医薬品及び複数の貯蔵器付きの乾燥粉末吸入器
本発明の様々な実施形態は、医薬品と、複数の貯蔵器付きの乾燥粉末吸入器および粉末投与器とに関する。いくつかの実施形態は、乾燥粉末吸入器と少なくとも1つの活性薬剤の少なくとも1回分の用量とを備え、乾燥粉末吸入器が少なくとも2つの貯蔵器を備える、医薬品を提供する。他の実施形態は、少なくとも1つの第1の開口部を有している第1の粉末貯蔵器と、第1の出口開口部から離間している少なくとも1つの第2の出力開口部を有している第2の粉末貯蔵器とを含む粉末投与器を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥粉末吸入器に関し、より詳しくは、複数の貯蔵器付きの乾燥粉末吸入器に関する。
【背景技術】
【0002】
計量吸入活性薬剤を投与するために加圧エアゾール装置、噴霧器、ポンプ吸入器などのような様々な装置が使用されている。計量粉末薬剤を投与することができる粉末投与装置の需要が増大している。このように装置を用いると、粉末が吸入によって引き出されるので、製品送達の品質を保証するために薬剤の放出と吸入の正確な開始との同期化に関して心配する必要性はより少ない。さらに、乾燥粉末は、他の吸入器装置形式で見受けられることがある液体組成物より安定していることがある。
【0003】
DPIから出るAPAを含有する粒子は、望ましくは、肺の特定の部位を標的にする粒子サイズ範囲内に含まれる。APAを含有する粒子が非常に大きい場合、これらの粒子は、気道に入ることがなく、その代わりに、口または咽頭に堆積することになり、ことによると、消化管に入る。
【0004】
現行の投与器は、活性薬剤を含有する凝塊の形をした粉末を保持する1つの貯蔵器を有することがある。装置が作動されたとき、貯蔵器は、適切な用量のAPAを含有する1回分の用量の凝塊を放出する。装置が作動された後、消費者は、凝塊が吸入器流路の中を通して運ばれ、そして、微粉化された粉末にさせるために吸入する。この微粉化された粉末は、望ましくは、一貫したAPA投与量を消費者の標的とされた肺部位へ送達する。
【0005】
乾燥粉末吸入器の現行の設計は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4に記載されている。望ましくは、DPIは、消費者が容易に操作できる装置ということがあり、すなわち、DPIは、消費者がDIPを容易に使用できるように過度に大きく、または、過度に扱いにくくされるべきでない。このように、DPIは、望ましくは、小さく、かつ、消費者が容易に操作できる。現行のDPIのAPAの総送達用量は、DPIの望ましいサイズ要件に起因してある一定の総量の乾燥粉末しか現行のDPIから投与されないという事実のため、制限されることがある。さらに、粉末運搬通路の容量は、粉末を送達し、非凝集化するために限定された容量のため、大量の投与負荷量を収容し、十分に非凝集化できないことがある。
【0006】
APAは、1つの凝塊で製造できないことがある。例えば、具体的なAPAのための乾燥粉末の処理パラメータは、APAが別のAPAと別個に調製されることを必要とすることがあるか、または、2つのAPAは、互いに配合禁忌(incomatible)であることがあり、例えば、活性が別のAPAへの化学分解または粒子サイズ変化を引き起こすことがある。よって、1回分の用量の一貫した内容物均一性を確保するために、単一のDPIからの2つ以上のAPAの投与は、個別の凝塊が異なった貯蔵器の中にあることを必要とする。
【0007】
よって、DPIの用量収容能力を高め、さらに、互いに配合禁忌であるか、または、別個の凝塊として製造される2つ以上のAPAを含有する粉末を収容することも望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6240918号明細書
【特許文献2】米国特許第5829434号明細書
【特許文献3】米国特許第5394868号明細書
【特許文献4】米国特許第5687710号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
少なくとも1つの第1の開口部を有している第1の粉末貯蔵器と、第1の出口開口部から離間している少なくとも1つの第2の出口開口部を有している第2の粉末貯蔵器とを含む粉末投与器が本明細書において提供される。さらに、投与器は、所定の量の粉末を個々に保持するために構成されている第1の計量孔および第2の計量孔を有している計量プレートを含む。計量プレートは、第1の出口開口部および第2の出口開口部に隣接して配置され、計量プレートは、出口開口部と相対的に、第1の位置と第2の位置との間で両方向に移動可能である。計量プレートが出口開口部と相対的に第1の位置から第2の位置まで移動すると、第1の計量孔は、第1の出口開口部の下を通過し、第2の計量孔は、第2の出口開口部の下を通過する。さらに、第1の計量孔は、計量プレートが出口開口部と相対的に第1の位置と第2の位置との間を可逆的に移動するので第1の固定経路を画定し、第2の計量孔は、計量プレートが出口開口部と相対的に第1の位置と第2の位置との間を両方向に移動するので第2の固定経路を画定する。第1の固定経路は、第1の計量孔が計量プレートの移動中に第2の経路と重なり合うことがなく、かつ、第2の計量孔が計量プレートの移動中に第1の経路と重なり合うことがないように、第2の固定経路から離間している。有利な点として、本発明を用いると、少なくとも2つの異なった粉末は、粉末が制御された方法で送達される投与器によって収容されることがある。計量プレートにおける用量の準備中に、計量孔の2つの移動経路は、両者の間での交差汚染を制限するために引き離されたまま保たれる。
【0010】
さらなる実施形態は、乾燥粉末吸入器と少なくとも1つの活性薬剤の少なくとも1回分の用量とを備え、乾燥粉末吸入器は、少なくとも1回分の用量を備える少なくとも2つの貯蔵器を備える、医薬品を提供する。少なくとも2つの貯蔵器は、異なった活性薬剤を別々に備えることがある。これらの異なった活性薬剤は、互いに配合禁忌であることがあり、例えば、化学分解または粒子サイズ変化を引き起こすことである。乾燥粉末吸入器が作動されたとき、少なくとも1回分の用量が少なくとも2つの貯蔵器から同時に放出される。
【0011】
本発明の他の実施形態は、乾燥粉末吸入器と、少なくとも1つの活性薬剤の少なくとも1回分の用量とを備え、乾燥粉末吸入器は、異なった活性薬剤を別々に備える少なくとも2つの貯蔵器を備え、少なくとも2つの貯蔵器は、乾燥粉末吸入器が作動されたときに少なくとも2つの貯蔵器から同時に放出される少なくとも1回分の用量を備える、医薬品を提供する。異なった活性薬剤は、互いに配合禁忌であることがあり、例えば、化学分解または粒子サイズ変化を引き起こすことがある。
【0012】
さらなる実施形態は、少なくとも1つの第1の出口開口部を有している第1の粉末貯蔵器と、第1の出口開口部から離間している少なくとも1つの第2の出口開口部を有している第2の粉末貯蔵器とを備える粉末投与器を提供する。
【0013】
発明の上記特徴および他の特徴は、以下の詳細な説明と添付図面との検討を通じてより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明により形成された計量粉末投与器の斜視図である。
【図2】本発明により形成された計量粉末投与器の斜視図である。
【図3】本発明により形成された計量粉末投与器の分解図である。
【図4】図1の線4−4による断面図である。
【図5】本発明と共に用いられる貯蔵器本体を示す図である。
【図6】本発明と共に用いられる貯蔵器本体を示す図である。
【図7】本発明と共に用いられる貯蔵器本体を示す図である。
【図8a】図7の線8a−8aによる断面図である。
【図8b】図7の線8b−8bによる断面図である。
【図9】本発明と共に用いられる貯蔵器プラグを示す図である。
【図10】本発明と共に用いられる駆動本体を示す図である。
【図11】本発明と共に用いられる駆動本体を示す図である。
【図12】本発明と共に用いられる駆動本体を示す図である。
【図13】図12の線13−13による断面図である。
【図14】図11の線14−14による断面図である。
【図15】本発明と共に用いられる貯蔵器本体、駆動本体および貯蔵器プラグの組立体を示す図である。
【図16】本発明と共に用いられる計量プレートを示す図である。
【図17】本発明と共に用いられる計量プレートを示す図である。
【図18】本発明と共に用いられる計量プレートを示す図である。
【図19】本発明と共に用いられる計量プレートを示す図である。
【図20】本発明による可動域に亘る計量プレートの計量孔の運動を示す概略図である。
【図21】本発明と共に用いられる計量プレートの計量孔の上に延在する粉末リテーナを有している計量プレートを示す図である。
【図22】本発明と共に用いられるベースを示す図である。
【図23】本発明と共に用いられるベースを示す図である。
【図24】本発明と共に用いられるベースを示す図である。
【図25】本発明と共に用いられるベースを示す図である。
【図26】図22の線26−26による断面図である。
【図27】本発明と共に用いられる下端スプリング・リテーナを示す図である。
【図28】本発明と共に用いられる下端スプリング・リテーナを示す図である。
【図29】本発明と共に用いられる下端スプリング・リテーナを示す図である。
【図30】本発明と共に用いられる下端スプリング・リテーナを示す図である。
【図31】本発明と共に用いられる下端スプリング・リテーナを示す図である。
【図32】本発明と共に用いられる支持プレートを示す図である。
【図33】本発明と共に用いられる支持プレートを示す図である。
【図34】本発明と共に用いられる代替的な配置構造体を示す図である。
【図35】本発明と共に用いられるアダプタを示す図である。
【図36】本発明と共に用いられるアダプタを示す図である。
【図37】本発明と共に用いられる渦巻ノズルを示す図である。
【図38】本発明と共に用いられる渦巻ノズルを示す図である。
【図39】本発明と共に用いられる渦巻ノズルを示す図である。
【図40】本発明と共に用いられるマウスピースおよび渦巻ノズルの組立体を示す図である。
【図41】本発明と共に用いられるマウスピースを示す図である。
【図42】図41の線42−42による断面図である。
【図43】図41の線43−43による断面図である。
【図44】本発明と共に用いられるマウスピースを示す図である。
【図45】本発明と共に用いられる密閉キャップを示す図である。
【図46】本発明と共に用いられる密閉キャップを示す図である。
【図47】本発明と共に用いられる密閉キャップを示す図である。
【図48A】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図48B】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図48C】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図48D】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図48E】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図49A】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図49B】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図50】本発明と共に用いられる連続カウンタ・リングを示す図である。
【図51】本発明と共に用いられる連続カウンタ・リングを示す図である。
【図52A】本発明と共に用いられる連続カウンタ・リングを示す図である。
【図52B】本発明と共に用いられる連続カウンタ・リングを示す図である。
【図53】本発明と共に用いられる連続カウンタ・リングを示す図である。
【図54】本発明と共に用いられる間欠カウンタ・リングを示す図である。
【図55】本発明と共に用いられる間欠カウンタ・リングを示す図である。
【図56】本発明と共に用いられる間欠カウンタ・リングを示す図である。
【図57】本発明と共に用いられる間欠カウンタ・リングを示す図である。
【図58】本発明と共に用いられるスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図59】本発明と共に用いられるスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図60】本発明と共に用いられるスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図61】本発明と共に用いられるスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図62】本発明と共に用いられるスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図63】本発明と共に用いられる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図64】本発明と共に用いられる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図65】本発明と共に用いられる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図66】本発明と共に用いられる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図67】本発明と共に用いられるさらなる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図68】本発明と共に用いられるさらなる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図69】本発明と共に用いられるさらなる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図70】本発明と共に用いられるさらなる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図71】本発明と共に用いられるさらなる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の様々な実施形態は、例えば、少なくとも2つの活性薬剤が使用される組み合わせ療法において、大用量の粉末の投与と、異なった粉末の用量とに関連して用いられる。これは、互いに配合禁忌であることがある少なくとも2つの活性薬剤、例えば、相互の存在の下でAPAのうちの1つ以上を分解させるAPAに対し特に有用である。25から1600μgの用量のAPAが可能である。これらの用量は、少なくとも1つのAPAを超えて、(複数の)担体および/または(複数の)副剤のような1つ以上の付加的な物質を含むことがある。例えば、用量400mgは、3mgの活性剤を含有し、用量200mgは、1.5mgの活性剤を含有することがあり、用量100mgは、0.75mgの活性剤を含有することがある。特許文献1は、本発明と併せて利用されることがある粉末投与器の様々な特徴について記載する。特許文献1は、ここに参照によってそのまま組み込まれる。その上、特許文献2、特許文献4、および、特許文献3は、本発明と共に用いられる粉末投与器の種々の特徴について記載する。特許文献2、特許文献4、および、特許文献3は、ここに参照によってそれぞれにそのまま組み込まれる。
【0016】
図面を詳細に、そして、最初に図面中の図1から図4を参照すると、本発明による計量粉末投与器10は、投与される粉状物質の補充品を保持し、計量粉末をユーザに供給する粉末筐体20を含む。
【0017】
粉末筐体20は、好ましくは、単一の成形プラスチック部品として個々に形成されている貯蔵器本体22と、貯蔵器プラグ90と、駆動本体120とを備える。
【0018】
図3から図8bを参照すると、貯蔵器本体22は、円形上端壁24の周囲から下向きに延在する環状裾部26を有している円形上端壁24を含む。環状裾部26は、円形上端壁24の周囲から下向きに延在する上側端付きの上側環状裾部分28と、上側環状裾部分28の下側端から下向きに延在する下側環状裾部分30とを含む。下側環状裾部分30は、対応する上側環状裾部分28の内径および外径より大きい内径および外径を有している。したがって、外側環状段部32は、下側環状裾部分30の上側端に形成されている。
【0019】
離間した軸方向に延在する駆動スロット34、35および36が環状裾部26に形成されている。好ましくは、駆動スロット34、35、36は、環状裾部26の円周に沿って等間隔にある(およそ120°で離間している)中心を有している。さらに、後述されるベンチュリ管64、64’と軸方向に位置合わせされている駆動スロット36は、駆動スロット34、35より短い円周長を有していることが好ましい。当然ながら、本発明は、この特有の構成に限定されない。駆動スロット34、35、36は、それぞれにこれらの下側端38、39、40で開き、下側環状裾部30を完全に貫通し、上側環状裾部28を部分的に貫通して上向きに延在している。このように、駆動スロット34、35、36は、着座エッジ42、43、44を画定する閉鎖した上側端を有している。
【0020】
粉末筐体20は、円形上端壁の中心からオフセットした周辺位置で、円形上端壁24の上面に形成されている弓状マニホールド46、46’を含む。個々のマニホールド46、46’は、それぞれ、円形上端壁24の周辺部に沿って、ある弓状長に亘って円周方向に延在し、周囲の室壁48、48’によって画定される弓状室47、47’を含む。具体的には、個々の室壁48、48’は、円形上端壁24から上向きに延在する下側室壁部50、50’と、下側室壁部50、50’の上側端から上向きに延在する上側室壁部52、52’とによって形成されている。壁部50、50’および52、52’の形状は、実質的に同一であるが、上側壁部52、52’の内寸は、下側壁部50、50’の内寸より小さい。その結果、段部54、54’は、個々の室壁部52、52’の下側端に形成されている。
【0021】
円形上端壁24は、マニホールド46、46’の下側室壁部50、50’と同じ形状および寸法をもち、個々の下側室壁部50、50’の下側端とそれぞれに位置合わせされた開口部55、55’を含む。個々のマニホールド46、46’の上側端と、特に、個々の上側室壁52、52’とは、マニホールド上端壁の中心から下向きに角度を付けられ、そして、マニホールド上壁端に開口部58、58’を有しているマニホールド上端壁56、56’によって閉じている。
【0022】
マニホールド46、46’は、補充品ホルダとして形成されている粉末補充管60、60’を個々に画定する。個々の粉末補充管60、60’の上側端は、開口部58、58’で開いている。個々の粉末補充管60、60’は、それぞれに通常は、吸入用の粉末62、62’で充填されている。ここで使用されているように、用語「粉状薬剤」および「粉末」は、微粉化された粉末、球状化された粉末、マイクロカプセル化された粉末、粉末凝塊などを含み、ここではこれらの用語と互換的に使用される。当業者によって認められるように、粉末62、62’は、異なった粉末でもよく、または、同じ粉末でもよい。異なった粉末62,62’を使用することにより、異なった薬物組み合わせを用いる組み合わせ療法が達成されることがある。その上、同じ粉末である粉末62、62’を用いて、比較的大量の用量の単一の粉末がユーザに投与されてもよい。
【0023】
円錐台吸入ベンチュリ管64、64’が粉末補充管60、60’に実質的に平行であり、かつ、円形上端壁24の中心軸から軸方向にオフセットしている円形上端壁24にさらに形成されている。粉末補充管60の中心軸とベンチュリ管64の中心軸とは、円形上端壁24の周囲部に位置するように円形上端壁24の中心と一致する円に位置している。同様に、粉末補充管60’の中心軸とベンチュリ管64’の中心軸とは、円形上端壁24の周囲部に位置するように円形上端壁24の中心と一致する中心を有している円に位置している。好ましくは、粉末補充管60、60’およびベンチュリ管64、64’の中心軸は、円形上端壁24の中心と一致する中心を有している同じ円に位置している。
【0024】
補充管60、60’とベンチュリ管64、64’とは、円形上端壁24の周りに等間隔にある(例えば、管60、60’および64、64’は、およそ90°離間している)ことが好ましい。補充管60、60’およびベンチュリ管64、64’は、交互形式で配置されていることがさらに好ましい。
【0025】
具体的には、ベンチュリ管64、64’は、下側ベンチュリ管部分66、66’と軸方向に位置合わせされた上側ベンチュリ管部分68、68’とによって個々に形成され、個々にベンチュリ管の下側端から上側端まで内径が減少している。個々の上側ベンチュリ管部分68、68’の上側端は開き、個々の上側ベンチュリ管部分68、68’は、内側環状段部70、70’が上側ベンチュリ管部分68、68’の下側エッジに形成されるように、対応する下側ベンチュリ管部分66、66’より小さい径を有している。円形上端壁24は、下側ベンチュリ管部分66、66’の対応する下側端と同じ形状および寸法をもち、かつ、この下側端と位置合わせされたさらなる開口部72、72’を含む。
【0026】
周囲固定壁74は、下側室壁部50、50’および下側ベンチュリ管部分66、66’と包囲関係で、円形上端壁24の周囲部上でほぼ円弧状に延在する。1つ以上のギャップ76が管60と管64’との間の位置で固定壁74に設けられている。さらに、半径方向に延在する環状リップ部80が固定壁74の上側端から外向きに延在することがある。
【0027】
以下の説明から理解されるように、後述されるように計量プレートと迎合する表面は、できる限り滑らかであること、すなわち、表面内のうねりが非常に少ないことが必要である。円形上端壁24の下面を利用することが可能である。しかし、これは、貯蔵器本体22を単一部品として成形するときに達成することが難しい。したがって、この問題を解決するために、貯蔵器プラグ90が図9に示されるように設けられている。
【0028】
具体的には、貯蔵器プラグ90は、うねりのない非常に滑らかな下面を有するためにプレート92の薄さに起因して成形することができる薄い円形プレート92を含む。円形プレート92の外径は、上側環状裾部28の内径と実質的に等しいので、図4に示されるように、貯蔵器プラグ90は、上側環状裾部の中に嵌め込むことができる。この条件下では、円形プレート92の下面は、駆動スロット34、35、36の着座エッジ42、43、44と実質的にぴったり重なる。
【0029】
円形プレート92は、2つの円形孔94、94’と、2つの実質的に楕円形孔98、98’とを有し、全部が、好ましくは、プレート92の中心に中心がある仮想円に沿って広がる中心を有している。
【0030】
円形プレート92の上面に形成された円形プラグ管100、100’は、それぞれ円形孔94、94’を取り囲む関係を有している。管100、100’は、個々にこれらの管の上側端および下側端で開き、対応する下側ベンチュリ管部分66、66’の内径および高さとそれぞれ実質的に等しい外径および高さと、対応する上側ベンチュリ管部分68、68’の内径に等しい内径とを有している。このようにして、貯蔵器プラグ90が上側環状裾部分28の内部に挿入されるとき、プラグ管100、100’は、下側ベンチュリ管部分66、66’の内部に嵌り込み、プラグ管100、100’の内面は、上側ベンチュリ管部分68、68’の対応する内面の滑らかな連続部を個々に形成する。このように条件では、個々のプラグ管100、100’の上側エッジは、ギャップがプラグ管100、100’と対応する上側ベンチュリ管部分68、68’との間に形成されないように、対応する環状段部70、70’に当接する。
【0031】
弓状プラグ管102、102’が対応する実質的に楕円形孔98、98’と包囲関係で円形プレート92の上面に形成されている。個々のプラグ管102、102’は、マニホールド46、46’の対応する下側室壁部50、50’と同じ形状を有している。個々のプラグ管102、102’は、それぞれの上側端および下側端で開き、対応する下側室壁部50、50’のそれぞれの内側形状、高さおよび寸法と実質的に等しい外側形状および寸法と、対応する上側壁部52、52’の内側形状および寸法に等しい内側形状および寸法とを有している。このようにして、図15に示されるように、貯蔵器プラグ90が上側環状裾部分28の内部に挿入されるとき、プラグ管102、102’は、下側室壁部50、50’の内部に嵌り込み、プラグ管102、102’の内面は、上側室壁部52、52’の対応する内面の滑らかな連続部を個々に形成する。このように条件では、個々のプラグ管102、102’の上側エッジは、ギャップがプラグ管102、102’と対応する上側室壁部52、52’との間に形成されないように、対応する段部54、54’に当接する。
【0032】
プラグ管100、100’および102、102’の外面は、滑らかであるとして前述されているが、このように外面は、リブ部付きで形成できることが認められるであろう。
【0033】
貯蔵器プラグ90の代替的な実施形態として、貯蔵器プラグ90’は、貯蔵器プラグ90の要素に対応する要素が、二重プライム(’’)が付けられた同じ参照番号によって識別される図4の断面図に示されている。
【0034】
図示されるように、少なくとも1つのプラグ管100’’は、ベンチュリ効果をもたらすために、上側端から下側端まで徐々に細くなる円錐台構成と一体とになった内径を有している。その上、少なくとも1つの弓状プラグ管102’’の内径は、上側室壁部52、52’の内径より大きくてもよい。さらに、滑らかな下面をより確実にするために、電解研磨されたステンレス鋼の薄い平坦な円形金属プレート93’’が貯蔵器プラグ90’’の下面に固定されている。この場合、プレート92’’は、弓状プラグ管102’’と同じ寸法をもつ開口部101’’を有し、その上、楕円形孔98’’が金属プレート93’’に設けられている。当然ながら、金属プレート93’’は、円形プレート92’’の円形孔94’’と一致するさらなる円形開口部95’’を有している。好ましくは、金属プレート93’’は、プラスチックベース材料に挿入成形される。金属部は、組み立てられた装置内の計量プレート180と接触し、貯蔵器からの粉末の漏れを妨害するために、非常に平坦で、滑らかで、かつ、堅い表面をもたらす。その上、金属は、用量充填動作中に、表面間で摩擦によって発生させられ、投与ステーションに出入りする粉末流に悪影響を与える可能性がある静電気電荷を分散する。
【0035】
図10から図14に示されるように、駆動本体120は、円形上端壁122の周囲から下向きに延在する環状裾部124を有している円形上端壁122を含む。
【0036】
環状裾部124は、上側端が円形上端壁122の周囲から下向きに延在する上側環状裾部分126と、上側環状裾部分126の下側端から下向きに延在する下側環状裾部128とを含む。下側環状裾部分128は、上側環状裾部分126の内径および外径よりそれぞれ大きい内径および外径を有している。したがって、内径環状段部130は、環状裾部124の内側に沿って、上側環状裾部分126の下側エッジに形成されている。しかし、上側環状裾部分126と下側環状裾部分128との間の移行エリアの外面は、円錐台表面132として形成されている。
【0037】
さらに、下側環状裾部分128の内径は、貯蔵器本体22の上側環状裾部分28の外径と実質的に同じであり、上側環状裾部分126の内径は、貯蔵器本体22の周囲固定壁74の外径と実質的に同じである。したがって、貯蔵器本体22は、緊密な嵌め合いで駆動本体120に嵌る。
【0038】
貯蔵器本体22および駆動本体120をこのように位置に一体的にロックするために、例えば、通路の形をしているような環状保持エリア138が環状段部130に平行に、かつ、上方へ離間して形成された上側裾部分126の内面に画定される。このようにして、貯蔵器本体22が前述の方法で駆動本体120の内部に挿入されるとき、リップ部80は、周囲固定壁74の上側端で、プラスチック部品の弾力性のために、上側裾部分126の内面に載り、図15に示されるように、環状保持エリア138の内部に保持される。リブ部または他の突起部は、保持エリアの保持効果を高めるために、保持エリア138に隣接して画定されることがある。
【0039】
円形上端壁122は、ベンチュリ管64、64’の上側エッジが円形上端壁122の上面と実質的にぴったり重なるようにベンチュリ管を受承するため位置合わせされた2つの円形開口部142、142’と共に形成される(図15)。
【0040】
2つの円形プラグ管144、144’は、それぞれ粉末補充管60、60’と位置合わせされた円形上端壁122の下面から下方へ下がる。円形プラグ管144、144’は、対応する粉末補充管60、60’の内径と実質的に等しいか、または、この内径より僅かに大きい外径を個々に有している。このようにして、プラグ管144、144’は、貯蔵器本体22が駆動本体120と組み立てられたとき、粉末補充管60、60’の上側開口端を閉じる。したがって、粉末62、62’は、マニホールド46、46’と、開口部55、55’と、実質的に楕円孔98、98’とを通り抜けてはじめて逃げることができる。
【0041】
さらに、湾曲したリテーニング壁148、148’は、貯蔵器本体22と駆動本体120とが組み立てられたとき、粉末補充管60、60’と円錐台ベンチュリ管64、64’との間でさらなる分離を確実にするために、それぞれ円形開口部142、142’を部分的に取り囲む関係で円形上端壁122の下面から下向きに延在する。
【0042】
2次気流を与えるために、後述されるように、壁画定上側環状裾部分126は、駆動本体120の円周方向で円形開口部142’に隣接した第1の外側空気通路150と、円形開口部142に隣接した第2の外側空気通路152とを形成するために半径方向へ内向きに延在する。
【0043】
短い、軸方向に延在する上側案内壁154および156が、より詳細に後述されるように、ノズルを駆動本体120に固定するために円形上端壁122の上面の周囲から僅かに内向きに離間した共通の円弧に沿って形成される。具体的には、上側案内壁154は、空気通路150と152との間の大きい方の弧に沿って円周に形成され、上側案内壁156は、空気通路150と152との間の小さい方の弧に沿って円周に形成される。上側案内壁154および156が広がる共通の円弧は、半径方向に上側案内壁154および156から外向きに設置された、円形上端壁122に環状リテーニング・レッジ部159を画定するために、円形上端壁122の周囲エッジから僅かに離間している。
【0044】
以下の説明から明白になる目的のための4つの実質的に等角度に配置された、細長い弓状リセス部158a−158dがリテーニング・レッジ部159に形成されている。リセス部158a−158dは、異なった弓状距離に沿って延在する。例えば、リセス部158a、158bおよび158cは、弓状距離45度に亘って延在することがあり、リセス部158dは、弓状距離28度に亘って延在することがある。
【0045】
さらに、下側環状裾部分128は、上側環状裾部分126と下側環状裾部分128との交点で、それぞれの接続部167から下向きおよび僅かに外向きに延在するスプリング・フィンガー部161、163、165をそれぞれ格納している駆動開口部164、166、169を形成するために離間した位置で切り取られる。スプリング・フィンガー部161、163、165は、図示されるように、下側環状裾部分128の下側エッジの下に延在する。後述されるように、駆動開口部164、166、169は、駆動本体120を回転させるために係合されている。図示されるように、各スプリング・フィンガー部161、163、165は、スプリング・フィンガー部の長さ方向に関して実質的に中央に位置している凹部171を内部に有するために曲げられ、または、凹型形状に形成されている。
【0046】
1つ1つの粉末補充管60、60’からベンチュリ管64、64’へ計量粉末62、62’を供給するために、計量プレート180は、貯蔵器プラグ90の直ぐ下で、貯蔵器本体22の上側環状裾部分28の内部に設けられている。図16から図19に示されるように、計量プレート180は、円盤の周囲付近に、粉末容器としての役目を果たす、すなわち、計量粉末62、62’を保持する2個の計量孔184、184’を有している薄い円盤182を含む。計量孔184、184’は、直径方向に正反対の場所にあることが好ましい。計量粉末が計量孔184、184’を通って落ちることを防止するために、粉末リテーナ186、186’が円盤182の下面に対し被覆する関係で形成され、少なくとも計量孔184、184’の上に広がる。好ましくは、粉末リテーナ186、186’は、円盤182の下面より下にある粉末薬剤の顕著な損失を妨げると共に、通過する気体流に最低限の制限的な効果しか与えない網目スクリーン、フィルタ、多孔性材料などによって形成されている。粉末リテーナ186、186’は、セルロース物質、高分子物質、金属、セラミック、ガラス、または、これらの合成物といったいずれの適当な材料からでも作ることができ、例示的な有用な材料は、焼結多孔性プラスチック、多孔性高分子膜、天然若しくは人工織物、不織人工織物などを含む。より具体的には、有用な材料は、ポリエステルおよびポリオレフィン織網と、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ二塩化ビニリデン、および、セルロース混合エステルの多孔性膜とを含む。
【0047】
粉末リテーナ186、186’は、どんな既知の方法で構成され、計量プレート180に貼り付けられてもよい。非限定的な一例として、粉末リテーナ186、186’は、特許文献1に記載されるように、計量プレート180に形成されたリセス部内に貼り付けられてもよい。
【0048】
本発明によれば、対応するリセス部の内部に粉末リテーナ186、186’を容易かつ正確に形成するために、計量プレート180は、好ましくは、挿入成形工程によって形成される。計量プレートを形成する特許文献1に記載された挿入成形工程が利用されてもよい。その上、特許文献1は、同様に利用されてもよい粉末リテーナ186、186’を構成し、計量プレートに貼り付ける代替的な方法を記載する。
【0049】
環状取り付け支柱188は、円盤182の下面から下向きに延在し、円盤に中心が位置している。環状取り付け支柱188は、計量孔184、184’と軸方向の関係で、取り付け支柱188の内面に沿って軸方向に延在する棒状部190と共に形成されている。棒状部190は、円盤182の下面から、取り付け支柱188の下側エッジから僅かに離間した位置まで延在し、好ましくは、正方形断面構成を有している。以下の説明から理解されるように、棒状部190は、貯蔵器本体22、貯蔵器プラグ90、および、駆動本体120を含む粉末筐体20が回転させられるとき、計量プレート180が粉末筐体20に対して静止し続けることを確実にする。
【0050】
動作中に、計量孔184は、初期的に円錐台ベンチュリ管64と位置合わせされ、計量孔184’は、初期的に円錐台ベンチュリ管64’と位置合わせされている。後で説明されるように、粉末筐体20は、好ましくは、計量プレート180に対して120度の角度で回転することだけが許容される。当業者によって認められるように、他の動作角度範囲が本発明と両立して用いられる。初期プライミング回転中に、計量孔184、184’は、マニホールド46、46’と、実質的に楕円形孔98、98’との下を通過する。その結果、粉末62、62’は、それぞれ、計量孔184、184’の範囲に入り、計量孔へスクラップされる。具体的には、実質的に楕円形孔98、98’を画定する側壁は、粉末62、62’を計量孔184、184’にスクラップするために機能する。楕円形孔98、98’は、円形孔94、94’から、計量プレート180と相対的な粉末筐体20の運動の範囲より短い距離だけ離間しているので、計量孔184は、楕円形孔98とマニホールド46とを完全に通り過ぎ、一方、計量孔184’は、装置10の作動中に楕円形孔98とマニホールド46’とを通り過ぎることが認められる。その後、初期位置へ戻る復路回転中に、計量孔184は、ベンチュリ管64と位置合わせされた状態に戻るまでマニホールド46と実質的に楕円形孔98’との下を通過し、一方、用量孔184’は、ベンチュリ管64’と位置合わせされた状態に戻るまでマニホールド46’と実質的に楕円形孔98との下を通過する。この復路中に、実質的に楕円形孔98、98’を画定する側壁は、粉末62、62’を計量孔184、184’へスクラップするために同様に機能し、よって、用量孔184、184’が完全かつ正確に充填されることを確実にする。このように、スクラップ動作は、反時計回りの回転と時計回りの回転の両方の間に行われ、すなわち、回転負荷段階と、吸入段階への逆向き運動との両方の間に行われる。計量孔184、184’がそれぞれにベンチュリ管64、64’と位置合わせされたとき、ユーザは、この場合、ベンチュリ管64、64’を介して吸入し、用量孔184、184’を介した引き出しおよび吸引を引き起こすことだけが必要であり、計量粉末62、62’は、ベンチュリ管64、64’を介して引き上げられ、ユーザへ送達される。
【0051】
当業者によって理解されるように、補充管60、60’と計量プレートとの間の相対運動は、投与器10の作動(投与準備と投与の両方)のため必要とされる。相対運動は、回転運動であるとして記載され、明らかにされている。直線相対運動は、対応して形成された構成要素と共に(すなわち、回転の半径が無限大(∞)に設定される)同様に利用されてもよいことが理解されるべきである。
【0052】
図16を参照すると、計量孔184、184’は、同じサイズであることが明らかにされる。このように、計量孔184、184’は、同じサイズの用量を提供するため構成されている。図17および図21に示されるように、計量孔184、184’は、異なった寸法で形成されることがある。このようにして、計量孔184、184’は、異なったサイズの用量を収容することがある。
【0053】
計量孔184、184’のサイズとは無関係に、粉末62、62’は、様々なタイプでもよい。粉末62、62’は、異なった薬物(例えば、異なった組成、同じ組成、異なった強度)でもよく、および/または、異なった物理的性質または特性(例えば、患者の呼吸器系における異なった標的エリアに到達するように、異なった空気力学的粒子サイズ分布(APSD))が与えられることがある。その上、粉末62、62’は、異なった点で排出流の中に導入することができ、それによって、粉末62、62’を異なった排出条件に置くこと(例えば、より高い排出速度またはより低い排出速度、より高い非凝集化またはより低い非凝集化を受けること)が許される。一方のタイプの粉末が、組み合わせを形成するときに他の粉末より大量に投与されてもよい。したがって、異なったサイズの粉末62、62’の用量が組み合わされることがある。同様に、異なった量の粉末62、62’がそれぞれ粉末補充管60、60’に初期的に設けられることがある。この配置構造体を用いると、異なった薬物の投与が異なった期間に亘って実施されることがある。例えば、粉末のうちの一方62は、7日間投与に亘って供給されることがあり、粉末のうちのもう一方62’は、より長期間投与(例えば、7−30日間)に亘って供給されることがある。非限定的な例として、長期間(例えば、21日間)に亘って供給されるステロイドと共に抗生物質が比較的短期間(例えば、7日間)に亘って供給されることがある。この配置構造体を用いると、投与器10は、第1の期間に亘って両方の薬物を投与し、その後、期間の長い方の薬物だけを投与する。投与器10は、配合禁忌の(例えば、化学的に配合禁忌の)薬物が同時に蓄積され、送達されることを可能にする。
【0054】
本発明と共に用いられる適当な少なくとも1つの活性薬剤は、限定されることなく、抗コリン作動薬、コルチコステロイド、長時間作用β作動薬、短時間作用β作動薬、ホスホジエステラーゼIV阻害剤を含む。適当な薬品は、呼吸性疾患、炎症性疾患、または、閉塞性気道疾患の予防または治療のため役に立つことがある。このように疾患の例は、喘息または慢性閉塞性肺疾患を含む。
【0055】
適当な抗コリン作動薬は、(R)−3−[2−ヒドロキシ−2,2−(ジチエン−2−yl)アセトキシ]−1−1[2−(フェニル)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン、グリコピロレート、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、硝酸メチルアトロピン、硫酸アトロピン、イプラトロピウム、ベラドンナエキス、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド、メトスコポラミン、ホマトロピンメトブロミド、ヒヨスチアミン、イソプリオプラミド、オルフェナドリン、塩化ベンザルコニウム、臭化チオトロピウム、GSK202405、上記のいずれかの個別の異性体、または、上記のうちのいずれか、若しくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を含む。
【0056】
適当なコルチコステロイドは、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオンベクロメタゾン、ブデソニド、フルチカゾン、デキサメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、(22R)−6α,9α−ジフルオロ−11β,21−ジヒドロキシ−16α,17α−プロピルメチレンジオキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン、チプレダン、GSK685698、GSK799943、または、上記のうちのいずれか、若しくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を含む。
【0057】
適当な長時間作用型β作動薬は、カルモテロール、インダカテロール、TA−2005、サルメテロール、フォルモテロール、または、上記のうちのいずれか、若しくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を含む。適当な短時間作用型β作動薬は、アルブテロール、硫酸テルブタリン、メシル酸ビトルテロール、レバルブテロール、硫酸メタプロテレノール、酢酸ピルブテロール、または、上記のうちのいずれか、若しくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を含む。
【0058】
適当なホスホジエステラーゼIV阻害剤は、シロミラスト、ロフルミラスト、テトミラスト、1−[[5−(1(S)−アミノエチル)−2−[8−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)−5−キノリニル]−4−オキサゾリル]カルボニル]−4(R)−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−L−プロリン、エチルエステル、または、上記のうちのいずれか、若しくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を含む。
【0059】
本発明の一部の実施形態では、少なくとも1つの活性薬剤は、モメタゾンフロエートのようなコルチコステロイドを含む。モメタゾンフロエートは、化学名9,21−ジクロロ−11(β),17−ジヒドロキシ−16(α)−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン17−(2フロエート)を有する抗炎症性コルチコステロイドである。これは、実際には水に不溶性であり、メタノール、エタノール、および、イソプロパノールに僅かに溶け、アセトンおよびクロロホルムに溶け、テトラヒドロフランに溶けやすい。オクタノールと水との間のこれの分配係数は、5000より大きい。モメタゾンは、一水化物のような様々な水和型、結晶性、かつ、光学異性の形状で存在することができる。
【0060】
少なくとも1つのAPAは、凝塊の形でもよい。米国特許第6503537号に記載された凝塊のような薬物単独、または、別の物質との凝塊が利用されることがあり、この文献は、ここに組み込まれている。固体バインダと薬理学的活性剤とを凝集化するどのような方法が使用されてもよい。固体バインダの非結晶内容物を結晶形状に変換することなく早期に達成することができ、かつ、追加的なバインダの使用を必要としない方法を含む有用な凝集化方法は、本発明により実施することができる。
【0061】
有用な凝塊は、約100から約1500μmまでサイズが変動する凝塊を含む。凝塊は、約300から約1000μmまでの平均サイズを有することがある。有用な凝塊は、約0.2から約0.4g/cm3まで、または、約0.29から約0.38g/cm3まで変動するかさ密度を有することがある。
【0062】
密な粒子サイズ分布を有することが有用である。これに関連して、粒子サイズは、凝塊のサイズを指す。好ましくは、約10%を超えない凝塊は、平均または標的凝塊サイズより50%小さいか、または、50%大きい。例えば、300μmの凝塊に対し、約10%を超えない凝塊は、約150μmより小さいか、または、約450μmより大きい。
【0063】
前述の規準の全部を満たす本発明による凝塊を調製する有用な方法は、予め選ばれた量の1つ以上の薬理学的活性剤と、固体バインダの量に対して約100:1と約1:500との間の比率、約100:1と約1:300(薬物:バインダ)との間の比率、約20:1と約1:20との間の比率、または、約1:3から約1:10までの比率で乾燥固体バインダを含有する微粉化された非結晶内容物とを混合することを含む。
【0064】
有用な凝塊は、約50mgと約5000mgとの間、より好ましくは、約200mgと約1500mgとの間を変動する強度を有することがある。クラッシュ強度は、日本国東京のセイコーインスツル株式会社から入手できるセイコーTMA/SS 120C 熱機械分析器で、製造業者から入手できる手順を使用して試験した。このようにして測定された強度は、ここに記載された粒子内結晶結合の質および広がりによる影響を受けることに注意されたし。しかし、凝塊のサイズは、測定されたクラッシュ強度にも関与する。一般に、より大きい凝塊は、粉砕するために小さい粒子より大きい力を必要とする。
【0065】
相対的な回転を提供するために、図3、4および図22−26に示されたベース200に、計量プレート180が非回転式に取り付けられ、粉末筐体20が回転式に取り付けられている。ベース200は、円形上端壁の周囲から下向きに延在する環状裾部204を有している円形上端壁202を含む。円形上端壁202の周囲エッジは、外側環状レッジ部206を画定するために切り取られている。環状支持リップ部208は、環状裾部204の半径方向に環状裾部から外向きに延在するために、環状裾部の下側端で環状裾部204の外面に形成されている。支持リップ部208の径より小さい径を有している環状壁209は、支持リップ部208の上側端に形成されている。図4に示されるように、環状壁209は、環状壁の外面に複数の軸方向に離間した環状歯211を有することができる。その上、環状リテーニング・リム部210は、環状裾部204の半径方向に環状裾部204から外向きに延在するように、環状裾部204の上側外面に、支持リップ部208および環状壁209と平行に、そして、環状壁209の上方へ離間して形成されている。リテーニング・リム部210は、環状壁209の径より僅かに小さい径を有している。このようにして、環状リテーニング・ギャップ212が環状壁209とリテーニング・リム部210との間に形成されている。
【0066】
さらに、リテーニング・リム部210より上であるが、上端壁202より下の高さまで環状壁209から上向きに延在する小さい支柱214が形成されている。支柱214は、環状壁209の外径に等しい外径を有しているが、リテーニング・リム部210とも接続され、ギャップ212の内部に延在する。
【0067】
円筒隆起部216が円形上端壁202の上面に中心を置いて、かつ、軸方向に形成され、この円筒隆起部の上側環状部217は、部分的に切り取られ、この円筒隆起部の放射状部分219は、同様に切り取られている。円筒隆起部216より小さい径をもつ同軸リテーニング支柱218が円筒隆起部216の上側端に形成されている。それに応じて、外側環状レッジ部220が円筒隆起部216の上側エッジに形成されている。リテーニング支柱218は、計量プレート180の環状取り付け支柱188の内径より僅かに小さい外径を有している。リテーニング支柱218は、リテーニング支柱の長さに沿ったスロット222と共に形成されている。それに応じて、棒状部190とスロット222とのため、計量プレート180の取り付け支柱188は、貯蔵器本体22、貯蔵器プラグ90および駆動本体120を含む粉末筐体20が回転させられるときに、計量プレート180が粉末筐体20に対して静止したまま保たれることを確実にするために、非回転式にリテーニング支柱218に留められている。
【0068】
2つの短いスタブ壁221および223が円筒隆起部216の直ぐ反対側で上端壁202の上面に形成されている。スタブ壁221および223は、およそ30度の角度で互いに対して角度が付けられている。
【0069】
以下で詳細に説明されるカウンタ機構部の一部として、第1の回転防止スプリング・デテント224が円形上端壁202に片持ち梁式に取り付けられている。具体的には、湾曲した垂直デテント支持壁226は、環状レッジ部206と円筒隆起部216との間の実質的に中間位置で円形上端壁202から上向きに延在し、第1の回転防止スプリング・デテント224は、デテント支持壁226の一方のエッジ228から、円形上端壁202に平行に、そして、円形上端壁202の上方へ離間して延在する。さらに、第1の回転防止スプリング・デテント224の自由端は、半径方向外向きに向けられたタブ230がこの自由端に設けられている。
【0070】
同様に、以下で詳細に説明されるカウンタ機構部の一部として、第2の回転防止スプリング・デテント232が円形上端壁202に片持ち梁式に取り付けられている。具体的には、第2の回転防止スプリング・デテント232は、デテント支持壁226のエッジ228から、円形上端壁202に平行に、円形上端壁202より上方へ離間して、第1の回転防止スプリング・デテント224に平行に、そして、第1の回転防止スプリング・デテント224より上方へ離間して延在する。第2の回転防止スプリング・デテント232の自由端は、半径方向外向きに向けられたタブ234が設けられている。
【0071】
三角形状の区分状リセス部236がデテント224および232と対応して、支柱214に対し直径方向に反対の位置で、支柱214と円形上端壁202に形成されている。具体的には、リセス部236は、接続されたデテント232の端と実質的に一致している第1の半径方向境界240と、デテント232の長手方向と位置合わせされて延在する第2の境界242とを含む。
【0072】
さらに、浅いリセス部243が、環状レッジ部206の半径方向外側エッジに、区分状リセス部236と位置合わせされ、そして、支柱214に対し直径方向に反対の位置で設けられている。
【0073】
貯蔵器プラグ90の薄い円形プレート92の下面と係合した状態へ計量プレート180をスプリング付勢するために、そして、計量孔184、184’がベンチュリ管64、64’と位置合わせされているときに限り粉末62、62’を吸入できることを確実にするために、付勢組立体が設けられている。
【0074】
付勢組立体は、図3、4および図27から図31に示されるように、リテーニング支柱218を越えて、環状レッジ部220に取り付けられた下側スプリング・リテーナ260を含む。具体的には、下側スプリング・リテーナ260は、リテーニング支柱218を受承するためにサイズ処理された中心開口部264を有している円盤262を含む。環状隆起部266は、中心開口部264を取り囲む関係で円盤262の下面から延在する。リテーニング支柱218が環状隆起部266および中心開口部264を通って延在するとき、環状隆起部266の下側エッジが環状レッジ部220に着座する。
【0075】
上側環状リテーニング・リップ部268は、円盤262の周囲エッジから上向きに延在する。さらに、半径方向に延在する被駆動イヤー部270、271および272が環状リップ部268の周囲エッジに沿って形成されている。イヤー部270は、駆動スロットの中に嵌り、この駆動スロットによって駆動されるように貯蔵器本体22の駆動スロット36の幅と実質的に等しい幅を有し、そして、イヤー部271、272は、駆動スロットの中に嵌り、この駆動スロットによって駆動されるように貯蔵器本体22のそれぞれの駆動スロット34、35の幅と実質的に等しい幅を有している。
【0076】
さらに、弓状爪駆動壁274が環状突起部266と円盤262の周囲との間で円盤262の下面から延在する。爪駆動壁274は、カウンタ機構部を参照して以下で詳述されるように、反対側の爪駆動端276および278を含む。
【0077】
付勢組立体は、下側スプリング・リテーナ260の円盤262の上面に着座し、環状リテーニング・リップ部268によって円盤の下面に拘束された一端を有しているコイルスプリング290をさらに含む。
【0078】
図3、4および図32から図33に示されるように、付勢組立体は、計量プレート180を支持し、上側スプリング・リテーナとして機能し、計量プレート180を貯蔵器プラグ90の薄い円形プレート92の下面に付勢し、そして、計量孔184、184’がベンチュリ管64、64’と位置合わせされているときに限り、計量孔184、184’を介する吸入を許可する支持プレート300をさらに含む。
【0079】
具体的には、支持プレート300は、円盤302の周囲エッジから下向きに延在する環状リテーニング・リップ部304を有している円盤302によって形成されている。
【0080】
3つの半径方向に延在する被駆動イヤー部306、307、308は、環状リップ部304の周囲エッジに形成されている。イヤー部306は、駆動スロットの中に嵌り、駆動スロットによって駆動されるように、貯蔵器本体22の駆動スロット36の幅に実質的に等しい幅を有し、イヤー部307および308は、駆動スロットの中に嵌り、駆動スロットによって駆動されるように、貯蔵器本体22の駆動スロット34および35の幅に実質的に等しい幅を有している。イヤー部306、307、308の高さは、環状リップ部304の高さより低く、イヤー部306、307、308の下面は、環状リップ部304の下側エッジと実質的にぴったり重なるが、本発明は、このように制限されない。
【0081】
その上、中心円形孔310は、円盤302に形成され、計量プレート180の環状取り付け支柱188を回転式に受承するためサイズ処理されている。半径方向に延在するスロット312は、円形孔310から延在し、この円形孔と連通している。スロット312は、計量孔184、184’がベンチュリ管64,64’と位置合わせされ、そして、他の時点で計量孔184、184’から外れ、それによって、重なり合わないときに、スロット312の半径方向外側部分が計量孔184、184’と重なり合うように半径方向外側部分が距離によって半径方向へ外向きに延在する。
【0082】
前述されているように、粉末リテーナ186、186’は、通過する気体流に最低限の制限的な効果しか与えない網目スクリーン、フィルタ、多孔性材料などによって形成されている。しかし、網目スクリーンなどが使用されるとき、気体流の減少と、それによって、ユーザによる吸引におよそ35%の減少とが生じる。代替的な実施形態によれば、図34に示されるように、網目スクリーンなどで構成されている粉末リテーナ186は、スロット312の下で、支持プレート300の円盤302の下面へ移転することができる。したがって、網目スクリーンなどは、半径方向に延在するスロット312を通る気体流を減少させるが、これは、スロット312より小さい計量孔184または184’を通る気体流を効果的に制限しない。このように、1次気流は、計量プレート180の断面幅と無関係である。さらに、網目粉末リテーナ186が計量孔184または184’に存在しないので、計量孔184、184’を通る気流を減少させない。
【0083】
計量プレート180は、棒状部190およびスロット222のため、ベース200に静止状態に保たれることが前述の説明から認められる。さらに、貯蔵器本体22、貯蔵器プラグ100および駆動本体120で構成された粉末筐体20は、ベース200および計量プレート180に対して回転式に取り付けられている。
【0084】
その上、支持プレート300は、計量プレート180の下面を支持するために、計量プレートの下面と係合する状態へ付勢される。この動作中に、半径方向に延在するスロット312は、計量孔184、184’がベンチュリ管64、64’と位置合わせされているときに限り、計量孔184、184’と位置合わせされている。このようにして、計量孔184、184’がベンチュリ管64、64’から外れているときに計量孔184、184’の内部にある粉末62、62’は、網目粉末リテーナ186、186’と、下側端で支持プレート300の円盤302の上面とによって、そして、上側端で貯蔵器プラグ90の薄い円形プレート92の下面によって計量孔184、184’において挟まれている。以下で詳細に検討されるように、計量粉末投与器10の保存または停止位置において、計量孔184、184’が準備され、半径方向に延在するスロット312から外れた位置に置かれる。このように位置において、計量孔184、184’の中の粉末62、62’は、支持プレート300の円盤302の上面と貯蔵器プラグ90の薄い円形プレート92の下面との間に保持されるので、計量孔184、184’から逃げられない。
前述の要素のすべてを一緒に確実に保持するために、計量粉末投与器10は、図3、4および図35から図36に示されるように、アダプタ320をさらに含む。これらの図に示されるように、アダプタ320は、貯蔵器本体の上に容易に嵌るように、貯蔵器本体22の下側環状裾部分30の外径より大きい内径を有している下側環状壁322を含む。下側環状壁322の内径は、ベースの上に嵌るようにベース200の環状裾部204の外径より同様に僅かに大きいが、ベース200の環状リテーニング・リム部210の外径より僅かに小さい。
【0085】
環状溝324は、下側環状壁322の内側下側端に、下側環状壁の下側エッジより上方へ僅かに離間して形成されている。それに応じて、プラスチック部品の弾力性のために、アダプタ320がベース200の上に挿入され、ベースへ押し下げられたとき、ベース200のリテーニング・リム部210は、ベース200上にアダプタ320を保持するために、環状溝324にスナップ留めされる。この時点で、環状歯211は、図4に示されるように、下側環状壁322の内面を係合することができる。
【0086】
アダプタ320とベース200との間で正確な位置合わせを達成し維持するために、アダプタ320は、溝324の内部に小さいスロット326が設けられている。スロット326は、支柱を受承するためにベース200における小さい支柱214の幅に実質的に等しい幅を有している。当然ながら、支柱214は、アダプタ320に設けることが可能であり、スロット326は、ベース200に設けることが可能であり、すなわち、部品の逆転が認められる。このようにして、アダプタ320の回転は、ベース200をアダプタと共に回転させる。
【0087】
下側環状壁322の外面は、計量粉末投与器10のグリップおよび回転を向上させるために、好ましくは、うねり、刻みなどによって形成されたグリップ面328が設けられている。
【0088】
矩形開口部329は、下側環状壁322に、スロット326に対し実質的に直径方向に反対の位置で、下側環状壁322の高さに沿って実質的に中心に形成されている。矩形透明プラスチック窓330は、接着、溶接などによって開口部329に固定されている。窓330は、より詳細に後述されるカウンタ機構部と共に使用される。
【0089】
アダプタ320は、下側環状壁322より小さい径をもち、外側環状段部334によって下側環状壁322の上側端に接続された上側環状壁332をさらに含む。
【0090】
環状付勢リップ部338は、上側環状壁332の内面に形成されている。アダプタ320が前述されたようにアダプタ320をベース200にロックするために押し下げられたとき、環状付勢リップ部338は、貯蔵器本体22の外側環状段部32に着座し、それによって、コイルスプリング290の力に対抗して貯蔵器本体22を下へ付勢する。それに応じて、コイルスプリング290は、圧縮されるので、付勢力は、常に強制的に支持プレート300を計量プレート180と当接させ、常に強制的に計量プレート180を貯蔵器プラグ90と当接させる。しかし、このように付勢動作は、アダプタ320および計量プレート180に相対的な貯蔵器本体22の回転を依然として許容する。
【0091】
同時に、この圧縮は、被駆動イヤー部270および306が常に駆動スロット36の内部に位置し、被駆動イヤー部271、272および307、308が常に駆動スロット34および35の内部に位置するので、貯蔵器本体22の回転が下側スプリング・リテーナ260および支持プレート300の結果として生じる回転を引き起こすことを確実にする。計量プレート180は、棒状部190およびスロット222に起因して、ベース200上で静止状態に保持されるので、粉末筐体20(貯蔵器本体22、貯蔵器プラグ90および駆動本体120で構成されている)と、下側スプリング・リテーナ260と、支持プレート300とは、ベース200、計量プレート180およびアダプタ320に対して回転式に取り付けられる。
【0092】
前述された組み付け後の状態で、駆動本体120の下側環状裾部分128の下側エッジは、アダプタ320の上側環状壁332の上側エッジに重なり、回転する。計量プレート180の計量孔184、184’を通過する気流を設けるために、離間したリセス部340、341、342が上側環状壁332に形成され、上側環状壁の上側エッジから環状付勢リップ部338まで広がる。リセス部340は、駆動スロット36の幅に等しい幅を有し、リセス部341、342は、駆動スロット34、35の幅に等しい幅を有している。計量孔184、184’が貯蔵器本体22のベンチュリ管64、64’、および、支持プレート300の半径方向に延在するスロット312と位置合わせされたとき、リセス部340は、駆動スロット36と位置合わせされ、リセス部341、342は、駆動スロット34、35と位置合わせされている。それに応じて、ベンチュリ導管64、64’上の吸引は、計量孔184、184’内の計量粉末62、62’を投与器10のユーザへ送達するために、リセス部340および駆動スロット36の中と、リセス部341、342および駆動スロット34、35の中と、その後、半径方向に延在するスロット312、計量孔184、184’、および、ベンチュリ管64、64’の中とに空気を流す。
【0093】
その上、リセス部340、341、342は、後述されるように、キャップが取り外された後、所定の位置に組立体をロックするために、スプリング・フィンガー部161、163、165を受承するように方向が合わされている。
【0094】
図35から図36に示されるように、リセス部340、341、342は、斜面345が内面に向かう一方側を個々に有し、この目的は、以下で明らかになるであろう。
【0095】
二重螺旋カムトラック352が上側環状壁332の外面に形成され、この目的は、後に続く説明から明らかになる。明らかなことであるが、二重螺旋トラック352を形成する壁353は、実質的に正方形の断面を有し、この目的は、キャップに関する以下の検討から明らかになる。さらに、各カムトラック352への入口351は、回転が開始できる前に垂直降下ゾーンとして形成され、よって、密閉キャップの正確な位置合わせと、その結果、投与器10の正確な動作とを確実にする。
【0096】
粉末が非凝集化され、ベンチュリ管64の上側ベンチュリ管部分68の開口上側端からの吸気と適切に混合されることを確実にするために、図37から図39に示されるように、渦巻ノズル380は、貯蔵器本体22の上側端に取り付けられている。凝集された粉末粒子を含む空気は、上側ベンチュリ管部分68から渦巻ノズルへ流れる。機械的な非凝集化は、渦巻ノズルの重要な機能である。その上、渦巻ノズル380は、混合室としての役目を果たし、すなわち、粉末62、62’を一緒に混合する。粉末62、62’は、ベンチュリ管64、64’によって別個に送達されることがあり、その後、1回分の用量として送達するため渦巻ノズル380の中で混合される。
【0097】
当業者によって認められるように、様々な渦巻ノズル構成が本発明と共に用いられる。非限定的な一例として、渦巻ノズル380は、円形上端壁382と、上端壁382の周囲から下向きに延在する環状側壁384とを含む。環状側壁384は、駆動本体120の上側環状裾部分126の外径と実質的に等しい外径を有している。さらに、円形上端壁382と環状側壁384との間の内側接続領域386は、両者の間に滑らかな遷移をもたらし、それによって、粉末62、62’のための滑らかな流路を設けるために湾曲している。換言すると、円形上端壁382と、環状側壁384と、内側接続領域386とによって画定された内側エリアは、やや部分的なトロイダル状の構成を有している。しかし、両者の間の外側接続領域390は、円形上端壁382と環状側壁384との間の断面に実質的に直角を形成する。
【0098】
渦巻ノズル380を駆動本体120の上側端、特に、駆動本体120の環状リテーニング・リッジ部159に固定するために、環状側壁384の下側エッジから下へ延在する4個のスパイク状リブ部392、393、394および396は、等角で形成されている。スパイク状リブ部392、393、394および396は、互いに相違し、かつ、渦巻ノズル380が所定の位置で駆動本体120と組み立てられるように、駆動本体120の弓状リセス部158a−158dの弓状距離とそれぞれに一致する弓状距離に亘って延在する。例えば、スパイク状リブ部392および394は、弓状距離40度に亘って、スパイク状リブ部393は、弓状距離23度に亘って、そして、スパイク状リブ部396は、弓状距離40度に亘って延在することが可能である。スパイク状リブ部392、393、394および396は、リセス部158a−158dがそれぞれ周りに延在する共通円に等しい径を有している共通円に沿って延在する。このように、スパイク状リブ392、393、394および396は、それぞれ、2度の調整クリアランスを用いてリセス部158a−158dの内部に延在する。好ましくは、個々のスパイク状リブ部392、393、394および396は、実質的に三角形状の断面構成をもつ先細端を有している。
【0099】
吸入プロセス中に、渦巻ノズル380と、これに固定されたマウスピース(後述する)とは、駆動本体120から外れ、飲み込まれるかもしれない。したがって、渦巻ノズル380を駆動本体120に固定して締め付けるために、超音波溶接動作が実行される。具体的には、超音波エネルギーは、スパイク状リブ部392、393、394および396の方へ導かれる。このように場合、リブ部392、393、394および396のスパイク状または鋭い端は、より大量のエネルギーを吸収するエネルギーディレクタとして機能する。その結果、スパイク状リブ部392、393、394および396のプラスチック材料は、渦巻ノズル380を駆動本体120に固定するために、リセス部158a−158dのプラスチック材料に融合させられる。この配置構造体を用いると、渦巻ノズル380を固定するため印加される一様なエネルギーが存在し、このように固定動作を実行するために自動運転を使用することができ、いつでも整合性を実現する。
【0100】
このように位置では、第1の外側空気通路150および第2の外側空気通路152は、同様に環状側壁384の内部に供給されるベンチュリ管64、64’からの空気/粉末混合物と混合する2次気流を環状側壁に供給するために環状側壁384から内向きに延在することが認められる。
【0101】
円形上端壁382は、中心開口部402を有し、補充煙突状部404が中心開口部402を取り囲む関係で円形上端壁384の上面に形成されている。
【0102】
粉末凝塊を解体するために、補充煙突状部404を通して粉末凝塊を補充する前に、湾曲螺旋状壁406は、円形上端壁382から下向きに延在し、一方の端408で環状側壁384に接続されている。具体的には、湾曲壁406は、端408から、中心開口部402の周りで部分的に反対側の端410まで片持ち梁式に延在する。このようにして、ギャップ409が端410と湾曲壁406の残りの部分との間に設けられている。湾曲壁406の高さは、環状側壁384の高さに等しく、その結果、前述されるように、渦巻ノズル380が駆動本体120と組み立てられたときに、湾曲壁406の下側エッジが駆動本体120の円形上端壁122に着座する。湾曲壁406は、2つの部分、すなわち、端410から始まり、中心開口部402の周りに部分的に、例えば、165−227度に亘って延在する第1の部分と、第1の部分の端から、第1の部分より大きい半径に沿って端408まで延在する第2の部分とに効果的に形成されている。
【0103】
湾曲壁406は、ベンチュリ管64、64’からの粉末が渦巻空洞412に入り、補充煙突状部404へ入る前に、粉末が速度を増大するとき連続的に方向を変えるように、渦巻空洞412を画定する。このようにして、粉末凝塊は、円形上端壁382と、環状側壁384と、渦巻空洞412内の湾曲壁406とに常に衝突する。さらに、凝塊は、互いに衝突し、その結果、凝塊間に相互の研磨または粉砕作用を生じる。同時に、第1の外側空気通路150および第2の外側空気通路152からの2次気流は、それぞれ、渦巻空洞412内の粉末凝塊の運動を加速するために渦巻空洞412に入る。渦巻空洞412を画定する壁上での粉末凝塊の一定した衝突は、衝突時に凝塊を微粉化された粉末に解体する。基本的に、粉末凝塊が十分な速度で移動する限り、凝塊を解体するために十分な運動エネルギーが存在する。
【0104】
さらに、湾曲壁406と、特に、渦巻空洞412とは、最初に、ベンチュリ管64、64’の軸方向から軸方向に実質的に垂直である横方向へ粉末62の方向を変更する。この横方向では、粉末62、62’は、その後、渦巻空洞412の横方向における方向を連続的に変更することを強制される。渦巻空洞412を出るとき、粉末62、62’の方向は、補充煙突状部404を通る軸方向に再び変更され、同時に、流れの渦成分を維持し、すなわち、煙突状部404を通して螺旋状に渦巻く。微粉化された粉末および残りの凝塊は、渦巻空洞412から加えられる渦巻を維持し、渦巻流が微粉化された粉末および残りの凝塊に遠心力を加え、補充煙突状部404内で追加的な衝突を作り出し、その結果、残りの凝塊のさらなる解体を生じる。
【0105】
しかし、凝塊解体の大半は、渦巻空洞412で行われるべきである。凝塊によって達成される速度は、抵抗力または吸引力と、凝塊の慣性と、螺旋空洞412の長さ、すなわち、抵抗力が凝塊に作用する時間とに依存する。凝塊の慣性のため、凝塊は、凝塊を微粉化された粉末に変換するために渦巻空洞412内の壁に衝突する。
【0106】
その上、本発明によると、煙突状部404は、煙突状部の内壁に沿って延在する垂直方向に向けられた溝または襞405が設けられている。襞405は、凝塊が衝突することができるより広い表面をもたらす。襞405は、より大きい半径をもつか、または、さらに平坦な平面状構成、すなわち、無限半径をもつ6個の垂直凹型壁部分411によって形成されているように示される。しかし、他の適当な配置構造体を設けることが可能である。しかし、どのような配置構造体が設けられるとしても、襞405または他の構成は、垂直方向に向けられ、それによって、不規則な垂直方向に向けられた表面を設けることが好ましい。さらに、図示されるように、襞405は、好ましくは、煙突状部404の上側エッジから湾曲壁406の上側エッジまで延在するが、本発明は、そのように限定されない。
【0107】
襞405は、より大きい非凝集力が分散することを必要とする凝塊の解体に役立つ。
【0108】
実験は、襞状渦巻ノズル380が襞化されていない類似した渦巻ノズルより呼吸可能な割合を増加させることを示した。具体的には、0.29−0.36g/ミリリットルの範囲内のかさ密度を有している凝塊のような硬い凝塊に対し、襞なしの同じ渦巻ノズルは、およそ10%の呼吸可能な割合を与えたが、襞状渦巻ノズルは、およそ35%の呼吸可能な割合を与えた。これらの実験の目的のための「呼吸可能な割合」は、ノズルから送達された全粒子のうち、多段階液体インピンジャを使用して決定されるような直径6.8マイクロメートル以下の割合である。実験では、処方は、成分重量比が1対5.8であるモメタゾン凝塊およびラクトース凝塊であった。
【0109】
凝塊の解体に加えて、螺旋ノズル380は、付加的な制約を満たす必要がある。例えば、粉末吸入器を通る圧力降下は、呼吸機能に障害がある人による使用を簡単にするため、約20水柱インチ(5キロパスカル)未満であり、さらに十分な1次気流が計量孔184、184’を通ることを可能にするため十分に高くされることが望ましい。渦巻ノズル380を通る圧力降下は、端410と、湾曲壁406の第1の部分および第2の部分が集まる位置、すなわち、第2の部分が中心開口部402から出る位置との間の角度を変化させることにより変更することができる。現時点で好ましい実施形態では、この角度は、約165°であるが、この値は、所要圧力降下に依存して変化することがある。
【0110】
さらに、環状マウスピース固定壁418が、円形上端壁の周囲エッジから僅かに内向きに離間して、円形上端壁382の上面に形成されている。その結果、環状レッジ部420が、環状マウスピース固定壁418から外向きに、円形上端壁382の上面に形成されている。さらに、環状リップ部422が環状マウスピース固定壁418の上側端から半径方向で外向きに延在する。
【0111】
さらに、ギア歯424が環状マウスピース固定壁418の上面に設けられている。40個のギア歯が図示されているが、本発明は、そのように限定されない。
【0112】
最後に、ロケータ・タブ426がギア歯424の内面に沿って円形上端壁382の上面に設けられている。
【0113】
図3、4および図40に示されるようなマウスピース440は、渦巻ノズル380の上側端に固定されている。図40から図44に示されるように、マウスピース440は、ほぼ矩形状の上端壁442を含み、環状側壁444が上端壁442の周囲から下方へ下がっている。上端壁442がほぼ矩形状の構成を有することと、側壁444の環状構成とのため、上端壁442の縦側面に対応する側壁444の反対側の側面446および448にある上側部は、互いの方へ向かって集中する方法で上向きに傾斜する。装置のユーザの唇は、吸入中に側面446および448に置かれる。当然ながら、ユーザの口は、マウスピースの上に置かれるので、マウスピースの様々なエッジは丸みを帯びている。
【0114】
中心開口部450が上端壁442において中心に形成され、環状接続チューブ452が開口部450を取り囲む関係で上端壁442の下面に形成されている。マウスピース440が渦巻ノズル380に着座されたとき、接続チューブ452は、渦巻ノズル380の補充煙突状部404の上端を中に受承する。
【0115】
マウスピース440を渦巻ノズル380に固定するために、側壁444の下側端は、円形または環状形状を有している。側壁444のこの下側端の内面に、半径方向で内向きに延在する環状V字形状突起部454が形成されている。
【0116】
マウスピース440が渦巻ノズル380に置かれ、渦巻ノズルへ押し下げられるとき、渦巻ノズル380の環状リップ部422は、プラスチック部品の弾性力のため、V字形状突起部454に載るので、その結果、V字形状突起部454は、環状リップ部422、それによって、マウスピース440を渦巻ノズル380に維持する。このように位置では、側壁444の下側エッジは、渦巻ノズル380の環状レッジ部420に着座する。
【0117】
さらに、3個のギア歯460をもつ2組が環状V字形状突起部454の直ぐ上で環状側壁444の直径方向に反対側の内面に形成され、そして、側壁444の反対側の側面446および448の中心に置かれている。マウスピース440が渦巻ノズル380と組み立てられたとき、ギア歯460は、マウスピース440と渦巻ノズル380との間の相対的な回転を防止するためにギア歯424と係合する。
【0118】
今度は、図45から図47を参照すると、計量粉末投与器10の密閉キャップ520がマウスピース440のための密閉部として設けられ、同時に、用いられる計量粉末投与器10を準備するために機能する。具体的には、密閉キャップ520は、ほぼ円形上端壁524によって上側端で閉じられる上側の細長い環状被覆壁522を含む。環状被覆壁522より大きい径をもつ下側環状固定裾部526が環状円錐台コネクタ528を介して環状被覆壁522の下側端に固定されている。環状固定裾部526の下側端は、開いている。さらに、下側環状固定裾部526の内径は、アダプタ320の上側環状壁332の上に嵌るように、この上側環状壁の外径より僅かに大きい。
【0119】
密閉キャップ520を計量粉末投与器10に、特に、マウスピース440を被覆する関係で固定するために、螺旋カム530、好ましくは、3個の離間した螺旋カムが下側環状固定裾部526の内面に形成されている。このようにして、密閉キャップ520が粉末筐体20、渦巻ノズル380およびマウスピース440の上に挿入されるとき、密閉キャップ520のカム530は、最初に、エントリ351の中へ垂直に降下し、次に、下側環状固定裾部526の下側エッジがアダプタ320の環状円錐台接続部分334に着座するまで、アダプタ320の二重螺旋カムトラック352とねじ込み式に係合する。
【0120】
カム530およびカムトラック352は、従来のねじの代わりに設けられていることに注意されたし。なぜならば、従来のねじを用いると、キャップ520は、ねじの公差のため、早期に外れることがあるためである。その結果、計量粉末投与器10は、正しく動作しないことがあり、すなわち、粉末の準備および送達中に十分な回転角(好ましくは、約120度)で回転されないことがある。しかし、カム530と、正方形断面の壁353を有するカムトラック352とを用いると、キャップ520の早期の開口を阻止することと、使いやすさと、投与器10の部品の回転位置の適切な場所を常に確保することと、カウンタ(後述される)が服用回数を常に正しく変更するために常に正しく作動されることを確保することとを含む多数の利点が達成される。このようにして、キャップ520は、カム530がカムトラック352の中で完全に係合されるまで、アダプタ320と係合できない。
【0121】
下側環状固定裾部526の外径は、比較的滑らかな、連続した外観をもたらすために、アダプタ320の下側環状壁322の外径と実質的に一致することが認められる。密閉キャップ520の取り外しと閉鎖とに役立てるため、密閉キャップ520のグリップおよび回転を向上させるためにグリップ面532がうねり、刻みなどによって形成された下側環状固定裾部526の外面が形成される。
【0122】
前述されるように、密閉キャップ520は、用いられる計量粉末投与器10を準備するためにも役立つ。具体的には、平行した、軸方向に延在する離間した準備リブ部534の3組の離間したペアが密閉キャップ520の内面に形成され、円錐台コネクタ528から下側環状固定裾部526まで下へ短距離だけ延在している。準備リブ部534は、密閉キャップ520の内面上で均等に離間していることが好ましい。各ペアの準備リブ部534は、駆動本体120を回転するために、スプリング・フィンガー部161、163、165を内向きに付勢し、さらに、駆動開口部164、166の側面を係合する駆動本体120の駆動開口部164、166、169のそれぞれの幅より僅かに短い距離で離間している。図46に示されるように、個々の準備リブ部534は、中間突起部539で接触し、突起部539から遠ざかるときに厚さが減少する下側ランプ部535と上側ランプ部537とを有している。
【0123】
密閉キャップ520が計量粉末投与器10から取り外されるとき、計量孔184、184’は、ユーザによる吸入の準備ができているベンチュリ管64、64’と位置合わせされている。このようにして、投与器10は、完全に準備され、人による吸入の準備が完了している。この時点で、スプリング・フィンガー部161、163、165は、アダプタ320のリセス部340、341、342の中に置かれる。このようにして、投与器10は、この位置にロックされている。
【0124】
密閉キャップ520を挿入する動作は、図48Aから図48Eと図49Aおよび49Bとに示される。吸入動作後、密閉キャップ520は、図48Aに示されるように組立体に置かれる。この時点で、カム530は、カムトラック352の内部に係合されていない。密閉キャップ520の回転時に、カム530は、カムトラック532の始まり部分に含まれ、図48Bおよび48Cに示されるように、この始まり部分の中で押し下げることができる。この時点で、準備リブ部534は、スプリング・フィンガー161、163、165を係合し、押し下げ、さらに駆動開口部164、169の側面を係合する。換言すると、初期閉鎖動作中に、準備リブ部534の下側ランプ部535は、スプリング・フィンガー部161、163、165の上側部を係合し、これらのスプリング・フィンガー部をリセス部340、341、342の内向きに付勢する。これは、図49Aにより詳細に示される。その結果として、駆動本体120は、図48Dおよび48Eに示されるように、閉鎖位置までアダプタ320と相対的に回転できる。この期間中に、キャップ520は、駆動本体120と係合し、その結果、キャップ520の連続した回転がアダプタ320と相対的な駆動本体120の回転を生じる。キャップ520が回転されるとき、キャップは、カムトラック352に載っているカム530によって引き下げられる。
【0125】
回転の完了時に、スプリング・フィンガー部161、163、165の構成と、準備リブ部534の相補的な構成とのため、スプリング・フィンガー部161、163、165は、固定位置に跳ね返って、吸入位置から120度オフセットされた準備リブ部534と結合係止し、すなわち、スプリング・フィンガー部161、163、165がリセス部340、341、342の中に置かれている。さらに、スプリング・フィンガー部161、163、165と準備リブ部534との結合関係のため、準備リブ部534は、同様に、この時点で、リセス部340、341、342の中に置かれる。換言すると、準備リブ部534の中間突起部539は、図49Bに最もよく示されるように、スプリング・フィンガー部161、163、165の対応する凹部の内部に受承されている。
【0126】
キャップ520が図48Eの完全閉鎖位置にあるとき、スプリング・フィンガー部161、163、165は、自由状態、すなわち、スプリング・フィンガー部161、163、165に応力がない状態へ復元されることが認められる。これは、長期間に亘って、スプリング・フィンガー部161、163,165が、殆どのプラスチック材料と同様に、付勢された状態で永久歪みまたは変形を取り込まないように行われる。これは、吸入器の動作に有害であろう。スプリング・フィンガー部161、163、165と準備リブ部534との特別な形状は、この目的のため設けられる。
【0127】
このようにして、密閉キャップ520の閉鎖回転は、記憶された位置、すなわち、位置合わせから外れて120度まで駆動本体120の回転、したがって、計量孔184、184’と相対的なベンチュリ管64、64’の回転を引き起こす。この移動中に、粉末62、62’は、計量孔184、184’へスクラップされるので、計量粉末投与器10は、準備される。
【0128】
ユーザが計量粉末投与器10を使用する準備ができたとき、密閉キャップ520は、アダプタ320から回し外される。このように動きの間に、スプリング・フィンガー部161、163、165は、初期的に、回転を妨害しないためにスプリング・フィンガー部161、163、165を内向きに移動させるリセス部340、341、342上の斜面345と係合する。その後、キャップ520が上昇し始めると、スプリング・フィンガー部161、163、165は、スプリング・フィンガー部161、163、165を押し込むリブ部534を準備することによって係合される。換言すると、初期開放動作中に、準備リブ部534の上側ランプ部537は、スプリング・フィンガー部161、163、165の上側部を係合し、リセス部340、341、342の内向きに付勢する。したがって、駆動本体120は、開放位置までアダプタ320と相対的に回転可能である。
【0129】
これは、位置合わせされた位置までの計量孔184、184’と相対的な駆動本体120、したがって、ベンチュリ管64、64’の対向する回転を生じる。このように、密閉キャップ520が取り外されるとすぐに、粉末62、62’がそれぞれ充填された計量孔184、184’は、ベンチュリ管64、64’と位置合わせされ、吸入の準備ができている。したがって、密閉キャップ520が取り外された後に付加的な準備およびセットアップ動作を設ける必要がない。
【0130】
図20を参照すると、粉末62、62’は、接触しない状態に保たれることが好ましい。したがって、計量孔184、184’は、1回分の用量を準備し投与するために往復する計量プレート180の相対運動中に、固定経路F1、F2を画定することが好ましい。固定経路F1、F2は、約90度から約150度の範囲にあり、より好ましくは、約120度の角度αに亘って掃引することが好ましい。その上、固定経路F1、F2は、計量孔184、184’のうちの一方によって固定経路F1、F2に沿って残された粉末残留物がもう一方の計量孔184、184’と接触しないように、離間していることが好ましい。したがって、固定経路は、約30度から約90度の範囲にあり、より好ましくは、約60度の角度βで端と端との間で離間されていることが好ましい。好ましい配置構造体を用いると、等間隔が固定経路F1とF2との間に設けられることがあり、すなわち、角度βは、固定経路F1、F2の両側で等しくされる。
【0131】
当業者によって認められるように、付加的な計量孔、例えば、3個の計量孔が本発明によって利用されることがある。対応する部品、例えば、ベンチュリ管と、補充管との数は、対応する増大を必要とすることがある。複数の計量孔を用いると、画定された固定経路の間に間隔が設けられることが好ましい。例えば、3個の計量孔の使用に関連して、角度αは、90度でもよく、角度βは、45度でもよい。この配置構造体を用いると、3本の固定経路の間で等しい間隔が達成されることがある。
【0132】
さらに、密閉キャップ520は、上端壁524から短い距離で離間した被覆壁522の内面に形成されている6個の等角間隔の突起部538を含む。
【0133】
投与器10と共に乾燥剤を使用できる。米国特許文献1に開示されるような乾燥剤ホルダが利用されることがある。
【0134】
粉末が減少していることをユーザに知らせるために、投与された服用回数をカウントするか、または、引き続き投与されるべき服用回数を示唆するカウンタ機構部580が設けられている。多数のタイプの機械的カウンタおよび電気的カウンタが役に立つ。デジタル電子カウンタは、装置のベースまたは他のエリアの内部に配置することができ、用量充填動作のある時点で回路を完結する導電性接点を必要とすることになり、所要バッテリの特性は、装置の保存期間を定める際に一因となる。現時点で好ましいカウンタ機構部580は、引き続き投与されるべき服用の回数を示唆する減少機械的カウンタである。
【0135】
カウンタ機構部580は、ベース200上の前述の第1の回転防止スプリング・デテント224および第2の回転防止スプリング・デテント232と、アダプタ320の前述の透明プラスチック窓330と、連続カウンタ・リング590と、間欠カウンタ・リング620と、スプリング付勢爪組立体640とで構成されている。
【0136】
図3、4および図50から図53に示されるように、連続カウンタ・リング590は、実質的に矩形断面をもつ壁を有している円盤592によって形成されている。外側環状レッジ部594は、円盤592を切り取ることによって円盤592の外側上側エッジに形成されている。さらに、下側環状リップ部596は、円盤592の滑らかであるが、しかし、小さい断面幅をもつ拡張部として、円盤592の下側外側エッジから軸方向に延在する。その結果、内側環状レッジ部598が円盤592の下側エッジに形成されている。この点について、連続カウンタ・リング590は、ベース200に着座させることができ、特に、内側環状レッジ部598は、ベース200の円形上端壁202に着座し、下側環状リップ部596は、円形上端壁202を取り囲む関係でベース200の環状レッジ部206に着座する。
【0137】
複数の数字印600が円盤592と下側環状リップ部596との滑らかな合成外面に印刷されている。具体的には、数字「0」から「9」までの2組の連続したセットが周りに等角度で印刷されている。数字印600は、垂直方向に印刷されている。したがって、印600は、計量投与器10が直立しているときに、すなわち、使用されるべき状態にあるときに読むことができる。
【0138】
20個のギア歯602が20個の数字印600に対応して円盤592の内面に等角度で形成されている。全ギア歯602は、半径方向に同じ奥行きを有するが、例外的に、数字印600の反対側の数字「5」に対応するギア歯602の直径方向に正反対の位置にあるギア歯604および606が残りのギア歯602より掘り下げられ、すなわち、ギア歯604および606は、残りのギア歯602より大きい程度まで半径方向へ外向きに延在する。連続カウンタ・リング590がベース200に着座させられたとき、ベース200の第1の回転防止スプリング・デテント224は、ベース200上の連続カウンタ・リング590の時計回りの回転を防止するために、同時に1個のギア歯602と係合する。
【0139】
図3、4および図54から図57に示されるように、間欠カウンタ・リング620は、実質的に矩形断面をもつ壁を有している円盤622によって形成されている。下側環状リップ部624は、円盤622の滑らかであるが、しかし、小さい断面幅をもつ拡張部として、円盤622の下側外側エッジから軸方向に延在する。その結果、内側環状レッジ部626が円盤622の下側エッジに形成されている。この点について、間欠カウンタ・リング620は、連続カウンタ・リング590上に回転式に着座させることが可能であり、特に、内側環状レッジ部626は、連続カウンタ・リング590の上方へ離間し、一方、下側環状リップ部624は、連続カウンタ・リング590の外側環状レッジ部594に着座している。
【0140】
複数の数字印628が円盤622と下側環状リップ部624との滑らかな合成外面に印刷されている。具体的には、数字「0」から「19」が周りに等角度で印刷されている。数字印628は、垂直方向に印刷されている。したがって、印628は、計量投与器10が直立しているときに、すなわち、使用されるべき状態にあるときに読むことができる。
【0141】
20個のギア歯630が20個の数字印628に対応して円盤622の内面に等角度で形成されている。全ギア歯630は、半径方向に同じ奥行きを有している。間欠カウンタ・リング620が連続カウンタ・リング590に着座させられているとき、ベース200の第2の回転防止スプリング・デテント232は、ベース200上の間欠カウンタ・リング620の時計回りの回転を防止するために、同時に1個のギア歯630と係合する。以下の検討から認められるように、ギア歯630は、ギア歯602より大きい径の円に沿って延在するので、ギア歯630は、ギア歯602から半径方向へ外向きに移動される。
【0142】
さらに、用量制限タブ632が、所定の回数の用量が投与された後、計量粉末投与器10の動作を妨げるために、数字「9」と「10」との間の位置に対応して、円盤622の上面から上向きに延在する。例えば、計量粉末投与器10が200回分の用量の投与に限定される場合、用量制限タブ632は、動作に関して後述されるように、計量プレート180に対する粉末筐体20のさらなる相対的な回転を防止するために、200回分の用量を投与した後、アダプタ320の服用量リミッタ・タブ336と当接することができる。
【0143】
最初に、印628の数字「19」は、アダプタ320の透明プラスチック窓330を通して露出される数字199を形成するために、印600の数字「9」と位置合わせされている。1回目の用量が投与された後、数字「19」および「8」が窓330を介して露出される数字「198」を形成するためにそれぞれ露出されるように、連続カウンタ・リング590だけが回転する。次の9回の服用の後、連続カウンタ・リング590だけが個々の服用に対し同時に1増分ずつ回転する。数字「190」が窓330を通して露出された後、次の服用は、数字「189」を形成するために連続カウンタ・リング590および間欠カウンタ・リング620の両方を回転させる。この動作は、数字「00」が窓330を通して露出されるまで継続する。この時点で、間欠カウンタ・リング620は、計量プレート180に対する粉末筐体20のさらなる相対的な回転を防止するために、用量制限タブ632がアダプタ320の服用量リミッタ・タブ336と当接するような位置まで回転している。
【0144】
連続カウンタ・リング590および間欠カウンタ・リング620の回転を引き起こすために、スプリング付勢爪組立体640は、図3、4および図58から図62に示されるように、爪駆動装置642を含む。爪駆動装置642は、連続カウンタ・リング590と間欠カウンタ・リング620との合成高さより高い高さを有している弓状外側壁644を含む。U字形状リテーナ650は、弓状壁644の自由端に接続されている。U字形状リテーナ650は、弓状壁644の高さより低い高さを有している。したがって、開口エリア652を画定するループが弓状壁644およびU字形状リテーナ650によって形成されている。実質的に三角形状断面構成をもつフランジ648は、U字形状リテーナ650との交差場所で弓状壁644の一方側に、U字形状リテーナ650の高さと実質的に等しい高さである拡張部を形成する。
【0145】
爪部654は、弓状壁644の外面または凸面の中心に形成されている。このようにして、爪駆動装置642が円筒隆起部216を取り囲む関係でベース200の円形上端壁202に挿入されているとき、爪部654は、ギア歯602の内部に挿入することができる。しかし、ギア歯630は、ギア歯602より大きい径の円に沿って延在するので、爪部654は、ギア歯602だけと係合し、ギア歯630と係合しない。唯一の例外は、爪部654がギア歯604または606の一方の内部に係合するときである。このように場合、ギア歯604および606は、残りのギア歯602より掘り下げられているので、爪部654は、ギア歯630に到達し、ギア歯630と係合することができる。ギア歯604および606は、10個のギア歯によって間隔が空けられているので、爪部654は、10回の用量投与毎にギア歯604または606の一方の内部に係合し、したがって、間欠カウンタ・リング620を連続カウンタ・リング590と共に回転式に駆動するために、この時点でギア歯630のうちの1つの内部に係合する。
【0146】
爪部654をギア歯602と係合する状態へ付勢するために、湾曲した、実質的に逆L字形状スプリング658は、弓状壁644の内面で、幅方向および高さ方向に関して、中心に一体的に形成された一端を有し、弓状壁の自由端は、放射状部分219の内部でベース200の円筒隆起部216を押すために突き出し、それによって、半径方向へ外向きに爪組立体640を付勢する。これは、爪部654をギア歯602との係合状態に入れる。
【0147】
単一の成形動作において爪組立体640と一体的にスプリング658を形成することにより、部品の個数が削減され、単一の成形動作が利用され、部品の組立がより簡単化し、スプリングは、より柔軟かつ確実に作ることができることが認められる。
【0148】
爪組立体640がベース200に置かれたとき、U字形状リテーナ650の反対側の側面は、角度付きのスタブ壁221および223の内部に置かれるので、カウンタ・リング590および620のギア歯に関してラチェット組立体として機能するために、爪組立体640が小さい角度で回転するためにちょうど十分な余裕が存在することが認められる。
【0149】
図63から図66を参照すると、図58から62の爪組立体640の要素に対応する要素がプライム記号(’)付きの同じ符号によって識別された、本発明の別の実施形態によるスプリング付勢爪組立体640’が示される。
【0150】
爪組立体640’と爪組立体640との間の唯一の相違点は、爪組立体640’のスプリング658’の自由端がこれの固定端から遠ざかる僅かな凸状湾曲を有していることである。
【0151】
図67から図71を参照すると、図58から62の爪組立体640の要素に対応する要素が2重プライム記号(’’)付きの同じ符号によって識別された、本発明のさらに別の実施形態によるスプリング付勢爪組立体640’’が示されている。
【0152】
爪組立体640’’と爪組立体640との間の唯一の相違点は、爪組立体640’’のスプリング658’が、実質的にL字形状部材で形成されるのではなく、弓状壁644’’の内面の上側端からある角度で延在する先細状側面付きのほぼ直線状部材として形成されていることである。別の相違点は、フランジ648が完全に取り除かれている点である。
【0153】
カウンタ機構部580の動作中に、下側スプリング・リテーナ260は、密閉キャップ520がアダプタ320にねじ込まれている保存位置と、密閉キャップ520がアダプタ320から取り外されている吸入位置との間で、計量プレート180と相対的に貯蔵器本体22と共に120度回転する。計量粉末投与器10が保存位置にあるとき、爪部654は、連続カウンタ・リング590の浅いギア歯602の内部に係合されるので、ギア歯630と係合しない。さらに、このように位置では、弓状爪駆動壁274の爪駆動端276は、爪組立体640と係合する。
【0154】
貯蔵器本体22が吸入位置へ向かって最初の118度を回転されるとき、弓状爪駆動壁274の爪駆動端278が爪組立体640の反対側の側面との係合状態へ回転させられる。その結果、爪部654は、浅いギア歯602を乗り越えるように回転させられ、それによって、スプリング658を圧縮する。10回分の用量が投与されたとき、全部で120度までの継続した回転が爪部654を僅かな量だけ回転させ、例えば、深いギア歯である次のギア歯604に落とす。具体的には、スプリング658は、爪部654をギア歯604へ付勢する。ギア歯604は、深いギア歯であるので、爪部654は、ギア歯630のうちの一方にさらに入る。この時点で、計量粉末投与器10は、計量孔184、184’がベンチュリ管64、64’と位置合わせされた吸入位置にある。
【0155】
ユーザが粉末62、62’の服用量を吸入した後、密閉キャップ520は、元のアダプタ320にねじ込まれる。その結果、貯蔵器本体22は、初期位置まで逆回転し、下側スプリング・リテーナ260の回転をさらに生じさせる。この120度の逆回転中に、すなわち、弓状爪駆動壁274の爪駆動端276は、爪組立体640をこれの初期位置へ回転させるために、運動の最後に爪組立体640と係合する。このように運動中に、爪部654は、深いギア歯604とギア歯630のうちの一方との内部に係合するので、連続カウンタ・リング590および間欠カウンタ・リング620の両方が一体的に1増分だけ回転させられる。爪部654が深いギア歯604または606の一方と係合されない場合、爪部は、ギア歯630と係合しないので、連続カウンタ・リング590だけが回転させられる。
【0156】
連続カウンタ・リング590および間欠カウンタ・リング620は、ギア歯602および630とそれぞれ係合する第1の回転防止スプリング・デテント224および第2の回転防止スプリング・デテント232のため、反対方向に回転できないことが認められる。
【0157】
本発明の範囲に様々な変更を行えることが認められる。例えば、計量プレート180の回転は、120度である必要がなく、より小さいか、または、より大きい弓状距離でもよい。このように場合、弓状爪駆動壁274の長さは、爪組立体640を増加的に駆動するため変更されることがある。
【0158】
したがって、本発明を用いると、患者に送達されるべき粉状薬剤の用量を正確に測定する計量粉末投与器10が提供される。具体的には、投与器10は、従来技術より構造および組立において著しく簡略化される。
【0159】
前述の要素のすべては、金属プレート93’およびスプリング290を除いては、好ましくは、容易に入手可能なプラスチックから製作されるが、前者の部品は、好ましくは、適当な金属から製作される。典型的に、多孔性または他の特殊な性質を必要としない様々な構成要素は、望ましい剛性および強度を有している1つ以上の熱可塑性物質から成形される。一部の実施形態では、粉末容器を含む構成要素は、比較的薄く、必要な程度の表面平面度を維持するために、強化プラスチック、セラミック、または、金属のような容易に変形し難い物質から構築される。当然ながら、選択された材料は、投与されるべき薬剤と化学的に適合(compatible)しなければならない。費用上の理由から、初期充填物が投与された後に、薬剤詰め替えがないか、または、薬剤詰め替えの回数が制限された使い捨て装置が意図されている場合、最も利用率の高いプラスチックが好ましい。他の「複合」構成要素は、特殊な性質が必要とされる装置のどこかで使用することができる。
【0160】
計量粉末投与器10を組み立てるために、粉末筐体20が最初に組み立てられる。具体的には、貯蔵器プラグ90が貯蔵器本体22の内部に挿入され、渦巻ノズル380が駆動本体120と共に組み立てられ、マウスピース440が渦巻ノズル380と共に組み立てられる。次に、連続カウンタ・リング590がベース200の上に嵌め込まれ、間欠カウンタ・リング620が連続カウンタ・リング590へ嵌め込まれる。両方のカウンタ・リング590および620は、間欠カウンタ・リング620の数字「19」と、連続カウンタ・リング590の数字「19」とが窓330を通して見せるため位置合わせされるまで、回転させられる。換言すると、これは、数字「199」に対応する。
【0161】
爪組立体640は、その後、円筒隆起部216を取り囲む関係で、スタブ壁221と223との間で、ベース200の上端円形壁202に置かれ、爪部654は、数字「5」と位置合わせされたギア歯604、および、数字「5」と位置合わせされたギア歯630と係合された状態へ、すなわち、数字「5」と位置合わせされた状態へ付勢される。第1および第2の回転防止スプリング・デテント224および232は、数字「0」に対応するギア歯606と位置合わせされ、数字「19」に対応するギア歯630と位置合わせされていることが認められる。
【0162】
その後、下側スプリング・リテーナ260は、狭い被駆動イヤー部270がリング590および620上の数字「199」と位置合わせされた状態で、リテーニング支柱218を取り囲む関係で隆起部216に置かれる。このように場合、爪組立体の爪駆動端276は、爪組立体640のフランジ648と当接している。コイルスプリング290は、その後、下側スプリング・リテーナ260の円盤262に着座させられ、支持プレート300がコイルスプリング290の上端に置かれ、下側スプリング・リテーナの狭い被駆動イヤー部306が下側スプリング・リテーナ260の狭い被駆動イヤー部270と位置合わせされている。その後、計量プレート180の環状取り付け支柱188が支持プレート300の中心円形孔310を通って、ベース200のリテーニング支柱218の上方で位置付けられ、棒状部190とスロット122とが位置合わせされている。このように場合、計量孔184、184’は、支持プレート300の半径方向に延在するスロット312と位置合わせされている。
【0163】
その後、貯蔵器プラグ90と一体となって組み立てられた貯蔵器本体22は、狭い被駆動イヤー部270および306が狭い駆動スロット36の内部に嵌り込み、広い被駆動イヤー部271、272および307、308が貯蔵器本体22の広い駆動スロット34、35の内部に嵌り込むように、計量プレート180と、支持プレート300と、コイルスプリング290と、下側支持プレート260との上に挿入される。このように場合、ベンチュリ管64、64’は、計量孔184と位置合わせされている。前述の部品を一体として組み立てるために、アダプタ320は、その後に、アダプタのスロット326がベース200の支柱214と位置合わせされるように、前述の組立体の上に置かれる。アダプタ320は、その後、ベース200の環状レッジ部210がアダプタ320の環状溝324にスナップ留めされるまで、押し下げられる。この時点で、コイルスプリング290は、圧縮され、数字「199」がアダプタ320の窓330を通して現れ、アダプタ320のリセス部340、341、342が貯蔵器本体22の駆動スロット34、35、36とそれぞれ位置合わせされている。
【0164】
その後、粉末補充管60は、この粉末補充管の上側開口端を通して充填される。その後、駆動本体120は、ノズル380および上にあるマウスピース440と共に、駆動本体120の円形プラグ管144が粉末補充管60、60’の上側開口端を塞ぐように、かつ、ベンチュリ管64、64’の上側開口端が駆動本体120内の円形開口部142、142’を通って延在するように、貯蔵器本体22の上に嵌め込まれる。この位置において、駆動本体120の下側環状裾部分128の下側エッジは、アダプタ320の上側環状壁332の上側エッジの直ぐ上に位置付けられている。
【0165】
密閉キャップ520は、その後、アダプタ320にねじ込まれ、そのために、粉末筐体20は、計量粉末投与器10を準備するために、すなわち、粉末62、62’を計量孔184、184’にスクラップするために計量プレート180に相対的に120度回転させられる。これは、爪部654を次のギア歯602へ移動させる。
【0166】
ユーザが粉末62、62’の1回分の服用量を吸入したいとき、密閉キャップ520は、緩められ、取り外され、それによって、吸入に備えて、ベンチュリ管64、64’を計量孔184、184’と位置合わせするために、粉末筐体20を120度逆回転させる。この時点で、爪部654は、1増分だけ回転され、そのために、次の数字「198」が窓330を通して表示される。全部で200回分の服用量が使用されたとき、間欠カウンタ・リング620の用量制限タブ632は、投与のためのさらなる回転を防止するために、アダプタ320の服用量リミッタ・タブ336に当接する。したがって、数字は、「00」から「199」まで継続しない。
【0167】
添付図面を参照して発明の具体的な好ましい実施形態が記載されているが、本発明は、これらの実施形態そのままに限定されることがないこと、そして、様々な変形および変更が請求項に記載された発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、当業者によってこの点で実施できることが認められる。用語「備える」は、「含んでいるが、限定されることがない」として定義される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥粉末吸入器に関し、より詳しくは、複数の貯蔵器付きの乾燥粉末吸入器に関する。
【背景技術】
【0002】
計量吸入活性薬剤を投与するために加圧エアゾール装置、噴霧器、ポンプ吸入器などのような様々な装置が使用されている。計量粉末薬剤を投与することができる粉末投与装置の需要が増大している。このように装置を用いると、粉末が吸入によって引き出されるので、製品送達の品質を保証するために薬剤の放出と吸入の正確な開始との同期化に関して心配する必要性はより少ない。さらに、乾燥粉末は、他の吸入器装置形式で見受けられることがある液体組成物より安定していることがある。
【0003】
DPIから出るAPAを含有する粒子は、望ましくは、肺の特定の部位を標的にする粒子サイズ範囲内に含まれる。APAを含有する粒子が非常に大きい場合、これらの粒子は、気道に入ることがなく、その代わりに、口または咽頭に堆積することになり、ことによると、消化管に入る。
【0004】
現行の投与器は、活性薬剤を含有する凝塊の形をした粉末を保持する1つの貯蔵器を有することがある。装置が作動されたとき、貯蔵器は、適切な用量のAPAを含有する1回分の用量の凝塊を放出する。装置が作動された後、消費者は、凝塊が吸入器流路の中を通して運ばれ、そして、微粉化された粉末にさせるために吸入する。この微粉化された粉末は、望ましくは、一貫したAPA投与量を消費者の標的とされた肺部位へ送達する。
【0005】
乾燥粉末吸入器の現行の設計は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4に記載されている。望ましくは、DPIは、消費者が容易に操作できる装置ということがあり、すなわち、DPIは、消費者がDIPを容易に使用できるように過度に大きく、または、過度に扱いにくくされるべきでない。このように、DPIは、望ましくは、小さく、かつ、消費者が容易に操作できる。現行のDPIのAPAの総送達用量は、DPIの望ましいサイズ要件に起因してある一定の総量の乾燥粉末しか現行のDPIから投与されないという事実のため、制限されることがある。さらに、粉末運搬通路の容量は、粉末を送達し、非凝集化するために限定された容量のため、大量の投与負荷量を収容し、十分に非凝集化できないことがある。
【0006】
APAは、1つの凝塊で製造できないことがある。例えば、具体的なAPAのための乾燥粉末の処理パラメータは、APAが別のAPAと別個に調製されることを必要とすることがあるか、または、2つのAPAは、互いに配合禁忌(incomatible)であることがあり、例えば、活性が別のAPAへの化学分解または粒子サイズ変化を引き起こすことがある。よって、1回分の用量の一貫した内容物均一性を確保するために、単一のDPIからの2つ以上のAPAの投与は、個別の凝塊が異なった貯蔵器の中にあることを必要とする。
【0007】
よって、DPIの用量収容能力を高め、さらに、互いに配合禁忌であるか、または、別個の凝塊として製造される2つ以上のAPAを含有する粉末を収容することも望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6240918号明細書
【特許文献2】米国特許第5829434号明細書
【特許文献3】米国特許第5394868号明細書
【特許文献4】米国特許第5687710号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
少なくとも1つの第1の開口部を有している第1の粉末貯蔵器と、第1の出口開口部から離間している少なくとも1つの第2の出口開口部を有している第2の粉末貯蔵器とを含む粉末投与器が本明細書において提供される。さらに、投与器は、所定の量の粉末を個々に保持するために構成されている第1の計量孔および第2の計量孔を有している計量プレートを含む。計量プレートは、第1の出口開口部および第2の出口開口部に隣接して配置され、計量プレートは、出口開口部と相対的に、第1の位置と第2の位置との間で両方向に移動可能である。計量プレートが出口開口部と相対的に第1の位置から第2の位置まで移動すると、第1の計量孔は、第1の出口開口部の下を通過し、第2の計量孔は、第2の出口開口部の下を通過する。さらに、第1の計量孔は、計量プレートが出口開口部と相対的に第1の位置と第2の位置との間を可逆的に移動するので第1の固定経路を画定し、第2の計量孔は、計量プレートが出口開口部と相対的に第1の位置と第2の位置との間を両方向に移動するので第2の固定経路を画定する。第1の固定経路は、第1の計量孔が計量プレートの移動中に第2の経路と重なり合うことがなく、かつ、第2の計量孔が計量プレートの移動中に第1の経路と重なり合うことがないように、第2の固定経路から離間している。有利な点として、本発明を用いると、少なくとも2つの異なった粉末は、粉末が制御された方法で送達される投与器によって収容されることがある。計量プレートにおける用量の準備中に、計量孔の2つの移動経路は、両者の間での交差汚染を制限するために引き離されたまま保たれる。
【0010】
さらなる実施形態は、乾燥粉末吸入器と少なくとも1つの活性薬剤の少なくとも1回分の用量とを備え、乾燥粉末吸入器は、少なくとも1回分の用量を備える少なくとも2つの貯蔵器を備える、医薬品を提供する。少なくとも2つの貯蔵器は、異なった活性薬剤を別々に備えることがある。これらの異なった活性薬剤は、互いに配合禁忌であることがあり、例えば、化学分解または粒子サイズ変化を引き起こすことである。乾燥粉末吸入器が作動されたとき、少なくとも1回分の用量が少なくとも2つの貯蔵器から同時に放出される。
【0011】
本発明の他の実施形態は、乾燥粉末吸入器と、少なくとも1つの活性薬剤の少なくとも1回分の用量とを備え、乾燥粉末吸入器は、異なった活性薬剤を別々に備える少なくとも2つの貯蔵器を備え、少なくとも2つの貯蔵器は、乾燥粉末吸入器が作動されたときに少なくとも2つの貯蔵器から同時に放出される少なくとも1回分の用量を備える、医薬品を提供する。異なった活性薬剤は、互いに配合禁忌であることがあり、例えば、化学分解または粒子サイズ変化を引き起こすことがある。
【0012】
さらなる実施形態は、少なくとも1つの第1の出口開口部を有している第1の粉末貯蔵器と、第1の出口開口部から離間している少なくとも1つの第2の出口開口部を有している第2の粉末貯蔵器とを備える粉末投与器を提供する。
【0013】
発明の上記特徴および他の特徴は、以下の詳細な説明と添付図面との検討を通じてより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明により形成された計量粉末投与器の斜視図である。
【図2】本発明により形成された計量粉末投与器の斜視図である。
【図3】本発明により形成された計量粉末投与器の分解図である。
【図4】図1の線4−4による断面図である。
【図5】本発明と共に用いられる貯蔵器本体を示す図である。
【図6】本発明と共に用いられる貯蔵器本体を示す図である。
【図7】本発明と共に用いられる貯蔵器本体を示す図である。
【図8a】図7の線8a−8aによる断面図である。
【図8b】図7の線8b−8bによる断面図である。
【図9】本発明と共に用いられる貯蔵器プラグを示す図である。
【図10】本発明と共に用いられる駆動本体を示す図である。
【図11】本発明と共に用いられる駆動本体を示す図である。
【図12】本発明と共に用いられる駆動本体を示す図である。
【図13】図12の線13−13による断面図である。
【図14】図11の線14−14による断面図である。
【図15】本発明と共に用いられる貯蔵器本体、駆動本体および貯蔵器プラグの組立体を示す図である。
【図16】本発明と共に用いられる計量プレートを示す図である。
【図17】本発明と共に用いられる計量プレートを示す図である。
【図18】本発明と共に用いられる計量プレートを示す図である。
【図19】本発明と共に用いられる計量プレートを示す図である。
【図20】本発明による可動域に亘る計量プレートの計量孔の運動を示す概略図である。
【図21】本発明と共に用いられる計量プレートの計量孔の上に延在する粉末リテーナを有している計量プレートを示す図である。
【図22】本発明と共に用いられるベースを示す図である。
【図23】本発明と共に用いられるベースを示す図である。
【図24】本発明と共に用いられるベースを示す図である。
【図25】本発明と共に用いられるベースを示す図である。
【図26】図22の線26−26による断面図である。
【図27】本発明と共に用いられる下端スプリング・リテーナを示す図である。
【図28】本発明と共に用いられる下端スプリング・リテーナを示す図である。
【図29】本発明と共に用いられる下端スプリング・リテーナを示す図である。
【図30】本発明と共に用いられる下端スプリング・リテーナを示す図である。
【図31】本発明と共に用いられる下端スプリング・リテーナを示す図である。
【図32】本発明と共に用いられる支持プレートを示す図である。
【図33】本発明と共に用いられる支持プレートを示す図である。
【図34】本発明と共に用いられる代替的な配置構造体を示す図である。
【図35】本発明と共に用いられるアダプタを示す図である。
【図36】本発明と共に用いられるアダプタを示す図である。
【図37】本発明と共に用いられる渦巻ノズルを示す図である。
【図38】本発明と共に用いられる渦巻ノズルを示す図である。
【図39】本発明と共に用いられる渦巻ノズルを示す図である。
【図40】本発明と共に用いられるマウスピースおよび渦巻ノズルの組立体を示す図である。
【図41】本発明と共に用いられるマウスピースを示す図である。
【図42】図41の線42−42による断面図である。
【図43】図41の線43−43による断面図である。
【図44】本発明と共に用いられるマウスピースを示す図である。
【図45】本発明と共に用いられる密閉キャップを示す図である。
【図46】本発明と共に用いられる密閉キャップを示す図である。
【図47】本発明と共に用いられる密閉キャップを示す図である。
【図48A】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図48B】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図48C】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図48D】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図48E】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図49A】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図49B】本発明による計量粉末投与器の動作を示す図である。
【図50】本発明と共に用いられる連続カウンタ・リングを示す図である。
【図51】本発明と共に用いられる連続カウンタ・リングを示す図である。
【図52A】本発明と共に用いられる連続カウンタ・リングを示す図である。
【図52B】本発明と共に用いられる連続カウンタ・リングを示す図である。
【図53】本発明と共に用いられる連続カウンタ・リングを示す図である。
【図54】本発明と共に用いられる間欠カウンタ・リングを示す図である。
【図55】本発明と共に用いられる間欠カウンタ・リングを示す図である。
【図56】本発明と共に用いられる間欠カウンタ・リングを示す図である。
【図57】本発明と共に用いられる間欠カウンタ・リングを示す図である。
【図58】本発明と共に用いられるスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図59】本発明と共に用いられるスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図60】本発明と共に用いられるスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図61】本発明と共に用いられるスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図62】本発明と共に用いられるスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図63】本発明と共に用いられる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図64】本発明と共に用いられる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図65】本発明と共に用いられる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図66】本発明と共に用いられる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図67】本発明と共に用いられるさらなる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図68】本発明と共に用いられるさらなる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図69】本発明と共に用いられるさらなる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図70】本発明と共に用いられるさらなる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【図71】本発明と共に用いられるさらなる代替的なスプリング付勢爪組立体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の様々な実施形態は、例えば、少なくとも2つの活性薬剤が使用される組み合わせ療法において、大用量の粉末の投与と、異なった粉末の用量とに関連して用いられる。これは、互いに配合禁忌であることがある少なくとも2つの活性薬剤、例えば、相互の存在の下でAPAのうちの1つ以上を分解させるAPAに対し特に有用である。25から1600μgの用量のAPAが可能である。これらの用量は、少なくとも1つのAPAを超えて、(複数の)担体および/または(複数の)副剤のような1つ以上の付加的な物質を含むことがある。例えば、用量400mgは、3mgの活性剤を含有し、用量200mgは、1.5mgの活性剤を含有することがあり、用量100mgは、0.75mgの活性剤を含有することがある。特許文献1は、本発明と併せて利用されることがある粉末投与器の様々な特徴について記載する。特許文献1は、ここに参照によってそのまま組み込まれる。その上、特許文献2、特許文献4、および、特許文献3は、本発明と共に用いられる粉末投与器の種々の特徴について記載する。特許文献2、特許文献4、および、特許文献3は、ここに参照によってそれぞれにそのまま組み込まれる。
【0016】
図面を詳細に、そして、最初に図面中の図1から図4を参照すると、本発明による計量粉末投与器10は、投与される粉状物質の補充品を保持し、計量粉末をユーザに供給する粉末筐体20を含む。
【0017】
粉末筐体20は、好ましくは、単一の成形プラスチック部品として個々に形成されている貯蔵器本体22と、貯蔵器プラグ90と、駆動本体120とを備える。
【0018】
図3から図8bを参照すると、貯蔵器本体22は、円形上端壁24の周囲から下向きに延在する環状裾部26を有している円形上端壁24を含む。環状裾部26は、円形上端壁24の周囲から下向きに延在する上側端付きの上側環状裾部分28と、上側環状裾部分28の下側端から下向きに延在する下側環状裾部分30とを含む。下側環状裾部分30は、対応する上側環状裾部分28の内径および外径より大きい内径および外径を有している。したがって、外側環状段部32は、下側環状裾部分30の上側端に形成されている。
【0019】
離間した軸方向に延在する駆動スロット34、35および36が環状裾部26に形成されている。好ましくは、駆動スロット34、35、36は、環状裾部26の円周に沿って等間隔にある(およそ120°で離間している)中心を有している。さらに、後述されるベンチュリ管64、64’と軸方向に位置合わせされている駆動スロット36は、駆動スロット34、35より短い円周長を有していることが好ましい。当然ながら、本発明は、この特有の構成に限定されない。駆動スロット34、35、36は、それぞれにこれらの下側端38、39、40で開き、下側環状裾部30を完全に貫通し、上側環状裾部28を部分的に貫通して上向きに延在している。このように、駆動スロット34、35、36は、着座エッジ42、43、44を画定する閉鎖した上側端を有している。
【0020】
粉末筐体20は、円形上端壁の中心からオフセットした周辺位置で、円形上端壁24の上面に形成されている弓状マニホールド46、46’を含む。個々のマニホールド46、46’は、それぞれ、円形上端壁24の周辺部に沿って、ある弓状長に亘って円周方向に延在し、周囲の室壁48、48’によって画定される弓状室47、47’を含む。具体的には、個々の室壁48、48’は、円形上端壁24から上向きに延在する下側室壁部50、50’と、下側室壁部50、50’の上側端から上向きに延在する上側室壁部52、52’とによって形成されている。壁部50、50’および52、52’の形状は、実質的に同一であるが、上側壁部52、52’の内寸は、下側壁部50、50’の内寸より小さい。その結果、段部54、54’は、個々の室壁部52、52’の下側端に形成されている。
【0021】
円形上端壁24は、マニホールド46、46’の下側室壁部50、50’と同じ形状および寸法をもち、個々の下側室壁部50、50’の下側端とそれぞれに位置合わせされた開口部55、55’を含む。個々のマニホールド46、46’の上側端と、特に、個々の上側室壁52、52’とは、マニホールド上端壁の中心から下向きに角度を付けられ、そして、マニホールド上壁端に開口部58、58’を有しているマニホールド上端壁56、56’によって閉じている。
【0022】
マニホールド46、46’は、補充品ホルダとして形成されている粉末補充管60、60’を個々に画定する。個々の粉末補充管60、60’の上側端は、開口部58、58’で開いている。個々の粉末補充管60、60’は、それぞれに通常は、吸入用の粉末62、62’で充填されている。ここで使用されているように、用語「粉状薬剤」および「粉末」は、微粉化された粉末、球状化された粉末、マイクロカプセル化された粉末、粉末凝塊などを含み、ここではこれらの用語と互換的に使用される。当業者によって認められるように、粉末62、62’は、異なった粉末でもよく、または、同じ粉末でもよい。異なった粉末62,62’を使用することにより、異なった薬物組み合わせを用いる組み合わせ療法が達成されることがある。その上、同じ粉末である粉末62、62’を用いて、比較的大量の用量の単一の粉末がユーザに投与されてもよい。
【0023】
円錐台吸入ベンチュリ管64、64’が粉末補充管60、60’に実質的に平行であり、かつ、円形上端壁24の中心軸から軸方向にオフセットしている円形上端壁24にさらに形成されている。粉末補充管60の中心軸とベンチュリ管64の中心軸とは、円形上端壁24の周囲部に位置するように円形上端壁24の中心と一致する円に位置している。同様に、粉末補充管60’の中心軸とベンチュリ管64’の中心軸とは、円形上端壁24の周囲部に位置するように円形上端壁24の中心と一致する中心を有している円に位置している。好ましくは、粉末補充管60、60’およびベンチュリ管64、64’の中心軸は、円形上端壁24の中心と一致する中心を有している同じ円に位置している。
【0024】
補充管60、60’とベンチュリ管64、64’とは、円形上端壁24の周りに等間隔にある(例えば、管60、60’および64、64’は、およそ90°離間している)ことが好ましい。補充管60、60’およびベンチュリ管64、64’は、交互形式で配置されていることがさらに好ましい。
【0025】
具体的には、ベンチュリ管64、64’は、下側ベンチュリ管部分66、66’と軸方向に位置合わせされた上側ベンチュリ管部分68、68’とによって個々に形成され、個々にベンチュリ管の下側端から上側端まで内径が減少している。個々の上側ベンチュリ管部分68、68’の上側端は開き、個々の上側ベンチュリ管部分68、68’は、内側環状段部70、70’が上側ベンチュリ管部分68、68’の下側エッジに形成されるように、対応する下側ベンチュリ管部分66、66’より小さい径を有している。円形上端壁24は、下側ベンチュリ管部分66、66’の対応する下側端と同じ形状および寸法をもち、かつ、この下側端と位置合わせされたさらなる開口部72、72’を含む。
【0026】
周囲固定壁74は、下側室壁部50、50’および下側ベンチュリ管部分66、66’と包囲関係で、円形上端壁24の周囲部上でほぼ円弧状に延在する。1つ以上のギャップ76が管60と管64’との間の位置で固定壁74に設けられている。さらに、半径方向に延在する環状リップ部80が固定壁74の上側端から外向きに延在することがある。
【0027】
以下の説明から理解されるように、後述されるように計量プレートと迎合する表面は、できる限り滑らかであること、すなわち、表面内のうねりが非常に少ないことが必要である。円形上端壁24の下面を利用することが可能である。しかし、これは、貯蔵器本体22を単一部品として成形するときに達成することが難しい。したがって、この問題を解決するために、貯蔵器プラグ90が図9に示されるように設けられている。
【0028】
具体的には、貯蔵器プラグ90は、うねりのない非常に滑らかな下面を有するためにプレート92の薄さに起因して成形することができる薄い円形プレート92を含む。円形プレート92の外径は、上側環状裾部28の内径と実質的に等しいので、図4に示されるように、貯蔵器プラグ90は、上側環状裾部の中に嵌め込むことができる。この条件下では、円形プレート92の下面は、駆動スロット34、35、36の着座エッジ42、43、44と実質的にぴったり重なる。
【0029】
円形プレート92は、2つの円形孔94、94’と、2つの実質的に楕円形孔98、98’とを有し、全部が、好ましくは、プレート92の中心に中心がある仮想円に沿って広がる中心を有している。
【0030】
円形プレート92の上面に形成された円形プラグ管100、100’は、それぞれ円形孔94、94’を取り囲む関係を有している。管100、100’は、個々にこれらの管の上側端および下側端で開き、対応する下側ベンチュリ管部分66、66’の内径および高さとそれぞれ実質的に等しい外径および高さと、対応する上側ベンチュリ管部分68、68’の内径に等しい内径とを有している。このようにして、貯蔵器プラグ90が上側環状裾部分28の内部に挿入されるとき、プラグ管100、100’は、下側ベンチュリ管部分66、66’の内部に嵌り込み、プラグ管100、100’の内面は、上側ベンチュリ管部分68、68’の対応する内面の滑らかな連続部を個々に形成する。このように条件では、個々のプラグ管100、100’の上側エッジは、ギャップがプラグ管100、100’と対応する上側ベンチュリ管部分68、68’との間に形成されないように、対応する環状段部70、70’に当接する。
【0031】
弓状プラグ管102、102’が対応する実質的に楕円形孔98、98’と包囲関係で円形プレート92の上面に形成されている。個々のプラグ管102、102’は、マニホールド46、46’の対応する下側室壁部50、50’と同じ形状を有している。個々のプラグ管102、102’は、それぞれの上側端および下側端で開き、対応する下側室壁部50、50’のそれぞれの内側形状、高さおよび寸法と実質的に等しい外側形状および寸法と、対応する上側壁部52、52’の内側形状および寸法に等しい内側形状および寸法とを有している。このようにして、図15に示されるように、貯蔵器プラグ90が上側環状裾部分28の内部に挿入されるとき、プラグ管102、102’は、下側室壁部50、50’の内部に嵌り込み、プラグ管102、102’の内面は、上側室壁部52、52’の対応する内面の滑らかな連続部を個々に形成する。このように条件では、個々のプラグ管102、102’の上側エッジは、ギャップがプラグ管102、102’と対応する上側室壁部52、52’との間に形成されないように、対応する段部54、54’に当接する。
【0032】
プラグ管100、100’および102、102’の外面は、滑らかであるとして前述されているが、このように外面は、リブ部付きで形成できることが認められるであろう。
【0033】
貯蔵器プラグ90の代替的な実施形態として、貯蔵器プラグ90’は、貯蔵器プラグ90の要素に対応する要素が、二重プライム(’’)が付けられた同じ参照番号によって識別される図4の断面図に示されている。
【0034】
図示されるように、少なくとも1つのプラグ管100’’は、ベンチュリ効果をもたらすために、上側端から下側端まで徐々に細くなる円錐台構成と一体とになった内径を有している。その上、少なくとも1つの弓状プラグ管102’’の内径は、上側室壁部52、52’の内径より大きくてもよい。さらに、滑らかな下面をより確実にするために、電解研磨されたステンレス鋼の薄い平坦な円形金属プレート93’’が貯蔵器プラグ90’’の下面に固定されている。この場合、プレート92’’は、弓状プラグ管102’’と同じ寸法をもつ開口部101’’を有し、その上、楕円形孔98’’が金属プレート93’’に設けられている。当然ながら、金属プレート93’’は、円形プレート92’’の円形孔94’’と一致するさらなる円形開口部95’’を有している。好ましくは、金属プレート93’’は、プラスチックベース材料に挿入成形される。金属部は、組み立てられた装置内の計量プレート180と接触し、貯蔵器からの粉末の漏れを妨害するために、非常に平坦で、滑らかで、かつ、堅い表面をもたらす。その上、金属は、用量充填動作中に、表面間で摩擦によって発生させられ、投与ステーションに出入りする粉末流に悪影響を与える可能性がある静電気電荷を分散する。
【0035】
図10から図14に示されるように、駆動本体120は、円形上端壁122の周囲から下向きに延在する環状裾部124を有している円形上端壁122を含む。
【0036】
環状裾部124は、上側端が円形上端壁122の周囲から下向きに延在する上側環状裾部分126と、上側環状裾部分126の下側端から下向きに延在する下側環状裾部128とを含む。下側環状裾部分128は、上側環状裾部分126の内径および外径よりそれぞれ大きい内径および外径を有している。したがって、内径環状段部130は、環状裾部124の内側に沿って、上側環状裾部分126の下側エッジに形成されている。しかし、上側環状裾部分126と下側環状裾部分128との間の移行エリアの外面は、円錐台表面132として形成されている。
【0037】
さらに、下側環状裾部分128の内径は、貯蔵器本体22の上側環状裾部分28の外径と実質的に同じであり、上側環状裾部分126の内径は、貯蔵器本体22の周囲固定壁74の外径と実質的に同じである。したがって、貯蔵器本体22は、緊密な嵌め合いで駆動本体120に嵌る。
【0038】
貯蔵器本体22および駆動本体120をこのように位置に一体的にロックするために、例えば、通路の形をしているような環状保持エリア138が環状段部130に平行に、かつ、上方へ離間して形成された上側裾部分126の内面に画定される。このようにして、貯蔵器本体22が前述の方法で駆動本体120の内部に挿入されるとき、リップ部80は、周囲固定壁74の上側端で、プラスチック部品の弾力性のために、上側裾部分126の内面に載り、図15に示されるように、環状保持エリア138の内部に保持される。リブ部または他の突起部は、保持エリアの保持効果を高めるために、保持エリア138に隣接して画定されることがある。
【0039】
円形上端壁122は、ベンチュリ管64、64’の上側エッジが円形上端壁122の上面と実質的にぴったり重なるようにベンチュリ管を受承するため位置合わせされた2つの円形開口部142、142’と共に形成される(図15)。
【0040】
2つの円形プラグ管144、144’は、それぞれ粉末補充管60、60’と位置合わせされた円形上端壁122の下面から下方へ下がる。円形プラグ管144、144’は、対応する粉末補充管60、60’の内径と実質的に等しいか、または、この内径より僅かに大きい外径を個々に有している。このようにして、プラグ管144、144’は、貯蔵器本体22が駆動本体120と組み立てられたとき、粉末補充管60、60’の上側開口端を閉じる。したがって、粉末62、62’は、マニホールド46、46’と、開口部55、55’と、実質的に楕円孔98、98’とを通り抜けてはじめて逃げることができる。
【0041】
さらに、湾曲したリテーニング壁148、148’は、貯蔵器本体22と駆動本体120とが組み立てられたとき、粉末補充管60、60’と円錐台ベンチュリ管64、64’との間でさらなる分離を確実にするために、それぞれ円形開口部142、142’を部分的に取り囲む関係で円形上端壁122の下面から下向きに延在する。
【0042】
2次気流を与えるために、後述されるように、壁画定上側環状裾部分126は、駆動本体120の円周方向で円形開口部142’に隣接した第1の外側空気通路150と、円形開口部142に隣接した第2の外側空気通路152とを形成するために半径方向へ内向きに延在する。
【0043】
短い、軸方向に延在する上側案内壁154および156が、より詳細に後述されるように、ノズルを駆動本体120に固定するために円形上端壁122の上面の周囲から僅かに内向きに離間した共通の円弧に沿って形成される。具体的には、上側案内壁154は、空気通路150と152との間の大きい方の弧に沿って円周に形成され、上側案内壁156は、空気通路150と152との間の小さい方の弧に沿って円周に形成される。上側案内壁154および156が広がる共通の円弧は、半径方向に上側案内壁154および156から外向きに設置された、円形上端壁122に環状リテーニング・レッジ部159を画定するために、円形上端壁122の周囲エッジから僅かに離間している。
【0044】
以下の説明から明白になる目的のための4つの実質的に等角度に配置された、細長い弓状リセス部158a−158dがリテーニング・レッジ部159に形成されている。リセス部158a−158dは、異なった弓状距離に沿って延在する。例えば、リセス部158a、158bおよび158cは、弓状距離45度に亘って延在することがあり、リセス部158dは、弓状距離28度に亘って延在することがある。
【0045】
さらに、下側環状裾部分128は、上側環状裾部分126と下側環状裾部分128との交点で、それぞれの接続部167から下向きおよび僅かに外向きに延在するスプリング・フィンガー部161、163、165をそれぞれ格納している駆動開口部164、166、169を形成するために離間した位置で切り取られる。スプリング・フィンガー部161、163、165は、図示されるように、下側環状裾部分128の下側エッジの下に延在する。後述されるように、駆動開口部164、166、169は、駆動本体120を回転させるために係合されている。図示されるように、各スプリング・フィンガー部161、163、165は、スプリング・フィンガー部の長さ方向に関して実質的に中央に位置している凹部171を内部に有するために曲げられ、または、凹型形状に形成されている。
【0046】
1つ1つの粉末補充管60、60’からベンチュリ管64、64’へ計量粉末62、62’を供給するために、計量プレート180は、貯蔵器プラグ90の直ぐ下で、貯蔵器本体22の上側環状裾部分28の内部に設けられている。図16から図19に示されるように、計量プレート180は、円盤の周囲付近に、粉末容器としての役目を果たす、すなわち、計量粉末62、62’を保持する2個の計量孔184、184’を有している薄い円盤182を含む。計量孔184、184’は、直径方向に正反対の場所にあることが好ましい。計量粉末が計量孔184、184’を通って落ちることを防止するために、粉末リテーナ186、186’が円盤182の下面に対し被覆する関係で形成され、少なくとも計量孔184、184’の上に広がる。好ましくは、粉末リテーナ186、186’は、円盤182の下面より下にある粉末薬剤の顕著な損失を妨げると共に、通過する気体流に最低限の制限的な効果しか与えない網目スクリーン、フィルタ、多孔性材料などによって形成されている。粉末リテーナ186、186’は、セルロース物質、高分子物質、金属、セラミック、ガラス、または、これらの合成物といったいずれの適当な材料からでも作ることができ、例示的な有用な材料は、焼結多孔性プラスチック、多孔性高分子膜、天然若しくは人工織物、不織人工織物などを含む。より具体的には、有用な材料は、ポリエステルおよびポリオレフィン織網と、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ二塩化ビニリデン、および、セルロース混合エステルの多孔性膜とを含む。
【0047】
粉末リテーナ186、186’は、どんな既知の方法で構成され、計量プレート180に貼り付けられてもよい。非限定的な一例として、粉末リテーナ186、186’は、特許文献1に記載されるように、計量プレート180に形成されたリセス部内に貼り付けられてもよい。
【0048】
本発明によれば、対応するリセス部の内部に粉末リテーナ186、186’を容易かつ正確に形成するために、計量プレート180は、好ましくは、挿入成形工程によって形成される。計量プレートを形成する特許文献1に記載された挿入成形工程が利用されてもよい。その上、特許文献1は、同様に利用されてもよい粉末リテーナ186、186’を構成し、計量プレートに貼り付ける代替的な方法を記載する。
【0049】
環状取り付け支柱188は、円盤182の下面から下向きに延在し、円盤に中心が位置している。環状取り付け支柱188は、計量孔184、184’と軸方向の関係で、取り付け支柱188の内面に沿って軸方向に延在する棒状部190と共に形成されている。棒状部190は、円盤182の下面から、取り付け支柱188の下側エッジから僅かに離間した位置まで延在し、好ましくは、正方形断面構成を有している。以下の説明から理解されるように、棒状部190は、貯蔵器本体22、貯蔵器プラグ90、および、駆動本体120を含む粉末筐体20が回転させられるとき、計量プレート180が粉末筐体20に対して静止し続けることを確実にする。
【0050】
動作中に、計量孔184は、初期的に円錐台ベンチュリ管64と位置合わせされ、計量孔184’は、初期的に円錐台ベンチュリ管64’と位置合わせされている。後で説明されるように、粉末筐体20は、好ましくは、計量プレート180に対して120度の角度で回転することだけが許容される。当業者によって認められるように、他の動作角度範囲が本発明と両立して用いられる。初期プライミング回転中に、計量孔184、184’は、マニホールド46、46’と、実質的に楕円形孔98、98’との下を通過する。その結果、粉末62、62’は、それぞれ、計量孔184、184’の範囲に入り、計量孔へスクラップされる。具体的には、実質的に楕円形孔98、98’を画定する側壁は、粉末62、62’を計量孔184、184’にスクラップするために機能する。楕円形孔98、98’は、円形孔94、94’から、計量プレート180と相対的な粉末筐体20の運動の範囲より短い距離だけ離間しているので、計量孔184は、楕円形孔98とマニホールド46とを完全に通り過ぎ、一方、計量孔184’は、装置10の作動中に楕円形孔98とマニホールド46’とを通り過ぎることが認められる。その後、初期位置へ戻る復路回転中に、計量孔184は、ベンチュリ管64と位置合わせされた状態に戻るまでマニホールド46と実質的に楕円形孔98’との下を通過し、一方、用量孔184’は、ベンチュリ管64’と位置合わせされた状態に戻るまでマニホールド46’と実質的に楕円形孔98との下を通過する。この復路中に、実質的に楕円形孔98、98’を画定する側壁は、粉末62、62’を計量孔184、184’へスクラップするために同様に機能し、よって、用量孔184、184’が完全かつ正確に充填されることを確実にする。このように、スクラップ動作は、反時計回りの回転と時計回りの回転の両方の間に行われ、すなわち、回転負荷段階と、吸入段階への逆向き運動との両方の間に行われる。計量孔184、184’がそれぞれにベンチュリ管64、64’と位置合わせされたとき、ユーザは、この場合、ベンチュリ管64、64’を介して吸入し、用量孔184、184’を介した引き出しおよび吸引を引き起こすことだけが必要であり、計量粉末62、62’は、ベンチュリ管64、64’を介して引き上げられ、ユーザへ送達される。
【0051】
当業者によって理解されるように、補充管60、60’と計量プレートとの間の相対運動は、投与器10の作動(投与準備と投与の両方)のため必要とされる。相対運動は、回転運動であるとして記載され、明らかにされている。直線相対運動は、対応して形成された構成要素と共に(すなわち、回転の半径が無限大(∞)に設定される)同様に利用されてもよいことが理解されるべきである。
【0052】
図16を参照すると、計量孔184、184’は、同じサイズであることが明らかにされる。このように、計量孔184、184’は、同じサイズの用量を提供するため構成されている。図17および図21に示されるように、計量孔184、184’は、異なった寸法で形成されることがある。このようにして、計量孔184、184’は、異なったサイズの用量を収容することがある。
【0053】
計量孔184、184’のサイズとは無関係に、粉末62、62’は、様々なタイプでもよい。粉末62、62’は、異なった薬物(例えば、異なった組成、同じ組成、異なった強度)でもよく、および/または、異なった物理的性質または特性(例えば、患者の呼吸器系における異なった標的エリアに到達するように、異なった空気力学的粒子サイズ分布(APSD))が与えられることがある。その上、粉末62、62’は、異なった点で排出流の中に導入することができ、それによって、粉末62、62’を異なった排出条件に置くこと(例えば、より高い排出速度またはより低い排出速度、より高い非凝集化またはより低い非凝集化を受けること)が許される。一方のタイプの粉末が、組み合わせを形成するときに他の粉末より大量に投与されてもよい。したがって、異なったサイズの粉末62、62’の用量が組み合わされることがある。同様に、異なった量の粉末62、62’がそれぞれ粉末補充管60、60’に初期的に設けられることがある。この配置構造体を用いると、異なった薬物の投与が異なった期間に亘って実施されることがある。例えば、粉末のうちの一方62は、7日間投与に亘って供給されることがあり、粉末のうちのもう一方62’は、より長期間投与(例えば、7−30日間)に亘って供給されることがある。非限定的な例として、長期間(例えば、21日間)に亘って供給されるステロイドと共に抗生物質が比較的短期間(例えば、7日間)に亘って供給されることがある。この配置構造体を用いると、投与器10は、第1の期間に亘って両方の薬物を投与し、その後、期間の長い方の薬物だけを投与する。投与器10は、配合禁忌の(例えば、化学的に配合禁忌の)薬物が同時に蓄積され、送達されることを可能にする。
【0054】
本発明と共に用いられる適当な少なくとも1つの活性薬剤は、限定されることなく、抗コリン作動薬、コルチコステロイド、長時間作用β作動薬、短時間作用β作動薬、ホスホジエステラーゼIV阻害剤を含む。適当な薬品は、呼吸性疾患、炎症性疾患、または、閉塞性気道疾患の予防または治療のため役に立つことがある。このように疾患の例は、喘息または慢性閉塞性肺疾患を含む。
【0055】
適当な抗コリン作動薬は、(R)−3−[2−ヒドロキシ−2,2−(ジチエン−2−yl)アセトキシ]−1−1[2−(フェニル)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン、グリコピロレート、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、硝酸メチルアトロピン、硫酸アトロピン、イプラトロピウム、ベラドンナエキス、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド、メトスコポラミン、ホマトロピンメトブロミド、ヒヨスチアミン、イソプリオプラミド、オルフェナドリン、塩化ベンザルコニウム、臭化チオトロピウム、GSK202405、上記のいずれかの個別の異性体、または、上記のうちのいずれか、若しくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を含む。
【0056】
適当なコルチコステロイドは、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオンベクロメタゾン、ブデソニド、フルチカゾン、デキサメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、(22R)−6α,9α−ジフルオロ−11β,21−ジヒドロキシ−16α,17α−プロピルメチレンジオキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン、チプレダン、GSK685698、GSK799943、または、上記のうちのいずれか、若しくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を含む。
【0057】
適当な長時間作用型β作動薬は、カルモテロール、インダカテロール、TA−2005、サルメテロール、フォルモテロール、または、上記のうちのいずれか、若しくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を含む。適当な短時間作用型β作動薬は、アルブテロール、硫酸テルブタリン、メシル酸ビトルテロール、レバルブテロール、硫酸メタプロテレノール、酢酸ピルブテロール、または、上記のうちのいずれか、若しくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を含む。
【0058】
適当なホスホジエステラーゼIV阻害剤は、シロミラスト、ロフルミラスト、テトミラスト、1−[[5−(1(S)−アミノエチル)−2−[8−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)−5−キノリニル]−4−オキサゾリル]カルボニル]−4(R)−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−L−プロリン、エチルエステル、または、上記のうちのいずれか、若しくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を含む。
【0059】
本発明の一部の実施形態では、少なくとも1つの活性薬剤は、モメタゾンフロエートのようなコルチコステロイドを含む。モメタゾンフロエートは、化学名9,21−ジクロロ−11(β),17−ジヒドロキシ−16(α)−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン17−(2フロエート)を有する抗炎症性コルチコステロイドである。これは、実際には水に不溶性であり、メタノール、エタノール、および、イソプロパノールに僅かに溶け、アセトンおよびクロロホルムに溶け、テトラヒドロフランに溶けやすい。オクタノールと水との間のこれの分配係数は、5000より大きい。モメタゾンは、一水化物のような様々な水和型、結晶性、かつ、光学異性の形状で存在することができる。
【0060】
少なくとも1つのAPAは、凝塊の形でもよい。米国特許第6503537号に記載された凝塊のような薬物単独、または、別の物質との凝塊が利用されることがあり、この文献は、ここに組み込まれている。固体バインダと薬理学的活性剤とを凝集化するどのような方法が使用されてもよい。固体バインダの非結晶内容物を結晶形状に変換することなく早期に達成することができ、かつ、追加的なバインダの使用を必要としない方法を含む有用な凝集化方法は、本発明により実施することができる。
【0061】
有用な凝塊は、約100から約1500μmまでサイズが変動する凝塊を含む。凝塊は、約300から約1000μmまでの平均サイズを有することがある。有用な凝塊は、約0.2から約0.4g/cm3まで、または、約0.29から約0.38g/cm3まで変動するかさ密度を有することがある。
【0062】
密な粒子サイズ分布を有することが有用である。これに関連して、粒子サイズは、凝塊のサイズを指す。好ましくは、約10%を超えない凝塊は、平均または標的凝塊サイズより50%小さいか、または、50%大きい。例えば、300μmの凝塊に対し、約10%を超えない凝塊は、約150μmより小さいか、または、約450μmより大きい。
【0063】
前述の規準の全部を満たす本発明による凝塊を調製する有用な方法は、予め選ばれた量の1つ以上の薬理学的活性剤と、固体バインダの量に対して約100:1と約1:500との間の比率、約100:1と約1:300(薬物:バインダ)との間の比率、約20:1と約1:20との間の比率、または、約1:3から約1:10までの比率で乾燥固体バインダを含有する微粉化された非結晶内容物とを混合することを含む。
【0064】
有用な凝塊は、約50mgと約5000mgとの間、より好ましくは、約200mgと約1500mgとの間を変動する強度を有することがある。クラッシュ強度は、日本国東京のセイコーインスツル株式会社から入手できるセイコーTMA/SS 120C 熱機械分析器で、製造業者から入手できる手順を使用して試験した。このようにして測定された強度は、ここに記載された粒子内結晶結合の質および広がりによる影響を受けることに注意されたし。しかし、凝塊のサイズは、測定されたクラッシュ強度にも関与する。一般に、より大きい凝塊は、粉砕するために小さい粒子より大きい力を必要とする。
【0065】
相対的な回転を提供するために、図3、4および図22−26に示されたベース200に、計量プレート180が非回転式に取り付けられ、粉末筐体20が回転式に取り付けられている。ベース200は、円形上端壁の周囲から下向きに延在する環状裾部204を有している円形上端壁202を含む。円形上端壁202の周囲エッジは、外側環状レッジ部206を画定するために切り取られている。環状支持リップ部208は、環状裾部204の半径方向に環状裾部から外向きに延在するために、環状裾部の下側端で環状裾部204の外面に形成されている。支持リップ部208の径より小さい径を有している環状壁209は、支持リップ部208の上側端に形成されている。図4に示されるように、環状壁209は、環状壁の外面に複数の軸方向に離間した環状歯211を有することができる。その上、環状リテーニング・リム部210は、環状裾部204の半径方向に環状裾部204から外向きに延在するように、環状裾部204の上側外面に、支持リップ部208および環状壁209と平行に、そして、環状壁209の上方へ離間して形成されている。リテーニング・リム部210は、環状壁209の径より僅かに小さい径を有している。このようにして、環状リテーニング・ギャップ212が環状壁209とリテーニング・リム部210との間に形成されている。
【0066】
さらに、リテーニング・リム部210より上であるが、上端壁202より下の高さまで環状壁209から上向きに延在する小さい支柱214が形成されている。支柱214は、環状壁209の外径に等しい外径を有しているが、リテーニング・リム部210とも接続され、ギャップ212の内部に延在する。
【0067】
円筒隆起部216が円形上端壁202の上面に中心を置いて、かつ、軸方向に形成され、この円筒隆起部の上側環状部217は、部分的に切り取られ、この円筒隆起部の放射状部分219は、同様に切り取られている。円筒隆起部216より小さい径をもつ同軸リテーニング支柱218が円筒隆起部216の上側端に形成されている。それに応じて、外側環状レッジ部220が円筒隆起部216の上側エッジに形成されている。リテーニング支柱218は、計量プレート180の環状取り付け支柱188の内径より僅かに小さい外径を有している。リテーニング支柱218は、リテーニング支柱の長さに沿ったスロット222と共に形成されている。それに応じて、棒状部190とスロット222とのため、計量プレート180の取り付け支柱188は、貯蔵器本体22、貯蔵器プラグ90および駆動本体120を含む粉末筐体20が回転させられるときに、計量プレート180が粉末筐体20に対して静止したまま保たれることを確実にするために、非回転式にリテーニング支柱218に留められている。
【0068】
2つの短いスタブ壁221および223が円筒隆起部216の直ぐ反対側で上端壁202の上面に形成されている。スタブ壁221および223は、およそ30度の角度で互いに対して角度が付けられている。
【0069】
以下で詳細に説明されるカウンタ機構部の一部として、第1の回転防止スプリング・デテント224が円形上端壁202に片持ち梁式に取り付けられている。具体的には、湾曲した垂直デテント支持壁226は、環状レッジ部206と円筒隆起部216との間の実質的に中間位置で円形上端壁202から上向きに延在し、第1の回転防止スプリング・デテント224は、デテント支持壁226の一方のエッジ228から、円形上端壁202に平行に、そして、円形上端壁202の上方へ離間して延在する。さらに、第1の回転防止スプリング・デテント224の自由端は、半径方向外向きに向けられたタブ230がこの自由端に設けられている。
【0070】
同様に、以下で詳細に説明されるカウンタ機構部の一部として、第2の回転防止スプリング・デテント232が円形上端壁202に片持ち梁式に取り付けられている。具体的には、第2の回転防止スプリング・デテント232は、デテント支持壁226のエッジ228から、円形上端壁202に平行に、円形上端壁202より上方へ離間して、第1の回転防止スプリング・デテント224に平行に、そして、第1の回転防止スプリング・デテント224より上方へ離間して延在する。第2の回転防止スプリング・デテント232の自由端は、半径方向外向きに向けられたタブ234が設けられている。
【0071】
三角形状の区分状リセス部236がデテント224および232と対応して、支柱214に対し直径方向に反対の位置で、支柱214と円形上端壁202に形成されている。具体的には、リセス部236は、接続されたデテント232の端と実質的に一致している第1の半径方向境界240と、デテント232の長手方向と位置合わせされて延在する第2の境界242とを含む。
【0072】
さらに、浅いリセス部243が、環状レッジ部206の半径方向外側エッジに、区分状リセス部236と位置合わせされ、そして、支柱214に対し直径方向に反対の位置で設けられている。
【0073】
貯蔵器プラグ90の薄い円形プレート92の下面と係合した状態へ計量プレート180をスプリング付勢するために、そして、計量孔184、184’がベンチュリ管64、64’と位置合わせされているときに限り粉末62、62’を吸入できることを確実にするために、付勢組立体が設けられている。
【0074】
付勢組立体は、図3、4および図27から図31に示されるように、リテーニング支柱218を越えて、環状レッジ部220に取り付けられた下側スプリング・リテーナ260を含む。具体的には、下側スプリング・リテーナ260は、リテーニング支柱218を受承するためにサイズ処理された中心開口部264を有している円盤262を含む。環状隆起部266は、中心開口部264を取り囲む関係で円盤262の下面から延在する。リテーニング支柱218が環状隆起部266および中心開口部264を通って延在するとき、環状隆起部266の下側エッジが環状レッジ部220に着座する。
【0075】
上側環状リテーニング・リップ部268は、円盤262の周囲エッジから上向きに延在する。さらに、半径方向に延在する被駆動イヤー部270、271および272が環状リップ部268の周囲エッジに沿って形成されている。イヤー部270は、駆動スロットの中に嵌り、この駆動スロットによって駆動されるように貯蔵器本体22の駆動スロット36の幅と実質的に等しい幅を有し、そして、イヤー部271、272は、駆動スロットの中に嵌り、この駆動スロットによって駆動されるように貯蔵器本体22のそれぞれの駆動スロット34、35の幅と実質的に等しい幅を有している。
【0076】
さらに、弓状爪駆動壁274が環状突起部266と円盤262の周囲との間で円盤262の下面から延在する。爪駆動壁274は、カウンタ機構部を参照して以下で詳述されるように、反対側の爪駆動端276および278を含む。
【0077】
付勢組立体は、下側スプリング・リテーナ260の円盤262の上面に着座し、環状リテーニング・リップ部268によって円盤の下面に拘束された一端を有しているコイルスプリング290をさらに含む。
【0078】
図3、4および図32から図33に示されるように、付勢組立体は、計量プレート180を支持し、上側スプリング・リテーナとして機能し、計量プレート180を貯蔵器プラグ90の薄い円形プレート92の下面に付勢し、そして、計量孔184、184’がベンチュリ管64、64’と位置合わせされているときに限り、計量孔184、184’を介する吸入を許可する支持プレート300をさらに含む。
【0079】
具体的には、支持プレート300は、円盤302の周囲エッジから下向きに延在する環状リテーニング・リップ部304を有している円盤302によって形成されている。
【0080】
3つの半径方向に延在する被駆動イヤー部306、307、308は、環状リップ部304の周囲エッジに形成されている。イヤー部306は、駆動スロットの中に嵌り、駆動スロットによって駆動されるように、貯蔵器本体22の駆動スロット36の幅に実質的に等しい幅を有し、イヤー部307および308は、駆動スロットの中に嵌り、駆動スロットによって駆動されるように、貯蔵器本体22の駆動スロット34および35の幅に実質的に等しい幅を有している。イヤー部306、307、308の高さは、環状リップ部304の高さより低く、イヤー部306、307、308の下面は、環状リップ部304の下側エッジと実質的にぴったり重なるが、本発明は、このように制限されない。
【0081】
その上、中心円形孔310は、円盤302に形成され、計量プレート180の環状取り付け支柱188を回転式に受承するためサイズ処理されている。半径方向に延在するスロット312は、円形孔310から延在し、この円形孔と連通している。スロット312は、計量孔184、184’がベンチュリ管64,64’と位置合わせされ、そして、他の時点で計量孔184、184’から外れ、それによって、重なり合わないときに、スロット312の半径方向外側部分が計量孔184、184’と重なり合うように半径方向外側部分が距離によって半径方向へ外向きに延在する。
【0082】
前述されているように、粉末リテーナ186、186’は、通過する気体流に最低限の制限的な効果しか与えない網目スクリーン、フィルタ、多孔性材料などによって形成されている。しかし、網目スクリーンなどが使用されるとき、気体流の減少と、それによって、ユーザによる吸引におよそ35%の減少とが生じる。代替的な実施形態によれば、図34に示されるように、網目スクリーンなどで構成されている粉末リテーナ186は、スロット312の下で、支持プレート300の円盤302の下面へ移転することができる。したがって、網目スクリーンなどは、半径方向に延在するスロット312を通る気体流を減少させるが、これは、スロット312より小さい計量孔184または184’を通る気体流を効果的に制限しない。このように、1次気流は、計量プレート180の断面幅と無関係である。さらに、網目粉末リテーナ186が計量孔184または184’に存在しないので、計量孔184、184’を通る気流を減少させない。
【0083】
計量プレート180は、棒状部190およびスロット222のため、ベース200に静止状態に保たれることが前述の説明から認められる。さらに、貯蔵器本体22、貯蔵器プラグ100および駆動本体120で構成された粉末筐体20は、ベース200および計量プレート180に対して回転式に取り付けられている。
【0084】
その上、支持プレート300は、計量プレート180の下面を支持するために、計量プレートの下面と係合する状態へ付勢される。この動作中に、半径方向に延在するスロット312は、計量孔184、184’がベンチュリ管64、64’と位置合わせされているときに限り、計量孔184、184’と位置合わせされている。このようにして、計量孔184、184’がベンチュリ管64、64’から外れているときに計量孔184、184’の内部にある粉末62、62’は、網目粉末リテーナ186、186’と、下側端で支持プレート300の円盤302の上面とによって、そして、上側端で貯蔵器プラグ90の薄い円形プレート92の下面によって計量孔184、184’において挟まれている。以下で詳細に検討されるように、計量粉末投与器10の保存または停止位置において、計量孔184、184’が準備され、半径方向に延在するスロット312から外れた位置に置かれる。このように位置において、計量孔184、184’の中の粉末62、62’は、支持プレート300の円盤302の上面と貯蔵器プラグ90の薄い円形プレート92の下面との間に保持されるので、計量孔184、184’から逃げられない。
前述の要素のすべてを一緒に確実に保持するために、計量粉末投与器10は、図3、4および図35から図36に示されるように、アダプタ320をさらに含む。これらの図に示されるように、アダプタ320は、貯蔵器本体の上に容易に嵌るように、貯蔵器本体22の下側環状裾部分30の外径より大きい内径を有している下側環状壁322を含む。下側環状壁322の内径は、ベースの上に嵌るようにベース200の環状裾部204の外径より同様に僅かに大きいが、ベース200の環状リテーニング・リム部210の外径より僅かに小さい。
【0085】
環状溝324は、下側環状壁322の内側下側端に、下側環状壁の下側エッジより上方へ僅かに離間して形成されている。それに応じて、プラスチック部品の弾力性のために、アダプタ320がベース200の上に挿入され、ベースへ押し下げられたとき、ベース200のリテーニング・リム部210は、ベース200上にアダプタ320を保持するために、環状溝324にスナップ留めされる。この時点で、環状歯211は、図4に示されるように、下側環状壁322の内面を係合することができる。
【0086】
アダプタ320とベース200との間で正確な位置合わせを達成し維持するために、アダプタ320は、溝324の内部に小さいスロット326が設けられている。スロット326は、支柱を受承するためにベース200における小さい支柱214の幅に実質的に等しい幅を有している。当然ながら、支柱214は、アダプタ320に設けることが可能であり、スロット326は、ベース200に設けることが可能であり、すなわち、部品の逆転が認められる。このようにして、アダプタ320の回転は、ベース200をアダプタと共に回転させる。
【0087】
下側環状壁322の外面は、計量粉末投与器10のグリップおよび回転を向上させるために、好ましくは、うねり、刻みなどによって形成されたグリップ面328が設けられている。
【0088】
矩形開口部329は、下側環状壁322に、スロット326に対し実質的に直径方向に反対の位置で、下側環状壁322の高さに沿って実質的に中心に形成されている。矩形透明プラスチック窓330は、接着、溶接などによって開口部329に固定されている。窓330は、より詳細に後述されるカウンタ機構部と共に使用される。
【0089】
アダプタ320は、下側環状壁322より小さい径をもち、外側環状段部334によって下側環状壁322の上側端に接続された上側環状壁332をさらに含む。
【0090】
環状付勢リップ部338は、上側環状壁332の内面に形成されている。アダプタ320が前述されたようにアダプタ320をベース200にロックするために押し下げられたとき、環状付勢リップ部338は、貯蔵器本体22の外側環状段部32に着座し、それによって、コイルスプリング290の力に対抗して貯蔵器本体22を下へ付勢する。それに応じて、コイルスプリング290は、圧縮されるので、付勢力は、常に強制的に支持プレート300を計量プレート180と当接させ、常に強制的に計量プレート180を貯蔵器プラグ90と当接させる。しかし、このように付勢動作は、アダプタ320および計量プレート180に相対的な貯蔵器本体22の回転を依然として許容する。
【0091】
同時に、この圧縮は、被駆動イヤー部270および306が常に駆動スロット36の内部に位置し、被駆動イヤー部271、272および307、308が常に駆動スロット34および35の内部に位置するので、貯蔵器本体22の回転が下側スプリング・リテーナ260および支持プレート300の結果として生じる回転を引き起こすことを確実にする。計量プレート180は、棒状部190およびスロット222に起因して、ベース200上で静止状態に保持されるので、粉末筐体20(貯蔵器本体22、貯蔵器プラグ90および駆動本体120で構成されている)と、下側スプリング・リテーナ260と、支持プレート300とは、ベース200、計量プレート180およびアダプタ320に対して回転式に取り付けられる。
【0092】
前述された組み付け後の状態で、駆動本体120の下側環状裾部分128の下側エッジは、アダプタ320の上側環状壁332の上側エッジに重なり、回転する。計量プレート180の計量孔184、184’を通過する気流を設けるために、離間したリセス部340、341、342が上側環状壁332に形成され、上側環状壁の上側エッジから環状付勢リップ部338まで広がる。リセス部340は、駆動スロット36の幅に等しい幅を有し、リセス部341、342は、駆動スロット34、35の幅に等しい幅を有している。計量孔184、184’が貯蔵器本体22のベンチュリ管64、64’、および、支持プレート300の半径方向に延在するスロット312と位置合わせされたとき、リセス部340は、駆動スロット36と位置合わせされ、リセス部341、342は、駆動スロット34、35と位置合わせされている。それに応じて、ベンチュリ導管64、64’上の吸引は、計量孔184、184’内の計量粉末62、62’を投与器10のユーザへ送達するために、リセス部340および駆動スロット36の中と、リセス部341、342および駆動スロット34、35の中と、その後、半径方向に延在するスロット312、計量孔184、184’、および、ベンチュリ管64、64’の中とに空気を流す。
【0093】
その上、リセス部340、341、342は、後述されるように、キャップが取り外された後、所定の位置に組立体をロックするために、スプリング・フィンガー部161、163、165を受承するように方向が合わされている。
【0094】
図35から図36に示されるように、リセス部340、341、342は、斜面345が内面に向かう一方側を個々に有し、この目的は、以下で明らかになるであろう。
【0095】
二重螺旋カムトラック352が上側環状壁332の外面に形成され、この目的は、後に続く説明から明らかになる。明らかなことであるが、二重螺旋トラック352を形成する壁353は、実質的に正方形の断面を有し、この目的は、キャップに関する以下の検討から明らかになる。さらに、各カムトラック352への入口351は、回転が開始できる前に垂直降下ゾーンとして形成され、よって、密閉キャップの正確な位置合わせと、その結果、投与器10の正確な動作とを確実にする。
【0096】
粉末が非凝集化され、ベンチュリ管64の上側ベンチュリ管部分68の開口上側端からの吸気と適切に混合されることを確実にするために、図37から図39に示されるように、渦巻ノズル380は、貯蔵器本体22の上側端に取り付けられている。凝集された粉末粒子を含む空気は、上側ベンチュリ管部分68から渦巻ノズルへ流れる。機械的な非凝集化は、渦巻ノズルの重要な機能である。その上、渦巻ノズル380は、混合室としての役目を果たし、すなわち、粉末62、62’を一緒に混合する。粉末62、62’は、ベンチュリ管64、64’によって別個に送達されることがあり、その後、1回分の用量として送達するため渦巻ノズル380の中で混合される。
【0097】
当業者によって認められるように、様々な渦巻ノズル構成が本発明と共に用いられる。非限定的な一例として、渦巻ノズル380は、円形上端壁382と、上端壁382の周囲から下向きに延在する環状側壁384とを含む。環状側壁384は、駆動本体120の上側環状裾部分126の外径と実質的に等しい外径を有している。さらに、円形上端壁382と環状側壁384との間の内側接続領域386は、両者の間に滑らかな遷移をもたらし、それによって、粉末62、62’のための滑らかな流路を設けるために湾曲している。換言すると、円形上端壁382と、環状側壁384と、内側接続領域386とによって画定された内側エリアは、やや部分的なトロイダル状の構成を有している。しかし、両者の間の外側接続領域390は、円形上端壁382と環状側壁384との間の断面に実質的に直角を形成する。
【0098】
渦巻ノズル380を駆動本体120の上側端、特に、駆動本体120の環状リテーニング・リッジ部159に固定するために、環状側壁384の下側エッジから下へ延在する4個のスパイク状リブ部392、393、394および396は、等角で形成されている。スパイク状リブ部392、393、394および396は、互いに相違し、かつ、渦巻ノズル380が所定の位置で駆動本体120と組み立てられるように、駆動本体120の弓状リセス部158a−158dの弓状距離とそれぞれに一致する弓状距離に亘って延在する。例えば、スパイク状リブ部392および394は、弓状距離40度に亘って、スパイク状リブ部393は、弓状距離23度に亘って、そして、スパイク状リブ部396は、弓状距離40度に亘って延在することが可能である。スパイク状リブ部392、393、394および396は、リセス部158a−158dがそれぞれ周りに延在する共通円に等しい径を有している共通円に沿って延在する。このように、スパイク状リブ392、393、394および396は、それぞれ、2度の調整クリアランスを用いてリセス部158a−158dの内部に延在する。好ましくは、個々のスパイク状リブ部392、393、394および396は、実質的に三角形状の断面構成をもつ先細端を有している。
【0099】
吸入プロセス中に、渦巻ノズル380と、これに固定されたマウスピース(後述する)とは、駆動本体120から外れ、飲み込まれるかもしれない。したがって、渦巻ノズル380を駆動本体120に固定して締め付けるために、超音波溶接動作が実行される。具体的には、超音波エネルギーは、スパイク状リブ部392、393、394および396の方へ導かれる。このように場合、リブ部392、393、394および396のスパイク状または鋭い端は、より大量のエネルギーを吸収するエネルギーディレクタとして機能する。その結果、スパイク状リブ部392、393、394および396のプラスチック材料は、渦巻ノズル380を駆動本体120に固定するために、リセス部158a−158dのプラスチック材料に融合させられる。この配置構造体を用いると、渦巻ノズル380を固定するため印加される一様なエネルギーが存在し、このように固定動作を実行するために自動運転を使用することができ、いつでも整合性を実現する。
【0100】
このように位置では、第1の外側空気通路150および第2の外側空気通路152は、同様に環状側壁384の内部に供給されるベンチュリ管64、64’からの空気/粉末混合物と混合する2次気流を環状側壁に供給するために環状側壁384から内向きに延在することが認められる。
【0101】
円形上端壁382は、中心開口部402を有し、補充煙突状部404が中心開口部402を取り囲む関係で円形上端壁384の上面に形成されている。
【0102】
粉末凝塊を解体するために、補充煙突状部404を通して粉末凝塊を補充する前に、湾曲螺旋状壁406は、円形上端壁382から下向きに延在し、一方の端408で環状側壁384に接続されている。具体的には、湾曲壁406は、端408から、中心開口部402の周りで部分的に反対側の端410まで片持ち梁式に延在する。このようにして、ギャップ409が端410と湾曲壁406の残りの部分との間に設けられている。湾曲壁406の高さは、環状側壁384の高さに等しく、その結果、前述されるように、渦巻ノズル380が駆動本体120と組み立てられたときに、湾曲壁406の下側エッジが駆動本体120の円形上端壁122に着座する。湾曲壁406は、2つの部分、すなわち、端410から始まり、中心開口部402の周りに部分的に、例えば、165−227度に亘って延在する第1の部分と、第1の部分の端から、第1の部分より大きい半径に沿って端408まで延在する第2の部分とに効果的に形成されている。
【0103】
湾曲壁406は、ベンチュリ管64、64’からの粉末が渦巻空洞412に入り、補充煙突状部404へ入る前に、粉末が速度を増大するとき連続的に方向を変えるように、渦巻空洞412を画定する。このようにして、粉末凝塊は、円形上端壁382と、環状側壁384と、渦巻空洞412内の湾曲壁406とに常に衝突する。さらに、凝塊は、互いに衝突し、その結果、凝塊間に相互の研磨または粉砕作用を生じる。同時に、第1の外側空気通路150および第2の外側空気通路152からの2次気流は、それぞれ、渦巻空洞412内の粉末凝塊の運動を加速するために渦巻空洞412に入る。渦巻空洞412を画定する壁上での粉末凝塊の一定した衝突は、衝突時に凝塊を微粉化された粉末に解体する。基本的に、粉末凝塊が十分な速度で移動する限り、凝塊を解体するために十分な運動エネルギーが存在する。
【0104】
さらに、湾曲壁406と、特に、渦巻空洞412とは、最初に、ベンチュリ管64、64’の軸方向から軸方向に実質的に垂直である横方向へ粉末62の方向を変更する。この横方向では、粉末62、62’は、その後、渦巻空洞412の横方向における方向を連続的に変更することを強制される。渦巻空洞412を出るとき、粉末62、62’の方向は、補充煙突状部404を通る軸方向に再び変更され、同時に、流れの渦成分を維持し、すなわち、煙突状部404を通して螺旋状に渦巻く。微粉化された粉末および残りの凝塊は、渦巻空洞412から加えられる渦巻を維持し、渦巻流が微粉化された粉末および残りの凝塊に遠心力を加え、補充煙突状部404内で追加的な衝突を作り出し、その結果、残りの凝塊のさらなる解体を生じる。
【0105】
しかし、凝塊解体の大半は、渦巻空洞412で行われるべきである。凝塊によって達成される速度は、抵抗力または吸引力と、凝塊の慣性と、螺旋空洞412の長さ、すなわち、抵抗力が凝塊に作用する時間とに依存する。凝塊の慣性のため、凝塊は、凝塊を微粉化された粉末に変換するために渦巻空洞412内の壁に衝突する。
【0106】
その上、本発明によると、煙突状部404は、煙突状部の内壁に沿って延在する垂直方向に向けられた溝または襞405が設けられている。襞405は、凝塊が衝突することができるより広い表面をもたらす。襞405は、より大きい半径をもつか、または、さらに平坦な平面状構成、すなわち、無限半径をもつ6個の垂直凹型壁部分411によって形成されているように示される。しかし、他の適当な配置構造体を設けることが可能である。しかし、どのような配置構造体が設けられるとしても、襞405または他の構成は、垂直方向に向けられ、それによって、不規則な垂直方向に向けられた表面を設けることが好ましい。さらに、図示されるように、襞405は、好ましくは、煙突状部404の上側エッジから湾曲壁406の上側エッジまで延在するが、本発明は、そのように限定されない。
【0107】
襞405は、より大きい非凝集力が分散することを必要とする凝塊の解体に役立つ。
【0108】
実験は、襞状渦巻ノズル380が襞化されていない類似した渦巻ノズルより呼吸可能な割合を増加させることを示した。具体的には、0.29−0.36g/ミリリットルの範囲内のかさ密度を有している凝塊のような硬い凝塊に対し、襞なしの同じ渦巻ノズルは、およそ10%の呼吸可能な割合を与えたが、襞状渦巻ノズルは、およそ35%の呼吸可能な割合を与えた。これらの実験の目的のための「呼吸可能な割合」は、ノズルから送達された全粒子のうち、多段階液体インピンジャを使用して決定されるような直径6.8マイクロメートル以下の割合である。実験では、処方は、成分重量比が1対5.8であるモメタゾン凝塊およびラクトース凝塊であった。
【0109】
凝塊の解体に加えて、螺旋ノズル380は、付加的な制約を満たす必要がある。例えば、粉末吸入器を通る圧力降下は、呼吸機能に障害がある人による使用を簡単にするため、約20水柱インチ(5キロパスカル)未満であり、さらに十分な1次気流が計量孔184、184’を通ることを可能にするため十分に高くされることが望ましい。渦巻ノズル380を通る圧力降下は、端410と、湾曲壁406の第1の部分および第2の部分が集まる位置、すなわち、第2の部分が中心開口部402から出る位置との間の角度を変化させることにより変更することができる。現時点で好ましい実施形態では、この角度は、約165°であるが、この値は、所要圧力降下に依存して変化することがある。
【0110】
さらに、環状マウスピース固定壁418が、円形上端壁の周囲エッジから僅かに内向きに離間して、円形上端壁382の上面に形成されている。その結果、環状レッジ部420が、環状マウスピース固定壁418から外向きに、円形上端壁382の上面に形成されている。さらに、環状リップ部422が環状マウスピース固定壁418の上側端から半径方向で外向きに延在する。
【0111】
さらに、ギア歯424が環状マウスピース固定壁418の上面に設けられている。40個のギア歯が図示されているが、本発明は、そのように限定されない。
【0112】
最後に、ロケータ・タブ426がギア歯424の内面に沿って円形上端壁382の上面に設けられている。
【0113】
図3、4および図40に示されるようなマウスピース440は、渦巻ノズル380の上側端に固定されている。図40から図44に示されるように、マウスピース440は、ほぼ矩形状の上端壁442を含み、環状側壁444が上端壁442の周囲から下方へ下がっている。上端壁442がほぼ矩形状の構成を有することと、側壁444の環状構成とのため、上端壁442の縦側面に対応する側壁444の反対側の側面446および448にある上側部は、互いの方へ向かって集中する方法で上向きに傾斜する。装置のユーザの唇は、吸入中に側面446および448に置かれる。当然ながら、ユーザの口は、マウスピースの上に置かれるので、マウスピースの様々なエッジは丸みを帯びている。
【0114】
中心開口部450が上端壁442において中心に形成され、環状接続チューブ452が開口部450を取り囲む関係で上端壁442の下面に形成されている。マウスピース440が渦巻ノズル380に着座されたとき、接続チューブ452は、渦巻ノズル380の補充煙突状部404の上端を中に受承する。
【0115】
マウスピース440を渦巻ノズル380に固定するために、側壁444の下側端は、円形または環状形状を有している。側壁444のこの下側端の内面に、半径方向で内向きに延在する環状V字形状突起部454が形成されている。
【0116】
マウスピース440が渦巻ノズル380に置かれ、渦巻ノズルへ押し下げられるとき、渦巻ノズル380の環状リップ部422は、プラスチック部品の弾性力のため、V字形状突起部454に載るので、その結果、V字形状突起部454は、環状リップ部422、それによって、マウスピース440を渦巻ノズル380に維持する。このように位置では、側壁444の下側エッジは、渦巻ノズル380の環状レッジ部420に着座する。
【0117】
さらに、3個のギア歯460をもつ2組が環状V字形状突起部454の直ぐ上で環状側壁444の直径方向に反対側の内面に形成され、そして、側壁444の反対側の側面446および448の中心に置かれている。マウスピース440が渦巻ノズル380と組み立てられたとき、ギア歯460は、マウスピース440と渦巻ノズル380との間の相対的な回転を防止するためにギア歯424と係合する。
【0118】
今度は、図45から図47を参照すると、計量粉末投与器10の密閉キャップ520がマウスピース440のための密閉部として設けられ、同時に、用いられる計量粉末投与器10を準備するために機能する。具体的には、密閉キャップ520は、ほぼ円形上端壁524によって上側端で閉じられる上側の細長い環状被覆壁522を含む。環状被覆壁522より大きい径をもつ下側環状固定裾部526が環状円錐台コネクタ528を介して環状被覆壁522の下側端に固定されている。環状固定裾部526の下側端は、開いている。さらに、下側環状固定裾部526の内径は、アダプタ320の上側環状壁332の上に嵌るように、この上側環状壁の外径より僅かに大きい。
【0119】
密閉キャップ520を計量粉末投与器10に、特に、マウスピース440を被覆する関係で固定するために、螺旋カム530、好ましくは、3個の離間した螺旋カムが下側環状固定裾部526の内面に形成されている。このようにして、密閉キャップ520が粉末筐体20、渦巻ノズル380およびマウスピース440の上に挿入されるとき、密閉キャップ520のカム530は、最初に、エントリ351の中へ垂直に降下し、次に、下側環状固定裾部526の下側エッジがアダプタ320の環状円錐台接続部分334に着座するまで、アダプタ320の二重螺旋カムトラック352とねじ込み式に係合する。
【0120】
カム530およびカムトラック352は、従来のねじの代わりに設けられていることに注意されたし。なぜならば、従来のねじを用いると、キャップ520は、ねじの公差のため、早期に外れることがあるためである。その結果、計量粉末投与器10は、正しく動作しないことがあり、すなわち、粉末の準備および送達中に十分な回転角(好ましくは、約120度)で回転されないことがある。しかし、カム530と、正方形断面の壁353を有するカムトラック352とを用いると、キャップ520の早期の開口を阻止することと、使いやすさと、投与器10の部品の回転位置の適切な場所を常に確保することと、カウンタ(後述される)が服用回数を常に正しく変更するために常に正しく作動されることを確保することとを含む多数の利点が達成される。このようにして、キャップ520は、カム530がカムトラック352の中で完全に係合されるまで、アダプタ320と係合できない。
【0121】
下側環状固定裾部526の外径は、比較的滑らかな、連続した外観をもたらすために、アダプタ320の下側環状壁322の外径と実質的に一致することが認められる。密閉キャップ520の取り外しと閉鎖とに役立てるため、密閉キャップ520のグリップおよび回転を向上させるためにグリップ面532がうねり、刻みなどによって形成された下側環状固定裾部526の外面が形成される。
【0122】
前述されるように、密閉キャップ520は、用いられる計量粉末投与器10を準備するためにも役立つ。具体的には、平行した、軸方向に延在する離間した準備リブ部534の3組の離間したペアが密閉キャップ520の内面に形成され、円錐台コネクタ528から下側環状固定裾部526まで下へ短距離だけ延在している。準備リブ部534は、密閉キャップ520の内面上で均等に離間していることが好ましい。各ペアの準備リブ部534は、駆動本体120を回転するために、スプリング・フィンガー部161、163、165を内向きに付勢し、さらに、駆動開口部164、166の側面を係合する駆動本体120の駆動開口部164、166、169のそれぞれの幅より僅かに短い距離で離間している。図46に示されるように、個々の準備リブ部534は、中間突起部539で接触し、突起部539から遠ざかるときに厚さが減少する下側ランプ部535と上側ランプ部537とを有している。
【0123】
密閉キャップ520が計量粉末投与器10から取り外されるとき、計量孔184、184’は、ユーザによる吸入の準備ができているベンチュリ管64、64’と位置合わせされている。このようにして、投与器10は、完全に準備され、人による吸入の準備が完了している。この時点で、スプリング・フィンガー部161、163、165は、アダプタ320のリセス部340、341、342の中に置かれる。このようにして、投与器10は、この位置にロックされている。
【0124】
密閉キャップ520を挿入する動作は、図48Aから図48Eと図49Aおよび49Bとに示される。吸入動作後、密閉キャップ520は、図48Aに示されるように組立体に置かれる。この時点で、カム530は、カムトラック352の内部に係合されていない。密閉キャップ520の回転時に、カム530は、カムトラック532の始まり部分に含まれ、図48Bおよび48Cに示されるように、この始まり部分の中で押し下げることができる。この時点で、準備リブ部534は、スプリング・フィンガー161、163、165を係合し、押し下げ、さらに駆動開口部164、169の側面を係合する。換言すると、初期閉鎖動作中に、準備リブ部534の下側ランプ部535は、スプリング・フィンガー部161、163、165の上側部を係合し、これらのスプリング・フィンガー部をリセス部340、341、342の内向きに付勢する。これは、図49Aにより詳細に示される。その結果として、駆動本体120は、図48Dおよび48Eに示されるように、閉鎖位置までアダプタ320と相対的に回転できる。この期間中に、キャップ520は、駆動本体120と係合し、その結果、キャップ520の連続した回転がアダプタ320と相対的な駆動本体120の回転を生じる。キャップ520が回転されるとき、キャップは、カムトラック352に載っているカム530によって引き下げられる。
【0125】
回転の完了時に、スプリング・フィンガー部161、163、165の構成と、準備リブ部534の相補的な構成とのため、スプリング・フィンガー部161、163、165は、固定位置に跳ね返って、吸入位置から120度オフセットされた準備リブ部534と結合係止し、すなわち、スプリング・フィンガー部161、163、165がリセス部340、341、342の中に置かれている。さらに、スプリング・フィンガー部161、163、165と準備リブ部534との結合関係のため、準備リブ部534は、同様に、この時点で、リセス部340、341、342の中に置かれる。換言すると、準備リブ部534の中間突起部539は、図49Bに最もよく示されるように、スプリング・フィンガー部161、163、165の対応する凹部の内部に受承されている。
【0126】
キャップ520が図48Eの完全閉鎖位置にあるとき、スプリング・フィンガー部161、163、165は、自由状態、すなわち、スプリング・フィンガー部161、163、165に応力がない状態へ復元されることが認められる。これは、長期間に亘って、スプリング・フィンガー部161、163,165が、殆どのプラスチック材料と同様に、付勢された状態で永久歪みまたは変形を取り込まないように行われる。これは、吸入器の動作に有害であろう。スプリング・フィンガー部161、163、165と準備リブ部534との特別な形状は、この目的のため設けられる。
【0127】
このようにして、密閉キャップ520の閉鎖回転は、記憶された位置、すなわち、位置合わせから外れて120度まで駆動本体120の回転、したがって、計量孔184、184’と相対的なベンチュリ管64、64’の回転を引き起こす。この移動中に、粉末62、62’は、計量孔184、184’へスクラップされるので、計量粉末投与器10は、準備される。
【0128】
ユーザが計量粉末投与器10を使用する準備ができたとき、密閉キャップ520は、アダプタ320から回し外される。このように動きの間に、スプリング・フィンガー部161、163、165は、初期的に、回転を妨害しないためにスプリング・フィンガー部161、163、165を内向きに移動させるリセス部340、341、342上の斜面345と係合する。その後、キャップ520が上昇し始めると、スプリング・フィンガー部161、163、165は、スプリング・フィンガー部161、163、165を押し込むリブ部534を準備することによって係合される。換言すると、初期開放動作中に、準備リブ部534の上側ランプ部537は、スプリング・フィンガー部161、163、165の上側部を係合し、リセス部340、341、342の内向きに付勢する。したがって、駆動本体120は、開放位置までアダプタ320と相対的に回転可能である。
【0129】
これは、位置合わせされた位置までの計量孔184、184’と相対的な駆動本体120、したがって、ベンチュリ管64、64’の対向する回転を生じる。このように、密閉キャップ520が取り外されるとすぐに、粉末62、62’がそれぞれ充填された計量孔184、184’は、ベンチュリ管64、64’と位置合わせされ、吸入の準備ができている。したがって、密閉キャップ520が取り外された後に付加的な準備およびセットアップ動作を設ける必要がない。
【0130】
図20を参照すると、粉末62、62’は、接触しない状態に保たれることが好ましい。したがって、計量孔184、184’は、1回分の用量を準備し投与するために往復する計量プレート180の相対運動中に、固定経路F1、F2を画定することが好ましい。固定経路F1、F2は、約90度から約150度の範囲にあり、より好ましくは、約120度の角度αに亘って掃引することが好ましい。その上、固定経路F1、F2は、計量孔184、184’のうちの一方によって固定経路F1、F2に沿って残された粉末残留物がもう一方の計量孔184、184’と接触しないように、離間していることが好ましい。したがって、固定経路は、約30度から約90度の範囲にあり、より好ましくは、約60度の角度βで端と端との間で離間されていることが好ましい。好ましい配置構造体を用いると、等間隔が固定経路F1とF2との間に設けられることがあり、すなわち、角度βは、固定経路F1、F2の両側で等しくされる。
【0131】
当業者によって認められるように、付加的な計量孔、例えば、3個の計量孔が本発明によって利用されることがある。対応する部品、例えば、ベンチュリ管と、補充管との数は、対応する増大を必要とすることがある。複数の計量孔を用いると、画定された固定経路の間に間隔が設けられることが好ましい。例えば、3個の計量孔の使用に関連して、角度αは、90度でもよく、角度βは、45度でもよい。この配置構造体を用いると、3本の固定経路の間で等しい間隔が達成されることがある。
【0132】
さらに、密閉キャップ520は、上端壁524から短い距離で離間した被覆壁522の内面に形成されている6個の等角間隔の突起部538を含む。
【0133】
投与器10と共に乾燥剤を使用できる。米国特許文献1に開示されるような乾燥剤ホルダが利用されることがある。
【0134】
粉末が減少していることをユーザに知らせるために、投与された服用回数をカウントするか、または、引き続き投与されるべき服用回数を示唆するカウンタ機構部580が設けられている。多数のタイプの機械的カウンタおよび電気的カウンタが役に立つ。デジタル電子カウンタは、装置のベースまたは他のエリアの内部に配置することができ、用量充填動作のある時点で回路を完結する導電性接点を必要とすることになり、所要バッテリの特性は、装置の保存期間を定める際に一因となる。現時点で好ましいカウンタ機構部580は、引き続き投与されるべき服用の回数を示唆する減少機械的カウンタである。
【0135】
カウンタ機構部580は、ベース200上の前述の第1の回転防止スプリング・デテント224および第2の回転防止スプリング・デテント232と、アダプタ320の前述の透明プラスチック窓330と、連続カウンタ・リング590と、間欠カウンタ・リング620と、スプリング付勢爪組立体640とで構成されている。
【0136】
図3、4および図50から図53に示されるように、連続カウンタ・リング590は、実質的に矩形断面をもつ壁を有している円盤592によって形成されている。外側環状レッジ部594は、円盤592を切り取ることによって円盤592の外側上側エッジに形成されている。さらに、下側環状リップ部596は、円盤592の滑らかであるが、しかし、小さい断面幅をもつ拡張部として、円盤592の下側外側エッジから軸方向に延在する。その結果、内側環状レッジ部598が円盤592の下側エッジに形成されている。この点について、連続カウンタ・リング590は、ベース200に着座させることができ、特に、内側環状レッジ部598は、ベース200の円形上端壁202に着座し、下側環状リップ部596は、円形上端壁202を取り囲む関係でベース200の環状レッジ部206に着座する。
【0137】
複数の数字印600が円盤592と下側環状リップ部596との滑らかな合成外面に印刷されている。具体的には、数字「0」から「9」までの2組の連続したセットが周りに等角度で印刷されている。数字印600は、垂直方向に印刷されている。したがって、印600は、計量投与器10が直立しているときに、すなわち、使用されるべき状態にあるときに読むことができる。
【0138】
20個のギア歯602が20個の数字印600に対応して円盤592の内面に等角度で形成されている。全ギア歯602は、半径方向に同じ奥行きを有するが、例外的に、数字印600の反対側の数字「5」に対応するギア歯602の直径方向に正反対の位置にあるギア歯604および606が残りのギア歯602より掘り下げられ、すなわち、ギア歯604および606は、残りのギア歯602より大きい程度まで半径方向へ外向きに延在する。連続カウンタ・リング590がベース200に着座させられたとき、ベース200の第1の回転防止スプリング・デテント224は、ベース200上の連続カウンタ・リング590の時計回りの回転を防止するために、同時に1個のギア歯602と係合する。
【0139】
図3、4および図54から図57に示されるように、間欠カウンタ・リング620は、実質的に矩形断面をもつ壁を有している円盤622によって形成されている。下側環状リップ部624は、円盤622の滑らかであるが、しかし、小さい断面幅をもつ拡張部として、円盤622の下側外側エッジから軸方向に延在する。その結果、内側環状レッジ部626が円盤622の下側エッジに形成されている。この点について、間欠カウンタ・リング620は、連続カウンタ・リング590上に回転式に着座させることが可能であり、特に、内側環状レッジ部626は、連続カウンタ・リング590の上方へ離間し、一方、下側環状リップ部624は、連続カウンタ・リング590の外側環状レッジ部594に着座している。
【0140】
複数の数字印628が円盤622と下側環状リップ部624との滑らかな合成外面に印刷されている。具体的には、数字「0」から「19」が周りに等角度で印刷されている。数字印628は、垂直方向に印刷されている。したがって、印628は、計量投与器10が直立しているときに、すなわち、使用されるべき状態にあるときに読むことができる。
【0141】
20個のギア歯630が20個の数字印628に対応して円盤622の内面に等角度で形成されている。全ギア歯630は、半径方向に同じ奥行きを有している。間欠カウンタ・リング620が連続カウンタ・リング590に着座させられているとき、ベース200の第2の回転防止スプリング・デテント232は、ベース200上の間欠カウンタ・リング620の時計回りの回転を防止するために、同時に1個のギア歯630と係合する。以下の検討から認められるように、ギア歯630は、ギア歯602より大きい径の円に沿って延在するので、ギア歯630は、ギア歯602から半径方向へ外向きに移動される。
【0142】
さらに、用量制限タブ632が、所定の回数の用量が投与された後、計量粉末投与器10の動作を妨げるために、数字「9」と「10」との間の位置に対応して、円盤622の上面から上向きに延在する。例えば、計量粉末投与器10が200回分の用量の投与に限定される場合、用量制限タブ632は、動作に関して後述されるように、計量プレート180に対する粉末筐体20のさらなる相対的な回転を防止するために、200回分の用量を投与した後、アダプタ320の服用量リミッタ・タブ336と当接することができる。
【0143】
最初に、印628の数字「19」は、アダプタ320の透明プラスチック窓330を通して露出される数字199を形成するために、印600の数字「9」と位置合わせされている。1回目の用量が投与された後、数字「19」および「8」が窓330を介して露出される数字「198」を形成するためにそれぞれ露出されるように、連続カウンタ・リング590だけが回転する。次の9回の服用の後、連続カウンタ・リング590だけが個々の服用に対し同時に1増分ずつ回転する。数字「190」が窓330を通して露出された後、次の服用は、数字「189」を形成するために連続カウンタ・リング590および間欠カウンタ・リング620の両方を回転させる。この動作は、数字「00」が窓330を通して露出されるまで継続する。この時点で、間欠カウンタ・リング620は、計量プレート180に対する粉末筐体20のさらなる相対的な回転を防止するために、用量制限タブ632がアダプタ320の服用量リミッタ・タブ336と当接するような位置まで回転している。
【0144】
連続カウンタ・リング590および間欠カウンタ・リング620の回転を引き起こすために、スプリング付勢爪組立体640は、図3、4および図58から図62に示されるように、爪駆動装置642を含む。爪駆動装置642は、連続カウンタ・リング590と間欠カウンタ・リング620との合成高さより高い高さを有している弓状外側壁644を含む。U字形状リテーナ650は、弓状壁644の自由端に接続されている。U字形状リテーナ650は、弓状壁644の高さより低い高さを有している。したがって、開口エリア652を画定するループが弓状壁644およびU字形状リテーナ650によって形成されている。実質的に三角形状断面構成をもつフランジ648は、U字形状リテーナ650との交差場所で弓状壁644の一方側に、U字形状リテーナ650の高さと実質的に等しい高さである拡張部を形成する。
【0145】
爪部654は、弓状壁644の外面または凸面の中心に形成されている。このようにして、爪駆動装置642が円筒隆起部216を取り囲む関係でベース200の円形上端壁202に挿入されているとき、爪部654は、ギア歯602の内部に挿入することができる。しかし、ギア歯630は、ギア歯602より大きい径の円に沿って延在するので、爪部654は、ギア歯602だけと係合し、ギア歯630と係合しない。唯一の例外は、爪部654がギア歯604または606の一方の内部に係合するときである。このように場合、ギア歯604および606は、残りのギア歯602より掘り下げられているので、爪部654は、ギア歯630に到達し、ギア歯630と係合することができる。ギア歯604および606は、10個のギア歯によって間隔が空けられているので、爪部654は、10回の用量投与毎にギア歯604または606の一方の内部に係合し、したがって、間欠カウンタ・リング620を連続カウンタ・リング590と共に回転式に駆動するために、この時点でギア歯630のうちの1つの内部に係合する。
【0146】
爪部654をギア歯602と係合する状態へ付勢するために、湾曲した、実質的に逆L字形状スプリング658は、弓状壁644の内面で、幅方向および高さ方向に関して、中心に一体的に形成された一端を有し、弓状壁の自由端は、放射状部分219の内部でベース200の円筒隆起部216を押すために突き出し、それによって、半径方向へ外向きに爪組立体640を付勢する。これは、爪部654をギア歯602との係合状態に入れる。
【0147】
単一の成形動作において爪組立体640と一体的にスプリング658を形成することにより、部品の個数が削減され、単一の成形動作が利用され、部品の組立がより簡単化し、スプリングは、より柔軟かつ確実に作ることができることが認められる。
【0148】
爪組立体640がベース200に置かれたとき、U字形状リテーナ650の反対側の側面は、角度付きのスタブ壁221および223の内部に置かれるので、カウンタ・リング590および620のギア歯に関してラチェット組立体として機能するために、爪組立体640が小さい角度で回転するためにちょうど十分な余裕が存在することが認められる。
【0149】
図63から図66を参照すると、図58から62の爪組立体640の要素に対応する要素がプライム記号(’)付きの同じ符号によって識別された、本発明の別の実施形態によるスプリング付勢爪組立体640’が示される。
【0150】
爪組立体640’と爪組立体640との間の唯一の相違点は、爪組立体640’のスプリング658’の自由端がこれの固定端から遠ざかる僅かな凸状湾曲を有していることである。
【0151】
図67から図71を参照すると、図58から62の爪組立体640の要素に対応する要素が2重プライム記号(’’)付きの同じ符号によって識別された、本発明のさらに別の実施形態によるスプリング付勢爪組立体640’’が示されている。
【0152】
爪組立体640’’と爪組立体640との間の唯一の相違点は、爪組立体640’’のスプリング658’が、実質的にL字形状部材で形成されるのではなく、弓状壁644’’の内面の上側端からある角度で延在する先細状側面付きのほぼ直線状部材として形成されていることである。別の相違点は、フランジ648が完全に取り除かれている点である。
【0153】
カウンタ機構部580の動作中に、下側スプリング・リテーナ260は、密閉キャップ520がアダプタ320にねじ込まれている保存位置と、密閉キャップ520がアダプタ320から取り外されている吸入位置との間で、計量プレート180と相対的に貯蔵器本体22と共に120度回転する。計量粉末投与器10が保存位置にあるとき、爪部654は、連続カウンタ・リング590の浅いギア歯602の内部に係合されるので、ギア歯630と係合しない。さらに、このように位置では、弓状爪駆動壁274の爪駆動端276は、爪組立体640と係合する。
【0154】
貯蔵器本体22が吸入位置へ向かって最初の118度を回転されるとき、弓状爪駆動壁274の爪駆動端278が爪組立体640の反対側の側面との係合状態へ回転させられる。その結果、爪部654は、浅いギア歯602を乗り越えるように回転させられ、それによって、スプリング658を圧縮する。10回分の用量が投与されたとき、全部で120度までの継続した回転が爪部654を僅かな量だけ回転させ、例えば、深いギア歯である次のギア歯604に落とす。具体的には、スプリング658は、爪部654をギア歯604へ付勢する。ギア歯604は、深いギア歯であるので、爪部654は、ギア歯630のうちの一方にさらに入る。この時点で、計量粉末投与器10は、計量孔184、184’がベンチュリ管64、64’と位置合わせされた吸入位置にある。
【0155】
ユーザが粉末62、62’の服用量を吸入した後、密閉キャップ520は、元のアダプタ320にねじ込まれる。その結果、貯蔵器本体22は、初期位置まで逆回転し、下側スプリング・リテーナ260の回転をさらに生じさせる。この120度の逆回転中に、すなわち、弓状爪駆動壁274の爪駆動端276は、爪組立体640をこれの初期位置へ回転させるために、運動の最後に爪組立体640と係合する。このように運動中に、爪部654は、深いギア歯604とギア歯630のうちの一方との内部に係合するので、連続カウンタ・リング590および間欠カウンタ・リング620の両方が一体的に1増分だけ回転させられる。爪部654が深いギア歯604または606の一方と係合されない場合、爪部は、ギア歯630と係合しないので、連続カウンタ・リング590だけが回転させられる。
【0156】
連続カウンタ・リング590および間欠カウンタ・リング620は、ギア歯602および630とそれぞれ係合する第1の回転防止スプリング・デテント224および第2の回転防止スプリング・デテント232のため、反対方向に回転できないことが認められる。
【0157】
本発明の範囲に様々な変更を行えることが認められる。例えば、計量プレート180の回転は、120度である必要がなく、より小さいか、または、より大きい弓状距離でもよい。このように場合、弓状爪駆動壁274の長さは、爪組立体640を増加的に駆動するため変更されることがある。
【0158】
したがって、本発明を用いると、患者に送達されるべき粉状薬剤の用量を正確に測定する計量粉末投与器10が提供される。具体的には、投与器10は、従来技術より構造および組立において著しく簡略化される。
【0159】
前述の要素のすべては、金属プレート93’およびスプリング290を除いては、好ましくは、容易に入手可能なプラスチックから製作されるが、前者の部品は、好ましくは、適当な金属から製作される。典型的に、多孔性または他の特殊な性質を必要としない様々な構成要素は、望ましい剛性および強度を有している1つ以上の熱可塑性物質から成形される。一部の実施形態では、粉末容器を含む構成要素は、比較的薄く、必要な程度の表面平面度を維持するために、強化プラスチック、セラミック、または、金属のような容易に変形し難い物質から構築される。当然ながら、選択された材料は、投与されるべき薬剤と化学的に適合(compatible)しなければならない。費用上の理由から、初期充填物が投与された後に、薬剤詰め替えがないか、または、薬剤詰め替えの回数が制限された使い捨て装置が意図されている場合、最も利用率の高いプラスチックが好ましい。他の「複合」構成要素は、特殊な性質が必要とされる装置のどこかで使用することができる。
【0160】
計量粉末投与器10を組み立てるために、粉末筐体20が最初に組み立てられる。具体的には、貯蔵器プラグ90が貯蔵器本体22の内部に挿入され、渦巻ノズル380が駆動本体120と共に組み立てられ、マウスピース440が渦巻ノズル380と共に組み立てられる。次に、連続カウンタ・リング590がベース200の上に嵌め込まれ、間欠カウンタ・リング620が連続カウンタ・リング590へ嵌め込まれる。両方のカウンタ・リング590および620は、間欠カウンタ・リング620の数字「19」と、連続カウンタ・リング590の数字「19」とが窓330を通して見せるため位置合わせされるまで、回転させられる。換言すると、これは、数字「199」に対応する。
【0161】
爪組立体640は、その後、円筒隆起部216を取り囲む関係で、スタブ壁221と223との間で、ベース200の上端円形壁202に置かれ、爪部654は、数字「5」と位置合わせされたギア歯604、および、数字「5」と位置合わせされたギア歯630と係合された状態へ、すなわち、数字「5」と位置合わせされた状態へ付勢される。第1および第2の回転防止スプリング・デテント224および232は、数字「0」に対応するギア歯606と位置合わせされ、数字「19」に対応するギア歯630と位置合わせされていることが認められる。
【0162】
その後、下側スプリング・リテーナ260は、狭い被駆動イヤー部270がリング590および620上の数字「199」と位置合わせされた状態で、リテーニング支柱218を取り囲む関係で隆起部216に置かれる。このように場合、爪組立体の爪駆動端276は、爪組立体640のフランジ648と当接している。コイルスプリング290は、その後、下側スプリング・リテーナ260の円盤262に着座させられ、支持プレート300がコイルスプリング290の上端に置かれ、下側スプリング・リテーナの狭い被駆動イヤー部306が下側スプリング・リテーナ260の狭い被駆動イヤー部270と位置合わせされている。その後、計量プレート180の環状取り付け支柱188が支持プレート300の中心円形孔310を通って、ベース200のリテーニング支柱218の上方で位置付けられ、棒状部190とスロット122とが位置合わせされている。このように場合、計量孔184、184’は、支持プレート300の半径方向に延在するスロット312と位置合わせされている。
【0163】
その後、貯蔵器プラグ90と一体となって組み立てられた貯蔵器本体22は、狭い被駆動イヤー部270および306が狭い駆動スロット36の内部に嵌り込み、広い被駆動イヤー部271、272および307、308が貯蔵器本体22の広い駆動スロット34、35の内部に嵌り込むように、計量プレート180と、支持プレート300と、コイルスプリング290と、下側支持プレート260との上に挿入される。このように場合、ベンチュリ管64、64’は、計量孔184と位置合わせされている。前述の部品を一体として組み立てるために、アダプタ320は、その後に、アダプタのスロット326がベース200の支柱214と位置合わせされるように、前述の組立体の上に置かれる。アダプタ320は、その後、ベース200の環状レッジ部210がアダプタ320の環状溝324にスナップ留めされるまで、押し下げられる。この時点で、コイルスプリング290は、圧縮され、数字「199」がアダプタ320の窓330を通して現れ、アダプタ320のリセス部340、341、342が貯蔵器本体22の駆動スロット34、35、36とそれぞれ位置合わせされている。
【0164】
その後、粉末補充管60は、この粉末補充管の上側開口端を通して充填される。その後、駆動本体120は、ノズル380および上にあるマウスピース440と共に、駆動本体120の円形プラグ管144が粉末補充管60、60’の上側開口端を塞ぐように、かつ、ベンチュリ管64、64’の上側開口端が駆動本体120内の円形開口部142、142’を通って延在するように、貯蔵器本体22の上に嵌め込まれる。この位置において、駆動本体120の下側環状裾部分128の下側エッジは、アダプタ320の上側環状壁332の上側エッジの直ぐ上に位置付けられている。
【0165】
密閉キャップ520は、その後、アダプタ320にねじ込まれ、そのために、粉末筐体20は、計量粉末投与器10を準備するために、すなわち、粉末62、62’を計量孔184、184’にスクラップするために計量プレート180に相対的に120度回転させられる。これは、爪部654を次のギア歯602へ移動させる。
【0166】
ユーザが粉末62、62’の1回分の服用量を吸入したいとき、密閉キャップ520は、緩められ、取り外され、それによって、吸入に備えて、ベンチュリ管64、64’を計量孔184、184’と位置合わせするために、粉末筐体20を120度逆回転させる。この時点で、爪部654は、1増分だけ回転され、そのために、次の数字「198」が窓330を通して表示される。全部で200回分の服用量が使用されたとき、間欠カウンタ・リング620の用量制限タブ632は、投与のためのさらなる回転を防止するために、アダプタ320の服用量リミッタ・タブ336に当接する。したがって、数字は、「00」から「199」まで継続しない。
【0167】
添付図面を参照して発明の具体的な好ましい実施形態が記載されているが、本発明は、これらの実施形態そのままに限定されることがないこと、そして、様々な変形および変更が請求項に記載された発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、当業者によってこの点で実施できることが認められる。用語「備える」は、「含んでいるが、限定されることがない」として定義される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1の開口部を有している第1の粉末貯蔵器と、
前記第1の出口開口部から離間している少なくとも1つの第2の出口開口部を有している第2の粉末貯蔵器と、
所定の量の粉末を個々に保持するために構成されている第1の計量孔および第2の計量孔を有している計量プレートと、
を備え、
ここで、前記計量プレートは、前記第1の出口開口部および前記第2の出口開口部に隣接して配置され、前記計量プレートと前記第1の出口開口部および前記第2の出口開口部との間の相対運動が前記計量プレートを前記第1の出口開口部および前記第2の出口開口部と相対的な第1の位置および第2の位置に選択的に位置付け、
前記計量プレートが前記第1の位置から前記第2の位置まで前記第1の出口開口部および前記第2の出口開口部と相対的に移動すると、前記第1の計量孔は、前記第1の出口開口部の下を通過し、前記第2の計量孔は、前記第2の出口開口部の下を通過し、
前記計量プレートとして第1の固定経路を画定する前記第1の計量孔は、前記第1の出口開口部および前記第2の出口開口部と相対的に前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動し、前記計量プレートとして第2の固定経路を画定する前記第2の計量孔は、前記第1の出口開口部および前記第2の出口開口部と相対的に前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動し、前記第1の計量孔が前記計量プレートの移動中に前記第2の経路に重ならないように、そして、前記第2の計量孔が前記計量プレートの移動中に前記第1の固定経路に重ならないように、前記第1の固定経路は、前記第2の固定経路から離間している、
粉末投与器。
【請求項2】
前記計量プレートの中心に対して、前記第1の固定経路は、およそ120度の角度に亘って延在している、請求項1に記載の投与器。
【請求項3】
前記第2の固定経路は、およそ120度の角度に亘って延在している、請求項2に記載の投与器。
【請求項4】
前記第1の固定経路は、前記計量プレートの中心に対して少なくとも60度の角度で前記第2の固定経路から離間している、請求項1に記載の投与器。
【請求項5】
第1の吸入管をさらに備え、前記計量プレートが前記第1の位置にある状態で、前記第1の計量孔は前記第1の吸入管と軸方向に位置合わせされている、請求項1に記載の投与器。
【請求項6】
第2の吸入管をさらに備え、前記計量プレートが前記第1の位置にある状態で、前記第2の計量孔は前記第2の吸入管と軸方向に位置合わせされている、請求項5に記載の投与器。
【請求項7】
前記第1の計量孔は、前記第2の計量孔と実質的に同量の粉末を保持するために構成されている、請求項1に記載の投与器。
【請求項8】
前記第1の計量孔は、前記第2の計量孔と異なった量の粉末を保持するために構成されている、請求項1に記載の投与器。
【請求項9】
前記計量プレートは、静止保持されている、請求項1に記載の投与器。
【請求項10】
少なくとも1回分の用量を備える少なくとも2つの貯蔵器を備える乾燥粉末吸入器と、少なくとも1回分の用量の少なくとも1つの活性薬剤とを備える、医薬品。
【請求項11】
前記少なくとも2つの貯蔵器は、異なった活性薬剤を別々に備える、請求項10に記載の医薬品。
【請求項12】
前記乾燥粉末吸入器が作動されたとき、前記少なくとも1回分の用量が前記2つの貯蔵器から同時に放出される、請求項10に記載の医薬品。
【請求項13】
前記乾燥粉末吸入器は、少なくとも1回分の用量の少なくとも2つの配合禁忌の活性薬剤を収容できる、請求項10に記載の医薬品。
【請求項14】
乾燥粉末吸入器と、少なくとも1回分の用量の少なくとも1つの活性薬剤とを備え、前記乾燥粉末吸入器は、異なった活性薬剤を別々に備える少なくとも2つの貯蔵器を備え、前記少なくとも2つの貯蔵器は、前記乾燥粉末吸入器が作動されたときに、前記少なくとも2つの貯蔵器から同時に放出される前記少なくとも1回分の用量を備える、医薬品。
【請求項15】
前記乾燥粉末吸入器は、少なくとも1回分の用量の少なくとも2つの配合禁忌の活性薬剤を収容できる、請求項14に記載の医薬品。
【請求項16】
少なくとも1つの第1の出口開口部を有している第1の粉末貯蔵器と、
前記第1の出口開口部から離間している少なくとも1つの第2の出口開口部を有している第2の粉末貯蔵器と、
を備える、粉末投与器。
【請求項1】
少なくとも1つの第1の開口部を有している第1の粉末貯蔵器と、
前記第1の出口開口部から離間している少なくとも1つの第2の出口開口部を有している第2の粉末貯蔵器と、
所定の量の粉末を個々に保持するために構成されている第1の計量孔および第2の計量孔を有している計量プレートと、
を備え、
ここで、前記計量プレートは、前記第1の出口開口部および前記第2の出口開口部に隣接して配置され、前記計量プレートと前記第1の出口開口部および前記第2の出口開口部との間の相対運動が前記計量プレートを前記第1の出口開口部および前記第2の出口開口部と相対的な第1の位置および第2の位置に選択的に位置付け、
前記計量プレートが前記第1の位置から前記第2の位置まで前記第1の出口開口部および前記第2の出口開口部と相対的に移動すると、前記第1の計量孔は、前記第1の出口開口部の下を通過し、前記第2の計量孔は、前記第2の出口開口部の下を通過し、
前記計量プレートとして第1の固定経路を画定する前記第1の計量孔は、前記第1の出口開口部および前記第2の出口開口部と相対的に前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動し、前記計量プレートとして第2の固定経路を画定する前記第2の計量孔は、前記第1の出口開口部および前記第2の出口開口部と相対的に前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動し、前記第1の計量孔が前記計量プレートの移動中に前記第2の経路に重ならないように、そして、前記第2の計量孔が前記計量プレートの移動中に前記第1の固定経路に重ならないように、前記第1の固定経路は、前記第2の固定経路から離間している、
粉末投与器。
【請求項2】
前記計量プレートの中心に対して、前記第1の固定経路は、およそ120度の角度に亘って延在している、請求項1に記載の投与器。
【請求項3】
前記第2の固定経路は、およそ120度の角度に亘って延在している、請求項2に記載の投与器。
【請求項4】
前記第1の固定経路は、前記計量プレートの中心に対して少なくとも60度の角度で前記第2の固定経路から離間している、請求項1に記載の投与器。
【請求項5】
第1の吸入管をさらに備え、前記計量プレートが前記第1の位置にある状態で、前記第1の計量孔は前記第1の吸入管と軸方向に位置合わせされている、請求項1に記載の投与器。
【請求項6】
第2の吸入管をさらに備え、前記計量プレートが前記第1の位置にある状態で、前記第2の計量孔は前記第2の吸入管と軸方向に位置合わせされている、請求項5に記載の投与器。
【請求項7】
前記第1の計量孔は、前記第2の計量孔と実質的に同量の粉末を保持するために構成されている、請求項1に記載の投与器。
【請求項8】
前記第1の計量孔は、前記第2の計量孔と異なった量の粉末を保持するために構成されている、請求項1に記載の投与器。
【請求項9】
前記計量プレートは、静止保持されている、請求項1に記載の投与器。
【請求項10】
少なくとも1回分の用量を備える少なくとも2つの貯蔵器を備える乾燥粉末吸入器と、少なくとも1回分の用量の少なくとも1つの活性薬剤とを備える、医薬品。
【請求項11】
前記少なくとも2つの貯蔵器は、異なった活性薬剤を別々に備える、請求項10に記載の医薬品。
【請求項12】
前記乾燥粉末吸入器が作動されたとき、前記少なくとも1回分の用量が前記2つの貯蔵器から同時に放出される、請求項10に記載の医薬品。
【請求項13】
前記乾燥粉末吸入器は、少なくとも1回分の用量の少なくとも2つの配合禁忌の活性薬剤を収容できる、請求項10に記載の医薬品。
【請求項14】
乾燥粉末吸入器と、少なくとも1回分の用量の少なくとも1つの活性薬剤とを備え、前記乾燥粉末吸入器は、異なった活性薬剤を別々に備える少なくとも2つの貯蔵器を備え、前記少なくとも2つの貯蔵器は、前記乾燥粉末吸入器が作動されたときに、前記少なくとも2つの貯蔵器から同時に放出される前記少なくとも1回分の用量を備える、医薬品。
【請求項15】
前記乾燥粉末吸入器は、少なくとも1回分の用量の少なくとも2つの配合禁忌の活性薬剤を収容できる、請求項14に記載の医薬品。
【請求項16】
少なくとも1つの第1の出口開口部を有している第1の粉末貯蔵器と、
前記第1の出口開口部から離間している少なくとも1つの第2の出口開口部を有している第2の粉末貯蔵器と、
を備える、粉末投与器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48A】
【図48B】
【図48C】
【図48D】
【図48E】
【図49A】
【図49B】
【図50】
【図51】
【図52A】
【図52B】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48A】
【図48B】
【図48C】
【図48D】
【図48E】
【図49A】
【図49B】
【図50】
【図51】
【図52A】
【図52B】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【公表番号】特表2013−510658(P2013−510658A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538888(P2012−538888)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/055995
【国際公開番号】WO2011/059968
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(596129215)メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション (785)
【氏名又は名称原語表記】Merck Sharp & Dohme Corp.
【住所又は居所原語表記】126 East Lincoln Avenue,Rahway,New Jersey 07065−0907 U.S.A.
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/055995
【国際公開番号】WO2011/059968
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(596129215)メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション (785)
【氏名又は名称原語表記】Merck Sharp & Dohme Corp.
【住所又は居所原語表記】126 East Lincoln Avenue,Rahway,New Jersey 07065−0907 U.S.A.
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