説明

収納具

【課題】組み立てて製造し易く、堅牢な収納具を提供する。
【解決手段】この発明の収納具10は、表紙部20と、表表紙部22と裏表紙部24との間において、開口部42を有する複数の袋状部44が複数並列された収納部40とを備え、前記収納部の第1主面部52と第2主面部54とは、第1境界64aを挟んで連続されるとともに、第1境界の近くに隙間66,68を形成され、第1主面部又は第2主面部の幅方向における両端に突設された、第1固定部56及び第2固定部58の辺56S,58Sに差し込み部80,82を形成され、第1主面部52と第2主面部54とを第1境界64aにおいて谷折りして底縁部64を形成し且つ第1固定部と第2固定部とを主面部との境界において谷折りして袋状部の側縁部72,76を形成し、前記差し込み部80,82を前記隙間66,68に差し込むことにより第1主面部52と第2主面部54との間に袋状部44を形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は収納具に関し、特にたとえば、カード体,小物などを収納して、保管,持ち運びするための複数のポケットよりなる収納部が形成されたカードホルダー等の収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード,名刺等の種々のカード等の薄状シート体を収納するためのケースがある。
このカード収納ケースは、主に、ケース本体とこのケース本体の内部に設けられた収納部材とから形成され、この収納部材に複数のカード体が収納される。
【0003】
そして、カード収納体の収納部材において、複数の突出片が交互に設けられた一枚のシート体を、このシート体の長手方向に山折部と谷折部とが交互に形成されるように折り曲げ、さらに、前記複数の突出片を内側に折り込むことにより、開口部を有する複数のポケット部が形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−12233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この従来のカードを収納する収納部材は、一枚のシート体を溶着してポケット部を形成するために、小さなポケットを溶着するときに手間がかかり製造が困難である。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、組み立てて製造し易く、堅牢な収納具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の請求項1にかかる収納具は、適宜な広さを有する表表紙部及び裏表紙部を含む表紙部と、前記表表紙部と前記裏表紙部との間において、開口部を有する複数の袋状部が開口部において複数並列され、この袋状部には被収納物が収納可能であり、前記袋状部の開口部間の空間が伸縮自在に形成された収納部とを備え、前記収納部は、第1主面部及び前記第1主面部に対向する第2主面部と、前記第1主面部又は第2主面部の幅方向における両端に突設された、第1固定部及び第2固定部と、最も端の第1主面部及び/又は最も端の第2主面部に連続された表紙固定部とを有し、前記第1主面部と第2主面部とは、第1境界を挟んで連続されるとともに、第1境界の近くに隙間を形成され、前記第1固定部は第4境界を挟んで第1主面部又は第2主面部に連続され且つ第2固定部は第3境界を挟んで第1主面部又は第2主面部に連続されるとともに、第4境界において第1固定部を連続していない第1主面部又は第2主面部側に折り曲げられたときに前記隙間に対応する第1固定部の辺に、差し込み部を形成され且つ第3境界において第2主面部側に折り曲げられたときに前記隙間に対応する第2固定部の辺に、差し込み部を形成され、一の第2主面部の一の第1主面部が続いた第1境界とは別の辺の第2境界を挟んで他の第1主面部が連続されるように、複数の第1主面部と第2主面部とが第1境界及び第2境界を挟んで連続して形成され、第1主面部と第2主面部とを第1境界において谷折りして内面を対向させて袋状部の底縁部を形成し且つ第1固定部と第2固定部とを第3境界及び第4境界において谷折りして第1固定部を連続していない第1主面部又は第2主面部と対向させて袋状部の側縁部を形成するとともに、前記差し込み部を前記隙間に差し込むことにより第1主面部と第2主面部との間に袋状部を形成され、第2境界において連続する第2主面部と第1主面部とを山折りして複数の袋状部を連続して、収納部を形成され、最も端の第1主面部及び/又は最も端の第2主面部に、収納部を覆うように表紙固定部において表紙部を固定されたことを特徴とする収納具である。
この発明の請求項2にかかる収納具においては、前記隙間は、直線状の第1境界に沿う、直線状の細長い切り込みにより構成され、前記差し込み部は、第1固定部及び第2固定部の第1境界に沿ってのびる辺において突き出して形成され、前記間隙に差し込まれたときに、隙間より抜け出ないようにするための抜け止め部を形成された、請求項1に記載の収納具である。
この発明の請求項3にかかる収納具は、適宜な広さを有する表表紙部及び裏表紙部を含む表紙部と、前記表表紙部と前記裏表紙部との間において、開口部を有する複数の袋状部が開口部において複数並列され、この袋状部には被収納物が収納可能であり、前記袋状部の開口部間の空間が伸縮自在に形成された収納部と、前記収納部の端に形成された表紙固定部と、表紙部の内面より前記表紙固定部とは離れた位置において収納部側に向けて突き出された、袋状部吊り部とを備え、前記収納部は、第1主面部と底縁部を挟んで対向する第2主面部とを、底縁部及び底縁部に交差する側縁部において連続されて袋状に形成され、側縁部の間において第1主面部と第2主面部とが離れた開口縁部を形成された袋状部が、開口縁部において複数連続され、前記袋状部吊り部は、先に袋状部の幅方向及び/又は長手方向にのびる係止部を有し、被収納物を収納された複数の袋状部を表紙部の内面より被収納物の重みにより垂れ下がらないようにするために、係止部を袋状部に係止させて、袋状部吊り部を表紙部に連続した、収納具である。
この発明の請求項4にかかる収納具は、前記袋状部吊り部は、表紙部を構成する表表紙部及び/又は裏表紙部の内面より突き出された、連結首部と、連結首部の先端において左右にのびる係止部とを有し、前記係止部は、第1固定部及び/又は第2固定部により袋状部に係止された、請求項3に記載の収納具である。
この発明の請求項5にかかる収納具は、前記第1主面部及び/又は第2主面部の幅方向における両端に突設された第1固定部及び第2固定部を、前記第1固定部及び第2固定部を形成されていない第1主面部又は第2主面部側に折り曲げて、第1主面部及び/又は第2主面部と第1固定部及び第2固定部との間に、袋状部吊り部を挟んで、係止部を袋状部に係止された、請求項3に記載の収納具である。
この発明の請求項6にかかる収納具は、前記収納部は、第1主面部及び前記第1主面部に対向する第2主面部と、前記第1主面部又は第2主面部の幅方向における両端に突設された、第1固定部及び第2固定部と、最も端の第1主面部及び/又は最も端の第2主面部に連続された表紙固定部とを有し、前記第1主面部と第2主面部とは、第1境界を挟んで連続されるとともに、第1境界の近くに隙間を形成され、前記第1固定部は第4境界を挟んで第1主面部又は第2主面部に連続され且つ第2固定部は第3境界を挟んで第1主面部又は第2主面部に連続されるとともに、第4境界において第1固定部を連続していない第1主面部又は第2主面部側に折り曲げられたときに前記隙間に対応する第1固定部の辺に、差し込み部を形成され且つ第3境界において第2主面部側に折り曲げられたときに前記隙間に対応する第2固定部の辺に、差し込み部を形成され、一の第2主面部の一の第1主面部が続いた第1境界とは別の辺の第2境界を挟んで他の第1主面部が連続されるように、複数の第1主面部と第2主面部とが第1境界及び第2境界を挟んで連続して形成され、第1主面部と第2主面部とを第1境界において谷折りして内面を対向させて袋状部の底縁部を形成し且つ第1固定部と第2固定部とを第3境界及び第4境界において谷折りして第1固定部を連続していない第1主面部又は第2主面部と対向させて袋状部の側縁部を形成するとともに、前記差し込み部を前記隙間に差し込むことにより第1主面部と第2主面部との間に袋状部を形成され、第2境界において連続する第2主面部と第1主面部とを山折りして複数の袋状部を連続して、収納部を形成された、請求項3に記載の収納具である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、適宜な広さを有する表表紙部及び裏表紙部を含む表紙部と、前記表表紙部と前記裏表紙部との間において、開口部を有する複数の袋状部が開口部において複数並列され、この袋状部には被収納物が収納可能であり、前記袋状部の開口部間の空間が伸縮自在に形成された収納部とを備え、前記収納部は、第1主面部及び前記第1主面部に対向する第2主面部と、前記第1主面部又は第2主面部の幅方向における両端に突設された、第1固定部及び第2固定部と、最も端の第1主面部及び/又は最も端の第2主面部に連続された表紙固定部とを有し、前記第1主面部と第2主面部とは、第1境界を挟んで連続されるとともに、第1境界の近くに隙間を形成され、前記第1固定部は第4境界を挟んで第1主面部又は第2主面部に連続され且つ第2固定部は第3境界を挟んで第1主面部又は第2主面部に連続されるとともに、第4境界において第1固定部を連続していない第1主面部又は第2主面部側に折り曲げられたときに前記隙間に対応する第1固定部の辺に、差し込み部を形成され且つ第3境界において第2主面部側に折り曲げられたときに前記隙間に対応する第2固定部の辺に、差し込み部を形成され、一の第2主面部の一の第1主面部が続いた第1境界とは別の辺の第2境界を挟んで他の第1主面部が連続されるように、複数の第1主面部と第2主面部とが第1境界及び第2境界を挟んで連続して形成され、第1主面部と第2主面部とを第1境界において谷折りして内面を対向させて袋状部の底縁部を形成し且つ第1固定部と第2固定部とを第3境界及び第4境界において谷折りして第1固定部を連続していない第1主面部又は第2主面部と対向させて袋状部の側縁部を形成するとともに、前記差し込み部を前記隙間に差し込むことにより第1主面部と第2主面部との間に袋状部を形成され、第2境界において連続する第2主面部と第1主面部とを山折りして複数の袋状部を連続して、収納部を形成され、最も端の第1主面部及び/又は最も端の第2主面部に、収納部を覆うように表紙固定部において表紙部を固定されているので、組み立てて製造し易く、堅牢な収納具を提供することができる。
請求項2の発明によれば、前記隙間は、直線状の第1境界に沿う、直線状の細長い切り込みにより構成され、前記差し込み部は、第1固定部及び第2固定部の第1境界に沿ってのびる辺において突き出して形成され、前記間隙に差し込まれたときに、隙間より抜け出ないようにするための抜け止め部を形成されているので、組み立てて製造し易く、堅牢な収納具を提供することができる。
請求項3の発明によれば、適宜な広さを有する表表紙部及び裏表紙部を含む表紙部と、前記表表紙部と前記裏表紙部との間において、開口部を有する複数の袋状部が開口部において複数並列され、この袋状部には被収納物が収納可能であり、前記袋状部の開口部間の空間が伸縮自在に形成された収納部と、前記収納部の端に形成された表紙固定部と、表紙部の内面より前記表紙固定部とは離れた位置において収納部側に向けて突き出された、袋状部吊り部とを備え、前記収納部は、第1主面部と底縁部を挟んで対向する第2主面部とを、底縁部及び底縁部に交差する側縁部において連続されて袋状に形成され、側縁部の間において第1主面部と第2主面部とが離れた開口縁部を形成された袋状部が、開口縁部において複数連続され、前記袋状部吊り部は、先に袋状部の幅方向及び/又は長手方向にのびる係止部を有し、被収納物を収納された複数の袋状部を表紙部の内面より被収納物の重みにより垂れ下がらないようにするために、係止部を袋状部に係止させて、袋状部吊り部を表紙部に連続しているので、組み立てて製造し易く、堅牢な収納具を提供することができる。
請求項4の発明によれば、前記袋状部吊り部は、表紙部を構成する表表紙部及び/又は裏表紙部の内面より突き出された、連結首部と、連結首部の先端において左右にのびる係止部とを有し、前記係止部は、第1固定部及び/又は第2固定部により袋状部に係止されているので、組み立てて製造し易く、堅牢な収納具を提供することができる。
請求項5の発明によれば、前記第1主面部及び/又は第2主面部の幅方向における両端に突設された第1固定部及び第2固定部を、前記第1固定部及び第2固定部を形成されていない第1主面部又は第2主面部側に折り曲げて、第1主面部及び/又は第2主面部と第1固定部及び第2固定部との間に、袋状部吊り部を挟んで、係止部を袋状部に係止されているので、組み立てて製造し易く、堅牢な収納具を提供することができる。
請求項6の発明によれば、前記収納部は、第1主面部及び前記第1主面部に対向する第2主面部と、前記第1主面部又は第2主面部の幅方向における両端に突設された、第1固定部及び第2固定部と、最も端の第1主面部及び/又は最も端の第2主面部に連続された表紙固定部とを有し、前記第1主面部と第2主面部とは、第1境界を挟んで連続されるとともに、第1境界の近くに隙間を形成され、前記第1固定部は第4境界を挟んで第1主面部又は第2主面部に連続され且つ第2固定部は第3境界を挟んで第1主面部又は第2主面部に連続されるとともに、第4境界において第1固定部を連続していない第1主面部又は第2主面部側に折り曲げられたときに前記隙間に対応する第1固定部の辺に、差し込み部を形成され且つ第3境界において第2主面部側に折り曲げられたときに前記隙間に対応する第2固定部の辺に、差し込み部を形成され、一の第2主面部の一の第1主面部が続いた第1境界とは別の辺の第2境界を挟んで他の第1主面部が連続されるように、複数の第1主面部と第2主面部とが第1境界及び第2境界を挟んで連続して形成され、第1主面部と第2主面部とを第1境界において谷折りして内面を対向させて袋状部の底縁部を形成し且つ第1固定部と第2固定部とを第3境界及び第4境界において谷折りして第1固定部を連続していない第1主面部又は第2主面部と対向させて袋状部の側縁部を形成するとともに、前記差し込み部を前記隙間に差し込むことにより第1主面部と第2主面部との間に袋状部を形成され、第2境界において連続する第2主面部と第1主面部とを山折りして複数の袋状部を連続して、収納部を形成されているので、組み立てて製造し易く、堅牢な収納具を提供することができる。
【0009】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の第1の実施の形態の収納具の収納部の構造の展開状態を示す斜視図解図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態の収納具の収容部を閉じた状態を示す斜視図解図である。
【図3A】収納部材の展開状態を示す底面図解図である。
【図3B】収納部材の展開状態を示す平面図解図である。
【図4】収納部材により収納部を組み立てる方法を示す斜視図解図である。
【図5】収納部材により収納部を組み立てる方法を示す斜視図解図である。
【図6】収納部材により収納部を組み立てる方法を示す斜視図解図である。
【図7】収納部材により収納部を組み立てる方法を示す斜視図解図である。
【図8】表紙部に収納部を固定する方法を示す平面図解図である。
【図9】表紙部を組み立てる方法を示す平面図解図である。
【図10】表紙部を組み立てる方法を示す平面図解図である。
【図11】表紙部を組み立てる方法を示す断面図解図である。
【図12】表紙部を組み立てる方法を示す断面図解図である。
【図13】表紙部を組み立てる方法を示す斜視図解図である。
【図14】この発明の第2の実施の形態の収納部材の連結構造を示す図解図であり、(A)は横断面図解図であり、(B)は要部の断面図解図である。
【図15】収納部材の表紙固定部の近傍を表す平面図解図である。
【図16】表紙部材の平面図解図である。
【図17A】表紙部の平面図解図である。
【図17B】表紙部の正面図解図である。
【図18】収納部材と袋状部吊り部との連結方法を示す図解図であり、(A)は固定する前の斜視図解図であり、(B)は固定したときの斜視図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明にかかる収納具10は、表紙部20と、表紙部20の内面に設けられた、収納部40とを備える。
この収納具10は、複数のカード体等の被収納物Xを並列して合わせて収納するものであり、例えばクレジットカード、名刺、小物等の収納に適している。
【0012】
表紙部20は、比較的硬質なプラスチック板製であり、収納部40を覆う適宜な広さを有する略方形状の表表紙部22及び略方形状の裏表紙部24と、表表紙部22と裏表紙部24との間に架設された略方形状の背表紙部26とを含む。
【0013】
収納部40は、前記表表紙部22と前記裏表紙部24との間において、開口部42を有する袋状部44が連続して複数並列して設けられている。
袋状部44は、比較的柔軟なプラスチックシート製であり、略方形の第1主面部52と底縁部64を挟んで第1主面部52に対向する略方形の第2主面部54とを、直線状の底縁部64及び底縁部64に交差する直線状の手前側側縁部72並びに直線状の向こう側側縁部76において連続されて袋状に形成され、手前側側縁部72と向こう側側縁部76との間において第1主面部52と第2主面部54とが離れた直線状の開口縁部90を形成されている。
この袋状部44には被収納物Xが収納可能であり、前記並列された複数の袋状部44の各開口部42間の空間が伸縮自在に形成されている。
手前側側縁部72及び向こう側側縁部76は垂直にのびて、水平にのびる開口縁部90及び底縁部64と直交ないしは交差する。
【0014】
収納部40は、開口部42を有する袋状部44が開口部42を構成する開口縁部90において複数並列して連続して連結されており、隣接する第1袋状部44aと第2袋状部44bとを連結する袋状部44の開口縁部90の間の空間が伸縮自在に形成されたものである。袋状部44を構成する各第1袋状部44a及び第2袋状部44bは同形、同大で、開口縁部90及び底縁部64は水平面上に一直線に並び、手前側側縁部72及び向こう側側縁部76は垂直面上に一直線に並ぶ。
この実施の形態においては、開口縁部90と底縁部64とは平行で、開口縁部90及び底縁部64と手前側側縁部72及び向こう側側縁部76とは、直交する。
手前側側縁部72及び向こう側側縁部76は、底縁部64と開口縁部90との間において、形成されている。
収納部40が表紙部20の表表紙部22と裏表紙部24との間に固定されることにより、表紙部20の開閉に伴って収納部40の開口部42側が拡がる略扇子状に伸縮する。
【0015】
前記収納部40は、一枚のポリプロピレン等のプラスチック製シート状の収納部材50により構成されている。
収納部材50は、第1主面部52及び前記第1主面部52に対向する第2主面部54と、前記第1主面部52の幅方向における両端に突設された、第1固定部56及び第2固定部58と、最も端の第1主面部52及び/又は最も端の第2主面部54に連続された第1表紙固定部60及び第2表紙固定部62とを有している。
最も端の第1主面部52に連設された第1表紙固定部60は、舌状に第1主面部52の端縁より突設されており、前記第1表紙固定部60を形成された端とは離れた反対側の最も端の第2主面部54に連設された第2表紙固定部62は、台形状ないしは舌状に第2主面部54の端縁より突設されている。
前記第1主面部52と第2主面部54とは、底縁部64(第1境界64a)と開口縁部90(第2境界90a)とを交互に挟んで連続される。
第1主面部52及び第2主面部54は略々同形、同大である。
第1主面部52及び第2主面部54の手前側端と向こう側端とは直線状で、各第1主面部52の手前側側縁部72は直線状に並び、各第2主面部54の向こう側側縁部76は直線状に並ぶ。
第2主面部54の手前側端縁及び向こう側端縁は平行に形成され、第2主面部54の手前側端縁及び向こう側端縁は、第3境界72a及び第4境界76aと略直線状ないしは平行状に並列される。
第1表紙固定部60は、開口縁部90を構成する第2境界90aを挟んで、最も端(平面視左端,表表紙部側)の第1主面部52に連設され、第2表紙固定部62は、前記最も端(平面視右端,裏表紙部側)の第1表紙固定部60を連設された端とは反対側の最も端の第2主面部54に連設されている。
底縁部64を構成する第1境界64aと、開口縁部90を構成する第2境界90aとは、平行に形成されている。
又、手前側側縁部72を構成する第3境界72aと、向こう側側縁部76を構成する第4境界76aとは、平行に形成されている。
【0016】
第1主面部52及び第2主面部54は、第1境界64aの近くに第1隙間66及び第2隙間68を形成されている。
前記第1隙間66は、第1主面部52に形成され、第2隙間68は、第2主面部54に形成されており、第1隙間66及び第2隙間68は、いずれも直線状の底縁部64(第1境界64a)に沿う、直線状の細長い切り込みにより構成されている。
第1主面部52の第1隙間66は、第1固定部56の第1差し込み部80を差し込まれる第1隙間66aと、第2固定部58の第2差し込み部82を差し込まれる第1隙間66bとに分かれて形成されている。第1隙間66aと第1隙間66bとは、第1主面部52の幅方向における中央線より離れた位置で左右に分離されており、一方の第1隙間66aは第1固定部56側に形成され、他方の第1隙間66bは第2固定部58側に形成されている。
第2主面部54の第2隙間68は、第1固定部56の第1差し込み部80を差し込まれる第2隙間68aと、第2固定部58の第2差し込み部82を差し込まれる第2隙間68bとに分かれて形成されている。第2隙間68aと第2隙間68bとは、第1主面部52の幅方向における中央線より離れた位置で左右に分離されており、一方の第2隙間68aは第1固定部56側に形成され、他方の第2隙間68bは第2固定部58側に形成されている。
【0017】
前記第1固定部56は、向こう側側縁部76(第4境界76a)を挟んで第1主面部52に連続され、且つ第2固定部58は、手前側側縁部72(第3境界72a)を挟んで第1主面部52に連続される。
第1固定部56は略方形であり、第4境界76aにおいて第2主面部54側に折り曲げられたときに第2主面部54の向こう側の領域を覆う広さを有している。第1固定部56は、第2主面部54の幅の半分以下の幅に形成されている。
そして、第1固定部56は、第2主面部54側に折り曲げられたときに前記第1隙間66に対応する第1固定部56の辺56Sに第1差し込み部80を形成されている。
第2固定部58は、第3境界72aにおいて第2主面部54側に折り曲げられたときに第2主面部54の手前の領域を覆う広さを有している。第2固定部58は、第2主面部54の幅の半分以下の幅に形成されている。
そして、第2固定部58は、第2主面部54側に折り曲げられたときに前記第2隙間68に対応する第2固定部58の辺58Sに第2差し込み部82を形成されている。
前記第1差し込み部80及び第2差し込み部82は、第1固定部56と第2固定部58との間の第1境界64aに沿ってのびる直線状の辺56S及び辺58Sにおいて直交する方向に突き出して形成されている。
第1差し込み部80及び第2差し込み部82は、底縁部64に沿ってのびる第1隙間66及び第2隙間68に対応して、第1隙間66及び第2隙間68に沿ってのびる。
この実施の形態においては、第1境界64aに沿ってのびる辺56S及び辺58Sが底縁部64と平行な線上に位置し、第1差し込み部80及び第2差し込み部82は、その辺56S及び辺58Sより第2主面部54の突き出る方向に向けて突き出ている。
辺56S及び辺58Sは、底縁部64から第1隙間66が離れている距離分を底縁部64の延長線より凹んでおり、略々第1隙間66と直線状に並ぶ。
辺56Sは、向こう側側縁部76と直交し、第1差し込み部80の上端縁は、辺56Sと平行である。辺58Sは、手前側側縁部72と直交し、第2差し込み部82の上端縁は、辺58Sと平行である。
第1差し込み部80及び第2差し込み部82は、前記第1隙間66及び第2隙間68に差し込まれたときに、第1隙間66及び第2隙間68より抜け出ないようにするための第1抜け止め部84及び第2抜け止め部86を形成されている。
第1差し込み部80の第1抜け止め部84は、第1隙間66a及び第2隙間68aの両端に係止され、第2差し込み部82の第2抜け止め部86は、第1隙間66b及び第2隙間68bの両端に係止される。第1差し込み部80及び第2差し込み部82の手前側から向こう側における長さは、第1隙間66の長さと略々同じであり、第1抜け止め部84及び第2抜け止め部86は第1差し込み部80及び第2差し込み部82の主体より外方に向けて突き出ている。
而して、第1差し込み部80及び第2差し込み部82を第1隙間66に差し込んだとき、第1抜け止め部84及び第2抜け止め部86は、第1隙間66及び第2隙間68の両端より外方に突き出ることにより、第1差し込み部80及び第2差し込み部82が第1隙間66及び第2隙間68から抜け出ることを防ぐ。
【0018】
第1袋状部44aを構成する一の第2主面部54の一の第1主面部52が続いた底縁部64を構成する第1境界64aとは別の辺の開口縁部90を構成する第2境界90aを挟んで隣接する他の第2袋状部44bを構成する第1主面部52が連続されるように、複数の第1主面部52と第2主面部54とが第1境界64a及び第2境界90aを挟んで交互に連続して並列して形成されている。
【0019】
この実施の形態における収納部材50について、次に説明する。
第1袋状部44aを構成する第1主面部52と第2主面部54とは略長方形の板状体であり、第1主面部52と第2主面部54との間の第1境界64aは、手前から向こう側に連続する折り曲げ自在な直線状屈曲部を構成している。
第1固定部56は、第1主面部52の向こう側の端において連続された略方形の板状体であり、第2固定部58は、第2主面部54の手前側の端において連設された略方形の板状体である。第1固定部56は、第2主面部54と略々同じ幅を有しており、第2固定部58は、第2主面部54と略々同じ幅を有している。
第1主面部52と第1固定部56との間の第4境界76aは、右側から左側に連続する折り曲げ自在な直線状屈曲部である。
第2主面部54と第2固定部58との間の第3境界72aは、右側から左側に連続する折り曲げ自在な直線状屈曲部である。
これら第1主面部52と第2主面部54とにより、第1袋状部44aを構成するよう形成されている。
【0020】
更に、第2主面部54の隣り、すなわち前記第1主面部52が連設されていない側の端縁に、第2袋状部44bを構成する別の隣接する第1主面部52が並列して連設される。
そして、第1袋状部44aを構成する第2主面部54と第2袋状部44bを構成する第1主面部52との間に、第1境界64aと平行な第2境界90aが形成される。
第2境界90aは、第1境界64aと同様な構造である。
更に、別の隣接する第2袋状部44bを構成する第1主面部52に、前記第1袋状部44aを構成する第2主面部54が連設されていない側の隣接する端縁に別の第2袋状部44bを構成する第2主面部54が並列して連設される。
そして、第2袋状部44bを構成する第1主面部52と第2袋状部44bを構成する第2主面部54との間に別の第2境界90aと平行な別の第1境界64aが形成される。
これら別の第1主面部52と第2主面部54とにより、第2袋状部44bを第1袋状部44aに隣接して構成するように形成されている。
それらに続く第1主面部52及び第2主面部54は、同様にして第1袋状部44aと第2袋状部44bとが交互に形成されるように、第1主面部52と第2主面部54とが並ぶ。
第1主面部52と第2主面部54とは、略同形、同大であり、各手前側側縁部72は直線上に一直線に並び、各向こう側側縁部76は直線上に一直線に並ぶ。
第1境界64aと第2境界90aとは略同一の長さで、略等間隔をおいて平行に並ぶ。
【0021】
収納部40は、収納部材50の第1主面部52と第2主面部54とを第1境界64aにおいて谷折りして内面を対向させて袋状部44の底縁部64を形成し且つ第1固定部56と第2固定部58とを第3境界72a及び第4境界76aにおいて谷折りして第1主面部52と対向させて袋状部44の側縁部(手前側側縁部72及び向こう側側縁部76)を形成する。
【0022】
収納部材50は、第1境界64aにおいて谷折りして、第1主面部52と第2主面部54とを対向させ、第4境界76aにおいて谷折りして、第1固定部56と第1主面部52とを対向させ且つ第3境界72aにおいて谷折りして、第2固定部58と第1主面部52とを対向させる。
収納部材50の前記第1差し込み部80及び第2差し込み部82は、前記第1隙間66及び第2隙間68に差し込む。それにより、第1主面部52と第2主面部54とを対向させて、第1主面部52と第2主面部54との間に、被収納物Xを収納する空間を有する袋状部44を形成される。
前記第1隙間66及び第2隙間68は、第1主面部52及び第2主面部54の底縁部64の近くにおいて底縁部64に沿って形成され、前記第1差し込み部80及び第2差し込み部82は、第2主面部54の第2隙間68から第1主面部52の第1隙間66に跨って差し込まれて、第1主面部52と第2主面部54とを連結される。
【0023】
第2境界90aにおいて連続する第1袋状部44aを構成する第2主面部54と第2袋状部44bを構成する第1主面部52とを山折りして開口縁部90を形成し、第1袋状部44aと第2袋状部44bとが、開口縁部90を構成する第2境界90aを介して並列される複数の袋状部44を連続した、収納部40を形成されている。
【0024】
この収納部材50には、収納部材50の幅方向に延びる底縁部64を構成する第1境界64aと開口縁部90を構成する第2境界90aとが交互に連続して設けられ、これら第1境界64aと第2境界90aとをそれぞれ山折りおよび谷折りに、ジグザグに折曲げることにより、第1主面部52と第2主面部54とによって袋状部44の内側面が形成される。
さらに、第1固定部56及び第2固定部58が第2主面部54の対向する外側面であって、第1境界64aの上側に位置するように第2主面部54側へ折込まれる。
【0025】
このように、収納部材50を折曲げることにより、隣り合う二つの第2境界90aによって袋状部44の開口部42が形成され、第1境界64aによって袋状部44の底縁部64が形成されて、開口部42と底縁部64とを有する第1袋状部44aと第2袋状部44bとが蛇腹状に連続して複数並列して設けられた袋状部44が成形される。
収納部40は、複数の第1袋状部44aと第2袋状部44bとが交互に並列された複数の袋状部44により構成されている。
【0026】
最も端の第1主面部52及び/又は最も端の第2主面部54に、収納部40を覆うように表紙部20を固定されている。
この実施の形態においては、最も右端の第1主面部52の第1表紙固定部60を表表紙部22の内面に形成された第1嵌挿部28に嵌挿されて固定され、最も左端の第2主面部54の第2表紙固定部62を裏表紙部24の内面に形成された第2嵌挿部30に嵌挿されて固定されている。第1嵌挿部28及び第2嵌挿部30は、表表紙部22と背表紙部26及び裏表紙部24と背表紙部26との間のヒンジ部(屈曲線130a及び屈曲線130cで構成される)と、略々平行に形成される。そして、第1嵌挿部28及び第2嵌挿部30に嵌挿されて表紙部20に固定された収納部40の開口部42は、表表紙部22と背表紙部26及び裏表紙部24と背表紙部26との間のヒンジ部(屈曲線130a及び屈曲線130cで構成される)と、平行に並ぶ。
【0027】
表紙部20は、表紙部材120により構成されている。
表紙部材120は、表表紙部22を構成する外側部122a及び内側部122bと、裏表紙部24を構成する外側部124a及び内側部124bと、表表紙部22を構成する内側部122bと裏表紙部24を構成する内側部124bとの間に介在する背表紙部26とを備える。
外側部122aと内側部122bと背表紙部26と外側部124aと内側部124bとは屈曲線130で区画されている。各屈曲線130は、各々平行に形成されている。
【0028】
外側部122aと内側部122bとは略々同じ方形板状体であり、外側部124aと内側部124bとは略々同じ方形板状体である。
背表紙部26は外側部122aなどより小さな方形板状体である。
背表紙部26の左側に屈曲線130aを介して外側部122aが並列され、外側部122aの左側に屈曲線130bを介して内側部122bが並列されている。
背表紙部26の右側に屈曲線130cを介して外側部124aが並列され、外側部124aの右側に屈曲線130dを介して内側部124bが並列されている。
【0029】
内側部122bは、第1表紙固定部60を嵌挿するためのスリット状の第1嵌挿部28を形成されている。第1嵌挿部28は、屈曲線130bの近くに形成され、表紙部20の開口端縁側の近くに収納部40の開口部42が位置するように構成されている。
内側部124bは、第2表紙固定部62を嵌挿するためのスリット状の第2嵌挿部30を形成されている。第2嵌挿部30は、屈曲線130dの近くに形成され、表紙部20の開口端縁側の近くに収納部40の開口部42が位置するように構成されている。
【0030】
表表紙部22を構成する外側部122a及び内側部122bは、裏表紙部24に付設されたゴム紐などからなる弾力性を有するとじ紐32を引っ掛けるための第1引っ掛け部34a及び引っ掛け凹部34bを形成されている。第1引っ掛け部34aは、表表紙部22の外方に向けて突き出された凸部を備えており、引っ掛け凹部34bは、第1引っ掛け部34aの周囲を囲む貫通孔を備えている。引っ掛け凹部34bは、第1引っ掛け部34aの凸部にとじ紐32を引っ掛け易くするための凹部を、第1引っ掛け部34aの凸部の周囲に構成するように形成されている。
とじ紐32は、裏表紙部24を構成する外側部124aに穿設された貫通孔にとめられている。
【0031】
次に、この発明にかかる別の実施の形態である収納具について、主として図14ないし18に基づいて説明する。
この収納具110は、前記実施の形態の収納具10と比して、収納部40を2倍に増加させている。
収納部40は、前記実施の形態において説明した収納部材50を2つ連結して構成されている。
収納部40を構成する第1収納部材50Aは、最も右端の平面視舌状ないし台形状の第2表紙固定部62と、第2収納部材50Bの最も左端の平面視舌状の第1表紙固定部60とを連結されている。
すなわち、第1表紙固定部60及び第2表紙固定部62は、収納部40を構成する第1収納部材50Aと第2収納部材50Bとを連結する袋状部連結部を構成している。
【0032】
第1主面部52と底縁部64を挟んで第1主面部52と対向する第2主面部54とを、底縁部64及び底縁部64に交差する側縁部(手前側側縁部72及び向こう側側縁部76)において連続されて袋状に形成され、側縁部(手前側側縁部72及び向こう側側縁部76)の間において第1主面部52と第2主面部54とが離れた開口縁部90を形成された袋状部44が、開口縁部90において複数連続された収納部40を、2つの第1収納部材50A及び第2収納部材50Bにより形成された収納部材50は、袋状部吊り部100により表紙部20の内面に向けて吊り上げられている。
袋状部吊り部100は、表紙部20の内面より前記第1表紙固定部60及び第2表紙固定部62とは離れた位置において収納部40側に向けて突き出され、先に袋状部44の幅方向及び/又は長手方向にのびる係止部102を有している。
被収納物Xを収納された複数の袋状部44は、表紙部20の内面より被収納物Xの重みにより垂れ下がらないようにするために、袋状部吊り部100の係止部102を袋状部44に係止させて、袋状部吊り部100を介して袋状部44を表紙部20に連続されている。
この実施の形態においては、前記袋状部吊り部100は、表紙部20を構成する表表紙部22及び/又は裏表紙部24の内面より突き出された、連結首部104と、連結首部104の先端において左右にのびる係止部102とを有している。
前記係止部102は、第1固定部56及び/又は第2固定部58により袋状部44に係止されている。
【0033】
この実施の形態においては、袋状部吊り部100は、収納部材50の袋状部44の底縁部64側から第2主面部54の外側面に向けてのび、前記第1主面部52及び/又は第2主面部54の幅方向における両端に突設された第1固定部56及び第2固定部58を、前記第1固定部56及び第2固定部58を形成されていない第1主面部52又は第2主面部54側に折り曲げて、第1主面部52及び/又は第2主面部54と第1固定部56及び第2固定部58との間に、袋状部吊り部100の係止部102を挟んで、係止部102を袋状部44に係止されている。
【0034】
表紙部20は、表紙部材120により構成されている。
表紙部材120は、表表紙部22を構成する外側部122a及び内側部122bと、裏表紙部24を構成する外側部124a及び内側部124bと、表表紙部22を構成する内側部122bと裏表紙部24を構成する内側部124bとの間に介在する背表紙部26とを備える。
外側部122aと内側部122bと背表紙部26と外側部124aと内側部124bとは屈曲線130で区画されている。各屈曲線130は、各々平行に形成されている。
【0035】
外側部122aと内側部122bとは略々同じ方形板状体であり、外側部124aと内側部124bとは略々同じ方形板状体である。
背表紙部26は外側部122aなどより小さな方形板状体である。
背表紙部26の左側に屈曲線130aを介して外側部122aが並列され、外側部122aの左側に屈曲線130bを介して内側部122bが並列されている。
背表紙部26の右側に屈曲線130cを介して外側部124aが並列され、外側部124aの右側に屈曲線130dを介して内側部124bが並列されている。
裏表紙部24を構成する外側部124aに、屈曲線130eを介して、吊り部固定部126を連設されている。外側部122aと内側部122bと外側部124aと内側部124bとは、略々同じ幅と長さを備えている。
吊り部固定部126は、背表紙部26の幅の略々半分かそれより短い幅を有している。
【0036】
内側部122bは、第1表紙固定部60を嵌挿するためのスリット状の第1嵌挿部28を形成されている。第1嵌挿部28は、屈曲線130bの近くに形成され、表紙部20の開口端縁側の近くに収納部40の開口部42が位置するように構成されている。
内側部124bは、第2表紙固定部62を嵌挿するためのスリット状の第2嵌挿部30を形成されている。第2嵌挿部30は、屈曲線130dの近くに形成され、表紙部20の開口端縁側の近くに収納部40の開口部42が位置するように構成されている。
【0037】
表表紙部22を構成する外側部122a及び内側部122bは、裏表紙部24に付設されたゴム紐などからなる弾力性を有するとじ紐32を引っ掛けるための第1引っ掛け部34a及び引っ掛け凹部34bを形成されている。
とじ紐32は、裏表紙部24を構成する外側部124aに穿設された貫通孔にとめられている。
【0038】
裏表紙部24を構成する内側部124bは、袋状部吊り部100を突設されている。
袋状部吊り部100は、外側部124aと内側部124bとを接合して裏表紙部24を形成したときに背表紙部26の内面に固着されるように、外側部124aと内側部124bとの境界の屈曲線130dと平行に内側部124bの端縁より突設された吊り部固定部126に連続して形成されている。
吊り部固定部126の中央より連結首部104が突き出され、連結首部104の先端に係止部102が突き出るように形成されている。
係止部102の長さ方向は、外側部124aと内側部124bとの間の屈曲線130dと略平行にのび、背表紙部26の手前側から向こう側に向けてのびるように構成されている。
【0039】
外側部122aと内側部122bとは、その間の屈曲線130bで折り曲げて、接合されて表表紙部22を形成される。
外側部124aと内側部124bとは、その間の屈曲線130dで折り曲げて、接合されて裏表紙部24を形成される。
吊り部固定部126は、裏表紙部24を構成する外側部124aと内側部124bとを接合したとき、屈曲線130eで屈曲されて、背表紙部26の内側に接合される。
連結首部104は、背表紙部26の内面より表表紙部22及び裏表紙部24の間において、表表紙部22及び裏表紙部24の内面と平行に表紙部20内に突き出される。
係止部102は、表表紙部22及び裏表紙部24の内面と平行に表紙部20内に突き出され、背表紙部26の手前側より向こう側にのびる。係止部102及び連結首部104は、吊り部固定部126が背表紙部26の略半分かそれより短い幅を有しているので、背表紙部26の幅方向における略中央から立ち上がる。
【0040】
係止部102は、表紙部20に固定された収納部40の袋状部44を構成する第2主面部54の外面に接し合わされ、第1固定部56及び第2固定部58により第2主面部54の外面との間に挟持される。
而して、吊り部固定部126は、表紙部20の背表紙部26の内面と収納部40との間に架け渡され、吊り部固定部126によって収納部40の表紙部20からの垂れ下がりを防ぐ。
【0041】
収納部40の袋状部44それぞれにカード等の被収納物Xが収納されていると、表紙部20の開閉に伴って、袋状部44の開口部42は、開閉して、各袋状部44に収納されて隣り合う被収納物Xが、密着状態から離間状態に自在に変化できる。そして、表紙部20が開いた状態で被収納物Xが離間した状態においては、被収納物Xは識別し易く取出し易い。
【符号の説明】
【0042】
10,110 収納具
20 表紙部
22 表表紙部
24 裏表紙部
26 背表紙部
28 第1嵌挿部
30 第2嵌挿部
32 とじ紐
34a 第1引っ掛け部
34b 引っ掛け凹部
40 収納部
42 開口部
44 袋状部
44a 第1袋状部
44b 第2袋状部
50 収納部材
50A 第1収納部材
50B 第2収納部材
52 第1主面部
54 第2主面部
56 第1固定部
56S,58S 辺
58 第2固定部
60 第1表紙固定部
62 第2表紙固定部
64 底縁部
64a 第1境界
66,66a,66b 第1隙間
68,68a,68b 第2隙間
72 手前側側縁部
72a 第3境界
76 向こう側側縁部
76a 第4境界
80 第1差し込み部
82 第2差し込み部
84 第1抜け止め部
86 第2抜け止め部
90 開口縁部
90a 第2境界
100 袋状部吊り部
102 係止部
104 連結首部
120 表紙部材
122a 表表紙部の外側部
122b 表表紙部の内側部
124a 裏表紙部の外側部
124b 裏表紙部の内側部
126 吊り部固定部
130,130a,130b,130c,130d,130e 屈曲線
X 被収納物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適宜な広さを有する表表紙部及び裏表紙部を含む表紙部と、
前記表表紙部と前記裏表紙部との間において、開口部を有する複数の袋状部が開口部において複数並列され、この袋状部には被収納物が収納可能であり、前記袋状部の開口部間の空間が伸縮自在に形成された収納部とを備え、
前記収納部は、
第1主面部及び前記第1主面部に対向する第2主面部と、
前記第1主面部又は第2主面部の幅方向における両端に突設された、第1固定部及び第2固定部と、
最も端の第1主面部及び/又は最も端の第2主面部に連続された表紙固定部とを有し、
前記第1主面部と第2主面部とは、第1境界を挟んで連続されるとともに、第1境界の近くに隙間を形成され、
前記第1固定部は第4境界を挟んで第1主面部又は第2主面部に連続され且つ第2固定部は第3境界を挟んで第1主面部又は第2主面部に連続されるとともに、第4境界において第1固定部を連続していない第1主面部又は第2主面部側に折り曲げられたときに前記隙間に対応する第1固定部の辺に、差し込み部を形成され且つ第3境界において第2主面部側に折り曲げられたときに前記隙間に対応する第2固定部の辺に、差し込み部を形成され、
一の第2主面部の一の第1主面部が続いた第1境界とは別の辺の第2境界を挟んで他の第1主面部が連続されるように、複数の第1主面部と第2主面部とが第1境界及び第2境界を挟んで連続して形成され、
第1主面部と第2主面部とを第1境界において谷折りして内面を対向させて袋状部の底縁部を形成し且つ第1固定部と第2固定部とを第3境界及び第4境界において谷折りして第1固定部を連続していない第1主面部又は第2主面部と対向させて袋状部の側縁部を形成するとともに、前記差し込み部を前記隙間に差し込むことにより第1主面部と第2主面部との間に袋状部を形成され、
第2境界において連続する第2主面部と第1主面部とを山折りして複数の袋状部を連続して、収納部を形成され、
最も端の第1主面部及び/又は最も端の第2主面部に、収納部を覆うように表紙固定部において表紙部を固定されたことを特徴とする収納具。
【請求項2】
前記隙間は、直線状の第1境界に沿う、直線状の細長い切り込みにより構成され、
前記差し込み部は、第1固定部及び第2固定部の第1境界に沿ってのびる辺において突き出して形成され、前記間隙に差し込まれたときに、隙間より抜け出ないようにするための抜け止め部を形成された、請求項1に記載の収納具。
【請求項3】
適宜な広さを有する表表紙部及び裏表紙部を含む表紙部と、
前記表表紙部と前記裏表紙部との間において、開口部を有する複数の袋状部が開口部において複数並列され、この袋状部には被収納物が収納可能であり、前記袋状部の開口部間の空間が伸縮自在に形成された収納部と、
前記収納部の端に形成された表紙固定部と、
表紙部の内面より前記表紙固定部とは離れた位置において収納部側に向けて突き出された、袋状部吊り部とを備え、
前記収納部は、第1主面部と底縁部を挟んで対向する第2主面部とを、底縁部及び底縁部に交差する側縁部において連続されて袋状に形成され、側縁部の間において第1主面部と第2主面部とが離れた開口縁部を形成された袋状部が、開口縁部において複数連続され、
前記袋状部吊り部は、先に袋状部の幅方向及び/又は長手方向にのびる係止部を有し、
被収納物を収納された複数の袋状部を表紙部の内面より被収納物の重みにより垂れ下がらないようにするために、係止部を袋状部に係止させて、袋状部吊り部を表紙部に連続した、収納具。
【請求項4】
前記袋状部吊り部は、表紙部を構成する表表紙部及び/又は裏表紙部の内面より突き出された、連結首部と、連結首部の先端において左右にのびる係止部とを有し、
前記係止部は、第1固定部及び/又は第2固定部により袋状部に係止された、請求項3に記載の収納具。
【請求項5】
前記第1主面部及び/又は第2主面部の幅方向における両端に突設された第1固定部及び第2固定部を、前記第1固定部及び第2固定部を形成されていない第1主面部又は第2主面部側に折り曲げて、第1主面部及び/又は第2主面部と第1固定部及び第2固定部との間に、袋状部吊り部を挟んで、係止部を袋状部に係止された、請求項3に記載の収納具。
【請求項6】
前記収納部は、
第1主面部及び前記第1主面部に対向する第2主面部と、
前記第1主面部又は第2主面部の幅方向における両端に突設された、第1固定部及び第2固定部と、
最も端の第1主面部及び/又は最も端の第2主面部に連続された表紙固定部とを有し、
前記第1主面部と第2主面部とは、第1境界を挟んで連続されるとともに、第1境界の近くに隙間を形成され、
前記第1固定部は第4境界を挟んで第1主面部又は第2主面部に連続され且つ第2固定部は第3境界を挟んで第1主面部又は第2主面部に連続されるとともに、第4境界において第1固定部を連続していない第1主面部又は第2主面部側に折り曲げられたときに前記隙間に対応する第1固定部の辺に、差し込み部を形成され且つ第3境界において第2主面部側に折り曲げられたときに前記隙間に対応する第2固定部の辺に、差し込み部を形成され、
一の第2主面部の一の第1主面部が続いた第1境界とは別の辺の第2境界を挟んで他の第1主面部が連続されるように、複数の第1主面部と第2主面部とが第1境界及び第2境界を挟んで連続して形成され、
第1主面部と第2主面部とを第1境界において谷折りして内面を対向させて袋状部の底縁部を形成し且つ第1固定部と第2固定部とを第3境界及び第4境界において谷折りして第1固定部を連続していない第1主面部又は第2主面部と対向させて袋状部の側縁部を形成するとともに、前記差し込み部を前記隙間に差し込むことにより第1主面部と第2主面部との間に袋状部を形成され、
第2境界において連続する第2主面部と第1主面部とを山折りして複数の袋状部を連続して、収納部を形成された、請求項3に記載の収納具。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−86306(P2013−86306A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227154(P2011−227154)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000115821)株式会社リヒトラブ (93)
【Fターム(参考)】