説明

原子炉炉内構造物の補修方法

【課題】溶接の終端部の溶接割れを確実に抑制することができる原子炉の炉内構造物の補修方法を提供する。
【解決手段】原子炉炉内構造物の補修予定箇所に開先加工部1を形成する第1のステップと、前記開先加工部1の一方の端部を含む所定範囲の炉内構造物表面に対し平坦部側から溶接ワイヤを供給して第1の溶接を実施し第1溶接部2を形成する第2のステップと、開先加工部1側の第1溶接部2を除去する第3のステップと、前記開先加工部1と除去後の第1溶接部2に対しワイヤを供給する第2の溶接を前記第1の溶接とは逆方向に実施し第2溶接部3を形成する第4のステップと、第3以降の溶接を前記第2溶接部3の上部でかつ前記除去後の第1溶接部2から出ないように実施し、複数層からなる溶接部4を形成する第5のステップと、前記第5ステップで形成された溶接層の表面を削り取る第6のステップと、を有する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の補修方法に関し、特に、原子炉の炉内構造物の補修や耐食性改善に適用する補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉の炉内構造物は、高エネルギーの放射線照射と高温高圧の環境下で応力腐食割れ等によってき裂が発生する場合がある。このような炉内構造物の補修方法として、き裂状の欠陥が発生している領域を除去した後、除去部表面を点溶接施工法により各点溶接部をハーフラップさせながら溶融部を連続もしくは断続的に形成した初層溶接を施工した上で、き裂除去部を肉盛溶接層で積層する溶接補修方法が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、欠陥補修を安定して行うことができるレーザ溶接補修方法も提案されている。その一つとして、開口欠陥に対して、放電加工により欠陥部を完全に除去することによりき裂除去部を形成し、当該き裂除去部に溶加材を供給しながらレーザ光を照射することで溶加材を肉盛溶接し、き裂除去部が肉盛溶接層で一杯になったところで、き裂除去部を含む領域に、さらに溶加材を供給しながら表面にレーザ溶接部を形成するレーザ補修方法が知られている(特許文献2)。
【0004】
また、配管内面にレーザクラッド溶接を行う場合、スパイラル状に施工するがレーザクラッド溶接部の最終端側においてはレーザ溶接方向を逆にするレーザクラッド溶接方法も知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−15481号公報
【特許文献2】特開2001−287062号公報
【特許文献3】特開2000−153383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、補修溶接が必要となる供用期間が長い原子炉の炉内構造物は不純物成分が高くなっている。とくに、炉内構造物に含まれるリン、硫黄は溶接割れ発生の原因となり、溶接ワイヤを供給しない溶接の終端部で溶接割れが顕著に発生することが知られている。
【0007】
また、従来の原子炉の炉内構造物の補修方法において、特許文献1に開示の点溶接法では入熱温度が低いため、リンや硫黄の影響は受けにくいが、ワイヤを供給しないことから、溶接割れ発生のリスクは高い。
また、特許文献2に開示のレーザ溶接補修方法では、溶接割れに対する有効な対策が講じられていない。
【0008】
さらに、特許文献3に開示のレーザクラッド溶接補修方法では、配管内面をスパイラル状に施工するため溶接の終端部がほとんどなく、かつ最後に、先に作ったクラッド層で溶接を終了するため、溶接割れを防ぐには有効である。しかしながら、このレーザクラッド溶接方法は、配管内面全体にわたる補修には有効であるが、き裂除去部の肉盛施工のような局所的な補修施工に適用することはできないという課題があった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、溶接の終端部の溶接割れを確実に抑制することができる原子炉の炉内構造物の補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る原子炉炉内構造物の補修方法は、原子炉炉内構造物の補修予定箇所に開先加工部を形成する第1のステップと、前記開先加工部の一方の端部を含む所定範囲の炉内構造物表面に対し平坦部側から溶接ワイヤを供給して第1の溶接を実施し第1溶接部を形成する第2のステップと、開先加工部側の第1溶接部を除去する第3のステップと、前記開先加工部と除去後の第1溶接部に対しワイヤを供給する第2の溶接を前記第1の溶接とは逆方向に実施し第2溶接部を形成する第4のステップと、第3以降の溶接を前記第2溶接部の上部でかつ前記除去後の第1溶接部から出ないように実施し、複数層からなる溶接部を形成する第5のステップと、前記第5ステップで形成された溶接層の表面を削り取る第6のステップと、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る原子炉炉内構造物の補修方法は、原子炉炉内構造物の補修予定箇所の一方の端部を含む所定範囲の炉内構造物表面に対し第1開先加工部を形成する第1のステップと、前記第1開先加工部に対し当該開先加工部の外側から溶接ワイヤを供給する第1の溶接を実施し第1溶接部を形成する第2のステップと、前記第1溶接部の終端部側を含む補修予定箇所に第2開先加工部を形成する第3のステップと、前記第2開先加工部と前記第3のステップにおける開先加工後の第1溶接部に対しワイヤを供給する第2の溶接を前記第1の溶接とは逆方向に実施し第2溶接部を形成する第4のステップと、第3以降の溶接を前記第2溶接部の上部でかつ前記第3のステップにおける開先加工後の第1溶接部から出ないように実施し、複数層からなる溶接部を形成する第5のステップと、前記第5ステップで形成された溶接層の表面を削り取る第6のステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る原子炉炉内構造物の補修方法は、原子炉炉内構造物の補修予定箇所の一方の端部を含む所定範囲の炉内構造物表面に対し外側から前記補修予定箇所に向けて溶接ワイヤを供給する第1の溶接を実施し第1溶接部を形成する第1のステップと、前記第1溶接部の終端部側を含む前記補修予定箇所に開先加工部を形成する第2のステップと、前記開先加工部と前記第2のステップにおける開先加工後の第1溶接部に対しワイヤを供給する第2の溶接を前記第1の溶接とは逆方向に実施し第2溶接部を形成する第3のステップと、第3以降の溶接を前記第2溶接部の上部でかつ前記第3のステップにおける開先加工後の第1溶接部から出ないように実施し、複数層からなる溶接部を形成する第4のステップと、前記第4ステップで形成された溶接層の表面を削り取る第5のステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る原子炉炉内構造物の補修方法は、原子炉炉内構造物の補修予定箇所に開先加工部を形成する第1のステップと、前記開先加工部に対し、当該開先加工部の一方の外側の平坦部側から他方の平坦部に向けて溶接ワイヤを供給する第1の溶接を実施し、さらに前記第1の溶接が前記他方の平坦部の端部に達したとき溶接方向を逆方向にして所定範囲溶接を継続することにより、端部に積層溶接部が形成された第1溶接部を形成する第2のステップと、第2以降の溶接を前記第1溶接部の溶接範囲内から出ないように実施し、複数層からなる溶接部を形成する第3のステップと、前記第3ステップで形成された溶接層の表面を削り取る第4のステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、原子炉炉内構造物の補修方法において、第1の溶接の後に溶接割れが発生しやすい終端部を除去し、第2以降の溶接では終端部を第1溶接部の上面とする積層溶接をおこなうことで、溶接の終端部の溶接割れを確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態に係る補修方法を示す図。
【図2】第2の実施形態に係る補修方法を示す図。
【図3】第3の実施形態に係る補修方法を示す図。
【図4】第4の実施形態に係る補修方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る原子炉炉内構造物の補修方法の実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)〜(e)に示す補修ステップに従い、第1の実施形態に係る補修方法を説明する。
【0017】
まず、図1(a)に示すように、き裂補修や予防保全のために補修予定箇所に開先加工部1を形成し(ステップa1)、開先加工部1の一方の端部を含む所定範囲の構造物表面に対し平坦部側から溶接ワイヤを供給して第1の溶接を実施し第1溶接部2を形成する(ステップa2)。
【0018】
次に、図1(b)に示すように、第1溶接部2の平坦部側(開先加工されていない構造物表面側)は残すが、終端部を含む第1溶接部2の開先加工部側2bを切削等により除去する開先加工を行う(ステップa3)。
【0019】
次に、図1(c)に示すように、溶接ワイヤを供給する第2の溶接を、開先加工部1に対し第1の溶接の溶接方向とは逆方向に除去後の第1溶接部2の上面まで実施し、第2溶接部3を形成する(ステップa4)。
【0020】
次に、図1(d)に示すように、第3以降の溶接を第2溶接部3の上部に対し第1溶接部2から出ないように積層溶接を実施し、複数層からなる溶接部4を形成する(ステップa5)。
【0021】
次に、図1(e)に示すように、ステップa5で形成された溶接層の表面を削り取る。その際、溶接層の周辺と同一表面にしてもよい(ステップa6)。
【0022】
このように、第1溶接部2の溶接割れが発生しやすい終端部を除去し、第2の溶接では終端部を第1溶接部の上面とする溶接を実施し、第3以降の溶接では第1溶接部から逸脱しないように積層溶接をおこなうことで、溶接割れがない良好な溶接部を得ることができる。
【0023】
本第1の実施形態では、溶接ワイヤ及び母材として表1に示す組成の690系合金及び600系合金をそれぞれ用いている。また、溶接条件は表2に示すとおりであり、波長1.06μm、出力0.5〜4.0kWのYAGレーザを用い、加工速度0.1〜5m/minで溶接を実施した。また、ワイヤとして直径0.4〜1.0mmの690系合金を用い、その供給速度は0.5〜8m/minである。
【表1】

【表2】

【0024】
また、本実施形態の補修方法を適用する炉内構造物が低合金鋼を含む圧力容器の管台溶接部である場合、低合金鋼に近い部分ではテンパービード溶接を行うと、低合金鋼への影響を抑えることができる。
さらに、上記実施形態では溶接ワイヤとして690系合金を用いているが600系合金を用いてもよい。
【0025】
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、第1の溶接の後に溶接割れが発生しやすい終端部を除去し、第2以降の溶接では終端部を第1溶接部上とする積層溶接をおこなうことで、溶接割れがない良好な溶接部を得ることができる。
【0026】
(第2の実施形態)
図2(a)〜(e)に示す補修ステップに従い、第2の実施形態に係る補修方法を説明する。
【0027】
まず、図2(a)に示すように、き裂補修や予防保全のため、補修予定箇所の一方の端部を含む所定範囲の炉内構造物表面に対し、第1の開先加工により第1開先加工部2aを形成し(ステップb1)、第1開先加工部2aに対し外側から補修予定箇所に向けて溶接ワイヤを供給して第1の溶接を実施し第1溶接部2を形成する(ステップb2)。
【0028】
次に、図2(b)に示すように、補修予定箇所の構造物表面を第2の開先加工により、第1溶接部の平坦部側を残すように第2開先加工部5を形成する。その際、第1溶接部の終端部側は第2の開先加工により除去される(ステップb3)。
【0029】
次に、図2(c)に示すように、溶接ワイヤを供給する第2の溶接を、第2開先加工部5に対し第1の溶接の溶接方向とは逆方向に除去後の第1溶接部2の上面まで実施し、第2溶接部3を形成する(ステップb4)。
【0030】
次に、図2(d)に示すように、第3以降の溶接を第2溶接部3の上部に対し第1溶接部2から出ないように積層溶接を実施し、複数層からなる溶接部4を形成する(ステップb5)。
【0031】
次に、図2(e)に示すように、ステップb5で形成された溶接層の表面を削り取る。その際、溶接層の周辺と同一表面にしてもよい肉盛溶接層の表面を削り取る。その際、肉盛溶接層の周辺と同一表面にしてもよい(ステップb6)。
このように、本第2実施形態では、第1溶接部2の終端部側の除去と第2開先加工部5の形成を同時におこなうので、補修方法の手順を簡素化することができる。
【0032】
(第3の実施形態)
図3(a)〜(e)に示す補修ステップに従い、第3の実施形態に係る補修方法を説明する。
【0033】
まず、図3(a)に示すように、き裂補修や予防保全のため、補修予定箇所の一方の端部を含む所定範囲の炉内構造物表面に対し、あらかじめ外側から補修予定箇所に向けて溶接ワイヤを供給して第1の溶接を実施し第1溶接部2を形成する(ステップc1)。
【0034】
次に、図3(b)に示すように、補修予定箇所に対し、第1溶接部2の外側を残すように、終端部側の第1溶接部を含めて開先加工により開先加工部1を形成する(ステップc2)。
次に、図3(c)に示すように、溶接ワイヤを供給する第2の溶接を、開先加工部1に対し第1の溶接の溶接方向とは逆方向に終端部側が除去された後の第1溶接部2の上面まで実施し、第2溶接部3を形成する(ステップc3)。
【0035】
次に、図3(d)に示すように、第3以降の溶接を第2溶接部3の上部に対し第1溶接部2から出ないように積層溶接を実施し、複数層からなる溶接部4を形成する(ステップc4)。
【0036】
次に、図3(e)に示すように、ステップc4で形成された溶接層の表面を削り取る。その際、溶接層の周辺と同一表面にしてもよい(ステップc5)。
【0037】
このように、本第3の実施形態では、第1溶接部2の終端部側の除去と開先加工部1の形成を同時におこなうことができるので、補修方法の手順を簡素化することができる。
【0038】
(第4の実施形態)
図4(a)〜(c)に示す補修ステップに従い、第4の実施形態に係る補修方法を説明する。
【0039】
まず、図4(a)に示すように、き裂補修や予防保全のため、補修予定箇所に開先加工部1を形成し(ステップd1)、次に、開先加工部の一方の平坦部側から他方の平坦部に向けて溶接ワイヤを供給する第1の溶接を実施する。その際、当該溶接が他方の平坦部の端部に達したとき溶接方向を逆方向にして溶接を所定範囲継続する。これにより、積層溶接部6aが端部に形成された第1溶接部6を形成する(ステップd2)。
【0040】
次に、図4(b)に示すように、第2の溶接以降の溶接を、第1溶接部8の範囲から出ないように積層溶接を実施し、複数層からなる溶接部7を形成する。その際、溶接方向は変える必要がない(ステップd3)。
次に、図4(c)に示すように、ステップd3で形成された溶接層の表面を削り取る。その際、溶接層の周辺と同一表面にしてもよい(ステップd4)。
【0041】
このように、本第3の実施形態では、第1の溶接で端部を逆方向に溶接して積層溶接部を形成することにより、溶接割れがない良好な溶接部を得ることができる。
本第3の実施形態によれば、より簡素化した補修方法により、溶接割れがない良好な溶接部を得ることができる。
【0042】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組合せ、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1…開先加工部、2…第1溶接部、2a…第1開先加工部、2b…開先加工部側、3…第2溶接部、4…溶接部、5…第2開先加工部、6…第1溶接部、6a…積層溶接部、7…溶接部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉炉内構造物の補修予定箇所に開先加工部を形成する第1のステップと、
前記開先加工部の一方の端部を含む所定範囲の炉内構造物表面に対し平坦部側から溶接ワイヤを供給して第1の溶接を実施し第1溶接部を形成する第2のステップと、
開先加工部側の第1溶接部を除去する第3のステップと、
前記開先加工部と除去後の第1溶接部に対しワイヤを供給する第2の溶接を前記第1の溶接とは逆方向に実施し第2溶接部を形成する第4のステップと、
第3以降の溶接を前記第2溶接部の上部でかつ前記除去後の第1溶接部から出ないように実施し、複数層からなる溶接部を形成する第5のステップと、
前記第5ステップで形成された溶接層の表面を削り取る第6のステップと、を有することを特徴とする原子炉炉内構造物の補修方法。
【請求項2】
原子炉炉内構造物の補修予定箇所の一方の端部を含む所定範囲の炉内構造物表面に対し第1開先加工部を形成する第1のステップと、
前記第1開先加工部に対し当該開先加工部の外側から溶接ワイヤを供給する第1の溶接を実施し第1溶接部を形成する第2のステップと、
前記第1溶接部の終端部側を含む補修予定箇所に第2開先加工部を形成する第3のステップと、
前記第2開先加工部と前記第3のステップにおける開先加工後の第1溶接部に対しワイヤを供給する第2の溶接を前記第1の溶接とは逆方向に実施し第2溶接部を形成する第4のステップと、
第3以降の溶接を前記第2溶接部の上部でかつ前記第3のステップにおける開先加工後の第1溶接部から出ないように実施し、複数層からなる溶接部を形成する第5のステップと、
前記第5ステップで形成された溶接層の表面を削り取る第6のステップと、を有することを特徴とする原子炉炉内構造物の補修方法。
【請求項3】
原子炉炉内構造物の補修予定箇所の一方の端部を含む所定範囲の炉内構造物表面に対し外側から前記補修予定箇所に向けて溶接ワイヤを供給する第1の溶接を実施し第1溶接部を形成する第1のステップと、
前記第1溶接部の終端部側を含む前記補修予定箇所に開先加工部を形成する第2のステップと、
前記開先加工部と前記第2のステップにおける開先加工後の第1溶接部に対しワイヤを供給する第2の溶接を前記第1の溶接とは逆方向に実施し第2溶接部を形成する第3のステップと、
第3以降の溶接を前記第2溶接部の上部でかつ前記第3のステップにおける開先加工後の第1溶接部から出ないように実施し、複数層からなる溶接部を形成する第4のステップと、
前記第4ステップで形成された溶接層の表面を削り取る第5のステップと、を有することを特徴とする原子炉炉内構造物の補修方法。
【請求項4】
原子炉炉内構造物の補修予定箇所に開先加工部を形成する第1のステップと、
前記開先加工部に対し、当該開先加工部の一方の外側の平坦部側から他方の平坦部に向けて溶接ワイヤを供給する第1の溶接を実施し、さらに前記第1の溶接が前記他方の平坦部の端部に達したとき溶接方向を逆方向にして所定範囲溶接を継続することにより、端部に積層溶接部が形成された第1溶接部を形成する第2のステップと、
第2以降の溶接を前記第1溶接部の溶接範囲内から出ないように実施し、複数層からなる溶接部を形成する第3のステップと、
前記第3ステップで形成された溶接層の表面を削り取る第4のステップと、を有することを特徴とする原子炉炉内構造物の補修方法。
【請求項5】
前記溶接ワイヤとして600系合金または690系合金を用いることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の原子炉炉内構造物の補修方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−98120(P2012−98120A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245322(P2010−245322)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)