説明

収穫物搬送装置

【課題】
圃場から収穫された作物に付着する泥塊を搬送工程中に多く除去することで前述の選別作業や搬送作業を行い易くすることを課題とする。
【解決手段】
収穫物(X)を載置して搬送する第一搬送装置(30)と、該第一搬送装置(30)の搬送終端部から第一搬送装置(30)と同じ搬送方向に収穫物を搬送する第二搬送装置(31)とを設け、前記第一搬送装置(30)と第二搬送装置(31)は無端帯(30a,31a)所定間隔で複数並列して設け、第一搬送装置(30)の無端帯(30a)の搬送終端部と第二搬送装置(31)の無端帯(31a)搬送始端部とを同軸にかつ交互に巻回する構成としたことを特徴とする収穫物搬送装置の構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
圃場から収穫した根菜類等の収穫物の搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、平ベルトで収穫物を搬送する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2003−33105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
圃場から収穫した根菜類等の収穫物には泥塊が付着しており、搬送工程の後工程に行う収穫物の選別作業がし難くなる。また、泥塊の付着したままの収穫物が収容容器に収容されると収容容器の重量が重くなり搬送作業がし難くなる。
【0004】
本発明は、圃場から収穫された作物に付着する泥塊を搬送工程中に多く除去することで前述の選別作業や搬送作業を行い易くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために以下のような技術的手段を講じた。
即ち、請求項1においては、収穫物(X)を載置して搬送する無端帯(30a)を所定間隔で複数並列して設け、同じ方向に回転駆動する構成としたことを特徴とする収穫物搬送装置とする。
【0006】
また、請求項2においては、収穫物(X)を載置して搬送する第一搬送装置(30)と、該第一搬送装置(30)の搬送終端部から第一搬送装置(30)と同じ搬送方向に収穫物を搬送する第二搬送装置(31)とを設け、前記第一搬送装置(30)と第二搬送装置(31)は無端帯(30a,31a)所定間隔で複数並列して設け、第一搬送装置(30)の無端帯(30a)の搬送終端部と第二搬送装置(31)の無端帯(31a)搬送始端部とを同軸にかつ交互に巻回する構成としたことを特徴とする収穫物搬送装置とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明においては、無端帯(30a)を所定間隔で複数並列して設けたことで、隣接する無端帯間には空間が形成されるため、無端帯(30a)に載置して搬送される収穫物(X)に付着する泥塊が隣接する無端帯間の空間から落下しやすくなるため、収穫物(X)に付着する泥塊の除去が促進され、後工程に行う選別作業や搬送作業を行いやすくすることができる。
【0008】
請求項2記載の発明においては、無端帯(X)を所定間隔で複数並列して設けた第一搬送装置(30)と第二搬送装置(31)を同じ搬送方向に複数連続して設ける場合に、第一搬送装置(30)の無端帯(30a)の搬送終端部と第二搬送装置(31)の無端帯(31a)の搬送始端部とを同軸にかつ交互に巻回する構成としたことで、第一搬送装置(30)から第二搬送装置(31)への引継ぎが円滑に行える。また、第一搬送装置(30)及び第二搬送装置(31)の何れでも収穫物(X)に付着する泥塊の除去が行うことができるため、泥塊の除去可能範囲が広がり、泥塊の除去を促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を実施するための最良の形態の一つとして、人参等の根菜類を圃場から収穫する根菜類収穫機がある。以下に、本発明を実施した根菜類収穫機について詳細に説明する。なお、本実施例で機体の進行方向に向かって左側を左、右側を右と呼ぶ。
【0010】
根菜類収穫機1は、機体を自走させる走行装置2と、搭乗した操縦者によって操作される操作具を配置した操縦部3と、圃場に植生する根菜類Xの茎葉部を引き起こす引起し装置4と、圃場内の根菜類Xを掘り起こす掘り起こし刃11と、掘り起こした根菜類の茎葉部を挟持して後側斜め上方に搬送する挟持搬送ベルト5と、挟持搬送ベルト5で挟持搬送された根菜類Xの茎葉部を切断する切断装置6と、切断装置6で茎葉部を切断され、落下した根菜類Xを搬送しながら根菜類Xに付着する残葉を除去する残葉処理装置7と、残葉処理装置7で残葉処理された根菜類Xを引き継いで搬送する搬送装置8と、搬送装置8で搬送された根菜類Xを収容する収容容器Cを載置する収穫物載置部9とを備えている。
【0011】
また、前記走行装置2は駆動回転する左右一対のクローラ10L,10Rを備え、前記挟持搬送ベルト5は機体の左右一方側に配置し、前記収穫物載置部9は機体の左右他方側に配置し且つ該収穫物載置部9を配置した側のクローラ10Rの左右外端部より収穫物載置部9の左右外端部が左右方向外側に位置する状態に配置している。そして、前記収穫物載置部9を配置した側のクローラ10Rの接地部を左右反対側のクローラ10Lの接地部より下方に位置する状態に下動可能に設けている。
【0012】
以下に、根菜類収穫機1の各部の具体的な構成を説明する。
機体左側の前部に設ける引起し装置4は地上から植生している根菜類Xの茎葉部を引き起こす多数のラグ4aを備えている。
【0013】
引起し装置4の下方には圃場内の根菜類Xの周囲の土を掘り起こす掘り起こし刃11を設けている。そして、掘り起こし刃11の上方には挟持搬送ベルト5の挟持搬送始端部が臨む構成としている。
【0014】
挟持搬送ベルト5は互いに左右対向する一対のベルトの周側面が互いに圧接する状態でベルト面が後方に移動するよう回転する構成としている。
挟持搬送ベルト5の搬送途中の下側には根菜類Xの尻尾の毛を除去する尻尾切除装置13を設けているが、根菜類Xの搬送方向と反対側、あるいは垂直方向に回転する回転刃(図示せず)を内装し、複数並列して構成している。
この挟持搬送ベルト5の搬送終端側には根菜類Xの茎葉部を切断する切断装置6を設けている。挟持搬送ベルト5で根菜類を搬送する途中で根菜類Xの茎葉部を引継いで挟持して機体後方水平状に搬送する排葉ベルト21を、左右挟持搬送ベルト4の終端部分の下方に略水平姿勢で左右一対に設けている。また、この排葉ベルト21に茎葉部を引継ぎ搬送するときに、根菜類Xの上端部に係合して根菜類Xの上昇を規制し根菜類Xの高さを切断装置6に対して設定高さに揃えるための位置揃えベルト22を設けている。この位置揃えベルト22の後端部後方に、切断装置6を配置し、挟持搬送ベルト4で搬送されてきた根菜類Xの茎葉部を切断する。切断された根菜類Xは下方に落下し、茎葉部は排葉ベルト21で機体後方に搬送されて機体後部側から排出される構成である。
【0015】
切断装置6は左右一対からなり、それぞれ異なる回転数に設定している。
切断装置6で茎葉部を切断され落下した根菜類Xは、切断装置6の下方に位置する残葉処理装置7に落下する。残葉処理装置7は機体の左右内側、すなわち機体右側方向に根菜類Xを搬送する残葉処理コンベア24と、残葉処理コンベア24の搬送終端側の上方には回転駆動する残葉処理ローラ25とから構成している。
【0016】
残葉処理コンベア24は平坦な面を有するベルトコンベアで構成し、その移送下手側のベルト上面に下側がベルト回転方向と同方向に向って駆動回転する残葉処理ローラ25を、該ローラ前端部側が後端部側に比べて左右方向において機体内側になるように平面視傾斜状態で配置して設けている。そして、残葉処理コンベア24の周回内側にはベルトコンベアを支持すると共に、ベルトコンベア内に泥が流入するのを防止する支持部材70を設けている。
【0017】
支持部材70は搬送方向左右両側の支持部70a,70bと残葉処理ローラ25に沿って支持部70a,70bとを連結する連結部70cとからなり、平面視略N字状に形成している。
【0018】
支持部70a,70bは下側に屈曲して形成し、該屈曲部70dはベルトコンベアの周回内に泥が入り込むのを防止している。
残葉処理ローラ25の前端部25aは支持部70aと上下方向で重ならない位置にあり、前端部25aの下方に対向する連結部70cに切欠き部Vを設け、残葉処理ローラ25の前端部25aに対向するベルトの下方を開放状態としている。そして,残葉処理ローラ25の前端部25aから搬送方向斜め前方向に向かってステー71を設け、該ステー71と残葉処理コンベア24のベルト面とを間隔(図示せず)を設けている。なお、ステー71と残葉処理コンベア24のベルト面とを間隔(図示せず)は残葉処理ローラ25と残葉処理コンベア24との間隔Hよりも大きく構成している。
【0019】
次に搬送装置8について詳述する。搬送装置8は残葉処理装置7で残葉処理された根菜類Xを受け継いで搬送する第一搬送装置30と第一搬送装置30で搬送された根菜類Xを受け継いでと搬送する第二搬送装置31とから構成される。第一搬送装置30と第二搬送装置31はそれぞれVベルト30a,31aを所定間隔で複数本並列して設け、第一搬送
装置30のVベルト30aの搬送終端側と第二搬送装置31aの搬送始端側とを同じ軸32に交互に巻回する構成としている。本実施例では軸32に取り付けているプーリに巻回している。なお、第一搬送装置30の両端のVベルト30aが第二搬送装置31の両端のVベルト31aよりも内側に配置している。
【0020】
第一搬送装置30は残葉処理装置7の機体前側に隣接して備え、残葉処理コンベア24と同じ方向に搬送する構成としている。また、第一搬送装置30は搬送始端側から搬送終端側に向かって下方に斜め傾斜して構成し、第一搬送装置30の搬送終端部、すなわち第二搬送装置31の搬送始端部は残葉処理ローラ25の前端部25aに対向する位置に配置している。また、軸32は残葉処理コンベア24よりも下方に位置する構成で残葉処理されて供給された第一搬送装置30に供給された根菜類が一時的に貯留できるよう構成している。
【0021】
第二搬送装置31は搬送始端部から搬送終端部に向かって機体左右方向斜め上方に傾斜して配置され、Vベルト31aにはそれぞれ根菜類Xを持ち上げ搬送するための支持体31bを複数個ずつ取り付けている。
【0022】
第二搬送装置31の搬送終端部は選別搬送装置35の搬送始端部と対向する構成とし、選別搬送装置35は機体後方に向かって配置する構成である。選別搬送装置35の側方には選別搬送装置35で搬送される根菜類Xから不良品を取り除く選別作業を行う作業者が機体上に搭乗するための搭乗部36を設けている。搭乗部36には、作業者が機体上に容易に搭乗し作業が行えるようシート37を設けている。更に、搭乗部36の左右方向機体外側部に機体前部から機体後部にわたってコンテナCを前後一列に複数載置できる収穫物載置部9を設けていて、この積載部9上に収穫物で満杯の収容容器Cを載置しながら収穫作業を進めることで能率よく作業が行えるものとなる。この収穫物載置部9は、機体内側に回動可能に取り付けて折畳み可能な構造等にすることで機体内側に収納可能に設けている。
【0023】
次に本実施例の根菜類収穫機の根菜類の収穫作業について説明する。
根菜類収穫機1は走行しながら圃場の根菜類Xを連続して掘り起こして収穫していく。
まず、引起し装置4のラグ4aが上下方向に周回して圃場Uから植生する茎葉を掻き上げる。そして、掘り起こし刃11が圃場U内の根菜類Xの周囲の土を掘り起こして根菜類Xを持ち上げ、挟持搬送ベルト4が茎葉部を挟持して根菜類Xを吊り下げ搬送する。
【0024】
挟持搬送ベルト4で機体後方に向かって搬送された根菜類Xは切断装置5で茎葉部が切断され、根菜類Xは下方に落下し、茎葉部は排葉ベルト21で機体後方に搬送されて機体後部側から排出される。
【0025】
根部Xは残葉処理装置7の残葉処理コンベア24に落下し、残葉処理コンベア24によって根菜類Xが移送される。そして、移送される根菜類Xが搬送終端側の残葉処理ローラ25に当ると、残葉処理ローラ25に沿って第一搬送装置側に移動しながら切断装置6によって切断された後に残葉が付着する根菜類Xの場合、残葉が残葉処理コンベア25のベルト上面と残葉処理ローラ25との間に引き込まれて取り除かれることになる。
【0026】
そのとき、石等の固形異物Pが根菜類Xと共に残葉処理コンベア24に供給される場合がある。残葉処理ローラ25と残葉処理コンベア24との間隔よりも固形異物が小さい場合には固形異物Pは残葉処理ローラ25と残葉処理コンベア24との間Hを通過して残葉処理コンベア24の搬送終端側より排出される。それに対し、残葉処理ローラ25と残葉処理コンベア24との間隔よりも固形異物Pが大きい場合には、固形異物Pは残葉処理ローラ25に沿って残葉処理ローラ25の前端部25aまで移動し、切欠き部Vに残葉処理コンベア24が撓み、固形異物Pが残葉処理ローラ25と残葉処理コンベア24との間隔Hを通過して機外に排出される。もしくはステー71と残葉処理コンベア24との間を通過して排出される。この構成により、固形異物Pが残葉処理ローラ25と残葉処理コンベア24間で噛み込むことを防止している。
【0027】
残葉処理装置7で残葉処理がなされた根菜類Xは第一搬送装置30に落下し、Vベルト30aに載置され搬送され、次いで第二搬送装置31のVベルト31aに引き継がれて支持体31aで支持され、持ち上げ搬送される。Vベルト30a,31aで搬送されながら、根菜類Xに付着する泥は隣接するVベルト30a,又は31a間の空間に落下していく。
第二搬送装置31で搬送された根菜類Xは選別搬送装置35の搬送始端側に落下供給され、機体後方に向かって搬送される。その搬送途中でシート37に着座する作業者が不良品を除去していき、良品の根菜類Xが選別搬送装置35の搬送終端部に設ける収容容器Cに収容され、満杯になった収容容器Cは収穫物載置部9に順次載置される。
【0028】
第一搬送装置30及び第二搬送装置31を本実施例のように、第一搬送装置30の搬送終端部と第二搬送装置31の搬送始端部とを同軸にかつVベルト30a、Vベルト31aを交互に巻回する構成としたことで、第一搬送装置30から第二搬送装置31への引継ぎが円滑に行えるものでありながら、軸32が共用できるためコンパクトで安価な構成にすることができる。また、第一搬送装置30から第二搬送装置31の搬送方向を上方に変更して搬送することが可能になり、根菜類(収穫物)を高い位置まで持ち上げ搬送することが可能になる。従って、収容容器Cを大きなものにして多くの根菜類(収穫物)を収容して収穫作業能率を向上させることが可能となる。また、第一搬送装置30及び第二搬送装置31の何れでも作物に付着する泥塊の除去が行うことができるため、泥塊の除去可能範囲が広がり、泥塊の除去を促進することができる。特に根菜類収穫機1に使用することで収穫作業の振動が伝わるため、泥落しが促進される。さらに、第一搬送装置30の両端のVベルト30aが第二搬送装置31の両端のVベルト31aよりも内側に配置していることで、収穫物の引継ぎが円滑になる。また、Vベルトを用いることで根菜類X傷つき難く、また搬送装置の幅をコンパクトな構成でありながら根菜類Xが落下しない間隔に設け、かつ根菜類Xに付着する泥が落下する空間を広く取ることが可能になる。
【0029】
次に、搬送装置8の別実施例について説明する。
この実施例の搬送装置8は搬送終端側をペダル69の操作でシリンダ67により上昇する搬送コンベア60で構成する。搬送コンベア60収穫作物の搬送面に作物の一側を支持するよう所定の幅を有する突起体61を搬送方向に沿って所定間隔で多数形成する。そして、多数の突起体61は搬送コンベア60の幅方向に亘って複数列形成し、隣接する列の突起体61を千鳥足状に設けている。また、本実施例の突起体61は図5に示すように搬送面の搬送終端位置から非搬送面になる位置Bに達するとコンベア面からの突起位置の高さQが搬送時の突起の高さRよりも低くなるよう軟性体の部材で形成されている。
【0030】
搬送コンベア60の搬送終端部には収容袋64内の根菜類を検出できるセンサ(図示せず)を設け、センサの検出結果に基づいて収容袋64を上昇させても良い。またはスイッチ85で搬送コンベア61の上下動を行うようにしても良い。
【0031】
また、搬送コンベア61が上動すると収容袋載置部68が機体内側に折りたためるようにしても良い。また、搬送コンベア61の上下動を検出するリミットスイッチ(図示せず)を設けている。81は不良品の根菜類Xを廃棄するシュータである。
【0032】
次に本実施例の野菜収穫機の収穫作業について説明する。
走行装置2で走行しながら圃場の根菜類Xの周囲の土を掘り起こし刃11で掘り起こしながら挟持搬送ベルト4の挟持搬送始端部側で作物の茎葉を挟持し、後ろ斜め上方に向かって搬送される。挟持搬送ベルト4の搬送途中で、排葉ベルト21が根菜類Xの茎葉部を引き継ぐと共に、位置揃えベルト22で根菜類Xの高さを一定に揃えて切断装置6で茎葉部を切断する。そして、茎葉部は排葉ベルト21で機体後方に放出されると共に、根菜類Xは残葉処理コンベア24上に落下する。
【0033】
前記実施例で記載されているのと同様に残葉処理装置コンベア24と残葉処理ローラ25とで残葉の除去が行われ、搬送コンベア60に供給される。
搬送コンベア60に排出された根菜類Xは突起体61によって根菜類Xの一側が支持された状態で機体横方向に向かって持ち上げ搬送される。このとき収穫された根菜類Xの大きさ・形状は不揃いであり、特に大きな根菜類Xの場合に突起体60で支持しにくく、持ち上げ搬送しにくい場合があるが、このような作物は図6の根菜類X1の状態のように一方の突起体61aの内側の一端と千鳥足状に隣接する突起体61bの内側の一端とで挟まることで、持ち上げ搬送される。そして、搬送コンベア60の搬送終端側から収容袋64に排出される。
【0034】
空の状態の収容袋64に根菜類Xを収容し始めるときは、搬送コンベア60の搬送終端部と収容袋上部支持手段65とを共に低い位置に下降しておき、根菜類Xが収容袋64内に落下する距離を小さくする。そして、根菜類Xの収容量が次第に増えていくに従い、作業者はシート37に着座し、不良品の根菜類Xの選別作業を行い、かつ、収容袋64内への根菜類Xの収容状況を確認しながら搬送コンベア60の搬送終端部側をペダル69を踏んで適宜上昇操作する。そして、搬送コンベア60の搬送終端部と収容袋上部支持手段65を共に上昇させていくことで、収容袋64から根菜類Xが溢れ出ないようにしながら満杯状態になるまで収容袋64に根菜類Xを収容する。
【0035】
本実施例の構成により、従来のような搬送コンベア面に一つの突起体を設ける構成においては、大きな根菜類の場合に持ち上げにくかったが、大きな作物を持ち上げ搬送する時に隣接する千鳥足状の二つの突起体61a,61b間で挟むようにして持ち上げ搬送することができるため、搬送コンベア60の搬送始端部で搬送されない作物が滞留状態となることを防止し、搬送コンベア60の搬送能力を向上させることができる。特に搬送コンベア61が上下動するものに本実施例の構成にすることで、作物を持ち上げ搬送しやすい。
【0036】
また、本実施例のように搬送コンベア60の突起体61を軟性体にすることで、搬送終端時に突起の高さが低くなるため、作物を押し出す作用が少なくなり、作物が搬送コンベア60の終端側より勢いよく飛び出して作物に傷が付きやすくなるのを防止することができる構成の場合に、根菜類Xが搬送方向前方で支持している突起体61a(又は61b)が搬送終端部で突起が隣接する突起よりも先に引っ込むため、根菜類は突起体61b(又は61a)に引っかかることなく収容袋18に落下収容することができる。また、突起体61が軟性の部材で形成されているため、根菜類Xを挟んでも根菜類Xが傷つけにくく、また、いろいろな大きさの根菜類Xも挟みやすい。
【0037】
なお、他にも図示はしないが二列の突起体の配列を内側に向かって斜めに構成したりして根菜類Xを挟持できる構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、根菜類の収穫機について記載されているが、収穫した作物を洗浄機等まで搬送する搬送装置や作物を調整する調整機に用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】根菜類収穫機の左側面図
【図2】根菜類収穫機の平面図
【図3】根菜類収穫機の背面図
【図4】発明の要部の平面図
【図5】(a)残葉処理装置の斜視図 (b)支持部材70の斜視図 (c)残葉処理装置の断面図
【図6】別実施例の平面図
【図7】背面から見た別実施例の斜視図
【図8】搬送コンベア60の側面図
【図9】別実施例の平面図
【符号の説明】
【0040】
X 収穫物
30 第一搬送装置
31 第二搬送装置
30a Vベルト
31a Vベルト



【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫物(X)を載置して搬送する無端帯(30a)を所定間隔で複数並列して設け、同じ方向に回転駆動する構成としたことを特徴とする収穫物搬送装置。
【請求項2】
収穫物(X)を載置して搬送する第一搬送装置(30)と、該第一搬送装置(30)の搬送終端部から第一搬送装置(30)と同じ搬送方向に収穫物(X)を搬送する第二搬送装置(31)とを設け、前記第一搬送装置(30)と第二搬送装置(31)は無端帯(30a,31a)所定間隔で複数並列して設け、第一搬送装置(30)の無端帯(30a)の搬送終端部と第二搬送装置(31)の無端帯(31a)搬送始端部とを同軸にかつ交互に巻回する構成としたことを特徴とする収穫物搬送装置。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−333745(P2006−333745A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160334(P2005−160334)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】