説明

反転された継ぎ目を有するキルト状のマットレスカバー

上部パネル/ボーダー部分を反転させた反転継ぎ目を有するマットレスが提供される。随意的な装飾性のロープ縁飾りがボーダー部分に取り付けられる。反転継ぎ目が上部パネルをマットレスカバーのボーダー部分に固定し、かくして、従来の縁飾り付きの上部継ぎ目に見られる隆起やひだが排除される。反転継ぎ目が従来の縫製ミシンあるいは手縫いによってさえもフラット縫製され得ることから、高価なテーブル取付け式のテープ縁部閉鎖装置及びあるいは熟練オペレーターが排除され得、製造コストが減少される。あるいは、全ての縫い目及び縁当てが本発明の反転継ぎ目によってマットレスの内側に隠れて見えなくなることから、従来のテープ縁かがりミシンを熟練度の低いオペレーターが使用する及びあるいはもっと少ないテープ/縁飾り材料を使用することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマットレスに関し、詳しくは、キルト状のマットレスカバー及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キルト状のマットレスカバーを備えたマットレスは斯界によく知られている。例えば、米国特許第5,896,605号には、マットレス内部のコイルバネユニットの上部と底部とを、この金属製のコイルバネのための仕切及び緩衝材を提供するパッド材で包囲した構造の従来のマットレスが記載される。このパッド材とコイルバネユニットとの間に更に別の仕切を提供するワイヤー格子が追加される。次いで、コイルバネユニットの上部と底部とに、フォーム材、綿、及びその他の材料製のパッド材層が取り付けられる。マットレスの代表的な外側構造には、上部及び低部の各カバーパネルと、コイルバネユニットの4つの側部あるいは周囲部分を取り巻くボーダー部分とが含まれる。カバーパネルとボーダー部分とは通常は、種々の色及び印刷模様のものを入手することが可能な、かくしてその美しさを顧客に最初にアピールすることのできるキルト状繊維製のものである。
【0003】
強靱な繊維のストリップで作られたフランジが、マットレスを最終的に組み立てる前に上部及び底部の各カバーパネルの縁部あるいは周囲部分に取り付けられる。上部及び底部の各カバーパネルに取り付けた各フランジがコイルバネユニットの側縁部を覆って伸延され、一般に“ホグリング”と称する金属リングを用いてコイルバネにアンカー止めされる。各フランジは、長い使用期間中に種々の層が外れないよう、パッド材層をコイルバネユニットの上部及び底部に然るべく固定する。フランジは、マットレスに身体を乗せた時にベッドの周囲部分に沿って生じる引張力に対する抵抗をも生じる。
【0004】
カバーのフランジをコイルバネユニットに取り付けた後、特殊なテーブルに取り付けた特殊なテープ縁部ミシンを使用して、ボーダー部分を上部及び底部の各カバーパネルに取り付ける。このカバーパネルの取付け作業の直前に、マットレスの角部分を丸め付けし且つ充填するための詰め綿材がしばしば挿入される。最終的な組み立てに先立ち、上部及び底部の各ボーダーワイヤ(そうしたワイヤあるいはロッドが使用される場合)に、ベッドの縁に腰掛けられるようにするための、従って、この縁部分に必要とされる追加的な支持を提供する補強部材を固定することができる。
【0005】
マットレスを最終的に組み立てるに際し、オペレーターが、カバーパネル、フランジ、そしてボーダー部分の各材料の外側縁部を覆って装飾性のテープあるいはウェルティングを折り重ねる。この際オペレーターは、テープ縁部ミシンがマットレス周囲の仕上げ側面に沿って移動しつつテープあるいはウェルティングを縫製してウェルトを形成する間、後退しつつ装飾テープを未加工の縁部上に手で位置決めする必要がある。この加工は、上部のカバーパネルをボーダー部分に取り付けるため及び底部のカバーパネルをボーダー部分に取り付けるためのものである。テープ縁部ミシン及びこのテープ縁部ミシン装置に必要な構成部品は極めて高コストであり、また高級なマットレスを製造するための高度に熟練したオペレーターも必要となる。
【0006】
上述の如き構成を有する従来のマットレスの構成部品が図1に例示される。各パッド材層がマットレスの2つの各仕上げ面(就寝面)上で順番に反復される状態で、各パッド材層がカバーパネル12及び14とコイルバネユニット38との間に配置される。マットレスは、代表的にはフォーム材製のパッド材40と、綿パッド材42と、充填材44と、ユニット38のコイルバネ48に最も近い位置に配置した格子材46とを含む。フランジ52及び58が、図では1つを示すコイルバネ48に、ホグリング54により固定される。
【0007】
ボーダー部分16が、継ぎ目34(上方の角部の)位置のウェルティング35と、継ぎ目36(下方の角部の)位置のウェルティング35とにより、仕上げ側面を外側にした状態でカバーパネル12及び14に取り付けられる。この取付けは、代表的には、継ぎ目の仕上げ側面(顧客に面する側の)ウェルティングと、ボーダー部分16と、フランジ52あるいは58と、カバーパネル12あるいは14とを貫いて縫製することにより行う。
充填材44が、パッド材40、42が格子材46及びあるいはコイルバネ48の内部に挟まる、あるいは格子材46及びあるいはコイルバネ48に押し込まれないようにする追加的な緩衝層となる。
【0008】
継ぎ目34(即ち、マットレスの上方角部)のウェルティング35はしばしばユーザーに多少の不快感を生じさせる原因になっていると言われており、この部分にゴミや埃が引っ掛かることも知られている。更に重要なのは、特殊なテープ縁部ミシンを特殊なテーブルに取り付けて用いる必要があり、そのための特別に熟練したオペレーターも必要となることから製造コストが増大することである。
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,896,605号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、解決しようとする課題は、外側にウェルトを持たないマットレスカバーを備えたマットレスを提供することである。
解決しようとする他の課題は、熟練オペレーターや、テープ縁部ミシン及びあるいは特殊なテーブルのような、組み立て用の特別の設備を必要としない、そうしたマットレスの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下に、上部カバーパネル/ボーダー部分の継ぎ目が反転され、ボーダー部分に装飾性のウェルティングとしてのロープを追加した本発明のマットレスが説明される。本発明のマットレスでは、ウェルティング付きの従来の上部カバーパネルの継ぎ目部分の隆起部分やしわ(bumps and creases)が排除される様式下に、マットレスカバーのボーダー部分あるいは側方部分に上部カバーパネル(即ち、上部就寝面)を縫合する、反転された継ぎ目(以下、単に反転継ぎ目とも称する)が使用される。本発明のマットレスは従来の縫製ミシンあるいは手縫いでさえも平坦縫製が可能であることから、高価なテーブル取付け式のテープ縁部ミシンや特別に熟練したオペレーターの必要性が排除され、製造コストが低減され得る。
【0012】
本発明の1様相によれば、反転継ぎ目を備えたマットレスカバーが提供され、周囲縁部及び仕上げ側面を有する上部カバーパネルと、周囲縁部及び仕上げ側面を有するボーダー部分と、を有している。ボーダー部分が、このボーダー部分の仕上げ側面をカバーパネルの仕上げ側面に対面させる状態で、カバーパネル及びボーダー部分の少なくとも一方の周囲縁部に沿ってカバーパネルに取り付けられ、かくして反転継ぎ目が形成される。
【0013】
本発明の他の様相に従えば、反転継ぎ目を有するマットレスカバーの形成方法が提供され、本方法には、マットレスに面する未仕上げ面と、この未仕上げ面の反対側の、就寝面を形成する仕上げ面と、周囲部分と、を有するカバーパネルをマットレス上に配置すること、周囲部分と、自由周囲部分と、仕上げ面とを有するボーダー部分を、このボーダー部分の周囲部分がカバーパネルの周囲部分に近接し且つカバーパネルの仕上げ面がボーダー部分の仕上げ面と向き合うように位置決めすること、が含まれる。ボーダー部分は、カバーパネル及びボーダー部分の少なくとも一方における周囲縁部に沿ってカバーパネルに固定され、かくして反転継ぎ目が形成される。
本発明の更に他の様相に従えば、マットレスコアと、このマットレスコア上に配置したマットレスカバーとを含み、少なくとも上部カバーパネルと、ボーダー部分とを有するマットレスが提供される。ボーダー部分は、反転した、つまり隠れて見えない継ぎ目によって上部カバーパネルに取り付けられる。
【0014】
本発明の実施例には以下の特徴部分の1つ以上が含まれ得る。反転継ぎ目は特殊な設備を必要とせず、標準的な縫製ミシン上で平坦縫製することが可能である。反転継ぎ目には、前記取り付けたボーダー部分及び上部カバーパネルの、これらボーダー部分及び上部カバーパネルの仕上げ面とは反対側を取り巻くテープを含み得る。従って、このテープはマットレスの外側、即ち、上部カバーパネルとボーダー部分とにおける仕上げ面の側から見た場合は隠れて見えない。マットレスの上部カバーパネルは、反転継ぎ目に近接して上部カバーパネルとボーダー部分との仕上げ面に取り付けた、装飾性のロープのようなウェルティングをも含み得る。
反転継ぎ目は、縫製、平坦縫製、のり付け、ヒートセット、ホチキス止め、により形成することができる。反転継ぎ目を強化するために、上部カバーパネルとボーダー部分とを、上部カバーパネルの未仕上げ面側がマットレスコアの上面に配置した上部カバーパネル側に折りなるように折り重ねることができる。更には、折り重ねたボーダー部分と上部カバーパネルとを包囲してテープを取付け、このテープと、ボーダー部分と、上部カバーパネルとを各周囲縁部に沿って縫製することにより反転継ぎ目を形成することができる。
【0015】
反転継ぎ目を形成した後、この反転継ぎ目と、マットレスの側部とを覆ってボーダー部分を折り返し、ボーダー部分の仕上げ面が外側、つまり、マットレスから離れる側を向くようにし、上部カバーパネルと反転継ぎ目の仕上げ面側から反転継ぎ目が隠れるようにすることができる。第2カバーパネルをボーダー部分の自由周囲縁部に固定し、上部カバーパネルと、第2カバーパネルと、ボーダー部分との間でマットレスを包囲することができる。
マットレスコアは開放バネユニットであり得、あるいは、バネを包囲するゴムあるいはプラスチックフォーム材製のトレーのようなトレーを含み得る。トレーは、ボーダー部分とバネとの間のパッド材を無用化する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図2には、コイルバネユニット48(図では例示上1つのコイルバネ48のみが示される)と、本発明の1実施例に従う構成の反転継ぎ目を有するマットレスカバーとを備えたマットレスが例示される。マットレスは従来からのパッド材層40、42、44を含み得、これらパッド材層には、キルト状であり得且つ就寝面を形成し得る上部カバーパネル210が配置される。マットレスカバーには、マットレスの横方向側面に沿ったボーダー部分220も含まれる。ボーダー部分220と上部カバーパネル210とは、縫い目をマットレスの内側に面する側で継ぎ目位置に配置した反転継ぎ目240により、マットレスの周囲部分に沿って相互に連結される。反転継ぎ目240は、マットレスの上面側、つまり、ユーザーが就寝面として好ましいと考える側に近接する周囲部分に沿って配置することが好ましい。マットレスの底部カバーパネル230に近接する周囲部分に沿って第2反転継ぎ目260を設け得る。第2反転継ぎ目は片面マットレスの場合は高品位に仕上げする必要が無く、従って、従来様式下に底部カバーパネル230に取り付けることができる。
上部側の反転継ぎ目240は上部フランジ252のみを取り付けた状態で示されるが、第2反転継ぎ目、つまり底部反転継ぎ目260の位置にも必要に応じてフランジを取り付けることができる。パッド材層40、42、44は分離した層である必要はなく、マットレス製造業において一般に用いられる、ゴムあるいはプラスチックフォーム材のような材料を使用した単一の層として提供され得る。
【0017】
図3には、図2の反転継ぎ目240の組み立て状態、即ち、反転継ぎ目240を完成させた後、ボーダー部分220をマットレスの側部を覆って折り返した状態での拡大詳細図が示される。反転継ぎ目240は上部カバーパネル210とボーダー部分220とを、代表的には縫い目250を介して以下に説明するように連結する。上部カバーパネル210は、バネ構造に関する上部カバーパネル210の動作を制限するための、例えば斯界に知られたホグリング254あるいはその他の締め具を使用してバネユニット248にアンカー留めすることができる。その他の反転継ぎ目の実施例を図4A〜図4Dを参照して以下に説明する。反転継ぎ目240を補強するために、2つの繊維層、つまり上部カバーパネル210とボーダー部分220との周囲にウェルティングテープ230を巻き付けることができる。
【0018】
反転継ぎ目240を備えたマットレスカバーと、そうしたマットレスカバーを有するマットレスのための組み立て方法の一例を以下に説明する。図4A〜図4Dにはマットレスカバーの反転継ぎ目240の様々の実施例が概略例示されている。本組み立て方法は例示した全ての実施例に適用されるものとする。マットレスは、内側コイルバネユニットを既に取付け、随意的な上部フランジ252をバネユニット248に取り付けた、少なくとも部分的に前組み立てた状態で縫製ステーション(図示せず)位置で受けられる。上部カバーパネル210の仕上げ面212(就寝面)は外側を向いている。次いで、ボーダー部分220がマットレスの仕上げ面212上で、ボーダー部分220の仕上げ面222が上部カバーパネル210の仕上げ面212を向くようにして配置される。ボーダー部分220は、内側コイルバネユニットの角部分に近い部分をクランプする、あるいは、その他の位置決め用及びあるいは保持用手段を用いることにより、ボーダー部分220の上縁部が上部カバーパネル210の周囲部分と大体整合するように一時的に然るべく保持することができる。継ぎ目は、縫製中に最終的な位置決め調整をするオペレーターにより平坦縫製され得る。図4Aに示す継ぎ目は、縫い目250をパネル210とボーダー部分220とに一回通し、随意的に、ウェルティングテープ230に二回通した単一継ぎ目として示される。先に図3を参照して言及したように、上部フランジ252は別個のストラップであり得、あるいは、上部カバーパネル210あるいはボーダー部分220の何れかと一体に形成することができる。
【0019】
図4B〜図4Dに示すように、上部カバーパネルとボーダー部分とを少なくとも1回折り曲げ、この折り曲げ部分で上部カバーパネル210の未仕上げ面214が相互に向き合うようにすることで反転継ぎ目を強化することができる。図4Bには上部フランジ252を上部カバーパネル210と一体形成した配列構成が示され、図4Cには上部フランジ252をボーダー部分220と一体形成した配列構成が示され、図4Dには、上部フランジ252を上部カバーパネル210及びボーダー部分220とは別のストラップとして形成した状態が示される。先に説明したように、ウェルティングテープ230は随意的なものであり、反転継ぎ目240の整列を助成し且つ補強するために設けることができる。
【0020】
次いで、反転継ぎ目240を従来手段で縫い付けあるいは縫製(一点鎖線250で表す)する。この縫製段階には、これに限定するものではないが、平坦縫製(即ち、上部カバーパネル210とボーダー部分220とを従来の縫製ミシンテーブル上に平置きし、標準的な平坦縫製用ミシンに供給する)、レーシング、あるいは手縫いが含まれ得る。上部カバーパネル210をボーダー部分220に恒久的に取り付けるための、ホチキス止め、熱融着、あるいはのり付け等の方法を反転継ぎ目と共に用いることによっても本発明の有益な効果を実現することが可能である。反転継ぎ目を縫合するために従来のテープ縁部ミシンを使用することもできる。
【0021】
マットレスは、ボーダー部分220をマットレスの側部を覆って図4A〜図4Dに矢印300で例示するように折り返すことにより仕上げられる。先に説明したように、底部継ぎ目260(図2)は、図1の従来構成に於いて示した継ぎ目36のような従来の継ぎ目閉鎖プロセスにより閉鎖することができる。反転継ぎ目240の、未仕上げ面側に位置付けられる縫い目やテープは、マットレス組み立て後には隠れて見えなくなる。反転継ぎ目は、上部カバーパネルの縫製が“完全”である必要がない、つまり、上部カバーパネルの内側に全体的に隠されることから、縫製部分に、縫い直し、ずれ、途切れ、テープの継ぎ足し、あるいはしわ寄りなどがあっても良いという利点がある。
【0022】
先に言及したように、ウェルティングとしてのテープ230はコスト及び複雑性を低減させるために省略することができる。更に他の実施例では、従来マットレスに見られたような装飾性のウェルティングとしてのテープ(図2では番号216で示される)をボーダー部分220の外側、つまり仕上げ面222に取り付けるあるいは形成することができる。この技法は、一般にセルフウェルティングと称されるが、実際に反転継ぎ目240の一部分である必要はなく、この反転継ぎ目を形成する前あるいは後の何れかに、反転継ぎ目によって提供される組み立ての容易性を犠牲にすることなく、装飾的な縁部処理部分として追加され得るものである。
【0023】
先に言及したように、例示した反転継ぎ目は、マットレスの就寝面を形成する上部カバーパネル側に位置付けられるが、反対側の、就寝には用いない底部カバーパネル230にも、品質はやや劣り得るものの、従来の継ぎ目を使用する反転継ぎ目を取り付けることが可能である。そうしたマットレスは代表的には片面マットレスと称される。片面マットレスは基台の上あるいは中に配置され得、バネがマットレスの角部に伸延され得る。この場合、マットレスの各角部には繊維の損耗を低減させるために柔軟な材料を充填する必要があり得る。あるいは、内側コイルバネユニットは、フォームラバー、綿その他の、マットレス構造において一般に用いられる材料で作製した如きパッド材により少なくとも部分的に包囲され得る。この場合、マットレス角部の充填材は省略することができる。また別の実施例では底部セクション、側方セクション(図示せず)を有するトレー内に内側コイルバネユニットを配置し、先に説明した、本発明の方法に従い提供された反転継ぎ目を有するマットレスカバーをこのトレーを覆って配置することができる。
【0024】
片面マットレスの底部パネルは、図1に示す従来の両面マットレスに於けるようにパッド材及び繊維から製造される必要はなく、例えば、マットレス構造の剛性を追加する、木製あるいはプラスチック製のボード、ラティス構造その他の如き材料で製造することが可能である。ボーダー部分の自由周囲部分を、随意的には支持レール、接着材その他の斯界に既知の手段と共に、従来の縫製、ホグリングにより底部カバーパネルに取り付け得る。あるいは、若しくは追加的には、反転継ぎ目をボーダー部分の両周囲縁部に取り付けたい場合は、マットレスカバーにジッパーのような閉成自在の開口部を設け、マットレスカバー全体を組み立て及び、例えば、マットレスから離した状態で縫製した後、マットレスに滑り被着させることができる。
【0025】
図5にはボックススプリング52に載置したマットレス54を有するベッドの一例が示される。マットレス54のマットレスカバーは、例示的なキルト状の就寝面212を備える上部カバーパネルを側方パネルに連結する反転継ぎ目240を含んでいる。部分破除して示す図5には、フォーム材製の側方パネル564と、フォーム材製の底部パネル562とを備えたフォーム材製のトレーにバネ548が挿通された状態も示されている。この配列構成によれば、ボーダー部分220とバネ548との間には、先に議論したようなパッド材を追加する必要がない。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。本発明の方法の各段階の順序は、本来純粋に例示的なものである。実際上、各段階を、本発明の開示において示されない限り、任意の順序であるいは平行して実施し得るものであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ボーダー部分とパネル部分との外側に継ぎ目部分を取り付けた従来のマットレスを例示する概略断面図である。
【図2】本発明の1実施例に従う、反転継ぎ目を有するマットレスカバーのが医略断面図である。
【図3】図2の反転継ぎ目の拡大詳細図である。
【図4A】図2の反転継ぎ目の別の実施例の拡大詳細図である。
【図4B】図2の反転継ぎ目の別の実施例の拡大詳細図である。
【図4C】図2の反転継ぎ目の別の実施例の拡大詳細図である。
【図4D】図2の反転継ぎ目の別の実施例の拡大詳細図である。
【図5】図2のマットレスカバーを有するマットレスアセンブリの一例の、部分破除した斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
40、42、44 パッド材層
52 ボックススプリング
54 マットレス
210 上部カバーパネル
212 就寝面
220 ボーダー部分
230 底部カバーパネル
240 反転継ぎ目
241 未仕上げ面
248 バネユニット
250 縫い目
252 上部フランジ
254 ホグリング
260 底部継ぎ目
548 バネ
562 底部パネル
564 側方パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反転継ぎ目を有するマットレスであって、
周囲縁部と、仕上げ面とを有する上部パネルと、
周囲縁部と、仕上げ面とを有するボーダー部分と、
を含み、
上部パネルの仕上げ面が上部パネルとボーダー部分との少なくとも一方における周囲縁部に沿ってボーダー部分の仕上げ面に面するようにして、ボーダー部分が上部パネルに取り付けられ、かくして反転継ぎ目が形成されるマットレス。
【請求項2】
反転継ぎ目が平坦縫製される請求項1のマットレス。
【請求項3】
反転継ぎ目が、ボーダー部分と上部パネルとの仕上げ面の反対側で、前記上部パネルに取り付けたボーダー部分及び上部パネルを包囲するテープを更に含んでいる請求項1のマットレス。
【請求項4】
反転継ぎ目が、上部パネル及びボーダー部分の各仕上げ面側からは隠れて見えない請求項1のマットレス。
【請求項5】
反転継ぎ目に近接して上部パネル及びボーダー部分に取り付けた装飾性のウェルティングを更に含んでいる請求項1のマットレス。
【請求項6】
反転継ぎ目を有するマットレスカバーの製造方法であって、
マットレスに面する未仕上げ面と、該未仕上げ面とは反対側の、就寝面を形成する仕上げ面と、を有するパネルをマットレス上に配置すること、
周囲部分と、自由周囲部分と、仕上げ面とを有するボーダー部分を、該ボーダー部分の周囲部分が前記パネルの周囲部分に近接し且つパネルの仕上げ面がボーダー部分の仕上げ面に面するように位置決めすること、
パネルとボーダー部分との少なくとも一方における周囲縁部に沿ってボーダー部分をパネルに固定することにより反転継ぎ目を形成すること、
を含む方法。
【請求項7】
パネルとボーダー部分との少なくとも一方における周囲縁部に沿ってボーダー部分をパネルに固定することが、縫製、平坦縫製、のり付け、ヒートセット、ホチキス止め、の少なくとも1つによる止着を含む請求項6の方法。
【請求項8】
前記位置決めしたボーダー部分とパネルとを折り曲げ、パネルの、折り曲げた未仕上げ面がマットレス上に配置したパネルの未仕上げ面に面するようにすること、
折り曲げたボーダー部分及びパネルを、パネル及びボーダー部分の各周囲縁部に近接して固定することにより反転継ぎ目を形成すること、
を更に含む請求項6の方法。
【請求項9】
折り曲げたボーダー部分及びパネルを包囲するようにテープを取付けること、及び、該テープと、ボーダー部分と、パネルとを貫いて周囲縁部に沿って縫製すること、を更に含む請求項8の方法。
【請求項10】
ボーダー部分及びパネルを包囲するようにテープを取付けること、及び、該テープと、ボーダー部分と、パネルとを貫いて周囲縁部に沿って縫製すること、を更に含む請求項6の方法。
【請求項11】
ボーダー部分を、該ボーダー部分の仕上げ面がマットレスから外側に離れる方向を向くように反転継ぎ目とマットレスの一方の側とを覆って折り曲げ、かくして、反転継ぎ目がパネル及びボーダー部分の各仕上げ面から隠れて見えないようにすること、を更に含む請求項6の方法。
【請求項12】
ボーダー部分の自由周囲縁部に第2パネルを固定し、パネルとボーダー部分との間でマットレスを包囲することを更に含む請求項6の方法。
【請求項13】
マットレスであって、
複数のバネを有するマットレスコアと、
マットレスコア上に配置したマットレスカバーにして、少なくとも、上部カバーパネル及びボーダー部分と、2つの縁部を有する少なくとも1つのフランジとを含むマットレスカバーと、
を含み、
ボーダー部分が、隠れて見えない反転継ぎ目によって上部カバーパネルに取り付けられ、少なくとも1つのフランジの一方の端部が反転継ぎ目に取り付けられ、該フランジの他方の端部がバネに固定されるマットレス。
【請求項14】
マットレスコアが複数のバネを含み、マットレスカバーが2つの端部を有する少なくとも1つのフランジを有し、フランジの一方の前記端部が反転継ぎ目に取り付けられ、フランジの他方の前記端部がバネに固定される請求項13のマットレス。
【請求項15】
マットレスコアが複数のバネと、該バネを包囲するトレーとを含んでいる請求項13のマットレス。
【請求項16】
トレーがフォーム材から作製される請求項15のマットレス。
【請求項17】
マットレスカバーが、ボーダー部分の自由周囲縁部に取り付けた底部パネルを更に含む請求項13のマットレス。
【請求項18】
装飾性のウェルティングが、マットレスカバーの外側面の反転継ぎ目に近接する位置に更に取り付けられる請求項13のマットレス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−502813(P2006−502813A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545555(P2004−545555)
【出願日】平成15年10月17日(2003.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/033176
【国際公開番号】WO2004/034845
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(502249172)ドリームウェル リミテッド (13)
【氏名又は名称原語表記】DREAMWELL, LTD.
【住所又は居所原語表記】2325−B Renaissance Drive, Las Vegas, Nevada, 89119, United States of America
【Fターム(参考)】