説明

印刷前の文書解析中における、改良されたカラー検出

【課題】複数のプリンタと印刷ジョブを管理するプリントショップ管理サーバとを含むプリントショップシステムにおいて、印刷するために適切なプリンタに文書を割り当てるために、文書ページ中のカラー要素を検出する改良された方法を提供する。
【解決手段】第1に、各ページ要素はページをラスタライズせずに分析される。ラスタ画像がカラーの場合、その位置およびサイズが画像情報リストに追加される。画像情報リストに以前に格納されたラスタ画像と非ラスタ画像要素がオーバーラップする場合、オーバーラップしたラスタ画像は、当該リストから削除される。ページの全てのページ要素を分析した後、画像情報リストにラスタ画像が残っている場合、そのページはカラーとしてマークを付けられる。さもなければ、従前の方法を用いてカラーのものを検出するために、ページがラスタライズされる。ページラスタライズに使用される解像度は、ユーザによって制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の属する技術分野
本発明は、カラーおよび白黒ページの両方を含む印刷文書のためのプリントショップシステムにおいて印刷ジョブを管理するための方法および装置に関する。特に、本発明は、印刷に適切なプリンタにそのような文書を割り当てるために、文書中のカラー要素を検出するための改良された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
専門のプリントショップは、一般的に、ネットワークによってサーバに接続された複数のプリンタを有し、サーバは1つ以上のプリンタ上の顧客ジョブの印刷を制御する。プリントショップの複数のプリンタは、一般的に、異なる特徴と性能を持っている。特に、プリントショップは、一般的に、白黒プリンタおよびカラープリンタの両方を有する。従前からの実務では、白黒(B&W)ページのみを含む印刷文書を白黒プリンタを使って印刷し、白黒ページと共にカラーページも含む印刷文書をカラープリンタを使って印刷する。ここで、白黒ページという用語は、グレーレベルの画像を有するページも含み、そのような画像は、たとえばハーフトーンの画像であり、黒インクまたはトナーを使って白黒プリンタ上で印刷可能である。カラープリンタを使用した印刷は、一般的に、白黒プリンタを使った印刷よりもコストがかかる。
【0003】
改良されたプリントショップ管理方法は、白黒ページと共にカラーページを含む文書を2つのサブ文書に分割することを可能とし、2つの別個のプリンタ、1つはカラープリンタでもう一つは白黒プリンタをそれぞれ使ってその2つの文書を印刷する。奔出願人の特許文献1に記載された方法では、文書が白黒およびカラーページの両方を含む場合、サーバは、印刷ジョブをカラーおよび白黒のサブジョブに分割する。各印刷ジョブは、複数のパラメータと印刷される文書を含むジョブチケットを含む。サーバは、オリジナル文書のページのカラー特性に基づいて、カラーサブ文書および白黒サブ文書を生成し、オリジナルジョブチケットパラメータに基づいて、カラーサブジョブチケットおよび白黒サブジョブチケットを生成することによって、また、適切にいくつかのオリジナルパラメータを残し、いつくかを無効にし、いくつかを削除し、いくつかをページをずらした上で残し、いくつかのパラメータを加えることによって、オリジナル印刷ジョブを分割する。2つのサブジョブは2つの異なるプリンタによって印刷され、それから、印刷されたページは1セットのページに結合される。本出願人の特許文献2に記載された別の方法では、Nアップおよび/または両面印刷を用いてカラーおよび白黒ページの両方を含む文書を印刷するために、サーバは、カラープリンタ上で文書全体を印刷するか、文書を2つのサブジョブに分割して、それらをカラープリンタおよび白黒プリンタでそれぞれ印刷するかを決定する。
【0004】
印刷ジョブを適切なプリンタにどうやって割り当てるかを決定するために、サーバは、文書の各ページが白黒ページ(すなわち、白黒のコンテンツだけをふくむもの)かどうか、または、カラーページ(すなわち、白黒のコンテンツも含むか否かに関係なく、カラーのコンテンツを含むもの)かどうかを決定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0229881A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0079963A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の概要
本発明は、適切なプリンタに印刷ジョブを割り当てるために、ページのカラーコンテンツを検出するように改良された方法および装置に関する。
【0007】
本発明の目的は、ページのカラーコンテンツを検出するために、より効率的でより柔軟な方法を提供することである。
【0008】
本発明の追加的な特徴および利点は、後述の詳細な説明において説明され、その説明から明らかになり、本発明の実行によっても理解される。本発明の目的および他の利点は、詳細な説明において特に指摘される構造、その請求項および添付図面によって理解され、獲得される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらのおよび/または他の目的を達成するために、具体化され、広く記載されるように、本発明は、サーバコンピュータ上で実行され、文書のページ中のカラーコンテンツを検出するための方法であって、当該ページはラスタ画像、非ラスタ図形要素を含む複数のページ要素を含み、当該方法は:(a)各ページ要素を分析するステップであって、(a1)各ラスタ画像について、カラーか否かを判断し、カラーの場合に、画像情報リストに当該ラスタ画像についての位置およびサイズ情報を格納するステップと、(a2)各非ラスタ図形要素について、以前に画像情報リストに格納されたラスタ画像とオーバーラップするか否かを判断し、オーバーラップする場合、画像情報リストからオーバーラップするラスタ画像を除去するステップとを含むステップと、(b)ページの全てのページ要素を分析した後に、画像情報リスト中にラスタ画像が残っているか否かを判断し、ラスタ画像が残っている場合に当該ページをカラーとしてマークを付けるステップと、(c)画像情報リストにラスタ画像が残っていない場合、ページ要素を使って当該ページのラスタ画像を生成し、当該ページのラスタ画像中のカラーのサンプルを検出し、当該検出結果に基づいて、当該ページをカラーまたは白黒としてマークを付けるステップと、を含む。
【0010】
ステップ(a1)は、ラスタ画像の角に近い第1所定領域においてラスタ画像を分析して、ラスタ画像がカラーのサンプルを含むか判断し、カラーのサンプルを含む場合に、画像情報リストに当該ラスタ画像のサイズおよび位置情報を追加するステップと、第1所定領域がいかなるカラーのサンプルも含まない場合、ラスタ画像の中央に近い第2所定領域においてラスタ画像を分析して、ラスタ画像がカラーのサンプルを含むか判断し、カラーのサンプルを含む場合に、画像情報リストに当該ラスタ画像のサイズおよび位置情報を追加するステップと、第1および第2領域がいかなるカラーのサンプルも含まない場合、前記ラスタ画像を複数の所定の区画に分割し、カラーのサンプルを含むか判断するために、選択された区画の一部をそれぞれ分析し、いずれかの選択された区画がカラーのサンプルを含む場合、画像情報リストに当該ラスタ画像のサイズおよび位置情報を追加するステップと、をさらに含む。
【0011】
他の側面として、本発明は上記方法をデータ処理装置に実行させるコンピュータプログラム製品を提供する。
【0012】
前述の一般的な説明および後述の詳細な説明は、例示的および説明的であり、特許請求の範囲に記載される発明の更なる説明を提供するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1a】本発明の実施形態によるカラー検出方法を示すフローチャートである。
【図1b】本発明の実施形態によるカラー検出方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の他の実施形態によるカラー検出処理のための様々な設定を特定するためのユーザインタフェースウィンドウを示す図である。
【図3】本発明の実施形態が実行されうるプリントショップシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好適な実施形態の詳細な説明
図3は、本発明の実施形態が実行されうるプリントショップシステム1を示す図である。プリントショップシステム1は、ネットワーク4を介して、1つ以上のサーバ(あるいは、他のあらゆる適切なデータ処理装置)3a、3bに接続された複数のプリンタ2a、2b・・・を含む。1つ以上のユーザインタフェース端末(不図示)もサーバに接続され、プリントショップの作業者によるサーバやシステムの他の構成との情報のやり取りを可能とする。サーバは、印刷ジョブ(すなわち、顧客からの印刷要求および印刷される文書)を受信するためのインターネットのような外部ネットワーク5にも接続されうる。プリントショップ管理ソフトウェアの制御下にあるサーバ(たとえば3a)は、顧客から印刷ジョブを受信し、印刷コマンドおよび印刷されるデータを1つ以上のプリンタ2に送信する。プリントショップ管理ソフトウェアは、印刷ジョブのためにどの(単数または複数の)プリンタを使用するか、自動あるいは程度はあれども作業者の制御によるかなどの、様々な管理決定を行う。
【0015】
印刷される文書(以下、原文書という)がカラーページおよび白黒ページの両方を含む(混色文書という)場合、サーバ3aは、印刷ジョブ全体(すなわち、原文書の全てのページ)をカラープリンタに送信するか、あるいは、カラーページをカラープリンタに送信し白黒ページを白黒プリンタに送信することによって印刷ジョブを2つのサブジョブに分割するか、に関して判断する。サーバ3aは、印刷ジョブを2つのサブジョブに分割すると判断した場合、2つのサブジョブチケットを生成することによって印刷ジョブを分割し、それらを2つの異なるプリンタに送信する。2つのプリンタから印刷されたページは、1つの印刷文書に結合される。
【0016】
適切に印刷ジョブを処理するために、サーバ3aは、文書の各ページが白黒ページかカラーページかを判断しなくてはならない。この情報は、それから、カラーに基づいて印刷のための文書を分割する、印刷ジョブの制限を決定するなどといった処理において使用される。既存のカラー検出方法では、サーバ3aは、原文書を解析ないし分析するソフトウェアプログラムを使用する。サーバ3aは、各ページの全てのベクトルおよびラスタ画像データを集め、メモリ中でページをRGBまたはRGBAベースビットマップにレンダリングするために上記情報を使用する。ここで、RGBAはカラー要素、赤、緑、青および(サンプルの不透明度を示す)アルファを表す。それから、格納されたビットマップ中の各サンプルのR、G、B値は、カラーについて検査される。サンプルは、R、G、B値が等しくない場合に、カラーであると認識される。この方法は、最後のページ画像の全ての要素を検査するのに優れている。しかしながら、それではコンピュータ的に集中的であり、カラー検出処理の実行に影響があるかもしれず、特に、大きな画像が埋め込まれたページ(すなわち、多くのサンプルを含むTIFFファイルのような文書ラスタ原画像)をラスタライズする際には影響を与えうる。その実行における問題は、多くの種類の複数の文書を処理すると共に他のサービスおよびアプリケーションを同時に処理するコンピュータ(たとえば、サーバ3a)によってラスタライズ処理が実行されるときにより重大になる。
【0017】
本発明の実施形態は、ユーザ(好ましくは、アドミニストレーションレベルの権限を有するユーザ)によって制御され調整されうるサーバアプリケーションを加えることによって、文書分析効率を向上するための柔軟な解決を提供する。第1実施形態では、サーバ3aは、早期のカラー検出を進めるために、ページをラスタライズする前に、ページ上の各画像の「区画(すなわち、区域)」を読み込む、改良されたカラー検出アルゴリズムを用いる。第2実施形態では、ユーザは、カラー検出のために、ページラスタライズのためのDPI値を選択する。これらの方法は、サーバ3aによって実行されるプリントショップ管理ソフトウェアの一部として実行される。
【0018】
本発明の第1実施形態による改良されたカラー検出アルゴリズムは、図1aおよび図1bを参照して説明される。このアルゴリズムでは、カラー検出のためのページのラスタライズの前に、埋め込まれた各原ラスタ画像(たとえば、PDFページに埋め込まれたTIFFファイル)がカラーについて分析される際に、ページが分解される。
【0019】
図1aは、カラーか否かを判断するために、ページ上の原ラスタ画像を分析する方法を示す。当該処理は、まず、色調に関して、原ラスタ画像の所定の角(コーナー)に近い領域を示す(像空間中の)原画像データを分析する(ステップS1)。所定の角は、たとえば、左上の角である。ここで、左上の角は、ユーザインタフェースディスプレイ上で普通に画像を見たとして「左上の角」である。その領域は、所定のサイズ、たとえば、3000×4000のサンプルを有する。色調は、データにおける各サンプルのR、G、B値(0から255)の差を探すことによって検出される。R、G、B値がサンプル間で等しい場合、サンプルは(グレーレベルを含みうる)白黒だと認められる。そうでなければ、カラーだと認められる。
【0020】
ステップS1においてカラーのサンプルが検出された場合(ステップS2:Y)、原ラスタ画像のサイズおよび位置情報が(ポインタを使う)格納画像情報リストに加えられ(ステップS3)、画像分析処理に戻る。サイズと位置情報は、たとえば、ページの所望の区域への画像のマッピング(ここでは、ページ区域マッピングといい、その方法は当該分野において周知である)を含んでもよい。ステップS1において原ラスタ画像にカラーのサンプルが検出されなかった場合(ステップS2:N)、色調に関して、原ラスタ画像の中央に近い領域を示す(像空間の)原画像データが分析される(ステップS4)。ここで、中央は、ユーザインタフェースディスプレイ上で普通に画像を見たとして「中央」である。繰り返しであるが、その領域は、所定のサイズ、たとえば、3000×4000のサンプルを有する。色調は、データにおける各サンプルのR、G、B値(0から255)の差を探すことによって検出される。
【0021】
ステップS4においてカラーのサンプルが検出された場合(ステップS5:Y)、原ラスタ画像のページ区域マッピングについての情報が、格納画像情報リストに追加され(ステップS3)、画像分析処理に戻る。ステップS4においてカラーのサンプルが検出されない場合(ステップS5:N)、原画像データは(像空間の)原ラスタ画像全体で複数の区画に分割される(ステップS6)。それから、選択された一部の区画(全ての区画ではない)について、当該選択された区画における各サンプルのR、G、B値の相違を探すことによって、色調が分析される(ステップS7〜S9)。ある実施では、選択された区画は、格子縞パターンを形成する一つおきの区画を含む。
【0022】
ステップS7では、当該処理は、色調に関して、次に選択された区画を分析する。カラーのサンプルが検出された場合(ステップS8:Y)、原ラスタ画像のページ区域マッピングについての情報が格納画像情報リストに追加され(ステップS3)、画像分析処理に戻る。カラーのサンプルが検出されない場合(ステップS8:N)、選択された区画においてカラーのサンプルが見つかるまで(ステップS8:Y)、または最後の画像に到るまで(すなわち、ステップS9において最後の選択された区画が分析されるまで)、または特定の制限に至るまで(ステップS9:Y)、色調に関して、次の選択された区画を分析するためにステップS8の処理に戻る。制限はこの目的のためにセットとして事前に特定され、たとえば、「何バイト分析するか」という制限、バッファサイズ/メモリ容量の制限、画像サイズ閾値などである。ステップS9において制限をチェックすることは好ましいが、必須ではない。最後の区画が分析されたか、制限に至った場合、画像分析処理に戻る(ステップS9:Y)。
【0023】
図1bはカラーについてページを分析する全体的な処理を示す図である。このページ分析は、各ページ要素を、当該ページ要素がページ上に描かれる順に検査する。ページ要素は、ラスタ画像またはテキスト、パス(描画線、曲線のベクトルグラフィック座標のセット)のような他のタイプの非ラスタ画像要素である。次のページ要素がラスタ画像の場合(ステップS11:Y)、図1aに示す画像分析処理が実行され、画像がカラーか判断される(ステップS12)。画像分析処理の間、ラスタ画像(そのページ区域マッピングを含む)は、画像がカラーだと判断された場合、格納画像情報リストに追加される。処理は、ステップS11に戻り、全ての要素が処理されるまで、次のページ要素の処理が実行される(ステップS15:Y)。
【0024】
ステップS11では、ページ要素がラスタ画像でない場合(ステップS11:N)、ページ要素は検査され、現在画像情報リストに格納されているラスタ画像とオーバーラップしているか判断される(ステップS13)。このステップは、あらゆるオーバーラップを判断するために、画像情報リストに格納された画像のページ区域マッピングについての情報を用いる。画像情報リストに格納された画像とページ要素がオーバーラップする場合(ステップS13:Y)、オーバーラップした画像はリストから削除される(ステップS14)。ただし、リスト中のラスタ画像が中央領域においてカラーが検出されたときのものであって、オーバーラップしたページ要素がそのラスタ画像の中央領域にオーバーラップしない場合、ラスタ画像はリストに残るといった、削除ステップS14に例外が設けられる場合もある。
【0025】
ステップS14の後、または格納リスト中のラスタ画像のいずれともページ要素が重ならない場合(ステップS13:N)、全ての要素が検査され終わるまで、次のページ要素の処理のためにステップS11の処理に戻る(ステップS15:Y)。
【0026】
ページ上の全てのページ要素が検査された後(ステップS15:Y)、格納画像情報リストに(少なくとも一つの)画像が残っている場合(ステップS16:Y)、ページはカラーであるとマーク付けされる(ステップS17)。そうでない場合、ページはラスタライズされ、ページビットマップ(すなわち、ラスタ画像)がカラーについて分析され、分析の結果としてページはカラーまたは白黒としてマーク付けられる(ステップS18)。ステップS18は、前述の既存のカラー検出処理と同じカラー検出方法が用いられてもよい。ステップS17またはステップS18後、ページ分析処理はリターンする。
【0027】
本発明の第2実施形態に係る他の改良されたカラー検出アルゴリズムは、カラー検出のためにラスタライズに使用される空間分解能(たとえばDPIまたはドット/インチ値)を、ユーザが選択できるようにする。前述の既存のカラー検出処理では、図1bに示すステップS18の処理と同様に、カラー検出のためのページビットマップ画像をレンダリングするために使用される解像度は、文書の実際の印刷に使用されるのと同じ解像度を必ずしも必要としない。一般的に、カラー検出スピードを上げるために、カラー検出のためにページビットマップをレンダリングするために使用される解像度は、実際の印刷処理に使用される解像度よりも低い。より高い解像度が求められるのは、たとえば、実際の解像度において、少ない数の(一般的に孤立している)カラーのサンプルしかページラスタ画像が有さず、低い解像度でページビットマップがレンダリングされてしまうと、カラーのサンプルがなくなってしまうような場合であって、そのような場合は稀である。
【0028】
図2は、サーバ3aのプリントショップ管理ソフトウェアのユーザインタフェース(UI)ウィンドウを示す図である。図2に示されるように、UIウィンドウ20は、入力手段22(例示されているのはドロップダウンリスト)を提供し、ユーザがカラー検出のためにページをラスタライズする解像度(DPI)の値を入力することを可能とする。この詳細な実施形態では、ユーザは90、300、600または1200dpiを選択できる。デフォルト値は、たとえば90dpiであり、ユーザが解像度の値を選択しなかった場合に使用される。
【0029】
さらに、UIウィンドウ20は、ユーザに入力手段21(例示されているのはチェックボックス)を提供し、カラー検出最適化を有効または無効にするモード選択の入力を可能とする。カラー検出最適化が有効の場合(第1モード)、プリントショップ管理ソフトウェアは、図1aおよび図1bのカラー検出アルゴリズムを実行し、無効の場合(第2モード)、プリントショップ管理ソフトウェアは、前述の既存のカラー検出アルゴリズム、すなわち、ページをラスタライズし色調について各サンプルのカラー要素を検査することを実行する。たとえば、組み込まれた文書ラスタ画像が多くの白黒のサンプルとまばらなカラーのサンプルを含むような場合であって、ページ毎のラスタライズが望ましいといった稀なケースには、第2モードは、ユーザが最適化を無効にすることを許容する。いずれのモードでも、ソフトウェアは、ユーザが選択したDPI値または選択されなかった場合のデフォルトのDPI値を使用する。
【0030】
上記の説明から見られるように、本発明の実施形態の特徴は、カラー検出処理の最適化と、処理中のユーザによるより多い制御の提供とを含む。第1実施形態のカラー検出方法は、カラー画像を有する複数のページについて、ページ当りラスタライズ要求を低減することによって、文書処理速度を向上する。第2実施形態の方法は、カラー検出に使用される解像度の選択をユーザに許容する。
【0031】
本発明の改良されたカラー検出方法および装置において、本発明の技術的思想を逸脱することなく、当業者によって様々な改良およびバリエーションがなされうる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内でなされる改良およびバリエーションを包含する。
【符号の説明】
【0032】
2、2a、2b プリンタ、
3、3a、3b サーバ、
4 ネットワーク、
5 外部ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバコンピュータ上で実行され、ラスタ画像および非ラスタ画像要素を含む複数のページ要素を有する文書のページ中のカラーコンテンツを検出するための方法であり、
(a)各ページ要素を分析するステップであって、
(a1)各ラスタ画像について、カラーか否かを判断し、カラーの場合に、画像情報リストに当該ラスタ画像についての位置およびサイズ情報を格納するステップと、
(a2)各非ラスタ図形要素について、以前に画像情報リストに格納されたラスタ画像とオーバーラップするか否かを判断し、オーバーラップする場合、前記画像情報リストからオーバーラップするラスタ画像を除去するステップと、
を含むステップと、
(b)ページの全てのページ要素を分析した後に、前記画像情報リスト中にラスタ画像が残っているか否かを判断し、ラスタ画像が残っている場合に当該ページをカラーとしてマークを付けるステップと、
(c)前記画像情報リストにラスタ画像が残っていない場合、ページ要素を使って当該ページのラスタ画像を生成し、当該ページのラスタ画像中のカラーのサンプルを検出し、当該検出結果に基づいて、当該ページをカラーまたは白黒としてマークを付けるステップと、
を含むカラーコンテンツ検出方法。
【請求項2】
ステップ(a1)は、前記ラスタ画像全体を分析することなく前記ラスタ画像の選択された1つ以上の領域を分析することによって、前記ラスタ画像がカラーか否かを判断するステップを含む請求項1記載のカラーコンテンツ検出方法。
【請求項3】
ステップ(a1)は、
カラーのサンプルを含むか否かを判断するために、前記ラスタ画像の角に近い第1所定領域について、前記ラスタ画像を分析し、カラーのサンプルを含む場合、前記画像情報リストに前記ラスタ画像のサイズおよび位置情報を加えるステップと、
前記第1所定領域がカラーのサンプルを含まない場合、カラーのサンプルを含むか否かを判断するために、前記ラスタ画像の中央に近い第2所定領域について、前記ラスタ画像を分析し、カラーのサンプルを含む場合、前記画像情報リストに前記ラスタ画像のサイズおよび位置情報を加えるステップと、
前記第1および第2領域がカラーのサンプルを含まない場合、前記ラスタ画像を複数の所定の区画に分割し、カラーのサンプルを含むか判断するために、選択された区画の一部をそれぞれ分析し、いずれかの選択された区画がカラーのサンプルを含む場合、画像情報リストに当該ラスタ画像のサイズおよび位置情報を追加するステップと、
をさらに含む請求項1または請求項2記載のカラーコンテンツ検出方法。
【請求項4】
前記選択された一部の区画は、一つおきの区画を含む請求項3記載のカラーコンテンツ検出方法。
【請求項5】
ステップ(a)の前に、第1モードまたは第2モードを示すモード選択をユーザから受け付け、前記第1モードが選択された場合にステップ(a)、(b)、(c)を実行するステップと、
前記第2モードが選択された場合、前記ページ要素を使って前記ページのラスタ画像を生成し、当該ページのラスタ画像におけるカラーのサンプルを検出し、検出結果に基づいてカラーまたは白黒として当該ページにマークを付けるステップと、
をさらに有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のカラーコンテンツ検出方法。
【請求項6】
ステップ(c)において、前記ページの前記ラスタ画像は、ユーザによって入力された解像度の値を使って生成され、
ステップ(c)の前に、ユーザインタフェース端末から前記解像度の値を受け付けるステップをさらに有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のカラーコンテンツ検出方法。
【請求項7】
ラスタ画像および非ラスタ画像要素を含む複数のページ要素を有する文書のページ中のカラーコンテンツを検出するための処理を、データ処理装置に実行させるためのコンピュータプログラムであって、
(a)各ページ要素を分析するステップであって、
(a1)各ラスタ画像について、カラーか否かを判断し、カラーの場合に、画像情報リストに当該ラスタ画像についての位置およびサイズ情報を格納するステップと、
(a2)各非ラスタ図形要素について、以前に画像情報リストに格納されたラスタ画像とオーバーラップするか否かを判断し、オーバーラップする場合、前記画像情報リストからオーバーラップするラスタ画像を除去するステップと、
を含むステップと、
(b)ページの全てのページ要素を分析した後に、前記画像情報リスト中にラスタ画像が残っているか否かを判断し、ラスタ画像が残っている場合に当該ページをカラーとしてマークを付けるステップと、
(c)前記画像情報リストにラスタ画像が残っていない場合、ページ要素を使って当該ページのラスタ画像を生成し、当該ページのラスタ画像中のカラーのサンプルを検出し、当該検出結果に基づいて、当該ページをカラーまたは白黒としてマークを付けるステップと、
を含むカラーコンテンツ検出処理をデータ処理装置に実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
ステップ(a1)は、前記ラスタ画像全体を分析することなく前記ラスタ画像の選択された1つ以上の領域を分析することによって、前記ラスタ画像がカラーか否かを判断するステップを含む請求項7記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
ステップ(a1)は、
カラーのサンプルを含むか否かを判断するために、前記ラスタ画像の角に近い第1所定領域について、前記ラスタ画像を分析し、カラーのサンプルを含む場合、前記画像情報リストに前記ラスタ画像のサイズおよび位置情報を加えるステップと、
前記第1所定領域がカラーのサンプルを含まない場合、カラーのサンプルを含むか否かを判断するために、前記ラスタ画像の中央に近い第2所定領域について、前記ラスタ画像を分析し、カラーのサンプルを含む場合、前記画像情報リストに前記ラスタ画像のサイズおよび位置情報を加えるステップと、
前記第1および第2領域がカラーのサンプルを含まない場合、前記ラスタ画像を複数の所定の区画に分割し、カラーのサンプルを含むか判断するために、選択された区画の一部をそれぞれ分析し、いずれかの選択された区画がカラーのサンプルを含む場合、画像情報リストに当該ラスタ画像のサイズおよび位置情報を追加するステップと、
をさらに含む請求項7または請求項8記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記選択された一部の区画は、一つおきの区画を含む請求項9記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
ステップ(a)の前に、第1モードまたは第2モードを示すモード選択をユーザから受け付け、前記第1モードが選択された場合にステップ(a)、(b)、(c)を実行するステップと、
前記第2モードが選択された場合、前記ページ要素を使って前記ページのラスタ画像を生成し、当該ページのラスタ画像におけるカラーのサンプルを検出し、検出結果に基づいてカラーまたは白黒として当該ページにマークを付けるステップと、
をさらに有する請求項7〜10のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
ステップ(c)において、前記ページの前記ラスタ画像は、ユーザによって入力された解像度の値を使って生成され、
ステップ(c)の前に、ユーザインタフェース端末から前記解像度の値を受け付けるステップをさらに有する請求項7〜11のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項7〜12のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能記録媒体。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図3】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−8785(P2011−8785A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−141754(P2010−141754)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(507031918)コニカ ミノルタ システムズ ラボラトリー, インコーポレイテッド (157)