説明

単分散しておりかつ安定であるナノメートルの水酸化マグネシウムの製造方法、およびその生成物

本発明は、水酸化マグネシウムのナノメートル粒子を調製する方法に関する。水酸化マグネシウムのナノメートル粒子は、90〜110nmの直径の平均を有するかまたは20〜160nmの範囲内にあり、そして種々の濃度において12ヶ月よりも長い期間に渡って、単分散特性および安定性を有する。上記方法は、3つの段階:2つの工程(すなわち、第1の成熟工程および第2の精製工程)において実施される反応段階;粒子が化学的−機械的処理を用いて成熟される第2の段階;および第3の段階を包含する。反応段階の第1の成熟工程はマイクロ混合区域において実施され、かつ第2の精製工程は懸濁物の安定化を含む。第3の段階は、材料の精製および濃縮、ならびに所望の媒体に溶け込ませるための上記材料の調製を目的として設計される。得られた粒子は異なる媒体に再分散され得る。粒子が再分散される媒体は、例えば、アルキド樹脂、フェノール樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、水、アルコール、および種々の有機材料および重合体(例えば、高密度および低密度のポリエチレン、ナイロン、ABS)および/またはこれらの混合物である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、ナノ粒子の調製方法に関し、より詳細には、異なる環境において分散可能な、単分散されておりかつ安定である水酸化マグネシウムのナノ粒子の調製方法に関する。
【0002】
〔発明に対する先行技術〕
水酸化マグネシウムは、多くの異なる目的(例えば、産業処理における廃液酸の中和剤;pH調節剤;胃酸の安定化剤;異なる用途における重合体産業用の難燃剤および煤煙抑制剤)に使用される。
【0003】
特定の用語の使用において混同を避けるために、本明細書において、用語“ナノ粒子”は、通常100nm以下の直径を有する粒子を指すために使用され、かつ用語“単分散”は、分散の相において均一な大きさを有する粒子を特定するために使用される。
【0004】
ナノメートル材料(この場合には水酸化マグネシウム)の特性および機能が社会の利益に関して研究されるべきであることは、周知である。
【0005】
水酸化マグネシウムの製造過程は、よく知られており、かつ主に難燃材料の製造において中間産物として産業的に利用される。酸化物が水酸化されて、水酸化マグネシウムの懸濁物を生成する。当該懸濁物において、水酸化マグネシウムの粒径は0.05〜10.0ミクロンに変動し得る。この材料がナノメートルであるか、または安定であると見做されないのは明らかである。この用途において、狭い範囲の分散および大きなサイズの粒子を製造することが所望される。これは、最終産物における不純物(漂白剤、ホウ素、カルシウム、鉄)の除去を容易にするためである。
【0006】
ナノメートル産物を性質決定する方法において差異が見られる。粒子または結晶のサイズが測定され得る。結晶の測定は、回折図の点の幅および輪郭を基準として取得すること、およびリートフェルト解析法;または(透過型または走査型の)電子顕微鏡の補助を用いてこれらのパラメータを評価すること、および観察野内にある結晶を測定することによってなされ得る。粒子のサイズの測定は、光の分散、光子の分散、音波の減衰および沈降の速度を用いてなされ得る。粒子の性質決定に関する他の技術は、表面積の測定、および当該表面積にならざるを得ないサイズを推定するための結晶構造の評価を取り入れることである。
【0007】
粒子のサイズの測定は、結晶のサイズの測定とは異なって、前者が、材料が所定の状態にある実際のサイズの分布を反映することである。
【0008】
我々の場合に、我々は本発明の方法によって得られた産物におけるレーザ線の分散(光の分散)を使用した。
【0009】
中国特許第1332116号明細書において、水酸化マグネシウムのナノ粒子の調製に関して、処理は100〜200℃の温度において、2〜12時間の反応時間を用いて生じる。
【0010】
中国特許第341694号明細書において、反応は回転床において起こる。成熟温度が80〜100℃であることを必要とする。
【0011】
中国特許第1359853号明細書において、反応が起こる様式に関する詳細が与えられていない。使用される界面活性添加剤はカリウム塩およびOP−10である。得られる産物は分散状態にするために粉末化を必要とする。さらに、報告されているサイズは、X線回折(DRX(スペイン語における頭文字)によって測定された結晶のサイズである。
【0012】
中国特許第1361062号明細書において、使用される反応器はあらかじめ混合された液体膜である。
【0013】
中国特許第1389521号明細書において、反応は高速攪拌を伴った反応器における1局面のみにおいて生じる。それから、5時間の超音波処理が続き、形成されたゼラチン状物が乾燥され、かつ粉砕工程に進む。
【0014】
〔発明の目的〕
これまでの技術に見られる問題に鑑みて、本発明の目的は、水酸化マグネシウムのナノ粒子を調製する新たな方法を提供することである。
【0015】
本発明の付加的な目的は、高濃度の水酸化マグネシウムのナノ粒子を製造する方法を提供する。
【0016】
本発明の他の目的は、水酸化マグネシウムの単分散粒子の製造を可能にする方法を提供することである。
【0017】
本発明のもう1つの目的は、上記方法を通じて得られる水酸化マグネシウムのナノ粒子が、90〜110nmの直径を有することである。
【0018】
本発明の他の目的は、上記方法を通じて製造されたナノ粒子が、保存期間内に攪拌することなしに12ヶ月まで優れた安定性を提供することである。
【0019】
本発明のもう1つの目的は、単回処理の様式における水酸化マグネシウムのナノ粒子の製造方法を提供することである。
【0020】
本発明の他の目的は、連続的様式における水酸化マグネシウムのナノ粒子の製造方法を提供することである。
【0021】
本発明のもう1つの目的は、水酸化物の製造方法が製造中に粒子のサイズの制御を可能にすることである。
【0022】
本発明の他の目的は、産物が異なる物質に分散する特性を有することである。
【0023】
〔図面の簡単な説明〕
発明の物質のよりよい理解のために、本明細書には、例証であり、その例証の範囲に限定しない1組の図面が添付されている。それらの図面について以下に説明されている。
【0024】
図1は、本発明から水酸化マグネシウムのナノ粒子を得る方法のブロック図である。
【0025】
図2は、本発明の方法から得られる水酸化マグネシウムのナノ粒子のサイズ分布のグラフである。
【0026】
図3は、本発明の方法から得られる水酸化マグネシウムの粒子のサイズ分布のグラフである。
【0027】
図4は、本発明の記載された手法によって調製された、20〜50nmの粒径を有する単分散しているナノメートルの水酸化マグネシウムの顕微鏡写真である。
【0028】
図5は、本発明を通じて得られた水酸化マグネシウムの回折結果である。
【0029】
〔発明の簡単な説明〕
本発明は、平均直径が100nmであり、20〜160nmの範囲内の直径を有する、水酸化マグネシウムのナノメートル粒子の調製方法に関する。上記粒子は、単分散粒子の特性および12ヶ月を超える安定性を有し、かつ広範囲の濃度に見出される。
【0030】
本発明の方法は、制御された量のマグネシウム塩(例えば、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、酸化物、炭酸マグネシウム、およびその他の塩、これらの他にこれらの組み合わせ)から開始する。続いて、本発明の方法は、アルカリ(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、およびアンモニア溶液)の制御された添加によるpH調節を保つ。これによって水酸化マグネシウムの沈殿が生じる。
【0031】
上記方法は、3段階(2工程において実現される反応段階、成長段階および精製段階)に行われる。第1の段階(反応段階)の第1の工程は、マイクロ混合反応区域によって特徴付けられる。マイクロ混合反応区域において、粒子のサイズが制御され、かつ添加剤との統合を伴って粒子の単分散を確実にする。反応の第2の工程は、懸濁物の安定化である。第2の段階において、粒子の成長が化学的−機械的処理を介して確立される。最終の段階は、材料の精製および濃縮の他に、安定性および分散特性を当該材料に与える所望の状態における当該材料の調製を目的として設計される。
【0032】
粒子は、異なる媒体に再分散され得る。粒子が再分散される媒体は、水、アルコール、アルデヒド樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ビニル、アクリル、広範囲の有機材料および重合体(例えば、高密度および低密度のポリエチレン、ナイロン、ABS)および/またはこれらの混合物である。
【0033】
〔発明の詳細な説明〕
以下は、本発明の方法の詳細であり、図1に例証される方法である。動作および流れは、図1において括弧内の番号によって示されるように説明される。
【0034】
(段階1.反応(600))
マグネシウム水溶液の調製(100)
水性マグネシウム溶液は、溶解されたマグネシウムの0.01重量%〜10重量%を含有し得る。溶解されたマグネシウムは、マグネシウム(10)の供給源から得られる。マグネシウム(10)は、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、酸化物、炭酸マグネシウム、および他のマグネシウム塩の他に、これらの混合物からなる群から選択される。沈殿した水酸化マグネシウムの重量に基づいて0.01%〜10%、そして好ましくは3%の量の界面活性剤(30)が加えられる。界面活性剤(30)は、エトキシレート(ノニルフェノールなど)、アルキルフェノールエトキシレート、およびラウリル硫酸ナトリウム含む群から選択される。また、この水性溶液において、有機酸(20)は、コハク酸、アスコルビン酸、シュウ酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、オキシ2酢酸、サリチル酸およびグルタル酸の他に、他の種類の酸から選択される。有機酸(20)は、沈殿している水酸化マグネシウムの重量に基づいて0.01%〜10%、そして好ましくは2%の量の、上述の酸を溶解している。
【0035】
アルカリ水溶液の調製(200)
50重量%以下の濃度のアルカリ(40)の水性アルカリ溶液は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア溶液および他のアルカリを含む群から選択される。上記水性アルカリ溶液は、反応におけるpHを8.5より高い値に増加させる。この水性溶液に対して、水酸化マグネシウム沈殿物の重量に基づいて0.01%〜10%のアクリル重合体ベースを有する、分散剤(50)を加えられる。アクリル重合体ベースは、中でも例えば、GBC−110;ディスパービック(Diperbyk)(登録商標) 190、185および156(ビク ケミー(Byk Chemie));バスパース(Busperse)(登録商標) 39(ベックマン(Beckman))である。
【0036】
反応の希釈水溶液の調製(300)
水性希釈溶液は、水(60)および水酸化マグネシウム沈殿物の重量に基づいて10%以下のアクリル酸塩重合体ベースを有する分散剤(70)を含有する。
【0037】
ナノメートル水酸化マグネシウムの形成反応(600)
反応(600)は、取得を必要とされる産物の規模に依存して、回分処理において、この他に連続的に行われ得る。しかし、すべての場合において、反応(600)は2つの工程に分けられる。
【0038】
図2、3、4および5は産物の解析の結果である。上記産物は、1日につき1.0トンのナノメートル水酸化マグネシウムの引受能力を有する、(半工業の)試験工場において処理された。
【0039】
マグネシウム(100)およびアルカリ(200)の溶液が、マイクロ混合区域(400)において組み合わせられる。マグネシウム(100)とアルカリ(200)との比率は、化学量論の法則に従って計算され得るか、または20〜50%過剰の反応物のいずれか1つ、好ましくはアルカリを有し得る。
【0040】
添加剤の非存在下および化学量論的量において、結晶および大粒子および小さな表面積を有する水酸化マグネシウムが、反応によって製造され;反応物のあらゆるものの余剰によって、大粒子および約60m/g以上の大きな表面積を有する小結晶の形態のMg(OH)が製造されることを記載するのは重要である。本発明を支持する添加剤を用いて、かつ特に30%余剰のアルカリを用いて、小結晶および小粒子が製造され、かつ約60m/gの面積が得られる。
【0041】
マイクロミキサーにおける滞留時間は、3分以下、好ましくは1分以下であり得る。マイクロ混合区域の状態は、3000を越えるレイノルズ数NReを有する乱流である。マイクロ混合区域における動作温度は、5℃〜45℃の間にあると計算して求められ得る。
【0042】
懸濁の安定化区域(500)において、滞留時間は5〜30分、そして好ましくは5〜10分の水準であるが、攪拌は3時間以内に維持され得る。安定化区域(500)は、内部の装備の他にも外部装置によって提供され得る。また、安定化区域(500)には、少なくとも2および最大で6のポンピング範囲が通常である(すなわち、流体の広範囲の速度が少なくとも10ft/分〜40ft/分までであるべきである)ように、混合物の状態の均質性を確実にする水性希釈溶液(300)が加えられる。
【0043】
反応(600)の間、pHが8.5以上に維持されることが重要である。
【0044】
(段階2.ナノメートル水酸化マグネシウムの成熟(700))
成熟の工程は、従来のあらゆる利用可能な手段を介した超音波の使用を伴う、機械的および化学的な状態調節を意味する。超音波は、20〜45kHzの範囲内の周波数を用いる。機械的作用ならびに分散剤および有機酸を組み合わせた働きが活性点の失活を可能にするが、それらが形成された水酸化物の粒子および結晶にまだ存在するように、上記範囲内の周波数が用いられる。成熟期間は、3時間以内、そして好ましくは15〜60分の成熟時間である。この段階における温度は60〜80℃の間に制御されるべきである。
【0045】
(段階3.ナノメートル水酸化マグネシウムの洗浄(800))
洗浄(800)の段階は、反応(600)および成熟(700)の段階において製造された水酸化マグネシウムを精製する役目を果たす。そして洗浄(800)の段階は、多くのサイクルによって形成されている。上記サイクルは、産物が規定の純度に達するまで、そして得られる産物をペースト状に濃縮するまでに必要とされる数である。ペースト状の産物は、固体の含有量が35%以下、そして特別な条件において60%に達し得る、90〜110nmの粒径を有する再分散可能な水酸化マグネシウムである。
【0046】
この方法において得られた産物は、図2および3に示される粒径分布を有する水酸化マグネシウムである。ここで、図2は、本発明の方法によって得られた水酸化マグネシウムの粒径分布のグラフである。上記水酸化マグネシウムは、1日につき1.0トンのナノメートル水酸化マグネシウムの引受能力を有する(半工業の)試験工場において得られた。ここで、粒径の分布は、以下に示される通りである:D10、59.0nm;D50、92.7nm;D90、153nm。上記粒径の分布は、“クールター(Coulter) LS230”という商品名が付けられた設備において、レーザ線の回折によって測定された。これらのすべては、23nmの結晶サイズを示している。これらのすべての結晶サイズは、(回折図)の点の幅(基準として)および輪郭を測定して得られた。回折図は、“ブルーカー(Bruker) D8 アドバンス”という商品名のX線回折計測器から得られる。そして、リートフェルト解析法を用いてこれらのパラメータ(結晶サイズ)を評価する。
【0047】
図3は、本発明の方法によって得られた水酸化マグネシウム粒子のサイズ分布をグラフに示している。上記水酸化マグネシウムは、1日につき1.0トンのナノメートル水酸化マグネシウムの引受能力を有する(半工業の)試験工場において得られた。ここで、粒径の分布は、以下に示される通りである:D10、81.2nm;D50、109nm;D90、142nm。これらのすべては、クールター LS230装置を用いたレーザ線回折によって測定された。これらのすべては24nmの結晶サイズを有する。結晶サイズは、回折図のピークの幅および輪郭を基準として用いることによって測定された。回折図は、X線回折測定器ブルーカー D8 アドバンスを用いて得られている。そして、リートフェルト解析法を用いてこれらのパラメータ(結晶サイズ)を評価する。
【0048】
図4は、透過型電子顕微鏡を用いた、20〜50nmの範囲内のサイズを有する単分散したナノメ−トル水酸化マグネシウムの顕微鏡写真である。試料は、1日につき1.0トンのナノメートル水酸化マグネシウムの引受能力を有する(半工業の)試験工場において、本発明において説明される手法を用いて調製された。
【0049】
図5は、水酸化マグネシウムの回折図である。回折図は、本発明に記載の手法を介して、X線回折測定器ブルーカー D8 アドバンスを用いることによって得られた。リートフェルト解析法によって、回折図のピークの幅および輪郭を基準にして結晶サイズを算出する。
【0050】
本発明の方法に関する上述の説明は、必要な段階を示し、かつ動作条件の様式および他の要素を好ましくさらに包含する。上記段階は、得られた産物が、ある性質に達することを確実にするために必要である。ある性質は、均質性、安定性、単分散度の性質およびこれまでに記載されたナノ粒子の他の性質である。しかし、上述の説明および添付の図面は、それらの限界よりむしろ、方法および産物の代表として見做されるべきである。異なる設備および通常に入手可能な原材料を用いて本発明を実施する場合に、新たな変形が導入され得ることは、当業者にとって明らかであろう。しかし、当該変形は、以下の特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲の範囲外であるとは見做され得ない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明から水酸化マグネシウムのナノ粒子を得る方法のブロック図である。
【図2】本発明の方法から得られる水酸化マグネシウムのナノ粒子のサイズ分布のグラフである。
【図3】本発明の方法から得られる水酸化マグネシウムの粒子のサイズ分布のグラフである。
【図4】本発明の記載された手法に関して調製された、20〜50nmの粒径を有する単分散しているナノメートルの水酸化マグネシウムの顕微鏡写真である。
【図5】本発明を通して得られた水酸化マグネシウムの回折結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の段階:
a.水性マグネシウム溶液および水性アルカリ性溶液を混合する混合段階、
b.希釈剤を加えることによって混合された生成物を安定化する安定化段階、
c.安定化された生成物を成熟させる成熟段階、
d.成熟した生成物を洗浄して水酸化マグネシウム粒子を取得する段階、
によって構成される、単分散しておりかつ安定であるナノメートルのMg(OH)の製造方法であって、
当該方法は、
i)上記水性マグネシウム溶液が、溶解したマグネシウム、界面活性剤および有機酸を、0.01重量%〜10重量%含有し、
ii)上記水性アルカリ溶液が、50重量%以下の濃度のアルカリおよび分散剤を有し、
iii)希釈した水性溶液が水および分散剤を含有し、
iv)反応段階が、2つの工程:マイクロ混合および安定化において実現され、
v)得られた粒子および結晶の活性点が、成熟段階の間に失活され、
vi)洗浄段階においてマグネシウム水酸化物の純度および濃度が制御されることを特徴とする単分散しておりかつ安定であるナノメートルのMg(OH)の製造方法。
【請求項2】
マグネシウム溶液は、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、酸化物、炭酸塩、および他の化合物もしくはこれらの混合物を含む群から選択されるマグネシウムの組み合わせから調製されていることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
上記界面活性剤は、ノニルフェノール、アルキルアリール硫酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウムを含む群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
上記水性マグネシウム溶液の上記界面活性剤は、沈殿したマグネシウム水酸化物の重量を基にして0.01%〜10%、好ましくは2%の範囲内の比率であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
上記マグネシウム溶液に使用される上記有機酸は、コハク酸、アスコルビン酸、シュウ酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、オキシ2酢酸、サリチル酸およびグルタル酸を含む群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
上記アルカリ溶液の生成に使用されるアルカリが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、およびアンモニア性溶液を含む群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
上記水性アルカリ溶液が、反応の間にわたってpH8.5以上を維持することを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
上記アルカリ溶液を生成するための分散剤は、ポリアクリル酸または誘導体化されたこれらの塩に基づく分散剤であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
上記水性アルカリ溶液における上記分散剤は、沈殿したマグネシウムの重量を基にして0.01%〜10%の範囲内の比率であることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
希釈した上記アルカリ溶液は、水、およびポリアクリル酸もしくは誘導体化されたこれらの塩に基づく、沈殿したマグネシウム水酸化物の質量の10%以下の分散剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
マグネシウム溶液およびアルカリ溶液が、マイクロ混合を保証する3000よりも大きいNReを有する乱流パターンにおいて、激しい攪拌によって混合されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項12】
上記混合物のマグネシウムとアルカリとの間の比率が、化学量論レベルであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項13】
上記混合物のマグネシウムとアルカリとの間の比率は、化学量論レベルではなく、いずれかが20〜50%過剰であって、反応のいずれかの部分が化学量論的量に対して過剰であり得ることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項14】
上記混合物のマグネシウムとアルカリとの間の比率が、化学量論レベルに対して過剰のアルカリ、好ましくは化学量論的量に対して30%過剰のアルカリの範囲内であることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
上記混合物がマイクロ混合区域に留まる時間が、3分以下、好ましくは1分未満であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項16】
マイクロ混合区域からの生成物が、当該生成物に希釈剤が添加される安定化区域に移ることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項17】
安定化区域において均質な混合状態が広がっていることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項18】
安定化区域に存在する時間が、5〜30分、好ましくは5〜10分の範囲内であることを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
すでに安定化された反応の生成物が、化学的機械的調節を用いて成熟段階に供されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項20】
生成物が、成熟のために、好ましくは20〜45kHzを有する超音波処理に供されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項21】
安定化段階における時間が、15分〜60分、好ましくは約15分の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項22】
成熟段階における温度が、生成物の成熟を達成するために、60〜80℃の間に維持される必要があることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項23】
洗浄段階においてマグネシウム水酸化物粒子が生成され、かつ得られるペーストが固体の60重量%以上の濃度を有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項24】
洗浄する段階は、要求される純度を達成するために必要な回数、繰り返され得ることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項25】
上記方法が回分処理において実現されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項26】
上記方法が連続様式の処理において実施されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項27】
マイクロ混合区域における攪拌による生成物の形成反応が、3000以上のNReを有する好ましくは乱流であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項28】
Mg(OH)が、60重量%以下の濃度においてナノメートルの大きさであり、単分散され、かつ安定であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法に従って得られる、水酸化マグネシウムのペースト。
【請求項29】
水酸化マグネシウム粒子の平均の大きさ(D50)が90〜110nmの範囲内であり、かつ当該粒子の少なくとも90%の有するサイズ(D10)が20nmを越え、かつ当該粒子の少なくとも90%の有するサイズ(D90)が160nm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法に従って得られる、水酸化マグネシウムのペースト。
【請求項30】
機械的処理を必要とせずに12ヶ月を超える期間にわたって安定であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法に従って得られる、水酸化マグネシウムのペースト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−505722(P2010−505722A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531329(P2009−531329)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【国際出願番号】PCT/MX2007/000045
【国際公開番号】WO2008/041833
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(509094089)セルヴィシオス インダストリアレス ペニョーレス,ソシエダッド アノニマ デ キャピタル ヴァリアブル (4)
【Fターム(参考)】