説明

厨芥処理装置

【課題】厨芥処理装置において、乾燥時の消費電力量を低減するとともに、乾燥後の生ごみ冷却工程時の冷却時間を短縮し、冷却工程時の消費電力量を低減すること。
【解決手段】熱交換器に至る通路を切り替える切り替え弁7と、生ごみが乾燥したことを検知する乾燥終了検知手段21とを有し、乾燥終了検知手段21が生ごみの乾燥を検知後、生ごみを冷却する冷却工程に移行する厨芥処理装置において、冷却工程時には切り替え弁7を切り替えて、循環空気が熱交換器を介さずに生ごみ処理槽に循環する構成とすることにより、乾燥時およびその後の冷却時の消費電力量を低減した厨芥処理装置を提供できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ごみを加熱乾燥して処理する厨芥処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の生ごみ処理装置としては、生ごみを粉砕して下水へ流すディスポーザや、生ごみを粉砕、脱水して回収する生ごみ脱水機がある。ディスポーザは、下水処理施設のない地域では河川を汚し、環境汚染の原因になる。一方、生ごみ脱水機は、脱水した生ごみを回収するので直接には環境汚染の原因にはならないが、回収した生ごみは、放置しておくと腐敗しやすく、悪臭を発生する。
【0003】
このような問題を解決する生ごみ処理装置として、生ごみを加熱乾燥させて処理する厨芥処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この従来の厨芥処理装置では、生ごみ処理槽の水蒸気を含んだ排気をまず冷却器に通して凝縮して脱水していた。そして、その後に脱臭装置で脱臭し、脱臭した排気を外部に放出していた。
【特許文献1】特開平7−215402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来の厨芥処理装置では、生ごみ処理槽内の排気を脱臭して全量外部に放出し、生ごみ処理槽を換気するための空気全量を機外空気(以下外気という)で補充していたので、厨芥処理装置における加熱効率が低いという問題があった。
【0006】
また、脱臭後の排気の熱と処理槽内に入る空気の熱を熱交換した場合、乾燥時の加熱効率は高くなるが、乾燥後の生ごみ冷却工程時においても熱交換を行うため、処理槽内の生ごみの温度が冷えるまでには時間がかかるので冷却工程時の消費電力量が増えることになる。
【0007】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に鑑みて、なされたものである。その目的とするところは、厨芥処理装置において、厨芥処理装置における加熱効率を向上させるとともに、冷却工程時間を短縮し、冷却工程時の消費電力量を低減させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の厨芥処理装置は、生ごみ処理槽と、生ごみ処理槽内の生ごみを加熱乾燥させる加熱手段と、生ごみ処理槽から排出される排気に含まれる水蒸気を凝縮させる冷却器と、前記冷却器で除湿冷却された排気を、下流側の排気ダクトと循環ダクトとに送風する排気循環ファンと、前記排気ダクトを介して送風された排気を脱臭する脱臭装置と、前記脱臭装置で脱臭された排気を厨芥処理装置本体外に排出する排出ダクトと、前記脱臭装置と排出ダクトの途中に設けられて脱臭装置で脱臭された排気を熱交換する熱交換器と、前記循環ダクトの下流側に設けられ、送風された排気を直接前記生ごみ処理槽に循環させる通路と、前記熱交換器に流して前記脱臭装置で脱臭された後の排気と冷却器で冷却された後の排気とを熱交換させた後に前記生ごみ処理槽に循環させる通路とに切り替える切り替え弁と、生ごみが乾燥したことを検知する乾燥終了検知手段とを備え、前記乾燥終了検知手段が生ごみの乾燥したことを検知した後は、生ごみを乾燥する乾燥工程から、生ごみを冷却する冷却工程に移行する厨芥処理装置において、前記乾燥工程中は、前記切り替え弁を、排気が熱交換器へ流れる側に切り替えて、脱臭装置で脱臭された後の排気と冷却器で冷却された後の排気とを熱交換させると共に、前記冷却工程中は、前記切り替え弁を、排気が直接生ごみ処理槽に流れる側に切り替えて、冷却工程時には循環空気が熱交換器を介さずに生ごみ処理槽に循環することを特徴とするもので、生ごみ乾燥処理時には脱臭装置から排出される排気の熱と循環空気とを熱交換することができるので、熱効率を向上することができ、消費電力量を抑えることができる。
【0009】
また、排気の温度を下げることができるので、排気が本体外に排出されても室内の温度上昇を抑えることができる。
【0010】
さらに、冷却工程時には弁を切り替えて熱交換器を介さずに処理槽に循環空気を入れるので循環空気の温度は冷却器を介した低い温度の空気になるので、冷却時間を短縮することができ、消費電力量を抑えることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の厨芥処理装置は、生ごみの乾燥処理工程時および冷却工程時の消費電力量を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、生ごみ処理槽と、生ごみ処理槽内の生ごみを加熱乾燥させる加熱手段と、生ごみ処理槽から排出される排気に含まれる水蒸気を凝縮させる冷却器と、前記冷却器で除湿冷却された排気を、下流側の排気ダクトと循環ダクトとに送風する排気循環ファンと、前記排気ダクトを介して送風された排気を脱臭する脱臭装置と、前記脱臭装置で脱臭された排気を厨芥処理装置本体外に排出する排出ダクトと、前記脱臭装置と排出ダクトの途中に設けられて脱臭装置で脱臭された排気を熱交換する熱交換器と、前記循環ダクトの下流側に設けられ、送風された排気を直接前記生ごみ処理槽に循環させる通路と、前記熱交換器に流して前記脱臭装置で脱臭された後の排気と冷却器で冷却された後の排気とを熱交換させた後に前記生ごみ処理槽に循環させる通路とに切り替える切り替え弁と、生ごみが乾燥したことを検知する乾燥終了検知手段とを備え、前記乾燥終了検知手段が生ごみの乾燥したことを検知した後は、生ごみを乾燥する乾燥工程から、生ごみを冷却する冷却工程に移行する厨芥処理装置において、前記乾燥工程中は、前記切り替え弁を、排気が熱交換器へ流れる側に切り替えて、脱臭装置で脱臭された後の排気と冷却器で冷却された後の排気とを熱交換させると共に、前記冷却工程中は、前記切り替え弁を、排気が直接生ごみ処理槽に流れる側に切り替えて、冷却工程時には循環空気が熱交換器を介さずに生ごみ処理槽に循環することを特徴とするもので、生ごみ乾燥処理時には脱臭の排気の熱と循環空気を熱交換することができるので、熱効率を向上することができ、消費電力量を抑えることができる。さらに冷却工程時には弁を切り替えて熱交換器を介さずに処理槽に循環空気を入れるので循環空気の温度は冷却器を介した低い温度の空気になるので、冷却時間を短縮することができ、冷却工程時にも消費電力量を抑えることができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の厨芥処理装置の概略構成図である。厨芥処理装置1は、図1に示すように、生ごみ処理槽2、冷却器4、排気循環ファン6、脱臭装置3、熱交換器5を順次排気循環ダクト11、12、排気ダクト13、循環ダクト14、排気ダクト15、排出ダクト16、循環ダクト17、18により接続して構成されている。
【0015】
生ごみ処理槽2は、底部に生ごみ処理槽2内の生ごみを加熱して乾燥するための加熱手段2aと、上部に温風用加熱手段2bと温風用加熱手段2bに取り付けた放熱フィン2cと送風ファン2dと送風ファン2dを駆動する送風モータ2eにより構成された温風発生装置とを有している。加熱手段2aと温風用加熱手段2bの加熱源は電気ヒータである。この加熱手段2aと温風発生装置により生ごみ処理槽2内は約70度から100度に加熱される。また、生ごみ処理槽2内の生ごみは、撹拌機19により撹拌され、加熱乾燥処理を効率的に行うように構成されている。
【0016】
脱臭装置3は、生ごみ処理槽からの排気を脱臭するものである。脱臭装置3は、内部に酸化燃焼触媒3aと加熱手段3bとを有している。加熱手段3bとしては電気ヒータが一般的に用いられるが、他のものでもよい。この加熱手段3bにより酸化燃焼触媒3a及び排気が200度〜400度に加熱される。
【0017】
冷却器4は、生ごみ処理槽2の生ごみから発生した排気中に含まれる水蒸気を凝縮させるものであって、外気を冷却媒体として生ごみ処理槽2からの排気を冷却するように構成されている。すなわち、冷却器4は、箱状であって凝縮水をためる凝縮水タンクの役目も有している。冷却ファン8は冷却器4を冷却するための風を送るものであり、冷却器4に向かって冷却ファン8により外気が送風されるものである。冷却器4はペルチェ素子による電子冷却装置を用いても構わない。電子冷却装置を用いる場合は、放熱側に冷却ファン8により冷却風を送るものとなる。図1における矢印は、冷却器4における冷却媒体としての外気の流れ方向を示している。この図から分るように、冷却器4を通過する排気は、この冷却器4において冷却され、排気中に含まれていた水蒸気を凝縮させる。
【0018】
生ごみ処理槽2の上面と冷却器4は排気循環ダクト11で接続されている。また、冷却器4と排気を搬送する排気循環ファン6は排気循環ダクト12で接続されている。したがって、冷却器4で凝縮した凝縮水が冷却器4内で分離して冷却器4内に貯留されるように構成されている。また、冷却器4の底には排水管20が接続されており、本体外に排水される。この排水管20を下水用配管に接続すれば凝縮水を捨てる必要がなくなるので、使用性の良い厨芥処理装置となる。
【0019】
排気循環ファン6は、吹き出し側を2方向に分けており、一方は排気ダクト13を介して脱臭装置3に接続されている。また、もう一方は循環ダクト14を介して切り替え弁7に接続されている。切り替え弁7は熱交換器5と循環ダクト17に接続しており、切り替え弁7は熱交換器5にのみ排気を流すか循環ダクト17にのみ排気を流すかのどちらかに切り替えられるようになっている。熱交換器5は2重管になっており、脱臭装置3を通った排気が流れる内管5aは蛇腹状のパイプとなっており、熱交換効率を高めている。内管5aと外管5bの間には排気循環ファン6からの排気が流れるようになっており、内管5aと外管5bの間を流れる空気は循環ダクト18を通って生ごみ処理槽2に導入される。熱交換器5の内管5aを通過した排気は排出ダクト16を通って厨芥処理装置の外に排出される。
【0020】
ここで、冷却器4を通った排気を一部厨芥処理装置1外に排気するのは蒸気発生の際の圧力変動により生ごみ処理槽2内の圧力が高くなり、生ごみ処理槽2内から厨芥処理装置1外に脱臭されていない蒸気が漏れないようにするためであり、脱臭装置3を介して厨芥処理装置1外に排気する排気の量は毎分1〜2リットルに設定している。
【0021】
乾燥処理中において熱交換器5で脱臭装置3を通った高温の空気と循環ダクト14を通る低温の空気が熱交換されるので、生ごみ処理槽2には循環ダクト18を通って高温の空気が導入されるので生ごみ処理槽2内のごみを加熱するのに消費電力量を低減することができると共に、厨芥処理装置外に排出する排気の温度を下げることができるので、室内の温度上昇を抑えることができる。
【0022】
21は排気循環ダクト11に取り付けられた乾燥終了検知手段である。乾燥終了検知手段21は温度を検知するものであり、蒸気が多量に発生している場合は蒸気の熱容量が大きいので乾燥終了検知手段21の検知温度は高くなるが、生ごみが乾燥して蒸気が少なくなると熱容量が小さくなり、乾燥終了検知手段21の検知温度が低くなるので、乾燥終了検知手段21の検知温度がピークの温度からある一定温度差の温度まで下がったときに生ごみが乾燥したものと判断し、生ごみを冷却する冷却工程に移行する。本実施の形態では乾燥終了検知手段21は排気循環ダクト11に取り付けられているが、蒸発量が多い場合と蒸発量が少ないときで検知温度にある程度温度差が出る箇所であれば、他の箇所に取り付けても構わない。
【0023】
次に冷却工程時の動作について説明する。
【0024】
冷却工程に移行すると加熱手段2aと温風用加熱手段2bの通電が停止すると共に切り替え弁7が動作し循環ダクト14を通った排気は循環ダクト17に流れ、熱交換器5を介さずに生ごみ処理槽2に導入される。循環ダクト17を通った排気は冷却器4を通った低温の排気であるので、急速に生ごみ処理槽2および生ごみ処理槽2内の乾燥した生ごみを冷却することができる。そして、生ごみ処理槽内の温度が所定の温度まで下がったら、厨芥処理装置1の運転を停止する。冷却工程によって生ごみ処理槽2内の乾燥した生ごみは温度が低くなっているので、乾燥した生ごみを廃棄する際に生ごみ処理槽2を取り出しても臭いの発散を抑えることができると共に乾燥した生ごみの扱いも容易になる。
【0025】
冷却工程時には厨芥処理装置1外に排出する排気の脱臭のために脱臭装置3の加熱手段3bは通電されているので、冷却工程時間を短縮することで冷却工程時の消費電力量を低減することができるものである。
【0026】
(実施の形態2)
実施の形態2において実施の形態1と異なる点は冷却器4に電子冷却装置を用いた構成にしている点である。
【0027】
電子冷却装置を用いると排気を外気温以下にすることも可能であり、より凝縮量を高めることができるので、脱臭装置3の負荷軽減効果と循環空気の低湿度化による乾燥効率アップが望めるものである。
【0028】
次に動作、作用を説明すると、乾燥処理時には電子冷却装置によって冷却器4の出口温度を外気温と同程度にし、冷却器4にて蒸気を凝縮させる。そして、生ごみが乾燥し乾燥終了検知手段21の検知温度によって生ごみが乾燥したと判断し、冷却工程に移行する。
【0029】
冷却工程に移行すると加熱手段2aと温風用加熱手段2bの通電が停止するとともに切り替え弁7が動作し循環ダクト14を通った排気は循環ダクト17に流れ、熱交換器5を介さずに生ごみ処理槽2に導入される。また、冷却器4の出口温度が乾燥処理時より低い温度になるように電子冷却装置を制御する。循環ダクト17を通った排気は冷却器4を通った低温の排気であるので、急速に生ごみ処理槽2および生ごみ処理槽2内の乾燥した生ごみを冷却することができる。そして、生ごみ処理槽内の温度が所定の温度まで下がったら、厨芥処理装置1の運転を停止する。冷却工程によって生ごみ処理槽2内の乾燥した生ごみは温度が低くなっているので、乾燥した生ごみを廃棄する際に生ごみ処理槽2を取り出しても臭いの発散を抑えることができるとともに乾燥した生ごみの扱いも容易になる。
【0030】
冷却工程時には蒸発量も少なく熱容量も小さくなっているので、冷却器4の出口温度を下げるために必要な電子冷却装置の消費電力量は少なくて済み、脱臭装置3の加熱手段3bの消費電力量に比較して少ない。冷却工程時には冷却器4の出口温度が低くなるのでさらに冷却工程時間を短縮することでき、冷却工程時の消費電力量を低減することができるものである。
【0031】
(実施の形態3)
図2は本発明の実施の形態3の厨芥処理装置の概略構成図である。
【0032】
実施の形態3において、実施の形態1と異なる点は、排気循環ファン6の代わりに循環用ファン23と排気用ファン22設け、冷却工程時に循環風量を増加させることである。なお、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0033】
次に動作、作用を説明すると、生ごみが乾燥し乾燥終了検知手段21の検知温度によって生ごみが乾燥したと判断し、冷却工程に移行する。
【0034】
冷却工程に移行すると加熱手段2aと温風用加熱手段2bの通電が停止するとともに切り替え弁7が動作し循環ダクト14を通った排気は循環ダクト17に流れ、熱交換器5を介さずに生ごみ処理槽2に導入される。また、循環用ファン23の回転数を上げることで循環風量を増加させる。循環ダクト17を通った排気は冷却器4を通った低温の排気であり、さらに循環風量を増加させることで生ごみ処理槽に導入される低温の空気が増え、急速に生ごみ処理槽2および生ごみ処理槽2内の乾燥した生ごみを冷却することができる。
【0035】
したがって、冷却工程時に循環風量を増加させることで、さらに冷却工程時間を短縮することでき、冷却工程時の消費電力量を低減することができるものである。
【0036】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4について図2を用いて説明する。
【0037】
実施の形態4において、実施の形態3と異なる点は、冷却工程時に排気風量を減少させることである。なお、実施の形態3と同一部分には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0038】
次に動作、作用を説明すると、生ごみが乾燥し乾燥終了検知手段21の検知温度によって生ごみが乾燥したと判断し、冷却工程に移行する。
【0039】
冷却工程に移行すると加熱手段2aと温風用加熱手段2bの通電が停止するとともに切り替え弁7が動作し循環ダクト14を通った排気は循環ダクト17に流れ、熱交換器5を介さずに生ごみ処理槽2に導入される。また、排気用ファン22の回転数を下げることで排気風量を減少させる。排気風量が減少することで脱臭装置3を通る風量も減少し、脱臭装置3の温度を触媒活性温度に維持するために必要な加熱手段3bの消費電力を低減することができる。
【0040】
したがって、冷却工程時に排気風量を減少させることで、さらに冷却工程時の加熱手段3bの消費電力量を低減し、冷却工程時の消費電力量を低減することができるものである。
【0041】
ここで、乾燥処理時には問題となる生ごみ処理槽2の内圧の変動であるが、冷却工程時には生ごみが乾燥しているので蒸発量が0に近いことと、生ごみ処理槽2の温度が下がっていくことで排気風量を減少させても生ごみ処理槽2からの臭気漏れは発生しない。
【0042】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5について図3を用いて説明する。
【0043】
実施の形態5において、実施の形態1と異なる点は、排気ダクト13の途中に通路開閉弁24を設け、乾燥処理時には通路開閉弁を開き、冷却工程時には通路開閉弁を閉じて排気を0とすることである。なお、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0044】
次に動作、作用を説明すると、乾燥処理中には通路開閉弁24は開いており、脱臭装置3で脱臭した空気を厨芥処理装置1外に排気している。生ごみが乾燥し乾燥終了検知手段21の検知温度によって生ごみが乾燥したと判断し、冷却工程に移行する。
【0045】
冷却工程に移行すると加熱手段2aと温風用加熱手段2bの通電が停止するとともに切り替え弁7が動作し循環ダクト14を通った排気は循環ダクト17に流れ、熱交換器5を介さずに生ごみ処理槽2に導入される。また、通路開閉弁24が閉じるとともに脱臭装置3の加熱手段3bの通電を止める。
【0046】
したがって、冷却工程時に通路開閉弁24を閉じて脱臭装置3の加熱手段3bの通電を止めることで冷却工程時の加熱手段3bの消費電力量は0となり、冷却工程時の消費電力量を低減することができるものである。
【0047】
ここで、乾燥処理時には問題となる生ごみ処理槽2の内圧の変動であるが、冷却工程時には生ごみが乾燥しているので蒸発量が0に近いことと、生ごみ処理槽2の温度が下がっていくことで排気風量を0にしても生ごみ処理槽2からの臭気漏れは発生しない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明にかかる厨芥処理装置によれば、生ごみ乾燥処理時には、脱臭の排気の熱と循環空気を熱交換することができるので、熱効率を向上することができ、消費電力量を低減することができると共に、冷却工程時には、冷却器を通った低温の排気を生ごみ処理槽に導入して、急速に生ごみ処理槽および生ごみ処理槽内の乾燥した生ごみを冷却することができ、冷却工程時間が短縮され冷却工程時の消費電力量を低減することができ、幅広く厨芥処理装置に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態1、2における厨芥処理装置の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態3、4における厨芥処理装置の概略構成図
【図3】本発明の実施の形態5における厨芥処理装置の概略構成図
【符号の説明】
【0050】
1 厨芥処理装置
2 生ごみ処理槽
2a 加熱手段
2b 温風用加熱手段
3 脱臭装置
3a 酸化燃焼触媒
3b 加熱手段
4 冷却器
5 熱交換器
6 排気循環ファン
7 切り替え弁
11、12 排気循環ダクト
13、15 排気ダクト
14、17、18 循環ダクト
16 排出ダクト
21 乾燥終了検知手段
22 排気用ファン
23 循環用ファン
24 通路開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ごみ処理槽と、生ごみ処理槽内の生ごみを加熱乾燥させる加熱手段と、生ごみ処理槽から排出される排気に含まれる水蒸気を凝縮させる冷却器と、前記冷却器で除湿冷却された排気を、下流側の排気ダクトと循環ダクトとに送風する排気循環ファンと、前記排気ダクトを介して送風された排気を脱臭する脱臭装置と、前記脱臭装置で脱臭された排気を厨芥処理装置本体外に排出する排出ダクトと、前記脱臭装置と排出ダクトの途中に設けられて脱臭装置で脱臭された排気を熱交換する熱交換器と、前記循環ダクトの下流側に設けられ、送風された排気を直接前記生ごみ処理槽に循環させる通路と、前記熱交換器に流して前記脱臭装置で脱臭された後の排気と冷却器で冷却された後の排気とを熱交換させた後に前記生ごみ処理槽に循環させる通路とに切り替える切り替え弁と、生ごみが乾燥したことを検知する乾燥終了検知手段とを備え、前記乾燥終了検知手段が生ごみの乾燥したことを検知した後は、生ごみを乾燥する乾燥工程から、生ごみを冷却する冷却工程に移行する厨芥処理装置において、前記乾燥工程中は、前記切り替え弁を、排気が熱交換器へ流れる側に切り替えて、脱臭装置で脱臭された後の排気と冷却器で冷却された後の排気とを熱交換させると共に、前記冷却工程中は、前記切り替え弁を、排気が直接生ごみ処理槽に流れる側に切り替えて、冷却工程時には循環空気が熱交換器を介さずに生ごみ処理槽に循環することを特徴とする厨芥処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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