説明

半導体発光素子、その製造方法及びその認識方法

【課題】半導体発光素子において、実装の精度向上及び安定化を実現する。
【解決手段】半導体発光素子100は、基板101上に形成された半導体層(102、103、104)と、半導体層上に形成された金属層と、金属層の表面に形成された基準パターン110とを備える。基準パターン110は、金属層表面の金属元素のヨウ素化合物からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体発光素子と、その製造方法及び認識方法に関するものであり、特に、実装精度が高く且つ動作中の放熱性の良い半導体発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザ素子等の半導体発光素子の製造工程は、半導体ウエーハの状態において複数個の半導体発光素子を一括して形成する工程と、半導体ウエーハを個々の半導体発光素子に分割する工程と、各半導体発光素子の特性を検査する工程とを含む。更に、個々の半導体発光素子を実装部品と組み合わせることにより最終的なデバイス形態となる。
【0003】
ここで、半導体発光素子には、ウエーハ工程から実装工程までの全ての製造工程を考慮した基準パターンが設定されている。基準パターンは、例えば、半導体ウエーハを個々の半導体発光素子に分割する際の分割位置の決定、分割した半導体発光素子にプローブを当てて特性検査を行なう際のプローブ位置の決定及び半導体発光素子と実装部品とを組み合わせる際の位置(例えばワイヤボンド位置)の決定等に必要とされる。
【0004】
基準パターンの選び方には2つの方法が知られている。一つめは、半導体発光素子の表面に任意に形成したパターンを用いる「パターン認識法」であり、二つめは、半導体発光素子の外形をパターンとして利用する「外形認識法」である。
【0005】
GaAsのような立方晶基板により製造する半導体発光素子の場合、結晶軸に沿った素子分割(つまり、劈開)が比較的容易に実現できるので、素子外形が安定しており、外形認識法を採用できる。但し、分割時に素子外形に欠け等が発生しやすい場合には、その影響を排除するために、パターン認識法を用いることが望ましい。
【0006】
これに対し、GaNのような六方晶基板により製造する半導体発光素子の場合、結晶軸に沿った素子分割は困難であり、素子外形が乱れやすい。従って、外形認識法は採用できず、パターン認識法を用いることが必須となる。
【0007】
また、半導体ウエーハを個々の半導体発光素子に分割する際には、使用する基板の結晶構造には関係なくパターン認識法が必須である。これは、分割前の状態では個々の半導体発光素子の外形を基準にすることがでず、分割位置を決定できないからである。
【0008】
以上のように、半導体発光素子の製造工程において、パターン認識法のための基準パターンを形成することが必須である。更に、実装工程において高い組立精度を得るためには、基準パターンの形状が再現性良く安定しており、且つ、基準パターンと周囲とのコントラストが明瞭であることが必要である。
【0009】
基準パターンを得る方法としては、半導体結晶表面に予めボンディングメタルとは異なる色彩を有する金属層を設ける方法が知られている(例えば特許文献1)。この方法では、当該金属層上に、半導体発光素子の表面側から順にボンディングメタル、バリアメタル及びオーミックメタルが積層された電極構造をパターニングする。この後、電極構造の一部をエッチング除去すると、エッチング面にボンディングメタルとは異なる色彩を有する前記の金属層が露出するので、コントラストのあるパターンを得ることができる。
【0010】
また、別の方法としては、ボンディングメタル層の表面の一部領域を粗面化する方法が知られている(例えば特許文献2)。粗面化した領域は、そうでない領域とは反射強度が異なるので、コントラストを得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3797893号公報
【特許文献2】特開2007−115911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
窒化物半導体発光素子において、動作時の発熱による特性劣化を抑制するために、電極構造による熱の放散効果が活用されている。この目的から、電極構造の総厚(積層構造全体の厚さ)を例えば800nm以上、望ましくは1000nm以上とする必要がある。以下、電極構造の総厚を1000nmとして説明する。
【0013】
特許文献1の技術の場合、エッチング面にボンディングメタルとは異なる色彩を有する前記の金属層を露出させるためには、当該部分における電極の積層構造全体を除去する必要がある。この時、電極構造の厚さが1000nmに及ぶので、パターンエッチングを行なった際、サイドエッチによりパターンの輪郭は丸みを帯び、且つ、断面形状(パターンの側面)が傾斜する。従って、明瞭な基準パターンが得られない。特に、金属膜のエッチングはサイドエッチ量及び断面形状の制御が困難である。
【0014】
エッチングに代えてリフトオフを行なうことも考えられるが、この場合も、電極構造の厚さが1000nmに及ぶことから、リフトオフ残りが問題になる。リフトオフ残りを抑制するためにはレジスト膜を厚くする必要があり、厚くすると、パターン形状が粗くなって明瞭な基準パターンが得られなくなる。
【0015】
エッチング残りやリフトオフ残りを防ぐために、実装精度を犠牲にしてパターン形状を大きくすると、電極面積が減少することになり、放熱性の悪化を招くことになる。
【0016】
以上のように、電極の一部について積層構造全体を除去して基準パターンを得ることは、実装精度の向上及び放熱性確保のいずれからも困難である。
【0017】
また、特許文献2の技術は、ボンディングメタル層の表面の一部を粗面化し、周囲と異なる反射強度を得るものであり、ボンディングメタル層の表面一部の加工に留まっている。この場合、放熱性は確保できる。
【0018】
粗面化の手段としては、めっき及びエッチングが示されている。しかしながら、コントラストの強い粗面を得るためには、めっきの場合にはより厚く、エッチングの場合にはより深く加工を行なう必要がある。これらは、いずれもパターン形状を不明瞭にする原因となる。従って、粗面のコントラストを高めるほど基準パターンの形状は不安定になり、結果として、実装精度の向上は期待し難い。
【0019】
更に、粗面によって得られるコントラストは光の散乱を利用したものであり、光の散乱の程度は粗面の状態だけではなく、光源の波長にも影響される。特に、光の散乱は波長が長いほど弱くなるので、例えば赤色のように、波長の長い光源ではコントラストが悪化する。従って、実装精度を向上させるためには、例えば青色のような、波長の短い光源を用いなければならない。これらのことから、特許文献2の場合、粗面の状態に加えて設備面の調整要素も多くなり、結果として、恒常的に高い実装精度を得ることは実現していない。
【0020】
以上に鑑みて、本開示は、半導体発光素子とその製造方法及び認識方法において、設備条件の影響を抑えることができると共に高精度な基準パターンを実現すること、これにより放熱性を劣化させることなく実装精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記の目的を達成するために、本開示の半導体発光素子は、基板上に形成された半導体層と、半導体層上に形成された金属層と、金属層の表面に形成された基準パターンとを備え、基準パターンは、金属層表面の金属元素のヨウ素化合物からなる。
【0022】
このような半導体発光素子は、パターン認識法に用いるために、金属のヨウ素化合物からなる基準パターンを有している。このような基準パターンは、広い範囲の光源波長に対しても反射率が低いので、設備条件の影響を受けずに(又は、比較的小さな影響を受けるだけで)高いコントラストを得ることができる。また、厚さの大きい金属膜を加工する場合とは異なり、精度良く形成することができる。従って、安定であると共に汎用性に優れた(つまり、設備条件の影響を受けにくい)基準パターンが実現する。
【0023】
尚、基準パターンは、黒色領域であっても良い。
【0024】
この場合、少なくとも可視光域のどのような光源波長に対しても高いコントラストを得ることができる。
【0025】
また、金属層は、複数の金属膜の積層構造からなるp型又はn型の電極であっても良い。
【0026】
このようにすると、電極上に基準パターンを設けることにより、電極面積の減少を避けることができるので、高い放熱性を実現できる。また、基準パターンを設けるために新たな層を追加する必要がないので、製造工程の増加を抑制することができる。
【0027】
また、半導体層と前記金属層との間に、絶縁層が介在していても良い。
【0028】
つまり、基準パターンを設ける位置としては、電極上には限られない。
【0029】
また、ヨウ素化合物は、Pd、Ag及びFeのいずれか1つの金属と、ヨウ素との化合物を含んでいても良い。
【0030】
このような化合物は、可視光の全域に渡って反射率が低い(光吸収性が高い)ので、黒色領域を実現することができる。従って、光源波長に関わらず明瞭な基準パターンをより確実に実現できる。
【0031】
また、ヨウ素化合物は、Auを含有していても良い。
【0032】
また、ヨウ素化合物中に、Auが粒子状に分布していても良い。
【0033】
Auの含有量は、10atomic%以下であっても良い。
【0034】
このようにすると、可視光の全域に渡って更に反射率の低い黒色を実現するために有効である。少しでもAuが含まれていれば、特に長波長光を散乱させてヨウ素化合物の下の層における反射の影響が小さくなり、反射率を低下させることができる。但し、Au粒子が多くなりすぎると、ヨウ素化合物表面における反射光が増えるので、Auの望ましい含有量には上限があり、10atomic%以下にするのが望ましい。
【0035】
また、半導体層は、AlGaAs系材料、AlGaInP系材料又はAlInGaN系材料からなっていても良い。
【0036】
次に、前記の目的を達成するために、本開示の半導体発光素子の製造方法は、基板上に、半導体層を形成する工程(a)と、基板上又は半導体層上に、金属層を形成する工程(b)と、金属層表面に、金属層表面の金属元素のヨウ素化合物からなる基準パターンを形成する工程(c)とを含む。
【0037】
このようにすると、金属元素のヨウ素化合物からなる基準パターンを備える半導体発光素子を製造できる。
【0038】
尚、工程(c)において、金属層表面の少なくとも一部をヨウ素が含まれる液体又は気体に曝すことにより、基準パターンを形成しても良い。
【0039】
金属層表面の金属元素のヨウ素化合物からなる基準パターンを形成する方法として、このようにしても良い。
【0040】
また、金属層は、複数の金属膜の積層構造からなるp型又はn型の電極であっても良い。
【0041】
このようにすると、電極上に基準パターンを形成することになり、電極面積を減らすことなく基準パターンが実現される。従って、高い放熱性を実現できる。また、基準パターンを設けるために新たな層を追加する必要がないので、製造工程の増加を抑制することができる。
【0042】
また、工程(c)において、ヨウ化カリウム及びヨウ化アンモニウムの少なくとも一方を含む液体を用いても良い。
【0043】
このようにすると、ヨウ素化合物は金属層の表面における一部分に留まるので、電極面積を減らすことなく基準パターンを実現することができる。
【0044】
また、ヨウ素化合物は、Pd、Ag及びFeのいずれか1つの金属と、ヨウ素との化合物を含んでいても良い。
【0045】
このような化合物は、可視光の全域に渡って反射率が低い(光吸収性が高い)ので、黒色領域を実現することができる。従って、光源波長に関わらず明瞭な基準パターンをより確実に実現できる。
【0046】
また、金属層は、基準パターンを形成する面にAu含有層を有しており、工程(c)において、Auの一部がエッチングされても良い。
【0047】
このようにすると、ヨウ素化合物中にAu粒子を安定して含有させることができ、特に、長波長側においても非常に低い光反射率を実現することができる。
【0048】
次に、前記の目的を達成するために、本開示の半導体発光素子の認識方法は、基板上に形成された半導体層と、半導体層上に形成された金属層と、金属層の表面に形成された基準パターンとを備え、基準パターンは金属層表面の金属元素のヨウ素化合物からなる半導体発光素子を用い、基準パターンと、半導体素子における基準パターン周囲の領域との色の差を用いてアライメントを行なう。
【0049】
このようにすると、広い範囲の波長の光に対して反射率が低い金属のヨウ素化合物からなる基準パターンを用いてアライメントを行なうことができる。従って、設備条件の影響をあまり受けることなく高いコントラストを得ることができる。
【0050】
尚、ヨウ素化合物は、Pd、Ag及びFeのいずれか1つの金属と、ヨウ素との化合物を含んでいても良い。
【0051】
このようにすると、基準パターンについて、より確実に光の反射率を低くすることができる。
【0052】
また、基準パターンは、Auを含有していても良い。
【0053】
このようにすると、特に、長波長側においても非常に低い光反射率を有する基準パターンを実現することができる。
【発明の効果】
【0054】
以上のように、半導体発光素子、その製造方法及びその認識方法によると、設備条件の影響を抑えることができると共に高精度な基準パターンを実現すること、これにより放熱性を劣化させることなく実装精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1(a)及び(b)は、本開示の第1の実施形態の例示的半導体発光素子を模式的に示す断面図及び平面図である。
【図2】図2(a)〜(d)は、第1の実施形態の半導体発光素子の製造方法を説明する工程断面図である。
【図3】図3(a)〜(d)は、図2(d)に続いて、第1の実施形態の半導体発光素子の製造方法を説明する工程断面図である。
【図4】図4(a)及び(b)は、本開示の第2の実施形態の例示的半導体発光素子を模式的に示す断面図及び平面図である。
【図5】図5(a)及び(b)は、Au粒子を含まない場合及び含む場合について、ヨウ化パラジウムの光反射率を示す図である。
【図6】図6(a)〜(d)は、第2の実施形態の半導体発光素子の製造方法を説明する工程断面図である。
【図7】図7(a)〜(d)は、図6(d)に続いて、第2の実施形態の半導体発光素子の製造方法を説明する工程断面図である。
【図8】図8は、Au層とPd層とからなる積層金属層のSIMSプロファイルを示す図である。
【図9】図9は、下層からPt層、Pd層及びAu層が積層された積層金属層を、ヨウ素が含まれる液体でエッチングしたときの断面TEM像である。
【図10】図10(a)及び(b)は、n型電極に基準パターンを形成した場合の半導体発光素子を模式的に示す断面図及び平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
(第1の実施形態)
以下、本開示の第1の実施形態について、半導体レーザ素子を一例として、図面を参照しながら説明する。図1(a)及び(b)は、第1の実施形態の例示的半導体発光素子100を模式的に示す断面図及び平面図であり、図1(b)のIa-Ia'線が図1(a)に対応する。
【0057】
これらの図に示す通り、半導体発光素子100は、n型GaN基板101を用いて構成されている。n型GaN基板101上に、n型AlGaNからなる第1クラッド層102、InGaN及びGaNからなる量子井戸構造を有する活性層103、p型AlGaNからなる第2クラッド層104、p型GaNからなるコンタクト層105が順次積層されている。第2クラッド層104及びコンタクト層105は、リッジ形状を有するストライプ状の光導波路を構成している。
【0058】
第2クラッド層104のうちリッジ形状以外の領域は、SiO2 からなる電流ブロック層106によって覆われている。
【0059】
コンタクト層105上には、Pdからなるp型オーミック電極107が形成されている。p型オーミック電極107上には、n型GaN基板101の側からTi/Pt/Auの積層構造からなる配線電極108が形成されている。ここで、放熱性を確保するために、配線電極108の総厚(積層構造全体の厚さ)はある程度の厚さ、例えば800nm以上であることが好ましく、1000nm以上であることが更に好ましい。より詳しい具体例としては、Tiの厚さを10nm、Ptの厚さを50nm、Auの厚さを1000nmとする。
【0060】
n型GaN基板101の裏面(第1クラッド層102等が形成された面とは反対側の面)には、n型電極109が形成されている。
【0061】
電流ブロック層106の上には、基準パターン110を備える。基準パターン110は、例えば、パラジウム層上にヨウ化パラジウム(PdI2 )層が積層された構造である。
【0062】
基準パターンの表面(ヨウ化パラジウム層)は、広い範囲の波長の光に対して反射率が低い領域であり、半導体発光素子100における周囲の領域に対してコントラストが高い。特に、少なくとも可視光域全体について反射率が低いので、黒色の領域となっている。
【0063】
ここで、一般に、半導体発光素子は、半導体ウエーハの状態において複数一括して製造された後、一列に並ぶ複数の半導体発光素子を含むバー状態にウエーハから切り出される。次に、光出射面に、保護膜及び光学調整のための光学薄膜が形成された後、個々の半導体発光素子に分割される。
【0064】
バー状態への切り出しの位置及び分割位置の決定は、基準パターンを画像認識することによって行なわれる。従って、基準パターンが崩れている場合、及び、基準パターンの周囲に対するコントラストが不明瞭である場合等には、位置ずれが発生する。
【0065】
また、分割された半導体発光素子は、特性検査を経て実装工程に至る。実装工程では、パッケージにサブマウントを接合し、その上に半導体発光素子を実装した後、パッケージを封止する。特性検査及び実装工程においても、基準パターンを画像認識することによって位置決めが行なわれる。従って、この際にも、基準パターンが崩れている場合、基準パターンの周囲に対するコントラストが不明瞭である場合等には、位置ずれが発生する。
【0066】
本実施形態の半導体発光素子100における基準パターン110は、パターン崩れ無く且つコントラストも設備に依存することなく安定しているので、位置ずれを抑制することができ、高い歩留りを実現することができる。
【0067】
このことについて更に説明する。図5(a)は、Pdとヨウ素との化合物に対する光源波長と反射率の関係を示す。図5(a)に示す通り、Pdとヨウ素との化合物の反射率は、可視光の全域に亘って25%以下であり、波長に関わらず高いコントラストを実現することができる。これは、Pdとヨウ素との化合物は、可視光の全域に亘って高い光吸収性を有するからである。このような基準パターン110は、黒色の領域となっている。
【0068】
また、基準パターン110は、金属であるから導電性を有するので、静電対策を必要とする部位にも使用可能である。更に、インク等の有機成分を含有しないことから、耐熱性、耐薬品性にも優れている。
【0069】
次に、本実施形態の半導体発光素子100の製造方法について、その工程を示す断面図である図2(a)〜(d)及び図3(a)〜(d)を参照して説明する。
【0070】
初めに、図2(a)の工程を行なう。まず、n型GaN基板101上に、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition )法により、n型AlGaNからなるからなる第1クラッド層102を形成する。その後、第1クラッド層102上に、InGaN及びGaNからなる量子井戸構造を有する活性層103、p型AlGaNからなる第2クラッド層104、p型GaNからなるコンタクト層105を順次積層し、ダブルへテロ構造を形成する。
【0071】
続いて、図2(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、リッジ形状を有するストライプ状の光導波路150を形成する。
【0072】
続いて、図2(c)に示すように、光導波路150のコンタクト層105の部分に開口部151を備え、他の部分の第2クラッド層104上及び光導波路150の側面を覆うように、例えばSiO2 からなる電流ブロック層106を形成する。
【0073】
続いて、図2(d)に示すように、Pdからなるp型オーミック電極107を光導波路150のコンタクト層105上に形成すると共に、後に基準パターン110に加工するためのPd層110aを電流ブロック層106上に形成する。いずれも、厚さは例えば30nmとする。
【0074】
続いて、図3(a)に示す通り、ストライプ状の光導波路150上に、n型GaN基板101の側からTi/Pt/Auの積層構造からなる配線電極108を形成する。前記の通り、放熱性を確保するために、配線電極の総厚は800nm以上であることが好ましく、1000nm以上であることが更に好ましい。具体例として、ここではTiの厚さを10nm、Ptの厚さを50nm、Auの厚さを1000nmとする。
【0075】
p型オーミック電極107及びPd層110aと、配線電極108とはリフトオフ法によりパターニングしても良い。この場合、配線電極108は厚みの影響を受けるので、リフトオフ後のパターンは丸みを帯びることになる。また、例えば幅が5μm以下となるような狭いパターン形成を行なった場合、リフトオフ残りが発生しやすいので注意が必要である。このようなことから、配線電極108を基準パターンとして用いる技術では、歩留りの低下が容易に発生する。尚、配線電極の形成のために、リフトオフに代えてエッチングを用いたとしても、サイドエッチが生じるので、その影響により同様の結果となる。
【0076】
そこで、本実施形態では、Pd層110aを用いて基準パターン110を形成する。以下に、このための工程を説明する。
【0077】
配線電極108を形成した後、図3(b)に示すように、電流ブロック層106及び配線電極108を覆うレジストパターン160を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術を用い、基準パターン110に加工するPd層110a上に、開口161を形成する。
【0078】
次に、開口161に露出する表面をヨウ化カリウム水溶液に曝す。これにより、Pd層110aのパラジウムがヨウ化カリウム水溶液と反応し、ヨウ化パラジウム(PdI2 )層が形成される。ヨウ化パラジウムは黒色であるから、黒色の基準パターン110が形成されたことになる。
【0079】
尚、ヨウ化カリウム水溶液によってPdがエッチングされる速度は非常に遅いので、ヨウ化パラジウム層の形成は極表面に留まる。従って、ヨウ化カリウム水溶液による処理時間のマージンは非常に広い。また、基準パターン110は、パラジウム層上にヨウ化パラジウム層が積層された構造となる。
【0080】
続いて、図3(c)に示すように、レジストパターン160を除去する。
【0081】
この後、図3(d)に示すように、n型GaN基板101の裏面を研磨して、n型GaN基板101の厚さを80nmにまで薄くする。次に、研磨した裏面に、n型電極109を形成する。以上により、ウエーハ工程は完了する。
【0082】
以上に説明した通り、非常に簡便に黒色の(可視光の全域に亘って高い吸収性を有する)基準パターン110を形成することができる。また、基準パターン110に加工したPd層110aは、厚みが薄いので、形成の際のパターン崩れも容易に抑制できる。
【0083】
(第2の実施形態)
以下、本開示の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図4(a)及び(b)は、第2の実施形態の例示的半導体発光素子200を模式的に示す断面図及び平面図であり、図4(b)のIVa-IVa'線が図1(a)に対応する。
【0084】
半導体発光素子200は、第1の実施形態の半導体発光素子100と類似した構造を有する。つまり、n型GaN基板201上に、n型AlGaNからなる第1クラッド層202、InGaN及びGaNからなる量子井戸構造を有する活性層203、p型AlGaNからなる第2クラッド層204、p型GaNからなるコンタクト層205が順次積層されている。第2クラッド層204及びコンタクト層205は、リッジ形状を有するストライプ状の光導波路を構成している。
【0085】
第2クラッド層204のうちリッジ形状以外の領域は、SiO2 からなる電流ブロック層206によって覆われている。
【0086】
コンタクト層205上には、基板側からPd/Ptの積層構造からなるp型オーミック電極207が形成されている。p型オーミック電極207上には、基板側からTi/Pt/Au/Pd/Auの積層構造からなる配線電極208が形成されている。ここで、放熱性を確保するために、配線電極208の総厚(積層構造全体の厚さ)はある程度の厚さ、例えば800nm以上であることが好ましく、1000nm以上であることが更に好ましい。より詳しい具体例としては、Tiの厚さを10nm、Ptの厚さを50nm、基板側のAuの厚さを800nm、Pdの厚さを100nm、表面側のAuの厚さを100nmとする。
【0087】
n型GaN基板201の裏面(第1クラッド層102等が形成された面とは反対側の面)には、n型電極209が形成されている。
【0088】
配線電極208の表面の一部には、基準パターン210を備える。基準パターン210は、Au粒子を含有するヨウ化パラジウムからなり、広い範囲の波長の光に対して反射率が低い。
【0089】
第1の実施形態の半導体発光素子100の場合、配線電極108の一部が除去されて露出した部分の電流ブロック層106上に、ヨウ化カリウム水溶液によって処理されたPd層からなる基準パターン110が形成されている。配線電極108は基準パターン110の部分には配置されないので、その分だけ配線電極108の面積が減少している。
【0090】
これに対し、本実施形態の半導体発光素子200の場合、基準パターン210は、配線電極208上に形成されている。基準パターン210が形成された部分にも配線電極208が配置されているので、第1の実施形態の半導体発光素子100の場合に比べて配線電極208の面積を大きくすることができる。従って、放熱性を向上させることができる。また、基準パターン210の下には配線電極208の大部分が残存するので、基準パターン210を形成したことによって放熱性が悪化したり、給電が阻害されたりすることはない。
【0091】
また、基準パターン210は、Au粒子を含むヨウ素化合物からなる。Au粒子を含むことにより、光吸収率を更に高くすることができる。図5(b)には、Au粒子を含有するPdとヨウ素との化合物に対する光源波長と反射率の関係を示す。ここで、Au粒子の含有率は2atomic%である。可視光の全域に亘って反射率は12%以下となっており、Au粒子を含まない場合である図5(a)と比較すると、特に長波長側において反射率が低くなっている。
【0092】
長波長側において、短波長側に比べて光はヨウ素化合物に深く浸入し、その下の層による反射の影響が出やすくなる。このことから、Au粒子を含まない場合、長波長側において反射率が高くなる。これに対し、Au粒子を含む構造では、Au粒子が長波長光を散乱させるので、ヨウ素化合物の下の層による反射の影響が小さくなる。これらの結果、長波長側においても非常に低い反射率を実現することができ、更に高いコントラストを実現することができる。
【0093】
このように、半導体発光素子200によると、更に高い放熱性及び実装精度を実現することができる。
【0094】
ここで、基準パターン210において、Au粒子が少しでも含まれていれば(ゼロでなければ)反射率が低下する。しかしながら、Au粒子は波長500nm以上の光を非常に良く反射する材料である。この結果、Au粒子が多くなると、ヨウ素化合物表面における反射光が増えてしまい、ヨウ素化合物内部にて吸収される光が減少し、基準パターン210の光反射率が上昇するおそれがある。
【0095】
このことから、Au粒子の含有率は、10atomic%以下であることが望ましい。
【0096】
次に、本実施形態の半導体発光素子200の製造方法について、その工程を示す断面図である図6(a)〜(d)及び図7(a)〜(d)を参照して説明する。
【0097】
図6(a)〜(c)の工程については、第1の実施形態の半導体発光素子100の製造方法における図2(a)〜(c)の工程と同様である。これらの工程により、n型GaN基板201上に、第1クラッド層202、活性層203、第2クラッド層204、コンタクト層205が形成されると共に、第2クラッド層204及びコンタクト層205がストライプ状に加工された光導波路250が形成される。更に、光導波路150以外の部分の第2クラッド層104上には電流ブロック層106が形成される。
【0098】
続いて、図6(d)の工程を行なう。ここでは、コンタクト層205上に、基板側からPd/Ptの積層構造を有するp型オーミック電極207を形成する。例えば、蒸着法を用い、Pdの厚さを30nm、Ptの厚さを30nmに形成する。
【0099】
次に、図7(a)に示すように、n型GaN基板201の側からTi/Pt/Au/Pd/Auの積層構造からなる配線電極208を形成する。前記の通り、放熱性を確保するために、配線電極208の総厚は800nm以上であることが好ましく、1000nm以上であることが更に好ましい。より詳しい具体例としては、Tiの厚さを10nm、Ptの厚さを50nm、基板側のAuの厚さを800nm、Pdの厚さを100nm、表面側のAuの厚さを100nmとする。
【0100】
ここで、表面側のPdとAuとの接合界面には、PdとAuとの相互拡散層270が自己生成的に形成される。
【0101】
p型オーミック電極207と、配線電極208とは、リフトオフ法によりパターニングしても良い。この場合、第1の実施形態にて説明したのと同様に、配線電極208自体を基準パターンとして用いる技術では、歩留りの低下を招く。
【0102】
そこで、本実施形態では、配線電極208の表面に基準パターン210を形成している。以下に、このための工程を説明する。
【0103】
配線電極208を形成した後、図7(b)に示すように、電流ブロック層206及び配線電極208を覆うレジストパターン260を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術を用い、基準パターン210となる領域に対応する開口部261を形成する。
【0104】
次に、開口部261に露出する部分の配線電極208の表面を、ヨウ化カリウム水溶液に曝す。配線電極208の表面のAu内には、その下層からPdが相互拡散によって拡散している。ヨウ化カリウム水溶液に曝すことにより、Auはエッチングされ始めるが、瞬時にPdとヨウ化カリウム水溶液とが反応して、極表面にだけ、Au粒子を含有するヨウ化パラジウム(PdI2 )層が形成される。このようにして、基準パターン210が形成される。
【0105】
ここでも、ヨウ化カリウム水溶液によってPdがエッチングされる速度は非常に遅いので、ヨウ化パラジウム層の形成は極表面に留まる。従って、ヨウ化カリウム水溶液による処理時間のマージンは非常に広い。
【0106】
続いて、図7(c)に示すように、レジストパターン260を除去する。
【0107】
この後、図7(d)に示すように、n型GaN基板201の裏面を研磨して、n型GaN基板201の厚さを80nmにまで薄くする。次に、研磨した裏面に、n型電極209を形成する。以上により、ウエーハ工程は完了する。
【0108】
以上のようにすると、ヨウ素化合物(例えばヨウ化パラジウム)内にAu粒子を安定して含有させることができ、長波長側においても非常に低い反射率を実現することができる。
【0109】
これに関し、配線電極208における表面側のAuとPdとの接合界面では、常温であっても相互拡散が発生する。このような相互拡散により、自己生成的に且つ非常に安定に相互拡散層270が形成される。相互拡散層270を、ヨウ素が含まれる液体又は気体(例えばヨウ化カリウム水溶液)によりエッチングすると、Au粒子を含有するヨウ素化合物(ヨウ化パラジウム)が表面に露出する。
【0110】
図8に、Au層とPd層とからなる積層金属層のSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry 、2次イオン質量分析)プロファイルを示している(Pd層の下にはPt層が配置されている)。図8には、PdとAuとが相互拡散していることが示されている。
【0111】
図9には、下層からPt層、Pd層及びAu層が積層された積層金属層を、ヨウ素が含まれる液体でエッチングしたときの断面TEM(Transmission Electron Microscope、透過電子顕微鏡)像を示す。元素分析結果と合わせて、断面の黒い領域がヨウ化パラジウム(PdI2 )であり、その中に散在して白く見える粒子がAuであることが分っている。
【0112】
このように、本実施形態の製造方法によって、Au粒子を含有するヨウ化パラジウム層を形成することができる。これは、可視光の全領域において反射率が低く、黒色を示すので、恒常的に高いコントラストが得られる基準パターン210が実現する。
【0113】
尚、半導体発光素子において、p側及びn側の双方に電極が形成されるので、ヨウ素化合物からなる基準パターンは、どちらの電極に形成しても良い。
【0114】
これに関し、図10(a)及び(b)に、n型電極209に基準パターン210を形成した場合の断面図及びn型電極209側から見た平面図を示す。図10(b)のXa-Xa'線が図10(a)に対応する。
【0115】
n型電極209は、例えば、n型GaN基板101の側からTi/Pt/Au/Pd/Auの積層構造を有する。これにより、表面側のPdとAuとの接合界面において、PdとAuとの相互拡散層270が自己生成的に形成される。より詳しい具体例としては、Tiの厚さを10nm、Ptの厚さを50nm、基板側のAuの厚さを200nm、Pdの厚さを100nm、表面側のAuの厚さを100nmとする。フォトリソグラフィ技術と、ヨウ化カリウム水溶液によるエッチングとによって、n側電極109の表面に所望の基準パターン210を形成している。
【0116】
また、ヨウ化パラジウムの場合を例として説明したが、Pd以外の元素のヨウ化物を用いても良い。具体例としては、Ag又はFeを用いても良い。
【0117】
また、基準パターンと同時に、例えば半導体発光素子の生産情報を含むような識別パターンを形成しても良い。
【0118】
また、半導体層としてAlGaInN系材料を用いる場合を例として説明したが、これには限定されない。例えば、AlGaAs系材料、AlGaInP系材料等であっても良い。
【0119】
更に、以上では半導体レーザ素子を例として説明しているが、他の種類の発光素子、例えば発光ダイオード素子等にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本開示の半導体発光素子とその製造方法及び認識方法によると、可視光全域に亘って低い光反射率(高い光吸収率)を有する基準パターンを精度良く形成することができるので、設備条件の影響を避け且つ製造及び実装の高精度化を実現するために有益である。
【符号の説明】
【0121】
100 半導体発光素子
101 n型GaN基板
102 第1クラッド層
103 活性層
104 第2クラッド層
105 コンタクト層
106 電流ブロック層
107 p型オーミック電極
108 配線電極
109 n型電極
110 基準パターン
110a Pd層
150 光導波路
151 開口部
160 レジストパターン
161 開口
200 半導体発光素子
201 n型GaN基板
202 第1クラッド層
203 活性層
204 第2クラッド層
205 コンタクト層
206 電流ブロック層
207 p型オーミック電極
208 配線電極
209 n型電極
210 基準パターン
250 光導波路
260 レジストパターン
261 開口部
270 相互拡散層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された半導体層と、
前記半導体層上に形成された金属層と、
前記金属層の表面に形成された基準パターンとを備え、
前記基準パターンは、前記金属層表面の金属元素のヨウ素化合物からなることを特徴とする半導体発光素子。
【請求項2】
請求項1の半導体発光素子において、
前記基準パターンは、黒色領域であることを特徴とする半導体発光素子。
【請求項3】
請求項1又は2の半導体発光素子において、
前記金属層は、複数の金属膜の積層構造からなるp型又はn型の電極であることを特徴とする半導体発光素子。
【請求項4】
請求項1又は2の半導体発光素子において、
前記半導体層と前記金属層との間に、絶縁層が介在していることを特徴とする半導体発光素子。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つの半導体発光素子において、
前記ヨウ素化合物は、Pd、Ag及びFeのいずれか1つの金属と、ヨウ素との化合物を含むことを特徴とする半導体発光素子。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つの半導体発光素子において、
前記ヨウ素化合物は、Auを含有することを特徴とする半導体発光素子。
【請求項7】
請求項6の半導体発光素子において、
前記ヨウ素化合物中に、Auが粒子状に分布していることを特徴とする半導体発光素子。
【請求項8】
請求項6又は7の半導体発光素子において、
前記Auの含有量は、10atomic%以下であることを特徴とする半導体発光素子。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つの半導体発光素子において、
前記半導体層は、AlGaAs系材料、AlGaInP系材料又はAlInGaN系材料からなることを特徴とする半導体発光素子。
【請求項10】
基板上に、半導体層を形成する工程(a)と、
前記基板上又は前記半導体層上に、金属層を形成する工程(b)と、
前記金属層表面に、前記金属層表面の金属元素のヨウ素化合物からなる基準パターンを形成する工程(c)とを含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
【請求項11】
請求項10の半導体発光素子の製造方法において、
前記工程(c)において、前記金属層表面の少なくとも一部をヨウ素が含まれる液体又は気体に曝すことにより、前記基準パターンを形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
【請求項12】
請求項10又は11の半導体発光素子の製造方法において、
前記金属層は、複数の金属膜の積層構造からなるp型又はn型の電極であることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
【請求項13】
請求項10又は11の半導体発光素子の製造方法において、
前記工程(c)において、ヨウ化カリウム及びヨウ化アンモニウムの少なくとも一方を含む液体を用いることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
【請求項14】
請求項10〜13のいずれか1つの半導体発光素子の製造方法において、
前記ヨウ素化合物は、Pd、Ag及びFeのいずれか1つの金属と、ヨウ素との化合物を含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
【請求項15】
請求項10〜14のいずれか1つの半導体発光素子の製造方法において、
前記金属層は、前記基準パターンを形成する面にAu含有層を有しており、
前記工程(c)において、Auの一部がエッチングされることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
【請求項16】
半導体発光素子の認識方法において、
前記半導体発光素子は、基板上に形成された半導体層と、前記半導体層上に形成された金属層と、前記金属層の表面に形成された基準パターンとを備え、前記基準パターンは前記金属層表面の金属元素のヨウ素化合物からなり、
前記基準パターンと、前記半導体素子における前記基準パターン周囲の領域との色の差を用いてアライメントを行なうことを特徴とする半導体発光素子の認識方法。
【請求項17】
請求項16の半導体発光素子の認識方法において、
前記ヨウ素化合物は、Pd、Ag及びFeのいずれか1つの金属と、ヨウ素との化合物を含むことを特徴とする半導体発光素子の認識方法。
【請求項18】
請求項16又は17の半導体発光素子の認識方法において、
前記基準パターンは、Auを含有することを特徴とする半導体発光素子の認識方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図10】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−55236(P2013−55236A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192746(P2011−192746)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】