説明

収納可能マグナス効果ローターを備えている船舶

本発明は、ハルおよびデッキと、前記デッキに対して長手中心線のまわりに回転可能な外周壁(37)を有している実質円筒状ローターを有しており、前記ローターは、下端が前記デッキに支持され、また上側エンドプレート(16)を有しており、前記ローターは、運転可能状態では前記ローターが実質的に鉛直に向けられ、また運転不能状態では前記上側エンドプレートが前記デッキの近傍に位置するように、前記デッキに据えられ、前記エンドプレートは前記長手中心線に対して横に広がり、前記エンドプレートは、前記ローターの前記運転可能状態では前記外周壁(39)から外側に放射状に拡張姿勢に広がり、前記ローターの前記運転不能状態では前記拡張姿勢よりも前記外周壁に近くに位置する格納姿勢に移動される移動可能縁セグメントを備えている船舶に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハルおよびデッキと、前記デッキに対して長手中心線のまわりに回転可能な外周壁を有している実質円筒状ローターを備えており、前記ローターは、下端が前記デッキに支持され、また上側エンドプレートを備えており、前記ローターは、運転可能状態では前記ローターが実質的に鉛直に向けられ、また運転不能状態では前記上側エンドプレートが前記デッキの近傍に位置するように、前記デッキに据えられ、前記エンドプレートが前記長手中心線に対して横に広がる船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなマグナス効果ローターはUS4.602.584から知られている。その長手軸のまわりに回転している円形シリンダーが、前記シリンダーの前記長手軸に垂直に流れる空気流中に置かれたとき、揚力を作り出すことができることは長く知られており、それは、層空気流中に置かれたときの翼によって作り出される揚力に全く似ている。この揚力は、その発見者、1853年にこの現象を最初に調査したドイツの科学者である、ヘンリック・グスタフ・マグナスにちなんで名付けられた。
【0003】
マグナス効果はまず、アントン・フレットナーによって1924年に船舶を推進されるために適用された。フレットナーは、前記揚力を使用して船舶を推進させるために、船舶のデッキから直立している細長いシリンダー構造体を使用した(これらの構造体は「フレットナー・ローター」とも呼ばれる)。従来の帆に対する利点は、船舶が、穏やかに反対する、比較的不都合な風向に対して、より鋭い角度で航海できたことだった。加えて、フレットナー・ローターは、燃料動力船舶の推進を補い、これにより、そのような船舶の燃料消費量を減少させることができた。
【0004】
しかしながら、希望の航海方向に本質的に平行な強い向かい風の場合や、激しい突風を伴う風コンディションでは、フレットナー・ローターはどんな追加の推進も提供しない。これらのコンディションでは、ローターの比較的大きい前表面を打つ風のため、ローターは、抗力の大きな源であると分かる。さらに、強風と高波を伴う厳しい天候コンディションでは、ローターは、上昇した重心のため、船舶に追加の不安定さを提供することが分かる。
【0005】
US4.602.584は、船舶への搭載使用のためのマグナス効果ローターを提供しており、そのような不都合な風コンディションにおける船舶に対する抗力を最小化するために、船舶の長手軸と本質的に平行な姿勢にそれを旋回させることによって、デッキの方にローターを折りたたむ可能性を提案している。より明確には、US4.602.584は、長および短軸と長手軸を有し、船舶のデッキから直立し、中心長手軸のまわりに回転可能である硬質外側表面から形成された楕円シリンダーを説明している。楕円シリンダーは、シリンダーが従来の帆として作動し得る、短軸を風に整列させたほぼ直立姿勢に、または楕円シリンダーが風の中で羽根がつけら得る、長軸を風に整列させ、これにより抗力を低減する姿勢に、「一時的に置かれ」得る。さらに、不都合な風コンディションの際、楕円シリンダーすなわちローターは、船舶の長手軸と本質的に平行であり、これにより船舶の操縦および推進をどんなふうにも妨害しない姿勢に一時的に置かれ得る。
【0006】
そのようなローターをデッキに折りたたむ欠点は、エンドプレートが比較的大きい径を有しており、これにより多くのスペースをとるとき、デッキ作業がじゃまされることである。さらに、折りたたむ作業自体が、大きいエンドプレート径によって妨害される。また、一般に不都合な風コンディションまたは烈風の中でデッキから直立しているとき、そのようなローター・エンドプレートは、その大きい表面積を考慮すると大きい風抵抗を有し、したがって比較的激しい力に弱い。
【0007】
収納可能ローターを説明する別の特許文献はGB2.187.154である。この文献は、船推進用のローターを説明しており、船のデッキの井戸の中にローターが入れ子式に格納され得るように、ローターの高さにセクションごとに直径が階段的に増大する一連のシリンダーセクションとして構築されている。ローターの内側の中央非回転支持体ポストは、ローターを運ぶ上部ベアリングが取り付けられ、ポストも入れ子式になっている。最上のローターセクションは、その上端のまわりに放射状に突出している境界層フェンスを有しており、また、上方セクションと下方セクションのおのおのの間の直径の段増加は、各場合に下方ローターセクションのためのそれぞれの境界層フェンスを提供する。船舶の推進力を生成するために必要とされるローターをその長手軸のまわりに積極的に回転させるための電動部は文献内に見つけることができない。既知の船舶は、それが最小の風妨害を有しているコンパクトな運転不能状態で船舶にローターを有効に収納することを提供しない。
【0008】
収納可能ローターを説明するまた別の特許文献はUS2.596.726である。この特許文献は、船の推進機を駆動するための風力モーターを説明している。より明確には、それは、船のハル内に建造されたベッドに立っているモーターを説明している。船に対してローターを直立させておくためにステーラインが使用される。モーターはさらに、ボルトによって船のベッドに固定されたベースプレートと、前記ベースプレートに形成されたボスの中のその下側端部が差し込まれたマストを有しており、マストの上側端部にはスパイダーブラケットが取り付けられている。モーターはさらに、マストのまわりに自由に回転するローターを有している。ローターは、マストを取り囲んでいる管状ローターシャフトと、ローターシャフトに軸的に合わせられた上側および下側ディスク状エンドプレートを備えている。ローターをその長手軸のまわりに積極的に回転させるための駆動手段は、マグナス効果を生成するために必要とされることが開示されていない。ローターは、船の推進機にパワーを供給するために実際に使用されている。ローターはそれ自体、船舶に駆動力を提供しない。コンパクトな運転不能姿勢にローターを収納する可能性は開示されていない。
【0009】
前述したことを考慮して、ローターの折りたたみまたは格納の際および後にエンドプレートによって取られるスペースが最小化されるマグナス効果ローターを提供することが本発明の目的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US4.602.584
【特許文献2】GB2.187.154
【特許文献3】US2.596.726
【発明の概要】
【0011】
そのため、前記エンドプレートは、前記ローターの前記運転可能状態では前記外周壁から外側に放射状に拡張姿勢に広がり、前記ローターの前記運転不能状態では前記拡張姿勢よりも前記外周壁に近くに位置する格納姿勢に移動される移動可能縁セグメントを備えている。
【0012】
エンドプレートに移動可能縁セグメントを設けたことによって、エンドプレートの直径が有効に減少され得る。前記移動可能縁セグメントは、前記拡張姿勢よりも前記外周壁に近くに位置する格納姿勢に移動され得、前記エンドプレートがより少ないスペースを必要とするようにする。したがって、ローターの折りたたみまたはローターの入れ子式格納の際および後に使用されるデッキスペースが低減され、デッキ作業が平穏な手法で進められ得る。したがって、二つの貨物船倉の間の、それらの船倉のハッチの間の狭いスペースの中に格納姿勢にローターを収納することが可能である。
【0013】
ローターの収納姿勢にある上側エンドプレートおよび必要に応じて下側エンドプレートの寸法を低減することは、烈風のコンディションの際に波および風とのエンドプレートの相互作用を低減するために有利である。
【0014】
また、エンドプレートがコンパクト化された状態にあるとき、実質鉛直から水平姿勢に移動される、またはハルの中への入れ子式動作または鉛直格納によって下降される格納動作の際のローターの取り扱いが容易である。
【0015】
前記エンドプレートが、前記ローターの前記外周壁に固定された中央部を備えており、前記縁セグメントが、前記中央部の平面内に実質的にあるそれぞれのちょうつがい線のまわりにちょうつがい式に動作可能な手法で前記中央部に取り付けられており、前記縁セグメントが、前記拡張姿勢では前記長手中心線を実質的に横切り、前記格納姿勢では前記長手中心線の方向に実質的に向けられる、船舶を提供することは有利である。そうすることによって、前記移動可能縁セグメントは、スペース的意味で最も有効に格納され得る。
【0016】
さらに、隣接する移動可能縁セグメントが互いに反対方向に折り曲げ可能である船舶を提供することは有利である。そうすることによって、隣接するセグメントの重なりが最小化され、セグメントの重なりに起因してセグメントが互いに削り合うなどの不都合な結果を防止するための追加措置が必要ない。
【0017】
加えて、前記移動可能セグメントが、前記移動可能セグメントに対して少なくとも部分的に横に格納可能であるサイドセグメントを備えている船舶を提供することは有利である。したがって、前記移動可能セグメントは、前記セグメントの重なりに起因するあらゆる不利益に対処する必要なく、あらゆる方向に折りたたまれ得る。
【0018】
さらに、前記移動可能縁セグメントがダイアフラグマチックに(diafragmatically)回転可能なセグメントを備えており、前記セグメントが前記エンドプレートの前記中央部に対して回転可能である船舶が有利に提供され得る。したがって、前記セグメントは、前記中央部の表面の下に有利に保管され得、さらに、前記ローターの折りたたみの後または際のデッキ作業に利用可能なスペースを最適化する。また、前記ローターの展開後、前記セグメントは、前記ローターの回転によりもたらされる遠心力を使用することによって、したがって前記セグメントのための追加拡張機構の必要なく有利に広げられ得る。
【0019】
さらに、前記セグメントの移動が、前記移動可能セグメントに接続された駆動手段によって実施される船舶が有利に提供され得る。前記駆動手段は、前記セグメントの配置の正確な可制御性を可能にする。
【0020】
加えて、前記駆動手段が前記セグメントを移動させるための水力学システムを備えている船舶が提供され得る。前記駆動手段は、前記セグメントを移動させるための水力学システムを有利に備え得る。水力学システムは、高い湿気および塩レベルが移動可能部品に障害を与え得る特に海上のコンディションにおいて比較的信頼できるという利点を提供する。
【0021】
前記駆動手段が前記セグメントを移動させるための気圧力学システムを備えている船舶を提供することも有利である。気圧力学システムは基本的に水力学システムと同じ利点を有しており、すなわち海上などの過酷なコンディションにおいて比較的信頼できる。
【0022】
さらに、前記駆動手段が前記セグメントを移動させるための電気システムを備えている船舶を提供することは有利である。前記電気システムは、前記セグメントの配置がさらに正確に実施され得る利点を有しており、利用スペースに関して電気的駆動手段の全体サイズは比較的小さい。
【0023】
加えて、船舶は、前記セグメントを移動させるためのロープおよびプーリー・システムを備えている駆動手段を有利に備え得る。豪雨などの比較的過酷な天候コンディションの世界の地方において、移動可能セグメントを操作するための最高の信頼度が、ロープおよびプーリー・システムを使用することによって達成され得る。前記ロープはセグメント表面に取り付けられており、プーリーを通って前記ローターの内側に走っており、前記セグメントを所望姿勢に引き込むための引き込みデバイスに接続されている。
【0024】
さらに、使用時、前記エンドディスクの有効径が、前記ローターの回転によって引き起こされ得る遠心力の結果として移動可能である前記移動可能セグメントのために変化し得る船舶が有利に提供され得る。これは、前記ローターの回転に起因する遠心力が前記移動可能セグメントを外側に転回させるように前記ローターに対して前記セグメントを配置することによって達成され得る。
【0025】
また、ハルと、前記ハル内の一つ以上の貨物室と、船舶の推進のための推進機と、その運転可能状態では前記船舶で鉛直に据えられる少なくとも一つの回転可能シリンダーを備えており、前記シリンダーは硬質外側表面を有しており、また、前記シリンダーを長手軸のまわりに回転させるための回転駆動手段と、前記シリンダーを運転不能姿勢に変位させるための変位部材を備えている船舶において、前記回転可能シリンダーは、二つ以上の入れ子式接続管状セグメントと、長手軸に沿って位置している一つの伸張部材を備えており、それは、前記伸張部材が伸張され、前記セグメントがリング形状エンドプレートと重なっている運転可能状態に前記セグメントを上昇させるために、また、前記伸張部材が格納され、前記セグメンが入れ子になりそれらの外側表面が重なっている運転不能状態に前記セグメントを下降させるために、前記セグメントに取り付けられていることを特徴とする船舶がここに開示される。
【0026】
たとえば、風に逆らって、または厳しい天候コンディションのなかで航海するときに、前記入れ子式接続管状セグメントは、前記シリンダーのサイズが便利に低減され得ることを確実にする。伸張部材は、これらのコンディションの中で、前記管状セグメントを運転不能状態に格納することと、風または天候コンディションが再び良くなったときにそれらを運転可能状態に伸張させることを提供する。運転不能状態では、前記外側表面が重なり、これにより前記シリンダーを環境コンディションから保護する。その運転不能状態におけるその低減されたサイズのため、欠陥の場合に前記シリンダーを交換することもさらに容易である。比較的小さい欠陥の場合には、前記シリンダーが交換される必要はなく、前記シリンダーは、その低減されたサイズのため、修理のためのアクセスすることがまた比較的容易である。
【0027】
さらに、前記シリンダーが前記船舶のデッキにちょうつがい式に動作可能に取り付けられ、格納状態の前記シリンダーが、その長手軸を水平姿勢に置くためにちょうつがい軸のまわりにちょうつがい式に動作可能とすることは有利である。前記シリンダーをその長手軸を水平姿勢に置くことによって、消費されるデッキスペースがよりいっそう少なくなり、前記ローターにかかるあらゆる不所望な抗力が最小化される。
【0028】
また、前記シリンダーの端部が、前記ちょうつがい軸から格納状態の前記シリンダーの長さ以下の距離にある前記船舶のデッキ上の架台の中に受け入れ可能とすることは有利である。格納状態の前記シリンダーを受け入れるための架台を前記船舶のデッキに設けることによって、前記シリンダーが前記デッキに安全に固定され得る。
【0029】
加えて、前記シリンダーが前記船舶の収容チャンバーの上に据えられ、前記収容チャンバーが貨物室の中またはハルの内および外壁の間のスペースの中に位置し、前記伸張部材が、前記シリンダーを前記収容チャンバーの中に下降させ、また前記シリンダーを前記収容チャンバーから上昇させことに適合されることは有利である。これは、前記シリンダーを前記デッキの下に格納する利点を提供する。さらに、前記ハルの中のそのエリアが最適な使用される。あるいは、前記シリンダーは、前記船舶の前記貨物スペースに保管され得る。両方のオプションは、前記シリンダーをデッキ作業のじゃまにならないようにするという利点を提供する。さらに、前記シリンダーは環境コンディションから保護される。
【0030】
さらに、実質的に格納状態の前記シリンダーの長さの外周壁を有している円筒状収容チャンバーを備えた船舶を供給することは有利である。これは前記シリンダーを保管するための専用保管スペースを提供し、それは前記ハルの中身から保護される。また、前記シリンダーは海水の進入から保護される。さらに、それは、欠陥の場合に前記シリンダーを交換するための一体的ユニットを提供する。前記一体的ユニットはまた、前記ローターが既存の船舶に追加導入される機会を提供する。
【0031】
加えて、底壁を備えた円筒状収容チャンバーを提供することは有利である。これは密封収容チャンバーを提供し、前記シリンダーは水と前記ハルの中身から保護される。
【0032】
また、前記シリンダーが上部に前記シリンダーよりも大きい直径の円形プレートを備えており、それは上側管状セグメントに固定的に取り付けられており、前記伸張部材は、前記シリンダーの底部から前記円形プレートまで延びており、前記伸張部材に対する前記プレートの回転を許すようにベアリングを介して前記プレートに取り付けられることは有利である。これは、入れ子式動作の際に前記円形上部プレートによって前記管状セグメントを昇降させる能力を前記シリンダーに提供する。
【0033】
さらに、前記伸張部材の下側部分が、前記変位部材の上部に本質的に配置されたプーリーを通って走るケーブルに接続され、前記伸張部材を伸張および格納するためのウィンチに前記ケーブルが接続されることは有利である。これは、伸張および格納機構の比較的コンパクトで軽量な設計を可能にする。もちろん、伸張格納機構はまた、前記変位部材に対して前記伸張部材を変位させるための水圧システム、またはサーボ駆動システムを備え得る。
【0034】
加えて、前記伸張部材および変位部材の長手軸に沿って配置された支持部材を前記シリンダーの内側に設け、前記伸張部材および変位部材を前記シリンダーに接続し、これにより前記シリンダーに追加剛性を提供することは有利である。前記支持部材は、前記伸張部材および変位部材に対する回転を可能にするためのベアリングを備えている。前記支持部材は、たとえば、前記シリンダーの内周に沿って走るホイールを備え得る。前記追加剛性は、構造体の機械的信頼性を改善し、振動を低減する。
【0035】
また、ハルと、前記ハル内の一つ以上の貨物室と、船舶の推進のための推進機と、その運転可能状態では前記船舶で鉛直に据えられる少なくとも一つの回転可能シリンダーを備えており、前記シリンダーは硬質外側表面を有しており、また、前記シリンダーを長手軸のまわりに回転させるための回転駆動手段と、前記シリンダーを運転不能姿勢に変位させるための変位部材を備えている船舶において、前記シリンダーが前記船舶の収容チャンバーの上に据えられ、前記収容チャンバーが前記貨物室の中またはハルの内および外壁の間のスペースの中に位置し、前記船舶が、運転不能状態では前記シリンダーを前記収容チャンバーの中に下降させるために、また運転可能状態では前記シリンダーを前記収容チャンバーから上昇させるために前記シリンダーをその長さ方向に変位させるための昇降装置を備えていることを特徴とする船舶がここに開示される。
【0036】
たとえば、風に逆らって、または厳しい天候コンディションのなかで航海するときに、前記昇降装置は、前記ハルの収容チャンバーまたは前記貨物室の中に前記シリンダーが全体として昇降され得ることを確実にする。これは、これらのコンディションの中で、前記シリンダーを前記デッキから取り除くための、したがってデッキスペースを解放するための比較的迅速な方法を提供する。さらに、前記シリンダーはしたがって環境コンディションから保護される。加えて、前記シリンダーを収容チャンバーの中に保管することによって、欠陥の場合に前記シリンダーを交換することもさらに容易である。
【0037】
さらに、円筒状収容チャンバーが、外周壁を有し、前記シリンダーを保管するための専用保管スペースを提供し、それが前記ハルの中身から比較的保護されることは有利である。また、前記シリンダーは、海水の進入から比較的良く保護される。さらに、それは、欠陥の場合に前記シリンダーを交換するための比較的一体的ユニットを提供する。
【0038】
加えて、前記円筒状収容チャンバーに底壁を設けることは有利である。これは、よりいっそうの密封収容チャンバーを提供し、前記シリンダーは、海水と前記ハルの中身から比較的良く保護される。
【0039】
さらに、前記収容チャンバーを水密手法で覆うための覆い部材を前記収容チャンバーに設けることは有利である。これは、前記シリンダーが上方からの海水の進入から比較的良く保護されることを提供する。さらに、それは、欠陥の場合に前記シリンダーを交換するための比較的一体的ユニットを提供する。
【0040】
さらに、前記シリンダーがその上部に、前記シリンダーよりも大きい直径の円形プレートを備え、前記円形プレートが覆い部材を形成することは有利である。たとえば嵐の天候の際に、前記円形プレートが、運転可能状態にある前記シリンダーの上部における渦度を防止し、また運転不能シリンダーを環境から密封するための覆い部材を形成するために最適な幾何学的形状を示すという二倍の利点が達成される。
【0041】
さらに、前記回転駆動手段が、前記船舶のデッキまたは前記収容チャンバーに固定されたモーターと、前記回転可能シリンダーに固定され、前記運転不能状態に変位され、前記昇降装置によって前記シリンダーと一緒に運転可能状態に上昇され得る駆動部材を備えることは有利である。前記駆動部材は、たとえば、ギヤーホイールまたは駆動ベルトを備えていてよい。前記駆動部材は前記シリンダーに沿って下降および上昇され、それは、メンテナンスと検査のためのモーターへの容易なアクセスを許す。
【0042】
さらに、前記シリンダーが、前記シリンダーの長手軸に本質的に平行に走っている駆動シャフトを介して前記駆動手段によって回転されることは有利である。前記駆動シャフトはまた、入れ子式管状セグメントを備えたシリンダーの場合に、前記駆動シャフトの回転力を伝達するための適切な手段によって前記シリンダーを回転させる前記変位または伸張部材の内側の有利に配置される。前記駆動シャフトはまた、入れ子式セグメントを備えたシリンダーの管状セグメントに沿って前記駆動シャフトが伸張または格納されることを可能にする入れ子式要素を備え得る。前記駆動シャフトの回転力を前記シリンダーに伝達するための手段は前記支持部材に有利に接続され、前記支持部材によって前記シリンダーを回転させる。前記駆動シャフトの回転力を前記シリンダーに伝達するための手段は、前記シリンダーを摩擦によって回転させるように、そのリム上の摩擦材を備えたホイールなど、ギヤーホイールまたは他のタイプの適切なホイールを有利に備え得る。したがって、前記シリンダーを回転させるそのような駆動シャフトを使用することによって、駆動力の均一な分布が、前記シリンダー上に、管状セグメントを備えているシリンダー上に達成され、振動が低減され得る。前記駆動シャフトはそれ自体、駆動手段に取り付けられた駆動ベルトによって有利に駆動され得る。
【0043】
前記駆動手段は一般に、前記駆動手段が環境に露出されることを防止するために、前記シリンダーの内側に配置され得る。前記駆動手段は、ギヤーホイールなどの回転力を伝達するための任意の適当な手段を介して前記シリンダーの内部に、または、たとえば駆動ベルトまたは駆動チェーンを介して前記駆動シャフトに接続され得る。
【0044】
また、先に述べられたような船舶で使用される回転可能シリンダーがここに開示される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明のさらなる目的および有利な様相は、請求項および図面と関連した本発明の実施形態の続く詳細な説明から明白になるであろう。
【図1】図1は、本発明の実施形態による、入れ子式格納可能ローターを装備した、伸張した運転可能状態にある船舶の概略側面図を示す。
【図2】図2は、入れ子式格納可能ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは格納された運転不能状態にある。
【図3】図3は、入れ子式格納可能ローターを装備した、格納された運転不能状態にある船舶の概略側面図を示しており、ローターは、その長手軸を水平姿勢に置くためにちょうつがい軸のまわりにちょうつがい式に動作可能である。
【図4】図4は、ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは船舶の収容チャンバーの上に据えられている。
【図5】図5は、ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは船舶の収容チャンバーの上に据えられ、収容チャンバーはさらに底壁を備えている。
【図6】図6は、入れ子式格納可能ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは格納された運転不能状態にあり、ローターは船舶の収容チャンバーの中に下降されている。
【図7】図7は、収容チャンバーのクローズアップ斜視図を示している。
【図8】図8は、ローターの下側部分のクローズアップ斜視図を示しており、ローターを収容チャンバーの中に下降させるための昇降装置を備えている。
【図9】図9は、シリンダーの概略側断面図を示しており、支持部材を備えている。
【図10】図10は、伸張および格納機構の実施形態のクローズアップ断面図を示す。
【図11】図11は、折りたたみ可能フレットナー・ローターを装備した、展開状態にある船舶の概略側面図を示す。
【図12a】図12aは、移動可能エンドプレート・セグメントを備えたローターの概略斜視図を示しており、セグメントは拡張姿勢に示されている。
【図12b】図12bは、移動可能エンドプレート・セグメントを備えたローターの概略斜視図を示しており、セグメントは格納姿勢に示されている。
【図13】図13は、移動可能エンドプレート・セグメントを備えたローターの別の実施形態の概略斜視図を示している。
【図14】図14は、移動可能エンドプレート・セグメントを備えたローターの別の実施形態の概略斜視図を示しており、移動可能セグメントは、移動可能セグメントに対して少なくとも部分的に横に格納可能であるサイドセグメントを備えている。
【図15a】図15aは、ダイアフラグマチックに(diafragmatically)回転可能なセグメントを有しているローター・エンドプレートの概略平面図を示しており、セグメントは、エンドプレートの中央部に対して回転可能であり、完全格納状態にある。
【図15b】図15bは、ダイアフラグマチックに(diafragmatically)回転可能なセグメントを有しているローター・エンドプレートの別の概略平面図を示しており、セグメントは、エンドプレートの中央部に対して回転可能であり、部分的拡張状態で示されている。
【図15c】図15cは、ダイアフラグマチックに(diafragmatically)回転可能なセグメントを有しているローター・エンドプレートの別の概略平面図を示しており、セグメントは、エンドプレートの中央部に対して回転可能であり、部分的拡張状態で示されている。
【図15d】図15dは、ダイアフラグマチックに(diafragmatically)回転可能なセグメントを有しているローター・エンドプレートの別の概略平面図を示しており、セグメントは、エンドプレートの中央部に対して回転可能であり、完全拡張状態で示されている。
【図16】図16は、折りたたみ可能エンドプレートと折りたたみ可能底プレートを備えているローターを備えた船舶の一部の概略斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、本発明の実施形態による、入れ子式格納可能ローターを装備した、伸張された運転可能状態にある船舶の概略側面図を示しており、船舶1は、貨物を保管するための貨物室4を備えている。船舶1はまた、船舶1を推進させるための推進システム5を装備している。ハル3は、前述の貨物室4を備えている。ハル3の上側部分は、デッキ2によって形成されている。円筒状ローター6は、デッキ2の上に配置されている。また、ローター6を望ましい回転速度で回転または自転させる回転駆動手段8がデッキ2の上に位置している。ローター6はそれ自体、いくつかの管状セグメント9を備えている。管状セグメント9は、互いに入れ子式に取り付けられており、それらの長手軸は互いに本質的に一致し、それらの外側表面は部分的に重なっている。ローター6の長手軸に沿って、ローター6をその運転可能状態に伸張するための、またローター6をその運転不能状態に格納するための変位部材7が配置されている。変位部材7は、伸張部材10を備えている。伸張部材10は、ローター6の上部の円形プレート16に接続している。変位部材7は、たとえば水圧シリンダーを備え得る。円形プレート16は、伸張部材10に対して回転自由となっている。この回転自由は、伸張部材10の長手軸のまわりの回転に関する。円形プレート16は、これを実施するためにベアリング17を備えている。円形プレート16はさらに、回転するローター6に対する渦度低減手段として機能する。
【0047】
図2は、入れ子式格納可能ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは格納された運転不能状態にあり、また、図は、入れ子式格納可能ローター6を装備した船舶1を示しているが、いま、ローター6は、格納された運転不能状態で示されており、船舶1はまた、貨物を保管するための貨物室4を備えている。船舶1はまた、船舶1を推進させるための推進システム5を装備している。ハル3は、前述の貨物室4を備えている。ハル3の上側部分は、デッキ2によって形成されている。円筒状ローター6は、デッキ2の上に配置されている。また、ローター6を望ましい回転速度で回転または自転させる回転駆動手段8がデッキ2の上に位置している。ローター6はそれ自体、いくつかの管状セグメント9を備えている。管状セグメント9は、互いに入れ子式に取り付けられており、それらの長手軸は互いに一致している。いま、管状セグメント9の外側表面は、ほとんど完全に重なっている。ローター6の長手軸に沿って、ローター6をその運転可能状態に伸張するための、またローター6をその運転不能状態に格納するための変位部材7が配置されている。変位部材7は、伸張部材10を備えている。伸張部材10は、ローター6の上部の円形プレート16に接続している。変位部材7は、たとえば水圧シリンダーを備え得る。円形プレート16は、伸張部材10に対して回転自由となっている。この回転自由は、伸張部材10の長手軸のまわりの回転に関する。円形プレート16は、これを実施するためにベアリング17を備えている。管状セグメント9はいま、それらの外側表面が重なるように入れ子になっている。円形プレート16は、ローター6を環境から保護する。円形プレート16はさらに、その運転可能すなわち伸張状態にある回転するローター6に対する渦度低減手段として機能する。
【0048】
図3は、入れ子式格納可能ローターを装備した、格納された運転不能状態にある船舶の概略側面図を示しており、ローターは、その長手軸を水平姿勢に置くためにちょうつがい軸のまわりにちょうつがい式に動作可能であり、また、図は、入れ子式格納可能ローター6を装備した船舶1を示しており、ローター6は、基本的に図2に示されるように格納された運転不能状態にある。船舶1はまた、貨物を保管するための貨物室4を備えている。船舶はまた、船舶1を推進させるための推進システム5を装備している。ハル3は、前述の貨物室4を備えている。ハル3の上側部分は、デッキ2によって形成されている。円筒状ローター6は、デッキ2の上に配置されている。また、ローター6を望ましい回転速度で回転または自転させる回転駆動手段8がデッキ2の上に位置している。ローター6はそれ自体、いくつかの管状セグメント9を備えている。管状セグメント9は、互いに入れ子式に取り付けられており、それらの長手軸は互いに一致している。管状セグメント9は、それらの外側表面が重なるように入れ子になっている。ローター6の長手軸に沿って、ローター6をその運転可能状態に伸張するための、またローター6をその運転不能状態に格納するための変位部材7が配置されている。変位部材7は明りょうに示されないことに注意されたい。ローターの上部に、ローター6を環境から保護するために円形プレート16が設けられている。円形プレート16はさらに、その運転可能すなわち伸張状態にある回転するローター6に対する渦度低減手段として機能する。また、ローター6は、ちょうつがい11を介してデッキ2に接続されている。したがって、格納されたローター6は、その長手軸を直立姿勢Aから水平姿勢Bに置くためにちょうつがい軸のまわりにちょうつがい式に動作され得る。ローター6は、架台12を介してデッキ2に安全に接続され得る。
【0049】
図4は、ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは船舶の収容チャンバーの上に据えられており、また、図は、ローター6を装備した船舶1を示しているが、いま、ローター6は、ただ一つの管状セグメントを備えており、船舶1はまた、貨物を保管するための貨物室4を備えている。船舶1はまた、船舶1を推進させるための推進システム5を装備している。ハル3は、前述の貨物室4を備えている。ハル3の上側部分は、デッキ2によって形成されている。円筒状ローター6は、デッキ2の上に配置されている。また、ローター6を望ましい回転速度で回転または自転させる回転駆動手段8がデッキ2の上に位置している。また、ローター6を環境から保護するために円形プレート16が設けられている。円形プレート16はさらに、その運転可能、この場合上昇された、状態にある回転するローター6に対する渦度低減手段として機能する。運転不能状態は、下降された状態すなわちローター6が収容チャンバー13に収容された状態によって定義される。さらに図4は収容チャンバー13を示しており、この場合、それは円筒周壁14を備えている。ローター6を上昇および下降させるために収容チャンバー13に昇降装置18が設けられている。収容チャンバー13の底が開いていることに注意されたい。
【0050】
図5は、ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは船舶の収容チャンバーの上に据えられ、収容チャンバーはさらに底壁を備えており、図5は、収容チャンバー13が底壁15を備えていることを除いて、図4と同一である。
【0051】
図6は、入れ子式格納可能ローターを装備した船舶の概略側面図を示しており、ローターは格納された運転不能状態にあり、ローターは船舶の収容チャンバーの中に下降されており、図6は、図6のローター6が収容チャンバー13の中に下降されていることを除いて、図2と基本的に同一である。したがって、図6は、入れ子式格納可能/伸張可能であるローター6を、収容チャンバー13からデッキ2の方に上昇され得るとともにデッキ2から収容チャンバーの中に下降され得るローター6を示している。ローター6の下降された格納された状態が図6に示されている。
【0052】
図7は、収容チャンバーのクローズアップ斜視図を示しており、収容チャンバー13は円筒周壁14を備えて示されている。図6のローター6はまた、収容チャンバー13の中にほとんど完全に下降されて示されている。ローター6はまた、円形プレート16を備えており、円形プレート16はまた、収容チャンバー13を密封するための覆い部材19として機能する。収容チャンバー13は、船舶1からのローター6と共の収容チャンバー13の比較的容易な昇降のためのハンドル21を備えている。これは、欠陥の場合にその中身と共の円筒状収容チャンバー13の比較的容易な交換を提供する。これはまた、もし望むならば、船舶1へのローター6と共の円筒状収容チャンバー13の比較的容易な追加導入を提供する。図7は、エンドプレート16が移動可能セグメント39を備えていることを示している。セグメント39は、中央エンドプレート41に対して移動可能である。セグメント39は、下方または上方に折りたたまれ得る。図7は、四つのセグメント39を示しているが、より多くのセグメント39たとえば六つまたは八つが使用され得る。
【0053】
図8は、ローターの下側部分のクローズアップ斜視図を示しており、ローターを収容チャンバーの中に下降させるための昇降装置を備えている。基本的に、図8は、図6または7のローター6を、ローター6の下側部分のクローズアップ図で示している。ローター6は、その上昇された運転可能状態で示されている。ローター6がその運転可能状態にあるとき、回転駆動手段8は、駆動部材20を介してローター6を希望の回転速度で回転させる。駆動部材20は、示されるように、たとえばギヤーホイールを備えていてもよい。ギヤーホイールは、たとえば不都合な風コンディションの場合に、ローター6が駆動手段8から比較的すばやく離れることを可能にし、したがって、ローター6が昇降装置18によって収容チャンバー13の中に下降されることを可能にする。収容チャンバー13はまた、底壁15を備えて示されている。図8はまた、エンドプレート16が移動可能セグメント39を備えていることを示している。セグメント39は、中央エンドプレート41に対して移動可能である。図8は、エンドプレート16が六つのセグメントを備えていることを示しているが、もっと多くのものが使用され得る。セグメント39は、上方または下方に折りたたまれ得る。
【0054】
図9は、シリンダーの概略側断面図を示しており、支持部材を備えている。図9は、伸張部材10と変位部材7の長手軸に沿って配置された、伸張部材10と変位部材7を管状セグメント9に接続し、これによりシリンダー6に追加剛性を提供する二つの支持部材22を備えたシリンダー6の内側を示している。支持部材22は、伸張部材10と変位部材7に対する回転を可能にするためのベアリング23を備えている。さらに、図9は、変位部材7と伸張部材10がトラス構造を有利に備えていることを示している。トラス構造は、変位部材7と伸張部材10のための軽量かつ強固な構造体を可能にする。もちろん、変位部材7がトラス構造を備える、または伸張部材10がトラス構造を備えるようにすることも可能である。より広い意味では、トラス構造はまた、シリンダー6の内部の他の部分に、シリンダー6の内側表面などに適用され得る。図9はまた、エンドプレート16が移動可能セグメント39を備えていることを示している。セグメント39は、中央エンドプレート41に対して移動可能である。セグメント39は、格納姿勢に、すなわちシリンダー表面に接近して示されている。セグメント39は、必要ならばシリンダー表面にさらに接近して格納され得る。セグメント’39は、拡張姿勢に示されている。
【0055】
また、図9は、駆動手段8が環境から有利に保護するために駆動手段8がシリンダー6の内側の配置されていることを示している。図9は、駆動手段8が、それを回転させるためのシリンダー6の内部に接続されていることを概略的に示している。
【0056】
図10は、伸張格納機構の実施形態のクローズアップセクション図を示す。伸張部材10の下側部分はケーブル24に接続されており、それは、変位部材7の上部に本質的に配置されたプーリー25を通って走っており、ケーブル24は、伸張部材10を伸張および格納するためのウィンチ26に接続されている。
【0057】
図11は、折りたたみ可能ローター6を装備した、展開状態にある船舶1の概略側面図を示す。より明確には、図11は船舶1を示しており、それは、その中に貨物室4が配置されたハル3を備えている。さらに、船舶1は、推進システム4とデッキ2を備えている。ローター6は、デッキ2の上に直立姿勢に立っている。ローター6は、円筒状ローター部37と、デッキ2に接続されていないローター6の一部に配置されたエンドプレート16を備えている。ローター6は、ローター6の下側部分の近くに位置するちょうつがい(図示せず)によってデッキ2に向けて折りたたまれ得る。
【0058】
図12aは、移動可能エンドプレート・セグメント39を備えたローター6の概略斜視図を示しており、セグメント39は拡張姿勢に示されており、ローターは、その上部にエンドプレート16を備えた円筒状ローター部37を示している。エンドプレート16は中央部41を備えており、その周囲に六つの移動可能縁セグメント39が配置されている。縁セグメント39は、中央部41に対して移動可能である。さらに、図12は、移動可能縁セグメント39を移動させるための駆動手段43を概略的に示している。縁セグメント39はまた、追加スペース節約を得るためにセグメント39それ自体の中に存在する折りたたみ線Lに沿って折りたたまれ得る。
【0059】
図12bは、移動可能エンドプレート・セグメント39を備えたローター6の概略斜視図を示しており、セグメント39は格納姿勢に示されており、ローターは、中央部41に対して移動された後の移動可能縁セグメント39を示している。移動可能縁セグメント39の三つは、中央部41に対して上方に折りたたまれ、他の三つの移動可能縁セグメント39は、下方に折りたたまれている。隣接するセグメント39は、互いに反対方向に折りたたまれる。縁セグメント39はまた、追加スペース節約を得るためにセグメント39それ自体の中に存在する折りたたみ線に沿って折りたたまれ得る。
【0060】
図13は、移動可能エンドプレート・セグメント39を備えたローターの別の実施形態の概略斜視図を示しており、ローターは、その上部にエンドプレート16を備えた円筒状ローター部37を示している。エンドプレート16は中央部41を備えており、その周囲に十二の移動可能縁セグメント39が配置されている。また、隣接する縁セグメント39は、互いに反対方向に折りたたまれる。縁セグメント39は、中央部41に対して移動された姿勢にある。六つの縁セグメント39は、中央部41に対して上方に折りたたまれ、他の六つは下方に折りたたまれている。
【0061】
図14は、移動可能エンドプレート縁セグメント39を備えたローターの別の実施形態の概略斜視図を示しており、移動可能縁セグメント39は、移動可能セグメント39に対して少なくとも部分的に横に格納可能であるサイドセグメント45を備えている。また、図14は、中央プレート41を示しており、その周囲に六つの移動可能縁セグメントが取り付けられている。移動可能セグメント39は、中央プレート41に対して折りたたみ可能。サイドセグメント45は、移動可能縁セグメント39に対して拡張された状態で示されている。サイドセグメント45は、移動可能縁セグメント39の内部に格納可能である。サイドセグメント45はまた、移動可能縁セグメント39の表面の下方または上方に格納可能であってもよい。拡張された状態では、サイドセグメント45は、二つの隣接するサイドセグメント15の間の適当なロックを保証するためのロッキング機構を備え得る。
【0062】
図15aは、エンドプレート16の概略平面図を示しており、移動可能縁セグメントは、ダイアフラグマチックに(diafragmatically)回転可能なセグメント42によって形成されており、セグメント42は、エンドプレート16の中央部に対して回転可能である。セグメント42は図示されておらず、それらはエンドプレート16の中に完全に格納されている。
【0063】
図15bは、エンドプレート16の別の概略平面図を示しており、移動可能縁セグメントは、ダイアフラグマチックに(diafragmatically)回転可能なセグメント42によって形成されており、セグメント42は、エンドプレート16の中央部に対して回転可能である。セグメント42は、部分的に拡張された状態で示されている。
【0064】
図15cは、エンドプレート16の別の概略平面図を示しており、移動可能縁セグメントは、ダイアフラグマチックに(diafragmatically)回転可能なセグメント42によって形成されており、セグメント42は、エンドプレート16の中央部に対して回転可能である。セグメント42は、部分的に拡張された状態で示されているが、図15bに示された状態よりもさらに拡張されている。
【0065】
図15dは、エンドプレート16の別の概略平面図を示しており、移動可能縁セグメントは、ダイアフラグマチックに(diafragmatically)回転可能なセグメント42によって形成されており、セグメント42は、エンドプレート16の中央部に対して回転可能である。セグメント42は、完全に拡張された状態で示されている。
【0066】
図16は、折りたたみ可能エンドプレート16と折りたたみ可能底プレート50を備えているローター6を備えた船舶1の一部の概略斜視図を示している。底プレート50は、移動可能セグメント52を有して示されている。下側エンドプレートすなわち底プレート50の移動可能セグメント52は、格納された状態で示されている。移動可能セグメント52は、互いに反対方向に折りたたまれて示されている。ローター6は、デッキ2の方に折りたたまれており、運転不能状態にある。上側エンドプレート16も、格納された状態で示されている。移動可能セグメント39は、互いに反対方向に折りたたまれて示されている。ローター6は、ハッチ51の間にあり、ハッチ51は、それぞれの貨物室4を覆う。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハル(3)とデッキ(2)、前記デッキ(2)に対して長手中心線のまわりに回転可能な外周壁を有している実質円筒状ローター(6)を備えており、前記ローター(6)は、下端が前記デッキ(2)に支持され、また上側エンドプレート(16)を備えており、前記ローター(6)は、運転可能状態では前記ローター(6)が実質的に鉛直に向けられ、また運転不能状態では前記上側エンドプレート(16)が前記デッキ(2)の近傍に位置するように、前記デッキ(2)に据えられ、前記エンドプレート(16)が前記長手中心線に対して横に広がる船舶(1)において、前記エンドプレート(16)は、前記ローター(6)の前記運転可能状態では前記外周壁から外側に放射状に拡張姿勢に広がり、前記ローター(6)の前記運転不能状態では前記拡張姿勢よりも前記外周壁に近くに位置する格納姿勢に移動される移動可能縁セグメント(39)を備えていることを特徴とする船舶(1)。
【請求項2】
前記エンドプレート(16)は、前記ローター(6)の前記外周壁に固定された中央部(41)を備えており、前記縁セグメント(39)は、前記中央部(41)の平面内に実質的にあるそれぞれのちょうつがい線のまわりにちょうつがい式に動作可能な手法で前記中央部(41)に取り付けられており、前記縁セグメント(39)は、前記拡張姿勢では前記長手中心線を実質的に横切り、前記格納姿勢では前記長手中心線の方向に実質的に向けられる、請求項1に記載の船舶(1)。
【請求項3】
隣接する移動可能縁セグメント(39)は、互いに反対方向に折り曲げ可能である、請求項1または2に記載の船舶(1)。
【請求項4】
前記移動可能縁セグメント(39)は、前記移動可能縁セグメント(39)に対して少なくとも部分的に横に格納可能であるサイドセグメント(45)を備えている、請求項1〜3の一つに記載の船舶(1)。
【請求項5】
前記移動可能縁セグメント(39)は、ダイアフラグマチックに(diafragmatically)回転可能なセグメント(42)を備えており、前記セグメント(42)は前記エンドプレート(16)の前記中央部(41)に対して回転可能である、請求項1に記載の船舶(1)。
【請求項6】
前記移動可能縁セグメント(39)の移動は、前記移動可能縁セグメント(39)に接続された駆動手段(43)によって実施される、先行請求項の一つに記載の船舶(1)。
【請求項7】
前記駆動手段(43)は、前記移動可能縁セグメント(39)を移動させるための水力学システムを備えている、請求項6に記載の船舶(1)。
【請求項8】
前記駆動手段(43)は、前記移動可能縁セグメント(39)を移動させるための気圧力学システムを備えている、請求項6に記載の船舶(1)。
【請求項9】
前記駆動手段(43)は、前記移動可能縁セグメント(39)を移動させるための電気システムを備えている、請求項6に記載の船舶(1)。
【請求項10】
前記駆動手段(43)は、前記移動可能縁セグメント(39)を移動させるためのロープおよびプーリー・システムを備えている、請求項6に記載の船舶(1)。
【請求項11】
使用時、前記エンドプレート(16)の有効径は、前記ローター(6)の回転によって引き起こされ得る遠心力の結果として移動可能である前記移動可能セグメント(39)のために変化し得る、先行請求項の一つに記載の船舶(1)。
【請求項12】
前記ローター(6)は、前記デッキの近くに位置する下側エンドプレート(50)を備えており、下側エンドプレート(50)は、前記ローター(6)の前記運転可能状態では前記外周壁から外側に放射状に拡張姿勢に広がり、前記ローター(6)の運転不能状態では前記拡張姿勢よりも前記外周壁の近くに位置する格納姿勢に移動される移動可能縁セグメント(52)を備えている、先行請求項のいずれかに記載の船舶(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13】
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【図14】
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【図15a】
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【図15b】
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【図15c】
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【図15d】
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【図16】
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【公表番号】特表2013−519587(P2013−519587A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553279(P2012−553279)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052143
【国際公開番号】WO2011/098605
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(512212782)