収納物落下防止装置及びこの収納物落下防止装置を備えた家具
【課題】 利便性に優れ、さらに既存の市販されている収納棚等に容易に設置することができる収納物落下防止装置を提供する。
【解決手段】 揺動時において棚板等の棚部上に収納した物品の落下を防止する収納物落下防止装置であって、前記棚部の前方に取り付けられる取付部材と、この取付部材に取り付けられたロック手段と、前記取付部材に対して回動可能に取り付けられた落下防止部材とからなり、通常時は前記落下防止部材が前記棚部前方に壁立した状態で前記ロック手段によりロックされるが、前記棚部からの物品の出し入れ時には、前記ロック手段によるロックを解いて前記壁立状態を解除するように構成したことにより、前記課題を解決した。
【解決手段】 揺動時において棚板等の棚部上に収納した物品の落下を防止する収納物落下防止装置であって、前記棚部の前方に取り付けられる取付部材と、この取付部材に取り付けられたロック手段と、前記取付部材に対して回動可能に取り付けられた落下防止部材とからなり、通常時は前記落下防止部材が前記棚部前方に壁立した状態で前記ロック手段によりロックされるが、前記棚部からの物品の出し入れ時には、前記ロック手段によるロックを解いて前記壁立状態を解除するように構成したことにより、前記課題を解決した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に地震等による揺動時に、食器棚、本棚、薬品棚等の収納棚に収納されている物品が棚部からの落下するのを防止する収納物落下防止装置及びこの収納物落下防止装置を備えた家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食器棚、本棚、薬品棚等の収納棚の棚部に収納されている物品は、地震等の際に収納棚が揺れることにより収納棚が倒れなくとも棚板等の棚部から落下することがある。特に震度4を超える地震の場合には、この落下の恐れが非常に強くなる。そうすると、この落下物が人の身体に当たって危害を加える恐れがある上に、床上に散乱して避難時の足元を取られたり、破片や床上に壊れた物品で足をけがしたりして危険である。さらに高価な食器等の物品は落下によって破損してしまい経済的な損失にもなる。このため、落下防止装置を収納棚に設けて棚部からの物品の落下を防止する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−137651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この特許文献1に記載されている収納物落下防止装置は、収納棚の前方に落下防止部材を落下防止位置と物品搬出入位置とに移動可能に設けてなるものである。その落下防止位置は物品を出し入れする収納部開口を横断して棚部からの物品の落下を防止する位置であり、物品搬出入位置は物品の出し入れの邪魔にならない位置である。ところで、落下防止部材は、金属棒で形成されていると共に、物品搬出入位置においては、例えば、棚板の前方に、棚板に近接して設けられているので、物品の出し入れの邪魔にならないが、他の役目を果たすことはなく利便性が悪い。さらに、既に市販されている食器棚(既存の食器棚)等に設置することができないという問題があった。
【0004】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、利便性に優れ、さらに既存の市販されている収納棚等に容易に設置することができる収納物落下防止装置を提供することにある。
【0005】
前記の目的を達成するための本発明に係る収納物落下防止装置は、揺動時において棚板等の棚部上に収納した物品の落下を防止する収納物落下防止装置であって、前記棚部の前方に取り付けられる取付部材と、この取付部材に取り付けられたロック部材と、前記取付部材に対して回動可能に取り付けられた落下防止部材とからなり、通常時は前記落下防止部材が前記棚部前方に壁立した状態で前記ロック部材によりロックされるが、前記棚部からの物品の出し入れ時には、前記ロック部材によるロックを解いて前記壁立状態を解除するように構成したことを特徴とする。
【0006】
本発明に係る収納物落下防止装置において、前記ロック部材による壁立状態を解除された前記落下防止部材は、水平状態を維持するように前記取付部材に取り付けられていることが好ましい。また、本発明に係る収納物落下防止装置において、前記落下防止部材に、当該落下防止部材に対して前後方向にスライドするスライド板を設けることが好ましい。また、本発明に係る収納物落下防止装置において、前記取付部材が、前記棚部に取り付けられる取付部と、この取付部に前後方向にスライド可能に設けられ、前方に前記落下防止部材を回動可能に支持する回動支持部を有するスライド部とを備えることが好ましい。また、本発明に係る収納物落下防止装置において、前記落下防止部材の両側部に、それぞれ幅方向にスライドするスライド部材を設けることが好ましい。また、本発明に係る収納物落下防止装置において、前記取付部材が、両面粘着テープ又はクランプ等の固定手段により前記棚部に固定されることが好ましい。
【0007】
また、本発明に係る家具は、前記の本発明に係る収納物落下防止装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明に係る収納物落下防止装置によれば、落下防止部材は、通常時、棚部前方に壁立した状態でロックされると共に、棚部からの物品の出し入れ時には、ロック部材によるロックが解かれて壁立状態が解除され、水平状態が維持されて一時的に物品を載置することができ、かつ、取付部材が両面粘着テープ又はクランプ等の固定手段により棚部に固定されるので、使い勝手が良くなり利便性に優れ、さらに既存の市販されている収納棚等に容易に設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る収納物落下防止装置を添付図面に基づいて詳述する。
【0010】
図1〜図6は本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す図である。本発明に係る収納物落下防止装置は、図1〜図6に示すように、揺動時において棚板等の棚部11上に収納した物品12の落下を防止するものである。この本発明に係る収納物落下防止装置1は、家具、例えば、食器棚、本棚、薬品棚などの収納棚等に設けられるものである。本発明の実施の形態においては、本発明に係る収納物落下防止装置1を収納棚としての食器棚の棚部11に設けた場合ついて説明するが、これに限定されるものではない。
【0011】
本発明に係る収納物落下防止装置1は、棚部11の前方に取り付けられる取付部材3と、この取付部材3に取り付けられたロック部材50と、取付部材3に対して回動可能に取り付けられた落下防止部材2とからなり、通常時は落下防止部材2が棚部11前方に壁立した状態(この状態が落下防止位置である。)でロック部材50によりロックされる(図1及び図3参照。)が、棚部11からの物品12の出し入れ時には、ロック部材50によるロックを解いて壁立状態を解除して水平状態(この状態が物品搬出入位置である。)を維持する(図2参照。)ように構成したことに特徴がある。
【0012】
取付部材3は、棚部11に取り付けられる取付部31と落下防止部材2を回動可能に支持する回動支持部41とからなる。取付部31は、特に限定されず、例えば、細長の略矩形平板状に形成されている。この取付部31は、1つの部材で形成してもよいが、棚部11に取り付けられる細長の略矩形平板状の第1取付部32とこの第1取付部32に対して幅方向にスライド可能に設けられた細長の略矩形平板状の第2取付部33とからなることが好ましい。
【0013】
第1取付部32は、図1、図2、図4〜図7に示すように、例えば、透明の合成樹脂材料により細長の略矩形平板状に形成されている。この第1取付部32の下面には、固定手段としての例えば両面粘着テープ(図示せず)が設けられており、第1取付部32が棚部11の前方に固定されるようになっている。第1取付部32の上面は、凹状に形成されてスライド凹部34として形成されている。このスライド凹部34の前方となる長辺部が開口されている。スライド凹部34の両端部には、下方に階段状に窪んだスライド係合溝35がそれぞれ設けられている。また、スライド凹部34の略中央部には、幅方向に延びる第1スライド案内溝36aが設けられている。また、スライド凹部34の中央部と両端部との間の略中央部には、幅方向に延び、第1スライド案内溝36aより幅広の第2スライド案内溝36bがそれぞれ設けられている。これら第2スライド案内溝36bには、その長手方向に延びる長孔37がそれぞれ設けられている。
【0014】
第2取付部33は、例えば、透明の合成樹脂材料により第1取付部32のスライド凹部34に嵌合され得る略矩形平板状に形成されている。第2取付部33の両端部には、スライド凹部34のスライド係合溝35に係合し、下方に階段状に突出したスライド係合部38がそれぞれ設けられている。第2取付部33の下面の略中央部には、第1スライド案内溝36aに係合する第1スライド突部39aが設けられている。また、第2取付部33の下面の中央部と両端部との間の略中央部には、第2スライド案内溝36bに係合する第2スライド突部39bがそれぞれ設けられている。これら第2スライド突部39bの長孔37上には、貫通孔40がそれぞれ設けられている。これにより、第1取付部32に対して第2取付部33がその幅方向にスライド可能に係合し、第1取付部32の長孔37及び第2取付部33の貫通孔40に例えばネジ(図示せず)を挿通させてこのネジにボルト(図示せず)を螺合させることにより、長孔37をネジが移動し得る範囲で第2取付部33をスライドしうるようになっている。この第2取付部33の前方側端部となる側端部に回動支持部41が取り付けられている。
【0015】
回動支持部41は、図1〜図7に示すように、落下防止部材2を回動可能に支持できれば特に限定されず、例えば、第2取付部33が取り付けられる連結部42と、連結部42の両端部に設けられている一対の回動突出部43、44とから略凹字状に形成されていることが好ましい。連結部42は、例えば、第2取付部33の長手方向の長さより長い寸法の矩形平板状に形成されていることが好ましい。一対の回動突出部43、44は、それぞれ略直方体状に形成されていることが好ましい。これら一対の回動突出部43、44の各対向面(第1面ということがある。)の下方には、落下防止部材2を回動可能に支持する回動支持孔45がそれぞれ設けられている。また、一対の回動突出部43、44の第1面の上方であって取付部31側の側端部には、落下防止部材2を取付部31に対して略直交する方向に位置された状態から落下防止部材2の取付部側への回動を防止する回動防止部46がそれぞれ設けられている。また、一方の回動突出部(第1回動突出部43ということがる。)の上方には、ロック部材50のロック突部51が出没する出没孔47が設けられている。
【0016】
ロック部材50は、例えば、透明の合成樹脂材料により形成され、出没孔47から出没するロック突部51と、ロック突部51を出没孔47から突出する方向に付勢する付勢部(図示せず)と、第1回動突出部43の第1面と対向する面に設けられ、ロック突部51を付勢部の付勢力に抗して出没孔47内に没入させる操作部52とから構成されていることが好ましい。ロック突部51は、出没孔47から突出したとき、この突出した先端部が前方側に傾斜され、落下防止部材2を物品搬出入位置から落下防止位置へと回動させたとき、落下防止部材2によって付勢部の付勢力に抗してロック突部51が出没孔47内に没入するようになっている。
【0017】
落下防止部材2は、平板状に形成され、1つの部材で形成してもよいが、取付部に回動可能に取り付けられる第1落下防止板21とこの第1落下防止板21に対して幅方向(前後方向ということがある。)にスライド可能に設けられている第2落下防止板22とからなることが好ましい。
【0018】
第1落下防止板21は、図1〜図6及び図8に示すように、例えば、透明の合成樹脂材料により略矩形平板状に形成された平板部21aとこの平板部21aの両側部にそれぞれ設けられた側板部21bとから略H状に形成されていることが好ましい。第1落下防止板21の側板部21bの外表面間の長さは、例えば、取付部31の一対の回動突出部43、44間の長さより若干短い寸法で形成されていることが好ましい。平板部21aの表裏面は、それぞれ平面状に形成してもよいし、図示するように幅方向に波状にそれぞれ形成してもよい。側板部21bの外表面の下方には、回動突出部43、44の回動支持孔45に係合して落下防止部材2を回動可能に支持する回動突部23がそれぞれ設けられている。
【0019】
平板部21aの裏面の略中央部の下方には一対の第1回動防止リブ24が設けられていると共に、側板部21bの裏面側の側端部の下方には第2回動防止リブ25がそれぞれ設けられており、落下防止部材2を取付部に対して略平行に位置された状態から下方への回動が第1回動防止リブ24及び第2回動防止リブ25によって防止されるようになっている。すなわち、落下防止部材2は、取付部に対して略直交する壁立状態から略平行の平衡状態の略90°の範囲で回動するように取付部31に取り付けられている。
【0020】
第1回動突出部43と対向する第1落下防止板21の側板部21bには、ロック部材50のロック突部51が係合して落下防止部材2を壁立状態にロックするためのロック孔53が設けられている。ロック部材50とロック孔53とによりロック手段5が構成され、このロック手段5により、落下防止部材2が壁立状態である落下防止位置にロックされるようになっている。なお、ロック手段5は、ロック部材50とロック孔53とにより構成されるが、これに限定されず、他の部材を用いて構成するようにしてもよい。
【0021】
また、第1落下防止板21の両側板部21bの前面側端部の略中央部から上部までの箇所(第1落下防止板21の回動の邪魔にならない箇所)には、第1落下防止板21の幅方向に延びる側板26がそれぞれ設けられている。これら側板26は、第1落下防止板21の表面より上方に位置され、第1落下防止板21と両側板26とにより略凹状に形成されている。また、第1落下防止板21の両側板部21bの裏面の略中央部から上部までの箇所(略側板26が設けられている箇所)には、第1落下防止板21の表面と略平行に延び、第2落下防止板22をスライド移動可能にするスライド案内板27がそれぞれ設けられている。これらスライド案内板27の略上方には、切欠部28が設けられている。
【0022】
第2落下防止板22は、図1〜図4及び図9に示すように、例えば、透明の合成樹脂材料により第1落下防止板21の裏面の両側板部21b間に重ね合わされるように略矩形平板状であって幅方向に波状に形成されている。第2落下防止板22の長さ(高さ方向の長さ)は、第1落下防止板21の長さより短い寸法、例えば、第1落下防止板21の先端部から第1回動防止リブ24近傍までの長さで形成されていることが好ましい。第2落下防止板22の幅は、第1落下防止板21の両側板部21b間の長さより若干短い寸法で形成されていることが好ましい。これにより、第2落下防止板22は、その両端部がスライド案内板27と第1落下防止板21の裏面との間に挿入されて第1落下防止板21の裏面にその高さ方向にスライド可能すなわち摺動可能に取り付けられるようになっている。
【0023】
第2落下防止板22の両端部の下方近傍であってスライド案内板27と対向する箇所には、裏面側に傾斜した可撓性の係合片29がそれぞれ設けられている。これら係合片29は、例えば、上部側が裏面から突出するように第2落下防止板22の一部を切り欠いて折り曲げて形成されている。これら係合片29がスライド案内板27と接触して、第2落下防止板22を第1落下防止板21に対してスライドさせることができると共に、このスライドを止めたとき、係合片29及び第2落下防止板22と第1落下防止板21との摩擦力によってその位置に第2落下防止板22が位置決めされると共に、係合片29がスライド案内板27の切欠部28に係合して第2落下防止板22のこれ以上の第1落下防止板21の前方へのスライドが防止されるようになっている。
【0024】
また、第2落下防止板22の前端部には、第1落下防止板21側に略直交する方向に折り曲げられた当接片22aが設けられている。これにより、第2落下防止板22は、重ね位置から突出位置までの間でスライド可能に第1落下防止板21に取り付けられている。重ね位置は、当接片22aが第1落下防止板21の前端部に当接している状態で第1落下防止板21の裏面に重ね合わされた状態である。突出位置は、第1落下防止板21に対して第2落下防止板22を高さ方向の前方にスライドさせて係合片29が切欠部28に係合して第1落下防止板21の先端部から第2落下防止板22が突出した状態である。この突出位置におていは、係合片29が切欠部28に係合している状態であり、このとき係合片29の先端が切欠部28より前方のスライド案内板27の端面と接触するので、第2落下防止板22が第1落下防止板21の先端部から抜け出ず、この突出位置に第2落下防止板22が保持されるようになっている。
【0025】
また、取付部と回動突出部との取り付けにおいては補強材を用いてもよい。例えば、図10に示すように、第2取付部62の幅(長手方向の長さ)が回動支持部41の長手方向の長さと略同じ寸法で形成されている。この第2取付部62の両側部が下方に略直角に折り曲げられてからさらに互いに対向する側に略直角に折り曲げられ、すなわち略コ字状になってスライド突部63として形成されている。第1取付部61は、その幅(長手方向の長さ)が第2取付部62の幅と略同じ寸法で形成され、この両側端面にスライド突部63がスライド可能に係合するスライド溝(図示せず)が設けられている。第2取付部33の先端面は回動支持部41の連結部42に取り付けられていると共に、回動支持部41の一対の回動突出部43、44の後面の上方と第2取付部62の上面の後方側の2隅近傍とを斜めの補強材65で連結して固定するようにしてもよい。これにより、取付部31と回動支持部41とが強固に取り付けられていることになる。
【0026】
また、落下防止部材2の両側部に、それぞれ幅方向にスライドするスライド部材を設けるようにしてもよい。スライド部材としては、特に限定されず、例えば、図11に示すように、棒状に形成されたものを用いてもよい。このスライド部材71は、例えば、円筒状に形成され、この一端部にはスライド部材71をスライド移動させるための掴み部71aが設けられていることが好ましい。スライド部材71をスライド移動させる手段としては、特に限定されず、例えば、スライド部材71の外径と略同じ内径の筒状のスライド案内部材(図示せず)を用いるようにしてもよい。このスライド案内部材を、例えば、第1落下防止板21の裏面に幅方向に延びるように取り付け、このスライド案内部材にスライド部材71を圧入挿入して、スライド部材71を落下防止部材2の両側部から幅方向にそれぞれスライド移動、すなわち摺動させるようにしてもよい。このように、スライド部材71は、スライド案内部材に摺動可能に挿入されてスライド案内部材に対してスライド移動できると共に、このスライドを止めたとき、スライド案内部材との摩擦力によってその位置に位置決めされるようになっている。また、スライド部材71の個数は、特に限定されず、図示するように落下防止部材2の各側部に2個であることが好ましい。これにより、落下防止部材2の両側部からスライド部材71をスライド移動させて突出させることで、棚板等の棚部11上に収納した物品12の落下をより防止することが可能となる。
【0027】
なお、第1落下防止板21に対する第2落下防止板22の位置、第1取付部32に対する第2取付部33の位置、及びスライド部材71の第1落下防止板21に対する位置を任意の位置で位置決めする固定手段としては、圧入フリクション手段、弾性手段を作用させたフリクション手段、ネジ止め手段等の他に図12に示したようなラチェット機構90によってもよい。このラチェット機構90としては、例えば、互いに摺動可能に組み合わせたいずれか一方の部材にラチェット歯91を設け、他方の部材にこのラチェット歯91と係合する係止爪92を有する係止部材93を設けてなる。この係止部材93は、係止爪92がラチェット歯91と係合する方向に付勢されていると共に、ボタン(図示せず)の押しこみ操作等により係止爪92をラチェット歯91から離脱させるようになっていることが好ましい。
【0028】
次に本発明に係る収納物落下防止装置1の作用を説明する。
【0029】
まず、本発明に係る収納物落下防止装置1を図3に示すように本棚等の収納棚の棚部11の上面の前方に取り付ける。この取り付けは、例えば、第1取付部32の下面に設けられている両面粘着テープの粘着部を露出させ、この第1取付部32の下面を棚部11の上面の前方の所望の箇所に貼着させる。このとき、落下防止部材2が壁立状態である落下防止位置にロックされた状態で落下防止部材2を持ち、落下防止部材2の裏面が前面となって棚部11の前方上方の収納部開口の一部を閉塞するように第1取付部32の下面を棚部11の上面に押し付けて行うことが好ましい。これにより、本発明に係る収納物落下防止装置1を、既に市販されている食器棚等の棚部11に容易に設置することができる。
【0030】
また、図1、図3、図4、図10及び図11に示すように、落下防止部材2が壁立状態である落下防止位置にロックされているために、棚部11の前方上方の収納部開口の一部が落下防止部材2によって閉塞されるので、地震等により収納棚が揺れて棚部11上に収納されている物品12が棚部11上から落下することが防止される。
【0031】
このとき、第2落下防止板22が重ね位置に位置されて第1落下防止板21に重ね合わされているときには、第2落下防止板22を第1落下防止板21に対してスライドさせて突出位置に位置させる(図4及び図6参照。)。この突出位置におていは、係合片29が切欠部28に係合して第2落下防止板22が突出位置に保持されて第1落下防止板21から突出しているので、物品12の棚部11からの落下を確実に防止することができる。また、スライド部材71を設けている場合には、落下防止部材2の両側部からスライド部材71をスライド移動させて突出させる(図11参照。)ことで、棚板等の棚部11上に収納した物品12の落下をより一層確実に防止することができる。
【0032】
次に、落下防止位置に位置されている落下防止部材2を物品搬出入位置に移動させるには、ロック部材50の操作部52を操作してロック突部51を付勢部の付勢力に抗して出没孔47内に没入させる。これにより、ロック部材50のロック突部51と落下防止部材2のロック孔53との係合状態が解除されて、落下防止部材2が前方側に回動可能になる。この落下防止部材2を回動させる。すなわち、落下防止部材2を前方に倒す。そして、落下防止部材2が略90°回動すると、第1落下防止板21の裏面の第1回動防止リブ24と第2回動防止リブ25が回動支持部41の連結部42に当接して落下防止部材2の回動が停止する。この落下防止部材2が停止した状態が物品搬出入位置である。
【0033】
このとき、落下防止部材2は、取付部すなわち棚部11に対して略平行に位置された状態である(図2及び図5(b)参照。)ので、物品12の出し入れの邪魔にならない。また、落下防止部材2は、棚部11の前方にその水平方向に突出しているために、この落下防止部材2上に物品12を一時的に載置しておくことができる。その結果、物品12の出し入れを行うときに一時的に落下防止部材2上に物品12を載置することができると共に、棚部11に収納されている物品12の整理等をするときに、その物品12を載置することができるので、使い勝手が良く利便性が向上する。
【0034】
また、取付部31は第1取付部32と第2取付部33との2つの部材からなり、互いに幅方向にスライド可能に形成されているために、落下防止部材2の位置を前後方向に移動させて調節することができるので、より使い勝手が良く利便性が向上する。また、第2落下防止板22が重ね位置に位置されているときには、第2落下防止板22を第1落下防止板21に対してスライドさせて突出位置に位置させることにより、物品12を載置する面積が広くなるので、より一層使い勝手が良く利便性が向上する。
【0035】
そして、物品12の出し入れや物品12の整理等が終了した場合には、落下防止部材2を取付部31に対して起立するように回動させる。落下防止部材2が回動突出部43、44に近づくと、落下防止部材2の第1落下防止板21の側板部21bがロック部材50のロック突部51と接触してロック突部51の先端部の傾斜に沿ってロック突部51が付勢部の付勢力に抗して出没孔47内に没入しつつ落下防止部材2が回動する。そして、ロック突部51と対向する位置に第1落下防止板21の側板部21bのロック孔53が位置されると、ロック突部51が付勢部の付勢力によって出没孔47から突出してロック孔53内に進入して、落下防止部材2が落下防止位置にロックされる。
【0036】
したがって、本発明に係る収納物落下防止装置1及び収納棚等の家具は、平板状の落下防止部材2が物品搬出入位置に位置されているときには、棚部11の前方に略平行に延びているために、物品12の出し入れや整理を行うとき等には一時的に落下防止部材2上に物品12を載置することができるので、使い勝手が良くなり利便性に優れたものとなる。
【0037】
また、第1落下防止板21及び第2落下防止板22が透明の合成樹脂材料により形成されていると、棚部11上に収納されている物品12を第1落下防止板21及び第2落下防止板22を介して目視することが可能となる。
【0038】
なお、本発明の実施の形態においては、固定手段として両面粘着テープを用いて本発明に係る収納物落下防止装置を例えば収納棚の棚部11の前方に固定する(取り付ける)ようにしてたが、固定手段として両面粘着テープに限定されるものではなく、他の手段、例えば、クランプや挟持により固定する金属棒等の固定冶具を用いて一対の回動突出部を棚部11の前方に固定して本発明に係る収納物落下防止装置を取り付けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上説明したように本発明に係る収納物落下防止装置は、落下防止部材が、通常時、棚部前方に壁立した状態でロックされると共に、棚部からの物品の出し入れ時には、ロック手段によるロックが解かれて壁立状態が解除され、水平状態が維持されて一時的に物品を載置することができ、かつ、取付部材が両面粘着テープ又はクランプ等の固定手段により棚部に固定されるので、使い勝手が良くなり利便性に優れ、さらに既存の市販されている収納棚等に容易に設置することができることから、収容棚、特に食器棚、本棚、薬品棚等に最適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す側面図で、(a)は落下防止位置を示す図、(b)は物品搬出入位置を示す図である。
【図6】本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す側面図である。
【図7】本発明に係る取付部材の一例を示す側面図で、(a)は第1取付部と第2取付部を重ね合わせた状態を示す図、(b)は第1取付部に対して第2取付部を突出させた状態を示す図である。
【図8】本発明に係る第1落下防止板の一例を示す図で、(a)は背面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は正面図、(e)は裏面図である。
【図9】本発明に係る第2落下防止板の一例を示す図で、(a)は背面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は正面図、(e)は裏面図である。
【図10】本発明に係る収納物落下防止装置の他の例を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る収納物落下防止装置の他の例を示す斜視図である。
【図12】本発明に係るラチェット機構の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 収納物落下防止装置
2 落下防止部材
3 取付部材
5 ロック手段
11 棚部
12 物品
21 第1落下防止板
22 第2落下防止板
31 取付部
32 第1取付部
33 第2取付部
41 回動支持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に地震等による揺動時に、食器棚、本棚、薬品棚等の収納棚に収納されている物品が棚部からの落下するのを防止する収納物落下防止装置及びこの収納物落下防止装置を備えた家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食器棚、本棚、薬品棚等の収納棚の棚部に収納されている物品は、地震等の際に収納棚が揺れることにより収納棚が倒れなくとも棚板等の棚部から落下することがある。特に震度4を超える地震の場合には、この落下の恐れが非常に強くなる。そうすると、この落下物が人の身体に当たって危害を加える恐れがある上に、床上に散乱して避難時の足元を取られたり、破片や床上に壊れた物品で足をけがしたりして危険である。さらに高価な食器等の物品は落下によって破損してしまい経済的な損失にもなる。このため、落下防止装置を収納棚に設けて棚部からの物品の落下を防止する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−137651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この特許文献1に記載されている収納物落下防止装置は、収納棚の前方に落下防止部材を落下防止位置と物品搬出入位置とに移動可能に設けてなるものである。その落下防止位置は物品を出し入れする収納部開口を横断して棚部からの物品の落下を防止する位置であり、物品搬出入位置は物品の出し入れの邪魔にならない位置である。ところで、落下防止部材は、金属棒で形成されていると共に、物品搬出入位置においては、例えば、棚板の前方に、棚板に近接して設けられているので、物品の出し入れの邪魔にならないが、他の役目を果たすことはなく利便性が悪い。さらに、既に市販されている食器棚(既存の食器棚)等に設置することができないという問題があった。
【0004】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、利便性に優れ、さらに既存の市販されている収納棚等に容易に設置することができる収納物落下防止装置を提供することにある。
【0005】
前記の目的を達成するための本発明に係る収納物落下防止装置は、揺動時において棚板等の棚部上に収納した物品の落下を防止する収納物落下防止装置であって、前記棚部の前方に取り付けられる取付部材と、この取付部材に取り付けられたロック部材と、前記取付部材に対して回動可能に取り付けられた落下防止部材とからなり、通常時は前記落下防止部材が前記棚部前方に壁立した状態で前記ロック部材によりロックされるが、前記棚部からの物品の出し入れ時には、前記ロック部材によるロックを解いて前記壁立状態を解除するように構成したことを特徴とする。
【0006】
本発明に係る収納物落下防止装置において、前記ロック部材による壁立状態を解除された前記落下防止部材は、水平状態を維持するように前記取付部材に取り付けられていることが好ましい。また、本発明に係る収納物落下防止装置において、前記落下防止部材に、当該落下防止部材に対して前後方向にスライドするスライド板を設けることが好ましい。また、本発明に係る収納物落下防止装置において、前記取付部材が、前記棚部に取り付けられる取付部と、この取付部に前後方向にスライド可能に設けられ、前方に前記落下防止部材を回動可能に支持する回動支持部を有するスライド部とを備えることが好ましい。また、本発明に係る収納物落下防止装置において、前記落下防止部材の両側部に、それぞれ幅方向にスライドするスライド部材を設けることが好ましい。また、本発明に係る収納物落下防止装置において、前記取付部材が、両面粘着テープ又はクランプ等の固定手段により前記棚部に固定されることが好ましい。
【0007】
また、本発明に係る家具は、前記の本発明に係る収納物落下防止装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明に係る収納物落下防止装置によれば、落下防止部材は、通常時、棚部前方に壁立した状態でロックされると共に、棚部からの物品の出し入れ時には、ロック部材によるロックが解かれて壁立状態が解除され、水平状態が維持されて一時的に物品を載置することができ、かつ、取付部材が両面粘着テープ又はクランプ等の固定手段により棚部に固定されるので、使い勝手が良くなり利便性に優れ、さらに既存の市販されている収納棚等に容易に設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る収納物落下防止装置を添付図面に基づいて詳述する。
【0010】
図1〜図6は本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す図である。本発明に係る収納物落下防止装置は、図1〜図6に示すように、揺動時において棚板等の棚部11上に収納した物品12の落下を防止するものである。この本発明に係る収納物落下防止装置1は、家具、例えば、食器棚、本棚、薬品棚などの収納棚等に設けられるものである。本発明の実施の形態においては、本発明に係る収納物落下防止装置1を収納棚としての食器棚の棚部11に設けた場合ついて説明するが、これに限定されるものではない。
【0011】
本発明に係る収納物落下防止装置1は、棚部11の前方に取り付けられる取付部材3と、この取付部材3に取り付けられたロック部材50と、取付部材3に対して回動可能に取り付けられた落下防止部材2とからなり、通常時は落下防止部材2が棚部11前方に壁立した状態(この状態が落下防止位置である。)でロック部材50によりロックされる(図1及び図3参照。)が、棚部11からの物品12の出し入れ時には、ロック部材50によるロックを解いて壁立状態を解除して水平状態(この状態が物品搬出入位置である。)を維持する(図2参照。)ように構成したことに特徴がある。
【0012】
取付部材3は、棚部11に取り付けられる取付部31と落下防止部材2を回動可能に支持する回動支持部41とからなる。取付部31は、特に限定されず、例えば、細長の略矩形平板状に形成されている。この取付部31は、1つの部材で形成してもよいが、棚部11に取り付けられる細長の略矩形平板状の第1取付部32とこの第1取付部32に対して幅方向にスライド可能に設けられた細長の略矩形平板状の第2取付部33とからなることが好ましい。
【0013】
第1取付部32は、図1、図2、図4〜図7に示すように、例えば、透明の合成樹脂材料により細長の略矩形平板状に形成されている。この第1取付部32の下面には、固定手段としての例えば両面粘着テープ(図示せず)が設けられており、第1取付部32が棚部11の前方に固定されるようになっている。第1取付部32の上面は、凹状に形成されてスライド凹部34として形成されている。このスライド凹部34の前方となる長辺部が開口されている。スライド凹部34の両端部には、下方に階段状に窪んだスライド係合溝35がそれぞれ設けられている。また、スライド凹部34の略中央部には、幅方向に延びる第1スライド案内溝36aが設けられている。また、スライド凹部34の中央部と両端部との間の略中央部には、幅方向に延び、第1スライド案内溝36aより幅広の第2スライド案内溝36bがそれぞれ設けられている。これら第2スライド案内溝36bには、その長手方向に延びる長孔37がそれぞれ設けられている。
【0014】
第2取付部33は、例えば、透明の合成樹脂材料により第1取付部32のスライド凹部34に嵌合され得る略矩形平板状に形成されている。第2取付部33の両端部には、スライド凹部34のスライド係合溝35に係合し、下方に階段状に突出したスライド係合部38がそれぞれ設けられている。第2取付部33の下面の略中央部には、第1スライド案内溝36aに係合する第1スライド突部39aが設けられている。また、第2取付部33の下面の中央部と両端部との間の略中央部には、第2スライド案内溝36bに係合する第2スライド突部39bがそれぞれ設けられている。これら第2スライド突部39bの長孔37上には、貫通孔40がそれぞれ設けられている。これにより、第1取付部32に対して第2取付部33がその幅方向にスライド可能に係合し、第1取付部32の長孔37及び第2取付部33の貫通孔40に例えばネジ(図示せず)を挿通させてこのネジにボルト(図示せず)を螺合させることにより、長孔37をネジが移動し得る範囲で第2取付部33をスライドしうるようになっている。この第2取付部33の前方側端部となる側端部に回動支持部41が取り付けられている。
【0015】
回動支持部41は、図1〜図7に示すように、落下防止部材2を回動可能に支持できれば特に限定されず、例えば、第2取付部33が取り付けられる連結部42と、連結部42の両端部に設けられている一対の回動突出部43、44とから略凹字状に形成されていることが好ましい。連結部42は、例えば、第2取付部33の長手方向の長さより長い寸法の矩形平板状に形成されていることが好ましい。一対の回動突出部43、44は、それぞれ略直方体状に形成されていることが好ましい。これら一対の回動突出部43、44の各対向面(第1面ということがある。)の下方には、落下防止部材2を回動可能に支持する回動支持孔45がそれぞれ設けられている。また、一対の回動突出部43、44の第1面の上方であって取付部31側の側端部には、落下防止部材2を取付部31に対して略直交する方向に位置された状態から落下防止部材2の取付部側への回動を防止する回動防止部46がそれぞれ設けられている。また、一方の回動突出部(第1回動突出部43ということがる。)の上方には、ロック部材50のロック突部51が出没する出没孔47が設けられている。
【0016】
ロック部材50は、例えば、透明の合成樹脂材料により形成され、出没孔47から出没するロック突部51と、ロック突部51を出没孔47から突出する方向に付勢する付勢部(図示せず)と、第1回動突出部43の第1面と対向する面に設けられ、ロック突部51を付勢部の付勢力に抗して出没孔47内に没入させる操作部52とから構成されていることが好ましい。ロック突部51は、出没孔47から突出したとき、この突出した先端部が前方側に傾斜され、落下防止部材2を物品搬出入位置から落下防止位置へと回動させたとき、落下防止部材2によって付勢部の付勢力に抗してロック突部51が出没孔47内に没入するようになっている。
【0017】
落下防止部材2は、平板状に形成され、1つの部材で形成してもよいが、取付部に回動可能に取り付けられる第1落下防止板21とこの第1落下防止板21に対して幅方向(前後方向ということがある。)にスライド可能に設けられている第2落下防止板22とからなることが好ましい。
【0018】
第1落下防止板21は、図1〜図6及び図8に示すように、例えば、透明の合成樹脂材料により略矩形平板状に形成された平板部21aとこの平板部21aの両側部にそれぞれ設けられた側板部21bとから略H状に形成されていることが好ましい。第1落下防止板21の側板部21bの外表面間の長さは、例えば、取付部31の一対の回動突出部43、44間の長さより若干短い寸法で形成されていることが好ましい。平板部21aの表裏面は、それぞれ平面状に形成してもよいし、図示するように幅方向に波状にそれぞれ形成してもよい。側板部21bの外表面の下方には、回動突出部43、44の回動支持孔45に係合して落下防止部材2を回動可能に支持する回動突部23がそれぞれ設けられている。
【0019】
平板部21aの裏面の略中央部の下方には一対の第1回動防止リブ24が設けられていると共に、側板部21bの裏面側の側端部の下方には第2回動防止リブ25がそれぞれ設けられており、落下防止部材2を取付部に対して略平行に位置された状態から下方への回動が第1回動防止リブ24及び第2回動防止リブ25によって防止されるようになっている。すなわち、落下防止部材2は、取付部に対して略直交する壁立状態から略平行の平衡状態の略90°の範囲で回動するように取付部31に取り付けられている。
【0020】
第1回動突出部43と対向する第1落下防止板21の側板部21bには、ロック部材50のロック突部51が係合して落下防止部材2を壁立状態にロックするためのロック孔53が設けられている。ロック部材50とロック孔53とによりロック手段5が構成され、このロック手段5により、落下防止部材2が壁立状態である落下防止位置にロックされるようになっている。なお、ロック手段5は、ロック部材50とロック孔53とにより構成されるが、これに限定されず、他の部材を用いて構成するようにしてもよい。
【0021】
また、第1落下防止板21の両側板部21bの前面側端部の略中央部から上部までの箇所(第1落下防止板21の回動の邪魔にならない箇所)には、第1落下防止板21の幅方向に延びる側板26がそれぞれ設けられている。これら側板26は、第1落下防止板21の表面より上方に位置され、第1落下防止板21と両側板26とにより略凹状に形成されている。また、第1落下防止板21の両側板部21bの裏面の略中央部から上部までの箇所(略側板26が設けられている箇所)には、第1落下防止板21の表面と略平行に延び、第2落下防止板22をスライド移動可能にするスライド案内板27がそれぞれ設けられている。これらスライド案内板27の略上方には、切欠部28が設けられている。
【0022】
第2落下防止板22は、図1〜図4及び図9に示すように、例えば、透明の合成樹脂材料により第1落下防止板21の裏面の両側板部21b間に重ね合わされるように略矩形平板状であって幅方向に波状に形成されている。第2落下防止板22の長さ(高さ方向の長さ)は、第1落下防止板21の長さより短い寸法、例えば、第1落下防止板21の先端部から第1回動防止リブ24近傍までの長さで形成されていることが好ましい。第2落下防止板22の幅は、第1落下防止板21の両側板部21b間の長さより若干短い寸法で形成されていることが好ましい。これにより、第2落下防止板22は、その両端部がスライド案内板27と第1落下防止板21の裏面との間に挿入されて第1落下防止板21の裏面にその高さ方向にスライド可能すなわち摺動可能に取り付けられるようになっている。
【0023】
第2落下防止板22の両端部の下方近傍であってスライド案内板27と対向する箇所には、裏面側に傾斜した可撓性の係合片29がそれぞれ設けられている。これら係合片29は、例えば、上部側が裏面から突出するように第2落下防止板22の一部を切り欠いて折り曲げて形成されている。これら係合片29がスライド案内板27と接触して、第2落下防止板22を第1落下防止板21に対してスライドさせることができると共に、このスライドを止めたとき、係合片29及び第2落下防止板22と第1落下防止板21との摩擦力によってその位置に第2落下防止板22が位置決めされると共に、係合片29がスライド案内板27の切欠部28に係合して第2落下防止板22のこれ以上の第1落下防止板21の前方へのスライドが防止されるようになっている。
【0024】
また、第2落下防止板22の前端部には、第1落下防止板21側に略直交する方向に折り曲げられた当接片22aが設けられている。これにより、第2落下防止板22は、重ね位置から突出位置までの間でスライド可能に第1落下防止板21に取り付けられている。重ね位置は、当接片22aが第1落下防止板21の前端部に当接している状態で第1落下防止板21の裏面に重ね合わされた状態である。突出位置は、第1落下防止板21に対して第2落下防止板22を高さ方向の前方にスライドさせて係合片29が切欠部28に係合して第1落下防止板21の先端部から第2落下防止板22が突出した状態である。この突出位置におていは、係合片29が切欠部28に係合している状態であり、このとき係合片29の先端が切欠部28より前方のスライド案内板27の端面と接触するので、第2落下防止板22が第1落下防止板21の先端部から抜け出ず、この突出位置に第2落下防止板22が保持されるようになっている。
【0025】
また、取付部と回動突出部との取り付けにおいては補強材を用いてもよい。例えば、図10に示すように、第2取付部62の幅(長手方向の長さ)が回動支持部41の長手方向の長さと略同じ寸法で形成されている。この第2取付部62の両側部が下方に略直角に折り曲げられてからさらに互いに対向する側に略直角に折り曲げられ、すなわち略コ字状になってスライド突部63として形成されている。第1取付部61は、その幅(長手方向の長さ)が第2取付部62の幅と略同じ寸法で形成され、この両側端面にスライド突部63がスライド可能に係合するスライド溝(図示せず)が設けられている。第2取付部33の先端面は回動支持部41の連結部42に取り付けられていると共に、回動支持部41の一対の回動突出部43、44の後面の上方と第2取付部62の上面の後方側の2隅近傍とを斜めの補強材65で連結して固定するようにしてもよい。これにより、取付部31と回動支持部41とが強固に取り付けられていることになる。
【0026】
また、落下防止部材2の両側部に、それぞれ幅方向にスライドするスライド部材を設けるようにしてもよい。スライド部材としては、特に限定されず、例えば、図11に示すように、棒状に形成されたものを用いてもよい。このスライド部材71は、例えば、円筒状に形成され、この一端部にはスライド部材71をスライド移動させるための掴み部71aが設けられていることが好ましい。スライド部材71をスライド移動させる手段としては、特に限定されず、例えば、スライド部材71の外径と略同じ内径の筒状のスライド案内部材(図示せず)を用いるようにしてもよい。このスライド案内部材を、例えば、第1落下防止板21の裏面に幅方向に延びるように取り付け、このスライド案内部材にスライド部材71を圧入挿入して、スライド部材71を落下防止部材2の両側部から幅方向にそれぞれスライド移動、すなわち摺動させるようにしてもよい。このように、スライド部材71は、スライド案内部材に摺動可能に挿入されてスライド案内部材に対してスライド移動できると共に、このスライドを止めたとき、スライド案内部材との摩擦力によってその位置に位置決めされるようになっている。また、スライド部材71の個数は、特に限定されず、図示するように落下防止部材2の各側部に2個であることが好ましい。これにより、落下防止部材2の両側部からスライド部材71をスライド移動させて突出させることで、棚板等の棚部11上に収納した物品12の落下をより防止することが可能となる。
【0027】
なお、第1落下防止板21に対する第2落下防止板22の位置、第1取付部32に対する第2取付部33の位置、及びスライド部材71の第1落下防止板21に対する位置を任意の位置で位置決めする固定手段としては、圧入フリクション手段、弾性手段を作用させたフリクション手段、ネジ止め手段等の他に図12に示したようなラチェット機構90によってもよい。このラチェット機構90としては、例えば、互いに摺動可能に組み合わせたいずれか一方の部材にラチェット歯91を設け、他方の部材にこのラチェット歯91と係合する係止爪92を有する係止部材93を設けてなる。この係止部材93は、係止爪92がラチェット歯91と係合する方向に付勢されていると共に、ボタン(図示せず)の押しこみ操作等により係止爪92をラチェット歯91から離脱させるようになっていることが好ましい。
【0028】
次に本発明に係る収納物落下防止装置1の作用を説明する。
【0029】
まず、本発明に係る収納物落下防止装置1を図3に示すように本棚等の収納棚の棚部11の上面の前方に取り付ける。この取り付けは、例えば、第1取付部32の下面に設けられている両面粘着テープの粘着部を露出させ、この第1取付部32の下面を棚部11の上面の前方の所望の箇所に貼着させる。このとき、落下防止部材2が壁立状態である落下防止位置にロックされた状態で落下防止部材2を持ち、落下防止部材2の裏面が前面となって棚部11の前方上方の収納部開口の一部を閉塞するように第1取付部32の下面を棚部11の上面に押し付けて行うことが好ましい。これにより、本発明に係る収納物落下防止装置1を、既に市販されている食器棚等の棚部11に容易に設置することができる。
【0030】
また、図1、図3、図4、図10及び図11に示すように、落下防止部材2が壁立状態である落下防止位置にロックされているために、棚部11の前方上方の収納部開口の一部が落下防止部材2によって閉塞されるので、地震等により収納棚が揺れて棚部11上に収納されている物品12が棚部11上から落下することが防止される。
【0031】
このとき、第2落下防止板22が重ね位置に位置されて第1落下防止板21に重ね合わされているときには、第2落下防止板22を第1落下防止板21に対してスライドさせて突出位置に位置させる(図4及び図6参照。)。この突出位置におていは、係合片29が切欠部28に係合して第2落下防止板22が突出位置に保持されて第1落下防止板21から突出しているので、物品12の棚部11からの落下を確実に防止することができる。また、スライド部材71を設けている場合には、落下防止部材2の両側部からスライド部材71をスライド移動させて突出させる(図11参照。)ことで、棚板等の棚部11上に収納した物品12の落下をより一層確実に防止することができる。
【0032】
次に、落下防止位置に位置されている落下防止部材2を物品搬出入位置に移動させるには、ロック部材50の操作部52を操作してロック突部51を付勢部の付勢力に抗して出没孔47内に没入させる。これにより、ロック部材50のロック突部51と落下防止部材2のロック孔53との係合状態が解除されて、落下防止部材2が前方側に回動可能になる。この落下防止部材2を回動させる。すなわち、落下防止部材2を前方に倒す。そして、落下防止部材2が略90°回動すると、第1落下防止板21の裏面の第1回動防止リブ24と第2回動防止リブ25が回動支持部41の連結部42に当接して落下防止部材2の回動が停止する。この落下防止部材2が停止した状態が物品搬出入位置である。
【0033】
このとき、落下防止部材2は、取付部すなわち棚部11に対して略平行に位置された状態である(図2及び図5(b)参照。)ので、物品12の出し入れの邪魔にならない。また、落下防止部材2は、棚部11の前方にその水平方向に突出しているために、この落下防止部材2上に物品12を一時的に載置しておくことができる。その結果、物品12の出し入れを行うときに一時的に落下防止部材2上に物品12を載置することができると共に、棚部11に収納されている物品12の整理等をするときに、その物品12を載置することができるので、使い勝手が良く利便性が向上する。
【0034】
また、取付部31は第1取付部32と第2取付部33との2つの部材からなり、互いに幅方向にスライド可能に形成されているために、落下防止部材2の位置を前後方向に移動させて調節することができるので、より使い勝手が良く利便性が向上する。また、第2落下防止板22が重ね位置に位置されているときには、第2落下防止板22を第1落下防止板21に対してスライドさせて突出位置に位置させることにより、物品12を載置する面積が広くなるので、より一層使い勝手が良く利便性が向上する。
【0035】
そして、物品12の出し入れや物品12の整理等が終了した場合には、落下防止部材2を取付部31に対して起立するように回動させる。落下防止部材2が回動突出部43、44に近づくと、落下防止部材2の第1落下防止板21の側板部21bがロック部材50のロック突部51と接触してロック突部51の先端部の傾斜に沿ってロック突部51が付勢部の付勢力に抗して出没孔47内に没入しつつ落下防止部材2が回動する。そして、ロック突部51と対向する位置に第1落下防止板21の側板部21bのロック孔53が位置されると、ロック突部51が付勢部の付勢力によって出没孔47から突出してロック孔53内に進入して、落下防止部材2が落下防止位置にロックされる。
【0036】
したがって、本発明に係る収納物落下防止装置1及び収納棚等の家具は、平板状の落下防止部材2が物品搬出入位置に位置されているときには、棚部11の前方に略平行に延びているために、物品12の出し入れや整理を行うとき等には一時的に落下防止部材2上に物品12を載置することができるので、使い勝手が良くなり利便性に優れたものとなる。
【0037】
また、第1落下防止板21及び第2落下防止板22が透明の合成樹脂材料により形成されていると、棚部11上に収納されている物品12を第1落下防止板21及び第2落下防止板22を介して目視することが可能となる。
【0038】
なお、本発明の実施の形態においては、固定手段として両面粘着テープを用いて本発明に係る収納物落下防止装置を例えば収納棚の棚部11の前方に固定する(取り付ける)ようにしてたが、固定手段として両面粘着テープに限定されるものではなく、他の手段、例えば、クランプや挟持により固定する金属棒等の固定冶具を用いて一対の回動突出部を棚部11の前方に固定して本発明に係る収納物落下防止装置を取り付けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上説明したように本発明に係る収納物落下防止装置は、落下防止部材が、通常時、棚部前方に壁立した状態でロックされると共に、棚部からの物品の出し入れ時には、ロック手段によるロックが解かれて壁立状態が解除され、水平状態が維持されて一時的に物品を載置することができ、かつ、取付部材が両面粘着テープ又はクランプ等の固定手段により棚部に固定されるので、使い勝手が良くなり利便性に優れ、さらに既存の市販されている収納棚等に容易に設置することができることから、収容棚、特に食器棚、本棚、薬品棚等に最適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す側面図で、(a)は落下防止位置を示す図、(b)は物品搬出入位置を示す図である。
【図6】本発明に係る収納物落下防止装置の一例を示す側面図である。
【図7】本発明に係る取付部材の一例を示す側面図で、(a)は第1取付部と第2取付部を重ね合わせた状態を示す図、(b)は第1取付部に対して第2取付部を突出させた状態を示す図である。
【図8】本発明に係る第1落下防止板の一例を示す図で、(a)は背面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は正面図、(e)は裏面図である。
【図9】本発明に係る第2落下防止板の一例を示す図で、(a)は背面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は正面図、(e)は裏面図である。
【図10】本発明に係る収納物落下防止装置の他の例を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る収納物落下防止装置の他の例を示す斜視図である。
【図12】本発明に係るラチェット機構の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 収納物落下防止装置
2 落下防止部材
3 取付部材
5 ロック手段
11 棚部
12 物品
21 第1落下防止板
22 第2落下防止板
31 取付部
32 第1取付部
33 第2取付部
41 回動支持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動時において棚板等の棚部上に収納した物品の落下を防止する収納物落下防止装置であって、
前記棚部の前方に取り付けられる取付部材と、この取付部材に取り付けられたロック部材と、前記取付部材に対して回動可能に取り付けられた落下防止部材とからなり、通常時は前記落下防止部材が前記棚部前方に壁立した状態で前記ロック部材によりロックされるが、前記棚部からの物品の出し入れ時には、前記ロック部材によるロックを解いて前記壁立状態を解除するように構成したことを特徴とする、収納物落下防止装置。
【請求項2】
前記ロック部材による壁立状態を解除された前記落下防止部材は、水平状態を維持するように前記取付部材に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の収納物落下防止装置。
【請求項3】
前記落下防止部材に、当該落下防止部材に対して前後方向にスライドするスライド板を設けたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の収納物落下防止装置。
【請求項4】
前記取付部材が、前記棚部に取り付けられる取付部と、この取付部に前後方向にスライド可能に設けられ、前方に前記落下防止部材を回動可能に支持する回動支持部を有するスライド部とを備えたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の収納物落下防止装置。
【請求項5】
前記落下防止部材の両側部に、それぞれ幅方向にスライドするスライド部材を設けたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の収納物落下防止装置。
【請求項6】
前記取付部材が、両面粘着テープ又はクランプ等の固定手段により前記棚部に固定されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の収納物落下防止装置。
【請求項7】
前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の収納物落下防止装置を備えたことを特徴とする、家具。
【請求項1】
揺動時において棚板等の棚部上に収納した物品の落下を防止する収納物落下防止装置であって、
前記棚部の前方に取り付けられる取付部材と、この取付部材に取り付けられたロック部材と、前記取付部材に対して回動可能に取り付けられた落下防止部材とからなり、通常時は前記落下防止部材が前記棚部前方に壁立した状態で前記ロック部材によりロックされるが、前記棚部からの物品の出し入れ時には、前記ロック部材によるロックを解いて前記壁立状態を解除するように構成したことを特徴とする、収納物落下防止装置。
【請求項2】
前記ロック部材による壁立状態を解除された前記落下防止部材は、水平状態を維持するように前記取付部材に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の収納物落下防止装置。
【請求項3】
前記落下防止部材に、当該落下防止部材に対して前後方向にスライドするスライド板を設けたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の収納物落下防止装置。
【請求項4】
前記取付部材が、前記棚部に取り付けられる取付部と、この取付部に前後方向にスライド可能に設けられ、前方に前記落下防止部材を回動可能に支持する回動支持部を有するスライド部とを備えたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の収納物落下防止装置。
【請求項5】
前記落下防止部材の両側部に、それぞれ幅方向にスライドするスライド部材を設けたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の収納物落下防止装置。
【請求項6】
前記取付部材が、両面粘着テープ又はクランプ等の固定手段により前記棚部に固定されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の収納物落下防止装置。
【請求項7】
前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の収納物落下防止装置を備えたことを特徴とする、家具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−97828(P2007−97828A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291364(P2005−291364)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(501272650)株式会社ムネオ・エス・エス・エックス (6)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(501272650)株式会社ムネオ・エス・エス・エックス (6)
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