説明

印刷制御装置

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は印刷制御装置、詳しくは入力された印刷データを印刷媒体上に印刷させる印刷制御装置に関するものである。
[従来の技術]
従来より、ホストコンピユータ等から出力されてくる印刷情報をページ単位に解析し、そして印字を行う、所謂ページプリンタと呼ばれる印刷装置がある。
そして、この印字装置は、昨今のデイクトツプパブリツシングによりイメージ編集により作成された文字とイメージとが一体となつた印字情報を高精細に印字できるように構成されている。
また、テキストデータについては、予め装置内部に異なる構成ドツト数の文字パターンを記憶しておき、適宜選択することで、所望の大きさでもつて印刷することも可能になつてきている。
[発明が解決しようとする課題]
ところが、ホストコンピユータで指定された用紙サイズが装置自身に装填されていない場合、その用紙サイズ指定コマンド以降のデータ受信を中止等し、印刷に係る処理を中断していた。
従つて、この様な事態が発生したときには、ホストコンピユータ側で、印刷データの書式を変更するか、印刷装置側に装填する用紙を交換するか等の操作をしなければならなかつた。
本発明はかかる課題に鑑みなされたものであり、指定記録媒体サイズと実際に装填された記録媒体のサイズが異なる場合であつても、その記録媒体に全ての印刷データに基づく画像を形成することを可能ならしめる画像形成装置を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段]
この課題を解決するため、本発明の画像形成装置は以下に示す構成を備える。
すなわち、 外部装置から入力されるデータを指定サイズで印刷媒体に印刷させる印刷制御装置であって、 印刷解像度を変更可能な印刷手段と、 前記指定サイズと前記印刷媒体のサイズとが異なる場合に、前記印刷媒体に前記データを印刷させるため、前記印刷手段の印刷解像度を変更させる制御手段とを有する。
[作用]
かかる発明の構成において、制御手段は、印刷させるデータの指定サイズが印刷媒体のサイズと異なる場合に、印刷手段の印刷解像度を、印刷媒体に前記データを印刷させるために変更する。
[実施例]
以下添付図面に従つて本発明に係る実施例を詳細に説明する。
<装置構成の説明(第1図),第2図)> 第1図に実施例におけるレーザビームプリンタの構成概略を示す。
図中、1はインタフエースで、不図示のホストコンピユータ等で処理された画像データ,テキストデータ、そして印刷制御パラメータ等で構成される印刷データを受信する。印刷制御パラメータには、テキストデータに対する紙サイズ、フオントの種別、フオントサイズ、書体及び画像データに対するイメージドツト密度等が含まれる。2はインタフエース1を介して受信した印刷情報を格納すると共に、コード解析しながらページ編集するページバツフアメモリである。3はワークメモリで、印刷部7の印刷制御パラメータ(詳細は後述する)等を記憶する。4はフオントメモリで、異なる構成ドツト数のフオントデータを例えばサイズ,書体別に記憶している。5はビツトマツプメモリで、印刷部7へ転送するドツトイメージを記憶する。6はパラレルシリアル変換器で、ビツトマツプメモリ5から読み出されたパラレルデータをシリアルデータに変換して印刷部7に転送する。8はパルスジエネレータで、設定された解像度(ドツト密度)に対応する周波数の画像クロツクを生成する。従つて、パラレルシリアル変換器6はこの画像クロツクに同期してビデオ信号を出力するので、このビデオクロツクの周波数を変更することにより、主走査方向のドツト密度を変更することができる(詳細は後述する)。
9はMPUで、内部のプログラムメモリ9aに記憶された制御プログラム(後述する第3図の制御手順を含む)に基づいてページ編集および印刷処理を総括的に制御する。10はスキヤナドライバで、この実施例におけるビーム走査系を構成するスキヤナモータ(後述する)を、MPU9から設定された解像度に応じた速度データに基づいて駆動させる。
また、MPU9は、ホストコンピユータよりの指定用紙サイズ及び装置自身に装着されたた用紙カセツト中の用紙サイズを検出する検出手段、そして、その検出結果に基づいて印刷ドツト密度を設定する手段も兼ねている。具体的には、検出手段で検出された各々の用紙サイズの関係から印刷ドツト密度を決定し、そのデータをワークメモリ3に書込む。そして、その印刷ドツト密度に従つてパルスジエネレータ8及びスキヤナドライバ10を制御し、印刷部7で印刷させる。
印刷部7の具体的構成を第2図に示す。実施例ではレーザビームを感光体に露光走査して像を結像させる光プリンタの場合を示している。
図中、11はレーザドライバで、パラレルシリアル変換器6より出力される画像信号(ビデオ信号)によりレーザ12をON/OFF(レーザ光の発生をON/OFF)させる。
13はポリゴンミラー14を回転させるためのスキヤナモータであり、スキヤナドライバ10に設定される値に応じた回転速度でその駆動軸を回転する。15は不図示の駆動モータにより定速回転している感光体であり、この感光体15の軸方向にポリゴンミラー14の1側面で反射されたレーザビームが掃引され、静電潜像が形成される。尚、これ以後は、公知の電子写真方式に準じて像形成がなされる。
<動作概要の説明> 上述した構成からなる画像形成装置において、例えばホストから出力されてきたデータが例えばB4サイズであつて、実際にセツトされた用紙がA4サイズである場合には、実施例では、印刷ドツト密度を上げてA4サイズの用紙上に印刷するものである。
そして、この刷ドツト密度を、パルスジエネレータ8及びスキヤナドライバ10に設定するデータで制御しようとするものである。
例えば、通常の2倍の印刷ドツト密度を得るためには、以下の様に制御する。
先ず、感光体15の回転速度を一定としているので、副走査方向へ2倍の印刷ドツト密度を得るには、感光体15に掃引するレーザ光の走査数を通常のそれの2倍にする必要がある。すなわち、ポリゴンミラー14の回転速度を2倍にする。
次に主走査方向の印刷ドツト密度であるが、前述の様にポリゴンミラー14の回転速度を2倍にしただけでは、逆に主走査方向に対しては印刷ドツト密度が1/2になつてしまう。そこで、ビデオ信号の出力同期信号を通常の4倍にすれば良いことがわかる。すなわち、ビデオクロツクの周波数を4倍にする。
この様に制御することにより、通常の2倍の印刷ドツト密度を得ることが可能となる。換言すれば、パルスジエネレータ8及びスキヤナドライバ10にせっとするデータを制御することにより、主走査及び副走査方向に対する印刷ドツト密度を自由に設定できることになる。
尚、装置自身にセツトされている用紙のサイズとホストよりの指定サイズにより、印刷ドツト密度をいくつにするかを一々算出するのが面倒である場合には、それらをテーブル化して記憶しておけば良い。勿論、その場合には、各々の印刷ドツト密度に対するパルスジエネレータ8及びスキヤナドライバ10にセツトするデータも合せて記憶しておく。
また、装置自身に装填された用紙のサイズを検出する手法にもいろいろある。例えば、印刷用紙を収納した収納カセツトをその収納口に差し込む様な構造である場合には、複数のマイクロスイツチ等をその収納口に配設させ、用紙とマイクロスイツチとの接触によつて、どのマイクロスイツチがONになつてるかによつて、用紙サイズを検出する。しかし、用紙サイズ自体を検出する手段は既に公知となつている方式を採用しても良いことは勿論である。
<処理手順の説明(第3図)> 次に第3図を参照しながら本実施例におけるMPU9の制御処理手順を説明する。
先ず、ステツプS1で入力されてきたデータが紙サイズ指定情報かどうか判断し、もしそうならステツプS2に進み、その指定紙サイズをワークメモリ3に格納しておく。
また、ステツプS1の判断が“NO"の場合には、ステツプS3に進んで、今度は印刷用パラメータであるか否かを判断する。印刷用パラメータであると判断した場合には、ステツプS2に進み、同様の処理を行う。
そして、いずれでもない場合、換言すれば入力データが文字コード等である場合にはステツプS4に進んで、ページバツフア2にそのデータを格納する。こうして、ステツプS5で1ページ分のデータに対する処理が終了したと判断するまで、ステツプS1以下の処理を繰り返す。
さて、1ページ分のページバツフア2への格納処理が終了すると、処理はステツプS6に進む。ここでは、ページバツフア2に格納された各種データを解析しながらページデータとして再構築し、ページ番号とページバツフアの先頭アドレスをワークメモリ3に格納する。この後、ステツプS7で、その先頭アドレスで示されるデータを読み込む。次のステツプS8で対応する文字パターンをフオントメモリより発生させ、ビツトマツプメモリに展開する。そして、ステツプS9で、1ページ分の文字パターンの展開処理が終了したか否かを判断し、その判断が“YES"となるまで、ステツプS8の処理を繰り返していく。
さて、1ページ分のパターン展開処理が終了すると処理はステツプS10に進み、装置自身に装填されている紙のサイズとワークメモリ3に格納しておいたホストよりの指示サイズが一致するか否かを判断する。
同じである場合にはステツプS12に進み、デイフオルト値として通常の印刷ドツト密度になるよう値R0をスキヤナドライバ10に、そして値f0をパルスジエネレータ8にセツトする。
また、指定サイズと装填されている紙サイズとが相違する場合には、それらサイズの関係から印刷ドツト密度をいくつにするかを算出し、その値になるようスキヤナドライバ10にRN、パルスジエネレータ8にfNを設定する。
こうして、パルスジエネレータ8及びスキヤンドライバ10へのデータセツトを終えると、処理はステツプS13に進み、印刷部7がその設定された印刷密度で印刷可能な状態になるまで待つ。そして、次のステツプS14では、ビツトマツプメモリに展開されたデータを読出し、パラレルシリアル変換器6にそのデータを出力し、印刷部7にビデオ信号として出力させる。そして、ステツプS15では、1ページ分のデータに対するステツプS14の処理が終了したか否かを判断し、NOである場合にはステツプS14に戻る。また、1ページ分のデータ出力が終了すると、ステツプS16に進んで、今度は同頁の画像を設定された枚数分出力したか否かを判断する。その設定枚数分の出力が完了するまで、ステツプS13以下の処理を繰り返す。
以上説明した様に本実施例によれば、装置自身に供給されている用紙と異なつた紙サイズが印刷データ中の制御コマンドで指定されても、その用紙の記録面内に出力画像を形成することが可能となる。
尚、実施例では、スキヤナモータ13で回転されるポリゴンミラー14でもつて、ビデオ信号に基づいて変調されたレーザビームを感光体15に結像する印刷機構を有する場合を例にして説明したが、LEDアレーや液晶シャツタを利用する光プリンタであつても本発明は適応できる。
例えば、LEDアレーを利用するLEDプリンタにおいては、主走査方向についてはドツト密度に対応した間隔でLEDを並べることになるので、例えばドツト密度がD1〜D3必要な場合には、3種類のLEDアレイを感光体の周囲に配置して、それらを適宜選択することにより主走査方向のドツト密度の変更をする。また、副走査方向については、1ラインのLEDアレイを点灯させる時間間隔(感光体の回転速度とドツト密度により決定される)を制御することにより達成する。
また、主走査方向については、ビデオ信号をシリアル信号にするのではなくビツトマツプメモリ5からリードしたデータをLEDアレーの1ライン分のエレメントに相当するレジスタに順次ラツチしていき、1ライン分終了した時点で、LEDアレイを点灯することとなる。従つて、先に説明した1ラインのLEDアレイに1ライン分のデータを転送し終了しなければならない。
[発明の効果]
以上説明したように本発明によれば、外部装置から入力されたデータを指定サイズで印刷させる際に、その指定サイズと印刷媒体のサイズとが異なっていても、印刷解像度を変更することで、そのデータの印刷媒体上に印刷させることが可能となる。従って、従来のように印刷処理が中断、あるいはデータの欠落した状態で印刷されることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例におけるレーザビームプリンタのブロツク構成図、
第2図は実施例における印刷部の構成概略を示す図、
第3図は本実施例における印刷処理手順を示すフローチヤートである。
図中、1……インタフエース、2……ページバツフア、3……ワークメモリ、4……フオントメモリ、5……ビツトマツプメモリ、6……パラレルシリアル変換器、7……印刷部、8……パルスジエネレータ、9……MPU、9a……プログラムメモリ、10……スキヤナドライバである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】外部装置から入力されるデータを指定サイズで印刷媒体に印刷させる印刷制御装置であって、印刷解像度を変更可能な印刷手段と、前記指定サイズと前記印刷媒体のサイズとが異なる場合に、前記印刷媒体に前記データを印刷させるため、前記印刷手段の印刷解像度を変更させる制御手段とを有することを特徴とする印刷制御装置。

【第1図】
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【第2図】
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【第3B図】
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【第3A図】
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【特許番号】第2621971号
【登録日】平成9年(1997)4月4日
【発行日】平成9年(1997)6月18日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平1−2141
【出願日】平成1年(1989)1月10日
【公開番号】特開平2−184478
【公開日】平成2年(1990)7月18日
【出願人】(999999999)キヤノン株式会社
【参考文献】
【文献】特開 昭63−100872(JP,A)
【文献】特開 昭63−282831(JP,A)
【文献】特開 昭62−48581(JP,A)
【文献】特開 昭64−86233(JP,A)
【文献】特開 昭60−182281(JP,A)