説明

収穫補助器具

【課題】枝木との接触があるような茂みの狭い場所であっても片手での収穫作業を容易にし、また、収穫した農作物に外傷を与えることなく、確実に取り込むことができ、かつ、容易に取り出すことができる。
【解決手段】環状に形状保持された可撓材からなる環状支持体11と、環状支持体11の外側に固定され、収穫作業者の手のひらと手の甲の両方に接触させて装着する装着部12と、袋状に形状保持された容器からなり、該容器の開口縁を環状支持体11に取り付けた収容部13と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物、特にブルーベリーの収穫作業の省力化のために使用する収穫補助器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すような収穫及び摘果補助装置が知られている。その収穫及び摘果補助装置は、両手指部から首に及ぶ案内手段を設けることにより、両手で摘果及び収穫作業ができ、且つ案内手段を広くすることにより果実を容易に取り込むことができる。
【0003】
しかしながら、収穫及び摘果補助装置の案内が広くなると、摘果及び収穫作業の利便性は向上するが、茂みの狭い場所での作業には適さなくなるという問題が生じる。
【特許文献1】特開2006−149258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、枝木との接触があるような茂みの狭い場所であっても片手での収穫作業を容易にし、また、収穫した農作物に外傷を与えることなく、確実に取り込むことができ、かつ、容易に取り出すことができる収穫補助器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための手段として、本発明の収穫補助器具は、環状に形状保持された可撓材からなる環状支持体と、前記環状支持体の外側に固定され、収穫作業者の手のひらと手の甲の両方に接触させて装着する装着部と、袋状に形状保持された容器からなり、該容器の開口縁を前記環状支持体に取り付けた収容部と、を備えるようにしている。
【0006】
この構成によれば、収穫補助器具を片手に装着し、親指とその他の指を使用して農作物を収穫することができる。また、環状支持体に枝木が当たって力が加わっても、可撓性により環状を維持することができ、容器の入口を閉塞することがないので、親指とその他の指で掴んで収穫した農作物を、その掴んだ位置で掴んだ指を離すことにより簡単に取り込むことができる。また、本発明の収穫補助器具は環状支持体が形状保持されているので、逆さにしても取り込んだ農作物の出口を塞ぐことがなく簡単に取り出すことができる。
【0007】
前記収容部の容器がネットからなっていることが好ましい。この構成によれば、収穫した農作物から脱離したヘタ等の不要物を、農作物を収穫して容器へ取り込むこと以外に別の作業を経ることなくネットの隙間から落下させて除去することができる。
【0008】
前記装着部が、全周の長さを調整自在な環状帯からなることが好ましい。この構成によれば、環状帯の全周の長さを自在に調整することにより、さまざまな手の大きさに合わせることができる。
【0009】
前記装着部が、前記環状支持体に固定され、親指を除く指のうち、少なくとも一本の指を引っ掛けて手を補助的に固定する補助部材をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、手のひらと手の甲の両方に環状帯を接触させることに加えて、さらに少なくとも一本の指を引っ掛けて補助的に固定することにより、本発明の収穫補助器具をより確実に一体的に装着することができる。
【0010】
前記環状支持体が楕円形に形状保持されていることが好ましい。この構成によれば、環状支持体が楕円の幾何学的形状による可撓性に起因する反発力が弱い部分と、可撓性に起因する反発力が強い部分の両方を備えることにより、相対的に反発力の弱い部分に力が加えられた際に、より容易に環状支持体を変形させることができる。その後、極めて短時間で元の形状に復元させることができる。
【0011】
前記環状支持体が、全周の一部に他の部分と厚さが異なる帯からなっていることが好ましい。この構成によれば、環状支持体の全周の一部に他の部分と厚さが異なる部分を備えることにより、可撓性に抗して形成されている環状支持体の中で、相対的に薄い部分で可撓性に起因する反発力が弱い部分と、相対的に厚い部分で可撓性に起因する反発力が強い部分とを生じさせることができる。これにより、環状支持体を容易に変形させた後、極めて短時間で元の形状に復元させることができる。
【0012】
前記環状支持体がワイヤからなることが好ましい。この構成によれば、より簡易な構造にすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、枝木との接触があるような茂みの狭い場所であっても片手での収穫作業ができるようにし、また、収穫した農作物に外傷を与えることなく、確実に容器の中に取り込むことができ、かつ、逆さにするだけで容器から容易に取り出すことができる。また、収穫補助器具が変形することにより枝木との接触による摩擦力を減少させるので、収穫作業者が狭い枝木の中へ手を入れて容易に収穫できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0015】
図1、図2及び図3は、本発明にかかる収穫補助器具10の上方斜視図、平面図、背面図である。収穫補助器具10は環状支持体11、装着部12及び収容部13からなっている。
【0016】
環状支持体11は、可撓材でできた2つの帯板11a,11bからなっている。本実施形態の帯板11a,11bは、厚さ0.3mmのステンレス鋼帯であるが、アルミニウム板その他の金属板、又は樹脂製の板であってもよい。2つの帯板11a,11bは、それぞれがその可撓性を利用して一端と他端が接触しないようにC字状に曲げられている。これらのC字状の2つの帯板11a,11bは両端部を互いに重ねて環状になるように、リベット14により接合されている。すなわち、環状支持体11には、帯板が1重の部分と2重の部分の両方がある。
【0017】
環状支持体11の帯板11a,11bの厚さ方向の断面は、帯板11a,11bの一部のみの重ね合わせにより全周が同じ厚さで形成されていないため、環状支持体11には可撓性に起因する反発力の大きい部分と小さい部分が生じている。環状支持体11の相対的に反発力の小さい部分は、反発力の大きい部分と比較してその変形をより解消できないため、環状支持体11の帯板11a,11bの厚さ方向の断面は、円ではなく楕円が形成されて最終的に安定している。換言すれば、環状支持体11の帯板11a,11bの厚さ方向の断面は、開口した状態で形状保持されている。その断面形状は長径が15センチ、短径が10センチの楕円状に形成されていることが好ましい。
【0018】
装着部12は、ステー17と該ステー17に取り付けられた環状帯(マジックテープ(登録商標))18からなっている。
【0019】
ステー17は矩形状の薄板であり、長手方向には長孔19が設けられている。本実施形態におけるステー17は金属からなっているが、変形しない程度の強度が確保できるものであれば、他の材質であってもよい。ステー17は、環状支持体11の帯板11a,11bの長手方向と直交する方向に、ステー17の長手方向が位置するように、ボルト20をステー17の長孔19に挿入し、次に、そのボルト20を環状支持体11の孔(不図示)に挿入して、長孔19の範囲内で調整可能に、ナット21により1箇所で環状支持体11に締結し固定されている。締結を解除すれば、環状支持体11に対するステー17の位置が調整できるようになっている。
【0020】
環状帯18は、一面に接着部22と他面に被接着部23が設けられた帯状のマジックテープ(登録商標)からなっており、一端の接着部22が他端の被接着部23に接着され環状に形成されている。環状帯18の全周の長さは、一端と他端の接着位置を変えて重ね合わせ面24の長さLを変更することにより調整自在となっている。環状帯18は、環状支持体11と直交するように、ボルト28とナット26により2箇所でステー17に締結し固定されている。
【0021】
リング取付ステー29は、図2及び図3に示すように、一端と他端が互いに90°ねじれた位置関係にある金属の薄板である。
【0022】
リング取付ステー29は、基端部をステー17と環状支持体11の間に挟持して、ステー17を取り付けるボルト20,ナット21により環状支持体11に固定されるとともに、中間部をボルト33,ナット35で環状支持体11に締結し固定されている。本実施形態におけるリング取付ステー29は金属からなっているが、変形しない程度の強度が確保できるものであれば、他の材質であってもよい。リング取付ステー29は一端と他端が互いに90°ねじれた位置関係になくてもよく、リング(補助部材)31がリング取付ステー29に固定できて、リングの穴を同じ位置に配設できるものであればよい。
【0023】
リング31は、装着部12の環状帯18と同様のマジックテープ(登録商標)で環状に形成されている。リング31は、リング取付ステー29の先端にボルト37,ナット39で締結し固定されている。補助部材31は、リング取付ステー29に取り付けることができ、指を引っ掛けられるものであれば、マジックテープ(登録商標)でなくてもよく、樹脂製のリングや、C字形又は棒状の突起であってもよい。
【0024】
収容部13は、環状支持体11の環の内側で下方に収容空間を有する形状保持された袋状のネット(容器)からなっている。容器の深さは10〜15cmが好ましい。網目の大きさは、不要物(ヘタ)の排出に関係するため、4mm角が好ましい。本実施形態におけるネットからなる容器はポリエチレン製であるが、容器が空又は満杯の状態で、通常使用又は逆さでの使用のいずれにおいても形状保持可能であれば別の材質であってもよい。袋状のネットの全周にわたる上端は、環状支持体11の内側からネットを環状支持体11の全体に包囲させるように外側に通し、環状支持体11より下方でネットの先端が、環状支持体11の環の内側の下方で容器を構成しているネットに複数のインシュロック(連結部材)40により複数箇所で連結されている。ネットは、ステー17又はリング取付ステー29と干渉する部分が切り欠かれたものである。インシュロック40によるネットの連結後は、インシュロック40のネットから突出した部分が残存しないように切断されている。ネットはこの取付方法に限定されず、帯板11a,11bの間に挟持してもよい。
【0025】
図4は本発明にかかる収穫補助器具10とともに使用する運搬車50の上方斜視図である。運搬車50は積載フレーム51及びハンドル53付の台車52からなっている。
【0026】
積載フレーム51は、4本の柱(垂直部材)54、複数の横部材55,59,61,63、2つの縦部材56及び複数の受け部材57,60,62,64からなっている。これらの部材は金属製の押出品が好ましく、その断面形状は矩形であってもよいし、円形でもよい。
【0027】
横部材55,59,61,63は一方と他方の組の柱54,54の間に水平に配置され、これらの柱54,54を連結している。ある横部材と隣の横部材とは、鉛直方向において後述するトレイ66が抜挿できる最小限の間隔かそれ以上のものとなっている。柱54の上端に最も近い横部材63は、運搬車50に積載するトレイ66の横移動を阻止するために、柱54の上端より低い所に配設されている。
【0028】
縦部材56は、一方の組の柱54とこれと対向する他方の柱54の下端を連結している。
【0029】
受け部材57,60,62,64は、一方の組の横部材55,59,61,63と、これと対向する他方の組の横部材55,59,61,63とを連結している。2つの受け部材57,60,62,64は、農作物(ブルーベリー)がトレイ66内のいずれの場所に投入及び収容されても安定的に支持できるように、それぞれ柱54にできるだけ近い所に配設する。
【0030】
運搬車50には、運搬車50の前進方向の、トレイ66の移動を規制するためのストッパ部材70が設けられている。ストッパ部材70は、金属製のパイプ又は丸棒でできている。形状は、柱54と同様の長さの直線部71を備えるものであればよく、好ましくは、その直線部71の一端に連続する、直線部71の軸方向とは異なる方向に曲がった掴持部72を備えたものがよい。ストッパ部材70は、運搬車50の横部材59,61,63に設けられたストッパ挿入部材73,74,75のストッパ挿入孔76に挿入され横部材55に設けられたストッパ受け部材67により支持されている。
【0031】
図5に示すように、台車52は、4つの車輪84を有する積載部81の後端にハンドル53を設けた公知のものであり、積載部81に積載フレーム51が載置され固定されている。
【0032】
図6は、トレイ66を収容した運搬車50を示す。トレイ66は樹脂製であり、一面が開口した直方体の容器である。トレイ66の大きさは前述したような柱54と柱54の間隔に適合するものにして、運搬車50のストッパ挿入部材73,74,75を有する面に対してトレイ66を抜挿できるようにする。
【0033】
図7及び図8に示すように、トレイ66を運搬車50に挿入した後、ストッパ部材70を3つのストッパ挿入部材75,74,73に挿入し、ストッパ受け部材67で支持されるようにする。
【0034】
挿入されたトレイ66は、横部材55,59,61,63と受け部材57,60,62,64でトレイ66の底面が支持され、4本の柱54によりトレイ66の横方向の移動が阻止される。トレイ66の、運搬車50の縦部材56に対応する長さの方向には、ハンドル53と反対側(前方)のストッパ部材70により、運搬時のトレイ66の前方へのずれ落ちが阻止されている。
【0035】
図9(a)及び図9(b)は、運搬車50に後述する収容作業補助器具95を取り付けるための収容作業補助器具取付部96を示す。収容作業補助器具取付部96は、固定部材97、支持部材98及び連結部材99からなっている。固定部材97には、収容作業補助器具95のホッパ100を固定できるようにクランプ101が設けられている。支持部材98は、運搬車50の柱54の断面と同じ外周線を有する2つの角パイプが、支持部材98の側面から見た場合にL字となるように、その一端と一端とがL字ジョイント102により連結されている。連結部材99は、その内側が柱54及び支持部材98を収容するのにぴったりの大きさで、柱54及び支持部材98の両方を同時に挿入可能な長さの角パイプでできている。
【0036】
図10は、収容作業補助器具95を示す。収容作業補助器具95は、ホッパ100、ラインセレクタ103、送出ライン104からなっている。ホッパ100は上面に投入口105と下面に排出口(図示せず)を備え、下方の側面がテーパ状に形成されたカップである。ラインセレクタ103は、ホッパ100の排出口(図示せず)に接続されており、手動での切り替えにより、3方向に送り出すことができる構造のものである。ラインセレクタ103の3方向の出口にはそれぞれ、送出ライン104が接続されている。送出ライン104の先端は、運搬車50に搭載されたトレイ66の中へ排出されるように配置される。本実施形態における収容作業補助器具95は樹脂製であるが、他の材質のものであってもよい。
【0037】
図11は、収容作業補助器具95が取り付けられた状態の運搬車50を示す。運搬車50の4本の柱54のうち、使用者が作業のしやすい位置の一本の柱54の上方から連結部材99をその柱54に差し込み、連結部材99の下端を第4横部材63と当接させるようにする。次に、収容作業補助器具取付部96のクランプ101が運搬車50に対して外側へ突出するように、収容作業補助器具取付部96のクランプ101と反対側の先端を連結部材99の中に挿入する。収容作業補助器具取付部96のクランプ101と反対側の先端は、運搬車50の柱54の上端と当接して連結部材99の中で支持される。次に、収容作業補助器具取付部96のクランプ101を解除し、収容作業補助器具95のホッパ100を固定部材97の所定の位置にセットしてクランプ101で固定する。最後に、収容作業補助器具95の送出ライン104の3つの先端のそれぞれを3つのトレイ66それぞれの中へ配置する。送出ライン104の先端はトレイ66の中に置くだけでもよいが、トレイ66の上面の空間で、運搬車50に固定するほうが好ましい。
【0038】
次に、本発明にかかる収穫補助器具10を用いてブルーベリーを収穫する方法を説明する。図12に示すように、収穫補助器具10の装着部12の環状帯18に、手のひらと手の甲の両方が接触するように挿入する。その際、環状帯18の全周の長さが所望の長さでない場合には、環状帯18の一端を剥離させて結合を解除し、その一端と他端との重ね合わせ面24の長さLを変更することにより、全周の長さを所望の長さに調整する。また、環状支持体11に対する環状帯18の高さ方向の位置を変更したい場合には、ボルト20、ナット21をゆるめ、環状支持体11の帯板11a,11bの長手方向と直交する方向に、ステー17を移動させて調整し、ボルト20、ナット21を再び締結して固定する。そして、親指以外の指で、使用者の作業を容易にする一本の指(例は小指)をリング31に挿入する。リング31の全周の長さの調整が必要な場合には、装着部12の環状帯18と同様の手順で行う。指をリング31に挿入した状態で、少し握るように持つと、リング31に指を引っ掛けて固定することができ収穫する姿勢を取ることができる。
【0039】
次に、図13に示すように、ブルーベリーが実っている枝を手繰り寄せる。枝の先端部93にある収穫可能なブルーベリー94を選定し、収穫補助器具10を装着した状態で、自由になっている親指と、人差し指又は中指等でつまみ、ねじることによりブルーベリー94を収穫する。親指と人差し指又は中指等でつまんでいるブルーベリー94はもぎ取ったその位置で指を離すと、その位置の重力方向に落下する。環状支持体11は開口しているので、その位置で落下させれば、確実に収容部13の容器の中に取り込むことができる。狭い枝木の間に手を入れて、奥の枝のブルーベリーを収穫する際、枝木に当たっても、環状支持体11は容易に変形して元に戻るので収穫が容易である。両手に取り付けて作業することもできる。
【0040】
収容部13のブルーベリーが満杯になると、運搬車50に設置されたトレイ66の上方で手首をひっくり返し、環状支持体11の開口を下に向けて、ブルーベリーを取り出す。この場合でも、環状支持体11の開口は形状保持されており、また、収容部13の容器も形状保持されているので収穫補助器具10の出口は塞がれることなく、容易にブルーベリーを取り出すことができる。
【0041】
トレイ66が満杯になると、運搬車50のストッパ部材70を上方に引き抜き、そのトレイ66と、空のトレイ66とを入れ替える。その後、ストッパ部材70を再び上方から挿入する。
【0042】
このようにすれば、片手でブルーベリーを収穫して、収穫補助器具10に取り込むことができ、収穫の作業効率を格段に向上させることができる。
【0043】
次に、前述した収容方法でのトレイ66の入れ替え作業を必要としない収容作業補助器具95の使用を説明する。前述した収容方法と同様に、運搬車50の一番上のトレイ66には、収穫補助器具10から直接トレイ66へブルーベリーを移し替える。運搬車50の一番上のトレイ66以外のトレイ66に対しては、予めラインセレクタ103の送出先を指定しておいたうえで、収穫補助器具10から収容作業補助器具95のホッパ100へブルーベリーを投入する。その送出先のトレイ66が満杯になると、別の収容場所が残されているトレイ66の方に、ラインセレクタ103を切り替えて、上述したようにホッパ100にブルーベリーを投入する。
【0044】
このように、収容作業補助器具95を使用すれば、ブルーベリーで満杯になった重いトレイ66の入れ替えを行う必要がなくなるため、時間的損失と肉体的負担を軽減することができる。
【0045】
本発明は実施形態のものに限定されず、種々の変形が可能である。例えば、環状支持体11が帯板11a,11bではなく、ワイヤからなっていてもよい。また、環状支持体11の帯板11a,11bが重なり合う部分をスライドできるようにして、開口面の面積を変更できるようにしてもよい。また、装着部12は、ステー17とリング取付ステー29を含む部品が一体化したものであってもよい。
【0046】
環状支持体11が収容したブルーベリーの重みによって変形する虞がある場合は図1中二点鎖線で示すように、ステー17と環状支持体11の対向部分との間に突っ張り部材106を取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明にかかる収穫補助器具の上方斜視図。
【図2】本発明にかかる収穫補助器具の平面図。
【図3】本発明にかかる収穫補助器具の背面図。
【図4】本発明にかかる収穫補助器具とともに使用する運搬車の上方斜視図。
【図5】本発明にかかる収穫補助器具とともに使用する運搬車の台車を示す上方斜視図。
【図6】トレイを収容した運搬車を示す図。
【図7】ストッパ部材が挿入された運搬車を示す図。
【図8】ストッパ部材が挿入された運搬車の後方斜視図。
【図9】図9(a)は運搬車に収容作業補助器具を取り付けるための収容作業補助器具取付部を示す上面図、図9(b)は、図9(a)の側面図。
【図10】運搬車に取り付ける収容作業補助器具の側面図。
【図11】収容作業補助器具が取り付けられた状態の運搬車を示す図。
【図12】本発明にかかる収穫補助器具の装着の仕方を示す図。
【図13】ブルーベリーの収穫における本発明にかかる収穫補助器具の使用状態を示す図。
【符号の説明】
【0048】
10 収穫補助器具
11 環状支持体
11a,11b 帯板
12 装着部
13 収容部
17 ステー
18 環状帯(マジックテープ(登録商標))
19 長孔
20,28,33,37 ボルト
21,26,35,39 ナット
22 接着部
23 被接着部
24 重ね合わせ面
29 リング取付ステー(リング取付用部材)
31 リング(補助部材)
40 インシュロック(連結部材)
50 運搬車
51 積載フレーム
52 台車
53 ハンドル
54 柱(垂直部材)
55,59,61,63 横部材
56 縦部材
57,60,62,64 受け部材
66 トレイ
67 ストッパ受け部材
70 ストッパ部材
71 直線部
72 掴持部
73,74,75 ストッパ挿入部材
76 ストッパ挿入孔
93 枝の先端部
94 ブルーベリー
95 収容作業補助器具
96 収容作業補助器具取付部
97 固定部材
98 支持部材
99 連結部材
100 ホッパ
103 ラインセレクタ
104 送出ライン
106 突っ張り部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状に形状保持された可撓材からなる環状支持体と、
前記環状支持体の外側に固定され、収穫作業者の手のひらと手の甲の両方に接触させて装着する装着部と、
袋状に形状保持された容器からなり、該容器の開口縁を前記環状支持体に取り付けた収容部と、
を備えることを特徴とする収穫補助器具。
【請求項2】
前記収容部の容器がネットからなっていることを特徴とする請求項1に記載の収穫補助器具。
【請求項3】
前記装着部が、全周の長さを調整自在な環状帯からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の収穫補助器具。
【請求項4】
前記装着部が、前記環状支持体に固定され、親指を除く指のうち、少なくとも一本の指を引っ掛けて手を補助的に固定する補助部材をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の収穫補助器具。
【請求項5】
前記環状支持体が楕円形に形状保持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の収穫補助器具。
【請求項6】
前記環状支持体が、全周の一部に他の部分と厚さが異なる帯からなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の収穫補助器具。
【請求項7】
前記環状支持体がワイヤからなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の収穫補助器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−119309(P2010−119309A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293597(P2008−293597)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(508341636)
【出願人】(508341991)
【Fターム(参考)】