収支日計処理装置、収支日計処理システム、及び収支日計処理プログラム
【課題】収支日計表を利用して、日々の経営計画を精度良く簡便に行うことができる収支日計処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の収支日計処理装置10は、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表1205を作成する収支日計表作成部11と、収支日計表作成部11により作成された過去の所定期間分の収支日計表を格納する帳票データベース12と、帳票データベース12に格納されている収支日計表を参照して、収支日計表に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の比率から成る連環比率表を作成する連環比率表作成部13と、連環比率表と来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票を作成する計画帳票作成部15と、を備えている。
【解決手段】本発明の収支日計処理装置10は、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表1205を作成する収支日計表作成部11と、収支日計表作成部11により作成された過去の所定期間分の収支日計表を格納する帳票データベース12と、帳票データベース12に格納されている収支日計表を参照して、収支日計表に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の比率から成る連環比率表を作成する連環比率表作成部13と、連環比率表と来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票を作成する計画帳票作成部15と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収支日計処理装置、収支日計処理システム、及び収支日計処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
的確な経営計画を行うために、日別に細やかな経営計画を立てることが望まれている。一方、必要経費を1日単位で算出して、これらの必要経費と当日の売上額とに基づいて1日当たりの収支を算出する収支日計表が知られている(非特許文献1)。収支日計表は日別の実績を的確に把握することができる。
【非特許文献1】“やらまいか!物流通業 −ハマキョウ流・運送屋繁盛記 第6回「赤字仕事を見分ける方法」”,月間ロジスティクス・ビジネス,9月号,p66〜69,2003年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、非特許文献1の収支日計表は、日々の経営管理に主眼が置かれたものであって、収支日計表を経営計画に利用することはこれまで行われていなかった。
【0004】
本発明は、収支日計表を利用して、日々の経営計画を精度良く簡便に行うことができる収支日計処理装置、収支日計処理システム、及び収支日計処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の収支日計処理装置は、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表を作成する収支日計表作成手段と、収支日計表作成手段により作成された過去の所定期間分の収支日計表を格納する収支日計表格納手段と、収支日計表格納手段に格納されている収支日計表を参照して、収支日計表に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の比率から成る比率表を作成する比率表作成手段と、比率表と来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票を作成する計画帳票作成手段と、を備えている。
【0006】
この構成により、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表に基づき、収支日計表に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の比率から成る比率表が作成される。そして、これらの比率表と来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票が作成される。これにより、収支日計表を利用して作成された比率表に基づき、来年度の予算額から日別の予算額を直接算出できるので、日々の経営計画を精度良く簡便に行うことができる。
【0007】
また、本発明の収支日計処理装置は、計画帳票作成手段により算出された今年度の計画帳票を格納する計画帳票格納手段と、計画帳票格納手段に格納されている今年度の計画帳票と、収支日計表格納手段に格納されている今年度の収支日計表とに基づいて、日別の予算額に対する日別の実績額を評価する実績評価手段と、
をさらに備えるのが好適である。この構成により、日別に実績額が予算額を達成しているかどうかを簡便にユーザに知らせることができる。
【0008】
また、本発明の収支日計処理装置は、収支日計表に含まれる勘定科目の種類を設定する収支日計表設計手段をさらに備えるのが好適である。この構成により、ユーザのニーズに合致する収支日計表を提供することができる。
【0009】
また、比率表作成手段は、連環比率法に基づいて比率表を作成するのが好適である。この構成により、日々の実績額の趨勢変動が著しい場合でも、変動を反映した比率表を作成することができる。
【0010】
また、複数の企業ないし会社間で上記収支日計処理装置を利用するために、本発明は、上述の収支日計処理装置を複数有する収支日計処理システムであって、一の収支日計処理装置は、他の収支日計処理装置からネットワークを介して収支日計表を受信し、一の収支日計処理装置の収支日計表作成手段は、他の収支日計処理装置から受信した収支日計表と、自機の収支日計表とを合計して収支日計表を作成することを特徴としたものを提供している。これにより、例えば本社と、その子会社との間と、各社で独立した処理が可能であると共に、本社において統括的な処理が可能である。
【0011】
また、コンピュータを上記収支日計処理装置として利用するために、本発明は、当該コンピュータの記憶領域に格納する収支日計処理プログラムを提供する。本発明の収支日計処理プログラムは、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表を作成する収支日計表作成機能と、収支日計表作成機能により作成された過去の所定期間分の収支日計表を格納する収支日計表格納機能と、収支日計表格納機能に格納されている収支日計表を参照して、収支日計表に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の比率から成る比率表を作成する比率表作成機能と、比率表と来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票を作成する計画帳票作成機能と、をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の収支日計処理装置、収支日計処理システム、及び収支日計処理プログラムによると、収支日計表を利用して作成された比率表に基づき、来年度の予算額から日別の予算額を直接算出できるので日々の経営計画を精度良く簡便に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る収支日計処理装置、収支日計処理システム、及び収支日計処理プログラムの好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
図1に、本実施形態に係る収支日計処理装置の構成を示す。図1に示すように、収支日計処理装置10は、収支日計表作成部(収支日計表作成手段)11、帳票データベース(収支日計表格納手段)12、連環比率表作成部(比率表作成手段)13、連環比率表データベース14、計画帳票作成部(計画帳票作成手段)15、計画帳票データベース(計画帳票格納手段)16、実績評価部(実績評価手段)17、及び帳票設計部(収支日計表設計手段)18を含んで構成されている。
【0015】
図2に、収支日計処理装置10のハードウェア構成を示す。収支日計処理装置10は、物理的には、図2に示すように、CPU101、主記憶装置であるRAM102およびROM103、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置104、ディスプレイ等の出力装置105、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール106、ハードディスク等の補助記憶装置107、などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図1に示す収支日計処理装置10の各機能は、図2に示すCPU101、RAM102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール106、入力装置104、出力装置105を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置107におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図1に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
【0016】
収支日計表作成部11は、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表を作成する部分である。収支日計表は、ユーザの用途に応じて予め勘定科目に関する項目が選択されて組み込まれている。収支日計表の項目は、例えば図3に示すように、支出項目として経費(傭車費、燃料費、保険料、修繕保守費、減価償却費、備品費、消耗品費、水道光熱費、交際費、タイヤ・チューブ、旅費交通費、通信費、租税公課、車両保守費、荷造費、運賃、運行費、事故費、地代家賃、リース料、事務用品、募集費、雑費、社内仕入、その他手入力科目、実績、計画、過去5年の実績、累計)、労務費(配送社員、配送アルバイト、配送残業入力、配送残業、庫内社員、庫内残業入力、庫内残業、パート・アルバイト、交通費、その他実績、計画、過去の5年の実績、累計)、分担金(本社管理費分担金、建築物賃貸料、技術指導料、その他手入力分担金、実績、計画、過去5年の実績、累計)、などが用意されている。また、収入項目として社内収入及び社内収入(配送代行、一時保管料、作業応援代金、宅配料、その他手入力分担金、実績、計画、過去5年の実績、累計)が用意されている。
【0017】
なお、収支日計表の項目は、後述する帳票設計部18により必要に応じて適宜、取捨選択できる。
【0018】
収支日計表作成部11は、ユーザから入力装置104を介して入力された勘定科目入力データを収支日計表に入力して、入力済みの収支日計表を帳票データベース12に格納する。
【0019】
帳票データベース12には、収支日計表を含んだ経営管理に関する多種の帳票が格納されている。図4に帳票データベースの構成例を示す。図4に示すように、帳票データベース12は、例えば年次損益管理表1201、月次損益管理表1202、日日損益管理表1203、日日センター比較管理1204、収支日計表1205、売上総利益進捗管理1206、日日経費勘定科目表1207、日日労務費勘定科目表1208、日日収入一覧表1209、仕分け・ピッキング個数原価分析一覧表1210、工程別作業日報1211、工程別仕分け・ピッキング個数原価分析表1212、日日個数・アイテム原価付作業員勤務実績表1213、定番作業日報1214、担当者別勤務日報1215、時給単価マスター1216、出荷指示書の単価データ1217、工程別作業実績1218が格納されている。
【0020】
連環比率表作成部13は、帳票データベース12に格納されている収支日計表1205を参照して、収支日計表1205に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の連環比率から成る連環比率表を作成する部分である。連環比率表作成部13は、例えば、収支日計表の全ての項目について日別金額を合計して月次合計額及び年度合計額を算出する。そして、次式より月次係数及び日別係数を算出する。
月次合計額/年度合計額=月次係数
日別金額/月次合計額=日別係数
【0021】
さらに、例えば図5に示すように、算出された日別係数を日別・月別にマトリクス状に配置して連環比率表を作成する。連環比率表作成部13は、収支日計表の全ての項目に関する連環比率表を作成する、すなわち、収支連環比率表1401、収入連環比率表1402、経費連環比率表1403、労務費連環比率表1404、分担金連環比率表1405、勘定科目別連環比率表1406、変動費連環比率表1407を作成する。作成された連環比率表は、連環比率表データベース14に格納される。図6に連環比率表データベース14の構成例を示す。
【0022】
計画帳票作成部15は、連環比率表データベース14に格納されている各種の連環比率表と、収支日計表に含まれる各勘定科目の来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票を作成する部分である。計画帳票作成部15は、まず、来年度の年度予算額Pi+mを次式より算出する。
Pi+m=Pi×(1±α)
ここで、Piは今年度の年度合計額であり、αは今年度に対する年度予算額の増減を決定するパラメータである。
【0023】
計画帳票作成部15は、次に、連環比率表の月次係数及び日別係数に基づき月次配分額及び日次配分額を算出する。すなわち以下の式により算出する。
月次配分額=月次系数×年度予算額
日次配分額=日次系数×月次配分額
【0024】
なお、日次配分額を決定する際に、前年の該当日が休業日だった場合には、適宜前後の日の日時係数を用いて配分額を算出してもよい。収支日計表に含まれる勘定科目には、図3に示したようにそれぞれ細目が設定されている。各細目への予算の配分は、例えば図7に示すような按分比率一覧表が予め勘定科目別に用意されている。
【0025】
計画帳票作成部15は、このように収支日計表に含まれる勘定科目及び細目別に年度予算額を配分して、これらの金額を用いて勘定科目別の計画帳票を作成する。具体的には、収支計画表1601、収入計画表1602、経費計画表1603、労務費計画表1604、分担金計画表1605、勘定科目別計画表1606、変動費計画表1607を作成する。作成された計画帳票は、計画帳票データベース16に格納される。図8に計画帳票データベース16の構成例を示す。
【0026】
実績評価部17は、計画帳票データベース16に格納されている今年度の計画帳票と、帳票データベース12に格納されている今年度の収支日計表とに基づいて、日別の予算額に対する日別の実績額を評価する部分である。図9に示すように、実績評価部17は、収支日計表と計画帳票を利用して、まず日日収入予実計算書、日日経費予実計算書、日日労務費予実計算書を作成する。つぎに、日日予実計算書を利用して収支日計報告書を作成する。収支日計報告書は、図10に示すように、日別に予算と実績との差異を示す。さらに、収支日計報告書を利用して収支月次報告書を作成する。収支月次報告書は、図11に示すように、月別に予算と実績との差異を示す。
【0027】
帳票設計部18は、帳票データベース12に格納されている帳票の表示項目を設定する部分である。帳票データベース12は、本実施形態では、図4に示したように経営管理に関する複数の帳票データを格納している。これらの帳票データは、例えば図12に示すような基本項目が用意されている。帳票設計部18は、図12に示す基本項目の中から、例えば入力装置104(図3参照)を介したユーザの操作により選択された項目のみを使用するように、帳票データベース12に格納されている帳票の表示項目を設定する。
【0028】
次に、図13のフローチャートを用いて本実施形態の収支日計処理装置10によって実行される収支日計処理について説明する。
【0029】
まず、帳票設計部18により、帳票選択処理が行われる(S101)。帳票設計部18は、入力装置104を介したユーザの操作に応じて、帳票データベース12に格納された各種帳票の表示項目を、図12に示した基本項目の中から選択する。
【0030】
次に、収支日計表作成部11により、収支日計表作成処理が行われる(S102)。収支日計表作成部11は、入力装置104などを介して取得した勘定科目の入力データを、収支日計表に記録して、帳票データベース12に格納する。
【0031】
そして、連環比率表作成部13により、連環比率表作成処理が行われる(S103)。連環比率表作成部13は、帳票データベース12から所定の年数分の収支日計表を読み出し、収支日計表の表示項目(勘定科目)別に連環比率表を作成して、連環比率表データベース14に格納する。
【0032】
次に、計画帳票作成部15により、計画帳票作成処理が行われる(S104)。計画帳票作成部15は、連環比率表データベース14に格納されている全ての連環比率表を読み出し、入力装置104を介してユーザから取得した来年度の年度予算額に基づいて、収支日計表の項目(勘定科目)別に日別の予算額を算出し、項目別に計画表を作成して計画帳票データベース16に格納する。
【0033】
そして、実績評価部17により、実績評価処理が行われる(S105)。実績評価部17は、帳票データベース12から今年度の収支日計表を読み出し、計画帳票データベース16から今年度の計画帳票を読み出す。収支日計表及び計画帳票を利用して、日日収入予実計算書、日日経費予実計算書及び日日労務費予実計算書などの日日余日計算書を作成する。つぎに、これらの日日予実計算書を利用して収支日計報告書を作成する。さらに、収支日計報告書を利用して収支月次報告書を作成する。
【0034】
次に、上述した一連の収支日計処理をコンピュータに実行させるための収支日計処理プログラムを説明する。図14に示すように、収支日計処理プログラム202は、コンピュータが備える記憶媒体200に形成されたプログラム格納領域201内に格納されている。
【0035】
収支日計処理プログラム202は、収支日計表作成モジュール(収支日計表作成機能)202a、帳票格納モジュール(収支日計表格納機能)202b、連環比率票作成モジュール(比率表作成機能)202c、連環比率票格納モジュール202d、計画帳票作成モジュール(計画帳票作成機能)202e、計画帳票格納モジュール202f、実績評価モジュール202g及び帳票設計モジュール202hを備えて構成される。
【0036】
収支日計表作成モジュール202a、帳票格納モジュール202b、連環比率票作成モジュール202c、連環比率票格納モジュール202d、計画帳票作成モジュール202e、計画帳票格納モジュール202f、実績評価モジュール202g及び帳票設計モジュール202hを実行させることにより実現される機能は、上述した図1の収支日計処理装置10の収支日計表作成部11、帳票データベース12、連環比率表作成部13、連環比率表データベース14、計画帳票作成部15、計画帳票データベース16、実績評価部17及び帳票設計部18の機能とそれぞれ同様である。
【0037】
なお、収支日計処理プログラム202は、その一部又は全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、他の機器により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。また、収支日計処理プログラム202は、その一部又は全部が、CD−ROM、DVD−ROM、フラッシュメモリなどの持ち運び可能な記憶媒体に格納された状態から、他の機器に記録(インストールを含む)される構成としてもよい。
【0038】
次に、図15を参照して、本実施形態の変形例について説明する。上述した実施形態では、収支日計処理装置10は、図2に示すような単独のコンピュータにより実現されていたが、図15に示すように、収支日計処理装置10と同様の機能を備える複数の装置10A、10Bを通信可能に接続した収支日計処理システム300として構成してもよい。
【0039】
図15には、物流通業を想定して、本社に配置されている単一の本社用の収支日計処理装置10Aと、複数の配送センター(または子会社や他企業でもよい)にそれぞれ配置されている配送センター用の収支日計処理装置10Bからなる収支日計処理システム300が例示されている。本社用の収支日計処理装置10A及び配送センター用の収支日計処理装置10Bは、共に図1に示す収支日計処理装置10と同様の機能をもつ。
【0040】
配送センター用の収支日計処理装置10Bは、それぞれが配置されている配送センターにおける日別の勘定科目入力データに基づいて、当該配送センターの収支日計表を作成して、これを例えばネットワークを経由して本社用収支日計処理装置10Aへ送信する。
【0041】
本社用収支日計処理装置10Aは、各配送センター用の収支日計処理装置10Bから収支日計表を受信すると、これらを取りまとめて全社分の収支日計表を作成する。
【0042】
なお、本社用収支日計処理装置10Aが具体的にどのデータを配送センターから集約するかは用途に応じて適宜設定すれば良く、収支日計表以外にも連環比率表や計画帳票または勘定科目入力データのいずれかを集約するように構成してもよい。
【0043】
続いて、本実施形態に係る収支日計処理装置10の作用及び効果について説明する。
【0044】
本実施形態の収支日計処理装置10において、収支日計表作成部11が、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表を作成して、帳票データベース12に格納する。連環比率表作成部13が、帳票データベース12に格納されている収支日計表を参照して、収支日計表に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の連環比率から成る連環比率表を作成する。計画帳票作成部15が、連環比率表データベース14に格納されている連環比率表と、来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票を作成する。
【0045】
この構成により、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表に基づき、収支日計表に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の連環比率から成る連環比率表が作成される。そして、これらの連環比率表と来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票が作成される。これにより、収支日計表を利用して作成された比率表に基づき、来年度の予算額から日別の予算額を直接算出できるので日々の経営計画を精度良く簡便に行うことができる。
【0046】
また、本実施形態の収支日計処理装置10において、計画帳票データベース16には計画帳票作成部15により作成された今年度の計画帳票が格納されており、実績評価部17が、計画帳票データベース16に格納されている今年度の計画帳票と、帳票データベース12に格納されている今年度の収支日計表とに基づいて、日別の予算額に対する日別の実績額を評価する。この構成により、日別に実績額が予算額を達成しているかどうかを簡便に知ることができる。
【0047】
また、本実施形態の収支日計処理装置10において、帳票設計部18が、収支日計表に含まれる勘定科目の種類を設定する。この構成により、ユーザのニーズに合致する収支日計表を提供することができる。
【0048】
なお、上記の実施形態では、収支日計表に基づいて連環比率表が作成されたが、季節変動を考慮して月別・日別の比率を設定できれば良く、月別平均法や移動平均法などの季節調整手法を用いてもよい。
【0049】
また、本発明に係る収支日計処理装置は、例えば収支日計表作成部11により作成され、帳票データベース12に記憶されている収支日計表1205を利用することにより、財務会計処理や請求書作成処理にも拡張可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係る収支日計処理装置の機能構成を示す図である。
【図2】収支日計処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】収支日計表の勘定科目の例を示す図である。
【図4】帳票データベースの構成の一例を示す図である。
【図5】連環比率表の一例を示す図である。
【図6】連環比率表データベースの構成の一例を示す図である。
【図7】按分比率一覧表の一例を示す図である。
【図8】計画帳票データベースの構成の一例を示す図である。
【図9】実績評価部の処理の流れを示す図である。
【図10】収支日計報告書の一例を示す図である。
【図11】収支月計報告書の一例を示す図である。
【図12】帳票データベースに格納されている各帳票の基本項目を示す図である。
【図13】本実施形態に係る収支日計処理装置の処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る収支日計処理プログラムの構成を示す図である。
【図15】本実施形態の変形例である収支日計処理システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
10…収支日計処理装置、10A…本社用収支日計処理装置、10B…配送センター用収支日計処理装置、11…収支日計表作成部(収支日計表作成手段)、12…帳票データベース(収支日計表格納手段)、13…連環比率表作成部(連環比率表作成手段)、14…連環比率表データベース、15…計画帳票作成部(計画帳票作成手段)、16…計画帳票データベース(計画帳票格納手段)、17…実績評価部(実績評価手段)、18…帳票設計部(収支日計表設計手段)、202…収支日計処理プログラム、202a…収支日計表作成モジュール(収支日計表作成機能)、202b…帳票格納モジュール(収支日計表格納機能)、202c…連環比率票作成モジュール(連環比率表作成機能)、202d…連環比率票格納モジュール、202e…計画帳票作成モジュール(計画帳票作成機能)、202f…計画帳票格納モジュール、202g…実績評価モジュール、202h…帳票設計モジュール、300…収支日計処理システム、1205…収支日計表、1401…収支連環比率表、1402…収入連環比率表、1403…経費連環比率表、1404…労務費連環比率表、1405…分担金連環比率表、1406…勘定科目別連環比率表、1407…変動費連環比率表、1601…収支計画表、1602…収入計画表、1603…経費計画表、1604…労務費計画表、1605…分担金計画表、1606…勘定科目別計画表、1607…変動費計画表。
【技術分野】
【0001】
本発明は、収支日計処理装置、収支日計処理システム、及び収支日計処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
的確な経営計画を行うために、日別に細やかな経営計画を立てることが望まれている。一方、必要経費を1日単位で算出して、これらの必要経費と当日の売上額とに基づいて1日当たりの収支を算出する収支日計表が知られている(非特許文献1)。収支日計表は日別の実績を的確に把握することができる。
【非特許文献1】“やらまいか!物流通業 −ハマキョウ流・運送屋繁盛記 第6回「赤字仕事を見分ける方法」”,月間ロジスティクス・ビジネス,9月号,p66〜69,2003年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、非特許文献1の収支日計表は、日々の経営管理に主眼が置かれたものであって、収支日計表を経営計画に利用することはこれまで行われていなかった。
【0004】
本発明は、収支日計表を利用して、日々の経営計画を精度良く簡便に行うことができる収支日計処理装置、収支日計処理システム、及び収支日計処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の収支日計処理装置は、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表を作成する収支日計表作成手段と、収支日計表作成手段により作成された過去の所定期間分の収支日計表を格納する収支日計表格納手段と、収支日計表格納手段に格納されている収支日計表を参照して、収支日計表に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の比率から成る比率表を作成する比率表作成手段と、比率表と来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票を作成する計画帳票作成手段と、を備えている。
【0006】
この構成により、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表に基づき、収支日計表に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の比率から成る比率表が作成される。そして、これらの比率表と来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票が作成される。これにより、収支日計表を利用して作成された比率表に基づき、来年度の予算額から日別の予算額を直接算出できるので、日々の経営計画を精度良く簡便に行うことができる。
【0007】
また、本発明の収支日計処理装置は、計画帳票作成手段により算出された今年度の計画帳票を格納する計画帳票格納手段と、計画帳票格納手段に格納されている今年度の計画帳票と、収支日計表格納手段に格納されている今年度の収支日計表とに基づいて、日別の予算額に対する日別の実績額を評価する実績評価手段と、
をさらに備えるのが好適である。この構成により、日別に実績額が予算額を達成しているかどうかを簡便にユーザに知らせることができる。
【0008】
また、本発明の収支日計処理装置は、収支日計表に含まれる勘定科目の種類を設定する収支日計表設計手段をさらに備えるのが好適である。この構成により、ユーザのニーズに合致する収支日計表を提供することができる。
【0009】
また、比率表作成手段は、連環比率法に基づいて比率表を作成するのが好適である。この構成により、日々の実績額の趨勢変動が著しい場合でも、変動を反映した比率表を作成することができる。
【0010】
また、複数の企業ないし会社間で上記収支日計処理装置を利用するために、本発明は、上述の収支日計処理装置を複数有する収支日計処理システムであって、一の収支日計処理装置は、他の収支日計処理装置からネットワークを介して収支日計表を受信し、一の収支日計処理装置の収支日計表作成手段は、他の収支日計処理装置から受信した収支日計表と、自機の収支日計表とを合計して収支日計表を作成することを特徴としたものを提供している。これにより、例えば本社と、その子会社との間と、各社で独立した処理が可能であると共に、本社において統括的な処理が可能である。
【0011】
また、コンピュータを上記収支日計処理装置として利用するために、本発明は、当該コンピュータの記憶領域に格納する収支日計処理プログラムを提供する。本発明の収支日計処理プログラムは、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表を作成する収支日計表作成機能と、収支日計表作成機能により作成された過去の所定期間分の収支日計表を格納する収支日計表格納機能と、収支日計表格納機能に格納されている収支日計表を参照して、収支日計表に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の比率から成る比率表を作成する比率表作成機能と、比率表と来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票を作成する計画帳票作成機能と、をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の収支日計処理装置、収支日計処理システム、及び収支日計処理プログラムによると、収支日計表を利用して作成された比率表に基づき、来年度の予算額から日別の予算額を直接算出できるので日々の経営計画を精度良く簡便に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る収支日計処理装置、収支日計処理システム、及び収支日計処理プログラムの好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
図1に、本実施形態に係る収支日計処理装置の構成を示す。図1に示すように、収支日計処理装置10は、収支日計表作成部(収支日計表作成手段)11、帳票データベース(収支日計表格納手段)12、連環比率表作成部(比率表作成手段)13、連環比率表データベース14、計画帳票作成部(計画帳票作成手段)15、計画帳票データベース(計画帳票格納手段)16、実績評価部(実績評価手段)17、及び帳票設計部(収支日計表設計手段)18を含んで構成されている。
【0015】
図2に、収支日計処理装置10のハードウェア構成を示す。収支日計処理装置10は、物理的には、図2に示すように、CPU101、主記憶装置であるRAM102およびROM103、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置104、ディスプレイ等の出力装置105、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール106、ハードディスク等の補助記憶装置107、などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図1に示す収支日計処理装置10の各機能は、図2に示すCPU101、RAM102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール106、入力装置104、出力装置105を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置107におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図1に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
【0016】
収支日計表作成部11は、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表を作成する部分である。収支日計表は、ユーザの用途に応じて予め勘定科目に関する項目が選択されて組み込まれている。収支日計表の項目は、例えば図3に示すように、支出項目として経費(傭車費、燃料費、保険料、修繕保守費、減価償却費、備品費、消耗品費、水道光熱費、交際費、タイヤ・チューブ、旅費交通費、通信費、租税公課、車両保守費、荷造費、運賃、運行費、事故費、地代家賃、リース料、事務用品、募集費、雑費、社内仕入、その他手入力科目、実績、計画、過去5年の実績、累計)、労務費(配送社員、配送アルバイト、配送残業入力、配送残業、庫内社員、庫内残業入力、庫内残業、パート・アルバイト、交通費、その他実績、計画、過去の5年の実績、累計)、分担金(本社管理費分担金、建築物賃貸料、技術指導料、その他手入力分担金、実績、計画、過去5年の実績、累計)、などが用意されている。また、収入項目として社内収入及び社内収入(配送代行、一時保管料、作業応援代金、宅配料、その他手入力分担金、実績、計画、過去5年の実績、累計)が用意されている。
【0017】
なお、収支日計表の項目は、後述する帳票設計部18により必要に応じて適宜、取捨選択できる。
【0018】
収支日計表作成部11は、ユーザから入力装置104を介して入力された勘定科目入力データを収支日計表に入力して、入力済みの収支日計表を帳票データベース12に格納する。
【0019】
帳票データベース12には、収支日計表を含んだ経営管理に関する多種の帳票が格納されている。図4に帳票データベースの構成例を示す。図4に示すように、帳票データベース12は、例えば年次損益管理表1201、月次損益管理表1202、日日損益管理表1203、日日センター比較管理1204、収支日計表1205、売上総利益進捗管理1206、日日経費勘定科目表1207、日日労務費勘定科目表1208、日日収入一覧表1209、仕分け・ピッキング個数原価分析一覧表1210、工程別作業日報1211、工程別仕分け・ピッキング個数原価分析表1212、日日個数・アイテム原価付作業員勤務実績表1213、定番作業日報1214、担当者別勤務日報1215、時給単価マスター1216、出荷指示書の単価データ1217、工程別作業実績1218が格納されている。
【0020】
連環比率表作成部13は、帳票データベース12に格納されている収支日計表1205を参照して、収支日計表1205に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の連環比率から成る連環比率表を作成する部分である。連環比率表作成部13は、例えば、収支日計表の全ての項目について日別金額を合計して月次合計額及び年度合計額を算出する。そして、次式より月次係数及び日別係数を算出する。
月次合計額/年度合計額=月次係数
日別金額/月次合計額=日別係数
【0021】
さらに、例えば図5に示すように、算出された日別係数を日別・月別にマトリクス状に配置して連環比率表を作成する。連環比率表作成部13は、収支日計表の全ての項目に関する連環比率表を作成する、すなわち、収支連環比率表1401、収入連環比率表1402、経費連環比率表1403、労務費連環比率表1404、分担金連環比率表1405、勘定科目別連環比率表1406、変動費連環比率表1407を作成する。作成された連環比率表は、連環比率表データベース14に格納される。図6に連環比率表データベース14の構成例を示す。
【0022】
計画帳票作成部15は、連環比率表データベース14に格納されている各種の連環比率表と、収支日計表に含まれる各勘定科目の来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票を作成する部分である。計画帳票作成部15は、まず、来年度の年度予算額Pi+mを次式より算出する。
Pi+m=Pi×(1±α)
ここで、Piは今年度の年度合計額であり、αは今年度に対する年度予算額の増減を決定するパラメータである。
【0023】
計画帳票作成部15は、次に、連環比率表の月次係数及び日別係数に基づき月次配分額及び日次配分額を算出する。すなわち以下の式により算出する。
月次配分額=月次系数×年度予算額
日次配分額=日次系数×月次配分額
【0024】
なお、日次配分額を決定する際に、前年の該当日が休業日だった場合には、適宜前後の日の日時係数を用いて配分額を算出してもよい。収支日計表に含まれる勘定科目には、図3に示したようにそれぞれ細目が設定されている。各細目への予算の配分は、例えば図7に示すような按分比率一覧表が予め勘定科目別に用意されている。
【0025】
計画帳票作成部15は、このように収支日計表に含まれる勘定科目及び細目別に年度予算額を配分して、これらの金額を用いて勘定科目別の計画帳票を作成する。具体的には、収支計画表1601、収入計画表1602、経費計画表1603、労務費計画表1604、分担金計画表1605、勘定科目別計画表1606、変動費計画表1607を作成する。作成された計画帳票は、計画帳票データベース16に格納される。図8に計画帳票データベース16の構成例を示す。
【0026】
実績評価部17は、計画帳票データベース16に格納されている今年度の計画帳票と、帳票データベース12に格納されている今年度の収支日計表とに基づいて、日別の予算額に対する日別の実績額を評価する部分である。図9に示すように、実績評価部17は、収支日計表と計画帳票を利用して、まず日日収入予実計算書、日日経費予実計算書、日日労務費予実計算書を作成する。つぎに、日日予実計算書を利用して収支日計報告書を作成する。収支日計報告書は、図10に示すように、日別に予算と実績との差異を示す。さらに、収支日計報告書を利用して収支月次報告書を作成する。収支月次報告書は、図11に示すように、月別に予算と実績との差異を示す。
【0027】
帳票設計部18は、帳票データベース12に格納されている帳票の表示項目を設定する部分である。帳票データベース12は、本実施形態では、図4に示したように経営管理に関する複数の帳票データを格納している。これらの帳票データは、例えば図12に示すような基本項目が用意されている。帳票設計部18は、図12に示す基本項目の中から、例えば入力装置104(図3参照)を介したユーザの操作により選択された項目のみを使用するように、帳票データベース12に格納されている帳票の表示項目を設定する。
【0028】
次に、図13のフローチャートを用いて本実施形態の収支日計処理装置10によって実行される収支日計処理について説明する。
【0029】
まず、帳票設計部18により、帳票選択処理が行われる(S101)。帳票設計部18は、入力装置104を介したユーザの操作に応じて、帳票データベース12に格納された各種帳票の表示項目を、図12に示した基本項目の中から選択する。
【0030】
次に、収支日計表作成部11により、収支日計表作成処理が行われる(S102)。収支日計表作成部11は、入力装置104などを介して取得した勘定科目の入力データを、収支日計表に記録して、帳票データベース12に格納する。
【0031】
そして、連環比率表作成部13により、連環比率表作成処理が行われる(S103)。連環比率表作成部13は、帳票データベース12から所定の年数分の収支日計表を読み出し、収支日計表の表示項目(勘定科目)別に連環比率表を作成して、連環比率表データベース14に格納する。
【0032】
次に、計画帳票作成部15により、計画帳票作成処理が行われる(S104)。計画帳票作成部15は、連環比率表データベース14に格納されている全ての連環比率表を読み出し、入力装置104を介してユーザから取得した来年度の年度予算額に基づいて、収支日計表の項目(勘定科目)別に日別の予算額を算出し、項目別に計画表を作成して計画帳票データベース16に格納する。
【0033】
そして、実績評価部17により、実績評価処理が行われる(S105)。実績評価部17は、帳票データベース12から今年度の収支日計表を読み出し、計画帳票データベース16から今年度の計画帳票を読み出す。収支日計表及び計画帳票を利用して、日日収入予実計算書、日日経費予実計算書及び日日労務費予実計算書などの日日余日計算書を作成する。つぎに、これらの日日予実計算書を利用して収支日計報告書を作成する。さらに、収支日計報告書を利用して収支月次報告書を作成する。
【0034】
次に、上述した一連の収支日計処理をコンピュータに実行させるための収支日計処理プログラムを説明する。図14に示すように、収支日計処理プログラム202は、コンピュータが備える記憶媒体200に形成されたプログラム格納領域201内に格納されている。
【0035】
収支日計処理プログラム202は、収支日計表作成モジュール(収支日計表作成機能)202a、帳票格納モジュール(収支日計表格納機能)202b、連環比率票作成モジュール(比率表作成機能)202c、連環比率票格納モジュール202d、計画帳票作成モジュール(計画帳票作成機能)202e、計画帳票格納モジュール202f、実績評価モジュール202g及び帳票設計モジュール202hを備えて構成される。
【0036】
収支日計表作成モジュール202a、帳票格納モジュール202b、連環比率票作成モジュール202c、連環比率票格納モジュール202d、計画帳票作成モジュール202e、計画帳票格納モジュール202f、実績評価モジュール202g及び帳票設計モジュール202hを実行させることにより実現される機能は、上述した図1の収支日計処理装置10の収支日計表作成部11、帳票データベース12、連環比率表作成部13、連環比率表データベース14、計画帳票作成部15、計画帳票データベース16、実績評価部17及び帳票設計部18の機能とそれぞれ同様である。
【0037】
なお、収支日計処理プログラム202は、その一部又は全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、他の機器により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。また、収支日計処理プログラム202は、その一部又は全部が、CD−ROM、DVD−ROM、フラッシュメモリなどの持ち運び可能な記憶媒体に格納された状態から、他の機器に記録(インストールを含む)される構成としてもよい。
【0038】
次に、図15を参照して、本実施形態の変形例について説明する。上述した実施形態では、収支日計処理装置10は、図2に示すような単独のコンピュータにより実現されていたが、図15に示すように、収支日計処理装置10と同様の機能を備える複数の装置10A、10Bを通信可能に接続した収支日計処理システム300として構成してもよい。
【0039】
図15には、物流通業を想定して、本社に配置されている単一の本社用の収支日計処理装置10Aと、複数の配送センター(または子会社や他企業でもよい)にそれぞれ配置されている配送センター用の収支日計処理装置10Bからなる収支日計処理システム300が例示されている。本社用の収支日計処理装置10A及び配送センター用の収支日計処理装置10Bは、共に図1に示す収支日計処理装置10と同様の機能をもつ。
【0040】
配送センター用の収支日計処理装置10Bは、それぞれが配置されている配送センターにおける日別の勘定科目入力データに基づいて、当該配送センターの収支日計表を作成して、これを例えばネットワークを経由して本社用収支日計処理装置10Aへ送信する。
【0041】
本社用収支日計処理装置10Aは、各配送センター用の収支日計処理装置10Bから収支日計表を受信すると、これらを取りまとめて全社分の収支日計表を作成する。
【0042】
なお、本社用収支日計処理装置10Aが具体的にどのデータを配送センターから集約するかは用途に応じて適宜設定すれば良く、収支日計表以外にも連環比率表や計画帳票または勘定科目入力データのいずれかを集約するように構成してもよい。
【0043】
続いて、本実施形態に係る収支日計処理装置10の作用及び効果について説明する。
【0044】
本実施形態の収支日計処理装置10において、収支日計表作成部11が、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表を作成して、帳票データベース12に格納する。連環比率表作成部13が、帳票データベース12に格納されている収支日計表を参照して、収支日計表に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の連環比率から成る連環比率表を作成する。計画帳票作成部15が、連環比率表データベース14に格納されている連環比率表と、来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票を作成する。
【0045】
この構成により、勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表に基づき、収支日計表に含まれる勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する日別の実績額の連環比率から成る連環比率表が作成される。そして、これらの連環比率表と来年度の予算額とに基づいて、勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票が作成される。これにより、収支日計表を利用して作成された比率表に基づき、来年度の予算額から日別の予算額を直接算出できるので日々の経営計画を精度良く簡便に行うことができる。
【0046】
また、本実施形態の収支日計処理装置10において、計画帳票データベース16には計画帳票作成部15により作成された今年度の計画帳票が格納されており、実績評価部17が、計画帳票データベース16に格納されている今年度の計画帳票と、帳票データベース12に格納されている今年度の収支日計表とに基づいて、日別の予算額に対する日別の実績額を評価する。この構成により、日別に実績額が予算額を達成しているかどうかを簡便に知ることができる。
【0047】
また、本実施形態の収支日計処理装置10において、帳票設計部18が、収支日計表に含まれる勘定科目の種類を設定する。この構成により、ユーザのニーズに合致する収支日計表を提供することができる。
【0048】
なお、上記の実施形態では、収支日計表に基づいて連環比率表が作成されたが、季節変動を考慮して月別・日別の比率を設定できれば良く、月別平均法や移動平均法などの季節調整手法を用いてもよい。
【0049】
また、本発明に係る収支日計処理装置は、例えば収支日計表作成部11により作成され、帳票データベース12に記憶されている収支日計表1205を利用することにより、財務会計処理や請求書作成処理にも拡張可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係る収支日計処理装置の機能構成を示す図である。
【図2】収支日計処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】収支日計表の勘定科目の例を示す図である。
【図4】帳票データベースの構成の一例を示す図である。
【図5】連環比率表の一例を示す図である。
【図6】連環比率表データベースの構成の一例を示す図である。
【図7】按分比率一覧表の一例を示す図である。
【図8】計画帳票データベースの構成の一例を示す図である。
【図9】実績評価部の処理の流れを示す図である。
【図10】収支日計報告書の一例を示す図である。
【図11】収支月計報告書の一例を示す図である。
【図12】帳票データベースに格納されている各帳票の基本項目を示す図である。
【図13】本実施形態に係る収支日計処理装置の処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る収支日計処理プログラムの構成を示す図である。
【図15】本実施形態の変形例である収支日計処理システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
10…収支日計処理装置、10A…本社用収支日計処理装置、10B…配送センター用収支日計処理装置、11…収支日計表作成部(収支日計表作成手段)、12…帳票データベース(収支日計表格納手段)、13…連環比率表作成部(連環比率表作成手段)、14…連環比率表データベース、15…計画帳票作成部(計画帳票作成手段)、16…計画帳票データベース(計画帳票格納手段)、17…実績評価部(実績評価手段)、18…帳票設計部(収支日計表設計手段)、202…収支日計処理プログラム、202a…収支日計表作成モジュール(収支日計表作成機能)、202b…帳票格納モジュール(収支日計表格納機能)、202c…連環比率票作成モジュール(連環比率表作成機能)、202d…連環比率票格納モジュール、202e…計画帳票作成モジュール(計画帳票作成機能)、202f…計画帳票格納モジュール、202g…実績評価モジュール、202h…帳票設計モジュール、300…収支日計処理システム、1205…収支日計表、1401…収支連環比率表、1402…収入連環比率表、1403…経費連環比率表、1404…労務費連環比率表、1405…分担金連環比率表、1406…勘定科目別連環比率表、1407…変動費連環比率表、1601…収支計画表、1602…収入計画表、1603…経費計画表、1604…労務費計画表、1605…分担金計画表、1606…勘定科目別計画表、1607…変動費計画表。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表(1205)を作成する収支日計表作成手段(11)と、
前記収支日計表作成手段(11)により作成された過去の所定期間分の前記収支日計表(1205)を格納する収支日計表格納手段(12)と、
前記収支日計表格納手段(12)に格納されている前記収支日計表(1205)を参照して、前記収支日計表(1205)に含まれる前記勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する前記日別の実績額の比率から成る比率表(1401〜1407)を作成する比率表作成手段(13)と、
前記比率表(1401〜1407)と来年度の予算額(Pi+m)とに基づいて、前記勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票(1601〜1607)を作成する計画帳票作成手段(15)と、
を備える収支日計処理装置。
【請求項2】
前記計画帳票作成手段(15)により算出された今年度の前記計画帳票(1601〜1607)を格納する計画帳票格納手段(16)と、
前記計画帳票格納手段(16)に格納されている前記今年度の計画帳票(1601〜1607)と、前記収支日計表格納手段(12)に格納されている今年度の前記収支日計表(1205)とに基づいて、前記日別の予算額に対する前記日別の実績額を評価する実績評価手段(17)と、
をさらに備える、請求項1に記載の収支日計処理装置。
【請求項3】
前記収支日計表(1205)に含まれる前記勘定科目の種類を設定する収支日計表設計手段(18)をさらに備える、請求項1または2に記載の収支日計処理装置。
【請求項4】
前記比率表作成手段(13)は、連環比率法に基づいて前記比率表(1401〜1407)を作成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の収支日計処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の複数の収支日計処理装置(10A、10B)を有する収支日計処理システム(300)であって、
一の前記収支日計処理装置(10A)は、他の前記収支日計処理装置(10B)からネットワークを介して収支日計表(1205)を受信し、
前記一の収支日計処理装置(10A)の収支日計表作成手段(11)は、前記他の収支日計処理装置(10B)から受信した収支日計表(1205)と、自機の収支日計表(1205)とを合計して収支日計表(1205)を作成することを特徴とする収支日計処理システム。
【請求項6】
勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表(1205)を作成する収支日計表作成機能(202a)と、
前記収支日計表作成機能(202a)により作成された過去の所定期間分の前記収支日計表(1205)を格納する収支日計表格納機能(202b)と、
前記収支日計表格納機能(202b)に格納されている前記収支日計表(1205)を参照して、前記収支日計表(1205)に含まれる前記勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する前記日別の実績額の比率から成る比率表(1401〜1407)を作成する比率表作成機能(202c)と、
前記比率表(1401〜1407)と来年度の予算額(Pi+m)とに基づいて、前記勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票(1601〜1607)を作成する計画帳票作成機能(202e)と、
をコンピュータに実現させるための収支日計処理プログラム。
【請求項1】
勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表(1205)を作成する収支日計表作成手段(11)と、
前記収支日計表作成手段(11)により作成された過去の所定期間分の前記収支日計表(1205)を格納する収支日計表格納手段(12)と、
前記収支日計表格納手段(12)に格納されている前記収支日計表(1205)を参照して、前記収支日計表(1205)に含まれる前記勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する前記日別の実績額の比率から成る比率表(1401〜1407)を作成する比率表作成手段(13)と、
前記比率表(1401〜1407)と来年度の予算額(Pi+m)とに基づいて、前記勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票(1601〜1607)を作成する計画帳票作成手段(15)と、
を備える収支日計処理装置。
【請求項2】
前記計画帳票作成手段(15)により算出された今年度の前記計画帳票(1601〜1607)を格納する計画帳票格納手段(16)と、
前記計画帳票格納手段(16)に格納されている前記今年度の計画帳票(1601〜1607)と、前記収支日計表格納手段(12)に格納されている今年度の前記収支日計表(1205)とに基づいて、前記日別の予算額に対する前記日別の実績額を評価する実績評価手段(17)と、
をさらに備える、請求項1に記載の収支日計処理装置。
【請求項3】
前記収支日計表(1205)に含まれる前記勘定科目の種類を設定する収支日計表設計手段(18)をさらに備える、請求項1または2に記載の収支日計処理装置。
【請求項4】
前記比率表作成手段(13)は、連環比率法に基づいて前記比率表(1401〜1407)を作成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の収支日計処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の複数の収支日計処理装置(10A、10B)を有する収支日計処理システム(300)であって、
一の前記収支日計処理装置(10A)は、他の前記収支日計処理装置(10B)からネットワークを介して収支日計表(1205)を受信し、
前記一の収支日計処理装置(10A)の収支日計表作成手段(11)は、前記他の収支日計処理装置(10B)から受信した収支日計表(1205)と、自機の収支日計表(1205)とを合計して収支日計表(1205)を作成することを特徴とする収支日計処理システム。
【請求項6】
勘定科目に関する日別の実績額から成る収支日計表(1205)を作成する収支日計表作成機能(202a)と、
前記収支日計表作成機能(202a)により作成された過去の所定期間分の前記収支日計表(1205)を格納する収支日計表格納機能(202b)と、
前記収支日計表格納機能(202b)に格納されている前記収支日計表(1205)を参照して、前記収支日計表(1205)に含まれる前記勘定科目のそれぞれについて、年間合計額に対する前記日別の実績額の比率から成る比率表(1401〜1407)を作成する比率表作成機能(202c)と、
前記比率表(1401〜1407)と来年度の予算額(Pi+m)とに基づいて、前記勘定科目のそれぞれについて、来年度の日別の予算額を含む計画帳票(1601〜1607)を作成する計画帳票作成機能(202e)と、
をコンピュータに実現させるための収支日計処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【公開番号】特開2009−223682(P2009−223682A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68195(P2008−68195)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(303034517)株式会社ハマキョウレックス (3)
【出願人】(505219428)
【出願人】(508081329)
【出願人】(502380361)トーヨーカネツソリューションズ株式会社 (50)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(303034517)株式会社ハマキョウレックス (3)
【出願人】(505219428)
【出願人】(508081329)
【出願人】(502380361)トーヨーカネツソリューションズ株式会社 (50)
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