印刷された触媒を有するシガレット包装紙
喫煙製品用包装紙は、ウェブ;及び包装紙の一方の表面の少なくとも一部上のパターン化された堆積物を含み、ここで、パターン化された堆積物は、触媒粒子を含む。パターン化された堆積物は、喫煙製品の主流煙及び/又は副流煙における構成ガス成分の転化を触媒可能であるナノ粒子触媒を含んでいてもよい。構成ガス成分は、一酸化炭素及び/又は酸化窒素であってもよく、及び触媒粒子は、酸化鉄であってもよい。また、タバコロッドの周囲に形成された包装紙を有するタバコロッドを含む喫煙製品が提供され、包装紙は、包装紙の一方の表面の少なくとも一部上にパターン化された堆積物を含む。包装紙を製造する方法及び包装紙を利用する喫煙製品を製造する方法もまた提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件出願は、35USC119の下に、触媒フィラーを有するシガレット包装紙及び同一物の製造方法とのタイトルで2003年6月13日に出願された米国仮出願第60/477,922号の優先権を主張するものであり、その全内容は参考文献として本願明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
以下に続く記載において、参照は、一定の構造及び方法についてなされるが、そのような参照は、必ずしも、これらの構造及び方法が、適切な法による規定の下に従来技術として認められるという了解として解釈されるべきでない。出願人は、参照対象が従来技術を構成しないことを説明する権利を留保する。
【背景技術】
【0003】
喫煙製品(smoking article)、例えば、シガレット又は葉巻は、タバコを吹かした間の主流煙及び静的燃焼の間の副流煙の双方を生じさせる。主流煙及び副流煙の双方の構成成分は、一酸化炭素(CO)及び、酸化窒素(NO)及び粒子状物質(例えばタール)である。シガレットの煙における一酸化炭素、酸化窒素及び粒子状物質の低減が望ましい。
【0004】
喫煙製品用触媒、吸着剤及び/又は酸化剤は、以下のものに開示されている:Sniderらにより登録された米国特許第6,371,127号明細書、Bowenらにより登録された米国特許第6,286,516号明細書、山崎らにより登録された米国特許第6,138,684号明細書、Rongvedにより登録された米国特許第5,671,758号明細書、Quincy,IIIらにより登録された米国特許第5,386,838号明細書、Shannonらにより登録された米国特許第5,211,684号明細書、Doffevesらにより登録された米国特許第4,744,374号明細書、Cohnにより登録された米国特許第4,453,553号明細書、Owensにより登録された米国特許第4,450,847号明細書、Seehoferらにより登録された米国特許第4,182,348号明細書、Martinらにより登録された米国特許第4,108,151号明細書、米国特許第3,807,416号明細書及び米国特許第3,720,214号明細書。発行された出願WO 02/24005、WO 87/06104、WO 00/40104及び米国特許出願2002/0002979 A1、2003/0037792 A1及び2002/0062834 A1は、また、触媒、吸着剤、及び/又は酸化剤を言及している。
【0005】
鉄及び/又は酸化鉄が、タバコ製品における使用について記載されている(例えば、米国特許第4,197,861号、第4,489,739号及び第5,728,462号明細書参照)。酸化鉄は、着色剤として(例えば米国特許第4,119,104号、第4,195,645号及び第5,284,166号明細書)、及び燃焼調整剤として(例えば米国特許第3,931,824号、第4,109,663号及び第4,195,645号明細書)記載され、及び味、色彩及び/又は外観を改良するために使用されている(例えば米国特許第6,095,152号、第5,598,868号、第5,129,408号、第5,105,836号及び第5,101,839号明細書)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今日までの開発にもかかわらず、喫煙製品の主流煙及び/又は副流煙におけるガス構成成分の量を低減するための改良された及びより効果的な方法及び組成物についての関心が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
タバコロッドの周囲に形成された包装紙(wrapper)を有するタバコロッドを含む喫煙製品が提供されており、該包装紙は、包装紙の一方の表面の少なくとも一部上にパターン化された堆積物を含み、ここで、パターン化された堆積物は、喫煙製品の主流煙及び/又は副流煙中における構成ガス成分を触媒、酸化及び/又は還元することが可能な触媒粒子を含む。包装紙を含む喫煙製品において、一酸化炭素、酸化窒素及び/又は全粒子状物質の主流煙及び/又は副流煙における濃度が低減され得る。
【0008】
好ましい実施態様においては、喫煙製品用包装紙は、ウェブ及び包装紙の一方の表面の少なくとも一部上のパターン化された堆積物を含み、ここで、パターン化された堆積物は触媒粒子を含む。複数の包装紙は、シガレット包装用紙(cigarette wrapping paper)のシートを含み得る。
【0009】
触媒粒子のパターン化された堆積物を有するシガレット用紙を製造する方法は、(i)製紙機においてシガレット用紙のシートを形成すること;及び(ii)包装紙の表面の少なくとも一部上に触媒粒子を堆積させて、包装紙上に粒子のパターン化された堆積物を形成することを含む。好ましい実施態様においては、触媒粒子は、バインダーを用いずに堆積させ、及び包装紙に水素結合させる(例えば包装紙を含むウェブに結合させる)。
【0010】
好ましくは、触媒粒子は、ナノスケールの粒子を含み、それは、約5ミクロン未満、好ましくは約50nm未満、最も好ましくは約10nm未満の平均粒子サイズを有し得る。触媒粒子は、好ましくは、金属酸化物、例えば酸化鉄(例えば、FeOOH、Fe3O4、α−Fe2O3、γ−Fe2O3、FeO又はそれらの混合物)であるが、触媒粒子は、B、Al、Si、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Sn、Ce、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の少なくとも1つの酸化物を含み得る。触媒粒子は、第2化合物の粒子上に担持された第1酸化物の粒子(例えば、炭酸カルシウム粒子上に担持された酸化鉄粒子)を含み得る。
【0011】
堆積物は、好ましくは、複数の別個の特徴、例えば、英数字配列、絵文字又は幾何学的図形をパターンを含み、それは、用紙の長さに沿って繰り返され得る。パターンは、特徴のランダムな又は規則正しい列を含み得る。パターンの第1部分は、触媒粒子の第1濃度を有し得、及びパターンの第2部分は、触媒粒子の第2濃度を有し得る。さらに、触媒−パターン化用紙は、用紙の長さに沿って及び/又は用紙の面に垂直に触媒量の勾配を伴って提供され得る。
【0012】
触媒粒子は、包装紙の内面及び/又は外面上に堆積され得る。喫煙製品は、第1包装紙とは異なる触媒及び/又は異なる量の触媒が堆積された第2包装紙を有し得る。好ましい包装紙の透過性は、15CORESTAユニット以上であり、及び包装紙の触媒の好ましい面積範囲は、包装紙の全表面積の約90%未満又は約50%未満である。触媒粒子は、包装紙の全表面積の約1%より高いか又は約5%より高くをカバーし得る。好ましい実施態様において、包装紙上の触媒パターンの特徴は、未被覆包装紙の最大面積が、10mmの直径、より好ましくは1ミクロンの直径を有する円形面積を越えないように繰り返される。
【0013】
典型的な喫煙製品は、喫煙製品あたり約10mg未満の触媒又は喫煙製品あたり約100mg未満の触媒を含む。触媒は、喫煙製品中に、一酸化炭素、酸化窒素及び/又は他の煙構成成分の主流煙及び/又は副流煙における濃度を少なくとも10%又は少なくとも25%低減するのに効果的な量で導入され得る。
【0014】
喫煙製品を製造する好ましい方法は、(i)包装紙の表面の少なくとも一部上に触媒粒子を堆積させて、包装紙上に粒子のパターン化された堆積物を形成すること;(ii)タバコを含むカットフィルターをシガレット製造機に提供すること;及び(iii)パターン化された堆積物を含む包装紙をカットフィルターの周囲に置いて、喫煙製品のタバコロッド部分を形成することを含む。
【0015】
触媒粒子は、グラビア印刷、ロトグラビア(rotogravure)印刷、フォトグラビア(photogravure)印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、凹版印刷、リソグラフ印刷、スプレー、ブラッシング、ローリング又はサイズプレス技術により堆積され得る。触媒粒子は、粒子を液体(例えばアルコール、水及び/又は他の溶剤)中に分散させて、混合物を形成すること、及び混合物を包装紙上に堆積させること、又は乾燥粒子を包装紙のベースウェブ上に堆積させることにより堆積させ得る。
場合により、触媒粒子は、顔料を含む触媒インクの形態で包装紙上に堆積させることができる。触媒インクは、好ましくは、液体及び液体中に懸濁されたナノ粒子触媒を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
包装紙を含む喫煙製品、喫煙製品において使用するのに適する包装紙並びに喫煙製品及び包装紙を製造する方法は、包装紙の少なくとも一方の表面上における触媒粒子のパターン化された堆積物を含む。触媒粒子は、喫煙製品の主流煙及び/又は副流煙における1又はそれより多くのガス構成要素を転化可能である。例えば、包装紙に触媒粒子のパターン化された堆積物を提供することにより、主流煙及び/又は副流煙における一酸化炭素、酸化窒素及び/又は全粒子状物質の量を低減することができる。“堆積物”は、触媒粒子が包装紙の表面上に分散されていることを意味する。
【0017】
好ましくは、触媒粒子は、ナノ粒子を含む。“ナノ粒子”は、粒子が、約500ナノメーター未満、好ましくは約50nm未満、より好ましくは約10nm未満の平均粒子直径を有することを意味する。触媒粒子は、B、Al、Si、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Sn、Ce、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の少なくとも1つの酸化物を含む。好ましい触媒粒子は、酸化鉄粒子(例えば、ナノスケールの酸化鉄粒子)である。好ましいナノ粒子酸化鉄触媒は、Mach I, Inc., of King of Prussia, PAから入手可能なNANOCAT(登録商標)スーパーファイン酸化鉄である。ナノ粒子酸化鉄触媒は、FeOOH、Fe3O4、α−Fe2O3、γ−Fe2O3、FeO又はそれらの混合物を含み得る。
【0018】
実施態様は、触媒粒子のパターン化された堆積物を有するシガレット用紙を製造する方法に関し、該方法は製紙機においてシガレット用紙のシートを形成すること及び用紙の表面の少なくとも一部上に触媒粒子を堆積させて、用紙上に粒子のパターン化された堆積物を形成することを含む。そのような用紙包装紙(paper wrapper)は、使用されて、喫煙製品、例えばシガレットが組み立てられ、及び喫煙の間に消費される。触媒粒子のパターン化された堆積物は、包装紙のベースウェブ上に乾燥粒子として堆積され得る。さらなる実施態様においては、触媒粒子が、液体と組み合せられて、スラリーが形成され得、及びスラリーは、包装紙の一方の表面の少なくとも一部上に堆積され得る。好ましくは、スラリーは、液体及び触媒粒子からなる(即ち、スラリーは、バインダーを含まない)。
【0019】
さらなる実施態様は、喫煙製品の製造方法であって、
(i)包装紙の表面の少なくとも一部上に触媒粒子を堆積させて、包装紙上に粒子のパターン化された堆積物を形成すること;
(ii)タバコを含むカットフィラーをシガレット製造機へ提供すること;及び
(iii)パターン化された堆積物を含む包装紙をカットフィラーの周囲に置いて、喫煙製品のタバコロッド部分を形成すること
を含む方法に関する。
【0020】
理論に拘束されることを望む訳ではないが、喫煙の間、粒子、例えば酸化鉄ナノスケール粒子のパターン化された堆積物は、喫煙製品の気流中における酸素との反応を介して、化学反応式2CO+O2=2CO2に従って、一酸化炭素の二酸化炭素への転化を触媒すると考えられる。粒子は、また、反応2NO+2CO→2CO2+N2に従って、酸化窒素を窒素に転化(例えば還元)し得る。
【0021】
また、触媒反応の後に、粒子は、また、主流煙及び/又は副流煙におけるCOレベルを低減するために、酸素の不存在下でCOをCO2に転化可能な酸化剤として作用し得ると考えられる。本願明細書において使用されているように、触媒は、化学反応の速度に影響し得、例えば、触媒は、反応体又は反応生成物として加わることなしに一酸化炭素の酸化速度を上昇させ得る。酸化剤は、例えば、酸素を反応体に提供することにより、酸化剤自体が還元されるように、反応体を酸化し得る。還元剤は、例えば、反応体から酸素を受け取ることにより、還元剤自体が酸化されるように、反応体を還元し得る。触媒粒子は、また、気流における全粒子状物質(TPM)(例えばタール)を低減し得る。
【0022】
好ましくは、触媒粒子は、一酸化炭素、酸化窒素及び/又は全粒子状物質の主流煙及び/又は副流煙における濃度を少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%)低減するのに効果的な量で喫煙製品の包装紙上に堆積させる。
【0023】
シガレットの“喫煙(smoking)”は、シガレットが加熱又は燃焼して、シガレットを通じて吸引され得る煙を形成することを意味する。一般に、シガレットの喫煙は、シガレットの一方の末端に火をつけることを含み、及びその中に含まれるタバコが燃焼反応を受けつつ、燃焼からの煙がシガレットの口末端を通じて引き込まれる。シガレットは、また、他の手段により喫煙され得る。例えば、シガレットは、同一出願人による米国特許第6,053,176号;第5,934,289号;第5,591,368号又は第5,322,075号明細書に記載されているようにシガレットを加熱すること及び/又は電気加熱手段を用いて加熱することにより喫煙され得る。
【0024】
用語“主流”煙は、タバコロッドを下降し及びフィルター末端を通過するガスの混合物、即ち、シガレットの喫煙の間にシガレットの口末端から出る又は引き込まれる煙の量を意味する。主流煙は、火がついた領域及びシガレット用紙包装紙(cigarette paper wrapper)の双方から引き込まれる煙を含む。用語“副流”煙は、シガレット用紙包装紙を通じてタバコロッドから及び/又は火のついた末端におけるタバコロッドの燃焼コール(burning coal)からでるガスの混合物を意味する。
【0025】
いくつかの因子が、シガレットにおける一酸化炭素の形成の一因となっている。タバコにおける構成要素に加え、燃焼の間のシガレットにおける温度及び酸素濃度が、一酸化炭素及び二酸化炭素の形成及び反応に影響し得る。喫煙の間に形成される一酸化炭素の全量は、3つの主な源の組み合わせに由来する:熱分解(約30%)、燃焼(約36%)及び炭化されたタバコによる二酸化炭素の還元(少なくとも23%)。主に化学反応動力学により制御される熱分解からの一酸化炭素の形成は、約180℃の温度で始まり、約1050℃で終了する。燃焼の間の一酸化炭素及び二酸化炭素の形成は、主に、表面への酸素の拡散(ka)により及び表面反応(kb)を介して制御される。250℃で、ka及びkbは、ほぼ同一である。400℃において、反応は拡散により制御されるようになる。最終的に、炭化タバコ又は木炭での二酸化炭素の還元が、約390℃の温度又はそれより高くで生じる。
【0026】
喫煙の間、シガレット内に3つの異なる領域が存在する:燃焼ゾーン、熱分解/蒸留ゾーン、及び凝縮/ろ過ゾーン。理論に拘束されることを望む訳ではないが、触媒粒子のパターン化された堆積物は、喫煙の間にシガレットの異なる領域において生じる種々の反応をターゲットにし得ると考えられる。触媒粒子のパターン化された堆積物は、外部源の酸素の不存在下又は存在下で、COをCO2に転化し得る。
【0027】
まず、燃焼ゾーンは、通常シガレットの火のついた末端に、シガレットの喫煙の間に生じるシガレットの燃焼ゾーンである。燃焼ゾーンにおける温度は、約600℃〜約950℃の範囲内にあり、及び加熱速度は、500℃/秒と同程度に高いかもしれない。酸素の濃度は、燃焼ゾーンにおいては低く、なぜなら、酸素が、タバコの燃焼において消費されて、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気及び種々の有機化合物が生じているからである。高温とつながれる低酸素濃度は、炭化タバコにより二酸化炭素の一酸化炭素への還元を導く。この領域においては、触媒粒子は、酸化及び/又は触媒メカニズムを介して、一酸化炭素を二酸化炭素に転化し得る。燃焼ゾーンは、高度に発熱性であり、及び生じる熱は、熱分解/蒸留ゾーンへ運ばれる。
【0028】
熱分解ゾーンは、燃焼ゾーンの後の領域であり、ここでは、温度が、200〜600℃の範囲内にある。燃焼ゾーンにおいては、触媒粒子は、また、COのCO2への転化を直接酸化し、及び/又はNOをN2へ還元する。主な反応は、燃焼ゾーン内において生じる熱を用いて一酸化炭素、二酸化炭素、煙成分及び木炭を生じるタバコの熱分解(即ち熱的分解)である。この領域に存在するいくつかの酸素があり、及び従って、触媒粒子は、一酸化炭素の二酸化炭素への酸化を触媒し得る。触媒反応は、約50℃で始まり、及び150〜300℃の周辺で最大活性に達し、及びその最大活性を約300℃より高い温度で維持する。
【0029】
凝縮/ろ過ゾーンにおいては、温度は、周囲温度〜約150℃の範囲内にある。このゾーンにおける主な工程は、煙成分の凝縮/ろ過である。いくつかの量の一酸化炭素、二酸化炭素及び酸化窒素は、シガレットの外に拡散し、及びいくつかの酸素は、シガレット内に拡散する。凝縮/ろ過ゾーンにおける酸素の分圧は、一般に、大気レベルまで回復しない。比較的低い温度の凝縮/ろ過ゾーンにおいては、触媒粒子は、場合により、一酸化炭素の二酸化炭素への転化及び/又は酸化窒素の窒素への転化を触媒し得る。
【0030】
シガレットの喫煙の間、主流煙における一酸化炭素及び酸化窒素は、シガレットのフィルター末端に向かって流れる。これらのガスは、シガレット内を移動するので、包装紙を通してシガレット内に酸素が拡散し、及びシガレット外に一酸化炭素及び酸化窒素が拡散する。シガレットの典型的な2秒間の吹かしの後、CO及びNOは、シガレットの周辺において、即ち、シガレット包装紙の近くにおいて、燃焼ゾーンの前において濃縮される。O2のシガレットへの拡散のために、酸素濃縮は、また、周辺領域において高い。タバコロッドへのエアフローは、喫煙製品の周辺での燃焼ゾーン付近で最大であり、及び温度勾配を伴っておよそ釣り合っており、即ち、より高いエアフローは、より大きな温度勾配に関連する。典型的なシガレットにおいては、最も高い温度勾配が、燃焼ゾーンから(>850〜900℃)軸方向にシガレットのフィルター末端に向かっている。燃焼ゾーンの後、数ミリ内で温度は、周囲温度付近まで降下する。エアフローパターン、喫煙の間のシガレットにおける構成物質の形成及び煙形成及びデリバリーについてのさらなる情報は、Richard R. Bakerの“Mechanism of Smoke Formation and Delivery”, Recent Advances in Tobacco Science, vol. 6, pp. 184-224, (1980)及びRichard R. Bakerの“Variation of the Gas Formation Region within a Cigarette Combustion Coal during the Smoking Cycle”, Beitrage zur Tabakfroschung International, vol. 11, no. 1, pp. 1-17, (1981)にみられ、双方の内容は、本願明細書に参考文献として組み込まれるものとする。
【0031】
パターン化された触媒粒子によるCOからCO2及び/又はNOからN2への転化速度は、急速な及び効果的なCO及び/又はNOの触媒領域への運搬及びCO2及び/又はN2が触媒領域から離れることにより、例えば、喫煙製品内のガスフローを介して強化される。一緒に、操作温度及び喫煙製品内のエアフローは、触媒の働きに影響し得る。
【0032】
パターン化された堆積物の包装紙上における量、位値及び分布は、COからCO2及び/又はNOからN2への転化速度を調整する、例えば増加させ又は最大化するために、喫煙中に示される温度とエアフロー特性との関数として選択され得る。触媒粒子は、所定の温度範囲内で触媒及び/又は酸化するように選択され得、及び堆積物のパターン幾何学/分布は、触媒/酸化に適切な温度に適合するように選択され得る。
【0033】
多くの場合、包装紙の領域における印刷材料の完全なコーティングは、閉塞作用(occlusive effect)を有する傾向にあり、それは、コール(coal)の包装紙アップストリームを介するCOの拡散を抑制する傾向にある。パターン印刷により、シガレットの包装紙の領域は、未印刷のままとされ、及び包装紙を介するCOの拡散を促進するために利用可能であり、一方、それと同時に、印刷された領域は、それらの触媒作用に貢献するように存在する。結果として、拡散及び触媒作用の双方が連動して、シガレットの喫煙の間COを低減する。
【0034】
本願明細書に記載する喫煙製品の実施態様においては、適切なタバコ混合物が、カットフィラーのために使用され得る。適切なタイプのタバコ材料の例は、火力乾燥(flue cure)されたバーレイ・メリーランド又はオリエンタルタバコ、希少な又は特殊な例えばタバコ、及びそれらのブレンドを含む。タバコ材料は、タバコラミナ、加工タバコ材料、例えば増量又は膨らんだ(puffed)タバコ、加工タバコステム(stem)、例えばカットロール(cut roll)又はカットパフ(cut puff)されたステム、再構成されたタバコ材料、又はそれらのブレンドの形態で提供され得る。タバコは、また、タバコ代用品を含み得る。
【0035】
タバコカラムは、好ましくは、明るいBurley及びOrientalタバコを含むブレンド及び他のブレンド成分を含み、伝統的シガレットフレーバーを含む、工業の典型的タバコのブレンドのカットフィラーを含む。好ましい実施態様においては、タバコカラムの細断(shredded)タバコ(カットフィラー)が、再構成タバコの包含を伴って又は伴わずに又はカットフレーバーの後に、明るいBurley, Maryland及びOrientalタバコのブレンドを含む。場合により、膨張(expanded)タバコ成分は、ブレンド中に包含されて、ロッド密度を調整することができ、及びフレーバーを添加することができる。場合により、前述のタバコの単一種を、ブレンドの代わりに使用してもよい。
【0036】
シガレット製造において、タバコは、通常、カットフィラーの形態で、即ち、約2.54mm(1/10インチ)〜約1.27mm(1/20インチ)又はさらには0.635mm(1/40)インチの範囲の幅にカットされた小片又はストランドの形態で使用される。ストランドの長さは、約0.25〜約3.0インチ(約6.35mm〜約7.62cm)の範囲内である。シガレットは、さらに、1又はそれより多くのフレーバー(flavorant)又は他の添加剤(例えば燃焼添加剤、燃焼改良剤、着色剤、バインダーなど)を含んでいてもよい。
【0037】
包装紙は、フラックス、麻、ケナフ麻、アフリカハネガヤ、稲わら、セルロースなどを含む包装紙を含む、カットフィラーを取り囲むラッピング(wrapping)のいずれであってよい。任意のフィラー材料、フレーバー添加剤及び燃焼添加剤が包含されていてもよい。喫煙製品、例えばシガレットの製造においては、包装紙は、カットフィラーの周りに巻き付けて、シガレット製造機により喫煙製品のタバコロッド部分を形成し、それは、予め、供給されているか又は連続的にタバコカットフィラー及び包装紙の1又はそれより多くのリボンを供給する。シガレット製造機に供給される場合、包装紙は、連続シートにおける単一ボビンから(モノラップ)又は複数のボビンから(マルチラップ(multiwrap)、例えば2つのボビンからのデュアル(dual)ラップ)供給することができる。さらに、包装紙は、横断面に1より多くの層を、例えば、公有(commonly-owned)米国特許第5,143,098号明細書に開示されているような二層用紙において有していてもよく、その全開示内容は、本願明細書において、参考文献として組み込まれるものとする。
【0038】
シガレットは、約50〜約120mmの長さの範囲内にあり得る。一般に、標準シガレットは、長さ約70mmであり、“キングサイズ”は、長さ約85mmであり、“スーパーキングサイズ”は、長さ約100mmであり、及び“ロング”は、通常、長さ約120mmである。円周は、約15〜約30mm、及び好ましくは約25mmである。タバコ充填密度は、典型的には、約100〜約300mg/cm3、及び好ましくは150〜約275mg/cm3である。
【0039】
図1(a)を参照すると、喫煙製品100の好ましい実施態様は、タバコロッド部分102及びフィルタリングチップ104を有する。場合により、喫煙製品100の実施態様は、フィルタリングチップ104なしに実施され得る。好ましくは、タバコロッド部分102は、シガレット(タバコ)包装紙108で包まれたタバコ106のカラムを含む。図1(b)の拡大図に示されるように、触媒粒子110のランダムな堆積が、包装紙108の表面の少なくとも一部において存在する。実際には、触媒粒子110は、包装紙108のベース材料を形成する繊維状セルロース材料112のウェブの外側部を貫通し得る。
【0040】
包装紙の表面における触媒粒子のサイズ分布及び密度は、包装紙108の浸透性に影響し得る(典型的にはCORESTAのユニットにおいて測定され、それは、1キロパスカルの圧力降下で1分で材料の1平方センチメートルを通過する空気の量として定義され、立方センチメートルで測定される)。
【0041】
特徴(feature)のランダムな又は規則正しい列を含み得る触媒粒子のパターンは、包装紙の単位面積あたりで粒子の濃度勾配又は分布を含み得る。例えば、パターン内の触媒の濃度勾配は、低濃度特徴を有する第1部分及び高濃度特徴を有する第2部分の間で変動し得る。第1の、低濃度部分における触媒粒子の全装填(loading)は、第2の、高濃度部分におけるものより低いものであり得る。第1の、低濃度部分は、好ましくは、触媒の全装填量が、約1mg未満、より好ましくは0mgである。第2の、高濃度部分は、好ましくは、触媒の全装填量が、約100mg未満、より好ましくは1〜50mgである。第1の低濃度部分及び第2の高濃度部分は、それぞれ、喫煙製品の末端、例えば存在するならフィルタリングチップでの末端に関して、包装紙の直線的に遠位部分(linearly distal portion)及び直線的に隣接部分(linearly proximal portion)であり得る。さらなる実施態様においては、触媒粒子の装填量は、連続的に又は不連続的に及び/又は直線的に遠位部分から直線的に隣接部分に線状的に又は非線状的に変動し得る。
【0042】
濃度勾配は、パターンの表面積を変動すること(例えば、幾何学的特徴のサイズ又は英数字特徴のフォントサイズを上昇させること)により達成することができる。また、濃度勾配は、堆積されるスラリーにおける触媒濃度を変動させること(例えば、第1印刷工程において第1濃度源及び第2印刷工程において第2濃度源を用いて、堆積物を形成すること)により達成され得る。堆積されるスラリーの濃度を変動することにより、パターンにおける個別特徴の厚さを変動することが可能である(例えば、高濃度の触媒粒子を有するスラリーを使用して、低濃度の触媒粒子のスラリーより厚い特徴を印刷することができる)。より厚い特徴は、パターン化された堆積物の面積あたりの粒子が多い。最終的に、異なる触媒材料を堆積させることができる(例えば、第1の低活性触媒材料及び第2の高活性触媒材料を使用して、触媒活性が変動するパターン化された堆積物を形成することができる)。例により、パターン化された触媒粒子の堆積は、単一ローラーを用いる連続適用を用いて(例えば、各工程で異なる触媒及び/又は触媒濃度を用いて)、又は各ローラーが粒子状触媒及び/又は触媒濃度を堆積させる複数ローラーを用いることにより行うことができる。
【0043】
触媒粒子のパターンは、触媒粒子が印刷される、空気通過用表面積を低減することにより包装紙の浸透性を低減し得る。パターンが堆積される包装紙は、任意の適切な従来の包装紙であってもよい。例えば、それらの上にパターン化された堆積物を有する好ましい包装紙は、約18〜約60g/m2の秤量及び約15〜約80CORESTAユニットの浸透性を有し得る。より好ましくは、包装紙は、約30〜約45g/m2の秤量及び約30〜35CORESTAユニットの浸透性を有する。しかしながら、任意の適切な秤量及び浸透性を包装紙について選択することができる。堆積された触媒の濃度及び粒子サイズを調整して、所望の結果を達成することができる。
【0044】
好ましくは、触媒は、パターン化された堆積物を含む包装紙の浸透性が、15CORESTAユニット以上、好ましくは30〜40CORESTAユニットであるように包装紙上に堆積させる。包装紙の他の透過性(CORESTAユニットにより測定される)は、包装紙の適用及び位置に基づいて選択され得る。例えば、多層包装紙において、第1層の透過性は、1000CORESTAユニット未満であるが、より高い透過性を使用することができる。単一層包装紙の厚さは、好ましくは、15〜100ミクロン、より好ましくは20〜50ミクロンであり得る。多層包装紙における追加の層は、第1層の浸透性の0.1〜10倍であってもよく、第1層の厚さの0.1〜2倍の厚さを有していてもよい。第1層及び第2層の浸透性及び厚さの双方は、喫煙製品について所望の全空気透過性及び全厚さを達成するように選択され得る。
【0045】
再び、図1を参照すると、所望なら、包装紙108は、場合により、表面のパターンのない部分を含んでいてもよい。図1(a)及び1(b)における包装紙108の外側表面上に見られるパターン化された堆積物は、所望なら、包装紙の内側表面に又は内側及び外側表面の双方に存在し得ると理解すべきである。
【0046】
図2(a)及び2(b)は、第2最外包装紙を有する第1包装紙の表面の一部におけるパターン化された堆積物を有する喫煙製品の実施態様を示す。図2(a)の実施態様においては、喫煙製品100は、第1内部包装紙114により囲まれたシガレットタバコカラム106を含む。図2(b)の拡大図に示されているように、パターン化された堆積物116は、第1包装紙114の少なくとも一部の表面上に存在する。所望なら、第1包装紙114は、場合により、堆積物のない表面又は表面の堆積物のない部分を含んでいてもよい。
【0047】
図2(a)及び2(b)においては、喫煙製品100は、第1包装紙114を囲む第2包装紙118を有する。第2外側包装紙118における全触媒量は、好ましくは、所定の単一喫煙製品、例えば単一シガレットについて1mg未満である。ある好ましい実施態様においては、第2包装紙118は、触媒からの着色により影響を受けないシガレット100の外観を提供するように触媒を含まない。典型的な実施態様においては、第1包装紙の全触媒粒子量は、1〜100mgであり、第2包装紙においては、1mg未満、好ましくは0mgであり及び/又は第1包装紙112における触媒に対する第2包装紙120における触媒の質量%での比は、0.25未満である。例により、シガレットあたりの好ましい触媒量は、1〜100mg、1〜50mg又は50〜100mg、2〜25mg又は25〜50mg、1〜15mg又は15〜40mg、又は4〜10mg又は10〜20mgである。
【0048】
第1包装紙及び第2包装紙は、所望なら、交換可能であると理解するべきである。例えば、外側第2包装紙は、パターン化された堆積物を含んでいてもよく、及び内側第1包装紙は、同一の又は異なる配列の触媒粒子を有していてもよく又は触媒を含まなくてもよい。さらに、堆積物が見られることを意図されない、例えば所望のイメージを伝達するパターン又は観察消費者(viewing consumer)へのメッセージでない場合には、美的観点から、第1包装紙の内側表面上に堆積物を置くことが望ましいことであるかもしれず、なぜなら、いくつかの触媒は、包装紙を変色させるからである。任意の、触媒を含まない、外側第2包装紙は、その後、内部第1包装紙について置かれる。
図3(a)〜3(e)は、喫煙製品用包装紙における触媒粒子の規則正しいパターンの例を説明する。パターンは、複数の別個の特徴を含む。典型的実施態様においては、別個の特徴は、英数字配列、絵文字又は幾何学的図形を含む。他の任意の形態のパターンは、種々の別個のパターン、例えば、クロスハッチ、ランプ(ramp)及び/又は勾配、異形などの形態を含む。図3(a)及び3(b)においては、喫煙製品300の包装紙302は、英数字配列306を含む別個の特徴のパターン304を有する。パターン304は、また、ライン308に示されるように幾何学的図形の繰り返しシリーズを含む。パターンは、第1方向において、喫煙製品の長さに沿って直線的又は円周に繰り返しである。パターン304の英数字配列306は、所定の審美的影響について望まれるように向かわされ得、例えば直線的に(図3(a))又は円周に(図3(b))向かわされ得る。図3(c)〜3(e)においては、喫煙製品300の包装紙302は、幾何学的図形を含む別個の特徴のパターン304を有する。説明的例においては、幾何学的図形は、円周ライン310(図3(c))、及び第1密度(図3(d))及び第2高密度(図3(e))の重複らせん312のシリーズを含む。
【0049】
1つのアプローチにおいて、触媒粒子は、印刷技術により喫煙製品の包装紙上に堆積させる。例えば、従来のシガレット製造技術により製造され及び従来のタバコブレンド及びタバコフレーバー添加剤を有するシガレットは、シガレット製造において知られる手段により包装用紙上に印刷されるパターンを有し得る。そのような手段は、一般的に、所望の形状のソフトインプレッションローラーの使用を包含する。シガレット包装紙に施されるスラリー、例えば、液体中に分散された触媒粒子を含むスラリーにおいて回転するピックアップローラーは、印刷工程用インプレッションローラーに液体を移送するように機能する。好ましいスラリーは、バインダーを含まない。同様に、パターンは、従来技術のグラビア印刷、フレキソ印刷及び/又は凸版印刷、凹版印刷又は他の印刷方法により印刷され得る。パターンは、サイズプレス技術、塗装技術、ロトグラビア技術、フォトグラビア技術などを用いて包装用紙上に導入され得る。包装用紙の表面上に触媒粒子を堆積させるのに使用される他の技術は、静電堆積、接着剤での適用、印刷アプリケータでのパターン化適用、印刷方法を用いるインク溶液における適用、スプレー、ブラッシングなどを含む。さらに、触媒粒子は、包装紙に、単一コーティング工程において又は複数のコーティング工程において、印刷技術を用いて及びいずれか1つの堆積において施されるスラリーの量を制御して施され得る。ある実施態様によれば、乾燥触媒粒子は、湿潤包装紙表面上に堆積され得る。
【0050】
パターン印刷は、前述の印刷技術のいずれか1つ又は組み合わせにより行われ得る。さらに、これらの印刷操作は、組み立てられたシガレットの包装紙上及び/又はシガレットの組み立て前のいずれかのポイントで包装紙のいずれかの側上に触媒粒子のパターン化された堆積物を形成し得る。
【0051】
好ましい実施態様においては、触媒粒子は、適切な液体中に分散及び/又は懸濁されて、触媒インク(例えばスラリー)を形成する。急速乾燥液体、例えば水、エタノール又はアセトンを使用して、スラリーを形成することができる。触媒インクは、また、他の構成物質、例えば、水性成分、非水性成分及び/又は界面活性剤を含んでいてもよい。好ましくは、スラリーは、バインダーを含まない。触媒インクのさらなる任意の成分は、レオロジー剤(rheology agent)を含み、それは、印刷方法の間のインクの適切な移送を提供する。用紙基材、例えば喫煙製品に使用される包装紙上における印刷のために、印刷インクは、好ましくは、用紙基材に適合させられ、及び1又はそれより多くの樹脂、溶剤、消泡剤及びドライヤーを含んでいてもよい。
【0052】
任意の実施態様においては、触媒インクは、着色剤、例えば有機又は無機顔料を含む。着色剤の例においては、顔料は、白色乾燥触媒堆積物を生じる触媒インクを生じるシリカベース顔料である。顔料に加えて又はその代わりに、乾燥堆積物に色彩又は色合いを付与するナノ粒子触媒をまた使用してもよい。例えば、チタンベースのナノ粒子触媒は、白色又はシェード(shade)を乾燥堆積物に付与し得る。
【0053】
製紙方法は、従来の用紙製造装置を用いて行うことができる。シガレット包装紙は、セルロース材料を含んでいてもよく、それは、ウェブ及びウェブフィラーを形成し、それが使用されて、用紙の浸透性が制御される。
【0054】
サポートウェブは、従来のウェブ、例えばフラックスサポートウェブであってもよく、又は導入される触媒成分、例えばナノ粒子触媒を有するウェブを含んでいてもよい。サポートウェブが触媒成分を含む場合、導入される触媒成分は、ウェブフィラー材料上に担持され得、又はウェブフィラー材料なしに直接的にサポートウェブ上に担持され得る。ウェブフィラーは、CaCO3粒子又は他の適切なウェブフィラー材料、例えば第II族、第III族又は第IV族金属の酸化物、炭酸塩、水酸化物、CaCO3、TiO2、シリケート、例えば、SiO2、Al2O3、MgCo3、MgO及びMg(OH)2を含む。
【0055】
包装紙は、ラミネート化された包装紙、二層包装紙又は多層包装紙を含み得る。二層及び多層包装紙の例は、公有の米国特許第5,143,098に開示されており、その全開示内容は、本願明細書において、参考文献として組み込まれるものとする。
【0056】
触媒粒子のパターン化された堆積物を含む二層又は多層包装紙の実施態様においては、半径方向に内側の層及び/又は半径方向に外側の層の少なくとも1つの表面が、パターン化された堆積物を含み得る。好ましくは、多層用紙の半径方向に最も内側の層が、触媒粒子を含む。
【0057】
それらの上に触媒粒子のパターン化された堆積物を有する包装紙を使用して、従来のシガレット又は非従来のシガレット、例えば、一般に割り当てられた(commonly-assigned)米国特許第6,026,820号;第5,988,176号;第5,915,387号;第5,692,526号;第5,692,525号;第5,666,976号;第5,499,636号及び第5,388,594号明細書に記載された電気喫煙システム又は一般に割り当てられた米国特許第5,345,951号明細書に記載されたような燃料ロッドを有する非従来タイプのシガレットを製造することができる。
【0058】
図4は、あるタイプのシガレット300の構成を説明するものであり、それは、電気喫煙デバイスについて使用することができる。示されるように、シガレット300は、先端用紙(tipping paper)364により結合されるフィルター部分362及びタバコロッド360を含む。フィルター部分362は、好ましくは、チューブ状フリーフロー(free-flow)フィルター要素302及びマウスピースフィルタープラグ304を含む。フリーフローフィルター要素302及びマウスピースフィルタープラグ304は、プラグラップ312を用いて組み合せられたプラグ310として一緒に結合され得る。タバコロッド360は、以下のものを1又はそれより多く導入する種々の形態を有し得る:オーバーラップ371、別のチューブ状フリーフローフィルター要素374、好ましくはプラグラップ384においてラップされている円筒状タバコプラグ380、ベースウェブ368を含むタバコウェブ366、及びボイドスペース391。触媒粒子のパターン化された堆積物、例えばナノスケールの触媒粒子は、好ましくは、オーバーラップ371に印刷されるが、これに加えて又はこれに代えて、タバコウェブ366の成分又はプラグラップ384の1又はそれより多くの上に印刷及び/又は堆積させることができる。
【0059】
図5は、米国特許第5,345,951号明細書に記載されるような燃料要素411を有するシガレット410構成を説明するものであり、その開示内容は参考文献として本願明細書に組み込まれるものとする。シガレット410は、シガレットラッピングペーパー414によりオーバーラップされる燃料要素411及び拡大チューブ412、及びチッピングペーパー405により結合されるフィルター要素413を含む。図6を参照すると、燃料要素411は、加熱源420、及び加熱源において1又はそれより多くの縦通路(longitudinal passage)を流れるホットガスにより接触したときにフレーバー付き蒸気及びガスを放出するフレーバーベッド421を含む。蒸気は、拡大チャンバー412に通過し及び次いでマウスピース要素413へ通過する。加熱源は、実質的に純粋な炭素及び場合により触媒又は燃焼添加剤を含み得る。加熱源420を囲む用紙418の1又はそれより多くの層は、例えば、触媒インクのパターンを印刷することにより、それらの上に印刷される、パターン化された触媒粒子を含み得、及び使用して、加熱源420により生じるCO、NO及び/又はTPMを低減することができる。あるいはまた、又はそれらに加えて、パターン化された堆積物を有する用紙は、加熱源420のダウンストリームを提供し得る。例えば、それらの少なくとも一方の表面上にパターン化された堆積物を含む用紙は、加熱源及びフレーバーベッド421の間に又はフレーバーベッド421の中に位置付けることができる。フレーバーベッド421は、望ましいフレーバーを放出する材料、例えばタバコフィラー又はフレーバー形成化合物(例えばメントール)が導入される物質を含み得る。
【0060】
燃料要素411は、放射エネルギーリフレクタスリーブ422(例えば有孔金属化紙)及び任意の内部スリーブ423(例えば有孔金属化紙)を有する複合スリーブ内に収納される。内部スリーブ422は、折り畳まれて、それらの間の環状スペースを有するリフレクタスリーブ422の内壁から離れてサスペンドされた加熱源を保持するためにそれらのアップストリーム末端にリップ424を形成することができる。燃料要素及び拡大チャンバー412を一緒に保持する包装紙414は、好ましくは、空気が用紙414を通して収容され得、及び加熱源の燃焼をサポートするのに十分な多孔性を有する。燃料要素411は、また、燃料要素411に空気を許容するために1又はそれより多くの開口部416を有する反射エンドキャップ415を含む。喫煙製品は、二重の用紙包装紙、例えば内部包装紙及び外部包装紙を含み得る。所望なら、それらの上にパターン化された触媒堆積物を有する用紙を、他の位置に及び/又は図5及び6に示されるシガレットの用紙層のいずれかのために使用することができる。さらに、燃料要素シガレットのある実施態様が図5及び6に示されているが、パターン化された触媒粒子を含む用紙を使用して、燃料要素を囲むことができ及び/又は他の燃料要素シガレットアレンジメントにおいて用紙層の代わりとして使用することができる。
【0061】
図7は、包装紙の一方の表面の少なくとも一部上に触媒粒子のパターン化された堆積物を有するシガレット包装紙515の内部チューブ又はシースを含む同心のタバコロッド510を有するシガレット500を説明する。示されるように、シガレット500は、フィルター505及びタバコロッド510を含み、それらは、チッピング用紙(tipping paper)511により互いに結合されている。タバコロッド510は、Hauni Machinenbau AG of Hamburg, Germanyより入手可能なHauni Babyロッド製造機において製造され得る“同心のコア”又は“コアキシャル”構造である。内部コア領域512は、タバコカットフィラー材料520により囲まれる内部包装紙515により明確にされる。外側シガレット包装紙525は、タバコロッド510の外側に沿って拡大する。フィルター505は、セルローストウ(tow)のプラグ1又はそれより多くを含み得、及び場合により、吸着剤、例えば炭素を含み得る。この実施態様においては、内部包装紙515における用紙上における触媒粒子の堆積物により生じる着色が、視界から隠されている。
【0062】
中心コア領域512は、中空のものであってもよく及び/又は部分的に又は全体的に、タバコカットフィラーで満たされていてもよく、及び好ましくは、直径約2〜5mm、より好ましくは直径約2〜3mmである。ある代替においては、内部包装515は、それらの表面において触媒粒子のパターン化された堆積物を有する用紙から形成される少なくとも1つの層を有する層状アレンジメントにおいて構成され得る。触媒粒子は、内部包装紙の内部表面、内部包装紙の外部表面、外部包装紙の内部表面及び/又は外部包装紙の外部表面上に堆積され得る。
【0063】
再び、図2(a)及び2(b)の実施態様を参照すると、内部包装紙及び外部包装紙は、別の製紙方法において形成された個々の包装紙であり、及びシガレットタバコロッドを形成するためにタバコカットフィラーを包装する層である。内部包装紙、外部包装紙、又は双方の包装紙は、ナノ粒子触媒を含む乾燥堆積物を含み得る。双方の包装紙が、触媒粒子のパターン化された堆積物を含む例においては、特定の触媒粒子及び各包装紙上に充填(load)される触媒は、同一であっても異なっていてもよい。いくつかの実施態様においては、触媒粒子の添加は、包装紙を変色させるかもしれず、例えば包装紙が非白色又は褐色になる。審美的理由のために、従来の色彩、例えば白色である外層は、内部包装紙の周りに置かれ得る。内部包装紙及び外部包装紙の双方は、喫煙製品特性、例えばパフカウント(puff count)、タール、燃焼速度、及び灰出現(ash appearance)に関し喫煙製品の所望の性能を得るように選択し得る。例えば、図2(a)及び2(b)に関して従って及び示されるように及び記載されるように、喫煙製品及び喫煙製品を製造する方法の好ましい実施態様は、第1包装紙上における触媒粒子のパターン化された堆積物を有し、さらに、それらの上に触媒粒子が堆積されていない第2最外包装紙を含む、シガレットのタバコロッド部分を含み得る。
【0064】
喫煙製品用包装紙において使用するのに好ましい触媒は、周囲温度と同等の低い温度で触媒的に活性なものであり、及びより好ましくは、900℃と同等の高い温度でさえ非活性化しないものである。触媒粒子は、例えば喫煙製品のフィルター末端にだけでなく、燃焼が予期されるゾーンの全軸長さに沿って印刷され得、及び使用の間、火のついた末端からフィルターまで触媒的に活性であり得る。触媒の軸分布は、CO2に転化されるCO及び/又はN2に転化されるNOについての触媒及び主流煙との間の十分な接触時間を提供する。
【0065】
さらなる例においては、触媒粒子は、混合触媒、例えば、異なる温度範囲又は重複温度範囲で各々作用する個々の触媒複合物の組み合わせである触媒を含み得る。異なる触媒粒子のそのような混合物を使用して、COのCO2への転化及び/又はNOのN2への転化が生じ得る温度範囲を拡大し及び喫煙製品が燃焼する際の触媒の触媒効果を上昇させることができる。例えば、混合触媒は、燃焼ゾーンで及び燃焼ゾーンの後での双方で、COをCO2に及び/又はNOをN2に転化し得る。
【0066】
用紙において使用される際、パターン化された触媒が、COに対して選択的であり得る。従って、COは、粒子状物質(TPM)より多い割合で低減され得る。従って、CO:TPMの比が低減される。対照のシガレットを、商業用喫煙機において喫煙し、主流煙における粒子状物質及び一酸化炭素の量を測定した。対照のシガレットは、従来の包装紙を含んでいた。包装紙の内側において印刷されたナノスケールの酸化鉄粒子12.5質量%を有する包装紙を含む試験シガレットについての主流煙の構成を、また、測定した。対照のシガレットからでた全粒子状物質(TPM)及び一酸化炭素の量は、それぞれ、18.3mg及び14.7mgであった。試験シガレットについてのTPM及びCO量は、それぞれ、12.9mg及び7.6mgであり、30%及び48%のTPM及びCOの低減に相当する。
【0067】
本願明細書において記載される堆積物材料、包装紙、喫煙製品又は方法のいずれかは、喫煙製品用包装紙において従来使用されるさらなる添加剤を含み得る。これらの添加剤は、例えば、包装紙の外観を制御するための添加剤、例えば、着色剤、包装しhの燃焼速度を制御するための添加剤、及び/又は所望の灰出現及び/又はシガレット用紙において使用されるウェブフィラーを生じるための添加剤を含み得る。
【0068】
本発明は、それらの例示的実施態様に関連して記載してきたが、当該技術分野における当業者により、具体的に記載されていない付加、削除、変更及び置換が、請求項に記載の発明の精神及び範囲を逸脱することなくなされ得ることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1(a)】は、包装紙のウェブフィラー材料上に担持された粒子状触媒を有する典型的な喫煙製品を示す。
【図1(b)】は、図1(a)の包装紙の拡大図を示す。
【図2(a)】は、第2最外部包装紙を有する第1包装紙のウェブフィラー材料上に担持された粒子状触媒を有する典型的喫煙製品を示す。
【図2(b)】は、第2最外部包装紙を有する第1包装紙の拡大図を示す。
【図3(a)】は、喫煙製品用包装紙上の触媒粒子の典型的な別個の特徴及び/又はパターンを説明する。
【図3(b)】は、喫煙製品用包装紙上の触媒粒子の典型的な別個の特徴及び/又はパターンを説明する。
【図3(c)】は、喫煙製品用包装紙上の触媒粒子の典型的な別個の特徴及び/又はパターンを説明する。
【図3(d)】は、喫煙製品用包装紙上の触媒粒子の典型的な別個の特徴及び/又はパターンを説明する。
【図3(e)】は、喫煙製品用包装紙上の触媒粒子の典型的な別個の特徴及び/又はパターンを説明する。
【図4】は、電気喫煙デバイスで使用され得るシガレットの典型的構造を説明する。
【図5】は、燃料要素を囲む触媒改質用紙を有するシガレットの透視図である。
【図6】は、図5のシガレットの断面図である。
【図7】は、シガレット包装紙の内部チューブ又はシースを含む同心のタバコロッドを有するシガレットの断面図である。
【技術分野】
【0001】
本件出願は、35USC119の下に、触媒フィラーを有するシガレット包装紙及び同一物の製造方法とのタイトルで2003年6月13日に出願された米国仮出願第60/477,922号の優先権を主張するものであり、その全内容は参考文献として本願明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
以下に続く記載において、参照は、一定の構造及び方法についてなされるが、そのような参照は、必ずしも、これらの構造及び方法が、適切な法による規定の下に従来技術として認められるという了解として解釈されるべきでない。出願人は、参照対象が従来技術を構成しないことを説明する権利を留保する。
【背景技術】
【0003】
喫煙製品(smoking article)、例えば、シガレット又は葉巻は、タバコを吹かした間の主流煙及び静的燃焼の間の副流煙の双方を生じさせる。主流煙及び副流煙の双方の構成成分は、一酸化炭素(CO)及び、酸化窒素(NO)及び粒子状物質(例えばタール)である。シガレットの煙における一酸化炭素、酸化窒素及び粒子状物質の低減が望ましい。
【0004】
喫煙製品用触媒、吸着剤及び/又は酸化剤は、以下のものに開示されている:Sniderらにより登録された米国特許第6,371,127号明細書、Bowenらにより登録された米国特許第6,286,516号明細書、山崎らにより登録された米国特許第6,138,684号明細書、Rongvedにより登録された米国特許第5,671,758号明細書、Quincy,IIIらにより登録された米国特許第5,386,838号明細書、Shannonらにより登録された米国特許第5,211,684号明細書、Doffevesらにより登録された米国特許第4,744,374号明細書、Cohnにより登録された米国特許第4,453,553号明細書、Owensにより登録された米国特許第4,450,847号明細書、Seehoferらにより登録された米国特許第4,182,348号明細書、Martinらにより登録された米国特許第4,108,151号明細書、米国特許第3,807,416号明細書及び米国特許第3,720,214号明細書。発行された出願WO 02/24005、WO 87/06104、WO 00/40104及び米国特許出願2002/0002979 A1、2003/0037792 A1及び2002/0062834 A1は、また、触媒、吸着剤、及び/又は酸化剤を言及している。
【0005】
鉄及び/又は酸化鉄が、タバコ製品における使用について記載されている(例えば、米国特許第4,197,861号、第4,489,739号及び第5,728,462号明細書参照)。酸化鉄は、着色剤として(例えば米国特許第4,119,104号、第4,195,645号及び第5,284,166号明細書)、及び燃焼調整剤として(例えば米国特許第3,931,824号、第4,109,663号及び第4,195,645号明細書)記載され、及び味、色彩及び/又は外観を改良するために使用されている(例えば米国特許第6,095,152号、第5,598,868号、第5,129,408号、第5,105,836号及び第5,101,839号明細書)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今日までの開発にもかかわらず、喫煙製品の主流煙及び/又は副流煙におけるガス構成成分の量を低減するための改良された及びより効果的な方法及び組成物についての関心が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
タバコロッドの周囲に形成された包装紙(wrapper)を有するタバコロッドを含む喫煙製品が提供されており、該包装紙は、包装紙の一方の表面の少なくとも一部上にパターン化された堆積物を含み、ここで、パターン化された堆積物は、喫煙製品の主流煙及び/又は副流煙中における構成ガス成分を触媒、酸化及び/又は還元することが可能な触媒粒子を含む。包装紙を含む喫煙製品において、一酸化炭素、酸化窒素及び/又は全粒子状物質の主流煙及び/又は副流煙における濃度が低減され得る。
【0008】
好ましい実施態様においては、喫煙製品用包装紙は、ウェブ及び包装紙の一方の表面の少なくとも一部上のパターン化された堆積物を含み、ここで、パターン化された堆積物は触媒粒子を含む。複数の包装紙は、シガレット包装用紙(cigarette wrapping paper)のシートを含み得る。
【0009】
触媒粒子のパターン化された堆積物を有するシガレット用紙を製造する方法は、(i)製紙機においてシガレット用紙のシートを形成すること;及び(ii)包装紙の表面の少なくとも一部上に触媒粒子を堆積させて、包装紙上に粒子のパターン化された堆積物を形成することを含む。好ましい実施態様においては、触媒粒子は、バインダーを用いずに堆積させ、及び包装紙に水素結合させる(例えば包装紙を含むウェブに結合させる)。
【0010】
好ましくは、触媒粒子は、ナノスケールの粒子を含み、それは、約5ミクロン未満、好ましくは約50nm未満、最も好ましくは約10nm未満の平均粒子サイズを有し得る。触媒粒子は、好ましくは、金属酸化物、例えば酸化鉄(例えば、FeOOH、Fe3O4、α−Fe2O3、γ−Fe2O3、FeO又はそれらの混合物)であるが、触媒粒子は、B、Al、Si、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Sn、Ce、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の少なくとも1つの酸化物を含み得る。触媒粒子は、第2化合物の粒子上に担持された第1酸化物の粒子(例えば、炭酸カルシウム粒子上に担持された酸化鉄粒子)を含み得る。
【0011】
堆積物は、好ましくは、複数の別個の特徴、例えば、英数字配列、絵文字又は幾何学的図形をパターンを含み、それは、用紙の長さに沿って繰り返され得る。パターンは、特徴のランダムな又は規則正しい列を含み得る。パターンの第1部分は、触媒粒子の第1濃度を有し得、及びパターンの第2部分は、触媒粒子の第2濃度を有し得る。さらに、触媒−パターン化用紙は、用紙の長さに沿って及び/又は用紙の面に垂直に触媒量の勾配を伴って提供され得る。
【0012】
触媒粒子は、包装紙の内面及び/又は外面上に堆積され得る。喫煙製品は、第1包装紙とは異なる触媒及び/又は異なる量の触媒が堆積された第2包装紙を有し得る。好ましい包装紙の透過性は、15CORESTAユニット以上であり、及び包装紙の触媒の好ましい面積範囲は、包装紙の全表面積の約90%未満又は約50%未満である。触媒粒子は、包装紙の全表面積の約1%より高いか又は約5%より高くをカバーし得る。好ましい実施態様において、包装紙上の触媒パターンの特徴は、未被覆包装紙の最大面積が、10mmの直径、より好ましくは1ミクロンの直径を有する円形面積を越えないように繰り返される。
【0013】
典型的な喫煙製品は、喫煙製品あたり約10mg未満の触媒又は喫煙製品あたり約100mg未満の触媒を含む。触媒は、喫煙製品中に、一酸化炭素、酸化窒素及び/又は他の煙構成成分の主流煙及び/又は副流煙における濃度を少なくとも10%又は少なくとも25%低減するのに効果的な量で導入され得る。
【0014】
喫煙製品を製造する好ましい方法は、(i)包装紙の表面の少なくとも一部上に触媒粒子を堆積させて、包装紙上に粒子のパターン化された堆積物を形成すること;(ii)タバコを含むカットフィルターをシガレット製造機に提供すること;及び(iii)パターン化された堆積物を含む包装紙をカットフィルターの周囲に置いて、喫煙製品のタバコロッド部分を形成することを含む。
【0015】
触媒粒子は、グラビア印刷、ロトグラビア(rotogravure)印刷、フォトグラビア(photogravure)印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、凹版印刷、リソグラフ印刷、スプレー、ブラッシング、ローリング又はサイズプレス技術により堆積され得る。触媒粒子は、粒子を液体(例えばアルコール、水及び/又は他の溶剤)中に分散させて、混合物を形成すること、及び混合物を包装紙上に堆積させること、又は乾燥粒子を包装紙のベースウェブ上に堆積させることにより堆積させ得る。
場合により、触媒粒子は、顔料を含む触媒インクの形態で包装紙上に堆積させることができる。触媒インクは、好ましくは、液体及び液体中に懸濁されたナノ粒子触媒を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
包装紙を含む喫煙製品、喫煙製品において使用するのに適する包装紙並びに喫煙製品及び包装紙を製造する方法は、包装紙の少なくとも一方の表面上における触媒粒子のパターン化された堆積物を含む。触媒粒子は、喫煙製品の主流煙及び/又は副流煙における1又はそれより多くのガス構成要素を転化可能である。例えば、包装紙に触媒粒子のパターン化された堆積物を提供することにより、主流煙及び/又は副流煙における一酸化炭素、酸化窒素及び/又は全粒子状物質の量を低減することができる。“堆積物”は、触媒粒子が包装紙の表面上に分散されていることを意味する。
【0017】
好ましくは、触媒粒子は、ナノ粒子を含む。“ナノ粒子”は、粒子が、約500ナノメーター未満、好ましくは約50nm未満、より好ましくは約10nm未満の平均粒子直径を有することを意味する。触媒粒子は、B、Al、Si、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Sn、Ce、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の少なくとも1つの酸化物を含む。好ましい触媒粒子は、酸化鉄粒子(例えば、ナノスケールの酸化鉄粒子)である。好ましいナノ粒子酸化鉄触媒は、Mach I, Inc., of King of Prussia, PAから入手可能なNANOCAT(登録商標)スーパーファイン酸化鉄である。ナノ粒子酸化鉄触媒は、FeOOH、Fe3O4、α−Fe2O3、γ−Fe2O3、FeO又はそれらの混合物を含み得る。
【0018】
実施態様は、触媒粒子のパターン化された堆積物を有するシガレット用紙を製造する方法に関し、該方法は製紙機においてシガレット用紙のシートを形成すること及び用紙の表面の少なくとも一部上に触媒粒子を堆積させて、用紙上に粒子のパターン化された堆積物を形成することを含む。そのような用紙包装紙(paper wrapper)は、使用されて、喫煙製品、例えばシガレットが組み立てられ、及び喫煙の間に消費される。触媒粒子のパターン化された堆積物は、包装紙のベースウェブ上に乾燥粒子として堆積され得る。さらなる実施態様においては、触媒粒子が、液体と組み合せられて、スラリーが形成され得、及びスラリーは、包装紙の一方の表面の少なくとも一部上に堆積され得る。好ましくは、スラリーは、液体及び触媒粒子からなる(即ち、スラリーは、バインダーを含まない)。
【0019】
さらなる実施態様は、喫煙製品の製造方法であって、
(i)包装紙の表面の少なくとも一部上に触媒粒子を堆積させて、包装紙上に粒子のパターン化された堆積物を形成すること;
(ii)タバコを含むカットフィラーをシガレット製造機へ提供すること;及び
(iii)パターン化された堆積物を含む包装紙をカットフィラーの周囲に置いて、喫煙製品のタバコロッド部分を形成すること
を含む方法に関する。
【0020】
理論に拘束されることを望む訳ではないが、喫煙の間、粒子、例えば酸化鉄ナノスケール粒子のパターン化された堆積物は、喫煙製品の気流中における酸素との反応を介して、化学反応式2CO+O2=2CO2に従って、一酸化炭素の二酸化炭素への転化を触媒すると考えられる。粒子は、また、反応2NO+2CO→2CO2+N2に従って、酸化窒素を窒素に転化(例えば還元)し得る。
【0021】
また、触媒反応の後に、粒子は、また、主流煙及び/又は副流煙におけるCOレベルを低減するために、酸素の不存在下でCOをCO2に転化可能な酸化剤として作用し得ると考えられる。本願明細書において使用されているように、触媒は、化学反応の速度に影響し得、例えば、触媒は、反応体又は反応生成物として加わることなしに一酸化炭素の酸化速度を上昇させ得る。酸化剤は、例えば、酸素を反応体に提供することにより、酸化剤自体が還元されるように、反応体を酸化し得る。還元剤は、例えば、反応体から酸素を受け取ることにより、還元剤自体が酸化されるように、反応体を還元し得る。触媒粒子は、また、気流における全粒子状物質(TPM)(例えばタール)を低減し得る。
【0022】
好ましくは、触媒粒子は、一酸化炭素、酸化窒素及び/又は全粒子状物質の主流煙及び/又は副流煙における濃度を少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%)低減するのに効果的な量で喫煙製品の包装紙上に堆積させる。
【0023】
シガレットの“喫煙(smoking)”は、シガレットが加熱又は燃焼して、シガレットを通じて吸引され得る煙を形成することを意味する。一般に、シガレットの喫煙は、シガレットの一方の末端に火をつけることを含み、及びその中に含まれるタバコが燃焼反応を受けつつ、燃焼からの煙がシガレットの口末端を通じて引き込まれる。シガレットは、また、他の手段により喫煙され得る。例えば、シガレットは、同一出願人による米国特許第6,053,176号;第5,934,289号;第5,591,368号又は第5,322,075号明細書に記載されているようにシガレットを加熱すること及び/又は電気加熱手段を用いて加熱することにより喫煙され得る。
【0024】
用語“主流”煙は、タバコロッドを下降し及びフィルター末端を通過するガスの混合物、即ち、シガレットの喫煙の間にシガレットの口末端から出る又は引き込まれる煙の量を意味する。主流煙は、火がついた領域及びシガレット用紙包装紙(cigarette paper wrapper)の双方から引き込まれる煙を含む。用語“副流”煙は、シガレット用紙包装紙を通じてタバコロッドから及び/又は火のついた末端におけるタバコロッドの燃焼コール(burning coal)からでるガスの混合物を意味する。
【0025】
いくつかの因子が、シガレットにおける一酸化炭素の形成の一因となっている。タバコにおける構成要素に加え、燃焼の間のシガレットにおける温度及び酸素濃度が、一酸化炭素及び二酸化炭素の形成及び反応に影響し得る。喫煙の間に形成される一酸化炭素の全量は、3つの主な源の組み合わせに由来する:熱分解(約30%)、燃焼(約36%)及び炭化されたタバコによる二酸化炭素の還元(少なくとも23%)。主に化学反応動力学により制御される熱分解からの一酸化炭素の形成は、約180℃の温度で始まり、約1050℃で終了する。燃焼の間の一酸化炭素及び二酸化炭素の形成は、主に、表面への酸素の拡散(ka)により及び表面反応(kb)を介して制御される。250℃で、ka及びkbは、ほぼ同一である。400℃において、反応は拡散により制御されるようになる。最終的に、炭化タバコ又は木炭での二酸化炭素の還元が、約390℃の温度又はそれより高くで生じる。
【0026】
喫煙の間、シガレット内に3つの異なる領域が存在する:燃焼ゾーン、熱分解/蒸留ゾーン、及び凝縮/ろ過ゾーン。理論に拘束されることを望む訳ではないが、触媒粒子のパターン化された堆積物は、喫煙の間にシガレットの異なる領域において生じる種々の反応をターゲットにし得ると考えられる。触媒粒子のパターン化された堆積物は、外部源の酸素の不存在下又は存在下で、COをCO2に転化し得る。
【0027】
まず、燃焼ゾーンは、通常シガレットの火のついた末端に、シガレットの喫煙の間に生じるシガレットの燃焼ゾーンである。燃焼ゾーンにおける温度は、約600℃〜約950℃の範囲内にあり、及び加熱速度は、500℃/秒と同程度に高いかもしれない。酸素の濃度は、燃焼ゾーンにおいては低く、なぜなら、酸素が、タバコの燃焼において消費されて、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気及び種々の有機化合物が生じているからである。高温とつながれる低酸素濃度は、炭化タバコにより二酸化炭素の一酸化炭素への還元を導く。この領域においては、触媒粒子は、酸化及び/又は触媒メカニズムを介して、一酸化炭素を二酸化炭素に転化し得る。燃焼ゾーンは、高度に発熱性であり、及び生じる熱は、熱分解/蒸留ゾーンへ運ばれる。
【0028】
熱分解ゾーンは、燃焼ゾーンの後の領域であり、ここでは、温度が、200〜600℃の範囲内にある。燃焼ゾーンにおいては、触媒粒子は、また、COのCO2への転化を直接酸化し、及び/又はNOをN2へ還元する。主な反応は、燃焼ゾーン内において生じる熱を用いて一酸化炭素、二酸化炭素、煙成分及び木炭を生じるタバコの熱分解(即ち熱的分解)である。この領域に存在するいくつかの酸素があり、及び従って、触媒粒子は、一酸化炭素の二酸化炭素への酸化を触媒し得る。触媒反応は、約50℃で始まり、及び150〜300℃の周辺で最大活性に達し、及びその最大活性を約300℃より高い温度で維持する。
【0029】
凝縮/ろ過ゾーンにおいては、温度は、周囲温度〜約150℃の範囲内にある。このゾーンにおける主な工程は、煙成分の凝縮/ろ過である。いくつかの量の一酸化炭素、二酸化炭素及び酸化窒素は、シガレットの外に拡散し、及びいくつかの酸素は、シガレット内に拡散する。凝縮/ろ過ゾーンにおける酸素の分圧は、一般に、大気レベルまで回復しない。比較的低い温度の凝縮/ろ過ゾーンにおいては、触媒粒子は、場合により、一酸化炭素の二酸化炭素への転化及び/又は酸化窒素の窒素への転化を触媒し得る。
【0030】
シガレットの喫煙の間、主流煙における一酸化炭素及び酸化窒素は、シガレットのフィルター末端に向かって流れる。これらのガスは、シガレット内を移動するので、包装紙を通してシガレット内に酸素が拡散し、及びシガレット外に一酸化炭素及び酸化窒素が拡散する。シガレットの典型的な2秒間の吹かしの後、CO及びNOは、シガレットの周辺において、即ち、シガレット包装紙の近くにおいて、燃焼ゾーンの前において濃縮される。O2のシガレットへの拡散のために、酸素濃縮は、また、周辺領域において高い。タバコロッドへのエアフローは、喫煙製品の周辺での燃焼ゾーン付近で最大であり、及び温度勾配を伴っておよそ釣り合っており、即ち、より高いエアフローは、より大きな温度勾配に関連する。典型的なシガレットにおいては、最も高い温度勾配が、燃焼ゾーンから(>850〜900℃)軸方向にシガレットのフィルター末端に向かっている。燃焼ゾーンの後、数ミリ内で温度は、周囲温度付近まで降下する。エアフローパターン、喫煙の間のシガレットにおける構成物質の形成及び煙形成及びデリバリーについてのさらなる情報は、Richard R. Bakerの“Mechanism of Smoke Formation and Delivery”, Recent Advances in Tobacco Science, vol. 6, pp. 184-224, (1980)及びRichard R. Bakerの“Variation of the Gas Formation Region within a Cigarette Combustion Coal during the Smoking Cycle”, Beitrage zur Tabakfroschung International, vol. 11, no. 1, pp. 1-17, (1981)にみられ、双方の内容は、本願明細書に参考文献として組み込まれるものとする。
【0031】
パターン化された触媒粒子によるCOからCO2及び/又はNOからN2への転化速度は、急速な及び効果的なCO及び/又はNOの触媒領域への運搬及びCO2及び/又はN2が触媒領域から離れることにより、例えば、喫煙製品内のガスフローを介して強化される。一緒に、操作温度及び喫煙製品内のエアフローは、触媒の働きに影響し得る。
【0032】
パターン化された堆積物の包装紙上における量、位値及び分布は、COからCO2及び/又はNOからN2への転化速度を調整する、例えば増加させ又は最大化するために、喫煙中に示される温度とエアフロー特性との関数として選択され得る。触媒粒子は、所定の温度範囲内で触媒及び/又は酸化するように選択され得、及び堆積物のパターン幾何学/分布は、触媒/酸化に適切な温度に適合するように選択され得る。
【0033】
多くの場合、包装紙の領域における印刷材料の完全なコーティングは、閉塞作用(occlusive effect)を有する傾向にあり、それは、コール(coal)の包装紙アップストリームを介するCOの拡散を抑制する傾向にある。パターン印刷により、シガレットの包装紙の領域は、未印刷のままとされ、及び包装紙を介するCOの拡散を促進するために利用可能であり、一方、それと同時に、印刷された領域は、それらの触媒作用に貢献するように存在する。結果として、拡散及び触媒作用の双方が連動して、シガレットの喫煙の間COを低減する。
【0034】
本願明細書に記載する喫煙製品の実施態様においては、適切なタバコ混合物が、カットフィラーのために使用され得る。適切なタイプのタバコ材料の例は、火力乾燥(flue cure)されたバーレイ・メリーランド又はオリエンタルタバコ、希少な又は特殊な例えばタバコ、及びそれらのブレンドを含む。タバコ材料は、タバコラミナ、加工タバコ材料、例えば増量又は膨らんだ(puffed)タバコ、加工タバコステム(stem)、例えばカットロール(cut roll)又はカットパフ(cut puff)されたステム、再構成されたタバコ材料、又はそれらのブレンドの形態で提供され得る。タバコは、また、タバコ代用品を含み得る。
【0035】
タバコカラムは、好ましくは、明るいBurley及びOrientalタバコを含むブレンド及び他のブレンド成分を含み、伝統的シガレットフレーバーを含む、工業の典型的タバコのブレンドのカットフィラーを含む。好ましい実施態様においては、タバコカラムの細断(shredded)タバコ(カットフィラー)が、再構成タバコの包含を伴って又は伴わずに又はカットフレーバーの後に、明るいBurley, Maryland及びOrientalタバコのブレンドを含む。場合により、膨張(expanded)タバコ成分は、ブレンド中に包含されて、ロッド密度を調整することができ、及びフレーバーを添加することができる。場合により、前述のタバコの単一種を、ブレンドの代わりに使用してもよい。
【0036】
シガレット製造において、タバコは、通常、カットフィラーの形態で、即ち、約2.54mm(1/10インチ)〜約1.27mm(1/20インチ)又はさらには0.635mm(1/40)インチの範囲の幅にカットされた小片又はストランドの形態で使用される。ストランドの長さは、約0.25〜約3.0インチ(約6.35mm〜約7.62cm)の範囲内である。シガレットは、さらに、1又はそれより多くのフレーバー(flavorant)又は他の添加剤(例えば燃焼添加剤、燃焼改良剤、着色剤、バインダーなど)を含んでいてもよい。
【0037】
包装紙は、フラックス、麻、ケナフ麻、アフリカハネガヤ、稲わら、セルロースなどを含む包装紙を含む、カットフィラーを取り囲むラッピング(wrapping)のいずれであってよい。任意のフィラー材料、フレーバー添加剤及び燃焼添加剤が包含されていてもよい。喫煙製品、例えばシガレットの製造においては、包装紙は、カットフィラーの周りに巻き付けて、シガレット製造機により喫煙製品のタバコロッド部分を形成し、それは、予め、供給されているか又は連続的にタバコカットフィラー及び包装紙の1又はそれより多くのリボンを供給する。シガレット製造機に供給される場合、包装紙は、連続シートにおける単一ボビンから(モノラップ)又は複数のボビンから(マルチラップ(multiwrap)、例えば2つのボビンからのデュアル(dual)ラップ)供給することができる。さらに、包装紙は、横断面に1より多くの層を、例えば、公有(commonly-owned)米国特許第5,143,098号明細書に開示されているような二層用紙において有していてもよく、その全開示内容は、本願明細書において、参考文献として組み込まれるものとする。
【0038】
シガレットは、約50〜約120mmの長さの範囲内にあり得る。一般に、標準シガレットは、長さ約70mmであり、“キングサイズ”は、長さ約85mmであり、“スーパーキングサイズ”は、長さ約100mmであり、及び“ロング”は、通常、長さ約120mmである。円周は、約15〜約30mm、及び好ましくは約25mmである。タバコ充填密度は、典型的には、約100〜約300mg/cm3、及び好ましくは150〜約275mg/cm3である。
【0039】
図1(a)を参照すると、喫煙製品100の好ましい実施態様は、タバコロッド部分102及びフィルタリングチップ104を有する。場合により、喫煙製品100の実施態様は、フィルタリングチップ104なしに実施され得る。好ましくは、タバコロッド部分102は、シガレット(タバコ)包装紙108で包まれたタバコ106のカラムを含む。図1(b)の拡大図に示されるように、触媒粒子110のランダムな堆積が、包装紙108の表面の少なくとも一部において存在する。実際には、触媒粒子110は、包装紙108のベース材料を形成する繊維状セルロース材料112のウェブの外側部を貫通し得る。
【0040】
包装紙の表面における触媒粒子のサイズ分布及び密度は、包装紙108の浸透性に影響し得る(典型的にはCORESTAのユニットにおいて測定され、それは、1キロパスカルの圧力降下で1分で材料の1平方センチメートルを通過する空気の量として定義され、立方センチメートルで測定される)。
【0041】
特徴(feature)のランダムな又は規則正しい列を含み得る触媒粒子のパターンは、包装紙の単位面積あたりで粒子の濃度勾配又は分布を含み得る。例えば、パターン内の触媒の濃度勾配は、低濃度特徴を有する第1部分及び高濃度特徴を有する第2部分の間で変動し得る。第1の、低濃度部分における触媒粒子の全装填(loading)は、第2の、高濃度部分におけるものより低いものであり得る。第1の、低濃度部分は、好ましくは、触媒の全装填量が、約1mg未満、より好ましくは0mgである。第2の、高濃度部分は、好ましくは、触媒の全装填量が、約100mg未満、より好ましくは1〜50mgである。第1の低濃度部分及び第2の高濃度部分は、それぞれ、喫煙製品の末端、例えば存在するならフィルタリングチップでの末端に関して、包装紙の直線的に遠位部分(linearly distal portion)及び直線的に隣接部分(linearly proximal portion)であり得る。さらなる実施態様においては、触媒粒子の装填量は、連続的に又は不連続的に及び/又は直線的に遠位部分から直線的に隣接部分に線状的に又は非線状的に変動し得る。
【0042】
濃度勾配は、パターンの表面積を変動すること(例えば、幾何学的特徴のサイズ又は英数字特徴のフォントサイズを上昇させること)により達成することができる。また、濃度勾配は、堆積されるスラリーにおける触媒濃度を変動させること(例えば、第1印刷工程において第1濃度源及び第2印刷工程において第2濃度源を用いて、堆積物を形成すること)により達成され得る。堆積されるスラリーの濃度を変動することにより、パターンにおける個別特徴の厚さを変動することが可能である(例えば、高濃度の触媒粒子を有するスラリーを使用して、低濃度の触媒粒子のスラリーより厚い特徴を印刷することができる)。より厚い特徴は、パターン化された堆積物の面積あたりの粒子が多い。最終的に、異なる触媒材料を堆積させることができる(例えば、第1の低活性触媒材料及び第2の高活性触媒材料を使用して、触媒活性が変動するパターン化された堆積物を形成することができる)。例により、パターン化された触媒粒子の堆積は、単一ローラーを用いる連続適用を用いて(例えば、各工程で異なる触媒及び/又は触媒濃度を用いて)、又は各ローラーが粒子状触媒及び/又は触媒濃度を堆積させる複数ローラーを用いることにより行うことができる。
【0043】
触媒粒子のパターンは、触媒粒子が印刷される、空気通過用表面積を低減することにより包装紙の浸透性を低減し得る。パターンが堆積される包装紙は、任意の適切な従来の包装紙であってもよい。例えば、それらの上にパターン化された堆積物を有する好ましい包装紙は、約18〜約60g/m2の秤量及び約15〜約80CORESTAユニットの浸透性を有し得る。より好ましくは、包装紙は、約30〜約45g/m2の秤量及び約30〜35CORESTAユニットの浸透性を有する。しかしながら、任意の適切な秤量及び浸透性を包装紙について選択することができる。堆積された触媒の濃度及び粒子サイズを調整して、所望の結果を達成することができる。
【0044】
好ましくは、触媒は、パターン化された堆積物を含む包装紙の浸透性が、15CORESTAユニット以上、好ましくは30〜40CORESTAユニットであるように包装紙上に堆積させる。包装紙の他の透過性(CORESTAユニットにより測定される)は、包装紙の適用及び位置に基づいて選択され得る。例えば、多層包装紙において、第1層の透過性は、1000CORESTAユニット未満であるが、より高い透過性を使用することができる。単一層包装紙の厚さは、好ましくは、15〜100ミクロン、より好ましくは20〜50ミクロンであり得る。多層包装紙における追加の層は、第1層の浸透性の0.1〜10倍であってもよく、第1層の厚さの0.1〜2倍の厚さを有していてもよい。第1層及び第2層の浸透性及び厚さの双方は、喫煙製品について所望の全空気透過性及び全厚さを達成するように選択され得る。
【0045】
再び、図1を参照すると、所望なら、包装紙108は、場合により、表面のパターンのない部分を含んでいてもよい。図1(a)及び1(b)における包装紙108の外側表面上に見られるパターン化された堆積物は、所望なら、包装紙の内側表面に又は内側及び外側表面の双方に存在し得ると理解すべきである。
【0046】
図2(a)及び2(b)は、第2最外包装紙を有する第1包装紙の表面の一部におけるパターン化された堆積物を有する喫煙製品の実施態様を示す。図2(a)の実施態様においては、喫煙製品100は、第1内部包装紙114により囲まれたシガレットタバコカラム106を含む。図2(b)の拡大図に示されているように、パターン化された堆積物116は、第1包装紙114の少なくとも一部の表面上に存在する。所望なら、第1包装紙114は、場合により、堆積物のない表面又は表面の堆積物のない部分を含んでいてもよい。
【0047】
図2(a)及び2(b)においては、喫煙製品100は、第1包装紙114を囲む第2包装紙118を有する。第2外側包装紙118における全触媒量は、好ましくは、所定の単一喫煙製品、例えば単一シガレットについて1mg未満である。ある好ましい実施態様においては、第2包装紙118は、触媒からの着色により影響を受けないシガレット100の外観を提供するように触媒を含まない。典型的な実施態様においては、第1包装紙の全触媒粒子量は、1〜100mgであり、第2包装紙においては、1mg未満、好ましくは0mgであり及び/又は第1包装紙112における触媒に対する第2包装紙120における触媒の質量%での比は、0.25未満である。例により、シガレットあたりの好ましい触媒量は、1〜100mg、1〜50mg又は50〜100mg、2〜25mg又は25〜50mg、1〜15mg又は15〜40mg、又は4〜10mg又は10〜20mgである。
【0048】
第1包装紙及び第2包装紙は、所望なら、交換可能であると理解するべきである。例えば、外側第2包装紙は、パターン化された堆積物を含んでいてもよく、及び内側第1包装紙は、同一の又は異なる配列の触媒粒子を有していてもよく又は触媒を含まなくてもよい。さらに、堆積物が見られることを意図されない、例えば所望のイメージを伝達するパターン又は観察消費者(viewing consumer)へのメッセージでない場合には、美的観点から、第1包装紙の内側表面上に堆積物を置くことが望ましいことであるかもしれず、なぜなら、いくつかの触媒は、包装紙を変色させるからである。任意の、触媒を含まない、外側第2包装紙は、その後、内部第1包装紙について置かれる。
図3(a)〜3(e)は、喫煙製品用包装紙における触媒粒子の規則正しいパターンの例を説明する。パターンは、複数の別個の特徴を含む。典型的実施態様においては、別個の特徴は、英数字配列、絵文字又は幾何学的図形を含む。他の任意の形態のパターンは、種々の別個のパターン、例えば、クロスハッチ、ランプ(ramp)及び/又は勾配、異形などの形態を含む。図3(a)及び3(b)においては、喫煙製品300の包装紙302は、英数字配列306を含む別個の特徴のパターン304を有する。パターン304は、また、ライン308に示されるように幾何学的図形の繰り返しシリーズを含む。パターンは、第1方向において、喫煙製品の長さに沿って直線的又は円周に繰り返しである。パターン304の英数字配列306は、所定の審美的影響について望まれるように向かわされ得、例えば直線的に(図3(a))又は円周に(図3(b))向かわされ得る。図3(c)〜3(e)においては、喫煙製品300の包装紙302は、幾何学的図形を含む別個の特徴のパターン304を有する。説明的例においては、幾何学的図形は、円周ライン310(図3(c))、及び第1密度(図3(d))及び第2高密度(図3(e))の重複らせん312のシリーズを含む。
【0049】
1つのアプローチにおいて、触媒粒子は、印刷技術により喫煙製品の包装紙上に堆積させる。例えば、従来のシガレット製造技術により製造され及び従来のタバコブレンド及びタバコフレーバー添加剤を有するシガレットは、シガレット製造において知られる手段により包装用紙上に印刷されるパターンを有し得る。そのような手段は、一般的に、所望の形状のソフトインプレッションローラーの使用を包含する。シガレット包装紙に施されるスラリー、例えば、液体中に分散された触媒粒子を含むスラリーにおいて回転するピックアップローラーは、印刷工程用インプレッションローラーに液体を移送するように機能する。好ましいスラリーは、バインダーを含まない。同様に、パターンは、従来技術のグラビア印刷、フレキソ印刷及び/又は凸版印刷、凹版印刷又は他の印刷方法により印刷され得る。パターンは、サイズプレス技術、塗装技術、ロトグラビア技術、フォトグラビア技術などを用いて包装用紙上に導入され得る。包装用紙の表面上に触媒粒子を堆積させるのに使用される他の技術は、静電堆積、接着剤での適用、印刷アプリケータでのパターン化適用、印刷方法を用いるインク溶液における適用、スプレー、ブラッシングなどを含む。さらに、触媒粒子は、包装紙に、単一コーティング工程において又は複数のコーティング工程において、印刷技術を用いて及びいずれか1つの堆積において施されるスラリーの量を制御して施され得る。ある実施態様によれば、乾燥触媒粒子は、湿潤包装紙表面上に堆積され得る。
【0050】
パターン印刷は、前述の印刷技術のいずれか1つ又は組み合わせにより行われ得る。さらに、これらの印刷操作は、組み立てられたシガレットの包装紙上及び/又はシガレットの組み立て前のいずれかのポイントで包装紙のいずれかの側上に触媒粒子のパターン化された堆積物を形成し得る。
【0051】
好ましい実施態様においては、触媒粒子は、適切な液体中に分散及び/又は懸濁されて、触媒インク(例えばスラリー)を形成する。急速乾燥液体、例えば水、エタノール又はアセトンを使用して、スラリーを形成することができる。触媒インクは、また、他の構成物質、例えば、水性成分、非水性成分及び/又は界面活性剤を含んでいてもよい。好ましくは、スラリーは、バインダーを含まない。触媒インクのさらなる任意の成分は、レオロジー剤(rheology agent)を含み、それは、印刷方法の間のインクの適切な移送を提供する。用紙基材、例えば喫煙製品に使用される包装紙上における印刷のために、印刷インクは、好ましくは、用紙基材に適合させられ、及び1又はそれより多くの樹脂、溶剤、消泡剤及びドライヤーを含んでいてもよい。
【0052】
任意の実施態様においては、触媒インクは、着色剤、例えば有機又は無機顔料を含む。着色剤の例においては、顔料は、白色乾燥触媒堆積物を生じる触媒インクを生じるシリカベース顔料である。顔料に加えて又はその代わりに、乾燥堆積物に色彩又は色合いを付与するナノ粒子触媒をまた使用してもよい。例えば、チタンベースのナノ粒子触媒は、白色又はシェード(shade)を乾燥堆積物に付与し得る。
【0053】
製紙方法は、従来の用紙製造装置を用いて行うことができる。シガレット包装紙は、セルロース材料を含んでいてもよく、それは、ウェブ及びウェブフィラーを形成し、それが使用されて、用紙の浸透性が制御される。
【0054】
サポートウェブは、従来のウェブ、例えばフラックスサポートウェブであってもよく、又は導入される触媒成分、例えばナノ粒子触媒を有するウェブを含んでいてもよい。サポートウェブが触媒成分を含む場合、導入される触媒成分は、ウェブフィラー材料上に担持され得、又はウェブフィラー材料なしに直接的にサポートウェブ上に担持され得る。ウェブフィラーは、CaCO3粒子又は他の適切なウェブフィラー材料、例えば第II族、第III族又は第IV族金属の酸化物、炭酸塩、水酸化物、CaCO3、TiO2、シリケート、例えば、SiO2、Al2O3、MgCo3、MgO及びMg(OH)2を含む。
【0055】
包装紙は、ラミネート化された包装紙、二層包装紙又は多層包装紙を含み得る。二層及び多層包装紙の例は、公有の米国特許第5,143,098に開示されており、その全開示内容は、本願明細書において、参考文献として組み込まれるものとする。
【0056】
触媒粒子のパターン化された堆積物を含む二層又は多層包装紙の実施態様においては、半径方向に内側の層及び/又は半径方向に外側の層の少なくとも1つの表面が、パターン化された堆積物を含み得る。好ましくは、多層用紙の半径方向に最も内側の層が、触媒粒子を含む。
【0057】
それらの上に触媒粒子のパターン化された堆積物を有する包装紙を使用して、従来のシガレット又は非従来のシガレット、例えば、一般に割り当てられた(commonly-assigned)米国特許第6,026,820号;第5,988,176号;第5,915,387号;第5,692,526号;第5,692,525号;第5,666,976号;第5,499,636号及び第5,388,594号明細書に記載された電気喫煙システム又は一般に割り当てられた米国特許第5,345,951号明細書に記載されたような燃料ロッドを有する非従来タイプのシガレットを製造することができる。
【0058】
図4は、あるタイプのシガレット300の構成を説明するものであり、それは、電気喫煙デバイスについて使用することができる。示されるように、シガレット300は、先端用紙(tipping paper)364により結合されるフィルター部分362及びタバコロッド360を含む。フィルター部分362は、好ましくは、チューブ状フリーフロー(free-flow)フィルター要素302及びマウスピースフィルタープラグ304を含む。フリーフローフィルター要素302及びマウスピースフィルタープラグ304は、プラグラップ312を用いて組み合せられたプラグ310として一緒に結合され得る。タバコロッド360は、以下のものを1又はそれより多く導入する種々の形態を有し得る:オーバーラップ371、別のチューブ状フリーフローフィルター要素374、好ましくはプラグラップ384においてラップされている円筒状タバコプラグ380、ベースウェブ368を含むタバコウェブ366、及びボイドスペース391。触媒粒子のパターン化された堆積物、例えばナノスケールの触媒粒子は、好ましくは、オーバーラップ371に印刷されるが、これに加えて又はこれに代えて、タバコウェブ366の成分又はプラグラップ384の1又はそれより多くの上に印刷及び/又は堆積させることができる。
【0059】
図5は、米国特許第5,345,951号明細書に記載されるような燃料要素411を有するシガレット410構成を説明するものであり、その開示内容は参考文献として本願明細書に組み込まれるものとする。シガレット410は、シガレットラッピングペーパー414によりオーバーラップされる燃料要素411及び拡大チューブ412、及びチッピングペーパー405により結合されるフィルター要素413を含む。図6を参照すると、燃料要素411は、加熱源420、及び加熱源において1又はそれより多くの縦通路(longitudinal passage)を流れるホットガスにより接触したときにフレーバー付き蒸気及びガスを放出するフレーバーベッド421を含む。蒸気は、拡大チャンバー412に通過し及び次いでマウスピース要素413へ通過する。加熱源は、実質的に純粋な炭素及び場合により触媒又は燃焼添加剤を含み得る。加熱源420を囲む用紙418の1又はそれより多くの層は、例えば、触媒インクのパターンを印刷することにより、それらの上に印刷される、パターン化された触媒粒子を含み得、及び使用して、加熱源420により生じるCO、NO及び/又はTPMを低減することができる。あるいはまた、又はそれらに加えて、パターン化された堆積物を有する用紙は、加熱源420のダウンストリームを提供し得る。例えば、それらの少なくとも一方の表面上にパターン化された堆積物を含む用紙は、加熱源及びフレーバーベッド421の間に又はフレーバーベッド421の中に位置付けることができる。フレーバーベッド421は、望ましいフレーバーを放出する材料、例えばタバコフィラー又はフレーバー形成化合物(例えばメントール)が導入される物質を含み得る。
【0060】
燃料要素411は、放射エネルギーリフレクタスリーブ422(例えば有孔金属化紙)及び任意の内部スリーブ423(例えば有孔金属化紙)を有する複合スリーブ内に収納される。内部スリーブ422は、折り畳まれて、それらの間の環状スペースを有するリフレクタスリーブ422の内壁から離れてサスペンドされた加熱源を保持するためにそれらのアップストリーム末端にリップ424を形成することができる。燃料要素及び拡大チャンバー412を一緒に保持する包装紙414は、好ましくは、空気が用紙414を通して収容され得、及び加熱源の燃焼をサポートするのに十分な多孔性を有する。燃料要素411は、また、燃料要素411に空気を許容するために1又はそれより多くの開口部416を有する反射エンドキャップ415を含む。喫煙製品は、二重の用紙包装紙、例えば内部包装紙及び外部包装紙を含み得る。所望なら、それらの上にパターン化された触媒堆積物を有する用紙を、他の位置に及び/又は図5及び6に示されるシガレットの用紙層のいずれかのために使用することができる。さらに、燃料要素シガレットのある実施態様が図5及び6に示されているが、パターン化された触媒粒子を含む用紙を使用して、燃料要素を囲むことができ及び/又は他の燃料要素シガレットアレンジメントにおいて用紙層の代わりとして使用することができる。
【0061】
図7は、包装紙の一方の表面の少なくとも一部上に触媒粒子のパターン化された堆積物を有するシガレット包装紙515の内部チューブ又はシースを含む同心のタバコロッド510を有するシガレット500を説明する。示されるように、シガレット500は、フィルター505及びタバコロッド510を含み、それらは、チッピング用紙(tipping paper)511により互いに結合されている。タバコロッド510は、Hauni Machinenbau AG of Hamburg, Germanyより入手可能なHauni Babyロッド製造機において製造され得る“同心のコア”又は“コアキシャル”構造である。内部コア領域512は、タバコカットフィラー材料520により囲まれる内部包装紙515により明確にされる。外側シガレット包装紙525は、タバコロッド510の外側に沿って拡大する。フィルター505は、セルローストウ(tow)のプラグ1又はそれより多くを含み得、及び場合により、吸着剤、例えば炭素を含み得る。この実施態様においては、内部包装紙515における用紙上における触媒粒子の堆積物により生じる着色が、視界から隠されている。
【0062】
中心コア領域512は、中空のものであってもよく及び/又は部分的に又は全体的に、タバコカットフィラーで満たされていてもよく、及び好ましくは、直径約2〜5mm、より好ましくは直径約2〜3mmである。ある代替においては、内部包装515は、それらの表面において触媒粒子のパターン化された堆積物を有する用紙から形成される少なくとも1つの層を有する層状アレンジメントにおいて構成され得る。触媒粒子は、内部包装紙の内部表面、内部包装紙の外部表面、外部包装紙の内部表面及び/又は外部包装紙の外部表面上に堆積され得る。
【0063】
再び、図2(a)及び2(b)の実施態様を参照すると、内部包装紙及び外部包装紙は、別の製紙方法において形成された個々の包装紙であり、及びシガレットタバコロッドを形成するためにタバコカットフィラーを包装する層である。内部包装紙、外部包装紙、又は双方の包装紙は、ナノ粒子触媒を含む乾燥堆積物を含み得る。双方の包装紙が、触媒粒子のパターン化された堆積物を含む例においては、特定の触媒粒子及び各包装紙上に充填(load)される触媒は、同一であっても異なっていてもよい。いくつかの実施態様においては、触媒粒子の添加は、包装紙を変色させるかもしれず、例えば包装紙が非白色又は褐色になる。審美的理由のために、従来の色彩、例えば白色である外層は、内部包装紙の周りに置かれ得る。内部包装紙及び外部包装紙の双方は、喫煙製品特性、例えばパフカウント(puff count)、タール、燃焼速度、及び灰出現(ash appearance)に関し喫煙製品の所望の性能を得るように選択し得る。例えば、図2(a)及び2(b)に関して従って及び示されるように及び記載されるように、喫煙製品及び喫煙製品を製造する方法の好ましい実施態様は、第1包装紙上における触媒粒子のパターン化された堆積物を有し、さらに、それらの上に触媒粒子が堆積されていない第2最外包装紙を含む、シガレットのタバコロッド部分を含み得る。
【0064】
喫煙製品用包装紙において使用するのに好ましい触媒は、周囲温度と同等の低い温度で触媒的に活性なものであり、及びより好ましくは、900℃と同等の高い温度でさえ非活性化しないものである。触媒粒子は、例えば喫煙製品のフィルター末端にだけでなく、燃焼が予期されるゾーンの全軸長さに沿って印刷され得、及び使用の間、火のついた末端からフィルターまで触媒的に活性であり得る。触媒の軸分布は、CO2に転化されるCO及び/又はN2に転化されるNOについての触媒及び主流煙との間の十分な接触時間を提供する。
【0065】
さらなる例においては、触媒粒子は、混合触媒、例えば、異なる温度範囲又は重複温度範囲で各々作用する個々の触媒複合物の組み合わせである触媒を含み得る。異なる触媒粒子のそのような混合物を使用して、COのCO2への転化及び/又はNOのN2への転化が生じ得る温度範囲を拡大し及び喫煙製品が燃焼する際の触媒の触媒効果を上昇させることができる。例えば、混合触媒は、燃焼ゾーンで及び燃焼ゾーンの後での双方で、COをCO2に及び/又はNOをN2に転化し得る。
【0066】
用紙において使用される際、パターン化された触媒が、COに対して選択的であり得る。従って、COは、粒子状物質(TPM)より多い割合で低減され得る。従って、CO:TPMの比が低減される。対照のシガレットを、商業用喫煙機において喫煙し、主流煙における粒子状物質及び一酸化炭素の量を測定した。対照のシガレットは、従来の包装紙を含んでいた。包装紙の内側において印刷されたナノスケールの酸化鉄粒子12.5質量%を有する包装紙を含む試験シガレットについての主流煙の構成を、また、測定した。対照のシガレットからでた全粒子状物質(TPM)及び一酸化炭素の量は、それぞれ、18.3mg及び14.7mgであった。試験シガレットについてのTPM及びCO量は、それぞれ、12.9mg及び7.6mgであり、30%及び48%のTPM及びCOの低減に相当する。
【0067】
本願明細書において記載される堆積物材料、包装紙、喫煙製品又は方法のいずれかは、喫煙製品用包装紙において従来使用されるさらなる添加剤を含み得る。これらの添加剤は、例えば、包装紙の外観を制御するための添加剤、例えば、着色剤、包装しhの燃焼速度を制御するための添加剤、及び/又は所望の灰出現及び/又はシガレット用紙において使用されるウェブフィラーを生じるための添加剤を含み得る。
【0068】
本発明は、それらの例示的実施態様に関連して記載してきたが、当該技術分野における当業者により、具体的に記載されていない付加、削除、変更及び置換が、請求項に記載の発明の精神及び範囲を逸脱することなくなされ得ることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1(a)】は、包装紙のウェブフィラー材料上に担持された粒子状触媒を有する典型的な喫煙製品を示す。
【図1(b)】は、図1(a)の包装紙の拡大図を示す。
【図2(a)】は、第2最外部包装紙を有する第1包装紙のウェブフィラー材料上に担持された粒子状触媒を有する典型的喫煙製品を示す。
【図2(b)】は、第2最外部包装紙を有する第1包装紙の拡大図を示す。
【図3(a)】は、喫煙製品用包装紙上の触媒粒子の典型的な別個の特徴及び/又はパターンを説明する。
【図3(b)】は、喫煙製品用包装紙上の触媒粒子の典型的な別個の特徴及び/又はパターンを説明する。
【図3(c)】は、喫煙製品用包装紙上の触媒粒子の典型的な別個の特徴及び/又はパターンを説明する。
【図3(d)】は、喫煙製品用包装紙上の触媒粒子の典型的な別個の特徴及び/又はパターンを説明する。
【図3(e)】は、喫煙製品用包装紙上の触媒粒子の典型的な別個の特徴及び/又はパターンを説明する。
【図4】は、電気喫煙デバイスで使用され得るシガレットの典型的構造を説明する。
【図5】は、燃料要素を囲む触媒改質用紙を有するシガレットの透視図である。
【図6】は、図5のシガレットの断面図である。
【図7】は、シガレット包装紙の内部チューブ又はシースを含む同心のタバコロッドを有するシガレットの断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコロッドの周りに形成された包装紙を有するタバコロッドであって、包装紙が、包装紙の一方の表面の少なくとも一部上にパターン化された堆積物を含むタバコロッドを含む喫煙製品であって、
パターン化された堆積物が、喫煙製品の主流煙及び/又は副流煙における構成ガス成分の転化を触媒し、酸化し及び/又は還元することが可能な触媒粒子を含む喫煙製品。
【請求項2】
構成ガス成分が、一酸化炭素及び/又は酸化窒素である請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項3】
触媒が、一酸化炭素及び酸化窒素以外の煙構成要素の量を低減可能である請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項4】
触媒の平均粒子サイズが、約5ミクロン未満又は約50nm未満である請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項5】
触媒が、B、Al、Si、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Sn、Ce、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の少なくとも1つの酸化物を含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項6】
触媒が、本質的に、B、Al、Si、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Sn、Ce、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の少なくとも1つの酸化物からなる請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項7】
堆積物が、バインダーのないものである請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項8】
触媒が、酸化鉄を含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項9】
触媒が、FeOOH、Fe3O4、α−Fe2O3、γ−Fe2O3、FeO又はそれらの混合物を含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項10】
触媒が、第2化合物の粒子上に担持された第1酸化物の粒子を含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項11】
第2化合物が、炭酸カルシウムを含む請求項10に記載の喫煙製品。
【請求項12】
堆積物が、英数字配列、絵文字又は幾何学的図形を含む複数の別個の特徴を有するパターンを含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項13】
パターンが、低濃度特徴を有する第1部分及び高濃度特徴を有する第2部分の間に触媒の濃度勾配を含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項14】
パターンの特徴が、喫煙製品の軸方向に沿って反復的なものである請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項15】
触媒が、包装紙の内面に堆積されている請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項16】
触媒が、包装紙の外面に堆積されている請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項17】
包装紙が、第1包装紙であり、及び喫煙製品が、さらに、第2包装紙を含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項18】
第2包装紙が、第1包装紙の半径方向外側にある請求項17に記載の喫煙製品。
【請求項19】
第2包装紙上の全触媒量が0である請求項17に記載の喫煙製品。
【請求項20】
第1包装紙上の触媒に対する第2包装紙上の触媒の、質量%での比が、0.25未満である請求項17に記載の喫煙製品。
【請求項21】
包装紙が、喫煙製品の第1末端に関し直線的に隣接部分及び直線的に遠位部分を有し、及び直線的に遠位部分が、触媒の第1装填物を有し、及び直線状隣接部分が、触媒の第2装填物を有する請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項22】
触媒の第1装填物が、触媒の第2装填物未満である請求項21に記載の喫煙製品。
【請求項23】
包装紙の浸透性が、15CORESTAユニット以上である請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項24】
包装紙上の触媒の面積範囲が、包装紙の全表面積の約90%未満又は約50%未満である請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項25】
包装紙の触媒の面積範囲が、包装紙の全表面積の約1%より高いか又は約5%より高い請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項26】
パターンの特徴が、未被覆包装紙の最大面積が、1ミクロンの直径又は10mmの直径を有する円形面積を越えないように繰り返される請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項27】
全触媒量が、約10mg未満/喫煙製品又は約100mg未満/喫煙製品である請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項28】
粒子が、一酸化炭素及び/又は酸化窒素の主流煙及び/又は副流煙における濃度を少なくとも10%又は少なくとも25%低減するのに効果的な量で堆積されている請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項29】
触媒が、包装紙水素結合されている請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項30】
包装紙を有するシガレットタバコロッドであって、包装紙が、包装紙の一方の表面の少なくとも一部上にパターン化された堆積物を含むシガレットタバコロッドを含む喫煙製品であって、
パターン化された堆積物が、酸化鉄ナノ粒子触媒を含む喫煙製品。
【請求項31】
喫煙製品の製造方法であって、
(i)包装紙の表面の少なくとも一部上に触媒粒子を堆積させて、包装紙上に粒子のパターン化された堆積物を形成すること;
(ii)タバコを含むカットフィラーをシガレット製造機へ提供すること;及び
(iii)パターン化された堆積物を含む包装紙をカットフィラーの周囲に置いて、喫煙製品のタバコロッド部分を形成すること
を含む方法。
【請求項32】
触媒粒子が、グラビア印刷、ロトグラビア印刷、フォトグラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、凹版印刷、リソグラフ印刷、スプレー、ブラッシング、ローリング又はサイズプレス技術により堆積される請求項31に記載の方法。
【請求項33】
触媒粒子が、バインダーの不存在下で堆積される請求項31に記載の方法。
【請求項34】
乾燥触媒粒子が、包装紙のベースウェブ上に堆積される請求項31に記載の方法。
【請求項35】
触媒粒子の堆積が、粒子を液体中に分散させて、混合物を形成すること及び混合物を包装紙上に堆積させることにより行われる請求項31に記載の方法。
【請求項36】
液体が、アルコール、水及び/又は他の溶剤及びそれらの混合物を含む請求項35に記載の方法。
【請求項37】
さらに、包装紙を加熱することにより、パターン化された堆積物を乾燥することを含む請求項35に記載の方法。
【請求項38】
さらに、顔料を混合物に添加することを含む請求項31に記載の方法。
【請求項39】
包装紙が、第1包装紙であり、さらに、(iv)第2包装紙をタバコロッド部分の周囲に置くことを含む請求項31に記載の方法。
【請求項40】
第2包装紙が、第1包装紙から半径方向外側にある請求項39に記載の方法。
【請求項41】
第2包装紙上の全触媒粒子量が0である請求項39に記載の方法。
【請求項42】
第1包装紙上の触媒粒子に対する第2包装紙上の触媒粒子の、質量%での比が、0.25未満である請求項39に記載の方法。
【請求項43】
触媒粒子の平均粒子サイズが、約5ミクロン未満又は約50nm未満である請求項31に記載の方法。
【請求項44】
触媒粒子が、B、Al、Si、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Sn、Ce、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の少なくとも1つの酸化物を含む請求項31に記載の方法。
【請求項45】
触媒粒子が、酸化鉄を含む請求項31に記載の方法。
【請求項46】
触媒粒子が、FeOOH、Fe3O4、α−Fe2O3、γ−Fe2O3、FeO又はそれらの混合物を含む請求項31に記載の方法。
【請求項47】
触媒粒子が、第2化合物の粒子上に担持された第1酸化物の粒子を含む請求項31に記載の方法。
【請求項48】
第2化合物が、炭酸カルシウムを含む請求項47に記載の方法。
【請求項49】
パターン化された堆積物が、英数字配列、絵文字又は幾何学的図形を含む複数の別個の特徴を含む請求項31に記載の方法。
【請求項50】
パターン化された堆積物が、低濃度特徴を有する第1部分及び高濃度特徴を有する第2部分の間に触媒粒子の濃度勾配を含む請求項31に記載の方法。
【請求項51】
触媒粒子が、包装紙の内面に堆積される請求項31に記載の方法。
【請求項52】
触媒粒子が、包装紙の外面に堆積される請求項31に記載の方法。
【請求項53】
包装紙が、喫煙製品の第1末端に関し直線的に隣接部分及び直線的に遠位部分を有し、及び直線的に遠位部分が、触媒粒子の第1装填物を有し、及び直線的に隣接部分が、触媒粒子の第2装填物を有する請求項31に記載の方法。
【請求項54】
触媒粒子の第1装填物が、触媒粒子の第2装填物未満である請求項53に記載の方法。
【請求項55】
包装紙の浸透性が、15CORESTAユニット以上である請求項31に記載の方法。
【請求項56】
包装紙上の触媒の面積範囲が、包装紙の全表面積の約90%未満又は約50%未満である請求項31に記載の方法。
【請求項57】
包装紙の触媒の面積範囲が、包装紙の全表面積の約1%より高いか又は約5%より高い請求項31に記載の方法。
【請求項58】
パターンの特徴が、未被覆包装紙の最大面積が、1ミクロンの直径又は10mmの直径を有する円形面積を越えないように繰り返される請求項31に記載の方法。
【請求項59】
全触媒量が、約10mg未満/喫煙製品又は約100mg未満/喫煙製品である請求項31に記載の方法。
【請求項60】
粒子が、一酸化炭素及び/又は酸化窒素の主流煙及び/又は副流煙における濃度を少なくとも10%又は少なくとも25%低減するのに効果的な量で堆積される請求項31に記載の方法。
【請求項61】
触媒が、包装紙に水素結合している請求項31に記載の方法。
【請求項62】
喫煙製品用包装紙であって、
ウェブ;及び
包装紙の一方の表面の少なくとも一部上のパターン化された堆積物
を含み、パターン化された堆積物が、触媒粒子を含む包装紙。
【請求項63】
請求項62の包装紙を複数含むシガレット包装用紙のシート。
【請求項64】
触媒の平均粒子サイズが、約5ミクロン未満又は約50nm未満である請求項62に記載の包装紙。
【請求項65】
触媒が、酸化鉄を含む請求項62に記載の包装紙。
【請求項66】
触媒が、第2化合物の粒子上に担持された第1酸化物の粒子を含む請求項62に記載の包装紙。
【請求項67】
堆積物が、英数字配列、絵文字又は幾何学的図形を含む複数の別個の特徴を有するパターンを含む請求項62に記載の包装紙。
【請求項68】
パターンが、低濃度特徴を有する第1部分及び高濃度特徴を有する第2部分の間に触媒の濃度勾配を含む請求項62に記載の包装紙。
【請求項69】
包装紙の浸透性が、15CORESTAユニット以上である請求項62に記載の包装紙。
【請求項70】
包装紙上の触媒の面積範囲が、包装紙の全表面積の約90%未満又は約50%未満である請求項62に記載の包装紙。
【請求項71】
包装紙の触媒の面積範囲が、包装紙の全表面積の約1%より高いか又は約5%より高い請求項62に記載の包装紙。
【請求項72】
パターンの特徴が、未被覆包装紙の最大面積が、1ミクロンの直径又は10mmの直径を有する円形面積を越えないように繰り返される請求項62に記載の包装紙。
【請求項73】
触媒粒子のパターン化された堆積物を有するシガレット用紙を製造する方法であって、
(i)シガレット用紙のシートを製紙機において形成すること;及び
(ii)用紙の表面の少なくとも一部上に触媒粒子を堆積させて、用紙上に粒子のパターン化された堆積物を形成すること
を含む方法。
【請求項74】
触媒粒子が、グラビア印刷、ロトグラビア印刷、フォトグラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、凹版印刷、リソグラフ印刷、スプレー、ブラッシング、ローリング又はサイズプレス技術により堆積される請求項73に記載の方法。
【請求項75】
触媒粒子が、バインダーの不存在下で堆積される請求項73に記載の方法。
【請求項76】
触媒粒子の平均粒子サイズが、約5ミクロン未満又は約50nm未満である請求項73に記載の方法。
【請求項77】
触媒粒子が、酸化鉄を含む請求項73に記載の方法。
【請求項78】
パターン化された堆積物が、英数字配列、絵文字又は幾何学的図形を含む複数の別個の特徴を含む請求項73に記載の方法。
【請求項79】
喫煙製品用包装紙の製造に利用される触媒インクであって、
液体;及び
液体中に懸濁されたナノ粒子触媒
を含む触媒インク。
【請求項80】
喫煙製品用包装紙の製造に利用される触媒インクであって、本質的に、
液体;及び
液体中に懸濁されたナノ粒子触媒
からなる触媒インク。
【請求項81】
インクが、バインダーを含まない請求項80に記載の触媒インク。
【請求項1】
タバコロッドの周りに形成された包装紙を有するタバコロッドであって、包装紙が、包装紙の一方の表面の少なくとも一部上にパターン化された堆積物を含むタバコロッドを含む喫煙製品であって、
パターン化された堆積物が、喫煙製品の主流煙及び/又は副流煙における構成ガス成分の転化を触媒し、酸化し及び/又は還元することが可能な触媒粒子を含む喫煙製品。
【請求項2】
構成ガス成分が、一酸化炭素及び/又は酸化窒素である請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項3】
触媒が、一酸化炭素及び酸化窒素以外の煙構成要素の量を低減可能である請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項4】
触媒の平均粒子サイズが、約5ミクロン未満又は約50nm未満である請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項5】
触媒が、B、Al、Si、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Sn、Ce、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の少なくとも1つの酸化物を含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項6】
触媒が、本質的に、B、Al、Si、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Sn、Ce、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の少なくとも1つの酸化物からなる請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項7】
堆積物が、バインダーのないものである請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項8】
触媒が、酸化鉄を含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項9】
触媒が、FeOOH、Fe3O4、α−Fe2O3、γ−Fe2O3、FeO又はそれらの混合物を含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項10】
触媒が、第2化合物の粒子上に担持された第1酸化物の粒子を含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項11】
第2化合物が、炭酸カルシウムを含む請求項10に記載の喫煙製品。
【請求項12】
堆積物が、英数字配列、絵文字又は幾何学的図形を含む複数の別個の特徴を有するパターンを含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項13】
パターンが、低濃度特徴を有する第1部分及び高濃度特徴を有する第2部分の間に触媒の濃度勾配を含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項14】
パターンの特徴が、喫煙製品の軸方向に沿って反復的なものである請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項15】
触媒が、包装紙の内面に堆積されている請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項16】
触媒が、包装紙の外面に堆積されている請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項17】
包装紙が、第1包装紙であり、及び喫煙製品が、さらに、第2包装紙を含む請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項18】
第2包装紙が、第1包装紙の半径方向外側にある請求項17に記載の喫煙製品。
【請求項19】
第2包装紙上の全触媒量が0である請求項17に記載の喫煙製品。
【請求項20】
第1包装紙上の触媒に対する第2包装紙上の触媒の、質量%での比が、0.25未満である請求項17に記載の喫煙製品。
【請求項21】
包装紙が、喫煙製品の第1末端に関し直線的に隣接部分及び直線的に遠位部分を有し、及び直線的に遠位部分が、触媒の第1装填物を有し、及び直線状隣接部分が、触媒の第2装填物を有する請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項22】
触媒の第1装填物が、触媒の第2装填物未満である請求項21に記載の喫煙製品。
【請求項23】
包装紙の浸透性が、15CORESTAユニット以上である請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項24】
包装紙上の触媒の面積範囲が、包装紙の全表面積の約90%未満又は約50%未満である請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項25】
包装紙の触媒の面積範囲が、包装紙の全表面積の約1%より高いか又は約5%より高い請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項26】
パターンの特徴が、未被覆包装紙の最大面積が、1ミクロンの直径又は10mmの直径を有する円形面積を越えないように繰り返される請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項27】
全触媒量が、約10mg未満/喫煙製品又は約100mg未満/喫煙製品である請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項28】
粒子が、一酸化炭素及び/又は酸化窒素の主流煙及び/又は副流煙における濃度を少なくとも10%又は少なくとも25%低減するのに効果的な量で堆積されている請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項29】
触媒が、包装紙水素結合されている請求項1に記載の喫煙製品。
【請求項30】
包装紙を有するシガレットタバコロッドであって、包装紙が、包装紙の一方の表面の少なくとも一部上にパターン化された堆積物を含むシガレットタバコロッドを含む喫煙製品であって、
パターン化された堆積物が、酸化鉄ナノ粒子触媒を含む喫煙製品。
【請求項31】
喫煙製品の製造方法であって、
(i)包装紙の表面の少なくとも一部上に触媒粒子を堆積させて、包装紙上に粒子のパターン化された堆積物を形成すること;
(ii)タバコを含むカットフィラーをシガレット製造機へ提供すること;及び
(iii)パターン化された堆積物を含む包装紙をカットフィラーの周囲に置いて、喫煙製品のタバコロッド部分を形成すること
を含む方法。
【請求項32】
触媒粒子が、グラビア印刷、ロトグラビア印刷、フォトグラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、凹版印刷、リソグラフ印刷、スプレー、ブラッシング、ローリング又はサイズプレス技術により堆積される請求項31に記載の方法。
【請求項33】
触媒粒子が、バインダーの不存在下で堆積される請求項31に記載の方法。
【請求項34】
乾燥触媒粒子が、包装紙のベースウェブ上に堆積される請求項31に記載の方法。
【請求項35】
触媒粒子の堆積が、粒子を液体中に分散させて、混合物を形成すること及び混合物を包装紙上に堆積させることにより行われる請求項31に記載の方法。
【請求項36】
液体が、アルコール、水及び/又は他の溶剤及びそれらの混合物を含む請求項35に記載の方法。
【請求項37】
さらに、包装紙を加熱することにより、パターン化された堆積物を乾燥することを含む請求項35に記載の方法。
【請求項38】
さらに、顔料を混合物に添加することを含む請求項31に記載の方法。
【請求項39】
包装紙が、第1包装紙であり、さらに、(iv)第2包装紙をタバコロッド部分の周囲に置くことを含む請求項31に記載の方法。
【請求項40】
第2包装紙が、第1包装紙から半径方向外側にある請求項39に記載の方法。
【請求項41】
第2包装紙上の全触媒粒子量が0である請求項39に記載の方法。
【請求項42】
第1包装紙上の触媒粒子に対する第2包装紙上の触媒粒子の、質量%での比が、0.25未満である請求項39に記載の方法。
【請求項43】
触媒粒子の平均粒子サイズが、約5ミクロン未満又は約50nm未満である請求項31に記載の方法。
【請求項44】
触媒粒子が、B、Al、Si、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Sn、Ce、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の少なくとも1つの酸化物を含む請求項31に記載の方法。
【請求項45】
触媒粒子が、酸化鉄を含む請求項31に記載の方法。
【請求項46】
触媒粒子が、FeOOH、Fe3O4、α−Fe2O3、γ−Fe2O3、FeO又はそれらの混合物を含む請求項31に記載の方法。
【請求項47】
触媒粒子が、第2化合物の粒子上に担持された第1酸化物の粒子を含む請求項31に記載の方法。
【請求項48】
第2化合物が、炭酸カルシウムを含む請求項47に記載の方法。
【請求項49】
パターン化された堆積物が、英数字配列、絵文字又は幾何学的図形を含む複数の別個の特徴を含む請求項31に記載の方法。
【請求項50】
パターン化された堆積物が、低濃度特徴を有する第1部分及び高濃度特徴を有する第2部分の間に触媒粒子の濃度勾配を含む請求項31に記載の方法。
【請求項51】
触媒粒子が、包装紙の内面に堆積される請求項31に記載の方法。
【請求項52】
触媒粒子が、包装紙の外面に堆積される請求項31に記載の方法。
【請求項53】
包装紙が、喫煙製品の第1末端に関し直線的に隣接部分及び直線的に遠位部分を有し、及び直線的に遠位部分が、触媒粒子の第1装填物を有し、及び直線的に隣接部分が、触媒粒子の第2装填物を有する請求項31に記載の方法。
【請求項54】
触媒粒子の第1装填物が、触媒粒子の第2装填物未満である請求項53に記載の方法。
【請求項55】
包装紙の浸透性が、15CORESTAユニット以上である請求項31に記載の方法。
【請求項56】
包装紙上の触媒の面積範囲が、包装紙の全表面積の約90%未満又は約50%未満である請求項31に記載の方法。
【請求項57】
包装紙の触媒の面積範囲が、包装紙の全表面積の約1%より高いか又は約5%より高い請求項31に記載の方法。
【請求項58】
パターンの特徴が、未被覆包装紙の最大面積が、1ミクロンの直径又は10mmの直径を有する円形面積を越えないように繰り返される請求項31に記載の方法。
【請求項59】
全触媒量が、約10mg未満/喫煙製品又は約100mg未満/喫煙製品である請求項31に記載の方法。
【請求項60】
粒子が、一酸化炭素及び/又は酸化窒素の主流煙及び/又は副流煙における濃度を少なくとも10%又は少なくとも25%低減するのに効果的な量で堆積される請求項31に記載の方法。
【請求項61】
触媒が、包装紙に水素結合している請求項31に記載の方法。
【請求項62】
喫煙製品用包装紙であって、
ウェブ;及び
包装紙の一方の表面の少なくとも一部上のパターン化された堆積物
を含み、パターン化された堆積物が、触媒粒子を含む包装紙。
【請求項63】
請求項62の包装紙を複数含むシガレット包装用紙のシート。
【請求項64】
触媒の平均粒子サイズが、約5ミクロン未満又は約50nm未満である請求項62に記載の包装紙。
【請求項65】
触媒が、酸化鉄を含む請求項62に記載の包装紙。
【請求項66】
触媒が、第2化合物の粒子上に担持された第1酸化物の粒子を含む請求項62に記載の包装紙。
【請求項67】
堆積物が、英数字配列、絵文字又は幾何学的図形を含む複数の別個の特徴を有するパターンを含む請求項62に記載の包装紙。
【請求項68】
パターンが、低濃度特徴を有する第1部分及び高濃度特徴を有する第2部分の間に触媒の濃度勾配を含む請求項62に記載の包装紙。
【請求項69】
包装紙の浸透性が、15CORESTAユニット以上である請求項62に記載の包装紙。
【請求項70】
包装紙上の触媒の面積範囲が、包装紙の全表面積の約90%未満又は約50%未満である請求項62に記載の包装紙。
【請求項71】
包装紙の触媒の面積範囲が、包装紙の全表面積の約1%より高いか又は約5%より高い請求項62に記載の包装紙。
【請求項72】
パターンの特徴が、未被覆包装紙の最大面積が、1ミクロンの直径又は10mmの直径を有する円形面積を越えないように繰り返される請求項62に記載の包装紙。
【請求項73】
触媒粒子のパターン化された堆積物を有するシガレット用紙を製造する方法であって、
(i)シガレット用紙のシートを製紙機において形成すること;及び
(ii)用紙の表面の少なくとも一部上に触媒粒子を堆積させて、用紙上に粒子のパターン化された堆積物を形成すること
を含む方法。
【請求項74】
触媒粒子が、グラビア印刷、ロトグラビア印刷、フォトグラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、凹版印刷、リソグラフ印刷、スプレー、ブラッシング、ローリング又はサイズプレス技術により堆積される請求項73に記載の方法。
【請求項75】
触媒粒子が、バインダーの不存在下で堆積される請求項73に記載の方法。
【請求項76】
触媒粒子の平均粒子サイズが、約5ミクロン未満又は約50nm未満である請求項73に記載の方法。
【請求項77】
触媒粒子が、酸化鉄を含む請求項73に記載の方法。
【請求項78】
パターン化された堆積物が、英数字配列、絵文字又は幾何学的図形を含む複数の別個の特徴を含む請求項73に記載の方法。
【請求項79】
喫煙製品用包装紙の製造に利用される触媒インクであって、
液体;及び
液体中に懸濁されたナノ粒子触媒
を含む触媒インク。
【請求項80】
喫煙製品用包装紙の製造に利用される触媒インクであって、本質的に、
液体;及び
液体中に懸濁されたナノ粒子触媒
からなる触媒インク。
【請求項81】
インクが、バインダーを含まない請求項80に記載の触媒インク。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図1(b)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2007−511204(P2007−511204A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533781(P2006−533781)
【出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/018854
【国際公開番号】WO2005/002370
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(596060424)フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム (222)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/018854
【国際公開番号】WO2005/002370
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(596060424)フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム (222)
【Fターム(参考)】
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