説明

厚板異長剪断装置および厚板異長剪断方法

【要 約】
【課 題】設備投資費および設備維持管理費が少なくて済むとともに、入側搬送テーブルのテーブルローラとのスリップ接触が生じ難く、かつ効率のよい、エンドシャによる厚板異長剪断が行える厚板異長剪断装置および方法を提供する。
【解決手段】
入側搬送テーブルのテーブルローラ間に設置した各鋼板の先端を揃える昇降可能なストッパーと、一方の鋼板を基準とした場合の他方の鋼板の移動量を測定する鋼板測長装置と、前記入側搬送テーブルの幅方向端部に設けられた鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイドと、を具備し、厚板剪断ラインの天井クレーンを利用し、基準とした一方の鋼板をクレーン設備で吊り上げ、その後吊り下げる際に、一方の鋼板の先端を揃えるために上昇させたストッパーと、鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイドとに沿わせて一方の鋼板を下降させ、一方の鋼板の位置決めを行うように構成した厚板異長剪断装置およびそれを用いた方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2分割した鋼板をエンドシャで剪断する剪断技術において、2分割した鋼板の剪断位置(剪断線ともいう)が長手方向で異なる場合に用いて好適な厚板異長剪断装置および厚板異長剪断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に厚板の製造においては、種々の幅及び長さのオーダを組合せ、一枚の圧延鋼板を圧延し、その後剪断して所定の寸法の製品を得るようになっている。
図7には代表的な厚板剪断ライン10を示した。上流側から順にクロップシャ11、サイドシャ12、スリッタ13、エンドシャ14が設置され、各剪断機は搬送テーブル15で結ばれている。
【0003】
図8(a)には、製品A1、A2、A3、B1、B2、B3が一枚の圧延鋼板Wに含まれていることを示し、図8(b)には、スリッタで2分割した鋼板W1、W2を示した。
クロップシャ11およびサイドシャ12では、矩形状の鋼板を得るため、剪断線18、19に沿って剪断する剪断作業が行われ、スリッタ13では、2分割した鋼板W1、W2を得るため、剪断線16に沿って剪断する剪断作業が行われる。この2分割した鋼板W1、W2に対し、続いてエンドシャ14で剪断線17に沿って剪断する剪断作業が行われる。
【0004】
ここで、2分割後の鋼板W1、W2には、図8(b)に示したように、長手方向先端から順に(A1、B1)、(A2、B2)、(A3、B3)が含まれており、それらの組で製品長さが異なっている。このような場合、入側搬送テーブル上で2分割した鋼板の剪断位置(剪断線17)を合致させてから、2分割した鋼板を入側搬送テーブルでエンドシャに搬送し、エンドシャで合致させた剪断位置に沿って2分割した鋼板を同時に剪断する必要がある。この剪断作業を、以下、エンドシャによる厚板異長剪断という。
【0005】
エンドシャによる厚板異長剪断方法を、厚板剪断ラインの天井クレーンで行おうとすると、2分割した鋼板のうち一方の鋼板W1を吊り上げた後、天井クレーンで吊り下げる際、一方の鋼板W1に振れが生じるため、入側搬送テーブル上に残した他方のW2の剪断位置との位置合わせに時間がかかり、効率が悪いという問題があった。
一方2分割した鋼板のうち一方の鋼板W1を、天井クレーンで入側搬送テーブル上から土間に仮置きし、搬送テーブル上に残した他方のW2の剪断作業を先に行い、次いで土間に仮置きした一方の鋼板W1を天井クレーンで入側搬送テーブル上に載せた後、その剪断作業を行う方法では、エンドシャによる剪断回数が増えてしまい、効率が悪いという問題があった。
【0006】
そこで、エンドシャによる厚板異長剪断方法を効率よく行う剪断技術が各種提案されている(特許文献1〜3)。
特許文献1に記載の鋼板の剪断技術は、2分割した鋼板を、相互に平行かつ独立に搬送可能とする入側搬送テーブル7と、一方の鋼板W1を基準とした場合の他方の鋼板W2の移動量ΔLを測定する鋼板測長装置(図示せず)と、を必要とする(図3参照)。
【0007】
この特許文献1に記載の鋼板の剪断技術は、図3に示したように、幅方向に2分割されたテーブルローラ2を搬送領域TAに複数配置する必要があり、設備投資費および設備維持管理費が増大する欠点がある。
またさらに、特許文献1に記載の鋼板の剪断技術は、2分割した鋼板W1、W2が、幅方向に一体のテーブルローラを有する搬送領域TBから、幅方向に2分割されたテーブルローラ2を有する搬送領域TA上に来たときに、他方の鋼板W2を相互に平行かつ独立に搬送し、移動量ΔLを所定値とする搬送制御を行わなければならないという欠点もある。
【0008】
特許文献2に記載の鋼板の剪断技術は、入側搬送テーブル7のテーブルローラ2間に、各鋼板W1、W2を単独に持ち上げることができるリフトアップ装置20を設置し、基準とした一方の鋼板W1を持ち上げた状態で、入側搬送テーブル7で他方の鋼板W2を前進または後退させる技術である。このため、他方の鋼板W2を相互に平行かつ独立に搬送する搬送制御は必要ではないが、基準とした一方の鋼板W1を持ち上げるため、一方の鋼板W1の寸法に対応して個別にリフトアップ装置20を作動させる必要がある(図4参照)。
【0009】
したがって、特許文献2に記載の鋼板の剪断技術により、エンドシャによる厚板異長剪断を実現しようとすると、図4に示したように、テーブルローラ2間に設置するリフトアップ装置20の設備投資費およびその作動が正常に働くように維持する設備維持管理費が増大する欠点がある。
特許文献3に記載の鋼板の剪断技術は、入側搬送テーブル7のテーブルローラ2間に一方の鋼板W1の先端を当接させるストッパー21を設け、基準とした一方の鋼板W1をストッパー21で入側搬送テーブル7上に保持し、その間に他方の鋼板W2を入側搬送テーブル7で搬送し、移動量ΔLを所定値とする方法である(図5参照)。
【0010】
なお、この場合の移動量ΔLは、図6に示した、厚板の製品(C1、D1)、(C2、D2)を剪断して得る際に、剪断位置(剪断線8)を合致させるのに必要な値とし、他方の鋼板W2の製品D1長さ>基準とした一方の鋼板W1の製品C1長さである場合、ΔL>0と定義した。移動量ΔL>0の場合には、図5に示したとおり、基準とした一方の鋼板W1に対し、他方の鋼板W2をエンドシャに向かって前進させる。
【特許文献1】特開昭57−107728号公報
【特許文献2】特開平11−90728号公報
【特許文献3】特開2007−185732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献3に記載の鋼板の剪断技術によれば、図5に示したように、テーブルローラ2間に一方の鋼板W1の先端を当接させるストッパー21を設けるだけでよいから、特許文献1、2に比べて設備投資費および設備維持管理費が少なくて済む。
しかしながら、特許文献3の鋼板の剪断技術は、エンドシャ1による厚板異長剪断方法を実現させるのに、移動量ΔLが設定値に等しくなるまでの間、基準とした一方の鋼板W1をストッパー21で入側搬送テーブル7上に保持して置く必要がある。
【0012】
このため、基準とした一方の鋼板W1の質量が大きくなるほど、あるいは移動量ΔLの設定値が大きくなるほど、入側搬送テーブル7のテーブルローラ2と鋼板下面間のスリップ接触によって、鋼板下面にスリップ疵が生じるという欠点がある。
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、設備投資費および設備維持管理費が少なくて済むとともに、入側搬送テーブルのテーブルローラとのスリップ接触が生じ難く、かつ効率のよい、エンドシャによる厚板異長剪断が行える厚板異長剪断装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、エンドシャによる厚板異長剪断技術に関し鋭意検討した結果、基準とした一方の鋼板を吊り上げ、その後吊り下げる際に、厚板剪断ラインの天井クレーンを利用し、一方の鋼板の先端を揃えるために上昇させたストッパーと、鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイドとを組み合せることによって、前記の課題を解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0014】
すなわち本発明は、以下のとおりである。
1.2分割した鋼板の剪断位置を入側搬送テーブル上で合致させてから、2分割した鋼板を入側搬送テーブルでエンドシャに搬送し、2分割した鋼板を合致させた剪断位置に沿って同時にエンドシャで剪断する剪断装置において、前記入側搬送テーブルのテーブルローラ間に設置した各鋼板の先端を揃える昇降可能なストッパーと、一方の鋼板を基準とした場合の他方の鋼板の移動量を測定する鋼板測長装置と、前記入側搬送テーブルの幅方向端部に設けられた鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイドと、を具備し、基準とした一方の鋼板を吊り上げ、その後吊り下げる際に、厚板剪断ラインの天井クレーンを利用し、一方の鋼板の先端を揃えるために上昇させたストッパーと、前記鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイドとに沿わせて、一方の鋼板を下降させるように構成したことを特徴とする厚板異長剪断装置。
2.前記昇降可能なストッパーは、各鋼板の先端を揃え終わったタイミングで前記入側搬送テーブルの運転を停止する機能も兼備することを特徴とする上記1.に記載の厚板異長剪断装置。
3.前記鋼板測長装置は、測定した移動量が所定値に一致したときに前記入側搬送テーブルの運転を停止する信号を送信可能とされていることを特徴とする上記1.または2.に記載の厚板異長剪断装置。
4.入側搬送テーブル上で2分割した鋼板の剪断位置を合致させてから、2分割した鋼板を入側搬送テーブルでエンドシャに搬送し、2分割した鋼板を合致させた剪断位置に沿って同時にエンドシャで剪断する剪断方法において、上記1.から3.のいずれか一項に記載の厚板異長剪断装置を用い、前記入側搬送テーブルのテーブルローラ間に設置したストッパーを上昇させておき、搬送されてくる2分割した鋼板の先端をストッパーに当接させて各鋼板の先端を揃える工程と、各鋼板の先端を揃え終わったタイミングで前記入側搬送テーブルの運転を停止させてから、先端を揃え終わった一方の鋼板を前記クレーン設備で吊り上げた後、先端を揃え終わった他方の鋼板のストッパーを下降させる工程と、前記入側搬送テーブルの運転を再開し、一方の鋼板を基準とした場合の他方の鋼板の移動量を前記鋼板測長装置で測定し、測定した移動量が所定値に一致したときに前記入側搬送テーブルの運転を停止する工程と、を有し、基準とした一方の鋼板をクレーン設備で吊り下げる際に、一方の鋼板の先端を揃えるために上昇させた状態のストッパーと、前記鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイドとに沿わせて一方の鋼板を下降させることを特徴とする厚板異長剪断方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、基準とした一方の鋼板をクレーン設備で吊り下げる際に、厚板剪断ラインの天井クレーンを利用し、一方の鋼板の先端を揃えるために上昇させた状態のストッパーと、鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイドとに沿わせて、一方の鋼板を下降させるように構成したから、一方の鋼板の振れを防止しつつ、一方の鋼板の位置決めを精度よく行うことができる。したがって、設備投資費および設備維持管理費の増大が抑制でき、入側搬送テーブルのテーブルローラと鋼板下面の間でスリップ接触が生じ難く、かつ効率のよい厚板異長剪断がエンドシャで行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明について説明する。
図1は、本発明法に用いる厚板異長剪断装置を説明する平面図であり、図2は本発明法を説明する平面図である。まず、図1を用い、本発明法に用いる厚板異長剪断装置について説明する。
1は所望の製品長さに剪断するエンドシャを示す。エンドシャ1の上流にはスリッタが設置され、スリッタで2分割した鋼板W1、W2が入側搬送テーブル7でエンドシャ1に送られてくる。入側搬送テーブル7には、幅方向に一体のテーブルローラ2が複数配置されており、エンドシャ1の下流側にも同様なテーブルローラ2を複数配置した出側搬送テーブル(図示せず)が配置されている。このような設備配置は、従来の厚板剪断ライン10と同様である(図7参照)。
【0017】
本発明法に用いる厚板異長剪断装置は、設備投資費および設備維持管理費の増大が抑制できるようにするため、以下の構成とした。
すなわち、厚板異長剪断装置は、図1に示したように、入側搬送テーブル7のテーブルローラ2間に設置した2分割した鋼板W1、W2の先端を揃える昇降可能なストッパー3A、3Bと、一方の鋼板を基準とした場合の他方の鋼板の移動量を測定する鋼板測長装置6と、入側搬送テーブル7の幅方向端部に設けられた鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイド5と、を具備する。
【0018】
ここで、クレーン設備4には、基準とした一方の鋼板W1を吊り上げ、吊り下げできる、吸着・離間自在な電磁式リフトマグネット付きの天井クレーンを適宜用いた。厚板剪断ラインにはこのような天井クレーンが複数台具備されている。
また、ストッパー3A、3Bは、独立して昇降可能となっている。その昇降タイミングは、後述するが、この独立して昇降可能なストッパーは、各鋼板W1、W2の先端を揃え終わったタイミングで、入側搬送テーブル7の運転を速やかに停止する機能も兼備する。
【0019】
なお、鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイド5に近いストッパー3Aが、基準とした一方の鋼板W1の先端と当接され、鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイド5から離れたストッパー3Bが、他方の鋼板W2の先端と当接される。先端が揃え終わった各鋼板のうち、一方の鋼板W1を、クレーン設備4で吊り上げ、吊り下げるようになっている(図2(a)、図2(b)参照)。
【0020】
移動量ΔLを測定する鋼板測長装置6としては、公知の接触式メジャリングロールを、他方の鋼板W2の先端部近くに配置すればよく、接触式メジャリングロールによれば、他方の鋼板W2を揃えるために用いたストッパー3Bを下降させ、他方の鋼板W2を入側搬送テーブル7で搬送しつつ移動量ΔLを精度よく測定することができる。
すなわち、ストッパー3A、3Bで各鋼板W1、W2の先端が揃え終わった後に、他方の鋼板W2を揃えるために用いたストッパー3Bを下降させ、その後一方の鋼板W1を吊り下げるまでの間に鋼板測長装置6で移動量ΔLを測定する。この移動量ΔLが所定値となるまで、入側搬送テーブル7で他方の鋼板W2を搬送しつつ測定する工程は、基準とした一方の鋼板W1をクレーン設備4で吊り上げた状態で実施される。
【0021】
したがって、エンドシャ1による厚板異長剪断を行うに際し、2分割した鋼板W1、W2の先端をストッパー3A、3Bで揃えるときに、各鋼板W1、W2の先端を揃え終わったタイミングで、入側搬送テーブル7の運転を速やかに停止するとともに、移動量ΔLが所定値となるまで、一方の鋼板W1に対し、他方の鋼板W2を入側搬送テーブル7で搬送する間、一方の鋼板W1をクレーン設備4で吊り上げた状態としているので、入側搬送テーブル7のテーブルローラ2と鋼板下面の間でスリップ接触が生じ難い。
【0022】
ただし、天井クレーンなどの厚板剪断ラインのクレーン設備4は、重量物の厚鋼板を吊り上げることができるが、厚鋼板を吊り下げる際には振れが発生するため、決められた位置に精度よく降ろすことは難しい。
そこで、本発明法に用いる厚板異長剪断装置においては、入側搬送テーブル7の幅方向端部に鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイド5を新たに設け、クレーン設備4を操作して一方の鋼板W1を吊り下げる際に、一方の鋼板W1の先端を揃えるために上昇させたストッパー3Aと、鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイド5に沿わせて一方の鋼板W1を降下させるようにした。したがって、クレーン設備4で振れを防止しつつ、一方の鋼板W1の先端を、吊り上げる前のストッパー3Aの当接面に一致させ、かつ一方の鋼板W1の幅方向を搬送方向に一致させることができる。
【0023】
なお、鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイド5は常時、入側搬送テーブル7の幅方向端部に設けておいてもよいが、不使用時に邪魔にならないようにテーブルローラ2よりも低くすることができるように昇降可能に設けてもよい。
次いで、厚板異長剪断装置を用いた本発明法について説明する。
先ず、搬送テーブル7のテーブルローラ間に設置したストッパー3A、3Bを上昇させておき、搬送されてくる2分割した鋼板W1、W2の先端をストッパー3A、3Bに当接させて各鋼板の先端を揃える工程と、各鋼板W1、W2の先端を揃え終わったタイミングで入側搬送テーブル7の運転を停止させてから、図2(a)に示すように、クレーン設備4を操作して先端を揃え終わった一方の鋼板W1をクレーン設備4で吊り上げる。その後、先端を揃え終わった他方の鋼板W2のストッパー3Bを下降させる工程と、入側搬送テーブル7の運転を再開し、一方の鋼板W1を基準とした場合の他方の鋼板W2の移動量ΔLを鋼板測長装置6で測定し、測定した移動量ΔLが所定値に一致したときに入側搬送テーブル7の運転を停止する工程とを経て、図2(b)に示すように、基準とした一方の鋼板W1をクレーン設備4で吊り下げる。その際、前述したとおり、一方の鋼板W1の先端を揃えるために上昇させた状態のストッパー3Aと、鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイド5とに沿わせて一方の鋼板W1を下降させるようした。
【0024】
したがって、以上説明した本発明法によれば、スリッタで2分割した鋼板W1、W2のどちらも、入側搬送テーブル上から土間に下ろすこともなく、入側搬送テーブル上で2分割した鋼板の剪断位置を合致させてから、2分割した鋼板を入側搬送テーブルでエンドシャに搬送し、エンドシャで合致させた剪断位置に沿って2分割した鋼板を同時に剪断する厚板異長剪断が効率よく行える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明法に用いる厚板異長剪断装置を説明する平面図である。
【図2】本発明法を説明する平面図である。
【図3】特許文献1に記載の厚板の剪断方法を説明する平面図である。
【図4】特許文献2に記載の厚板の剪断方法を説明する平面図である。
【図5】特許文献3に記載の厚板の剪断方法を説明する平面図である。
【図6】エンドシャによる厚板異長剪断方法を適用する2分割した鋼板の平面図である。
【図7】一例の厚板剪断ラインの平面図である。
【図8】(a)は厚板の製品を組み合せた圧延鋼板の平面図、(b)はエンドシャによる厚板異長剪断方法を適用する2分割した鋼板の平面図である。
【符号の説明】
【0026】
W 圧延鋼板
W1、W2 2分割した鋼板
ΔL 移動量
TA、TB 搬送領域
1 エンドシャ
2 テーブルローラ
3A、3B ストッパー
4 クレーン設備
5 鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイド
6 鋼板測長装置
7 入側搬送テーブル
8 剪断位置(剪断線)
10 厚板剪断ライン
11 クロップシャ
12 サイドシャ
13 スリッタ
14 エンドシャ
15 搬送テーブル
16、17、18、19 剪断位置(剪断線)
20 リフトアップ装置
21 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2分割した鋼板の剪断位置を入側搬送テーブル上で合致させてから、2分割した鋼板を入側搬送テーブルでエンドシャに搬送し、2分割した鋼板を合致させた剪断位置に沿って同時にエンドシャで剪断する剪断装置において、
前記入側搬送テーブルのテーブルローラ間に設置した各鋼板の先端を揃える昇降可能なストッパーと、一方の鋼板を基準とした場合の他方の鋼板の移動量を測定する鋼板測長装置と、前記入側搬送テーブルの幅方向端部に設けられた鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイドと、を具備し、基準とした一方の鋼板を吊り上げ、その後吊り下げる際に、厚板剪断ラインの天井クレーンを利用し、一方の鋼板の先端を揃えるために上昇させたストッパーと、前記鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイドとに沿わせて、一方の鋼板を下降させるように構成したことを特徴とする厚板異長剪断装置。
【請求項2】
前記昇降可能なストッパーは、各鋼板の先端を揃え終わったタイミングで前記入側搬送テーブルの運転を停止する機能も兼備することを特徴とする請求項1に記載の厚板異長剪断装置。
【請求項3】
前記鋼板測長装置は、測定した移動量が所定値に一致したときに前記入側搬送テーブルの運転を停止する信号を送信可能とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の厚板異長剪断装置。
【請求項4】
入側搬送テーブル上で2分割した鋼板の剪断位置を合致させてから、2分割した鋼板を入側搬送テーブルでエンドシャに搬送し、2分割した鋼板を合致させた剪断位置に沿って同時にエンドシャで剪断する剪断方法において、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の厚板異長剪断装置を用い、
前記入側搬送テーブルのテーブルローラ間に設置したストッパーを上昇させておき、搬送されてくる2分割した鋼板の先端をストッパーに当接させて各鋼板の先端を揃える工程と、
各鋼板の先端を揃え終わったタイミングで前記入側搬送テーブルの運転を停止させてから、先端を揃え終わった一方の鋼板を前記クレーン設備で吊り上げた後、先端を揃え終わった他方の鋼板のストッパーを下降させる工程と、
前記入側搬送テーブルの運転を再開し、一方の鋼板を基準とした場合の他方の鋼板の移動量を前記鋼板測長装置で測定し、測定した移動量が所定値に一致したときに前記入側搬送テーブルの運転を停止する工程と、を有し、
基準とした一方の鋼板をクレーン設備で吊り下げる際に、一方の鋼板の先端を揃えるために上昇させた状態のストッパーと、前記鋼板幅方向エッジ部位置決め用ガイドとに沿わせて、一方の鋼板を下降させることを特徴とする厚板異長剪断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−105110(P2010−105110A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278387(P2008−278387)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】