説明

原子炉格納容器冷却装置および原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋

【課題】事故初期の格納容器除熱開始の遅れを回避する。
【解決手段】原子炉格納容器冷却装置10Aは、原子炉を格納する原子炉格納容器1の表面を主蒸気管4が貫通する位置よりも上方であって、原子炉格納容器1を取り囲む原子炉建屋50Aの壁面と原子炉格納容器1の上部側表面とで囲まれた領域に、原子炉格納容器1の上部側を浸漬させて原子炉格納容器1を冷却する冷却水15を蓄え、上方が大気開放された冷却流路11を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉格納容器冷却装置および原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力プラントにおいて配管の破断等により冷却材が原子炉格納容器内へ放出された場合、冷却材が減圧によって高温の蒸気となるため、原子炉格納容器内の圧力が上昇する。このような事態が生じた場合でも圧力上昇を抑制し格納容器の健全性を確保するための方法(格納容器圧力抑制方法)が各種提案されている。
【0003】
従前は、発生した蒸気を格納容器内の圧力抑制プールに誘導し凝縮させる方法や、格納容器上部から格納容器スプレーにより内部に散水し、蒸気を凝縮させる方法が提案されてきたが、これらの方法は、圧力抑制プールやスプレー水へ蓄積された熱はポンプ等の動的機器により、熱交換器を介して最終的に外部へ放出する必要がある。
【0004】
近年、安全系の信頼性向上を図る観点から、格納容器圧力抑制方法についても、従前のような動的機器ではなく、重力などの自然に存在する受動的な力を駆動力として原子炉格納容器の除熱を行う技術が提案されている。受動的な力を駆動力として原子炉格納容器の除熱を行う技術の一例としては、例えば、米国特許第5049353号明細書(特許文献1)や米国特許第5345482号明細書(特許文献2)に記載されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5049353号明細書
【特許文献2】米国特許第5345482号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような特許文献1,2に記載される技術であっても、原子炉格納容器上部に設けられる冷却水貯蔵タンクからの散水は、冷却水貯蔵タンクの弁類を開放することによってなされるものであるが、弁類の開放は、運転員の手動による開放操作、または、弁類の開閉を制御する制御システムからの電気的な信号によって行われるため、誤操作または弁類の誤作動により散水できない場合も起こり得る。特に、電源喪失や多重故障が重なって発生するシビアアクシデント時に適切な操作または制御システムの正常な作動を期待するのは難しい。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、事故により冷却材が原子炉格納容器内へ放出された場合であっても、事故初期の格納容器除熱開始の遅れを回避することができる原子炉格納容器冷却装置および原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る原子炉格納容器冷却装置は、上述した課題を解決するため、原子炉を格納する原子炉格納容器の表面を主蒸気管が貫通する位置よりも上方であって、前記原子炉格納容器を取り囲む原子炉建屋の壁面と前記原子炉格納容器の上部側表面とで囲まれた領域に、前記原子炉格納容器の上部側を浸漬させて前記原子炉格納容器を冷却する冷却材を蓄え、上方が大気開放された冷却材貯蔵部を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る原子炉建屋は、上述した課題を解決するため、上記の原子炉格納容器冷却装置の何れかを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、事故により冷却材が原子炉格納容器内へ放出された場合であっても、事故初期の原子炉格納容器の除熱開始遅れを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置および当該原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋の原子炉通常運転時における構成を示す概略図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置の事故(一次系配管破断事故)後初期における作用を説明する説明図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置の事故後長期における作用を説明する説明図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置および当該原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋の原子炉通常運転時における構成を示す概略図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置および当該原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋の原子炉通常運転時における構成を示す概略図。
【図6】本発明の第3の実施形態の他の実施例に係る原子炉格納容器冷却装置および当該原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋の原子炉通常運転時における構成を示す概略図。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置および当該原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋の原子炉通常運転時における構成を示す概略図。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置および当該原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋の一次系配管破断事故後長期における作用を説明する説明図。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置および当該原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋における構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置および原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋について、添付の図面を参照して説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置および原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋の一実施例である第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉格納容器冷却装置10Aを備えた原子炉建屋(以下、単に「第1の原子炉建屋」と称する。)50Aの原子炉通常運転時における構成図である。
【0014】
例えば、加圧水型原子炉(Pressurized Water Reactor:PWR)等の原子炉を格納する原子炉格納容器1の内部の主蒸気系における一次配管が破断する事故が発生した場合、冷却材(加圧水)が原子炉格納容器1の内部へ放出されて減圧されることによって高温の蒸気となる。第1の原子炉格納容器冷却装置10Aは、一次配管破断等の事故発生時に高温蒸気による原子炉格納容器1の圧力上昇を防止するために原子炉格納容器1を冷却する装置である。
【0015】
第1の原子炉建屋50Aの屋内には、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aによって冷却される原子炉格納容器1が設置されており、この原子炉格納容器1は、内部に原子炉を収容した原子炉圧力容器2と蒸気発生器(Steam Generater)3とを格納する。原子炉格納容器1では、原子炉圧力容器2の内部で生じた核反応の熱エネルギーによって蒸気発生器3で蒸気が発生し、発生した蒸気は蒸気発生器3から主蒸気管4を通して後段のタービン側(図において省略)へ供給される。
【0016】
第1の原子炉格納容器冷却装置10Aは、主蒸気管4が原子炉格納容器1および建屋壁5を貫通する部分より上方に設けられた冷却流路11を備える。第1の原子炉格納容器冷却装置10Aが備える冷却流路11は、主蒸気管4が原子炉格納容器1および建屋壁5を貫通する部分より上方、かつ、原子炉格納容器1と建屋壁5との間に設けられ、例えば、仕切り板12等の仕切りによって内側流路13と外側流路14に分割される。
【0017】
内側流路13と外側流路14とは、冷却流路11の下端でそれぞれの下端が連通しており、内側流路13の上端は、上方に向かって大気開放される。一方、外側流路14の上端は、外周方向に向かって大気開放される。原子炉の通常運転時には、冷却流路11に、常時、冷却材としての冷却水15が蓄えられており、原子炉格納容器1の上部側は冷却水15によって浸漬される。すなわち、冷却流路11は、原子炉格納容器1を冷却する原子炉格納容器冷却部および冷却水(冷却材)15を貯蔵する冷却材貯蔵部としての役割を果たす。冷却水15の貯水量は、原子炉格納容器1の健全性を確保するために必要な分を最低限確保しておく。
【0018】
また、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aは、冷却流路11より下方であって、原子炉格納容器1と建屋壁5とで囲まれた第1の原子炉建屋50A内の略環状の空間において、当該空間の上端近傍に位置する天井側と下端近傍に位置する地上側とにそれぞれ建屋壁5を貫通する通風孔16を設けて形成した空気流路17をさらに備える。空気流路17は、原子炉建屋50Aの外部と内部とで空気を通風して、主に原子炉格納容器1の下部側を空冷する。
【0019】
なお、符号18は一次系配管破断事故後において冷却水15が蒸発して発生した水蒸気および冷却流路11を通風する空気の排出口となる排気口であり、符号19は冷却流路11を通風する空気の吸入口となる吸気口である。
【0020】
続いて、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aの作用について説明する。
【0021】
図2は本発明の第1の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置の一実施例である第1の原子炉格納容器冷却装置10Aの一次系配管破断事故後初期における作用を説明する説明図である。
【0022】
一次系配管破断事故が発生した場合、破断口から放出された高温の水蒸気S(図2において破線で示す)は、原子炉格納容器1内の雰囲気との密度差によって上昇し、容器上部へと移動する。容器上部は冷却流路11に蓄えられた冷却水15よって冷却されており、破断口から流出した水蒸気Sは原子炉格納容器1の上部壁面で冷却され、凝縮水となって落下する。
【0023】
冷却流路11の内側流路13では、原子炉格納容器1の壁面からの伝熱により、冷却水15の温度が上昇して沸騰が生じ、蓄えられていた冷却水15は蒸気に変わる。発生した蒸気は内側流路13の上方で大気開放された排気口18から大気に放出される。
【0024】
一方、図3は本発明の第1の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置の一実施例である第1の原子炉格納容器冷却装置10Aの一次系配管破断事故後長期における作用を説明する説明図である。
【0025】
沸騰、蒸発によって冷却流路11に貯水していた冷却水15が枯渇すると、冷却流路11の外側流路14と内側流路13の気相部分が連通する。その結果、外気が冷却流路11の吸気口19から外側流路14に流入し、内側流路13に導かれ、原子炉格納容器1の外壁面で昇温され、内側流路13に設けられた冷却流路11の排気口18から流出するという空気の自然循環流が形成される。
【0026】
一方、空気流路17内の空気についても、原子炉格納容器1の壁面からの放熱で温められ、上部の通風孔16から排気されるとともに、下部の通風孔16から外気が流入するので、空気の自然循環流が形成される。この空気流路17で生じる空気の自然循環流によって原子炉格納容器1の冷却効果をさらに高めることができる。
【0027】
このように構成された第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aによれば、一次系配管破断等の事故が発生し、原子炉格納容器1の内部に高温の水蒸気Sが放出された場合、運転員による操作および制御系による制御操作を要することなく、冷却水15によって冷却される原子炉格納容器1が内部の水蒸気Sを速やかに凝縮するので、事故初期の原子炉格納容器1の除熱開始遅れを回避することができる。
【0028】
また、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aは、運転員による操作および制御系による制御操作を要することなく、冷却水15によって冷却される原子炉格納容器1が内部の水蒸気Sを速やかに凝縮するので、一次系配管破断等の事故が発生後も原子炉格納容器1の圧力上昇および温度上昇を抑制することができる。
【0029】
さらに、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aは、事故後初期には冷却流路11内に蓄えられた冷却水15が核沸騰することで、高い熱伝達率を維持し、時間の経過と共に崩壊熱レベルが低下した段階では、空気の自然対流熱伝達を利用するため、冷却流路11内の初期保有水量(冷却水15の初期量)を抑制することができる。
【0030】
さらにまた、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aでは、冷却流路11を主蒸気管4が建屋壁5を貫通する部分よりも上方に設けているので、冷却流路11の設置によって通常運転中の主蒸気管4からの放熱および主蒸気管4の保守作業が影響を受けることはない。また、破断口から放出された高温の水蒸気Sは、原子炉格納容器1の上部へと移動するため、原子炉格納容器1の上部側を冷却することによって、蒸気凝縮の効率を良くすることができる。
【0031】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置および原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋の一実施例である第1の原子炉格納容器冷却装置10Bおよび第2の原子炉格納容器冷却装置10Bを備えた原子炉建屋(以下、単に「第2の原子炉建屋」と称する。)50Bの原子炉通常運転時における構成図である。
【0032】
第2の原子炉格納容器冷却装置10Bおよび第2の原子炉建屋50Bは、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aに対して、建屋上部の構成(冷却流路11の形状)が相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【0033】
第2の原子炉建屋50Bでは、第1の原子炉建屋50Aの建屋上部の建屋幅が狭まる地点から上方の上部仕切り壁21をそのまま維持しつつ、建屋上部の建屋幅が狭まる地点からさらに上方へ延伸させて形成した建屋壁(外壁)5が設けられる。また、上部仕切り壁21の傾斜面に貫通孔22を設けて、延伸させて形成した建屋壁(外壁)5および上部仕切り壁21の間に形成された空間と冷却流路11とを連通させる。さらに、貫通孔22からは、冷却流路11の下端近傍まで略垂直下方に延伸した下部仕切り壁23を設ける。
【0034】
図4に示される第2の原子炉建屋50Bでは、一例として、上部仕切り壁21の傾斜面の建屋壁(外壁)5側の端部に貫通孔22を設けられており、下部仕切り壁23と相俟って、建屋壁(外壁)5および上部仕切り壁21の間に形成された空間から略垂直に延びた冷却流路11の外部流路14が構成される。すなわち、第2の原子炉格納容器冷却装置10Bおよび第2の原子炉建屋50Bでは、上部仕切り壁21および下部仕切り壁23が内部流路13と外部流路14とを仕切る仕切りとしての役割を果たす。
【0035】
第2の原子炉格納容器冷却装置10Bおよび第2の原子炉建屋50Bでは、外部流路14が略垂直に形成されており、内部流路13へ流入するまでの経路において、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aで形成される外部流路14のような傾斜面を有さず、常に下り勾配となる。そのため、外部流路14の傾斜面に冷却水15が残留し得る第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aよりも、より多くの冷却水15を使い切れる。
【0036】
このように構成された第2の原子炉格納容器冷却装置10Bおよび第2の原子炉建屋50Bは、一次系配管破断事故が発生した場合、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aと同様に作用する。すなわち、事故後初期においては、冷却流路11内に蓄えられた冷却水15が核沸騰し、原子炉格納容器1の冷却を維持する一方、崩壊熱レベルが低下した事故後長期においては、建屋壁(外壁)5および上部仕切り壁21の間に形成された空間から貫通孔22(吸気口19)から建屋内に外気を導入し、外部流路14から内部流路13へ外気を通風させて排気口18から排気して原子炉格納容器1を冷却する。
【0037】
第2の原子炉格納容器冷却装置10Bおよび第2の原子炉建屋50Bによれば、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aと同様の効果を奏することができる。また、第2の原子炉格納容器冷却装置10Bおよび第2の原子炉建屋50Bでは、外部流路14が略垂直に形成されており、内部流路13へ流入するまでの経路は常に下り勾配となっている点で、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aよりも多くの冷却水15を使い切れる。
【0038】
さらに、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aよりも、建屋壁(外壁)5および上部仕切り壁21の間に形成された空間に貯水される水量だけ冷却水15の貯水量が増えるので、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aよりも長期間にわたって原子炉格納容器1を冷却することができる。
【0039】
[第3の実施形態]
図5は、本発明の第3の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置および原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋の一実施例である第3の原子炉格納容器冷却装置10Cおよび第3の原子炉格納容器冷却装置10Cを備えた原子炉建屋(以下、単に「第3の原子炉建屋」と称する。)50Cの原子炉通常運転時における構成図である。
【0040】
第3の原子炉格納容器冷却装置10Cおよび第3の原子炉建屋50Cは、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aに対して、建屋の屋根の上に天板25を備えた貯蔵タンク26をさらに備える点と冷却流路11の仕切り板12を備えない点で相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【0041】
第3の原子炉格納容器冷却装置10Cおよび第3の原子炉建屋50Cは、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aに対して、冷却水15を蓄える冷却流路11の仕切り板12を備えない一方、建屋の屋根の上に冷却材貯蔵部としての貯蔵タンク26をさらに備えて構成される。また、貯蔵タンク26には天板25が設けられており、建屋外側に位置する側面の略上端部は、大気開放される。
【0042】
また、第3の原子炉格納容器冷却装置10Cおよび第3の原子炉建屋50Cは、略垂直に延在する冷却水供給管28によって貯蔵タンク26と冷却流路11とが連通されており、貯蔵タンク26から冷却流路11までは、常に下り勾配となるように構成される。貯蔵タンク26から冷却流路11までの流路を常に下り勾配となるようにすることで、貯蔵タンク26の冷却水15は、重力によって冷却流路11まで供給されるので、有効に利用することができる。
【0043】
冷却水供給管28は、例えば、貯蔵タンク26の底面から冷却流路11の下端近傍まで略垂直に延びており、この冷却水供給管28が冷却流路11の外側流路14を構成する。貯蔵タンク26から冷却流路11の下端近傍まで略垂直に冷却水供給管28を延ばすことによって、事故後長期において、外部流路14および内部流路13を通風する空気の自然循環流によって原子炉格納容器1を冷却することができる。
【0044】
このように構成された第3の原子炉格納容器冷却装置10Cおよび第3の原子炉建屋50Cでは、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aと同様に作用する。すなわち、事故後初期においては、冷却流路11内に蓄えられた冷却水15が核沸騰し、原子炉格納容器1の冷却を維持する一方、崩壊熱レベルが低下した事故後長期においては、貯蔵タンク26の大気開放箇所(吸気口19)から冷却水供給管28を介して建屋内に外気を導入し、外部流路14を構成する冷却水供給管28から内部流路13へ外気を通風させて排気口18から排気して原子炉格納容器1を冷却する。
【0045】
第3の原子炉格納容器冷却装置10Cおよび第3の原子炉建屋50Cでは、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aと同様の効果を奏することができる。また、第3の原子炉格納容器冷却装置10Cおよび第3の原子炉建屋50Cでは、略垂直に延在する冷却水供給管28によって外部流路14が構成されており、内部流路13へ流入するまでの経路は常に下り勾配となっている点で、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aよりも、より多くの冷却水15を使い切れる。
【0046】
さらに、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aよりも、建屋壁(外壁)5および上部仕切り壁21の間に形成された空間に貯水される水量だけ冷却水15の貯水量が増えるので、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aよりも、より長期間にわたって原子炉格納容器1を冷却することができる。
【0047】
さらにまた、第3の原子炉格納容器冷却装置10Cおよび第3の原子炉建屋50Cでは、貯蔵タンク26に貯水された冷却水15の重量を建屋側で支えることができるので、第2の原子炉格納容器冷却装置10Bおよび第2の原子炉建屋50Bよりも、内側流路13の内部に貯水する冷却水15の水量を減らすことができ、原子炉格納容器1にかかる水圧の負担を軽減することができる。
【0048】
なお、第3の原子炉格納容器冷却装置10Cおよび第3の原子炉建屋50Cは、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aよりも貯水量が多く、冷却水15によって原子炉格納容器1の圧力上昇および温度上昇のおそれがないと認められるまでの間、原子炉格納容器1の冷却を継続できる可能性が高いため、必ずしも、冷却流路11を外部流路14と内部流路13に分けて構成することを要しない。
【0049】
例えば、図6に示される第3の原子炉格納容器冷却装置10Cおよび第3の原子炉建屋50Cの変形例のように、貯蔵タンク26は、天板25を備えないであっても良いし、冷却水供給管28の取り付け箇所および長さも、貯蔵タンク26の冷却水15を冷却流路11へ供給できる限りにおいて任意である。
【0050】
[第4の実施形態]
図7は、本発明の第4の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置および原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋の一実施例である第4の原子炉格納容器冷却装置10Dおよび第4の原子炉格納容器冷却装置10Dを備えた原子炉建屋(以下、単に「第4の原子炉建屋」と称する。)50Dの原子炉通常運転時における構成図である。
【0051】
第4の原子炉格納容器冷却装置10Dおよび第4の原子炉建屋50Dは、第3の原子炉格納容器冷却装置10Cおよび第3の原子炉建屋50Cに対して、冷却流路11の代わりに冷却材貯蔵部としての貯水槽30を備える点と、貯蔵タンク26の代わりに冷却材貯蔵部としての貯蔵タンク31が屋根の上に設けられる点と、冷却水供給管28の代わりに散水管32が設けられる点で相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【0052】
第4の原子炉格納容器冷却装置10Dおよび第4の原子炉建屋50Dは、第3の原子炉格納容器冷却装置10Cおよび第3の原子炉建屋50Cに対して、冷却流路11の代わりに冷却水15を貯水する貯水槽30を備える。この貯水槽30は、主蒸気管4が原子炉格納容器1および建屋壁5を貫通する部分より上方、かつ、原子炉格納容器1と建屋壁5との間に設けられる。
【0053】
貯蔵タンク31は、冷却水15を貯水する点で、貯蔵タンク26と同様であるが、大気開放箇所を有さない。貯蔵タンク31には、一端が貯蔵タンク31に、他端が貯水槽30内であって、原子炉格納容器1の上方に位置する散水管32が取り付けられている。散水管32には、弁33が開閉自在に取り付けられており、弁33を開放することによって貯蔵タンク31に貯水した冷却水15を原子炉格納容器1へ散布(散水)することができる。なお、弁33は原子炉通常運転時では閉じておく。
【0054】
図8は、第4の原子炉格納容器冷却装置10Dおよび第4の原子炉建屋50Dの一次系配管破断事故後長期における作用を説明する説明図である。
【0055】
第4の原子炉格納容器冷却装置10Dおよび第4の原子炉建屋50Dは、事故後初期においては、他の原子炉格納容器冷却装置10A〜10C,10Eおよび原子炉建屋50A〜50C,50Eと同様に、原子炉格納容器1の上部は貯水槽30に蓄えられた冷却水15によって冷却されており、水蒸気は原子炉格納容器1の上部壁面で冷却され、凝縮水となって落下する。貯水槽30では原子炉格納容器1の壁面からの伝熱により冷却水15の沸騰が生じ、発生した蒸気は排気口18から大気へ放出される。
【0056】
事故発生からしばらくすると、貯水槽30の冷却水15はその多くまたは全てが蒸発している。その後、貯水槽30のさらなる水位低下または原子炉格納容器1の頂部の温度上昇を検知した場合には、運転員または弁33の開閉を制御する制御系によって弁33を開放する。第4の原子炉格納容器冷却装置10Dおよび第4の原子炉建屋50Dは、弁33を開放することにより、貯蔵タンク31から散水管32を通って重力により冷却水15を原子炉格納容器1の頂部に散水する。
【0057】
このように構成された第4の原子炉格納容器冷却装置10Dおよび第4の原子炉建屋50Dによれば、一次系配管破断等の事故が発生し、原子炉格納容器1の内部に高温の水蒸気Sが放出された場合、運転員による操作および制御系による制御操作を要することなく、冷却水15によって冷却される原子炉格納容器1が内部の水蒸気Sを速やかに凝縮するので、事故初期の原子炉格納容器1の除熱開始遅れを回避することができる。
【0058】
また、第4の原子炉格納容器冷却装置10Dおよび第4の原子炉建屋50Dは、事故初期において運転員による操作および制御系による制御操作を要することなく、冷却水15によって冷却される原子炉格納容器1が内部の水蒸気Sを速やかに凝縮するので、一次系配管破断等の事故が発生後も原子炉格納容器1の圧力上昇および温度上昇を抑制することができる。
【0059】
さらに、第4の原子炉格納容器冷却装置10Dおよび第4の原子炉建屋50Dでは、貯水槽30を主蒸気管4が建屋壁5を貫通する部分よりも上方に設けているので、貯水槽30の設置によって通常運転中の主蒸気管4からの放熱および主蒸気管4の保守作業が影響を受けることはない。さらにまた、破断口から放出された高温の水蒸気Sは、原子炉格納容器1の上部へと移動するため、原子炉格納容器1の上部側を冷却することによって、蒸気凝縮の効率を良くすることができる。
【0060】
また、第4の原子炉格納容器冷却装置10Dおよび第4の原子炉建屋50Dでは、従来の原子炉格納容器冷却装置および原子炉建屋に対して、事故後長期にも弁33を開放することで原子炉格納容器1の頂部から冷却水15を散水し、効率良く原子炉格納容器1を冷却することができる。
【0061】
さらに、貯蔵タンク31から冷却水15を散水するのは、原子炉格納容器1の頂部の温度上昇を検知した場合等の特定の場合になるので、第1〜3の原子炉格納容器冷却装置10A〜10Cおよび第1〜3の原子炉建屋50A〜50Cと比較して、原子炉格納容器1の除熱に必要な冷却水15の水量を抑制することができる。
【0062】
[第5の実施形態]
図9は、本発明の第5の実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置および原子炉格納容器冷却装置を備えた原子炉建屋の一実施例である第5の原子炉格納容器冷却装置10Eおよび第5の原子炉格納容器冷却装置10Eを備えた原子炉建屋(以下、単に「第5の原子炉建屋」と称する。)50Eの原子炉通常運転時における構成図である。
【0063】
第5の原子炉格納容器冷却装置10Eおよび第5の原子炉建屋50Eは、第4の原子炉格納容器冷却装置10Dおよび第4の原子炉建屋50Dに対して、貯水槽30へ冷却水15を貯水する構成が相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【0064】
第5の原子炉格納容器冷却装置10Eおよび第5の原子炉建屋50Eは、第4の原子炉格納容器冷却装置10Dおよび第4の原子炉建屋50Dに対して、貯蔵タンク31および弁33が取り付けられた散水管32の代わりに、冷却水供給管40を介して貯水槽30へ冷却水15を供給する冷却材蓄圧貯蔵部としての蓄圧タンク41を設けたものである。
【0065】
冷却水供給管40の一端は貯水槽30の下端近傍に接続されており、他端は蓄圧タンク41に接続される。また、冷却水供給管40には、減圧弁42と逆止弁43が設けられている。
【0066】
蓄圧タンク41は、冷却水15を蓄圧して貯水する。蓄圧タンク41の圧力が貯水槽30の水位で決まる水頭と冷却水供給管40の圧力損失の和とバランスするように減圧弁42を調整する。蓄圧タンク41の冷却水15は、貯水槽30の水量低下によって冷却水15の圧力が減少すると、減圧弁42の作用により、冷却水供給管40を通って貯水槽30へ供給される。逆止弁43が設けられているのは、貯水槽30から蓄圧タンク41側へ逆流を防止するためである。
【0067】
このように構成された第5の原子炉格納容器冷却装置10Eおよび第5の原子炉建屋50Eでは、冷却水15の沸騰および蒸発によって貯水槽30に蓄えられた冷却水15の水位が低下すると、低下した水頭分の圧力とバランスする流量が蓄圧タンク41から冷却水供給管40を通って貯水槽30へ供給され、貯水槽30における冷却水15の水位を一定に保つ。万が一、蓄圧タンク41で漏洩があった場合であっても、逆止弁43によって貯水槽30の冷却水15が流出することはない。
【0068】
第5の原子炉格納容器冷却装置10Eおよび第5の原子炉建屋50Eによれば、第1の原子炉格納容器冷却装置10Aおよび第1の原子炉建屋50Aと同様の効果を奏することができる。
【0069】
また、第5の原子炉格納容器冷却装置10Eおよび第5の原子炉建屋50Eは、蓄圧タンク41および減圧弁42によって貯水槽30における冷却水15の水位を一定に保つことができるので、他の原子炉格納容器冷却装置10A〜10Dおよび原子炉建屋50A〜50Dよりも原子炉通常運転時における貯水槽30(または冷却流路11)の冷却水15の貯水量を少なくすることができる。
【0070】
さらに、貯水槽30における冷却水15の水位を一定に保つことができる第5の原子炉格納容器冷却装置10Eおよび第5の原子炉建屋50Eは、事故発生後も長期にわたり原子炉格納容器1の浸漬(冠水)状態を維持し、核沸騰熱伝達による高い伝熱効率を維持することができる。
【0071】
以上、原子炉格納容器冷却装置10A〜10Eおよび原子炉建屋50A〜50Eによれば、一次系配管破断等の事故が発生し、原子炉格納容器1の内部に高温の水蒸気Sが放出された場合、運転員による操作および制御系による制御操作を要することなく、冷却水15によって冷却された原子炉格納容器1の頂部で内部の水蒸気Sを速やかに凝縮するので、事故初期の原子炉格納容器1の除熱開始遅れを回避することができ、一次系配管破断等の事故が発生後も原子炉格納容器1の圧力上昇および温度上昇を抑制することができる。
【0072】
また、原子炉格納容器冷却装置10A〜10Eおよび原子炉建屋50A〜50Eによれば、事故後初期には冷却流路11または貯水槽30に蓄えられた冷却水15が核沸騰するので、高い熱伝達率を維持することができる。また、時間の経過とともに崩壊熱レベルが低下した段階では空気の自然対流熱伝達を利用するため、冷却流路11内の初期保有水量を抑制することができる。
【0073】
さらに、原子炉格納容器冷却装置10A〜10Eおよび原子炉建屋50A〜50Eでは、冷却流路11および貯水槽30を主蒸気管4が建屋壁5を貫通する部分よりも上方に設けているので、冷却流路11または貯水槽30の設置によって、通常運転中の主蒸気管4からの放熱および主蒸気管4の保守作業が影響を受けることはない。さらにまた、破断口から放出された高温の水蒸気Sは、原子炉格納容器1の上部へと移動するため、原子炉格納容器1の上部側を冷却することによって、高温の水蒸気Sを効率良く凝縮することができる。
【0074】
なお、添付の図面は加圧水型原子炉(PWR)の場合の例を示しているが、本発明を適用する上では、加圧水型原子炉に限定されることなく沸騰水型原子炉(BWR)の場合についても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 原子炉格納容器
2 原子炉圧力容器
3 蒸気発生器(SG)
4 主蒸気管
10A〜10E 原子炉格納容器冷却装置
11 冷却流路(冷却材貯蔵部)
13 内側流路
14 外側流路
15 冷却水(冷却材)
16 通風孔
17 空気流路
18 排気口
19 吸気口
21 上部仕切り壁
22 貫通孔
23 下部仕切り壁
25 天板
26 貯蔵タンク(冷却材貯蔵部)
28 冷却水供給管
30 貯水槽(冷却材貯蔵部)
31 貯蔵タンク(冷却材貯蔵部)
32 散水管
33 弁
40 冷却水供給管
41 蓄圧タンク(冷却材蓄圧貯蔵部)
42 減圧弁
43 逆止弁
50A〜50E 原子炉建屋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉を格納する原子炉格納容器の表面を主蒸気管が貫通する位置よりも上方であって、前記原子炉格納容器を取り囲む原子炉建屋の壁面と前記原子炉格納容器の上部側表面とで囲まれた領域に、前記原子炉格納容器の上部側を浸漬させて前記原子炉格納容器を冷却する冷却材を蓄え、上方が大気開放された冷却材貯蔵部を備えることを特徴とする原子炉格納容器冷却装置。
【請求項2】
前記冷却材貯蔵部に仕切りを設け、前記仕切りよりも前記原子炉格納容器の位置する側を内側流路とする一方、前記仕切りよりも前記原子炉建屋の壁面側に位置する外側流路とし、前記内側流路の下部開放部と前記外側流路の下部開放部とを連通させて構成した冷却流路を前記冷却材貯蔵部に備え、この冷却流路は、前記内側流路の上部開放部は上向きに開口し、前記外側流路の上部開放部は前記原子炉建屋の外周向きに開口することを特徴とする請求項1記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項3】
前記原子炉格納容器の頂部よりも高い位置に底を有し、前記冷却材貯蔵部とは別の第2の冷却材貯蔵部をさらに備え、
前記第2の冷却材貯蔵部は、前記冷却材貯蔵部と冷却材供給管によって連通するように構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項4】
前記冷却材供給管は、一端が前記第2の冷却材貯蔵部の底面と接続されており、他端は前記冷却材供給管と前記第2の冷却材貯蔵部の底面との接続位置から重力が作用する方向に延伸して前記冷却材貯蔵部と連通する位置であることを特徴とする請求項3記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項5】
前記第2の冷却材貯蔵部は、前記原子炉建屋の屋根の上に設置されることを特徴とする請求項3又は4記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項6】
前記第2の冷却材貯蔵部は、上部が大気に開放されていることを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項7】
前記冷却材供給管は、開閉自在の弁を有し、前記弁を開放することで前記第2の冷却材貯蔵部に蓄えられた冷却材を前記原子炉格納容器の頂部へ散布するように可能に設けたことを特徴とする請求項3記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項8】
前記冷却材を蓄圧して貯蔵する冷却材蓄圧貯蔵部をさらに備え、
前記冷却材蓄圧貯蔵部は、貯蔵している冷却材を前記冷却材貯蔵部へ供給可能に前記冷却材貯蔵部と冷却材供給管で接続されており、前記冷却材供給管には、前記冷却材蓄圧貯蔵部の圧力が前記冷却材貯蔵部の水位で決まる水頭と冷却水供給管の圧力損失の和とバランスするように調整した減圧弁を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項9】
前記冷却材貯蔵部よりも下に位置する前記原子炉建屋の壁面に、外気を前記原子炉建屋の内に吸気する吸気口となる第1の貫通孔と、前記第1の貫通孔から前記原子炉建屋の内に導入した外気を前記原子炉建屋の外へ排気する排気口となる第2の貫通孔とを設け、前記冷却材貯蔵部の底、前記原子炉格納容器の表面、および前記原子炉建屋の壁面で囲まれた空間を、空気流路として形成し、
前記第2の貫通孔は、前記第1の貫通孔よりも上方に設けられることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の原子炉格納容器冷却装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載の原子炉格納容器冷却装置を備えたことを特徴とする原子炉建屋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−198168(P2012−198168A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63754(P2011−63754)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】