説明

収納可能マグナス効果ローターを備えている船舶

本発明は、ハル(3)と、船舶の推進のための推進機(5)と、運転可能状態では前記船舶に鉛直に据えられる少なくとも一つの回転可能シリンダー(6)を有し、前記シリンダーが、硬質外側表面と、前記シリンダーを長手軸のまわりに回転させるためのモータードライブ(8)と、前記シリンダーを運転不能姿勢に変位させるための変位部材(7)を有し、前記モータードライブが前記シリンダーの内側の位置している船舶に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハルおよびデッキと、船舶の推進のための推進機と、運転可能状態では前記船舶に鉛直に据えられる少なくとも一つの回転可能シリンダーを備え、前記シリンダーが、硬質外側表面と、前記シリンダーを長手軸のまわりに回転させるためのモータードライブと、前記シリンダーを運転不能姿勢に変位させるための変位部材を有している船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなマグナス効果ローターはUS4.602.584から知られている。その長手軸のまわりに回転している円形シリンダーが、前記シリンダーの前記長手軸に垂直に流れる空気流中に置かれたとき、揚力を作り出すことができることは長く知られており、それは、層空気流中に置かれたときの翼によって作り出される揚力に全く似ている。この揚力は、その発見者、1853年にこの現象を最初に調査したドイツの科学者である、ヘンリック・グスタフ・マグナスにちなんで名付けられた。
【0003】
マグナス効果はまず、アントン・フレットナーによって1924年に船舶を推進されるために適用された。フレットナーは、前記揚力を使用して船舶を推進させるために、船舶のデッキから直立している細長いシリンダー構造体を使用した(これらの構造体は「フレットナー・ローター」とも呼ばれる)。従来の帆に対する利点は、船舶が、穏やかに反対する、比較的不都合な風向に対して、より鋭い角度で航海できたことだった。加えて、フレットナー・ローターは、燃料動力船舶の推進を補い、これにより、そのような船舶の燃料消費量を減少させることができた。
【0004】
しかしながら、希望の航海方向に本質的に平行な強い向かい風の場合や、激しい突風を伴う風コンディションでは、フレットナー・ローターはどんな追加の推進も提供しない。これらのコンディションでは、ローターの比較的大きい前表面を打つ風のため、ローターは、抗力の大きな源であると分かる。さらに、強風と高波を伴う厳しい天候コンディションでは、ローターは、上昇した重心のため、船舶に追加の不安定さを提供することが分かる。
【0005】
US4.602.584は、船舶への搭載使用のためのマグナス効果ローターを提供しており、そのような不都合な風コンディションにおける船舶に対する抗力を最小化するために、船舶の長手軸と本質的に平行な姿勢にそれを旋回させることによって、デッキの方にローターを折りたたむ可能性を提案している。より明確には、US4.602.584は、長および短軸と長手軸を有し、船舶のデッキから直立し、中心長手軸のまわりに回転可能である硬質外側表面から形成された楕円シリンダーを説明している。楕円シリンダーは、シリンダーが従来の帆として作動し得る、短軸を風に整列させたほぼ直立姿勢に、または楕円シリンダーが風の中で羽根がつけら得る、長軸を風に整列させ、これにより抗力を低減する姿勢に、「一時的に置かれ」得る。さらに、不都合な風コンディションの際、楕円シリンダーすなわちローターは、船舶の長手軸と本質的に平行であり、これにより船舶の操縦および推進をどんなふうにも妨害しない姿勢に一時的に置かれ得る。
【0006】
しかしながら、たとえばUS4.602.584から知られるようなマグナス効果ローターは、そのモータードライブをデッキレベルの下方に有している。したがって、それにアクセスすることが比較的困難である。さらに、前記モータードライブのトルクを前記ローターシリンダーに伝動するために比較的長い伝動シャフトが必要である。また、前記ローターを前記モータードライブから分離することが比較的困難である。
【0007】
収納可能ローターを説明する別の特許文献はGB2.187.154である。この文献は、船推進用のローターを説明しており、船のデッキの井戸の中にローターが入れ子式に格納され得るように、ローターの高さにセクションごとに直径が階段的に増大する一連のシリンダーセクションとして構築されている。ローターの内側の中央非回転支持体ポストは、ローターを運ぶ上部ベアリングが取り付けられ、ポストも入れ子式になっている。最上のローターセクションは、その上端のまわりに放射状に突出している境界層フェンスを有しており、また、上方セクションと下方セクションのおのおのの間の直径の段増加は、各場合に下方ローターセクションのためのそれぞれの境界層フェンスを提供する。伝えられるところでは、この文献は、マグナス効果ローターを説明しているけれども、マグナス効果を発生させるために必要とされる前記ローターをその長手軸のまわりに積極的に回転させるためのモータードライブを前記文献の中に見つけることができない。したがって、この文献は、事実上、マグナス効果ローターに関係がない。
【0008】
収納可能ローターを説明するまた別の特許文献はUS2.596.726である。この特許文献は、船の推進機を駆動するための風力モーターを説明している。より明確には、それは、船のハル内に建造されたベッドに立っているモーターを説明している。船に対してローターを直立させておくためにステーラインが使用される。モーターはさらに、ボルトによって船のベッドに固定されたベースプレートと、前記ベースプレートに形成されたボスの中のその下側端部が差し込まれたマストを有しており、マストの上側端部にはスパイダーブラケットが取り付けられている。モーターはさらに、マストのまわりに自由に回転するローターを有している。ローターは、マストを取り囲んでいる管状ローターシャフトと、ローターシャフトに軸的に合わせられた上側および下側ディスク状エンドプレートを備えている。しかしながら、この文献は、マグナス効果ローターを開示しておらず、マグナス効果を発生させるために必要とされる前記ローターをその長手軸のまわりに積極的に回転させるための駆動手段を必要とする。ローターは、船の推進機にパワーを供給するために実際に使用されている。
【0009】
したがって、前述したことを考慮して、比較的少ない量のデッキスペースを使いながら、たとえば不利な風コンディションの際に、船舶に搭載されて比較的容易に保管され得るマグナス効果ローターを提供するが本発明の目的である。メンテナンスのためにモータードライブへの比較的容易なアクセスを提供することが本発明の別の目的である。モータードライブを環境コンディションから保護することが本発明のさらなる目的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US4.602.584
【特許文献2】GB2.187.154
【特許文献3】US2.596.726
【発明の概要】
【0011】
そのため、マグナス効果ローターを備えた既知の船舶は、モータードライブがシリンダーの内側の位置していることを特徴とする。シリンダーの内側の位置していたモータードライブを有していることによって、デッキスペースの使用は低減される。また、モーターは環境コンディションから保護される。
【0012】
ある実施形態では、前記シリンダーは、二つ以上の入れ子式接続管状セグメントと、前記長手軸に沿って位置し、前記セグメントの少なくとも一つに取り付けられた、前記セグメントを運転可能状態に上昇させるための、また前記セグメントを運転不能状態に下降させるための伸張部材を備えており、運転可能状態では、前記伸張部材が伸張され、前記セグメントがリング形状エンドプレートと重なり、運転不能状態では、前記伸張部材が格納され、前記セグメントがそれらの外側表面が重なるように入れ子にされる。
【0013】
たとえば、風に逆らって、または厳しい天候コンディションのなかで航海するときに、前記入れ子式接続管状セグメントは、前記シリンダーのサイズが便利に低減され得ることを確実にする。伸張部材は、これらのコンディションの中で、前記管状セグメントを運転不能状態に格納することと、風または天候コンディションが再び良くなったときにそれらを運転可能状態に伸張させることを提供する。運転不能状態では、前記外側表面が重なり、これにより前記シリンダーを環境コンディションから保護する。その運転不能状態におけるその低減されたサイズのため、欠陥の場合に前記シリンダーを交換することもさらに容易である。比較的小さい欠陥の場合には、前記シリンダーが交換される必要はなく、前記シリンダーは、その低減されたサイズのため、修理のためのアクセスすることがまた比較的容易である。
【0014】
さらなる実施形態では、最下部セグメントは鉛直方向に動かず、前記モータードライブは前記最下部セグメントの内部の鉛直一定位置に位置している。これをすることによって、前記モータードライブは、修理のために比較的容易にアクセス可能である。
【0015】
別の実施形態では、前記モータードライブは、前記伸張部材によってセグメントと一緒に鉛直方向に変位可能であるように前記セグメントに移動可能に接続されている。したがって、前記モータードライブは、たとえば、前記モータードライブが下側セグメントに接続されたときに比較的より頻発する振動を低減するためにより有利な高さに置かれ得る。
【0016】
前記シリンダーは、実質水平ちょうつがい線のまわりにちょうつがい式に前記船舶に有利に接続されている。これは、よりいっそう多くのデッキスペースを節約することと、前記ローター部分へのよりいっそう容易なアクセスを可能にする。
【0017】
また、マグナス効果ローターを備えた既知の船舶は、前記船舶が、前記シリンダーに取り付けられた伝動装置と、前記伝動装置に結合された前記シリンダーから距離を置いて配置された駆動部材を備えているモータードライブ手段を備えていることを特徴とする。前記デッキ上に前記駆動部材を有していることは、メンテナンスと検査のためのモーターの比較的容易なアクセスを可能にする。
【0018】
ある実施形態では、前記伝動装置は移動可能であり、前記シリンダーは、前記運転可能状態から、また分離可能に、前記伝動装置に結合されている。したがって、前記伝動装置は、前記シリンダーと共に移動し得る。
【0019】
別の実施形態では、前記シリンダーは、二つ以上の入れ子式接続管状セグメントと、前記長手軸に沿って位置し、前記セグメントの少なくとも一つに取り付けられた、前記セグメントを運転可能状態に上昇させるための、また前記セグメントを運転不能状態に下降させるための伸張部材を備えており、運転可能状態では、前記伸張部材が伸張され、前記セグメントがリング形状エンドプレートと重なり、運転不能状態では、前記伸張部材が格納され、前記セグメントがそれらの外側表面が重なるように入れ子にされており、前記伝動装置は、前記伸張部材によって鉛直に変位可能である前記セグメントの少なくとも一つに取り付けられている。鉛直セグメントに取り付けられた前記伝動装置を有していることは、前記伝動装置と前記駆動部材を分離するための良い柔軟性を可能にする。
【0020】
さらなる実施形態では、前記シリンダーは、実質水平ちょうつがい線のまわりにちょうつがい式に前記船舶に接続されており、前記伝動装置は、前記シリンダーと一緒に前記前記運転可能から前記運転不能状態にちょうつがい式に動作可能である。前記シリンダーのちょうつがい方式は、前記管状セグメント単独の格納方式よりもよりいっそう多くのデッキスペースを節約することを可能にする。さらに、前記伝動装置と同様に前記シリンダーも、メンテナンスのために容易にアクセスしやすい。
【0021】
前記シリンダーのちょうつがい式の動作可能性は、ローター支持フレームと、実質水平および実質鉛直姿勢の間を交差軸のまわりにちょうつがい式に動作可能に前記フレームに取り付けられたハウジングを備えているローター支持アセンブリによって有利に確立され得、前記ハウジングが前記回転可能シリンダーを支持している
前記ハウジングは、前記フレームにちょうつがい式に取り付けられ、それは、前記ローターが二つの姿勢、前記ローターが運転可能である実質鉛直姿勢と、前記ローターが運転不能であり、風から外されている実質水平姿勢に配置されることを可能にする。さらに、前記ハウジングは、運転時のシリンダーの振動を低減する。
【0022】
また、前記船舶は、前記シリンダーの長さよりも大きい長さの保管室を備えており、前記保管室は、長手姿勢にある前記ローターを保管するため、二つの貨物室の間で前記デッキの上に位置しており、前記保管室は、前記保管室を開閉するためのドアを有利に備えていてもよい。前記保管室は、運転不能姿勢にあるちょうつがい式シリンダーを保管することを可能にし、これにより環境コンディションから保護する。前記モータードライブが前記ローターの外側に配置されている場合、前記モータードライブは、保管ボックするによって便利に保護され、その運転を信頼できるものに保つ。
【0023】
さらに、前記シリンダーが前記船舶のデッキにちょうつがい式に動作可能に取り付けられ、格納状態の前記シリンダーが、その長手軸を水平姿勢に置くためにちょうつがい軸のまわりにちょうつがい式に動作可能とすることは有利である。前記シリンダーをその長手軸を水平姿勢に置くことによって、消費されるデッキスペースがよりいっそう少なくなり、前記ローターにかかるあらゆる不所望な抗力が最小化される。
【0024】
また、前記シリンダーの端部が、前記ちょうつがい軸から格納状態の前記シリンダーの長さ以下の距離にある前記船舶のデッキ上の架台の中に受け入れ可能とすることは有利である。格納状態の前記シリンダーを受け入れるための架台を前記船舶のデッキに設けることによって、前記シリンダーが前記デッキに安全に固定され得る。
【0025】
加えて、前記シリンダーが前記船舶の収容チャンバーの上に据えられ、前記収容チャンバーが貨物室の中またはハルの内および外壁の間のスペースの中に位置し、前記伸張部材が、前記シリンダーを前記収容チャンバーの中に下降させ、また前記シリンダーを前記収容チャンバーから上昇させことに適合されることは有利である。これは、前記シリンダーを前記デッキの下に格納する利点を提供する。さらに、前記ハルの中のそのエリアが最適な使用される。あるいは、前記シリンダーは、前記船舶の前記貨物スペースに保管され得る。両方のオプションは、前記シリンダーをデッキ作業のじゃまにならないようにするという利点を提供する。さらに、前記シリンダーは環境コンディションから保護される。
【0026】
さらに、実質的に格納状態の前記シリンダーの長さの外周壁を有している円筒状収容チャンバーを備えた船舶を供給することは有利である。これは前記シリンダーを保管するための専用保管スペースを提供し、それは前記ハルの中身から保護される。また、前記シリンダーは海水の進入から保護される。さらに、それは、欠陥の場合に前記シリンダーを交換するための一体的ユニットを提供する。前記一体的ユニットはまた、前記ローターが既存の船舶に追加導入される機会を提供する。
【0027】
加えて、底壁を備えた円筒状収容チャンバーを提供することは有利である。これは密封収容チャンバーを提供し、前記シリンダーは水と前記ハルの中身から保護される。
【0028】
また、前記シリンダーが上部に前記シリンダーよりも大きい直径の円形プレートを備えており、それは上側管状セグメントに固定的に取り付けられており、前記伸張部材は、前記シリンダーの底部から前記円形プレートまで延びており、前記伸張部材に対する前記プレートの回転を許すようにベアリングを介して前記プレートに取り付けられることは有利である。これは、入れ子式動作の際に前記円形上部プレートによって前記管状セグメントを昇降させる能力を前記シリンダーに提供する。
【0029】
さらに、前記伸張部材の下側部分が、前記変位部材の上部に本質的に配置されたプーリーを通って走るケーブルに接続され、前記伸張部材を伸張および格納するためのウィンチに前記ケーブルが接続されることは有利である。これは、伸張および格納機構の比較的コンパクトで軽量な設計を可能にする。もちろん、伸張格納機構はまた、前記変位部材に対して前記伸張部材を変位させるための水圧システム、またはサーボ駆動システムを備え得る。
【0030】
加えて、前記伸張部材および変位部材の長手軸に沿って配置された支持部材を前記シリンダーの内側に設け、前記伸張部材および変位部材を前記シリンダーに接続し、これにより前記シリンダーに追加剛性を提供することは有利である。前記支持部材は、前記伸張部材および変位部材に対する回転を可能にするためのベアリングを備えている。前記支持部材は、たとえば、前記シリンダーの内周に沿って走るホイールを備え得る。前記追加剛性は、構造体の機械的信頼性を改善し、振動を低減する。
【0031】
また、ハルと、前記ハル内の一つ以上の貨物室と、船舶の推進のための推進機と、その運転可能状態では前記船舶で鉛直に据えられる少なくとも一つの回転可能シリンダーを備えており、前記シリンダーは硬質外側表面を有しており、また、前記シリンダーを長手軸のまわりに回転させるためのモータードライブと、前記シリンダーを運転不能姿勢に変位させるための変位部材を備えている船舶において、前記シリンダーが前記船舶の収容チャンバーの上に据えられ、前記収容チャンバーが前記貨物室の中またはハルの内および外壁の間のスペースの中に位置し、前記船舶が、運転不能状態では前記シリンダーを前記収容チャンバーの中に下降させるために、また運転可能状態では前記シリンダーを前記収容チャンバーから上昇させるために前記シリンダーをその長さ方向に変位させるための昇降装置を備えていることを特徴とする船舶がここに開示される。
【0032】
たとえば、風に逆らって、または厳しい天候コンディションのなかで航海するときに、前記昇降装置は、前記ハルの収容チャンバーまたは前記貨物室の中に前記シリンダーが全体として昇降され得ることを確実にする。これは、これらのコンディションの中で、前記シリンダーを前記デッキから取り除くための、したがってデッキスペースを解放するための比較的迅速な方法を提供する。さらに、前記シリンダーはしたがって環境コンディションから保護される。加えて、前記シリンダーを収容チャンバーの中に保管することによって、欠陥の場合に前記シリンダーを交換することもさらに容易である。
【0033】
さらに、円筒状収容チャンバーが、外周壁を有し、前記シリンダーを保管するための専用保管スペースを提供し、それが前記ハルの中身から比較的保護されることは有利である。また、前記シリンダーは、海水の進入から比較的良く保護される。さらに、それは、欠陥の場合に前記シリンダーを交換するための比較的一体的ユニットを提供する。
【0034】
加えて、前記円筒状収容チャンバーに底壁を設けることは有利である。これは、よりいっそうの密封収容チャンバーを提供し、前記シリンダーは、海水と前記ハルの中身から比較的良く保護される。
【0035】
さらに、前記収容チャンバーを水密手法で覆うための覆い部材を前記収容チャンバーに設けることは有利である。これは、前記シリンダーが上方からの海水の進入から比較的良く保護されることを提供する。さらに、それは、欠陥の場合に前記シリンダーを交換するための比較的一体的ユニットを提供する。
【0036】
さらに、前記シリンダーがその上部に、前記シリンダーよりも大きい直径の円形プレートを備え、前記円形プレートが覆い部材を形成することは有利である。たとえば嵐の天候の際に、前記円形プレートが、運転可能状態にある前記シリンダーの上部における渦度を防止し、また運転不能シリンダーを環境から密封するための覆い部材を形成するために最適な幾何学的形状を示すという二倍の利点が達成される。
【0037】
さらに、前記モータードライブが、前記船舶のデッキまたは前記収容チャンバーに固定されたモーターと、前記回転可能シリンダーに固定され、前記運転不能状態に変位され、前記昇降装置によって前記シリンダーと一緒に運転可能状態に上昇され得る駆動部材を備えることは有利である。前記駆動部材は、たとえば、ギヤーホイールまたは駆動ベルトを備えていてよい。前記駆動部材は前記シリンダーに沿って下降および上昇され、それは、メンテナンスと検査のためのモーターへの容易なアクセスを許す。
【0038】
さらに、前記シリンダーが、前記シリンダーの長手軸に本質的に平行に走っている駆動シャフトを介して前記モータードライブによって回転されることは有利である。前記駆動シャフトはまた、入れ子式管状セグメントを備えたシリンダーの場合に、前記駆動シャフトの回転力を伝達するための適切な手段によって前記シリンダーを回転させる前記変位または伸張部材の内側の有利に配置される。前記駆動シャフトはまた、入れ子式セグメントを備えたシリンダーの管状セグメントに沿って前記駆動シャフトが伸張または格納されることを可能にする入れ子式要素を備え得る。前記駆動シャフトの回転力を前記シリンダーに伝達するための手段は前記支持部材に有利に接続され、前記支持部材によって前記シリンダーを回転させる。前記駆動シャフトの回転力を前記シリンダーに伝達するための手段は、前記シリンダーを摩擦によって回転させるように、そのリム上の摩擦材を備えたホイールなど、ギヤーホイールまたは他のタイプの適切なホイールを有利に備え得る。したがって、前記シリンダーを回転させるそのような駆動シャフトを使用することによって、駆動力の均一な分布が、前記シリンダー上に、管状セグメントを備えているシリンダー上に達成され、振動が低減され得る。前記駆動シャフトはそれ自体、モータードライブに取り付けられた駆動ベルトによって有利に駆動され得る。
【0039】
前記モータードライブは一般に、前記モータードライブが環境に露出されることを防止するために、前記シリンダーの内側に配置され得る。前記モータードライブは、ギヤーホイールなどの回転力を伝達するための任意の適当な手段を介して前記シリンダーの内部に、または、たとえば駆動ベルトまたは駆動チェーンを介して前記駆動シャフトに接続され得る。
【0040】
また、先に述べられたような船舶で使用される回転可能シリンダーがここに開示される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明のさらなる目的および有利な様相は、請求項および図面と関連した本発明の実施形態の続く詳細な説明から明白になるであろう。
【図1】図1は、本発明の実施形態による、入れ子式格納可能ローターを装備した、伸張した運転可能状態にある船舶の概略側面図を示す。
【図2】図2は、入れ子式格納可能ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは格納された運転不能状態にある。
【図3】図3は、入れ子式格納可能ローターを装備した、格納された運転不能状態にある船舶の概略側面図を示しており、ローターは、その長手軸を水平姿勢に置くためにちょうつがい軸のまわりにちょうつがい式に動作可能である。
【図4】図4は、ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは船舶の収容チャンバーの上に据えられている。
【図5】図5は、ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは船舶の収容チャンバーの上に据えられ、収容チャンバーはさらに底壁を備えている。
【図6】図6は、入れ子式格納可能ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは格納された運転不能状態にあり、ローターは船舶の収容チャンバーの中に下降されている。
【図7】図7は、収容チャンバーのクローズアップ斜視図を示している。
【図8】図8は、ローターの下側部分のクローズアップ斜視図を示しており、ローターを収容チャンバーの中に下降させるための昇降装置を備えている。
【図9】図9は、シリンダーの概略側断面図を示しており、支持部材を備えている。
【図10】図10は、伸張および格納機構の実施形態のクローズアップ断面図を示す。
【図11】図11は、本発明によるローター支持アセンブリの概略断面図を示している。
【図12】図12は、ローターを水平姿勢から鉛直姿勢に昇降させるための昇降機構を示している。
【図13】図13は、ローターを保管するための保管ボックスを示している。
【図14】図14は、モータードライブを内側に備えたローターの概略側断面図を示している。
【図15】図15は、ケーブルとプーリーを備えた別のローター昇降機構の概略側断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、本発明の実施形態による、入れ子式格納可能ローターを装備した、伸張された運転可能状態にある船舶の概略側面図を示しており、船舶1は、貨物を保管するための貨物室4を備えている。船舶1はまた、船舶1を推進させるための推進システム5を装備している。ハル3は、前述の貨物室4を備えている。ハル3の上側部分は、デッキ2によって形成されている。円筒状ローター6は、デッキ2の上に配置されている。また、ローター6を望ましい回転速度で回転または自転させるモータードライブ8がデッキ2の上に位置している。ローター6はそれ自体、いくつかの管状セグメント9を備えている。管状セグメント9は、互いに入れ子式に取り付けられており、それらの長手軸は互いに本質的に一致し、それらの外側表面は部分的に重なっている。ローター6の長手軸に沿って、ローター6をその運転可能状態に伸張するための、またローター6をその運転不能状態に格納するための変位部材7が配置されている。変位部材7は、伸張部材10を備えている。伸張部材10は、ローター6の上部の円形プレート16に接続している。変位部材7は、たとえば水圧シリンダーを備え得る。円形プレート16は、伸張部材10に対して回転自由となっている。この回転自由は、伸張部材10の長手軸のまわりの回転に関する。円形プレート16は、これを実施するためにベアリング17を備えている。円形プレート16はさらに、回転するローター6に対する渦度低減手段として機能する。
【0043】
図2は、入れ子式格納可能ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは格納された運転不能状態にあり、また、図は、入れ子式格納可能ローター6を装備した船舶1を示しているが、いま、ローター6は、格納された運転不能状態で示されており、船舶1はまた、貨物を保管するための貨物室4を備えている。船舶1はまた、船舶1を推進させるための推進システム5を装備している。ハル3は、前述の貨物室4を備えている。ハル3の上側部分は、デッキ2によって形成されている。円筒状ローター6は、デッキ2の上に配置されている。また、ローター6を望ましい回転速度で回転または自転させるモータードライブ8がデッキ2の上に位置している。ローター6はそれ自体、いくつかの管状セグメント9を備えている。管状セグメント9は、互いに入れ子式に取り付けられており、それらの長手軸は互いに一致している。いま、管状セグメント9の外側表面は、ほとんど完全に重なっている。ローター6の長手軸に沿って、ローター6をその運転可能状態に伸張するための、またローター6をその運転不能状態に格納するための変位部材7が配置されている。変位部材7は、伸張部材10を備えている。伸張部材10は、ローター6の上部の円形プレート16に接続している。変位部材7は、たとえば水圧シリンダーを備え得る。円形プレート16は、伸張部材10に対して回転自由となっている。この回転自由は、伸張部材10の長手軸のまわりの回転に関する。円形プレート16は、これを実施するためにベアリング17を備えている。管状セグメント9はいま、それらの外側表面が重なるように入れ子になっている。円形プレート16は、ローター6を環境から保護する。円形プレート16はさらに、その運転可能すなわち伸張状態にある回転するローター6に対する渦度低減手段として機能する。
【0044】
図3は、入れ子式格納可能ローターを装備した、格納された運転不能状態にある船舶の概略側面図を示しており、ローターは、その長手軸を水平姿勢に置くためにちょうつがい軸のまわりにちょうつがい式に動作可能であり、また、図は、入れ子式格納可能ローター6を装備した船舶1を示しており、ローター6は、基本的に図2に示されるように格納された運転不能状態にある。船舶1はまた、貨物を保管するための貨物室4を備えている。船舶はまた、船舶1を推進させるための推進システム5を装備している。ハル3は、前述の貨物室4を備えている。ハル3の上側部分は、デッキ2によって形成されている。円筒状ローター6は、デッキ2の上に配置されている。また、ローター6を望ましい回転速度で回転または自転させるモータードライブ8がデッキ2の上に位置している。ローター6はそれ自体、いくつかの管状セグメント9を備えている。管状セグメント9は、互いに入れ子式に取り付けられており、それらの長手軸は互いに一致している。管状セグメント9は、それらの外側表面が重なるように入れ子になっている。ローター6の長手軸に沿って、ローター6をその運転可能状態に伸張するための、またローター6をその運転不能状態に格納するための変位部材7が配置されている。変位部材7は明りょうに示されないことに注意されたい。ローターの上部に、ローター6を環境から保護するために円形プレート16が設けられている。円形プレート16はさらに、その運転可能すなわち伸張状態にある回転するローター6に対する渦度低減手段として機能する。また、ローター6は、ちょうつがい11を介してデッキ2に接続されている。したがって、格納されたローター6は、その長手軸を直立姿勢Aから水平姿勢Bに置くためにちょうつがい軸のまわりにちょうつがい式に動作され得る。ローター6は、架台12を介してデッキ2に安全に接続され得る。
【0045】
図4は、ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは船舶の収容チャンバーの上に据えられており、また、図は、ローター6を装備した船舶1を示しているが、いま、ローター6は、ただ一つの管状セグメントを備えており、船舶1はまた、貨物を保管するための貨物室4を備えている。船舶1はまた、船舶1を推進させるための推進システム5を装備している。ハル3は、前述の貨物室4を備えている。ハル3の上側部分は、デッキ2によって形成されている。円筒状ローター6は、デッキ2の上に配置されている。また、ローター6を望ましい回転速度で回転または自転させるモータードライブ8がデッキ2の上に位置している。また、ローター6を環境から保護するために円形プレート16が設けられている。円形プレート16はさらに、その運転可能、この場合上昇された、状態にある回転するローター6に対する渦度低減手段として機能する。運転不能状態は、下降された状態すなわちローター6が収容チャンバー13に収容された状態によって定義される。さらに図4は収容チャンバー13を示しており、この場合、それは円筒周壁14を備えている。ローター6を上昇および下降させるために収容チャンバー13に昇降装置18が設けられている。収容チャンバー13の底が開いていることに注意されたい。
【0046】
図5は、ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは船舶の収容チャンバーの上に据えられ、収容チャンバーはさらに底壁を備えており、図5は、収容チャンバー13が底壁15を備えていることを除いて、図4と同一である。
【0047】
図6は、入れ子式格納可能ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは格納された運転不能状態にあり、ローターは船舶の収容チャンバーの中に下降されており、図6は、図6のローター6が収容チャンバー13の中に下降されていることを除いて、図2と基本的に同一である。したがって、図6は、入れ子式格納可能/伸張可能であるローター6を、収容チャンバー13からデッキ2の方に上昇され得るとともにデッキ2から収容チャンバーの中に下降され得るローター6を示している。ローター6の下降された格納された状態が図6に示されている。
【0048】
図7は、収容チャンバーのクローズアップ斜視図を示しており、収容チャンバー13は円筒周壁14を備えて示されている。図6のローター6はまた、収容チャンバー13の中にほとんど完全に下降されて示されている。ローター6はまた、円形プレート16を備えており、円形プレート16はまた、収容チャンバー13を密封するための覆い部材19として機能する。収容チャンバー13は、船舶1からのローター6と共の収容チャンバー13の比較的容易な昇降のためのハンドル21を備えている。これは、欠陥の場合にその中身と共の円筒状収容チャンバー13の比較的容易な交換を提供する。これはまた、もし望むならば、船舶1へのローター6と共の円筒状収容チャンバー13の比較的容易な追加導入を提供する。
【0049】
図8は、ローターの下側部分のクローズアップ斜視図を示しており、ローターを収容チャンバーの中に下降させるための昇降装置を備えている。基本的に、図8は、図6または7のローター6を、ローター6の下側部分のクローズアップ図で示している。ローター6は、その上昇された運転可能状態で示されている。ローター6がその運転可能状態にあるとき、モータードライブ8は、駆動部材20を介してローター6を希望の回転速度で回転させる。駆動部材20は、示されるように、たとえばギヤーホイールを備えていてもよい。ギヤーホイールは、たとえば不都合な風コンディションの場合に、ローター6がモータードライブ8から比較的すばやく離れることを可能にし、したがって、ローター6が昇降装置18によって収容チャンバー13の中に下降されることを可能にする。収容チャンバー13はまた、底壁15を備えて示されている。
【0050】
図9は、シリンダーの概略側断面図を示しており、支持部材を備えている。図9は、伸張部材10と変位部材7の長手軸に沿って配置された、伸張部材10と変位部材7を管状セグメント9に接続し、これによりシリンダー6に追加剛性を提供する二つの支持部材22を備えたシリンダー6の内側を示している。支持部材22は、伸張部材10と変位部材7に対する回転を可能にするためのベアリング23を備えている。さらに、図9は、変位部材7と伸張部材10がトラス構造を有利に備えていることを示している。トラス構造は、変位部材7と伸張部材10のための軽量かつ強固な構造体を可能にする。もちろん、変位部材7がトラス構造を備える、または伸張部材10がトラス構造を備えるようにすることも可能である。より広い意味では、トラス構造はまた、シリンダー6の内部の他の部分に、シリンダー6の内側表面などに適用され得る。
【0051】
また、図9は、モータードライブ8が環境から有利に保護するためにモータードライブ8がシリンダー6の内側の配置されていることを示している。図9は、モータードライブ8が、それを回転させるためのシリンダー6の内部に接続されていることを概略的に示している。図9はまた、モータードライブ8のための二つの代替位置、すなわち8’,8”を示している。モータードライブ’8は、マスト10の最上部エリアに配置されており、そのマスト10に取り付けられている。上側セグメント9を駆動するため。モータードライブ8”は、マスト10に付けられており、シリンダー6の最下部セグメントを駆動する。
【0052】
図10は、伸張格納機構の実施形態のクローズアップセクション図を示す。伸張部材10の下側部分はケーブル24に接続されており、それは、変位部材7の上部に本質的に配置されたプーリー25を通って走っており、ケーブル24は、伸張部材10を伸張および格納するためのウィンチ26に接続されている。
【0053】
図11は、本発明によるローター支持アセンブリの概略断面図を示しており、ローター支持アセンブリ31は、ローター支持フレーム32と、実質水平および実質鉛直姿勢の間を交差軸のまわりにちょうつがい式に動作可能に前記フレーム32に取り付けられたハウジング33を備えている。ハウジング33は、中心線のまわりに回転可能である実質円筒状ローター34を支持している。ローター34は、中心線に沿って間隔を置いた位置にある二つのベアリング36によってハウジング33に装着されている。ハウジング33は、実質円筒状であり、ローター34の中心線の長さの0.1−0.5たとえば0.25倍の長さに沿って延びている。円筒状ローター要素47は、その中心線のまわりに回転可能であるように支持部材に装着されている。ローター支持アセンブリは、その鉛直姿勢で示されている。ハウジング33は、その下側に伝動装置20を備えている。さらに、モータードライブ8は、伝動装置20に接続されて示されている。モータードライブ8は、ローター34のその中心線のまわりの回転に際して、ハウジング33と一緒に移動し、これにより伝動装置20に結合されたままでいる。さらに、伝動装置20からモータードライブ8を、それがデッキ上にとどまるように、分離することが可能である。
【0054】
図12は、ローターを水平姿勢から鉛直姿勢に昇降させるための昇降機構を示す。昇降機構は、船舶1に固定された伸張機構たとえば水圧シリンダー101を示しており、それは、ちょうつがい102のまわりに回転可能なレバー103に結合されており、レバー103は、回転可能シリンダー6を支持しているベースプレートに堅固に接続されている。レバーはまた、モーメントを移すのに好適な他の建造要素たとえば棒であってもよい。水圧シリンダー101の伸張に際して、ローター100は鉛直姿勢に移され、水圧シリンダー101の格納に際して、ローターが水平姿勢に置かれる。モータードライブ8は、シリンダーの内側の示されており、モータードライブ8はシリンダーと共に移動可能である。
【0055】
図13は、ローターを保管するための保管ボックスを示している。より明確には、図14は、二つの姿勢、伸張姿勢と折りたたみ水平姿勢にあるローター76を示している。ローター76は、二つの貨物室の間に位置している。保管ボックス104は、二つの蛤貝殻状半体すなわちドアを備えており、これらは、開姿勢に置かれ、これによりローター76の伸張を許し、また、閉姿勢に置かれ、これにより保管ローター76をたとえば海水や落下物、貨物室の積みおろしの際に落ちてくる同様物から保護する。モータードライブ8はまた、シリンダーの内側の概略的に示されている。
【0056】
図14は、モータードライブ8を内側に備えたローター140の概略断面図を示している。図14は、上部にエンドプレート145を備えたローター140を示す。ローター140は、中央マスト146のまわりに回転可能である。モータードライブ8は、動力伝達部147を備えている。伝達部147は、マスト146に対して回転可能である。伝達部147は、クラッチ141に接続されている。クラッチ141は、ギアーボックス143に接続される。ギアーボックス143は、モーター144に接続されている。モーター144は、任意の適当なタイプ、たとえば電気モーターであってよい。ローター140はさらに、追加支持部148を備えている。支持部148は、中央マスト146に対して回転可能である。モーター144は、基準レベルLの上方、約15〜20mたとえば15mに位置している。マスト146はさらに、メンテナンスドア149を備えている。メンテナンスドア149は、マスト146の内側たとえばモータードライブ8への容易なアクセスを可能にする。
【0057】
図15は、ケーブルとプーリーを備えた別のローター昇降機構の概略側断面図を示している。図15は、直立運転可能姿勢にあるちょうつがい式に動作可能なことができるローター6を示す。ローター6は、内部に駆動モータ8を備えている。モータードライブ8は、示されるように、ローター6と共に折りたたみ可能である。昇降機構は、ローター6に取り付けられこれを支持するベースプレートから成る。ベースプレートはローター6と共に、運転不能折りたたみ姿勢および運転可能直立姿勢に置かれ得る。ベースプレートは、デッキレベルの上方に、図15に示されるように1〜5mたとえば2mに位置している。この実施形態のベースプレートは、0.5m〜2mたとえば1mの厚さを有している。昇降機構は、ローター6を運転不能折りたたみ姿勢から直立姿勢に置くために使用される。そのうえ、機構は、ローター6の下方に収納された図15のウィンチ162を備えている。ウィンチ162は、第一の部分165と第二の部分167と第三の部分168を有しているケーブルに接続されている。第一および第二のケーブル部分167および168は第一のプーリー160を通って走っている。第二および第三のケーブル部分167および165は第二のプーリー163を通って走っている。第三のケーブル部分165の端は、第一のプーリー160に近い部分に堅固に接続されている。反時計回り方向のウィンチ162の作動に際して、第一および第二のプーリー160および163は、互いの方にそれぞれ引かれる。ウィンチ162の作動に際して、これにより運転不能ローター6が昇降され、ローター6は時計回り回転を受ける。モータードライブ8はローター6と共に回転する。モータードライブ8はまた、ローター6の外側に配置されており、ローター6と共に回転しなくてもよい。それから、モータードライブ8は、ローター6が運転不能姿勢から運転可能姿勢に回転された後にローター6に再接続し、たとえば、ローター6の外側に配置された伝達装置を介して再接続する。モータードライブ8は、代替的にローター6の外側に配置され、ローター6と共に回転してもよい。図15はさらに、ローター6を直立運転可能姿勢に安全にロックするためのロッキングピン164を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハル(3)と、船舶の推進のための推進機(5)と、運転可能状態では前記船舶に鉛直に据えられる少なくとも一つの回転可能シリンダー(6)を有し、前記シリンダーが、硬質外側表面と、前記シリンダーを長手軸のまわりに回転させるためのモータードライブ(8)と、前記シリンダーを運転不能姿勢に変位させるための変位部材(7)を有している船舶において、前記モータードライブが前記シリンダー(6)の内側の位置していることを特徴とする船舶。
【請求項2】
前記シリンダーは、二つ以上の入れ子式接続管状セグメント(9)と、前記長手軸に沿って位置し、前記セグメント(9)の少なくとも一つに取り付けられた、前記セグメントを運転可能状態に上昇させるための、また前記セグメント(9)を運転不能状態に下降させるための伸張部材(10)を備えており、運転可能状態では、前記伸張部材(10)が伸張され、前記セグメント(9)がリング形状エンドプレートと重なり、運転不能状態では、前記伸張部材(10)が格納され、前記セグメント(9)がそれらの外側表面が重なるように入れ子にされる、請求項1に記載の船舶(1)。
【請求項3】
最下部セグメント(9)は鉛直方向に動かず、前記モータードライブ(8)は前記最下部セグメント(9)の内部の鉛直一定位置に位置している、請求項2に記載の船舶(1)。
【請求項4】
前記モータードライブ手段(8)は、前記伸張部材(10)によってセグメントと一緒に鉛直方向に変位可能であるように前記セグメントに移動可能に接続されている、請求項2に記載の船舶(1)。
【請求項5】
前記シリンダー(6)は、実質水平ちょうつがい線のまわりにちょうつがい式に前記船舶(1)に接続されている、先行請求項のいずれか一つに記載の船舶(1)。
【請求項6】
ハル(3)と、船舶の推進のための推進機(5)と、運転可能状態では前記船舶に鉛直に据えられる少なくとも一つの回転可能シリンダー(6)を有し、前記シリンダーが、硬質外側表面と、前記シリンダーを長手軸のまわりに回転させるためのモータードライブ(8)と、前記シリンダーを運転不能状態に変位させるための変位部材(7)を有している船舶において、前記船舶が、前記シリンダーに取り付けられた伝動装置(20)と、前記伝動装置(20)に結合された前記シリンダーから距離を置いて配置された駆動部材(8)を備えているモータードライブ手段を備えていることを特徴とする船舶。
【請求項7】
前記伝動装置(20)は移動可能であり、前記シリンダーは、前記運転可能状態から、また分離可能に、前記伝動装置(20)に結合されている、請求項6に記載の船舶(1)。
【請求項8】
前記シリンダーは、二つ以上の入れ子式接続管状セグメント(9)と、前記長手軸に沿って位置し、前記セグメント(9)の少なくとも一つに取り付けられた、前記セグメントを運転可能状態に上昇させるための、また前記セグメント(9)を運転不能状態に下降させるための伸張部材(10)を備えており、運転可能状態では、前記伸張部材(10)が伸張され、前記セグメント(9)がリング形状エンドプレートと重なり、運転不能状態では、前記伸張部材(10)が格納され、前記セグメント(9)がそれらの外側表面が重なるように入れ子にされており、前記伝動装置は、前記伸張部材(10)によって鉛直に変位可能である前記セグメント(9)の少なくとも一つに取り付けられている、請求項6に記載の船舶(1)。
【請求項9】
前記シリンダーは、実質水平ちょうつがい線のまわりにちょうつがい式に前記船舶に接続されており、前記伝動装置は、前記シリンダーと一緒に前記運転可能から前記運転不能状態にちょうつがい式に動作可能である、請求項6または7に記載の船舶(1)。
【請求項10】
ちょうつがい式の動作可能性は、ローター支持フレーム(32)と、実質水平および実質鉛直姿勢の間を交差軸のまわりにちょうつがい式に動作可能に前記フレーム(32)に取り付けられたハウジング(33)を備えているローター支持アセンブリ(31)によって確立され、前記ハウジング(33)が前記回転可能シリンダー(6)を支持している、請求項5または9に記載の船舶(1)。
【請求項11】
前記船舶(1)は、前記シリンダー(6)の長さよりも大きい長さの保管室(34)を備えており、前記保管室(34)は、長手姿勢(B)にある前記ローター(6)を保管するため、二つの貨物室(29)の間で前記デッキ(2)の上に位置しており、前記保管室(34)は、前記保管室(34)を開閉するためのドアを備えている、請求項5、9または10のいずれか一つに記載の船舶(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−519586(P2013−519586A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553277(P2012−553277)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052131
【国際公開番号】WO2011/098601
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(512212782)