説明

即席粥状食品の素

【課題】水或いはお湯を加えるだけで容易に優れた食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した粥状食品を調製できる即席粥状食品の素を提供すること。
【解決手段】α化したうるち米粉10〜90部とα化したもち米粉90〜10部とを配合したα化米粉90〜40重量部と、DE1〜24の澱粉分解物10〜60重量部とを配合することにより、喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素を提供する。本発明の即席粥状食品の素により、水或いはお湯を加えるだけで容易に優れた食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した粥状食品を調製することができ、粘度などの物性、又はカロリーを調節することが可能であるとともに、喫食中に状態の変化を生じることがない即席粥状食品を調製することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫食調製時の優れた食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する新規な即席粥状食品の素に関する。特に、本発明は、α化したうるち米粉とα化したもち米粉とを配合したα化米粉と澱粉分解物とを配合した配合物を主成分とし、水或いはお湯を加えるだけで食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した粥状食品を容易に調製することができ、したがって、該粥状食品は咀嚼・嚥下特性に優れ、咀嚼・嚥下困難者にも供することができ、また、喫食者の好みに応じて、固さや物性、カロリーを調節することができ、更に、喫食中に経時的な粘度変化を生じない即席粥状食品を調製することが可能な即席粥状食品の素に関する。
【背景技術】
【0002】
古くより米飯を主食とする日本の食文化にあって、老人や病人の食事としてはお粥が受け入れやすいものである。しかし、お粥は米を多量の水で煮る必要があり時間と手間を要し、カロリーも米飯よりもかなり低くなる。そこで、従来より、喫食時に容易に復元が可能な各種の即席粥が開示されている。例えば、白糠、カルシウム化合物、マンナン、グルコノデルタラクトンを原料として、膨化・成形して、米様の粒状物の乾燥品としたもの(特開平5−123121号公報)や、精米又は玄米に、プロテアーゼを添加、処理した後、煮熟して得られた粥を、真空凍結乾燥処理したもの(特開平6−303927号公報)や、洗浄、浸漬した米を、スープと共に加熱して粥としたものを凍結乾燥したもの(特開平9−65844号公報)や、蒸米に調味液を添加して、更に蒸して粥化した蒸米を水分含量10%以下になるまで乾燥させたもの(特開2003−61597号公報)等が開示されている。
【0003】
また、老人や病人の食事として、お粥の咀嚼・嚥下特性を改善したものも提案されている。すなわち、老人や病人にとって、お粥の咀嚼・嚥下に負担をかける場合があり、特に、咀嚼・嚥下困難者に供するには米粒が誤嚥の原因になるため、炊いたお粥を更にミキサーにかけてペーストにする必要がある。しかし、喫食に際して、炊いたお粥を更にミキサーにかけてペーストにするような処理は、手間がかかり、提供者にとって負担の大きい食事になっている。一方、お粥をミキサーにかけたものは、のどに付着し飲み込みにくいなどの問題点が指摘されている。このような負担を軽減すべく提案がなされている。
【0004】
例えば、特開2002−51712号公報には、種々の食材をα化して乾燥した乾燥食材が提案され、その中の一つに米又は米粉を加熱処理してα化した後乾燥し、粉末、顆粒又はフレーク状に形成した乾燥食材が開示されている。該乾燥食材は、水や湯を加えるだけで容易にペースト状のお粥として調製することができることが示されており、簡易に嚥下障害者用の食事を作ることができることが記載されている。該乾燥食材の調製に際しては、増粘多糖類からなる糊料を加えることにより、乾燥食材の粘性をより容易に調整することができることが記載されているが、老人や病人の食事にはかなりの時間を要し、米又は米粉を単にα化したものではそれに多糖類で粘度調節したものであっても喫食中に経時変化を生じるのは避けられない。
【0005】
また、特開2002−17275号公報及び特開2003−47415号公報には、咀嚼・嚥下困難者等に供することができる嚥下容易な粥状食品の素が開示されている。すなわち、特開2002−17275号公報には、α化米又はその粉末に澱粉粉末とゼラチン粉末を配合してなる嚥下容易な粥状食品の素が開示されている。しかし、該粥状食品の素から調製された粥状食品は、その喫食に際して、温度低下とともに経時変化が大きくなり、その味覚の低下と共に、嚥下特性の低下を来たすような物性の変化が避けられない。更に、特開2003−47415号公報には、乾燥α化米の粉末を焙煎することにより調製した即席粥の素が開示されている。しかし、該即席粥の素は、成分としてα化米のみから構成されているので、該即席粥の素から調製される粥は、上記の場合と同様に、喫食に際して経時変化が避けられない傾向がある。なお、ここで言う経時変化とは、経時的に粘度が高くなっていくということを意味するものである。
【0006】
一方で、咀嚼ができ難い病人などに対する栄養補給に各種濃厚流動食が開発されている。その中に米をベースにしたもので、更に、デキストリンを添加した米ベース流動食が開示されているものがある(特開2002−65182号公報)。該米ベース流動食は、咀嚼ができ難い病人などに対する栄養補給に開発されたものであるが、さらっとした飲み口を有することと、同時に米独特の食味を有する米ベース流動食であることが示されている。しかしながら、濃厚流動食に求められる要件はお粥に求められるものと全く異なる。すなわち、濃厚流動食は、液体状のものを容器詰めしたものであることから、その物性は粥状の食品とは相違し、また、該米ベース流動食においては、その調製に際してデキストリンが添加されているが、添加されているデキストリンは、主として炭水化物成分を補う目的で使われており、米ベース流動食の経時変化を抑える目的のような物性の改善の目的で使用されているものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−123121号公報
【特許文献2】特開平6−303927号公報
【特許文献3】特開平9−65844号公報
【特許文献4】特開2002−17275号公報
【特許文献5】特開2002−51712号公報
【特許文献6】特開2002−65182号公報
【特許文献7】特開2003−61597号公報
【特許文献8】特開2003-47415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、喫食調製時の優れた食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する新規な即席粥状食品の素を提供すること、特に、水或いはお湯を加えるだけで容易に優れた食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した粥状食品を調製することができ、咀嚼・嚥下困難者にも供することができる即席粥状食品の素を提供すること、すなわち、喫食者の状態に応じて、粘度などの物性、またはカロリーを調節することができ、喫食中に状態の変化を生じなく、更に、米特有の風味を保持した即席粥状食品の素を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記の課題を解決すべく、鋭意検討する中で、α化したうるち米粉とα化したもち米粉とを配合したα化米粉と、特定のDE値の澱粉分解物とを、特定の配合割合で配合した配合物を主成分とした即席粥状食品の素を調製することにより、水または湯を加え、手でかき混ぜ溶かすだけで簡単にお粥を作ることができ、しかも、うるち米粉ともち米粉の配合により、咀嚼・嚥下困難者の喫食にも好ましい粘度、凝集性などの物性を調整できる、優れた食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した粥状食品を容易に調製することができ、したがって、該粥状食品は咀嚼・嚥下特性に優れ、咀嚼・嚥下困難者にも供することができ、また、喫食者の好みに応じて、固さや物性、カロリーを調節することができ、更に、喫食中に経時的な粘度変化を生じない即席粥状食品を調製することが可能なことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、α化したうるち米粉10〜90部とα化したもち米粉90〜10部とを配合したα化米粉90〜40重量部と、DE1〜24の澱粉分解物10〜60重量部とを配合した配合物を主成分とする喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素からなる。粥状食品は、粘度を下げることだけを追求すれば、お粥の含有水分を多くすればよいことになるが、水分量を多くすれば、栄養面での摂取カロリーが低くなる。したがって、栄養的なカロリーを保持し、しかも、粘度を低くした粥を調製するには、水分を増やさず、栄養的なカロリーを保持しながら、粘度を低くすることが重要となる。本発明では、特定のDEのデキストリンのような澱粉分解物を配合することで、低粘度でありながら全粥と同等のカロリーを得ることに成功した。
【0011】
そして、うるち米粉ともち米粉を配合した米粉を用いることで、喫食に好ましい粘度、凝集性などの物性を調整することに成功し、咀嚼・嚥下困難者の喫食にも好ましい粘度、凝集性などの物性を調整することを可能にした。本発明の即席粥状食品の素を用いて調製した粥は、従来の粥において見られる喫食に際して起こる物性の経時変化を抑えることができ、優れた食味と物性の安定性を保持した粥を提供することを可能とした。
【0012】
本発明において、α化したうるち米粉とα化したもち米粉とを配合したα化米粉と、澱粉分解物の配合比は、α化米粉90〜40重量部に対して、澱粉分解物10〜60重量部の割合で配合されるが、特に好ましくは、α化米粉80〜50重量部に対し、澱粉分解物20〜50重量部の割合で配合される。また、α化米粉におけるα化したうるち米粉と、α化したもち米粉との配合割合は、α化したうるち米粉10〜90重量部に対し、α化したもち米粉90〜10重量部の割合で配合するが、α化したうるち米粉10〜50重量部に対し、α化したもち米粉90〜50重量部を配合することが好ましい。α化したうるち米粉、或いはα化したもち米粉との混合は、うるち米粉或いはもち米粉を混合した後、α化してもよく、又は、予めα化したうるち米粉或いは予めα化したもち米粉を混合してもよい。
【0013】
本発明で用いる澱粉分解物は、DE1〜24の澱粉分解物を用いるが、澱粉分解物として、DE1〜18のデキストリンを用いることが特に好ましい。本発明で用いる澱粉分解物は、澱粉、加工澱粉、又は米粉由来の澱粉分解物を本発明の好ましい澱粉分解物としてあげることができる。本発明の即席粥状食品の素は、α化したうるち米粉とα化したもち米粉とを配合したα化米粉と、DE1〜24の澱粉分解物とを混合し、混合粉末状或いは更に造粒して、顆粒状の乾燥粉末として調製することができる。
【0014】
本発明で用いるゲル化剤とは、食品にゲル性を付与しゼリー状にするもので、カラギーナン、寒天などから成るものであり、トロミ剤とは、食品にとろみをつけ、粘度を高めるもので、キサンタンガムなどからなるものである。
【0015】
本発明においては、本発明の即席粥状食品の素を用いて、水又は湯を添加し、手でかき混ぜ溶かす程度の攪拌・混合によって容易に喫食時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した即席粥状食品を調製することができる。本発明における即席粥状食品の調製に際しては、α化したうるち米粉とα化したもち米粉の配合割合を調整することにより、粥状食品の粘度、凝集性を調節することができる。本発明において、即席粥状食品の素に、ゲル化剤を添加することによりゼリー状食品として調製することができる。
【0016】
すなわち具体的には本発明は、[1]α化したうるち米粉10〜90部とα化したもち米粉90〜10部とを配合したα化米粉90〜40重量部と、DE1〜24の澱粉分解物10〜60重量部とを配合した配合物を主成分とする喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素や、[2]α化米粉と澱粉分解物の配合割合が、α化米粉80〜50重量部に対し、澱粉分解物20〜50重量部の配合割合であることを特徴とする上記[1]記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素や、[3]α化米粉が、α化したうるち米粉10〜50重量部に対し、α化したもち米粉90〜50重量部を配合したものであることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素や、[4]α化したうるち米粉、或いはα化したもち米粉が、うるち米粉或いはもち米粉を混合した後、α化したものか、又は、予めα化したうるち米粉或いは予めα化したもち米粉を混合したものであることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれか記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素からなる。
【0017】
また本発明は、[5]澱粉分解物が、DE1〜18のデキストリンであることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれか記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素や、[6]澱粉分解物が、澱粉、加工澱粉、又は米粉由来の澱粉分解物であることを特徴とする上記[5]記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素や、[7]α化米粉90〜40重量部と、DE1〜24の澱粉分解物10〜60重量部との配合物を造粒してなる上記[1]〜[6]のいずれか記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素からなる。
【0018】
さらに本発明は、[8]上記[1]〜[7]のいずれか記載の即席粥状食品の素に、水又は湯を添加し、攪拌・混合することによって調製することを特徴とする喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した即席粥状食品の製造方法や、[9]α化したうるち米粉とα化したもち米粉の配合割合を調整することにより、粥状食品の粘度、凝集性を調節することを特徴とする上記[8]記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した即席粥状食品の製造方法や、[10]即席粥状食品の素に、ゲル化剤を添加することによりゼリー状食品としたこと、或いはトロミ剤を添加することによりとろみのついた食品としたことを特徴とする上記[8]又は[9]記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した即席粥状食品の製造方法や、[11]上記[8]〜[10]のいずれか記載の即席粥状食品の製造方法によって製造された喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した即席粥状食品からなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、その喫食に際し、水又は湯を加え、手でかき混ぜて溶かすような攪拌・溶解手段によって、簡単に、優れた食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した粥状食品を容易に調製することができる即席粥状食品の素を提供する。本発明の即席粥状食品の素を用いて調製した粥状食品は、米風味を有し、喫食中でも粘度変化などの状態変化を起こさない優れた食味を有する。また、本発明の即席粥状食品の素は、喫食者の好みに応じて、固さや物性、カロリーを調節することができ、更に、咀嚼・嚥下困難者の喫食にも好ましい粘度、凝集性などの物性を付与した粥状食品を調整できる即席粥状食品の素として提供することができる。例えば、本発明の即席粥状食品の素を用いて調製した粥状食品は、好ましい粘度、凝集性などの物性の付与により、咀嚼・嚥下困難者用として食べやすい物性でありながら、栄養面でも全粥と同等のカロリーを保持したものに調整できる。つまり、全粥のみならず、7分、5分粥の物性でありながら、カロリーは全粥と同等のものに調整することもできる。また、本発明の即席粥状食品の素は、増粘多糖類のようなゼリー剤を配合することにより、調製される粥状食品をゼリー状にしたり、トロミ剤でとろみをつけて喫食するような粥状食品とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の実施例における調製された粥の評価試験において、「飲みやすさの官能試験」の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、α化したうるち米粉10〜90部とα化したもち米粉90〜10部とを配合したα化米粉90〜40重量部と、DE1〜24の澱粉分解物10〜60重量部とを配合した配合物を主成分とする喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素からなる。
【0022】
本発明は、α化した米粉90〜40重量部と、デキストリンのような澱粉分解物10〜60重量部とを、粉体混合した混合物を主成分とするものであるが、該混合には、米粉とデキストリンなどの澱粉分解物を混合後、α化してもよいし、米粉をあらかじめα化し、後でデキストリンなどの澱粉分解物を混合してもよい。米粉は、うるち米粉10〜90重量部に対し、もち米粉90〜10重量部の割合で混合したものを用いるが、あらかじめα化したうるち米粉とあらかじめα化したもち米粉を混合してもよいし、うるち米粉ともち米粉のどちらか一方がα化したものを混合しさらにα化してもよい。さらに、あらかじめうるち米粉、もち米粉を混合しα化してもよい。更に、これらをα化する際に、特定のデキストリンなどの澱粉分解物を混合しα化してもよいし、特定のデキストリンなどの澱粉分解物をα化した米粉混合物に添加混合してもよい。要は、α化した米粉とデキストリンなどの澱粉分解物とが、所定の配合割合で、混合されていることが必要である。
【0023】
うるち米粉ともち米粉の配合割合によって、即席粥状食品の素から調整される粥状食品の物性が異なってくるが、うるち米粉ともち米粉の「両米粉を所定の割合で混合する」ということが重要である。特に咀嚼・嚥下困難者として好ましくは、うるち米粉10〜50重量部に対し、もち米粉90〜50重量部である。うるち米粉100%の場合は、粘度が好ましい範囲にある場合でも、サクイ物性になり凝集性がないために、喫食に適さない。また、もち米粉100%の場合は、粘度が好ましい範囲にある場合でも、付着性が強くなるために喫食に適さない。
【0024】
本発明に用いる、デキストリンなどの澱粉分解物は、お粥の喫食中の状態変化を起こさせない性質を持つが、DEが大きくなるとお粥に甘味性を与える傾向にある。おおよそ、DEは1〜24が使用可能で、DE1〜18が、状態変化を起こさなく、甘味性が出なくお粥中の米の風味がすなおに出てより好ましい。また、α化した米粉とデキストリンなどの澱粉分解物の比は、澱粉分解物の含有量が多くなればなるほど、喫食中の粘度増加などの状態変化を抑えることができるが、澱粉分解物を多く添加しすぎると米本来の風味が薄れてしまい本発明の目的から外れる。よって、α化した米粉とデキストリンなどの澱粉分解物の比は、90:10〜40:60(α化した米粉90〜40重量部に対し、澱粉分解物10〜60部)が使用可能であるが、お粥の状態、米粉の組成により変えることができる。さらに、80:20〜50:50(α化した米粉80〜50重量部に対し、澱粉分解物20〜50部)がより好ましい。
【0025】
配合するデキストリンなどの澱粉分解物のDEにより、調整される粥状食品の粘度に差が出る。DEが低いものを配合するほど、お粥の粘度が下がる性質があるので、デキストリンのなどの澱粉分解物DEを変えることにより、米粉の配合割合や粘度を調節できる。
【0026】
物性面から見た場合、(1)うるち米粉>もち米粉の場合、使用可能なDEは1〜40で、好ましい範囲は4〜12、(2)うるち米粉:もち米粉=1:1の場合は、使用可能なDEは1〜40で、好ましい範囲は1〜18、(3)うるち米粉<もち米粉の場合は、使用可能なDEは1〜40で、好ましい範囲は1〜40である。ただし、デキストリンなど澱粉分解物の配合割合を高くすれば、より高いDEのものでも使用できるという傾向がある。ここで、注目すべきは、もち米粉の配合を増やすと、粘度は下がる傾向にあるが、凝集性は増すので喫食しやすくなるので、使用できるデキストリンの範囲も広くなる(表3のB参照)。しかし、物性面のみならず、お粥としての味、風味を加味した場合、使用に好ましいデキストリンなどの澱粉分解物のDEはおおむね18以下、配合割合はおおむね5割以下である。DEが25以上の場合、甘味性が出すぎ、「おかゆ」としての嗜好上、米の味がボケる傾向があり、6割を超えると、米の風味が薄まる傾向にある。
【0027】
一般的に、飲み込みやすさに関しては、通常のご飯から作った全粥のミキサー粥は、べたついて飲み込みにくいと言われている。べたつかないお粥にしようとした場合、かなり水分量を増やす必要があり、カロリーダウンを免れない。本発明の粥状食品は、米粉、デキストリンの選択、配合により、べたつきを抑え、カロリーダウンしないものを調製できる。
【0028】
本発明におけるα化は、米粉をドラムドライヤーやエクストルーダーのような一般にα化する装置で行うことができる。その際、澱粉分解物を一緒にα化しても良いし、後混ぜも可能である。最終α化物は、10〜200メッシュ篩過する。特に10〜60メッシュがダマができにくくなめらかになり好ましい。その粉末状で使用するのも可能であるが、顆粒状にして使用することも可能である。
【0029】
本発明に使用する、澱粉分解物は、澱粉、加工澱粉及び穀粉の分解物を指す。分解方法としては、酵素処理、酸処理、など一般に澱粉を加水分解する方法によりなされる。具体的には、原料を水に分散して20〜40%の懸濁液とし、pHを5〜7に調節する。これにα−アミラーゼ、好ましくはBacillus licheniformisやBacillus amyloliquefaciensなど耐熱性のα−アミラーゼを添加し、適当な加熱装置、例えば加熱加圧蒸煮釜やジエットクッカー、オンレーターなどを用いて、70〜110℃ 、より好ましくは85〜100℃に加熱して加水分解を行う。酵素失活後、そのままの液、あるいは適当な濾過装置、例えばロータリーバキュームフィルターやフィルタープレスなどを用いて濾過した後、スプレードライヤーやドラムドライヤーなどの乾燥機により粉末化する。上記の反応条件を一部変えることによってDE=1,4,8,12,18,25,40の澱粉分解物を調製する。DEとは、「DE=還元糖%/固形分%×100」の計算式で求められるデキストロース当量を示しており、一般にDE値が小さい程高分子多糖類とされている。
【0030】
澱粉分解物を調製する際の原料としては、小麦、コーンスターチ、馬鈴薯、タピオカ、甘藷、サゴ、ワラビ、蓮、葛、緑豆など各種澱粉および加工澱粉もしくは米粉を使用することができる。風味などの点からは、米粉そのものが好ましい。
【0031】
本発明の即席粥状食品の素を使用する場合、栄養面、粘性、曳糸性、凝集性、付着性などを考慮し、本発明品20gに対して、喫食者の状態に合わせて、水の量100g〜200gで溶かすのが望ましい。本発明の即席粥状食品の素は、咀嚼・嚥下困難者用として食べやすい物性でありながら、栄養面でも全粥と同等のカロリーを保持したものに調整できる。つまり、全粥のみならず、7分、5分粥の物性でありながら、カロリーは全粥と同等のものに調整することもできる。なお、全粥とは米:水=1:5(粥の濃度は20%)、7分粥とは米:水=1:7(粥の濃度は15%)、5分粥とは米:水=1:10(粥の濃度は10%)で炊いたものである。
【0032】
本発明の即席粥状食品の素の調製に際して、α化米粉及び澱粉分解物以外の他の配合成分は必要に応じて添加することができる。例えば、でん粉、加工でん粉、不溶性食物繊維、難消化性デキストリン、難消化澱粉、ビタミン、ミネラル、香料、フレーバー、甘味料等で、目的は栄養添加、味付け等である。これら任意原料は、粥状食品を調製した後に添加してもよく、また粥状食品の素の中に加えておいてもよい。粥状食品の素と増粘多糖類との組み合わせで、お粥ゼリー状食品を作ることも可能。特に、嚥下障害者で程度がひどい喫食者には、ゼリー状が好まれる。ゼリーの固さの調節も可能である。
【0033】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例によって限定されるものではない。(本発明の実施例の記載において、単位は全て、記載がないかぎり重量を表す。)
【実施例1】
【0034】
タピオカ澱粉を水に分散して20〜40%の懸濁液とし、pHを5〜7に調節した。これに耐熱性のα−アミラーゼを添加し、オンレーターを用いて、85〜100℃に加熱して加水分解を行った。酵素失活後、ロータリーバキュームフィルターを用いて濾過した後、スプレードライヤー乾燥機により粉末化した。上記の反応条件を一部変えることによってDE=1、4、8、12、18、25、40の澱粉分解物を調製した。
【実施例2】
【0035】
うるち米粉、もち米粉をそれぞれドラムドライヤーにかけてα化し、60メッシュパス粉末にし、実施例1で調製したタピオカ澱粉由来の澱粉分解物を混合し、乾燥粉末の形状にした。米粉、澱粉分解物を使用して、1.うるち米粉:もち米粉の比率、2.澱粉分解物の使用可能DE範囲、3.米粉:澱粉分解物の比率について検討した。実施例の各試験では、五訂食品栄養成分表2001で言う全粥のカロリーに相当するように、試料粉末20%でお粥を作った。各試験では、(1)風味、物性、(2)経時変化について検討した。
【0036】
<風味、物性について>
粘性、曳糸性、付着性、凝集性、また、風味・味(食味)等も考慮して、喫食に好ましい範囲を判断するが、まずは、風味・味等から、使用に好ましい澱粉分解物のDE、配合割合について検討した。試験は、栄養士を含むモニター18人で官能評価を行った。甘味については、うるち米粉:もち米粉=50:50の時の、米粉:澱粉分解物=90:10の場合と40:60の場合について、各7種類のデキストリンで甘味度を比較した。DE=1,4,8,12,18,25,40のものを使用した。風味については、うるち米粉:もち米粉=50:50の時に、DE=1,8,18,40の澱粉分解物を使用し、米粉:デキストリン=100:0〜30:70の時の米の味・香りを比較した[表1(甘味の官能試験);表2(風味の官能試験)]。
【0037】
結果、表1、表2からお粥としての味、風味から判断すると、使用に好ましいデキストリンのDEは18以下、配合割合は5割以下である。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
続いて、表1、表2で絞った範囲と比較例において、物性を検討した。試験は、栄養士を含むモニター18人で官能評価を行った。表3(物性評価と経時変化)では、物性面(飲み込みやすさ)から評価を行った。なお、表中において、「経時変化」は、[(調製後45分後の硬さ)―(調製後15分後の硬さ)]、(単位:×10N/m)を( )に表した。
【0041】
結果は、表3のとおりで、物性面からみた場合、(1)うるち米粉>もち米粉の場合、使用可能なDEは1〜40で、好ましい範囲は4〜12、(2)うるち米粉:もち米粉=1:1の場合は、使用可能なDEは1〜40で、好ましい範囲は1〜18、(3)うるち米粉<もち米粉の場合は、使用可能なDEは1〜40で、好ましい範囲は1〜40である。傾向としては、もち米粉を増やした場合と、澱粉分解物のDEが低いものを使用した場合と、澱粉分解物の使用割合を高くした場合において、より粘度を抑えることができる。ただし、付着性、凝集性、また、風味・味等も考慮した場合、喫食に好ましい範囲は絞られる。特に、もち米粉を配合すると、粘度を下げる効果があるし、凝集性を増す効果も見られる。うるち米粉100%の場合は、粘度が好ましい範囲にある場合でも、サクイ物性になり凝集性がないために、喫食に適さなかった。また、もち米粉100%の場合は、粘度が好ましい範囲にある場合でも、曳糸性が強くなるために喫食に適さなかった。
【0042】
また、[表3]のAは、全粥のミキサー粥の軟らかさを基準にすると、7分粥、5分粥程度の軟らかさに相当するが、水で薄めて作ったものではないので、カロリーは全粥と同じカロリーに保たれている。これらは、トロミ剤でとろみをつけたり、ゲル化剤でゼリーにするなどして喫食することもできる。
【0043】
【表3】

【0044】
<喫食中の状態変化について>
状態変化は、レオメーター(FUDOH社製:RHEO METER){条件:進入スピード:1mm/sec、プランジャー:円柱、長さ5cm、底面直径1cm、進入深度3cm}を使用し、[(試料調製後15分後の強度)−(45分後の強度)](単位:×10N/m)を調べた。
【0045】
上記実施例の結果を表3の( )内に数値で示す。表3から、米粉100%の場合は、経時変化が起こる。しかし、米粉と澱粉分解物で調製した粥状食品では、いずれの配合割合においても、経時変化はほとんど起こらなかった。ただし、傾向として、もち米粉が多い場合と、澱粉分解物のDEが低い場合と、デキストリンの使用割合が高い場合において、多少、状態変化をおさえる傾向が増した。
【実施例3】
【0046】
飲み込みやすさに関しての官能評価については、病院栄養士10名を含むパネラー計18名により行った:粥状食品のうち、全粥のミキサー粥に相当する粘度のものとして飲み込みやすい範囲(試験区1:DE=8のデキストリンで、配合はうるち米粉:もち米粉=20:80の時、米粉:デキストリン=60:40のもの)、飲み込みにくい範囲(試験区2:DE=8のデキストリンで、配合はうるち米粉:もち米粉=80:20の時、米粉:デキストリン=70:30のもの)から1点ずつと、比較例として、米から炊いたお粥(全粥)をミキサーにかけた全粥ミキサー粥、計3点をパネラーに試食させた。
【0047】
全粥ミキサー粥の作り方は、米:水=1:5(重量比)の割合で水を加え、30分間浸漬し、IHジャー(ZOJIRUSHI)を使用し、お粥メニューで自動炊飯した。炊飯後の粥をミキサーで、18000回転/分で20秒撹拌し、全粥のミキサー粥とした。評価法は、計3点のお粥について、飲み込みやすさについて順位(1位、2位、3位)をつけてもらい、順位をそのまま点数(1点、2点、3点)とした。その点数の合計を棒グラフで表した[図1]。よって、棒グラフが低いほど、評価が良いということになる。
【0048】
結果を、図1(飲み込み易さの官能試験)に示す。なお、図中、比較区は:粥のミキサー粥(米:水=1:5(重量比))で、IHジャー(ZOJIRUSHI)のお粥メニューで自動炊飯し、炊飯後の粥をミキサーで、18000回転/分で20秒撹拌したもの;試験区1は:DE=8のデキストリンで、配合は、うるち米粉:もち米粉=20:80の時、米粉:デキストリン=60:40のもの;試験区2は:DE=8のデキストリンで、配合は、うるち米粉:もち米粉=80:20の時、米粉:デキストリン=80:20のものを表す。
【0049】
図1に示されるように、米から炊いたお粥(全粥)をミキサーにかけたミキサー粥は、評価が最も悪く、パネラーの半数以上が「べたつくので飲み込みにくい」とコメントした。今回提案の粥状食品については、特に試験区1が最も評価が良く、「べたつかず、飲み込みやすい」とのコメントが多かった。
【実施例4】
【0050】
うるち米由来の澱粉分解物でDE=8のものを調製して、{うるち米粉:もち米粉:澱粉分解物(DE=8)}を{3:3:4}の比率で配合した即席粥状食品の素20gに対して、80〜90℃の湯100gで溶かしたら、より香りのよいものができた。
【実施例5】
【0051】
うるち米粉:もち米粉=1:1に混合し、エクストルーダーを用いてα化し、60メッシュに粉砕した。このα化米粉:澱粉分解物(DE=8、うるち米由来)=4:1で混合し、即席粥状食品の素を調製した。この即席粥状食品の素20gに対して、80〜90℃の湯100gで溶かしたら、香りのよいお粥ができた。
【実施例6】
【0052】
{うるち米粉:もち米粉:澱粉分解物(DE=8)}を{3:3:4}の比率で配合し、ドラムドライヤーでα化し本発明即席粥の素を調製した。この即席粥状食品の素20gに対して、80〜90℃の湯100gで溶かした。これは、栄養面的には、五訂に示す全粥に相当するものであり、喫食に良好であった。
【実施例7】
【0053】
α化した米粉(うるち米粉:もち米粉=4:1)12g、タピオカ澱粉分解物(DE=1)8gを混合し調製した本発明即席粥状食品の素20gに対して、80〜90℃の湯100gで溶かすと、7分粥に相当する物性(軟らかさ)のものができた。これは、全粥のカロリーを保持している。
【実施例8】
【0054】
{うるち米粉:もち米粉:難消化性デキストリン=3:3:4}の比率で配合し、ドラムドライヤーでα化し本発明即席粥の素を調製した。この即席粥状食品の素20gに対して、80〜90℃の湯100gで溶かした。すると、食物繊維が強化され、整腸作用の効果を付与したお粥ができた。
【実施例9】
【0055】
増粘多糖類との組み合わせで、お粥ゼリーを作ったら、喫食しやすいゼリー状にできた。α化した米粉(うるち米粉:もち米粉=4:1)7g、DE=4のデキストリン3g、増粘多糖類(キサンタンガム、ローカストビーンガム、寒天を主成分とするゲル化剤)2gを混合し、これを80〜90℃の湯100gで溶かした後、冷やしてゲル状の粥を作った。できたゼリーは口当たりも良く、米の風味もあり、良好に食することができた。
【実施例10】
【0056】
増粘多糖類との組み合わせで、とろみのついたお粥を作ったら、嚥下困難者にも喫食しやすい粥状食品ができた。すなわち、α化した米粉(うるち米粉:もち米粉=4:1)7g、DE=4のデキストリン3g、市販のトロミ剤(増粘多糖類のキサンタンガムが主成分)1.5gを混合し造粒した、これを50〜60℃の湯100gで溶かしたら、とろみのついたお粥ができ、これは口当たりも良く、米の風味もあり、良好に食することができた。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、水或いはお湯を加えるだけで優れた食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した粥状食品を容易に調製することができ、咀嚼・嚥下困難者にも供することができ、また、喫食者の好みに応じて、固さや物性、カロリーを調節することができ、更に、喫食中に経時的な粘度変化を生じない即席粥状食品を容易に調製することが可能な新規即席粥状食品の素を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
α化したうるち米粉10〜90部とα化したもち米粉90〜10部とを配合したα化米粉90〜40重量部と、DE1〜24の澱粉分解物10〜60重量部とを配合した配合物を主成分とする喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素。
【請求項2】
α化米粉と澱粉分解物の配合割合が、α化米粉80〜50重量部に対し、澱粉分解物20〜50重量部の配合割合であることを特徴とする請求項1記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素。
【請求項3】
α化米粉が、α化したうるち米粉10〜50重量部に対し、α化したもち米粉90〜50重量部を配合したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素。
【請求項4】
α化したうるち米粉、或いはα化したもち米粉が、うるち米粉或いはもち米粉を混合した後、α化したものか、又は、予めα化したうるち米粉或いは予めα化したもち米粉を混合したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素。
【請求項5】
澱粉分解物が、DE1〜18のデキストリンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素。
【請求項6】
澱粉分解物が、澱粉、加工澱粉、又は米粉由来の澱粉分解物であることを特徴とする請求項5記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素。
【請求項7】
α化米粉90〜40重量部と、DE1〜24の澱粉分解物10〜60重量部との配合物を造粒してなる請求項1〜6のいずれか記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与する即席粥状食品の素。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか記載の即席粥状食品の素に、水又は湯を添加し、攪拌・混合することによって調製することを特徴とする喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した即席粥状食品の製造方法。
【請求項9】
α化したうるち米粉とα化したもち米粉の配合割合を調整することにより、粥状食品の粘度、凝集性を調節することを特徴とする請求項8記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した即席粥状食品の製造方法。
【請求項10】
即席粥状食品の素に、ゲル化剤を添加することによりゼリー状食品としたこと、或いはトロミ剤を添加することによりとろみのついた食品としたことを特徴とする請求項8又は9記載の喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した即席粥状食品の製造方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか記載の即席粥状食品の製造方法によって製造された喫食調製時の食味と物性の安定性及び優れた咀嚼・嚥下特性を付与した即席粥状食品。


【図1】
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