイクロホン208からの出力信号248は、(通路212内の流速の関数である)キャビティ内の空気流速の関数として周波数と強度との双方において変化する。よって、マイクロホン208からの出力信号248を、後述のように周波数および/または強度の関数として吸入器202の様々な構成部材を制御するために、使用することができる。キャビティ204の形状および開口206のサイズが、空気流通通路212の特定の形状や通路212を通しての空気流速やマイクロホン208の周波数応答性および/または感度に応じて選択されること、また、このようなすべての変形例が本発明の範囲内であることは、当業者であれば理解されるであろう。好ましくは、上述のように、キャビティ204の形状および開口206のサイズは、通路202内の空気の少なくとも一部がマイクロホン208による応答を誘起し得るような十分な強度でもってキャビティ204内に流入し得るように、選択される。
【0053】
図13には、例えば米国特許明細書第5,694,920号に開示されているような乾燥粉末吸入器における空気流センサ(上記の図12に示すもの)の実施形態を、より広い範囲を示す断面図である。図13に示されているものは、典型的な乾燥粉末吸入器202の構成部材である。マウスピース246は、デバイス202を使用して使用者(すなわち、患者)が吸入を行い得るように設けられている。高周波数の振動機構228(例えば、圧電素子、超音波音響トランスデューサ、あるいは、他の電気/機械的振動機構、等)が、乾燥粉末薬250の容器220(例えば、ブリスタカプセル)を振動させ、これにより、薬剤粒子を空気流通通路212内へと浮遊させるために、設けられている。粒子の浮遊をさらに補助するために、静電ポテンシャルプレート226を設けることができる。この静電ポテンシャルプレート226は、空気流210内のある電荷(すなわち、静電プレート226の電荷とは反対の電荷)を有した粒子を吸引するように作用する。この実施形態においては、空気流通通路212内に吸入された空気210の一部210’が、キャビティ204内に導入され、マイクロホン部材208によって検出される。空気流の検出時には、マイクロホン部材は、空気流通通路212内の空気流速の強度および周波数に比例した出力信号248を生成する。出力信号248を使用することによって、後述のようにして、高周波バイブレータ228や静電プレート226や吸入器の他の構成部材が制御される。
【0054】
図14は、乾燥粉末吸入器のための本発明による音響制御システムを示すブロック図である。上述のように、マイクロホン部材208は、検出される空気流210’に応じた信号248を生成する。これら信号は、強度/周波数プロセッサ230によって処理され、信号248を調整して出力信号248の強度および/または周波数を決定する。強度/周波数プロセッサは、高周波バイブレータおよび/または静電プレートを制御するための出力信号248’を生成する。この目的のために、出力信号248’は、比較器回路240および/または232に対して入力され、それぞれ参照しきい値242および/または234と比較される。
【0055】
信号248,248’が、上述のように空気流速210を代理するものであることを、理解されたい。本発明は、信号248の周波数および/または強度の関数として制御可能であること、よって、強度/周波数プロセッサが、強度および周波数の両方の観点において、信号248を調整し得るように構成されていること、を意図している。高周波バイブレータしきい値発生部材242は、高周波バイブレータコントローラ244を駆動する(コントローラ244が、その次に、高周波バイブレータ226を駆動する)ために必要な最小電圧および周波数を表す信号252を生成する。比較器240は、信号252と信号248’とを比較し、両信号が強度および周波数において等価であれば(いくらかの所定許容誤差範囲内において)、比較器は、高周波バイブレータコントローラ244を駆動する。これにより、高周波バイブレータ226が駆動されて直接的に制御される。同様に、比較器232において信号248’と信号254とが同等であると判定されることによって、静電プレート偏向器コントローラ236が、駆動される。静電プレート偏向器しきい値発生部材234は、静電プレート226を駆動するために必要な最小電圧および周波数を表す信号254を生成する。
【0056】
吸入容量プロセッサ238は、患者による吸入流210(信号248,248’によって表される)のピークを計算するために、設けられている。図面には示していないけれども、この情報は、高周波バイブレータしきい値発生部材242および/または静電プレート偏向器しきい値発生部材234からのしきい値信号を調整するために使用することができる。当然のことながら、これを行うためには、高周波バイブレータしきい値発生部材242および/または静電プレート偏向器しきい値発生部材234は、従来技術において公知であるように、プログラム可能なものでなければならない。このようにして、マイクロホン208は、患者どうしの間にわたってのすなわち個人差による吸入流速の変化に応じた調整を行い得るようにして吸入器の様々な構成部材を駆動するために、プログラムすることができる。よって、例えば、本発明による吸入制御手順は、個人に合わせて調節することができ、例えば肺の容量の低下等によって起こる患者の吸入流速の低下を補償することができる。これに代えて、プロセッサ238は、最適の吸入タイミングで(例えば、ピーク吸入時)、ここに開示した様々な部材(例えば、バイブレータ、静電プレート、等)を順次的に起動し得るように、修正することができる。よって、例えば、プロセッサ238は、使用者によるピーク吸入直前のタイミングでバイブレータを起動し、その後、静電プレートを起動し、これらにより、薬剤の最適の吸入吸収が行われるタイミングで空気流内に薬剤を浮遊させるようにする、といったように制御することができる。さらに、プロセッサ238は、最大の医療効率が得られるよう、粉末薬剤250の調整のために使用し得る患者の吸入流速を追跡するための適切なメモリを備えることができる。
【0057】
多くの修正や代替や等価物が可能である。例えば、プロセッサ230、しきい値信号発生器234,242、および、比較器240,232は、任意の公知のデジタル回路(例えば、マイクロプロセッサ)またはアナログ回路、および/または、ここに記載した機能を達成し得るような関連ソフトウェアとすることができる。図14における様々な部材が、モジュール形式で示されているけれども、これらの各部材を、個別の既製品あるいは注文生産品とすることができること、また、単一の一体型システム内に包含し得ることは、当業者であれば理解されるであろう。
【0058】
本発明は、マイクロホン信号248によって高周波バイブレータ228および/または静電プレート226を直接的に制御し、これにより比較器240および/または232をバイパスするように、変更することができる。このようにして、マイクロホン208は、流速に依存しないような2値形式で各部材の駆動を行い得るように構成することができる。また、しきい値信号発生回路242,234、強度/周波数プロセッサ230、および、吸入容量プロセッサ238は、使用者(患者)による制御が可能であるように、また、使用者による設定が可能であるように(すなわち、駆動のための最低流速の設定、等)、構成することができる。
【0059】
加えて、比較器240,232は、互いに異なる信号強度および/または周波数に基づく駆動信号を生成し得るように、構成することができる。よって、例えば、高周波バイブレータは、1KHzという信号周波数が得られたときにのみ駆動するように構成することができ、一方、静電プレートは、35mVという信号強度が得られたときにのみ駆動し得るように構成することができる。
【0060】
他の変形も可能である。例えば、マイクロホン208は、キャビティ204内に配置することに代えて、デバイス202の空気流通通路212の内壁上に直接的に配置することができる。また、図12に示すように、擾乱発生器214を設けて、空気流通通路212内において空気擾乱を発生させることができる。この変更は、例えば、そういう対策を行わなければキャビティ204内に空気210の一部210’が流入できないような状況の吸入デバイスにおいて、使用することができる。加えて、マイクロホン208に代えて、音響部材は、流体圧力(強度)および/または周波数の関数として適切な信号を出力するような任意の公知の流体圧力トランスデューサ(例えば、空気圧力トランスデューサ)とすることができる。したがって、本発明は、音響的な自動制御を行い得るよう、任意の流体媒体(空気以外にも)内で動作するように、適切に変更することができる。
【0061】
さらに他の変形も可能である。例えば、図には示していないけれども、本発明においては、信号248’によって制御されるようなタイマーを設けることができる。このタイマーは、例えば過度の投与を避け得るよう、デバイスが駆動可能な時刻を制御し得るように、適切に構成することができる。この場合、例えば、タイマーは、日中のある決まった時刻にのみデバイスの各部材を駆動可能とするように、構成することができる。さらに、タイマーは、使用に関連したデータ(例えば、使用した日時、薬剤の投与量、吸入性、等)をダウンロードし得るように、適切に構成することができる。このデータは、推奨した投与量および投与タイミングを追跡することが重要であるような医療事例においては、特に関連づけることができる。当然のことながら、上述のことは、デバイスを使用した回数を単にカウントするだけのカウンタまたは同等物によって行うことができる。
【0062】
乾燥粉末吸入器202のための音響的制御手法について本発明を説明してきたけれども、本発明は、これに限定されるものではない。そうではなく、本発明は、呼吸(吸入)の検出に基づいた制御機構(例えばここに記載したような)を必要とするすべての吸入デバイスを構成することを意図したものである。例えば、麻酔デバイスに、呼吸センサとここに記載されたコントローラとを設けることによって、患者が受け取る麻酔薬の量を観測して制御することができる。加えて、音響的検出部材は、特定の患者による吸入ピークおよび/または吸入流ピークを測定するために使用することができ、さらに、ダウンロードや解析のためにこの情報を記録するために使用することができる。
【0063】
図15には、霧化された乾燥粉末薬剤粒子310を含有したチャンバ314を示している。粒子310は、空気中に浮遊しているとともに、例えば負電荷といったような電荷を有している。また、チャンバ内には、粒子の電荷とは逆極性の電荷を有している支持面312が設けられている。この支持面312は、支持面上の電荷が中性化されるに十分なくらいの多数の荷電粒子310を引きつけることとなる。この支持面は、表面上に電荷を個別的に保持し得るものであって、例えば、光学複写の分野において使用されるような、プラスチック材料やセレン等の半導体材料や絶縁性材料とされる。
【0064】
キャリアシート(支持面)にまで搬送される薬剤粉末の実際の量は、粉末粒子の質量・電荷比の関数である。表面電荷の飽和を仮定すれば、粒子によって付帯される電荷の量は、表面積に直接的に関係する。球状粒子の場合には、電荷は、半径の2乗に比例して変化し、質量は、半径の3乗に比例して変化する。よって、キャリアシートの表面の所定部分によって採取される荷電粒子の量は、キャリアシート上の総電荷の関数となる。よって、キャリアシートの所定表面電荷密度に対しては、採取される薬剤粉末の量は、帯電面積に直接的に比例する。そのため、採取される薬剤粉末の量を2倍とするためには、つまり、投与量を2倍とするためには、電荷を付帯した領域を2倍とする必要がある。これは、キャリアシートによって粉末採取量を制御するに際しての基本的方法として使用することができる。よって、任意の特定の粉末サイズ分布すなわち粒子サイズ分布に対しては、必要とされる正確な面積および帯電量は、実験的に決定することができる。
【0065】
図16には、粉末の供給から、パッケージ内に所定量の薬剤粉末を含有しているパッケージされた薬剤すなわちカプセルの形態とされた薬剤に至るまでの、全プロセスを行うのに必要な様々なステップを示す概略的なフロー図である。ステップ316においては、薬剤粉末が供給される。薬剤粉末は、粉末のエーロゾルを形成するためのデバイス318へと供給される。次に、粉末粒子は、ステップ320において、イオン化される。後述するように、これらステップや部材は、組み合わせることができる。符号324は、表面上に空間電荷を維持することができるキャリア表面を示している。キャリア表面は、例えばプラスチックベルトや、Xerox (登録商標)光学複写において使用されるタイプのセレン製ドラム、とすることができる。このキャリア表面324は、帯電ステーション325を通過する。帯電ステーション325においては、キャリア表面の所定面積上に、所定静電荷325A(静電『イメージ』)が形成される。この帯電表面325Aは、キャリア表面によって付帯されている電荷を中性化するのに十分な量326Aでもってキャリア表面上に粉末が堆積するというステップ326を受ける。その後、表面上の所定量の粉末326Aを付帯した状態のキャリア表面は、粉末解放デバイス330を通過する。粉末解放デバイス330は、表面324から、コンベヤベルト328上に支持されているカプセル329の開放端内へと、粉末326Aを放出する。キャリア324とコンベヤベルト328とは、解放ステップにおいて、カプセル329の開放端の直上にまた粉末解放デバイス330の直上に、静電『イメージ』が位置合わせされ得るように、所定の様式によって同期されている。そのタイミングで、粉末解放デバイス330が駆動されて、所定量の粉末326Aが、表面325Aから解放され、カプセル329内へと落下する。所定量の粉末326Aを収容したカプセル329は、その後、カプセルシールステップ332を通過し、このステップにおいて、キャップによって閉塞される。
【0066】
図15に関して上述したように、静電荷を有したキャリア表面は、表面上に既知の量の電荷を付帯しており、この場合の電荷の極性は、チャンバ内に浮遊している粉末粒子の帯電電荷とは逆のものである。荷電粒子は、電荷が逆極性であることに基づく静電引力のために、帯電表面に向けて移動する。この粒子移動は、帯電表面上の電荷が中性化されるまで続くこととなる。
【0067】
キャリア表面上へと移動する粉末質量の実際の量は、荷電粒子の質量対電荷比の関数である。質量と実際の電荷との間に線形関係を得ることは困難ではあるけれども、粉末粒子が荷電飽和を起こしている場合には、粉末粒子の表面積と粉末粒子の電荷との間に、固定した関係を確立することができる。しかしながら、互いに異なるサイズおよび形状の粉末粒子からなる混合グループの表面積は、数学的に計算することが極度に困難である。特に、形状が不規則的である場合(例えば、非球状、微結晶、等)には、数学的に計算することが極度に困難である。上述のように、所定質量の粒子を引きつけるに際しての帯電面積を決定するための最も簡単な方法は、正確な面積と電荷とを評価し、評価された電荷をキャリア表面324上の評価面積に対して適用し、イオン化ステップにおいてイオン化された粉末質量に対して選択的な帯電表面を露出することである。粉末の堆積量は、解放ステップにおいて容易に測定することができる。その後、帯電領域のサイズまたは帯電ステーション325においてこの帯電領域に対して印加された電荷の量を、逆極性に帯電した粉末の所望重量を採取し得るよう、面積と電荷強度との双方において正確な電荷量が得られるように増減調整することができる。
【0068】
図17〜図19に関し、図17には、本発明を実施するための1つの好ましい装置が概略的に示されており、図18および図19には、その装置の構成部材の詳細が示されている。帯電表面は、感光性ドラム324Aとして示されている。感光性ドラム324Aは、このドラムの表面上に帯電『イメージ』を形成する帯電『イメージ』露出ステーション325を通って回転する(図18参照)。この『イメージ』露出は、例えばレーザービーム(あるいは、他の制御可能な光子源)といったような光源を使用して行うことができる。これにより、ドラム表面上に、所望のサイズおよび帯電強度でもって、静電『イメージ』325Aを形成することができる。電荷『イメージ』325Aは、その後、イメージ現像ステーションへと回転する。イメージ現像ステーションは、薬剤粉末からなるイオン化雲を含有しており、このイオン化雲が、帯電『イメージ』325Aに向けて引きつけられ、『イメージ』内の電荷を中性化する。これにより、所定量の粉末を含有してなる粉末『イメージ』326Aが形成される(図18および図19参照)。この粉末『イメージ』326Aは、薬剤解放ステーション330へと回転する。薬剤解放ステーション330においては、薬剤が、ベルト328上に支持された端部開放状態のカプセル329内へと、解放(放出)される。ある実施形態においては、カプセル329に向けてのこの放出は、高電圧プレート356(図19参照)を使用して行われる。高電圧プレート356は、ドラムの面上における帯電『イメージ』325Aに対しての引力に打ち勝つことによって、粉末『イメージ』326Aをカプセル329内へと解放する。所定量の薬剤を収容したポケット(端部開放状態のカプセル)は、その後、カプセルに対してキャップを取り付けるステップ332へと送られる。
【0069】
図20は、微小化された薬剤粒子310が、例えば小さなプラスチックビーズとすることができる個別キャリア360の表面上に付帯されているような、本発明の他の実施形態を示している。これらプラスチックビーズがイメージ325Aに対して接触したときには、微小化された粒子310が、個別キャリア360から、ドラム324Aの表面上の帯電『イメージ』325A上へと、移送される。これを行うためには、イメージ325A上の正電荷は、個々のキャリア360の表面上の正電荷よりも大きなものであるべきである。
【0070】
図21および図22は、所定サイズおよび所定電荷を有した微小薬剤粉末の浮遊流を得るために、薬剤の取扱いとエーロゾル化とイオン化とを行うための手段のさらなる詳細を示している。図21および図22においては、部材316A、318A、320A、316B、318B、320Bは、図16〜図18における対応部材に対応している。
【0071】
薬剤の計量に関しての再現性が重要であることにより、粒子サイズに対しての電荷対質量比の変動という課題を効果的に解決することが必要である。この問題を解決するための1つの方法は、薬剤粉末の粒子サイズ分布を制御することである。図22は、粒子サイズ制御を行うための1つの態様を示している。静電偏向器に対して印加する電圧は、イオン化チャンバに対しての搬送のために、保持チャンバ内において浮遊すべき粒子サイズを制御するために調節される。所望の粒子サイズで浮遊した後には、これら粒子は、イオン化チャンバ内に引き込まれ、粒子上への表面電荷飽和が確保される。これにより、質量比に対しての既知の電荷が与えられることとなる。
【0072】
図21は、サイズ分布を制御するための代替手段を示している。粉末を解離させるために高速空気流が使用される。解離された粉末は、保持チャンバ318A内に収容される。保持チャンバの目的は、より大きなサイズの粒子を安定化させることであり、これにより、望ましい粒子サイズ分布が形成される。粒子サイズ分布は、図23に示すように、保持時間の関数である。浮遊粒子は、その次に、イオン化され、図17において符号326で示すような帯電イメージに対して露出される。
【0073】
図23は、保持チャンバ内において浮遊している粒子サイズの比率を、時間の関数として示している。そのようなチャンバにおいては、エーロゾル浮遊を維持するために、上向きの空気流を設けておくことができる。図からわかるように、浮遊粒子の比率は、粒子サイズによって大いに決定される。実験により、任意の薬剤投与量に関して、望ましい粒子サイズ分布をもたらすような時間範囲を選択することができる。加えて、あるいは、時間範囲を選択することに代えて、所定の粒子サイズ範囲を得るために、1つまたは複数のフィルタを使用することができる。
【0074】
図24は、図18と同様の図であるものの、この図においては、イメージ現像ステーション326Aが、固定電極326Bとエーロゾル化された粉末を搬送するための空気通路350とによって代替されている点において相違している。回転ドラムは、潜在イメージを表面上に有している誘電体面または受光性表面324を有している。一例としては、エーロゾル化チャンバは、図21において示したものと同様のものである。図21における計量チャンバは、誘電体表面324と固定電極326Bとの間の空気通路325である。この場合、堆積されなかった粉末は、その後の使用のためにあるいはエーロゾル化チャンバへの再循環のために、空気通路の右側において収集される。
【0075】
図25は、イオンビームが誘電体表面上に帯電『イメージ』を形成するために使用されるようなイオン放射型プリントヘッドを示している。コロナワイヤ352に対しては、空気を絶縁破壊させてイオン放射型プリンタの動作のために必要なイオン352Aを形成するための高電圧が、印加されている。イオン放射型プリントヘッドの残部は、通常の制御電極354と、スクリーン電極356と、絶縁体358と、を備えている。制御電極およびスクリーン電極に対して印加される相対電位は、誘電体表面324上へと堆積されることとなるイオン325Cの量を、制御する。これらイオンは、誘電体表面上に堆積されることによって、潜在イメージ325Aを形成する。イオンビームの強度およびサイズの双方は、当業者には自明であるようにして調節することができる。このシステムの利点は、感光性表面を必要とせず、そのため、製造環境を適切なものとし得ることである。
【0076】
本発明は、変更することができる。例えば、本発明は、有利には、個々のものが正確な量の薬剤を収容しているような錠剤を形成するために使用することができる。図26は、図16と同様の図である。しかしながら、図26に示す実施形態においては、第1堆積ステーション366においてベルト364の井戸362内に、錠剤バインダ材料360が堆積される。部分的に充填された状態の井戸362を付帯したベルト364は、その後、粉末解放デバイス330を通過する。粉末解放デバイスのところにおいては、ベルトは、上述と同様にして、キャリア表面324と位置合わせされている。所定量の粉末326Aが表面324から井戸362内へと移送される。次に、ベルトが、井戸充填ステーション368へと移動され、そこで、井戸362が充填される。井戸充填ステーション368は、井戸362の上面を調整するためのドクターブレード(図示せず)等を備えることができる。その後、充填済みの井戸は、錠剤硬化ステーション370へと進む。そこでは、公知方法によって、錠剤が単一体として形成される。
【0077】
図27は、本発明の他の代替可能な実施形態を示している。この場合、ドラム324の、帯電『イメージ』325Aを付帯している表面が、粉末粒子を収容している粉末バスまたは流動床380を通過する。上述と同様にして、粉末粒子は、ドラム表面上の帯電領域に対してのみ堆積することとなる。
【0078】
図28に示す本発明のさらに他の代替可能な実施形態においては、搬送ベルト382は、互いに離間された複数の食用ウェーハ384等を付帯している。この場合、個々のウェーハ上には、所定量の粉末386が堆積される。
【0079】
図29に示す本発明のさらに他の代替可能な実施形態においては、搬送ベルト382は、例えば澱粉といったような食用基体からなるテープまたはシート388を付帯している。この場合、粉末粒子390は、シート388上に一様に堆積され、その後、ベルト382から離されて、1回分の投与量を決定するような特定のサイズへとカットされる。
【0080】
上記説明からわかるように、本発明においては、非常に正確かつ再現性のある態様で、乾燥粉末薬剤を計量してパッケージングすることができる。さらに、本発明は、実験室スケールからすなわちデスクトップスケールから、パイロットプラントにおけるフルスケール精算容量といったスケールにまで、サイズおよび/または処理速度を単に変更するだけで、容易にスケール変更することができる。すべてのユニットが同一プロセスで動作することにより、医療試行において使用される薬剤が、フルスケールでの生産時と同じ製造プロセスによって得られる。よって、製造の認可を単純化することができる。
【0081】
本発明の他の利点は、『イメージ』を単に変更するだけで、様々な薬剤および/または様々な投与量を計量して堆積させるように、システムを使用できることである。これに代えて、投与量は、例えば投与量を増大させる場合にはベルトのある箇所に2つまたはそれ以上のプリント『ドット』すなわちプリントラインを形成するようにしてベルトをステップ的に前進させることにより、変更することができる。その後、ベルトが前進駆動され、プロセスが継続される。さらに他の変更が可能である。例えば、本発明は、有利には、キャリアまたは基体上に診断薬を『プリント』するために使用することができる。
【0082】
本発明のさらに他の変更や変形も可能であり、これらが、請求範囲に規定された範囲内に属することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】従来技術による吸入器を示す斜視図である。
【図2】図1に示す吸入器の背面図である。
【図3】図1に示す吸入器の概略的な長さ方向断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図5】本発明の他の実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図11】図3と同様の図であって、本発明のまた別の実施形態を示す図である。
【図12】本発明における典型的な吸入デバイスおよび音響コントローラを示す断面図である。
【図13】図12の周辺も含めて示す断面図である。
【図14】本発明における音響的コントローラの好ましい実施形態を示す機能的ブロック図である。
【図15】表面上に正電荷を有している支持体に対して、負に帯電している粉末粒子が引きつけられる様子を概略的に示す図である。
【図16】本発明の実施における様々なステップを示すブロック図である。
【図17】静電吸引ステーションから所定の少量の粉末薬剤を搬送するためのドラムタイプの静電デバイスの一形態を概略的に示す図であって、所定量の粉末薬剤がドラム上に引きつけられてそこで所定電荷を中性化し、その後、解放ステーションにおいて、ドラムからパッケージへと移送される様子が図示されている。
【図18】図17のタイプの装置において使用されている好ましい部材を概略的にかつ機能的に示す説明図である。
【図19】図17のタイプの装置において使用されている好ましい部材を概略的にかつ機能的に示す説明図である。
【図20】微小薬剤粒子が表面上に静電的に引きつけられている個別キャリアを使用することによって帯電表面への薬剤移送を行うような、異なるシステムを示す図である。
【図21】粉末薬剤を霧化しその後薬剤に対して特定電荷を与えるよう薬剤をイオン化するという方法を示す図である。
【図22】粉末薬剤を霧化しその後薬剤に対して特定電荷を与えるよう薬剤をイオン化するという方法を示す図である。
【図23】任意の所望のサイズ分布を有した浮遊粒子流を形成し得るために、時間およびサイズの関数として浮遊粒子の比率を示すグラフである。
【図24】帯電『イメージ』を付帯したドラムに対して霧化後の薬剤を適用するための他の実施形態を示す図である。
【図25】誘電体表面上に帯電『イメージ』を形成するための放射システムを示す図である。
【図26】図16と同様の図であって、本発明の代替可能な実施形態を示している。
【図27】図16と同様の図であって、本発明の他の代替可能な実施形態を示している。
【図28】図16と同様の図であって、本発明のさらに他の代替可能な実施形態を示している。
【図29】図16と同様の図であって、本発明のまださらに他の代替可能な実施形態を示している。
【符号の説明】
【0084】
48 制御回路(電気回路)
90A 圧電性バイブレータ(バイブレータ)
90B 圧電性バイブレータ(バイブレータ)
208 マイクロホン、空気流検出デバイス(音響的検出部材)
212 空気流通通路(流体通路)
226 静電プレート
228 高周波バイブレータ
238 吸入容量プロセッサ
324 キャリア表面
325A 静電『イメージ』、帯電『イメージ』
328 搬送ベルト
329 カプセル(個別パッケージ)
388 シート(食用シート)
【技術分野】
【0001】
本発明は、大まかに言えば、医薬品および薬剤の計量およびパッケージングさらには移送の技術分野に関するものである。本発明の好適な用途は、乾燥粉末薬の計量およびパッケージングを容易とすることであり、および/または、粉末薬の吸入を容易とすることである。しかしながら、本発明は、他の薬物応用にも適用可能である。
【背景技術】
【0002】
気道に関するある種の疾病は、治療薬剤の直接的適用によって処置することが公知である。このような薬剤が乾燥粉末の形態として最も容易に入手可能であることにより、鼻や口から粉末物質を吸入することによって、薬剤の適用を行うことが最も一般的である。粉末の形態であることにより、薬剤が正確に要望箇所に堆積して所望の作用をもたらすという点において、薬剤治療が有効に行われている。よって、非常に少量の薬剤の適用であっても、他の手段によって大量に投与されるものと同等の効果がもたらされる。これにより、望ましくない副作用の発生が極度に減少するとともに、薬物にかかる費用が大幅に低減される。これに代えて、このような粉末の形態の薬剤は、気道系の疾病以外の疾病の治療に使用することができる。薬剤が肺の非常に大部分の表面領域上に堆積する場合には、薬剤は、血液流内に非常に迅速に吸収される。これにより、この適用方法は、注射や錠剤や他の従来手段による投与方法に取って代わる可能性がある。
【0003】
気道へと導入された薬剤粒子のサイズが1〜5μmであるときに薬剤の生物学的利用能が最適となるということが、医薬業界では言われている。薬剤粒子がこのサイズ範囲であることが必要とされたときには、乾燥粉末の搬送システムは、多くの点を克服する必要がある。
【0004】
(1)小さなサイズの粒子は、製造時および貯蔵時に、自身に静電電荷をもたらす。これにより、粒子どうしが凝集して塊状化し、このため、5μmよりも大きいような実効サイズの粒子クラスターが形成される。よって、このような大きなクラスターが肺の深部にまで到達できる可能性が、減少する。これにより、パッケージングされた薬剤が患者によって吸収される割合が減少することとなる。
【0005】
(2)患者に対して導入する必要のある活性薬剤の量は、数十μgの程度とすることができる。例えば喘息に対して使用される薬剤であるアルブテロールの場合には、25〜50μgである。現在の製造装置は、mg範囲であれば薬剤の一部を許容し得る正確さでもって有効に搬送することができる。そのため、標準的な手法においては、活性薬剤に対して、例えばラクトースといったようなフィラーすなわちバルク化剤を混合することである。この添加剤は、また、薬剤を『流通しやすい』ものとする。このフィラーは、薬剤粒子どうしが静電結合または化学結合によって粒子どうしを固着させることにより、キャリアとも称される。これらキャリア粒子のサイズは、薬剤粒子のサイズよりも、ずっと大きなものである。乾燥薬剤の吸入器が吸入キャリアから薬剤を分離させ得る可能性は、有効性に関して、重要な性能パラメータである。
【0006】
(3)5μmよりも大きなサイズの活性薬剤粒子は、口内または咽喉内のいずれかに堆積することとなる。このことは、このような場所における薬剤の生物学的利用能および吸収が肺におけるものとは相異することにより、他の不確定さをもたらしてしまう。乾燥粉末の吸入器は、薬剤の生物学的利用能に関する不確定さを減少させるために、このような場所への薬剤の堆積を最小化する必要がある。
【0007】
従来技術による乾燥粉末吸入器(dry powder inhalers,DPIs)は、通常、高速空気流内に薬剤(活性薬剤とキャリアとの双方)を導入するための手段を備えている。高速空気流は、μmサイズの粒子クラスターを分解するための主要機構として、すなわち、薬剤粒子をキャリアから分離させるための主要機構として、使用される。薬剤適用においてこのような粉末の形態で投与するのに好適ないくつかの吸入デバイスは、従来技術において公知である。例えば、米国特許明細書第3,507,277号、米国特許明細書第3,518,992号、米国特許明細書第3,635,219号、米国特許明細書第3,795,244号、米国特許明細書第3,807,400号には、粉末薬を収容しているカプセルに穴を開けるための手段を具備しているような吸入デバイスが開示されている。この場合、吸入時には、穴開きカプセルから薬剤が取り出されて使用者の口内へと適用される。上記特許文献のいくつかは、カプセルからの粉末の吸引を吸入空気だけに頼る必要がないように吸入時にカプセルからの粉末の取出を補助するための推進手段を開示している。例えば、米国特許明細書第2,517,482号には、粉末を収容しているカプセルを吸入前に下部チャンバ内に配置し、下部チャンバ内において、使用者が孔開けピンを手動で押圧することによってカプセルの孔開けを行うことが開示されている。孔開け後に、吸入が開始され、カプセルは、デバイスの上部チャンバへと吸い込まれる。上部チャンバ内においては、カプセルは、あらゆる方向に動き回り、これにより、孔開けされた孔から粉末が取り出され、吸入空気流に乗って運ばれる。米国特許明細書第3,831,606号には、複数の孔開けピンと、推進手段と、外部からの手動操作によって推進手段を駆動するための内蔵型電源と、を具備している吸入デバイスが開示されている。この場合、吸入時には、推進手段が吸入空気流への粉末の適用を補助する。また、米国特許明細書第5,458,135号を参照されたい。
【0008】
これら従来技術によるデバイスは、本発明によって克服されるような、いくつかの問題点および欠点を有している。例えば、従来技術によるデバイスにおいては、孔開け済みのカプセルから吸入空気流へと粉末を吸い出すために、使用者がかなりの吸入を行う必要がある。このような従来デバイスであると、カプセルの孔を通しての吸入に基づく粉末の吸出によって、通常、すべての粉末あるいは大部分の粉末をカプセル外へと引き出すことができず、そのため、薬剤の全量を使用することができない。また、そのような従来デバイスであると、微細に分散した粉末が制御量だけ一定に吸入されるというよりも、粉末材料からなる塊または非制御量が吸入されてしまう。
【0009】
上記従来技術の説明の大部分は、Wilke 氏他による米国特許明細書第3,948,264号からの引用である。Wilke 氏他は、粉末薬剤の吸入を容易とするためのデバイスであって、一次空気流入チャネルと二次空気流入チャネルと流出チャネルとを有したボディ部を具備したデバイスを開示している。二次空気流入チャネルは、粉末薬剤を収容しているカプセルのための容器をなし、流出チャネルは、ボディ部から突出するマウスピースとして形成される。カプセル孔開け構造が設けられており、このカプセル孔開け構造は、回転によってカプセルに1つまたは複数の孔を開け、これにより、電気機械的バイブレータによるカプセルに対しての振動付与時には、粉末薬剤がカプセルから取り出されるようになっている。Wilke 氏他によって開示された孔開け手段は、トロコイド状チャンバ内に取り付けられた、径方向を向くとともにスプリングによって付勢されている3つの孔開けニードルを備えている。チャンバを手動で回転させた時には、ニードルの同時的内向き径方向移動によって、カプセルが孔開けされる。チャンバをさらに回転させると、スプリング付勢取付に基づいて、カプセルから退避した初期位置へと、ニードルが引っ込められる。電気機械的バイブレータは、最内端部に、流入チャネルと流出チャネルとの交点内に突出する振動プランジャロッドを有している。プランジャロッドには、ロッドを振動させるための機械的ソレノイドブザーが連結されている。このブザーは、高エネルギー電池によって駆動されるものであって、外部ボタンスイッチによって起動される。Wilke 氏他によれば、流出チャネル3を通しての吸入時に、スイッチ10dが押されることによって、電気機械的振動手段10が駆動される。これにより、流入チャネル4,12を通して空気が吸い込まれるとともに、二次流入チャネル4を通しての空気流が、振動プランジャロッド10aのところにまでカプセルを押し上げる。これにより、カプセルが急速に振動することとなり、粉末が流動化して孔から取り出される。(この技術は、ホッパから粉末を取り出すに際して、製造分野においては通常的に使用されている。つまり、ホッパを振動させることにより、粉末を流動化(流体化)させ、ホッパ出口から粉末が取り出される。カプセル内の孔は、ホッパ出口に相当する。)流入チャネル4,12を通しての空気流は、カプセルからの粉末の取出を補助し、この粉末を、流出チャネル3を経由して使用者の口へと搬送する(Wilke 氏他の文献における第3コラム、第45〜55行目)。Wilke 氏他は、さらに、電気機械的バイブレータ手段を、流入チャネルに対して直角に配置し得ること、および、振動の強度および周波数を、吸入による取出特性の制御に応じて変更できること、を開示している。
【0010】
ここで、上述のように、Wilke 氏他の吸入器におけるバイブレータは、ソレノイドブザーによって駆動されるロッドを有した電気機械的デバイスである。(電気機械的手段は、カムを駆動するモータとすることもできる(第4コラム、第40行参照)。)Wilke 氏他によって開示されたような吸入器の不利な点は、カプセルを効果的に振動させるために、比較的大きな機械的移動をロッドに対して引き起こす必要があることである。通常数百μmの程度とされるような、ロッドの大きな移動は、カプセル壁の弾性のために、また、薬剤およびカプセルの慣性のために、必要とされる。
【0011】
さらに、ソレノイドブザーは、典型的には、5KHz以下の動作周波数を有している。動作周波数は、ノイズ(騒音、不快音)をもたらしてしまいがちなものであり、したがって、患者の立場からは、乾燥粉末吸入器に組み込むことが望ましくないものである。Wilke 氏他のデバイスにおける電気機械的アクチュエータのさらなる欠点は、高エネルギー源を必要とすることである(Wilke 氏他の文献における第3コラム、第38行目)。よって、大きなバッテリ源を必要としたり、あるいは、携帯型ユニットとしてのバッテリパックを頻繁に交換する必要がある。このような特性は、患者に対する安全性という観点から、また、『使用の容易さ』という観点から、望ましくない。
【0012】
Wilke 氏他による吸入器は、従来技術において引用されている他の吸入器と比較して、カプセル内に残される粉末の量を低減することを主要な目的としている(Wilke 氏他の文献における第4コラム、第59〜68行目、および、第5コラム、第1〜48行目)。しかしながら、Wilke 氏他は、肺に対して薬剤を有効に搬送するために要求されているような、粒子サイズへの粉末の解離の必要性あるいは6μm以下というサイズのグループへの粉末の解離の必要性には応えていない。どちらかといえば、Wilke 氏他は、従来の吸入器と同様に、肺に向けての搬送のために適切な粒子サイズへの解離を空気流内に粉末を放出することによって行うというように、空気流速に依存して粉末の解離を行っている。
【0013】
他の従来技術による吸入デバイスは、Burns 氏他による米国特許明細書第5,284,133号に開示されている。このデバイスにおいては、液体薬剤が、例えば圧電性部材といったような超音波デバイスによって霧化される(Burns 氏他による文献の第10コラム、第36〜51行目)。通常は高速のものとされる空気流が、推進役となって、霧化された粒子を患者に対して搬送する。噴霧器内における液体薬剤の霧化に必要なエネルギーは、ひどく大きなものであり、肺にまでの薬剤搬送に際してのこの手法の実施を、机上の空論のものとしている。機械的変位をもたらすのに必要とされるような、圧電体駆動用の高電圧は、また、デバイスの重量およびサイズを、ひどく大きなものとしてしまう。噴霧器を動作原理とするこの手法を、肺への粉末薬剤の搬送のための乾燥薬剤吸入器に対して適用し得ないことも、また、明瞭である。
【0014】
したがって、従来技術によるデバイスは、肺にまでの乾燥粉末の搬送に際して望ましくないような、多くの欠点を有している。これら欠点のいくつかは、下記のようなものである。
−従来技術による吸入器の性能が、使用者によって生成される流速に基づくものであること。流速が小さいと、粒子が全体的に解離されることがなく、そのため、患者に対して搬送される薬剤量が悪影響を受けてしまう。
−解離プロセスの一貫性の欠如のために、投与量と薬剤効能とが一致しなくなってしまうこと。
−電気機械的吸入器の駆動のために大きなエネルギーが必要とされ、このため、デバイスのサイズが大きくなってしまって、携帯用途に適さないものとなってしまうこと。
【0015】
1997年12月9日付で付与された我々の以前の米国特許明細書第5,694,920号において、我々は、上記従来デバイスの上記欠点を克服するために、振動を使用して、ガス内への粉末の浮遊を容易とするような吸入器を提案している。より詳細には、我々の上記特許における吸入器は、粉末を振動させるための圧電性バイブレータを備えている。ガス内に粉末の少なくとも一部を最適に浮遊させ得るような振動を粉末に与えるために、バイブレータに対しての駆動電力供給を制御する(例えば、強度および/または周波数)ためのコントローラが設けられている。我々の上記特許に記載されているように、このコントローラは、吸入器において現在使用されているタイプの粉末をガス内に最適に浮遊させ得るように使用者が振動周波数および/または強度を選択できるような、使用者駆動制御部材を備えている。使用者駆動制御部材は、粉末の少なくとも一部をガス中に最適に浮遊させ得るようにして使用者駆動制御部材によって選択されたタイプの粉末を振動させるために必要なバイブレータ駆動用の駆動電力の強度および/または周波数をコントローラが調整し得るように、コントローラによって予め校正される。使用者駆動制御部材は、ガス中に浮遊させるべき粉末粒子の平均サイズという観点から、および/または、所望の振動周波数および強度という観点から、選択の幅を有することができる。振動周波数は、そのような通常的に使用される粉末薬剤をガス中に最適に浮遊させるために、少なくとも約12KHzであるように調整される。当然のことながら、振動周波数および強度は、使用されている粉末薬剤が最適に浮遊するように調整することができる。
【0016】
空気流を横切って静電界が形成されことによって、この静電界の強度を制御することにより、主に所望サイズの粒子だけが、空気流内に導入される。この場合、大きなサイズの粒子は、容器内に残される。このことは、従来技術におけるデバイスにも共通しているように大きな粒子が口内または咽喉内に堆積することのために生じていた薬剤の効能に関しての不一致さを、低減する。
【特許文献1】米国特許明細書第5,694,920号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、例えば我々の上記米国特許明細書第5,694,920号に記載されたような吸入デバイスといったような従来技術による吸入デバイスに対する改良をもたらすものである。本発明のある実施形態においては、吸入器は、2つまたはそれ以上のバイブレータ手段あるいは圧電素子を備えている。これにより、互いに異なる薬剤、すなわち、粒子サイズが互いに異なる薬剤を、同一の吸入器から搬送することができる。
【0018】
本発明のさらに他の実施形態においては、圧電部材は、粉末内における定常波形性の可能性を避けるために、2つ以上の設定周波数の間で切り換えられる、あるいは、2つ以上の周波数の間にわたって掃引される。
【0019】
本発明のさらに他の実施形態においては、吸入器は、例えば投与回数のカウントや患者の使用状況の観測や使用の注意喚起といったような1つ以上の機能を記録したりまた制御したりするための電気回路を備えている。また、吸入器は、搬送プロトコルに従って、すなわち、時間的に薬剤の搬送量を変更し得るように、プログラムすることができる。必要に応じて、吸入器は、例えば不適切に高温すぎる温度環境に曝されたときに吸入器の駆動を禁止するために、環境センサと禁止回路とを備えることができ、また、所定使用期限を経過した吸入器の駆動を禁止するためのクロックを備えることができ、また、安全性のための禁止機構を備えることができる。
【0020】
本発明のさらに他の実施形態においては、吸入デバイスの様々な構成部材を制御するための空気流通センサが提供される。好ましい実施形態においては、音響的コントローラを具備しており、この音響的コントローラは、自身の周囲の流体圧力を検出し得るとともに流体圧力の周波数および強度を代理する信号を形成し得る音響的検出部材を備え、それら信号が、吸入デバイスのある種の構成部材を制御する(例えば、駆動する、駆動禁止する、電圧を増加する、等)ために使用されるようになっている。
【0021】
好ましくは、音響的検出部材が、マイクロホンまたは流体圧力トランスデューサであって、吸入デバイス(例えば、乾燥粉末吸入器)の通路内に配置されており、吸入空気流に応答して信号を生成する。これら信号を使用して、吸入器のある種の部材、例えば高周波バイブレータや静電プレートやタイマーやカウンタ等、の制御が行われる。また、好ましくは、これら信号を使用することにより、患者が最大の薬効を得られるよう吸入効率を最大化させるために、吸入デバイスのある種の構成部材の駆動/制御が行われる。
【0022】
よって、本発明は、呼吸によって駆動され、特定の薬剤の最適利用を可能とするような、全自動吸入デバイスを提供する。例えば、音響信号を使用することにより、患者が最適の(例えば最大の)吸入効果を行ったときにのみ、高周波バイブレータおよび静電プレートを起動することができる。これにより、薬剤の全投与量(適正な投与量)が患者の呼吸器系へと適切に導入されることが、確保される。これに代えて、これら信号(呼吸によって駆動される信号)を使用することによって、最適の吸入投与が行われるように吸入デバイスの様々な部材をしだいに強力運転させるようにしたり、あるいは、順次的に駆動/停止させたりすることができる。
【0023】
本発明は、また、乾燥粉末のパッケージングに関するものであり、特に、医療用途の薬剤の正確な計量およびパッケージングに関するものである。
【0024】
新たな薬剤の認可は、動物実験から始まって効能および安全性に関しての化学的試行を行うといったように、長期にわたるものであってコストのかかるプロセスである。薬剤の特性が製造および/またはパッケージングによって影響を受ける可能性があることにより、認可プロセスは、特定の製造およびパッケージングプロセスに対する認可によって制限を受ける。
【0025】
1997年12月23日付けで許可された我々の米国特許明細書第5,699,649号には、静電光学的技術を使用することによって薬剤といったようなマイクログラムレベルの量の微小粉末をパッケージングするための方法および装置が記載されている。より詳細には、上記米国特許明細書第5,699,649号に開示されているように、有利には、粉末が電荷を獲得する能力が使用されて、粉末のマイクログラムレベルの量が正確に測定され、その後、正確に測定された量の薬剤が、個々の容器内に配置されて、それら容器がシールされる。
【0026】
静電荷は、表面に向けて所定量の粉末を引きつけるために既に使用されている。この一例は、ドラムを帯電させトナー粒子を静電荷によって吸引して所定位置に保持するという、レーザープリンタや静電複写デバイスである。ドラム上の電荷は、吸引されたトナー粒子によって中性化され、これにより、ドラム上の帯電イメージに従ってトナー量が制限される。プリンタドラム上の電荷は、その後、紙シートや他のキャリア上へと転写され、最終イメージが形成される。我々の米国特許明細書第5,699,649号においては、同じ静電帯電技術を使用することによって、所定強度および面積でもって電荷を帯電させたキャリアまたはドラム等の中間部に対しての所定量の微細粉末状薬剤の転写が行われ、表面上に所定量の粉末薬剤を付帯した帯電ドラム表面が解放ステーションにまで回転され、そこで、帯電に抗して乾燥粉末がパッケージング内へと移送され、その後、パッケージがシールされる。ドラムに代えて、ベルトや他の移動表面であっても、局所領域だけを所定電位に帯電させることができる。
【0027】
与えられた量の粉末薬剤をパッケージングするときには、各薬剤投与量に関してまた各粒子サイズ分布に関して、電荷および帯電面積を実験的に決定することができる。これは、個々の任意の帯電面積上における、与えられた電荷密度での帯電面積か、あるいは、総静電帯電電荷か、のいずれかを制御することによって行うことができる。これら条件は、特定薬剤の正確な所望量が実質的に解放ステーションにおいて放出されるように、調整することができる。
【0028】
本発明においては、容易に摂取可能な形態すなわち錠剤やカプセルという形態でもって、単位投与量の薬剤を計量してパッケージングするために、我々の上記米国特許明細書第5,699,649号に開示されている静電帯電技術が使用される。この技術によれば、薬剤の正確かつ再現性の良い計量およびパッケージングが可能であり、実験室スケールから、パイロットプラントにおけるフルスケール生産におけるスケールにまで、再認可の必要なく、スケール変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の他の特徴点および利点は、添付図面を参照した以下の詳細な説明により、理解できるであろう。添付図面においては、同一の参照符号は、同様の部材を示している。
【0030】
図1〜図3は、我々の上記の米国特許明細書第5,694,920号によって形成された吸入器の一実施形態10を示している。吸入器10は、硬質プラスチック製のまたは金属製の、ハウジング18を具備している。ハウジング18は、長さ方向横断面においては、全体的にL字形とされている。ハウジング18は、4個の空気流通開口20,28,30,32を備えている。吸入器10は、空気流通用の主通路26を具備している。主通路26は、(開口部20のところにおける)前面22から(開口28のところにおける)背面24にまで延在しており、全体的に正方形形状の横断面形状を有している。主通路26は、前面22から背面24までにわたって空気を流通させることができる(図1において、矢印Fによって示されている)。
【0031】
二次空気コンジット31は、全体的にL字形とされていて、ハウジング18の背面24内の開口30から主通路26にまで延在している。一方向流通バルブ50が、通常のスプリングによって付勢されたヒンジ機構(図示せず)を介して、主通路26の内面33に対して取り付けられている。この場合、ヒンジ機構は、主通路26内の空気流通Fの圧力が、主通路26を通しての使用者による吸入を示すような所定しきい値よりも小さいときには、バルブ50が空気流通Sを完全に遮断するし得るように、構成されている。
【0032】
粉末適用チャンバ54は、吸入されるべき粉末薬剤のカプセル34を保持するために、ハウジング18内に形成されている。ハウジング18は、背面24に、チャンバ54内にカプセル34を導入してガイド手段60A、60B間において振動手段36のシート52上に配置することを可能とするための可動パネル部32を備えている。好ましくは、振動手段36は、圧電性バイブレータ90を内包している硬質プラスチック製または金属製の保護シェル37を備えている(図4)。好ましくは、バイブレータ90は、バイブレータ90からシェル37を経由してカートリッジ(カプセル)34にまで最大の振動エネルギーを伝達し得るよう、薬剤カートリッジ34に対して、ディスク(図示せず)を介して、シェル37を経由して機械的に連結される。ガイド手段60A、60Bは、チャンバ51内におけるシート52上へのカプセルの導入と保持とを容易なものとし得るよう、シート52に向けて下向きに傾斜した2つの傾斜面を有している。可動パネル32は、使用者による吸入時にチャンバ51からコンジット61を通りコンジット31内へと流通する付加的空気流S2を形成し得るよう、他の空気流入口34を有している。好ましくは、パネル32およびハウジング18は、使用済みの(すなわち、空となった)カプセルの取出と、新品の(すなわち、完全に無傷の)カプセルの導入と、の間において使用者によってパネル32を着脱可能式にハウジングに対して再取付させ得るような、従来型の係合取付手段(図示せず)を備えている。
【0033】
吸入器10は、さらに、コンジット26の内面上に取り付けられた、空気流速センサまたは圧力センサ40を備えている。これにより、空気流Fの速度および/または圧力を検出することができる。好ましくは、センサ40は、従来型のスプリングによって付勢された曲げフラップ型のスイッチを有している。このスイッチは、コンジット26内の空気流Fの速度および/または圧力を代理する電気信号を生成し、それら信号を、電気接続ライン42を介して、ハウジング18内に収容されていてこれら信号に基づいてバイブレータ手段の駆動を制御するための電気制御回路48に対して、伝達する。
【0034】
好ましくは、制御回路48は、特定応用集積回路チップとして、および/または、他のタイプの高集積回路チップとして、具現されている。これに代えて、制御回路48は、マイクロプロセッサの形態とすることができ、あるいは、離散型電気および電子素子の形態とすることができる。詳細に後述するように、制御回路48は、従来型の電源46(例えば、1つまたは複数のDCバッテリ)から圧電バイブレータへと供給される駆動電力の強度および周波数を決定し、これにより、バイブレータの振動を制御する。駆動電力は、バイブレータと回路48との電気接続ライン44を介して、圧電素子90に対して供給される。
【0035】
圧電素子90は、高周波数に適した材料から形成される。好ましくは、超音波共鳴振動周波数(例えば、15〜100MHz)を有した材料から形成される。圧電素子90は、圧電素子90に対して印加される励起電力の周波数および/または強度に応じた、特定の周波数および強度でもって振動するようになる。圧電素子90を構成するために使用可能な材料の例としては、石英および多結晶セラミック材料(例えば、チタン酸バリウム、および、チタン酸鉛ジルコニウム)がある。有利には、圧電素子90を超音波周波数でもって振動させることにより、低周波数(非超音波周波数)での圧電素子90の振動に関連するノイズ(不快音)を防止することができる。
【0036】
次に、図4を参照して、制御回路48の様々な機能部材についておよびそれらの動作について説明する。図4に図示されている様々な機能部材は、制御回路48のアナログ的具現のために設けられているけれども、図4の各部材を、本発明のこの実施形態10を逸脱することなく、制御回路48をデジタル的具現のために適切に修正し得ることは、当業者には理解されるであろう。
【0037】
制御回路48は、好ましくは、駆動コントローラ70と振動フィードバック制御システム72とを備えている。駆動コントローラ70は、センサ40から供給された信号に基づいてまた電源スイッチ12の状態に基づいて電源46から制御システム72への電力供給を可能とし得るような、従来型のスイッチング機構を備えている。言い換えれば、コントローラ70は、スイッチ12のスライドインジケータバー14がチャネルトラック16内において『オン』位置にセットされており、かつ、主通路26を通って吸入が行われていることを示す信号を吸入検知センサ40がコントローラ70に対して供給しているときには、電源46からシステム72への駆動電力の供給を可能とする。しかしながら、コントローラ70は、スイッチ12が『オフ』位置にセットされているか、あるいは、主通路26を通っての吸入が行われていないことを示す信号を吸入検知センサ40がコントローラ70に対して供給しているか、のいずれかであるときには、電源46からシステム72への駆動電力の供給を禁止する。
【0038】
コントローラ70が、最初に、電源46からフィードバック制御システム72への駆動電力の供給を許可したときには、システム72は、初期化状態へと移行する。初期化状態においては、駆動電力の所定周波数および強度を供給するための制御手段74が制御信号を生成することにより、従来型のポンピング回路80によって、初期化メモリ手段82内に格納されている周波数値および強度値に基づいて駆動電力の初期所望周波数および強度を設定させる。好ましくは、手段74は、従来型の周波数掃引発生器とされ、周波数発生手段76,78を備えている。手段74によって生成された信号は、電荷ポンピング回路80へと供給され、ポンピング回路80により、圧電素子90に対して、信号によって特定される駆動電力を供給させるようにする。
【0039】
好ましくは、圧電素子90に対して供給される駆動電力の初期周波数および強度は、粉末カートリッジまたは粉末が手段36上に配置されているときに圧電素子90が圧電素子90の共鳴周波数でもって振動するように、予め校正されている。圧電素子が圧電素子の共鳴周波数で振動する場合に、圧電素子から容器34内の粉末に対しての振動力の伝達が最大で行われることは、当業者であれば理解されるであろう。これにより、使用者による吸入空気内への、容器34からの粉末の最大の浮遊と最大の解離とが起こることがわかった。しかしながら、容器36または粉末が振動手段36上に配置されていない場合には、粉末容器の重量および容積が、また、圧電素子によって浮遊されるべき粉末の重量および体積および特定サイズが、圧電素子の振動特性を変化させる。これにより、圧電素子は、共鳴周波数以外の周波数でもって、振動することとなる。このことにより、圧電素子から粉末への振動エネルギー伝達が減少し、その結果、使用者による吸入空気内への粉末の浮遊および解離に関しての圧電素子による効率が低下する。
【0040】
フィードバック制御システム72は、この問題点を克服する。このシステム72においては、駆動電力の初期周波数および強度が圧電素子90に対して供給された後に、周波数発生手段74が、回路80によって圧電素子90に対して供給されるべき電力の様々な強度および様々な周波数を代理した制御信号を、体系的に生成する。生成手段74が、様々な周波数および強度を『一巡』させるときに、このような様々な周波数および様々な強度の各々に対応した圧電素子90の瞬時的パワー伝達特性が、検出器88によって決定される。この情報は、ピークパワー検出器86へと伝達される。ピーク検出器86は、圧電素子90の瞬時的パワー伝達特性を解析し、パワー伝達特性が極大点を示したときに試料採取および保持(サンプルアンドホールド)フィードバック制御部材84に対して信号を送信する。コントローラ84は、これら極大値と、圧電素子90に対して発生器74から供給された周波数および強度の命令値と、の相関関係を決定する。
【0041】
周波数発生器74が、圧電素子90に対して供給すべき電力の周波数および強度に関しての掃引を完了させたときには、コントローラ84は、発生器74によって、複数の極大値をもたらしたいくつかの電力の周波数および強度を発生させる。その後、どの周波数および強度が、圧電素子90に関しての最適のパワー伝達特性をもたらすかを、決定する。
【0042】
コントローラ72の動作完了は、クロック500によって行われる。クロック500は、駆動電力が圧電素子90に対して最初に供給されたときにトリップ(始動)される。クロック500は、設定時間を超えての圧電素子の2回目の駆動を防止するためのカウンタを備えている。これにより、患者による過度の使用および過度の投与を防止することができる。
【0043】
実施形態10の動作時には、薬剤を収容しているパッケージ34が、孔開けされ、上述のようにして、チャンバ51内のバイブレータ36の表面52上に配置される。電源スイッチを『オン』位置とし、使用者は、コンジット26を通して空気を吸入する。これにより、空気流Fが、コンジット26を通して生成される。これにより、一方向性バルブ50が偏向し、コンジット26内への開口30を通しての空気流Sと、コンジット26内への開口34およびチャンバ51を通しての空気流S2と、が引き起こされる。吸入空気流Fは、センサ40によって検出され、駆動コントローラ70へと、この検出信号が伝達される。これにより、駆動コントローラ70は、コントローラ72へと電力を供給する。コントローラ72は、カプセルからの粉末Pの、空気流SおよびS2を介しての空気流F内への浮遊および解離が最良となるような最適の周波数および強度が得られるまで、圧電素子に対して供給される駆動電力の強度および周波数を調節する。
【0044】
図5は、本発明の他の実施形態を示している。図5は、図4と同様の図であるものの、クロック500が、デバイスによって搬送された投与回数をカウントするためのカウンタ502に置き換えられている点において相違している。カウンタ502は、ディスプレイ504に対して接続されている。ディスプレイ504は、搬送回数を表示し、さらに場合によっては、残っている投与回数を表示する。
【0045】
図6は、本発明のさらに他の実施形態を示している。図6の実施形態は、図4の実施形態と同様であるものの、クロック500が、吸入器の使用記録を収容した内部モニタ508に置き換えられている点において相違している。図6の実施形態においては、ハッチ510が設けられている。このハッチ510を通して、医師は、モニタ508内のデータに対してアクセスしたりデータを読み込んだりまたデータをダウンロードしたりすることができる。これにより、患者の適応状況を決定することができる。
【0046】
図7は、本発明のさらに他の実施形態を示している。図7の実施形態は、図4の実施形態と同様であるものの、図7の実施形態においては、患者が吸入器の使用を確認する目的のために、クロック500が時間をカウントする点において相違している。よって、クロック500は、音発生器514に対して接続されている。
【0047】
図8は、本発明のさらに他の実施形態を示している。図8の実施形態は、図4の実施形態と同様であるものの、駆動時間を変更するようにすなわち期間を短縮したり延ばしたりするようにコントローラ84に対して信号を送出し、これにより、搬送される薬剤の量を変更し得るような例えば所定時間にわたっての投与量を増減し得るような、クロックまたはカウンタ516を備えている点において相違している。これに代えて、クロック516は、ある日数が経過した後に吸入機を使用禁止とするように、すなわち、使用期間外の薬剤を使用してしまう可能性を避けるように、プログラムすることができる。
【0048】
図9は、本発明のさらに他の実施形態を示している。図7は、図4と同様であるものの、カウンタまたはクロック500が、温度センサ518へと置き換えられている点において相違している。ある種の薬剤は、感熱性であり、例えば吸入器が晴天の日に自動車内に放置された場合に起こり得るように高温に曝されたときに、活性を失ったりあるいは潜在的に危険なものとなったりすることがある。温度モニタ518は、予め設定された温度に到達した場合に、コントローラ72の駆動を禁止する。場合によっては、モニタ518は、また、予設定温度に到達したことを患者に対して警告するために、ディスプレイを備えることができる。
【0049】
図10の実施形態は、図9の実施形態と同様であるものの、図10の実施形態においては、温度センサが、デバイスの駆動のために使用者のピンコードを入力するための例えば3個ボタン型キーボードといったような『キー』へと置き換えられている点において相違している。これにより、例えば、対象患者以外の誰かが吸入器を使用することが防止され、例えば管理の必要な危険な薬剤が子供によって誤って使用されることが防止される。使用を容易とするために、キー520は、患者が特定使用者に対する特定のピンコードをプログラムすることを可能とすることができる。
【0050】
さて、図11には、また別の実施形態が示されている。この実施形態においては、2つの圧電性バイブレータ90A、90Bが、吸入器シェル内において並置されている。この実施形態においては、各圧電素子は、互いに異なる強度および周波数でもって振動することができるようになっている。これにより、例えば、有利には、互いに異なる2つの薬剤を、各薬剤に対しての投与性能に関して妥協を行うことなく、同一の吸入器によって同時に投与することができる。このことは、互いに対しての反応性に富んでおりそのため容易には一緒に格納することができないような2つの薬剤の搬送を可能とする。例えば、ぜん息用の吸入器が、互いに異なる圧電性の設定を必要とするような、例えばアルブテロールといったような気管支拡張薬と、ステロイドと、の双方を収容することができるようになる。図11の実施形態は、予め校正されたコントローラ112(112Aおよび/または112B)を備えている。コントローラ112は、ポンピング回路80A、80Bに対して制御信号を供給するための、予め校正された第1および第2の周波数/強度制御信号発生器110A、110Bを備えている。当然のことながら、予め校正されたコントローラ112は、図4に示すのと同様の一対のフィードバックコントローラによって置き換えることができる。
【0051】
図12および図13には、吸入デバイス202の空気流通通路212の断面図が示されている。図12の示す空気流通通路212の上流側に、例えば上述のような典型的な吸入デバイスの一般的な空気流通通路が存在していることに注意されたい。しかしながら、本発明は、空気流通通路の特定の形状に無関係に、任意の吸入デバイスに対して適用することを意図している。最も基本的なレベルにおいては、本発明は、センサ208の周囲の流通擾乱(すなわち、吸入器の使用者による吸息性の空気流通速度)を検出して、後述するように、検出された空気流の擾乱の強度および周波数の関数として吸入デバイス202の様々な構成部材を制御するために、空気流通センサ208を設けることによって、動作する。
【0052】
図12に示すように、空気110(または他の流体)は、典型的にはデバイス202において吸入を行っている患者の吸気活動によって、空気流通通路212内に流入する。空気210が通路212を通して流通するときには、空気の一部は、キャビティ204の中の通路202内の開口206を通して、流入する。キャビティ204内には、空気流検出デバイス208が配置されている。好ましくは、空気流検出デバイス208は、例えばマイクロホンといったような音響的検出デバイスである。また、好ましくは、マイクロホン208は、キャビティ204内において検出された空気流に応じた適切な信号248を生成するように構成されている。キャビティ204内において検出される空気流の強度および周波数は、デバイス202の空気流通通路212内の空気流速210の関数である。よって、マイクロホン208からの出力信号248は、(通路212内の流速の関数である)キャビティ内の空気流速の関数として周波数と強度との双方において変化する。よって、マイクロホン208からの出力信号248を、後述のように周波数および/または強度の関数として吸入器202の様々な構成部材を制御するために、使用することができる。キャビティ204の形状および開口206のサイズが、空気流通通路212の特定の形状や通路212を通しての空気流速やマイクロホン208の周波数応答性および/または感度に応じて選択されること、また、このようなすべての変形例が本発明の範囲内であることは、当業者であれば理解されるであろう。好ましくは、上述のように、キャビティ204の形状および開口206のサイズは、通路202内の空気の少なくとも一部がマイクロホン208による応答を誘起し得るような十分な強度でもってキャビティ204内に流入し得るように、選択される。
【0053】
図13には、例えば米国特許明細書第5,694,920号に開示されているような乾燥粉末吸入器における空気流センサ(上記の図12に示すもの)の実施形態を、より広い範囲を示す断面図である。図13に示されているものは、典型的な乾燥粉末吸入器202の構成部材である。マウスピース246は、デバイス202を使用して使用者(すなわち、患者)が吸入を行い得るように設けられている。高周波数の振動機構228(例えば、圧電素子、超音波音響トランスデューサ、あるいは、他の電気/機械的振動機構、等)が、乾燥粉末薬250の容器220(例えば、ブリスタカプセル)を振動させ、これにより、薬剤粒子を空気流通通路212内へと浮遊させるために、設けられている。粒子の浮遊をさらに補助するために、静電ポテンシャルプレート226を設けることができる。この静電ポテンシャルプレート226は、空気流210内のある電荷(すなわち、静電プレート226の電荷とは反対の電荷)を有した粒子を吸引するように作用する。この実施形態においては、空気流通通路212内に吸入された空気210の一部210’が、キャビティ204内に導入され、マイクロホン部材208によって検出される。空気流の検出時には、マイクロホン部材は、空気流通通路212内の空気流速の強度および周波数に比例した出力信号248を生成する。出力信号248を使用することによって、後述のようにして、高周波バイブレータ228や静電プレート226や吸入器の他の構成部材が制御される。
【0054】
図14は、乾燥粉末吸入器のための本発明による音響制御システムを示すブロック図である。上述のように、マイクロホン部材208は、検出される空気流210’に応じた信号248を生成する。これら信号は、強度/周波数プロセッサ230によって処理され、信号248を調整して出力信号248の強度および/または周波数を決定する。強度/周波数プロセッサは、高周波バイブレータおよび/または静電プレートを制御するための出力信号248’を生成する。この目的のために、出力信号248’は、比較器回路240および/または232に対して入力され、それぞれ参照しきい値242および/または234と比較される。
【0055】
信号248,248’が、上述のように空気流速210を代理するものであることを、理解されたい。本発明は、信号248の周波数および/または強度の関数として制御可能であること、よって、強度/周波数プロセッサが、強度および周波数の両方の観点において、信号248を調整し得るように構成されていること、を意図している。高周波バイブレータしきい値発生部材242は、高周波バイブレータコントローラ244を駆動する(コントローラ244が、その次に、高周波バイブレータ226を駆動する)ために必要な最小電圧および周波数を表す信号252を生成する。比較器240は、信号252と信号248’とを比較し、両信号が強度および周波数において等価であれば(いくらかの所定許容誤差範囲内において)、比較器は、高周波バイブレータコントローラ244を駆動する。これにより、高周波バイブレータ226が駆動されて直接的に制御される。同様に、比較器232において信号248’と信号254とが同等であると判定されることによって、静電プレート偏向器コントローラ236が、駆動される。静電プレート偏向器しきい値発生部材234は、静電プレート226を駆動するために必要な最小電圧および周波数を表す信号254を生成する。
【0056】
吸入容量プロセッサ238は、患者による吸入流210(信号248,248’によって表される)のピークを計算するために、設けられている。図面には示していないけれども、この情報は、高周波バイブレータしきい値発生部材242および/または静電プレート偏向器しきい値発生部材234からのしきい値信号を調整するために使用することができる。当然のことながら、これを行うためには、高周波バイブレータしきい値発生部材242および/または静電プレート偏向器しきい値発生部材234は、従来技術において公知であるように、プログラム可能なものでなければならない。このようにして、マイクロホン208は、患者どうしの間にわたってのすなわち個人差による吸入流速の変化に応じた調整を行い得るようにして吸入器の様々な構成部材を駆動するために、プログラムすることができる。よって、例えば、本発明による吸入制御手順は、個人に合わせて調節することができ、例えば肺の容量の低下等によって起こる患者の吸入流速の低下を補償することができる。これに代えて、プロセッサ238は、最適の吸入タイミングで(例えば、ピーク吸入時)、ここに開示した様々な部材(例えば、バイブレータ、静電プレート、等)を順次的に起動し得るように、修正することができる。よって、例えば、プロセッサ238は、使用者によるピーク吸入直前のタイミングでバイブレータを起動し、その後、静電プレートを起動し、これらにより、薬剤の最適の吸入吸収が行われるタイミングで空気流内に薬剤を浮遊させるようにする、といったように制御することができる。さらに、プロセッサ238は、最大の医療効率が得られるよう、粉末薬剤250の調整のために使用し得る患者の吸入流速を追跡するための適切なメモリを備えることができる。
【0057】
多くの修正や代替や等価物が可能である。例えば、プロセッサ230、しきい値信号発生器234,242、および、比較器240,232は、任意の公知のデジタル回路(例えば、マイクロプロセッサ)またはアナログ回路、および/または、ここに記載した機能を達成し得るような関連ソフトウェアとすることができる。図14における様々な部材が、モジュール形式で示されているけれども、これらの各部材を、個別の既製品あるいは注文生産品とすることができること、また、単一の一体型システム内に包含し得ることは、当業者であれば理解されるであろう。
【0058】
本発明は、マイクロホン信号248によって高周波バイブレータ228および/または静電プレート226を直接的に制御し、これにより比較器240および/または232をバイパスするように、変更することができる。このようにして、マイクロホン208は、流速に依存しないような2値形式で各部材の駆動を行い得るように構成することができる。また、しきい値信号発生回路242,234、強度/周波数プロセッサ230、および、吸入容量プロセッサ238は、使用者(患者)による制御が可能であるように、また、使用者による設定が可能であるように(すなわち、駆動のための最低流速の設定、等)、構成することができる。
【0059】
加えて、比較器240,232は、互いに異なる信号強度および/または周波数に基づく駆動信号を生成し得るように、構成することができる。よって、例えば、高周波バイブレータは、1KHzという信号周波数が得られたときにのみ駆動するように構成することができ、一方、静電プレートは、35mVという信号強度が得られたときにのみ駆動し得るように構成することができる。
【0060】
他の変形も可能である。例えば、マイクロホン208は、キャビティ204内に配置することに代えて、デバイス202の空気流通通路212の内壁上に直接的に配置することができる。また、図12に示すように、擾乱発生器214を設けて、空気流通通路212内において空気擾乱を発生させることができる。この変更は、例えば、そういう対策を行わなければキャビティ204内に空気210の一部210’が流入できないような状況の吸入デバイスにおいて、使用することができる。加えて、マイクロホン208に代えて、音響部材は、流体圧力(強度)および/または周波数の関数として適切な信号を出力するような任意の公知の流体圧力トランスデューサ(例えば、空気圧力トランスデューサ)とすることができる。したがって、本発明は、音響的な自動制御を行い得るよう、任意の流体媒体(空気以外にも)内で動作するように、適切に変更することができる。
【0061】
さらに他の変形も可能である。例えば、図には示していないけれども、本発明においては、信号248’によって制御されるようなタイマーを設けることができる。このタイマーは、例えば過度の投与を避け得るよう、デバイスが駆動可能な時刻を制御し得るように、適切に構成することができる。この場合、例えば、タイマーは、日中のある決まった時刻にのみデバイスの各部材を駆動可能とするように、構成することができる。さらに、タイマーは、使用に関連したデータ(例えば、使用した日時、薬剤の投与量、吸入性、等)をダウンロードし得るように、適切に構成することができる。このデータは、推奨した投与量および投与タイミングを追跡することが重要であるような医療事例においては、特に関連づけることができる。当然のことながら、上述のことは、デバイスを使用した回数を単にカウントするだけのカウンタまたは同等物によって行うことができる。
【0062】
乾燥粉末吸入器202のための音響的制御手法について本発明を説明してきたけれども、本発明は、これに限定されるものではない。そうではなく、本発明は、呼吸(吸入)の検出に基づいた制御機構(例えばここに記載したような)を必要とするすべての吸入デバイスを構成することを意図したものである。例えば、麻酔デバイスに、呼吸センサとここに記載されたコントローラとを設けることによって、患者が受け取る麻酔薬の量を観測して制御することができる。加えて、音響的検出部材は、特定の患者による吸入ピークおよび/または吸入流ピークを測定するために使用することができ、さらに、ダウンロードや解析のためにこの情報を記録するために使用することができる。
【0063】
図15には、霧化された乾燥粉末薬剤粒子310を含有したチャンバ314を示している。粒子310は、空気中に浮遊しているとともに、例えば負電荷といったような電荷を有している。また、チャンバ内には、粒子の電荷とは逆極性の電荷を有している支持面312が設けられている。この支持面312は、支持面上の電荷が中性化されるに十分なくらいの多数の荷電粒子310を引きつけることとなる。この支持面は、表面上に電荷を個別的に保持し得るものであって、例えば、光学複写の分野において使用されるような、プラスチック材料やセレン等の半導体材料や絶縁性材料とされる。
【0064】
キャリアシート(支持面)にまで搬送される薬剤粉末の実際の量は、粉末粒子の質量・電荷比の関数である。表面電荷の飽和を仮定すれば、粒子によって付帯される電荷の量は、表面積に直接的に関係する。球状粒子の場合には、電荷は、半径の2乗に比例して変化し、質量は、半径の3乗に比例して変化する。よって、キャリアシートの表面の所定部分によって採取される荷電粒子の量は、キャリアシート上の総電荷の関数となる。よって、キャリアシートの所定表面電荷密度に対しては、採取される薬剤粉末の量は、帯電面積に直接的に比例する。そのため、採取される薬剤粉末の量を2倍とするためには、つまり、投与量を2倍とするためには、電荷を付帯した領域を2倍とする必要がある。これは、キャリアシートによって粉末採取量を制御するに際しての基本的方法として使用することができる。よって、任意の特定の粉末サイズ分布すなわち粒子サイズ分布に対しては、必要とされる正確な面積および帯電量は、実験的に決定することができる。
【0065】
図16には、粉末の供給から、パッケージ内に所定量の薬剤粉末を含有しているパッケージされた薬剤すなわちカプセルの形態とされた薬剤に至るまでの、全プロセスを行うのに必要な様々なステップを示す概略的なフロー図である。ステップ316においては、薬剤粉末が供給される。薬剤粉末は、粉末のエーロゾルを形成するためのデバイス318へと供給される。次に、粉末粒子は、ステップ320において、イオン化される。後述するように、これらステップや部材は、組み合わせることができる。符号324は、表面上に空間電荷を維持することができるキャリア表面を示している。キャリア表面は、例えばプラスチックベルトや、Xerox (登録商標)光学複写において使用されるタイプのセレン製ドラム、とすることができる。このキャリア表面324は、帯電ステーション325を通過する。帯電ステーション325においては、キャリア表面の所定面積上に、所定静電荷325A(静電『イメージ』)が形成される。この帯電表面325Aは、キャリア表面によって付帯されている電荷を中性化するのに十分な量326Aでもってキャリア表面上に粉末が堆積するというステップ326を受ける。その後、表面上の所定量の粉末326Aを付帯した状態のキャリア表面は、粉末解放デバイス330を通過する。粉末解放デバイス330は、表面324から、コンベヤベルト328上に支持されているカプセル329の開放端内へと、粉末326Aを放出する。キャリア324とコンベヤベルト328とは、解放ステップにおいて、カプセル329の開放端の直上にまた粉末解放デバイス330の直上に、静電『イメージ』が位置合わせされ得るように、所定の様式によって同期されている。そのタイミングで、粉末解放デバイス330が駆動されて、所定量の粉末326Aが、表面325Aから解放され、カプセル329内へと落下する。所定量の粉末326Aを収容したカプセル329は、その後、カプセルシールステップ332を通過し、このステップにおいて、キャップによって閉塞される。
【0066】
図15に関して上述したように、静電荷を有したキャリア表面は、表面上に既知の量の電荷を付帯しており、この場合の電荷の極性は、チャンバ内に浮遊している粉末粒子の帯電電荷とは逆のものである。荷電粒子は、電荷が逆極性であることに基づく静電引力のために、帯電表面に向けて移動する。この粒子移動は、帯電表面上の電荷が中性化されるまで続くこととなる。
【0067】
キャリア表面上へと移動する粉末質量の実際の量は、荷電粒子の質量対電荷比の関数である。質量と実際の電荷との間に線形関係を得ることは困難ではあるけれども、粉末粒子が荷電飽和を起こしている場合には、粉末粒子の表面積と粉末粒子の電荷との間に、固定した関係を確立することができる。しかしながら、互いに異なるサイズおよび形状の粉末粒子からなる混合グループの表面積は、数学的に計算することが極度に困難である。特に、形状が不規則的である場合(例えば、非球状、微結晶、等)には、数学的に計算することが極度に困難である。上述のように、所定質量の粒子を引きつけるに際しての帯電面積を決定するための最も簡単な方法は、正確な面積と電荷とを評価し、評価された電荷をキャリア表面324上の評価面積に対して適用し、イオン化ステップにおいてイオン化された粉末質量に対して選択的な帯電表面を露出することである。粉末の堆積量は、解放ステップにおいて容易に測定することができる。その後、帯電領域のサイズまたは帯電ステーション325においてこの帯電領域に対して印加された電荷の量を、逆極性に帯電した粉末の所望重量を採取し得るよう、面積と電荷強度との双方において正確な電荷量が得られるように増減調整することができる。
【0068】
図17〜図19に関し、図17には、本発明を実施するための1つの好ましい装置が概略的に示されており、図18および図19には、その装置の構成部材の詳細が示されている。帯電表面は、感光性ドラム324Aとして示されている。感光性ドラム324Aは、このドラムの表面上に帯電『イメージ』を形成する帯電『イメージ』露出ステーション325を通って回転する(図18参照)。この『イメージ』露出は、例えばレーザービーム(あるいは、他の制御可能な光子源)といったような光源を使用して行うことができる。これにより、ドラム表面上に、所望のサイズおよび帯電強度でもって、静電『イメージ』325Aを形成することができる。電荷『イメージ』325Aは、その後、イメージ現像ステーションへと回転する。イメージ現像ステーションは、薬剤粉末からなるイオン化雲を含有しており、このイオン化雲が、帯電『イメージ』325Aに向けて引きつけられ、『イメージ』内の電荷を中性化する。これにより、所定量の粉末を含有してなる粉末『イメージ』326Aが形成される(図18および図19参照)。この粉末『イメージ』326Aは、薬剤解放ステーション330へと回転する。薬剤解放ステーション330においては、薬剤が、ベルト328上に支持された端部開放状態のカプセル329内へと、解放(放出)される。ある実施形態においては、カプセル329に向けてのこの放出は、高電圧プレート356(図19参照)を使用して行われる。高電圧プレート356は、ドラムの面上における帯電『イメージ』325Aに対しての引力に打ち勝つことによって、粉末『イメージ』326Aをカプセル329内へと解放する。所定量の薬剤を収容したポケット(端部開放状態のカプセル)は、その後、カプセルに対してキャップを取り付けるステップ332へと送られる。
【0069】
図20は、微小化された薬剤粒子310が、例えば小さなプラスチックビーズとすることができる個別キャリア360の表面上に付帯されているような、本発明の他の実施形態を示している。これらプラスチックビーズがイメージ325Aに対して接触したときには、微小化された粒子310が、個別キャリア360から、ドラム324Aの表面上の帯電『イメージ』325A上へと、移送される。これを行うためには、イメージ325A上の正電荷は、個々のキャリア360の表面上の正電荷よりも大きなものであるべきである。
【0070】
図21および図22は、所定サイズおよび所定電荷を有した微小薬剤粉末の浮遊流を得るために、薬剤の取扱いとエーロゾル化とイオン化とを行うための手段のさらなる詳細を示している。図21および図22においては、部材316A、318A、320A、316B、318B、320Bは、図16〜図18における対応部材に対応している。
【0071】
薬剤の計量に関しての再現性が重要であることにより、粒子サイズに対しての電荷対質量比の変動という課題を効果的に解決することが必要である。この問題を解決するための1つの方法は、薬剤粉末の粒子サイズ分布を制御することである。図22は、粒子サイズ制御を行うための1つの態様を示している。静電偏向器に対して印加する電圧は、イオン化チャンバに対しての搬送のために、保持チャンバ内において浮遊すべき粒子サイズを制御するために調節される。所望の粒子サイズで浮遊した後には、これら粒子は、イオン化チャンバ内に引き込まれ、粒子上への表面電荷飽和が確保される。これにより、質量比に対しての既知の電荷が与えられることとなる。
【0072】
図21は、サイズ分布を制御するための代替手段を示している。粉末を解離させるために高速空気流が使用される。解離された粉末は、保持チャンバ318A内に収容される。保持チャンバの目的は、より大きなサイズの粒子を安定化させることであり、これにより、望ましい粒子サイズ分布が形成される。粒子サイズ分布は、図23に示すように、保持時間の関数である。浮遊粒子は、その次に、イオン化され、図17において符号326で示すような帯電イメージに対して露出される。
【0073】
図23は、保持チャンバ内において浮遊している粒子サイズの比率を、時間の関数として示している。そのようなチャンバにおいては、エーロゾル浮遊を維持するために、上向きの空気流を設けておくことができる。図からわかるように、浮遊粒子の比率は、粒子サイズによって大いに決定される。実験により、任意の薬剤投与量に関して、望ましい粒子サイズ分布をもたらすような時間範囲を選択することができる。加えて、あるいは、時間範囲を選択することに代えて、所定の粒子サイズ範囲を得るために、1つまたは複数のフィルタを使用することができる。
【0074】
図24は、図18と同様の図であるものの、この図においては、イメージ現像ステーション326Aが、固定電極326Bとエーロゾル化された粉末を搬送するための空気通路350とによって代替されている点において相違している。回転ドラムは、潜在イメージを表面上に有している誘電体面または受光性表面324を有している。一例としては、エーロゾル化チャンバは、図21において示したものと同様のものである。図21における計量チャンバは、誘電体表面324と固定電極326Bとの間の空気通路325である。この場合、堆積されなかった粉末は、その後の使用のためにあるいはエーロゾル化チャンバへの再循環のために、空気通路の右側において収集される。
【0075】
図25は、イオンビームが誘電体表面上に帯電『イメージ』を形成するために使用されるようなイオン放射型プリントヘッドを示している。コロナワイヤ352に対しては、空気を絶縁破壊させてイオン放射型プリンタの動作のために必要なイオン352Aを形成するための高電圧が、印加されている。イオン放射型プリントヘッドの残部は、通常の制御電極354と、スクリーン電極356と、絶縁体358と、を備えている。制御電極およびスクリーン電極に対して印加される相対電位は、誘電体表面324上へと堆積されることとなるイオン325Cの量を、制御する。これらイオンは、誘電体表面上に堆積されることによって、潜在イメージ325Aを形成する。イオンビームの強度およびサイズの双方は、当業者には自明であるようにして調節することができる。このシステムの利点は、感光性表面を必要とせず、そのため、製造環境を適切なものとし得ることである。
【0076】
本発明は、変更することができる。例えば、本発明は、有利には、個々のものが正確な量の薬剤を収容しているような錠剤を形成するために使用することができる。図26は、図16と同様の図である。しかしながら、図26に示す実施形態においては、第1堆積ステーション366においてベルト364の井戸362内に、錠剤バインダ材料360が堆積される。部分的に充填された状態の井戸362を付帯したベルト364は、その後、粉末解放デバイス330を通過する。粉末解放デバイスのところにおいては、ベルトは、上述と同様にして、キャリア表面324と位置合わせされている。所定量の粉末326Aが表面324から井戸362内へと移送される。次に、ベルトが、井戸充填ステーション368へと移動され、そこで、井戸362が充填される。井戸充填ステーション368は、井戸362の上面を調整するためのドクターブレード(図示せず)等を備えることができる。その後、充填済みの井戸は、錠剤硬化ステーション370へと進む。そこでは、公知方法によって、錠剤が単一体として形成される。
【0077】
図27は、本発明の他の代替可能な実施形態を示している。この場合、ドラム324の、帯電『イメージ』325Aを付帯している表面が、粉末粒子を収容している粉末バスまたは流動床380を通過する。上述と同様にして、粉末粒子は、ドラム表面上の帯電領域に対してのみ堆積することとなる。
【0078】
図28に示す本発明のさらに他の代替可能な実施形態においては、搬送ベルト382は、互いに離間された複数の食用ウェーハ384等を付帯している。この場合、個々のウェーハ上には、所定量の粉末386が堆積される。
【0079】
図29に示す本発明のさらに他の代替可能な実施形態においては、搬送ベルト382は、例えば澱粉といったような食用基体からなるテープまたはシート388を付帯している。この場合、粉末粒子390は、シート388上に一様に堆積され、その後、ベルト382から離されて、1回分の投与量を決定するような特定のサイズへとカットされる。
【0080】
上記説明からわかるように、本発明においては、非常に正確かつ再現性のある態様で、乾燥粉末薬剤を計量してパッケージングすることができる。さらに、本発明は、実験室スケールからすなわちデスクトップスケールから、パイロットプラントにおけるフルスケール精算容量といったスケールにまで、サイズおよび/または処理速度を単に変更するだけで、容易にスケール変更することができる。すべてのユニットが同一プロセスで動作することにより、医療試行において使用される薬剤が、フルスケールでの生産時と同じ製造プロセスによって得られる。よって、製造の認可を単純化することができる。
【0081】
本発明の他の利点は、『イメージ』を単に変更するだけで、様々な薬剤および/または様々な投与量を計量して堆積させるように、システムを使用できることである。これに代えて、投与量は、例えば投与量を増大させる場合にはベルトのある箇所に2つまたはそれ以上のプリント『ドット』すなわちプリントラインを形成するようにしてベルトをステップ的に前進させることにより、変更することができる。その後、ベルトが前進駆動され、プロセスが継続される。さらに他の変更が可能である。例えば、本発明は、有利には、キャリアまたは基体上に診断薬を『プリント』するために使用することができる。
【0082】
本発明のさらに他の変更や変形も可能であり、これらが、請求範囲に規定された範囲内に属することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】従来技術による吸入器を示す斜視図である。
【図2】図1に示す吸入器の背面図である。
【図3】図1に示す吸入器の概略的な長さ方向断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図5】本発明の他の実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態による振動制御システムを示す機能的ブロック図である。
【図11】図3と同様の図であって、本発明のまた別の実施形態を示す図である。
【図12】本発明における典型的な吸入デバイスおよび音響コントローラを示す断面図である。
【図13】図12の周辺も含めて示す断面図である。
【図14】本発明における音響的コントローラの好ましい実施形態を示す機能的ブロック図である。
【図15】表面上に正電荷を有している支持体に対して、負に帯電している粉末粒子が引きつけられる様子を概略的に示す図である。
【図16】本発明の実施における様々なステップを示すブロック図である。
【図17】静電吸引ステーションから所定の少量の粉末薬剤を搬送するためのドラムタイプの静電デバイスの一形態を概略的に示す図であって、所定量の粉末薬剤がドラム上に引きつけられてそこで所定電荷を中性化し、その後、解放ステーションにおいて、ドラムからパッケージへと移送される様子が図示されている。
【図18】図17のタイプの装置において使用されている好ましい部材を概略的にかつ機能的に示す説明図である。
【図19】図17のタイプの装置において使用されている好ましい部材を概略的にかつ機能的に示す説明図である。
【図20】微小薬剤粒子が表面上に静電的に引きつけられている個別キャリアを使用することによって帯電表面への薬剤移送を行うような、異なるシステムを示す図である。
【図21】粉末薬剤を霧化しその後薬剤に対して特定電荷を与えるよう薬剤をイオン化するという方法を示す図である。
【図22】粉末薬剤を霧化しその後薬剤に対して特定電荷を与えるよう薬剤をイオン化するという方法を示す図である。
【図23】任意の所望のサイズ分布を有した浮遊粒子流を形成し得るために、時間およびサイズの関数として浮遊粒子の比率を示すグラフである。
【図24】帯電『イメージ』を付帯したドラムに対して霧化後の薬剤を適用するための他の実施形態を示す図である。
【図25】誘電体表面上に帯電『イメージ』を形成するための放射システムを示す図である。
【図26】図16と同様の図であって、本発明の代替可能な実施形態を示している。
【図27】図16と同様の図であって、本発明の他の代替可能な実施形態を示している。
【図28】図16と同様の図であって、本発明のさらに他の代替可能な実施形態を示している。
【図29】図16と同様の図であって、本発明のまださらに他の代替可能な実施形態を示している。
【符号の説明】
【0084】
48 制御回路(電気回路)
90A 圧電性バイブレータ(バイブレータ)
90B 圧電性バイブレータ(バイブレータ)
208 マイクロホン、空気流検出デバイス(音響的検出部材)
212 空気流通通路(流体通路)
226 静電プレート
228 高周波バイブレータ
238 吸入容量プロセッサ
324 キャリア表面
325A 静電『イメージ』、帯電『イメージ』
328 搬送ベルト
329 カプセル(個別パッケージ)
388 シート(食用シート)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入デバイスのための圧力センサおよびコントローラであって、
音響的コントローラを具備し、
該音響的コントローラは、自身の周囲の流体圧力を検出し得るとともに前記流体圧力の周波数および強度を代理する信号を形成し得る音響的検出部材(208)を備え、
前記信号が、前記吸入デバイスの構成部材(226,228)を制御するために使用されるようになっていることを特徴とするセンサおよびコントローラ。
【請求項2】
請求項1記載のセンサおよびコントローラにおいて、
(a)前記信号(244)が、前記空気流内への粉末粒子薬剤の導入を誘起し得るよう高周波バイブレータ(228)によって粉末薬剤を振動させて解離させるために前記バイブレータを駆動するまたは駆動禁止することを制御するようになっているという特徴点、
(b)前記信号(236)が、静電プレート(226)に向けて前記粒子を引きつけて該粒子の前記空気流内への導入を行うような前記静電プレート(226)の駆動または駆動禁止を制御するようになっているという特徴点、
(c)前記信号(248’)が、前記吸入デバイスの前記構成部材を制御するためのタイマーの駆動または駆動禁止を制御するようになっているという特徴点、
(d)前記音響的検出部材(208)が、マイクロホンであるという特徴点、
(e)前記音響的検出部材が、流体圧力トランスデューサであるという特徴点、
(f)前記吸入デバイスが、吸入時に前記吸入デバイス内への空気流入を可能とするための流体通路(212)と、粉末薬剤を振動させて該粉末薬剤を空気流内に導入させるためのバイブレータ機構(228)を備えた乾燥粉末薬剤放出器と、を具備してなり、前記バイブレータ機構が、前記音響的コントローラによって制御されるようになっており、前記粉末薬剤の粒子を引きつけて前記空気流内に浮遊させるための静電プレート(226)を備え、該静電プレートが、前記音響的コントローラによって制御されるようになっているという特徴点、
(g)前記音響的コントローラが、さらに、前記センサの周辺の流速に関連したデータを得るとともに前記吸入デバイスの前記構成部材をさらに制御するためのこのデータを使用するための吸入容量プロセッサ(238)を備え、前記データが、前記吸入デバイスの使用者の吸気および/または排気を代理する最小流速および最大流速を備えているという特徴点、
(h)前記音響的検出部材(208)が、前記センサの周辺における最適流通を得るために前記吸入デバイス内に配置されているという特徴点、
のうちの1つまたは複数の特徴点を備えていることを特徴とするセンサおよびコントローラ。
【請求項3】
吸入デバイスであって、
流体通路(212)と;
該流体通路内に配置されているとともに自身の周辺の流体を検出して該流体の周波数および強度を代理する信号を生成するための音響的検出部材(208)を備えた音響的コントローラと;
前記流体内への粉末粒子薬剤の導入を誘起し得るよう粉末薬剤を振動させて解離させるために高周波バイブレータであって、信号(224)によって制御される高周波バイブレータ(228)と;
自身に向けて前記粉末薬剤を粒子を引きつけて前記流体内に浮遊させるための静電プレートであって、信号(236)によって制御される静電プレート(226)と;
を具備していることを特徴とする吸入デバイス。
【請求項4】
圧力センサおよびコントローラであって、
音響的コントローラを具備し、
該音響的コントローラは、自身の周囲の擾乱を検出し得るとともに流体圧力の周波数および強度を代理する信号を形成し得る音響的検出部材(208)を備えていることを特徴とする圧力センサおよびコントローラ。
【請求項1】
吸入デバイスのための圧力センサおよびコントローラであって、
音響的コントローラを具備し、
該音響的コントローラは、自身の周囲の流体圧力を検出し得るとともに前記流体圧力の周波数および強度を代理する信号を形成し得る音響的検出部材(208)を備え、
前記信号が、前記吸入デバイスの構成部材(226,228)を制御するために使用されるようになっていることを特徴とするセンサおよびコントローラ。
【請求項2】
請求項1記載のセンサおよびコントローラにおいて、
(a)前記信号(244)が、前記空気流内への粉末粒子薬剤の導入を誘起し得るよう高周波バイブレータ(228)によって粉末薬剤を振動させて解離させるために前記バイブレータを駆動するまたは駆動禁止することを制御するようになっているという特徴点、
(b)前記信号(236)が、静電プレート(226)に向けて前記粒子を引きつけて該粒子の前記空気流内への導入を行うような前記静電プレート(226)の駆動または駆動禁止を制御するようになっているという特徴点、
(c)前記信号(248’)が、前記吸入デバイスの前記構成部材を制御するためのタイマーの駆動または駆動禁止を制御するようになっているという特徴点、
(d)前記音響的検出部材(208)が、マイクロホンであるという特徴点、
(e)前記音響的検出部材が、流体圧力トランスデューサであるという特徴点、
(f)前記吸入デバイスが、吸入時に前記吸入デバイス内への空気流入を可能とするための流体通路(212)と、粉末薬剤を振動させて該粉末薬剤を空気流内に導入させるためのバイブレータ機構(228)を備えた乾燥粉末薬剤放出器と、を具備してなり、前記バイブレータ機構が、前記音響的コントローラによって制御されるようになっており、前記粉末薬剤の粒子を引きつけて前記空気流内に浮遊させるための静電プレート(226)を備え、該静電プレートが、前記音響的コントローラによって制御されるようになっているという特徴点、
(g)前記音響的コントローラが、さらに、前記センサの周辺の流速に関連したデータを得るとともに前記吸入デバイスの前記構成部材をさらに制御するためのこのデータを使用するための吸入容量プロセッサ(238)を備え、前記データが、前記吸入デバイスの使用者の吸気および/または排気を代理する最小流速および最大流速を備えているという特徴点、
(h)前記音響的検出部材(208)が、前記センサの周辺における最適流通を得るために前記吸入デバイス内に配置されているという特徴点、
のうちの1つまたは複数の特徴点を備えていることを特徴とするセンサおよびコントローラ。
【請求項3】
吸入デバイスであって、
流体通路(212)と;
該流体通路内に配置されているとともに自身の周辺の流体を検出して該流体の周波数および強度を代理する信号を生成するための音響的検出部材(208)を備えた音響的コントローラと;
前記流体内への粉末粒子薬剤の導入を誘起し得るよう粉末薬剤を振動させて解離させるために高周波バイブレータであって、信号(224)によって制御される高周波バイブレータ(228)と;
自身に向けて前記粉末薬剤を粒子を引きつけて前記流体内に浮遊させるための静電プレートであって、信号(236)によって制御される静電プレート(226)と;
を具備していることを特徴とする吸入デバイス。
【請求項4】
圧力センサおよびコントローラであって、
音響的コントローラを具備し、
該音響的コントローラは、自身の周囲の擾乱を検出し得るとともに流体圧力の周波数および強度を代理する信号を形成し得る音響的検出部材(208)を備えていることを特徴とする圧力センサおよびコントローラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2008−132362(P2008−132362A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48342(P2008−48342)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【分割の表示】特願2000−553162(P2000−553162)の分割
【原出願日】平成11年6月14日(1999.6.14)
【出願人】(500566682)マイクロドース・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (17)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【分割の表示】特願2000−553162(P2000−553162)の分割
【原出願日】平成11年6月14日(1999.6.14)
【出願人】(500566682)マイクロドース・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (17)
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