説明

印刷インキ用溶媒としての複合エステル(I)

6−26−脂肪酸と、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートからなる群からの多価アルコールとに基づく脂肪酸エステルはオフセット印刷用溶媒として適当である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷インキ用溶媒としての特定の複合エステルの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ほぼ無味無臭の、脂肪酸と一価アルコールとのエステルに基づくオフセット印刷インキが存在する。しかしながら、その比較的低い分子量に起因して、これらのエステルは程度の差はあるが著しく移行しやすい傾向があり、このことは包装分野においてできるだけ避けられるか、または少なくとも最小限に抑えられることが望ましい。包装分野には、包装材料として段ボール箱だけでなく、種々の化学組成物のプラスチックフィルムが含まれる。このようなフィルムの場合における特定の現象は膨潤であり、これは特に薄いフィルムの場合に重要である。これには材料における不可逆的なシワと波形成が含まれる。EP886671B1には、オフセット印刷インキ用の溶媒としてC6−22−脂肪酸と特定の多価アルコール(トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、ソルビトールおよび2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール)とのエステルが記載されている。
【0003】
オフセット印刷インキ用の新規な溶媒の必要性は絶え間なく存在する。当業者に既知のように、このような溶媒はオフセット印刷インキ中に存在する樹脂を溶解させる働きをする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第886671号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的はオフセット印刷インキ用の溶媒を提供することであった。
【0006】
これら溶媒は可能な限り低い固有粘度によって際立っている。これらは、オフセット印刷に適した固体樹脂、特に市販されているオフセット印刷インキ固体樹脂のために優れた溶解力をさらに有する。
【0007】
溶媒に基づいて調製することができるオフセット印刷インキは、良好な吸収挙動をさらに示す。印刷インキの分野においては、吸収挙動は、当業者に、および従来から工業において既知のパラメータである。これに関するより詳細な情報については、実施例部を参照し得る。
【0008】
さらに、これら溶媒は、食品包装の分野にとりわけ適当であり、この点について低い移行性および臭気性がとりわけ際立っている。これらは膨潤がほとんどないことをさらに示す。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的は、オフセット印刷インキ用溶媒として、C6−26−脂肪酸と、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートからなる群からの多価アルコールとに基づく脂肪酸エステルを用いることによって優れた方法により達成される。
【0010】
本発明はまず、オフセット印刷インキ用溶媒としての、C6−26−脂肪酸と、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートからなる群からの多価アルコールとに基づく脂肪酸エステルの使用に関する。
【0011】
本発明により用いるべき脂肪酸エステルは、部分エステルまたは完全エステルであり得る。好適な実施態様においては、これらは完全エステルであり、すなわち、エステルが基づく多価アルコールの全OH基が完全にエステル化されている。
【0012】
脂肪酸エステルは、単独でまたは互いに混合物として用いることができる。
【0013】
ある実施態様においては、本発明により用いるべき脂肪酸エステルは、20mPa・s〜500mPa・sの範囲、好ましくは20〜300mPa・sの範囲の粘度(DIN53299による測定、23℃で回転式粘度計を用いる粘度測定)を有する。
【0014】
ある実施態様においては、本発明により用いるべき脂肪酸エステルは、10mgKOH/g未満、とりわけ5mgKOH/g未満の酸価を有する。
【0015】
ある実施態様においては、本発明により用いるべき脂肪酸エステルは、0〜150のヨウ素価(DIN53241による測定)を有する。
【0016】
好適な実施態様においては、用いる脂肪酸エステルは、ワニス粘度が200〜3000mPa・s、好適には300〜1500mPa・s、とりわけ300〜1000mPa・sの範囲であるものである。ワニス粘度とは、20重量部の固体樹脂(従来から工業において)Setalin P 7000(実施例部を参照されたい)および溶媒として働く80重量部の脂肪酸エステルからなる溶液が23℃で有する粘度を意味すると理解される(剪断速度50s−1でBohlin回転式粘度計による粘度の測定)。
【0017】
さらなる好適な実施態様においては、用いる脂肪酸エステルは、カウリブタノール価が25〜70の範囲、好適には30〜50の範囲である。カウリブタノール価の決定は、ASTM D 1133に従って実施し、各溶媒を、n−ブタノール中のカウリ樹脂(Lamee(ゲッティンゲン)製「カウリ樹脂」)の飽和溶液に対して滴定する。カウリブタノール価は23℃で決定すべきである。
【0018】
さらなる好適な実施態様においては、用いる脂肪酸エステルは、分子量が少なくとも500、特に550〜1000の領域である。550〜700の範囲の値は極めて特に好適である。
【0019】
本発明による脂肪酸エステルが基づく脂肪酸構成成分である適当な脂肪酸の例は、飽和脂肪酸ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸、オクタン酸(カプリル酸)、ノナン酸(ペラルゴン酸)、デカン酸(カプリン酸)、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、トリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、ノナデカン酸、エイコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)および不飽和脂肪酸10−ウンデカン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エルカ酸、ブラシジン酸である。好適には、天然由来の脂肪酸を用いる。ある実施態様においては、本発明による脂肪酸エステルが基づく脂肪酸構成成分である脂肪酸は、8〜18個の炭素原子を有する。
【0020】
ある実施態様においては、本発明による脂肪酸エステルがアルコール構成成分として基づく多価アルコールは、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールおよび1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選択される。
【0021】
ある実施態様においては、本発明による脂肪酸エステルの親アルコール構成成分を形成する多価アルコールは、ネオペンチルグリコール、ジトリメチロールプロパンおよび1,6−ヘキサンジオールからなる群から、好適にはネオペンチルグリコールおよびジトリメチロールプロパンからなる群から選択される。
【0022】
ある実施態様においては、本発明による脂肪酸エステルの親アルコール構成成分を形成する多価アルコールは、1,4−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノエート)および1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選択される。
【0023】
ある実施態様においては、グリセロールを、本発明による脂肪酸エステルの親アルコール構成成分を形成する多価アルコールとして用いる。
【0024】
本発明は、1以上の樹脂と1以上の溶媒を含有するオフセット印刷インキにさらに関し、樹脂のためのこれら溶媒はC6−26−脂肪酸と、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートからなる群から選択される多価アルコールとに基づく脂肪酸エステルである。
【0025】
好適な実施態様においては、本発明によるオフセット印刷インキは鉱油を完全に含まない。
【0026】
本発明によるオフセット印刷インキは、必須の成分樹脂に加えて、溶媒および発色団、また、さらなる成分、とりわけ、当該分野における当業者に極めてよく知られているものを含有し得る。発色団、とりわけ顔料が当然、オフセット印刷インキの必須の成分であることは特に注意すべきである。
【0027】
本発明によるオフセット印刷インキは好適には、移行性を有する物質を含まない。該インキのバインダー中に存在する本発明により用いるべき樹脂および脂肪酸エステルを互いに適合させるので、主要な包装の場合でさえ、食品への物質の移動は、その量が実質的に法定限度未満となるように低減する。さらに、印刷されたインキと、例えばポリプロピレン包装フィルムとの間での直接接触の場合には、物質が実質的には完全に移動しないため、寸法変化は実質的に起こらず、すなわち、プラスチック基質への移行がない(=フィルムは膨潤しない)。
【0028】
本発明によるオフセット印刷インキは、低臭気、低移行および低膨潤と称し得るため、とりわけ、例えば段ボールおよび紙の使用による食品包装の製造に適している。
【実施例】
【0029】
用いる物質
〔Setalin P 7000〕
ロジン(Akzo Nobel Resins製)
〔EW−Print 1169〕
鉱油非含有ヤシ油アルキド樹脂(Cognis Deutschland GmbH製)
〔Texaprint SHM 1 EXP〕
種々の脂肪酸のグリセリルエステル(Cognis Deutschland GmbH製)
〔Irgalite Blue GLVO〕
顔料(Ciba Specialty Chemicals製)
【0030】
オフセット印刷インキ処方物の製造に決定的に重要なものは溶媒である。溶媒の溶解力は本質的なパラメータである。かかる溶解力は当業者に既知のカウリブタノール価を決定することによって決定した。該試験法は、「用いた試験法」の項目に、より詳細に記載する。
【0031】
脂肪酸エステルの溶解力を定義するためのさらなるパラメータは、ワニスの溶液粘度である(溶媒中の固体樹脂溶液)。本発明に用いる試験法は「用いた試験法」の項目に詳細に記載する。
【0032】
最後に、オフセット印刷インキは当業者および従来から工業において既知である吸収試験に対して良好な値を有する。この目的のために、オフセット印刷インキはいわゆる吸収挙動を決定することによって特性化した。かかる試験法は「用いた試験法」の項目に詳細に記載する。
【0033】
処方物
オフセット印刷インキ処方物の調製を2段階により実施した。
【0034】
まず(工程1)、20重量部の固体樹脂Setalin P 7000をいずれの場合にも調査する80重量部の溶媒と混合し、撹拌しながら180〜200℃に加熱した。各溶媒中の固体樹脂の溶液を得た。かかる溶液は(従来から当該技術分野において)ワニスと呼ばれている。
【0035】
ワニスは粘度を決定することによって特性化する。本発明に用いる試験法は「用いた試験法」の項目に詳細に記載する。
【0036】
最後に、(工程2)、オフセット印刷インキ処方物を以下のように調製した:1部のワニスをアルキド樹脂EW−Print 1169(鉱油を含有しない)と混合した。次いで、顔料Irgalite Blue GLVOを撹拌投入した。該混合物を3本ロールミルにより分散した。残りのワニスをこのようにして得られたインキ濃縮物に添加し、ワニスが基づく溶媒をオフセット印刷インキの所望の最終粘度を達成するために再び添加した。
【0037】
実施例E1〜E3および比較例C1の表をいずれの場合にも示す:
・ワニスの組成(全ワニスを基準とする各成分の重量%)
・オフセット印刷インキの最終組成(全オフセット印刷インキを基準とする各成分の重量%)。
【0038】
用いた試験法
1)溶解力
いわゆるカウリブタノール価は、しばしば専門家により、印刷インキ樹脂の溶解力を決定するために用いられる。カウリブタノール価は溶媒の溶解力を特性化する。従って、溶解力の決定は、ASTM D 1133によるカウリブタノール価を測定することによって達成した。カウリブタノール価を決定するために、各溶媒はn−ブタノール中のカウリ樹脂(Lamee(ゲッティンゲン)製「カウリ樹脂」)の飽和溶液に対して滴定した。カウリブタノール価を23℃にて決定した。
典型的なカウリブタノール価は:
・芳香族化合物を含有しない鉱油 約20
・芳香族化合物を多く含有する鉱油 約40〜50
・トルエン 約105〜110
である。
【0039】
2)溶液粘度
該粘度の決定は当業者に既知のユーロコミット法により達成した。この目的のために、20重量部の樹脂Setalin P 7000を80重量部の各溶媒成分と混合し、該樹脂を撹拌しながら180〜200℃に加熱することによって溶解した。次いで、溶液(このような溶液は当業者によってワニスと呼ばれる)を23℃に冷却した。その後、各ワニスの粘度をBohlin回転式粘度計により決定した。該値は剪断速度50s−1で23℃にて測定した。
【0040】
3)印刷表面の非粘着性:吸収試験
オフセット印刷インキのさらなる特性化のために、いわゆる吸収試験を実施した。
【0041】
試験の原理について以下のことを記載し得る:かかる試験の目的は、インキフィルムが印刷の終了後に積み重ねた状態または巻いた状態で非タック性になるのにかかる時間を調査することであり、インキおよび基材に応じて、原則として数秒〜数分以内に実施できるが数時間かかることもある方法である。吸収により、溶媒は固体またはペースト状のインキ成分から分離され、基材表面上の固体インキフィルムとして後に残る。その結果、本明細書において議論中の該試験を実施する際、オフセット印刷インキ中に存在する溶媒は基材(=印刷する材料)の内部に入り、これらは「吸収」される。インキフィルムがより早く非タック性になるほど、すなわち、溶媒がより早く基材に吸収されるほど、印刷をより早く達成することが可能であるが、これは、新たなインキが紙を積み重ねた状態または紙を巻いた状態で圧力下、にじみまたは沈着によって、印刷された前面から印刷されていない背面に転写される恐れがないからである。吸収試験を具体的に実施するために、いずれの場合にも調製した1.5g/mのオフセット印刷インキを被覆段ボール(GD−2(280g/cm))上にPruefbau製オフセット印刷機を用いて印刷した。その直後、さらなる紙(APCO II/II (150g/cm))を印刷段ボールに対してプレスした。該圧力はいずれの場合にも30秒後、60秒後、120秒後および240秒後に取り除いた。プレス時間に応じて、程度の差はあるが、溶媒の吸収に依存する、段ボールの濃い着色を印刷とは逆の基材上に見出した。段ボール上の着色(インキ密度)の強度は色度計を用いて測定し、これは段ボールへの溶媒の吸収挙動の強度である。色強度(実施例中の値は0〜2.5である)が高いほど、溶媒はより遅く吸収される。吸収試験により決定した値は、無次元数である。値が低いほど、より多くの溶媒は基材の内部に吸収されるため、印刷表面の非粘着性はより良好である。
【0042】
実施例処方物
比較例1:比較例(C1)
ワニスおよびオフセット印刷インキの調製を上記のように達成した。ワニスおよびオフセット印刷インキの組成を以下の表に示す。データは(本明細書においては以下の実施例中でも)いずれの場合にも全ワニスまたは全オフセット印刷インキを基準として重量部で表す:
【0043】
【表1】

【0044】
測定データ(上記の試験法による)
・テトラオクタン酸ペンタエリトリチルの粘度:41mPa・s
・テトラオクタン酸ペンタエリトリチルの分子量:641
・ワニスの粘度:1280mPa・s
・テトラオクタン酸ペンタエリトリチルの溶解力(カウリブタノール価):40
・オフセット印刷インキの吸収試験:0.85(30秒で)、0.70(60秒で)、0.28(120秒で)、0.06(240秒で)
【0045】
実施例1:本発明による実施例(E1)
ワニスおよびオフセット印刷インキの調製を上記のように達成した。ワニスおよびオフセット印刷インキの組成を以下の表に示す:
【0046】
【表2】

【0047】
測定データ(上記の試験法による)
・ジオレイン酸ネオペンチルグリコールの粘度:35mPa・s
・ジオレイン酸ネオペンチルグリコールの分子量:621
・ワニスの粘度:640mPa・s
・ジオレイン酸ネオペンチルグリコールの溶解力(カウリブタノール価):31
・オフセット印刷インキの吸収試験:0.71(30秒で)、0.25(60秒で)、0.05(120秒で)、0.01(240秒で)
【0048】
実施例2:本発明による実施例(E2)
ワニスおよびオフセット印刷インキの調製を上記のように達成した。ワニスおよびオフセット印刷インキの組成を以下の表に示す:
【0049】
【表3】

【0050】
測定データ(上記の試験法による)
・ネオペンチルグリコールジココエートの粘度:25mPa・s
・ネオペンチルグリコールジココエートの分子量:580
・ワニスの粘度:360mPa・s
・ネオペンチルグリコールジココエートの溶解力(カウリブタノール価):38
・オフセット印刷インキの吸収試験:0.55(30秒で)、0.21(60秒で)、0.03(120秒で)、0.00(240秒で)
【0051】
実施例3:本発明による実施例(E3)
ワニスおよびオフセット印刷インキの調製を上記のように達成した。ワニスおよびオフセット印刷インキの組成を以下の表に示す:
【0052】
【表4】

【0053】
測定データ(上記の試験法による)
・Texaprint SHM 1 EXPの粘度:34mPa・s
・Texaprint SHM 1 EXPの分子量:580
・ワニスの粘度:500mPa・s
・Texaprint SHM 1 EXPの溶解力(カウリブタノール価):47
・オフセット印刷インキの吸収試験:0.85(30秒で)、0.65(60秒で)、0.22(120秒で)、0.04(240秒で)
【0054】
測定データの概説
上記の測定データを明確にするために表形式で以下に再び示す:
【0055】
【表5】

【0056】
【表6】

【0057】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オフセット印刷インキ用溶媒としての、C6−26−脂肪酸と、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートからなる群からの多価アルコールとに基づく脂肪酸エステルの使用。
【請求項2】
脂肪酸エステルは完全エステルである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
8〜18個の炭素原子を有する天然脂肪酸をエステルの脂肪酸構成成分として用いる、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
1以上の樹脂および1以上の溶媒を含有するオフセット印刷インキであって、樹脂のための溶媒はC6−26−脂肪酸と、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートからなる群からの多価アルコールとに基づく脂肪酸エステルであることを特徴とする、前記オフセット印刷インキ。
【請求項5】
樹脂としてロジン変性フェノール樹脂(A)および/またはマレイン酸樹脂(B)および/または変性炭化水素樹脂(C)および/またはロジンエステル(D)を含有する、請求項3に記載のオフセット印刷インキ。
【請求項6】
脂肪酸エステルは完全エステルである、請求項4または5に記載のオフセット印刷インキ。

【公表番号】特表2010−526191(P2010−526191A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506820(P2010−506820)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003295
【国際公開番号】WO2008/135171
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】