説明

収納空間構造

【課題】収納空間の効率的な利用を実現するための収納空間構造を提供する。
【解決手段】 開口部を有する正面部2と、左右の側壁部3,4と、背面部5により四周の壁面を構成される収納空間6において、壁面に垂直に備えられ、壁面の任意の高さ位置に係止片を取り付けることができるレール材であって、
第1のレール材7が、側壁部3,4の背面部5と接する端部より50〜100mmの位置に備えられ、第2のレール材8が、第1のレール材7より正面部2側に350〜450mmの間隔をあけて備えられ、第3のレール材9が、第2のレール材8より背面部側5に20〜100mmの間隔をあけて備えられ、第4のレール材10が、第3のレール材9より正面部2側に350〜450mmの間隔をあけて備えられており、それぞれのレール材の任意の位置にハンガーパイプ16及び棚板17が取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率的な収納を行うことができる収納空間に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、収納空間内の壁面に、ハンガーパイプや棚板を係止する係止片を、任意の高さ位置に取り付けることができるレール材を設け、収納する物品に合わせて、係止片の取り付け高さを変更し、ハンガーパイプや棚板の取り付け高さを自由に変更できる収納空間構造は提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−261580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような収納空間構造では、ハンガーパイプや棚板の高さ位置や個数を使用者の希望により選択することはできるが、収納空間内を効率的に利用できているとはいい難かった。
【0005】
特に、効率的な収納空間の使い方についてノウハウのない一般的な使用者にとっては、この問題は顕著であった。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑み、収納空間の効率的な利用を実現するための収納空間構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、開口部を有する正面部と、左右の側壁部と、該左右の側壁部を連設する背面部により四周の壁面を構成される平面視矩形の収納空間において、
壁面に垂直に備えられ、壁面の任意の高さ位置に係止片を取り付けることができるレール材であって、
第1のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、側壁部の背面部と接する端部より50〜100mmの位置に備えられ、
第2のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、該第1のレール材より正面部側に350〜450mmの間隔をあけて備えられており、
第1のレール材、及び/又は第2のレール材の、それぞれ対となる同じ高さ位置に係止片を取り付け、該係止片にハンガーパイプを、左右の側壁部間に渡すように取り付けることができることを特徴とする収納空間構造により解決される。
【0008】
この収納空間構造では、第1のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、側壁部の背面部と接する端部より50〜100mmの位置に備えられており、第1のレール材に取り付けられた対の係止片に、ハンガーパイプが、左右の側壁部間に渡すように取り付けられているので、このハンガーパイプにハンガーを介して吊るすジャケット類やズボン類などを背面部と平行になるように吊るすことができ、収納空間の奥側の空間を有効に利用することができる。
【0009】
また、第2のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、第1のレール材より正面部側に350〜450mmの間隔をあけて備えられており、第2のレール材に取り付けられた対の係止片に、ハンガーパイプが、左右の側壁部間に渡すように取り付けられているので、このハンガーパイプにハンガーを介して吊るすジャケット類やズボン類などを左右の側壁部と平行に吊るすことができ、第1のレール材に取り付けられたハンガーパイプと相まって、収納空間を効率的に利用することができる。
【0010】
つまり、第2のレール材に取り付けられるハンガーパイプには、左右の側壁部と平行にジャケット類やズボン類などが吊り下げられ、その吊るされたジャケット類やズボン類と背面部との隙間に、第1のレール材に取り付けられたハンガーパイプに、背面部と平行にジャケット類やズボン類などが吊り下げられるため、収納空間内を効率的に利用することができる。
【0011】
また、上記の課題は、開口部を有する正面部と、左右の側壁部と、該左右の側壁部を連設する背面部により四周の壁面を構成される平面視矩形の収納空間において、
壁面に垂直に備えられ、壁面の任意の高さ位置に係止片を取り付けることができるレール材であって、
第1のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、側壁部の背面部と接する端部より50〜100mmの位置に備えられ、
第2のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、該第1のレール材より正面部側に350〜450mmの間隔をあけて備えられ、
第3のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、該第2のレール材より背面部側に20〜100mmの間隔をあけて備えられ、
第4のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、該第3のレール材より正面部側に350〜450mmの間隔をあけて備えられており、
それぞれのレール材に係止片が取り付けられ、
それぞれ対の第1のレール材と第3のレール材、及び/又はそれぞれ対の第2のレール材と第4のレール材とに渡すように棚板を取り付けることができる収納空間構造により解決される。
【0012】
第1のレール材、第2のレール材、第3のレール材及び第4のレール材が、対で、それぞれ左右の側壁部に設けられ、それぞれ対の第1のレール材と第3のレール材、及び/又はそれぞれ対の第2のレール材と第4のレール材とに渡すように棚板が供えられているので、収納空間の正面部側と背面部側とで、異なる高さ位置に棚板を設けることができ、収納空間内の使用者の自由に区分けすることができ、効率的に収納空間を使用することができる。さらに、棚板の奥行き長さが、第1のレール材と第3のレール材、又は第2のレール材と第4のレール材の間隔にあわせて設定されているため、棚板の奥行き寸法は250〜430mmとなるため、棚板の取り付けや取り外し時には、腕の肘から先端側を棚板の裏側に当てて持ち上げることで、バランスよく棚板の取り付け、取り外し動作を行うことができ、棚板の取り付け作業が苦手な使用者であっても、容易に収納空間内の棚板の取替えを行うことができる。
【0013】
前記収納空間において、正面部から背面部までの奥行きが壁芯で900〜1000mmであるとよい。
【0014】
収納空間の奥行き寸法を、日本の標準家屋の基本モジュールである壁芯で900〜1000mm内とすることで、この収納空間構造は、収納空間の余分な空きスペースをなくし、空間を効率的に活用する収納空間とすることがでる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のとおりであるから、収納空間の効率的な利用を実現するための収納空間構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態である収納空間構造であって、図(イ)は断面平面図、図(ロ)は、図(イ)のA−A線断面図、図(ハ)は、レール材を示す斜視図である。
【図2】図(イ)は、ハンガーパイプの取付構造を示すものであって、構成部品を分解して示す斜視図、図(ロ)は、棚板の取付構造を示すものであって、構成部品を分解して示す斜視図である。
【図3】図(イ)は、収納空間にハンガーパイプを取り付け、衣類など収納物を収納した状態を示す断面平面図、図(ロ)は、図(イ)のB−B線断面図である。
【図4】図(イ)は、収納空間に棚板を取り付けた状態を示す断面平面図、図(ロ)、収納物を収納した状態を示す断面側面図である。
【図5】棚板の取り付け、取り外し動作を示す断面側面図である。
【図6】図(イ)は、参考実施例であって、棚板と小型の棚板を取り付けた状態を示す断面平面図、図(ロ)は、小型の棚板の取付構造を示すものであって、構成部品を分解して示す斜視図である。
【図7】図(イ)は、参考実施例を示す斜視図、図(ロ)はその利用状況を示す断面平面図である。
【図8】図(イ)、(ロ)は、他の参考実施例を示す斜視図である。
【図9】他の参考実施例を示す斜視図である。
【図10】他の参考実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1に示す本発明の実施形態である収納空間構造1において、2は全面が開口している正面部、3,4はそれぞれ左右の側壁部、5は背面部であり、背面部5により左右の側壁部は連設され、正面部2、側壁部3,4、背面部5により、この収納空間構造1は、平面視コの字型の収納空間6を形成している。
【0019】
側壁部3,4及び背面部5は、たとえば、木製の下地桟にプラスターボードをビスで固定し、表面の仕上げにクロスを貼り付けて構成されている。収納空間6の寸法は、ここでは、幅寸法、奥行寸法ともに、壁芯で910mmとなっており、下地桟、プラスターボードの厚みを除いた内寸法は821mmとなっている。
【0020】
7,8,9,10はそれぞれ、左右の側壁部3,4にそれぞれ対で、壁面に対して垂直に取り付けられるレール材であって、図1(ハ)に示すように、長尺方向にそって複数の孔11‥が設けられ、任意の孔11‥に後述する係止片を取り付けることで、壁面の任意の高さ位置に係止片を取り付けることができるようになされている。なお、レール材7,8,9,10に設けられる最上端の孔11は、天井面より70mm以上の間隔を確保して設けられている。天井面より70mm以上の間隔を確保しておくことで、後述するように係止片を介してハンガーパイプを取り付けたときに、ハンガーパイプの上側に隙間が確保され、ハンガーパイプに対するハンガーの引っ掛け、取り外し動作の容易さ、及び上部空間での空気の流れを確保することができる。
【0021】
7,7は、第1のレール材であり、対で、左右の側壁部3,4にそれぞれ、側壁部3,4の背面部5と接する端部より50〜100mmの位置に、壁面に垂直に備えられている。
【0022】
8,8は、第2のレール材であり、対で、左右の側壁部3,4にそれぞれ、第1のレール材7,7より正面部2側に350〜450mmの間隔をあけて備えられている。
【0023】
9,9は、第3のレール材であり、対で、左右の側壁部3,4にそれぞれ、第2のレール材8,8より背面部5側に20〜100mmの間隔をあけて備えられている。
【0024】
10,10は、第4のレール材であり、対で、左右の側壁部3,4にそれぞれ、第3のレール材9,9より正面部2側に350〜450mmの間隔をあけて備えられている。
【0025】
図2(イ)示すように、レール材7,8,9,10に設けられた孔11‥にハンガーパイプ取付用係止片12を取り付け、係止片12を介して、円筒型のハンガーパイプ16が、対となるレール材間に、側壁部3,4間に渡すように取り付けられる。
【0026】
ハンガーパイプ取付用係止片12は、レール材7,8,9,10に当接する当接面を有する当接部13と、当接部から突設し、レール材7,8,9,10の孔11‥に差込み、ハンガーパイプ取付用係止片12を固定する鉤型の係止部14と、当接部13の係止部14が突設する側とは反対側に設けられ、ハンガーパイプ16の端部を支承する断面半円型の受け部15とからなる。
【0027】
図2(ロ)に示すように、棚板17は、矩形の平板材からなり、幅寸法は、収納空間6の左右の側壁部3,4間を渡す長さとなっており、奥行き寸法は、第1のレール材7,7と第3のレール材9,9、又は/及び第2のレール材8,8と第4のレール材10,10間を渡して取り付けることができる寸法となっている。
【0028】
棚板17の裏面18の左右両端側には、棚板取付用係止片20に係止するための止付部19が、左右2箇所ずつ設けられている。なお、左右それぞれの止付部19間の寸法は、第1のレール材7,7と第3のレール材9,9、及び第2のレール材8,8と第4のレール材10,10との距離にあわせられている。
【0029】
棚板取付用係止片20は、円柱型の係止部本体21と、係止部本体21の端部から突設し、レール材7,8,9,10の孔11‥に差込み、棚板取付用係止片20を固定する鉤型の係止部22とからなる。
【0030】
この収納空間構造1では、各レール材7,8,9,10の孔11‥の任意の高さ位置に係止片12,20を取り付け、係止片12,20を介して、ハンガーパイプ16や棚板17を取り付けることで収納空間6内をさまざまなバリエーションを持つ収納に変化させることができる。
【0031】
図3に示すように、左右の側壁部3,4にそれぞれ対で取り付けられた第1のレール材7,7及び第2のレール材8,8間に、ハンガーパイプ取付用係止片12‥を介して、ハンガーパイプ16‥がそれぞれ高さ方向に位置を異ならせて複数本取り付けられている。そして、ハンガーパイプ16‥には、ハンガー23が吊り下げられ、ハンガー23により、ジャケット、ズボン、シャツなどの衣類24が吊り下げられている。
【0032】
第1のレール材7,7に渡されたハンガーパイプ16に吊り下げられた衣類24は、衣類24の表裏面が背面部5と平行となるように吊るされ、第2のレール材8,8に渡されたハンガーパイプ16に吊り下げられた衣類24は、衣類24の表裏面が左右の側壁部3,4と平行となるように吊るされることで、狭い収納空間であっても効率的に衣類24を吊るすことができる。特に、一般的な日本の住宅では壁芯で900〜1000mm角のグリッド単位で平面が区画されており、奥行寸法が壁芯で900〜1000mmの収納空間が多いなかで、従来は、側壁部の中央に渡されたハンガーパイプに衣類を吊るすだけだったのを、本発明の収納空間構造1のように、レール材を配置することで、同じ収納空間であっても、衣類と壁面の間に生じるわずかなスペースを効率的に利用して、収納空間の収納効率を向上させることができる。
【0033】
なお、図3(ロ)に示すように、第1のレール材7,7及び第2のレール材8,8の任意の高さ位置にハンガーパイプ取付用係止片12を介してハンガーパイプ16‥を取り付けることで、ハンガー23‥に吊るした高さ寸法が異なる衣類24‥を効率的に収納することができ、収納空間6の上から下まで、効率的に衣類24‥を収納することができる。なお、この実施例では、収納する対象物を衣類としているが、収納される物品は、ジャケット、ズボン、シャツなどの衣類だけに限らず、バッグやネクタイなど他のものであってもよいのはいうまでもない。
【0034】
図4に示すように、左右の側壁部3,4にそれぞれ対で取り付けられた第1のレール材7,7及び第3のレール材9,9間に、棚板取付用係止片20‥を介して、棚板17‥がそれぞれ高さ方向に位置を異ならせて複数箇所取り付けられ、また、左右の側壁部3,4にそれぞれ対で取り付けられた第2のレール材8,8及び第4のレール材10,10間に、棚板取付用係止片20‥を介して、棚板17‥がそれぞれ高さ方向に位置を異ならせて複数箇所取り付けられている。そして、棚板17‥の上には、箱に入った物品や靴、衣類、日用雑貨品などさまざまな物品25が載せられて収納されている。
【0035】
この収納空間構造1では、左右それぞれの側壁部に、第1のレール材7,7、第2のレール材8,8、第3のレール材9,9及び第4のレール材10,10がそれぞれ対で取り付けられ、奥行き寸法が、第1のレール材7,7と第3のレール材9,9、及び第2のレール材8,8と第4のレール材10,10間を渡して取り付けることができる寸法となっている棚板17‥が、第1のレール材7,7と第3のレール材9,9、及び第2のレール材8,8と第4のレール材10,10間に渡して取付られており、収納空間6内の正面部側と背面部側とで2枚の分割された棚板17‥が取り付けられている。
【0036】
そのため、図4(ロ)に示すように、収納空間6内の正面部側と背面部側とで、棚板17の高さ位置を揃えたり、異ならせたりすることができ、任意の高さ位置に複数の棚板17を備え付けられるだけでなく、正面部側と背面部側とで棚板17の取り付け位置を異ならせることができ、収納物の大きさや内容によって、棚板17の位置をさまざまにかえることができ、さまざまなバリエーションの収納方法を実現することができる。
【0037】
さらに、棚板17の奥行き長さが、第1のレール材と第3のレール材、又は第2のレール材と第4のレール材の間隔にあわせて設定されているため、棚板の奥行き長さは250〜450mmとなるため、図5に示すように、棚板の取り付けや取り外し時には、腕の肘から先端側を棚板の裏側に当てて持ち上げることで、バランスよく棚板の取り付け、取り外し動作を行うことができ、棚板の取り付け作業が苦手な使用者であっても、容易に収納空間内の棚板の取替えを行うことができる。
【0038】
また、この収納空間構造1は、収納内容の変更に対応して、次のような使い方ができる。
【0039】
図6、7に示す、参考実施例では、図6に示すように、左右の側壁部3,4にそれぞれ対で取り付けられた第1のレール材7,7及び第3のレール材9,9間に、棚板取付用係止片20‥を介して、棚板17‥がそれぞれ高さ方向に位置を異ならせて複数箇所取り付けられ、また、左の側壁部3に、取り付けられた第2のレール材8及び第4のレール材10間に、棚板取付用L型係止片29,29を介して、小型の棚板26がそれぞれ高さ方向に位置を異ならせて複数箇所取り付けられている。
【0040】
図6(ロ)に示すように、小型の棚板26は、矩形の平板材からなり、奥行き寸法は、収納空間6の第2のレール材8と第4のレール材10間を渡す長さとなっており、幅寸法は、左右の側壁部3,4間に渡して取り付けられる棚板17の幅寸法の略半分程度の長さとなっている。そして、第2のレール材8及び第4のレール材10に取り付けられた棚板取付用L型係止片29,29を介して、第2のレール材8と第4のレール材10間を渡すように取り付けられている。
【0041】
小型の棚板26の裏面27の左右両端部側には、棚板取付用L型係止片29に係止するための止付部28としての孔が、左右2箇所ずつ設けられている。なお、左右それぞれの止付部28間の寸法は、第2のレール材8と第4のレール材10との距離にあわせられている。
【0042】
棚板取付用L型係止片29には、L型に屈曲しており、L型の一方の片には、レール材の孔11に差し込み、棚板取付用L型係止片29を固定する鉤型の係止部30,30が備えられ、もう一方の片には、棚板26の止付部28に係止する円筒型の突起部31,31が2つ備えられている。
【0043】
この収納空間構造1では、奥行き寸法が、第1のレール材7,7と第3のレール材9,9間を渡して取り付けることができる長さで、幅寸法が、左右の側壁部3,4間を渡すように取り付けられる長さとなっている棚板17‥が、第1のレール材7,7と第3のレール材9,9間を渡して取り付けられており、奥行き寸法が、第2のレール材8と第4のレール材10間を渡す長さとなっており、幅寸法は、左右の側壁部3,4間に渡して取り付けられる棚板17の幅寸法の略半分程度の長さとなっている小型の棚板26‥が、第2のレール材8と第4のレール材10間を渡すように取り付けられているので、図7(イ)に示すように、棚板17と小型の棚板26がレール材にそれぞれ同じ高さ位置に取り付けられた場合、棚板17と小型の棚板26とにより平面が略L字型棚板を形成することができる。
【0044】
この収納空間6内の略L字型の棚板では、図7(ロ)に示すように、人が略L字型の棚板の空隙部分32に半身を入れて動作をすることで、収納空間6の奥にまで容易にアクセスすることができる。なお、収納物は、棚板17と小型の棚板26それぞれに収納するだけでなく、棚板17と小型の棚板26とに渡すようにして収納してもよいのはいうまでもない。また、収納される物品に制限はない。
【0045】
上記の参考実施例では、棚板17と小型の棚板26がそれぞれ同一高さ位置に取り付けられている場合について示したが、それぞれの棚板が取り付けられる位置に制限はなく、収納空間6の活用方法によって自由に選択することができる。例えば、図8(イ)に示すように、最上段には、棚板17と棚板17の組み合わせ、上から2段目と3段目は、棚板17と小型の棚板26の組み合わせ、最下段は、棚板17のみとしてもよいし、図8(ロ)に示すように、最上段には、棚板17と棚板17の組み合わせ、上から2段目は、棚板17と小型の棚板26の組み合わせ、上から3段目は、棚板17のみ、上から4段目は、小型の棚板26を左側壁部に取り付け、最下段は小型の棚板26を右側壁部に取り付けるなど、自由に選択することができる。もちろん、小型の棚板26を第1のレール材7と第3のレール材9に渡すように取り付けてよいのはいうまでもない。
【0046】
さらに、図9に示す参考実施例のように、棚板17、26とハンガーパイプ16とを組み合わせて取り付けてもよいのはいうまでもない。
【0047】
また、図10に示す参考実施例では、棚板にスリットの入ったスノコ状の棚板33を用いた場合である。スノコ状の棚板33を用いることで棚板33の上側と下側で空気の移動が起こり、例えば布団などの湿気を含む収納物であっても、湿気をこもらせることなく収納することがきる。
【0048】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、左右の側壁部にレール材が突設して備えられている場合について示したが、レール材は側壁部に埋め込まれて備えられていてもよいのはいうまでもなく、レール材の形状に制限はなく、状況にあわせて任意に選択されてよいのはいうまでもない。
【0049】
また、上記実施形態では、レール材に係止片が取り付けられ、係止片を介して、ハンガーパイプや棚板が取り付けられている場合について示したが、係止片は必ずしも独立した部材である必要はなく、ハンガーパイプや棚板の一部としてその機能を発揮するものであってもよいのはいうまでもない。さらに、係止片の形状にも制限はなく、機能やデザインなどを考慮して任意に選択されればよい。
【0050】
また、上記の実施形態では、いわゆる日本の住宅の一般的な規格寸法の1モジュール角である、およそ壁芯で900〜1000mm角の収納空間に適用した場合について示したが、本発明は、この寸法に制限されることなく、異なる形状の収納空間に適用することができるのはいうまでもない。さらに、本発明で提案したハンガーパイプ、棚板のほかに、他の収納構造、たとえば、ロープなどとの組み合わせにより構成されてもよいのはいうまでもない。
【0051】
また、第1のレール材7と第3のレール材9間の間隔と、第2のレール材8と第4のレール材10間の間隔とは、同じであってもよいし、異なってもよく、同じであれば、同じ形状の棚板が、第1のレール材7と第3のレール材9間及び第2のレール材8と第4のレール材10間を渡すように用いることができ、異なっていれば、それぞれ異なる形状の棚板が用いられればよい。
【0052】
また、上記実施形態では、収納物として、衣類や箱類、かばん、ふとんなどが収納される場合について示したが、対象となる収納物に制限はなく、収納空間の構成の仕方によってあらゆるものが収納対象となる。
【符号の説明】
【0053】
1・・・収納空間構造
2・・・正面部
3・・・側壁部(左)
4・・・側壁部(右)
5・・・背面部
6・・・収納空間
7・・・第1のレール材
8・・・第2のレール材
9・・・第3のレール材
10・・・第4のレール材
11・・・孔
12・・・ハンガーパイプ取付用係止片
16・・・ハンガーパイプ
17・・・棚板
20・・・棚板取付用係止片
23・・・ハンガー
24、25・・・収納物(衣類など)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する正面部と、左右の側壁部と、該左右の側壁部を連設する背面部により四周の壁面を構成される平面視矩形の収納空間において、
壁面に垂直に備えられ、壁面の任意の高さ位置に係止片を取り付けることができるレール材であって、
第1のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、側壁部の背面部と接する端部より50〜100mmの位置に備えられ、
第2のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、該第1のレール材より正面部側に350〜450mmの間隔をあけて備えられており、
第1のレール材、及び/又は第2のレール材の、それぞれ対となる同じ高さ位置に係止片を取り付け、該係止片にハンガーパイプを、左右の側壁部間に渡すように取り付けることができることを特徴とする収納空間構造。
【請求項2】
開口部を有する正面部と、左右の側壁部と、該左右の側壁部を連設する背面部により四周の壁面を構成される平面視矩形の収納空間において、
壁面に垂直に備えられ、壁面の任意の高さ位置に係止片を取り付けることができるレール材であって、
第1のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、側壁部の背面部と接する端部より50〜100mmの位置に備えられ、
第2のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、該第1のレール材より正面部側に350〜450mmの間隔をあけて備えられ、
第3のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、該第2のレール材より背面部側に20〜100mmの間隔をあけて備えられ、
第4のレール材が、対で、左右の側壁部にそれぞれ、該第3のレール材より正面部側に350〜450mmの間隔をあけて備えられており、
それぞれのレール材に係止片が取り付けられ、
それぞれ対の第1のレール材と第3のレール材、及び/又はそれぞれ対の第2のレール材と第4のレール材とに渡すように棚板を取り付けることができる収納空間構造。
【請求項3】
前記収納空間において、正面部から背面部までの奥行きが壁芯で900〜1000mmである請求項1乃至2に記載の収納空間構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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