収納袋
【課題】通気部に歪みによる皺が生じることなく、安定した通気性が得られるようにした白米などの収納袋を提供する。
【解決手段】少なくとも内面側を構成する層2が合成樹脂からなるシート4により作られ、内部に白米などの粒状内容物を収納するための収納袋1であって、周囲のヒートシールにより接合される辺の少なくとも1辺においてヒートシール部5を分断する状態で通気部7が形成されており、この通気部7はヒートシールにより接合される2枚のシート4,4にそれぞれ予め収納袋1の短手方向もしくは長手方向に対して長さ方向が傾斜するように形成された凹凸部6により形成されるとともに2枚の各シート4の凹凸部6の長さ方向は互いに逆方向に傾斜している。
【解決手段】少なくとも内面側を構成する層2が合成樹脂からなるシート4により作られ、内部に白米などの粒状内容物を収納するための収納袋1であって、周囲のヒートシールにより接合される辺の少なくとも1辺においてヒートシール部5を分断する状態で通気部7が形成されており、この通気部7はヒートシールにより接合される2枚のシート4,4にそれぞれ予め収納袋1の短手方向もしくは長手方向に対して長さ方向が傾斜するように形成された凹凸部6により形成されるとともに2枚の各シート4の凹凸部6の長さ方向は互いに逆方向に傾斜している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精米された白米などの穀物類や粒状の肥料などを収納するための収納袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から精米された白米などを収納する収納袋として、例えば特許文献1に開示されているように、少なくとも内面が熱可塑性合成樹脂シート製の包装袋の、融着シール部の一部を未融着で残すことにより、通気部を形成し、かつ、この通気部では両面のシート長に差を持たせて、穀物が洩れない大きさの穴を形成した穀物包装袋が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2968229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている穀物包装袋の構成では、通気部は両面のシート長に差を持たせて、包装袋の片面側に膨らませており、この片面側の膨らんだ部分と他面側の膨らんでいない平面部分との間のシート長の違いにより一方に歪みが生じ、片面側の膨らんだ部分に皺が寄るという現象が生じ、通気性が低下するという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、このような課題を解決するものであり、通気部に歪みによる皺が生じることなく、安定した通気性が得られるようにした白米などの収納袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の収納袋は、少なくとも内面側を構成する層が合成樹脂からなるシートにより作られ、内部に白米などの粒状内容物を収納するための収納袋であって、周囲のヒートシールにより接合される辺の少なくとも1辺においてヒートシール部を分断する状態で通気部が形成されており、この通気部は、波形の凹凸を有して互いに噛み合う2つの成形型間に挟まれて、収納袋の短手方向もしくは長手方向に対して長さ方向が傾斜するように凹凸部が予め形成された2枚のシートがヒートシールにより接合されて形成されるとともに2枚の各シートの凹凸部の長さ方向は互いに逆方向に傾斜していることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の収納袋では、凹凸部は波状に形成されており、通気部において2枚のシートの凹凸部の凸部同士は水平に寝かせた収納袋を平面から見てX状に交わっていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の収納袋では、収納袋内に向く通気部の開口は収納袋内に収納される粒状内容物の粒の大きさよりも小さく設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明の収納袋は、波形の凹凸を有して互いに噛み合う2つの成形型間に2枚のシートが挟まれて、通気部のための凹凸部が収納袋を構成する2枚のシートに予め形成されていて、通気部が形成された2枚のシート間にシート長の違いがないので歪みが生じるようなことがなく、通気部は初期の形状を保持して安定した通気性が得られることになる。また、凹凸部は長さ方向が互いに逆方向となるように傾斜しており、一方のシートの凹凸部に他方のシートの凹凸部が嵌り合うことがなく、通気部の形状が安定する。従って、収納袋内の空気は通気部を押し広げて効率良く抜かれることになる。また、2枚のシートの凹凸部は収納袋の長手方向もしくは短手方向に対して同一方向に向いているのではなく、傾斜しているので、収納袋を反物状に巻いたとき外側に膨らむ凸部は潰れにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態における収納袋を水平に寝かせた状態における平面図である。
【図2】図1における収納袋の要部拡大図である。
【図3】図1における収納袋の要部拡大斜視図である。
【図4】同収納袋の通気部が空気抜け時に膨らんだ状態を示す要部拡大図である。
【図5】同収納袋の通気部を形成する部分の2枚のシートの接合前の状態を示す要部拡大斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における収納袋を水平に寝かせた状態における平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における収納袋を水平に寝かせた状態における平面図である。
【図8】図6における収納袋の要部拡大図である。
【図9】図6における収納袋の要部拡大斜視図である。
【図10】同収納袋の通気部を形成する部分の2枚のシートの接合前の状態を示す要部拡大斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態における収納袋を水平に寝かせた状態における平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。先ず、図1〜図5に示す第1の実施の形態について説明すると、図において1は内面側を構成する層2が外面側を構成する層3の合成樹脂よりも低融点の合成樹脂からなり、2つの層2,3が積層された2層構造のシート4により作られ、内部に精米された白米などの穀物類あるいは粒状の肥料など(以下粒状内容物という)を収納するための収納袋であり、水平に寝かせた状態において縦長の長方形を呈している。
【0012】
この収納袋1は前記2層構造のシート4を2枚用いて前記内面側を構成する層2同志が互いに向き合うように重ね合わせ、周囲4辺の内、3辺を2層構造のシート4の内面側を構成する層2同志をヒートシールにより接合した状態で開口する1辺より内部に粒状内容物を充填するように構成されている。5はヒートシール部である。粒状内容物が充填された後は前記開口する1辺が内面側を構成する層2同志をヒートシールにより接合して閉じられる。
【0013】
ところで本発明の実施の形態では、収納袋1の長手方向に沿う両側の位置で、収納袋1を構成する2枚のシート4,4にそれぞれ予め収納袋1の短手方向に対して長さ方向が僅かに傾斜するように波状の凹凸部6が形成されている。この凹凸部6は波状の凹凸を有して互いに噛み合う2つの成形型間にシート4を挟み、2つの成形型の凹凸間でシート4を加熱することにより形成される。なお、2枚の各シート4の凹凸部6の長さ方向(凹部および凸部の軸芯方向)が互いに逆方向に傾斜するように2枚の各シート4に凹凸部6が形成されているものである。
【0014】
この凹凸部6が形成されている範囲は収納袋1の長手方向全長でも良いが、図面に示す実施の形態では長手方向における両端近傍部に適当長さ範囲に亘って存在するように形成されている。このように、凹凸部6が形成された2枚のシート4,4を重ね合わせるのであるが、そのとき一方のシート4の凸部6aと他方のシート4の凸部6a同士は水平に寝かせた収納袋1を平面から見て収納袋1の長手方向に沿う端面でその長さ方向一端がV状に交わるように構成されている。
【0015】
そして、長手方向における両端近傍部においてそれぞれ凹凸部6が形成されている範囲の少なくとも1箇所を残し、2枚のシート4,4がヒートシールにより接合される。収納袋1の長手方向に沿う両側のヒートシール部5は、収納袋1の長手方向における両端近傍部の凹凸部6が形成されている範囲においては収納袋1の長手方向に沿って分断される幅が狭い内側ヒートシール部5aと、同じく収納袋1の長手方向における両端近傍部の凹凸部6が形成されている範囲において収納袋1の長手方向に沿って分断され幅が狭く端部長さが内側ヒートシール部5aよりも短い外側ヒートシール部5bからなるものである。収納袋1の底となる部分は前記内側ヒートシール部5aや外側ヒートシール部5bよりも幅の大きな連続するヒートシール部5で閉じられている。
【0016】
そして、重要なのは収納袋1の長手方向に沿う両側の位置で長手方向における両端近傍部の前記内側ヒートシール部5aと外側ヒートシール部5bとからなるヒートシール部5の分断箇所間を通気部7とすることである。この通気部7について詳細に説明すると、前記内側ヒートシール部5aと外側ヒートシール部5bとからなるヒートシール部5の分断箇所間には前記2枚のシート4,4の凹凸部6が存在する。2枚のシート4,4の凹凸部6は長さ方向が互いに逆方向となるように傾斜しており、一方のシート4の凸部6aと他方のシート4の凸部6a同士は収納袋1の長手方向に沿う端面でV状に交わるように構成されているので、一方のシート4の凹凸部6に他方のシート4の凹凸部6が嵌り合うことがない。
【0017】
このような構成の収納袋1内には、収納袋1の開口する1辺より内部に粒状内容物が充填され、開口する1辺が内面側を構成する層2同志をヒートシールにより接合して閉じられる。収納袋1に前述の通気部7が存在しないと収納袋1は中に空気が入った状態で膨らんだ状態となる。
【0018】
しかしながら、本収納袋1には前述の通気部7が存在しているために、収納袋1内の空気は前記分断部での内側ヒートシール部5a間の通気部7を押し広げ、収納袋1の外に抜け出すことになる。従って、収納袋1は内部密閉状態のようにパンパンに膨らんだ状態とはならず、内部に粒状内容物が入った収納袋1を安定良く段積みすることができる。特に、収納袋1の中に粒状内容物を収納した状態では、粒状内容物の収納量による膨らみから収納袋1の長手方向に沿う両側近傍の位置が歪みやすく、その箇所に前記通気部7を形成すると収納袋1の歪みにより通気部7は開きやすく、空気抜きが良好に行なえる。
【0019】
なお、前記分断部での内側ヒートシール部5a間の通気部7より粒状内容物がこぼれ出ないように、前記分断部での内側ヒートシール部5a間の通気部7の収納袋1内に向く開口は収納袋1内に収納される粒状内容物の粒の大きさよりも小さく設定されている。
【0020】
次に、図6に示す第2の実施の形態について説明すると、前記第1の実施の形態では収納袋1の長手方向に沿う両側の位置で長手方向における両端近傍部の前記内側ヒートシール部5aと外側ヒートシール部5bとからなるヒートシール部5の分断箇所間に通気部7を形成してあるが、この第2の実施の形態では通気部7は収納袋1の長手方向に沿う両側における両端近傍および収納袋1の長手方向の中央部にも形成されている。勿論、この長手方向の中央部の通気部7は長手方向における両端近傍部の通気部7と同様の構成となっているものである。他の構成は前記第1の実施の形態と同様である。
【0021】
次に、図7〜図10に示す第3の実施の形態について説明すると、前記第1および第2の実施の形態では一方のシート4の凸部6aと他方のシート4の凸部6a同士は収納袋1の長手方向に沿う端面でV状に交わるように構成されているが、この第3の実施の形態では長さ方向が互いに逆方向に傾斜する一方のシート4の凸部6aと他方のシート4の凸部6a同士は水平に寝かせた収納袋1を平面から見てX状に交わるように構成されている。他の構成は前記第1の実施の形態と同様である。
【0022】
次に、図11に示す第4の実施の形態について説明すると、前記第3の実施の形態では収納袋1の長手方向に沿う両側の位置で長手方向における両端近傍部の前記内側ヒートシール部5aと外側ヒートシール部5bとからなるヒートシール部5の分断箇所間に一方のシート4の凸部6aと他方のシート4の凸部6a同士がX状に交わる部分を備えた通気部7を形成してあるが、この第4の実施の形態では通気部7は収納袋1の長手方向に沿う両側における両端近傍および収納袋1の長手方向の中央部にも形成されている。勿論、この長手方向の中央部の通気部7は長手方向における両端近傍部の通気部7と同様の構成となっているものである。他の構成は前記第3の実施の形態と同様である。
【0023】
以上、第1〜第4の実施の形態について述べたが、何れの実施の形態も一方のシート4の凸部6aと他方のシート4の凸部6aが交わっているが、必ずしも交わらなくても良い。
【0024】
ところで、第1〜第4の実施の形態において、通気部7は収納袋1の長手方向に沿う両側に形成されているが、収納袋1の長手方向に沿う片側でも良く、その場合通気部7の数は1箇所だけでも良い。
【0025】
また、通気部7を収納袋1の長手方向に沿う側部に形成せずに、短手方向に沿う少なくとも1辺に上記と同様に形成することも可能である。その場合、凹凸部6は長さ方向が収納袋の長手方向に対して同一方向に向いているのではなく、収納袋の長手方向に対して僅かに傾斜するようになる。
【0026】
また、ヒートシール部5の形は図面に示す形に限定されるものではない。
さらに、上記した実施の形態では、収納袋1を構成するシート4,4は内面側を構成する層2および外面側を構成する層3が共に合成樹脂からなるものであるが、内面側を構成する層2はヒートシールを施す必要があることから合成樹脂からなり、外面側を構成する層3つまり表面は紙あるいは不織布などで作られていても良い。
【符号の説明】
【0027】
1 収納袋
2 内面側を構成する層
3 外面側を構成する層
4 シート
5 ヒートシール部
5a 内側ヒートシール部
5b 外側ヒートシール部
6 凹凸部
6a 凸部
7 通気部
【技術分野】
【0001】
本発明は、精米された白米などの穀物類や粒状の肥料などを収納するための収納袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から精米された白米などを収納する収納袋として、例えば特許文献1に開示されているように、少なくとも内面が熱可塑性合成樹脂シート製の包装袋の、融着シール部の一部を未融着で残すことにより、通気部を形成し、かつ、この通気部では両面のシート長に差を持たせて、穀物が洩れない大きさの穴を形成した穀物包装袋が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2968229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている穀物包装袋の構成では、通気部は両面のシート長に差を持たせて、包装袋の片面側に膨らませており、この片面側の膨らんだ部分と他面側の膨らんでいない平面部分との間のシート長の違いにより一方に歪みが生じ、片面側の膨らんだ部分に皺が寄るという現象が生じ、通気性が低下するという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、このような課題を解決するものであり、通気部に歪みによる皺が生じることなく、安定した通気性が得られるようにした白米などの収納袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の収納袋は、少なくとも内面側を構成する層が合成樹脂からなるシートにより作られ、内部に白米などの粒状内容物を収納するための収納袋であって、周囲のヒートシールにより接合される辺の少なくとも1辺においてヒートシール部を分断する状態で通気部が形成されており、この通気部は、波形の凹凸を有して互いに噛み合う2つの成形型間に挟まれて、収納袋の短手方向もしくは長手方向に対して長さ方向が傾斜するように凹凸部が予め形成された2枚のシートがヒートシールにより接合されて形成されるとともに2枚の各シートの凹凸部の長さ方向は互いに逆方向に傾斜していることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の収納袋では、凹凸部は波状に形成されており、通気部において2枚のシートの凹凸部の凸部同士は水平に寝かせた収納袋を平面から見てX状に交わっていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の収納袋では、収納袋内に向く通気部の開口は収納袋内に収納される粒状内容物の粒の大きさよりも小さく設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明の収納袋は、波形の凹凸を有して互いに噛み合う2つの成形型間に2枚のシートが挟まれて、通気部のための凹凸部が収納袋を構成する2枚のシートに予め形成されていて、通気部が形成された2枚のシート間にシート長の違いがないので歪みが生じるようなことがなく、通気部は初期の形状を保持して安定した通気性が得られることになる。また、凹凸部は長さ方向が互いに逆方向となるように傾斜しており、一方のシートの凹凸部に他方のシートの凹凸部が嵌り合うことがなく、通気部の形状が安定する。従って、収納袋内の空気は通気部を押し広げて効率良く抜かれることになる。また、2枚のシートの凹凸部は収納袋の長手方向もしくは短手方向に対して同一方向に向いているのではなく、傾斜しているので、収納袋を反物状に巻いたとき外側に膨らむ凸部は潰れにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態における収納袋を水平に寝かせた状態における平面図である。
【図2】図1における収納袋の要部拡大図である。
【図3】図1における収納袋の要部拡大斜視図である。
【図4】同収納袋の通気部が空気抜け時に膨らんだ状態を示す要部拡大図である。
【図5】同収納袋の通気部を形成する部分の2枚のシートの接合前の状態を示す要部拡大斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における収納袋を水平に寝かせた状態における平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における収納袋を水平に寝かせた状態における平面図である。
【図8】図6における収納袋の要部拡大図である。
【図9】図6における収納袋の要部拡大斜視図である。
【図10】同収納袋の通気部を形成する部分の2枚のシートの接合前の状態を示す要部拡大斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態における収納袋を水平に寝かせた状態における平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。先ず、図1〜図5に示す第1の実施の形態について説明すると、図において1は内面側を構成する層2が外面側を構成する層3の合成樹脂よりも低融点の合成樹脂からなり、2つの層2,3が積層された2層構造のシート4により作られ、内部に精米された白米などの穀物類あるいは粒状の肥料など(以下粒状内容物という)を収納するための収納袋であり、水平に寝かせた状態において縦長の長方形を呈している。
【0012】
この収納袋1は前記2層構造のシート4を2枚用いて前記内面側を構成する層2同志が互いに向き合うように重ね合わせ、周囲4辺の内、3辺を2層構造のシート4の内面側を構成する層2同志をヒートシールにより接合した状態で開口する1辺より内部に粒状内容物を充填するように構成されている。5はヒートシール部である。粒状内容物が充填された後は前記開口する1辺が内面側を構成する層2同志をヒートシールにより接合して閉じられる。
【0013】
ところで本発明の実施の形態では、収納袋1の長手方向に沿う両側の位置で、収納袋1を構成する2枚のシート4,4にそれぞれ予め収納袋1の短手方向に対して長さ方向が僅かに傾斜するように波状の凹凸部6が形成されている。この凹凸部6は波状の凹凸を有して互いに噛み合う2つの成形型間にシート4を挟み、2つの成形型の凹凸間でシート4を加熱することにより形成される。なお、2枚の各シート4の凹凸部6の長さ方向(凹部および凸部の軸芯方向)が互いに逆方向に傾斜するように2枚の各シート4に凹凸部6が形成されているものである。
【0014】
この凹凸部6が形成されている範囲は収納袋1の長手方向全長でも良いが、図面に示す実施の形態では長手方向における両端近傍部に適当長さ範囲に亘って存在するように形成されている。このように、凹凸部6が形成された2枚のシート4,4を重ね合わせるのであるが、そのとき一方のシート4の凸部6aと他方のシート4の凸部6a同士は水平に寝かせた収納袋1を平面から見て収納袋1の長手方向に沿う端面でその長さ方向一端がV状に交わるように構成されている。
【0015】
そして、長手方向における両端近傍部においてそれぞれ凹凸部6が形成されている範囲の少なくとも1箇所を残し、2枚のシート4,4がヒートシールにより接合される。収納袋1の長手方向に沿う両側のヒートシール部5は、収納袋1の長手方向における両端近傍部の凹凸部6が形成されている範囲においては収納袋1の長手方向に沿って分断される幅が狭い内側ヒートシール部5aと、同じく収納袋1の長手方向における両端近傍部の凹凸部6が形成されている範囲において収納袋1の長手方向に沿って分断され幅が狭く端部長さが内側ヒートシール部5aよりも短い外側ヒートシール部5bからなるものである。収納袋1の底となる部分は前記内側ヒートシール部5aや外側ヒートシール部5bよりも幅の大きな連続するヒートシール部5で閉じられている。
【0016】
そして、重要なのは収納袋1の長手方向に沿う両側の位置で長手方向における両端近傍部の前記内側ヒートシール部5aと外側ヒートシール部5bとからなるヒートシール部5の分断箇所間を通気部7とすることである。この通気部7について詳細に説明すると、前記内側ヒートシール部5aと外側ヒートシール部5bとからなるヒートシール部5の分断箇所間には前記2枚のシート4,4の凹凸部6が存在する。2枚のシート4,4の凹凸部6は長さ方向が互いに逆方向となるように傾斜しており、一方のシート4の凸部6aと他方のシート4の凸部6a同士は収納袋1の長手方向に沿う端面でV状に交わるように構成されているので、一方のシート4の凹凸部6に他方のシート4の凹凸部6が嵌り合うことがない。
【0017】
このような構成の収納袋1内には、収納袋1の開口する1辺より内部に粒状内容物が充填され、開口する1辺が内面側を構成する層2同志をヒートシールにより接合して閉じられる。収納袋1に前述の通気部7が存在しないと収納袋1は中に空気が入った状態で膨らんだ状態となる。
【0018】
しかしながら、本収納袋1には前述の通気部7が存在しているために、収納袋1内の空気は前記分断部での内側ヒートシール部5a間の通気部7を押し広げ、収納袋1の外に抜け出すことになる。従って、収納袋1は内部密閉状態のようにパンパンに膨らんだ状態とはならず、内部に粒状内容物が入った収納袋1を安定良く段積みすることができる。特に、収納袋1の中に粒状内容物を収納した状態では、粒状内容物の収納量による膨らみから収納袋1の長手方向に沿う両側近傍の位置が歪みやすく、その箇所に前記通気部7を形成すると収納袋1の歪みにより通気部7は開きやすく、空気抜きが良好に行なえる。
【0019】
なお、前記分断部での内側ヒートシール部5a間の通気部7より粒状内容物がこぼれ出ないように、前記分断部での内側ヒートシール部5a間の通気部7の収納袋1内に向く開口は収納袋1内に収納される粒状内容物の粒の大きさよりも小さく設定されている。
【0020】
次に、図6に示す第2の実施の形態について説明すると、前記第1の実施の形態では収納袋1の長手方向に沿う両側の位置で長手方向における両端近傍部の前記内側ヒートシール部5aと外側ヒートシール部5bとからなるヒートシール部5の分断箇所間に通気部7を形成してあるが、この第2の実施の形態では通気部7は収納袋1の長手方向に沿う両側における両端近傍および収納袋1の長手方向の中央部にも形成されている。勿論、この長手方向の中央部の通気部7は長手方向における両端近傍部の通気部7と同様の構成となっているものである。他の構成は前記第1の実施の形態と同様である。
【0021】
次に、図7〜図10に示す第3の実施の形態について説明すると、前記第1および第2の実施の形態では一方のシート4の凸部6aと他方のシート4の凸部6a同士は収納袋1の長手方向に沿う端面でV状に交わるように構成されているが、この第3の実施の形態では長さ方向が互いに逆方向に傾斜する一方のシート4の凸部6aと他方のシート4の凸部6a同士は水平に寝かせた収納袋1を平面から見てX状に交わるように構成されている。他の構成は前記第1の実施の形態と同様である。
【0022】
次に、図11に示す第4の実施の形態について説明すると、前記第3の実施の形態では収納袋1の長手方向に沿う両側の位置で長手方向における両端近傍部の前記内側ヒートシール部5aと外側ヒートシール部5bとからなるヒートシール部5の分断箇所間に一方のシート4の凸部6aと他方のシート4の凸部6a同士がX状に交わる部分を備えた通気部7を形成してあるが、この第4の実施の形態では通気部7は収納袋1の長手方向に沿う両側における両端近傍および収納袋1の長手方向の中央部にも形成されている。勿論、この長手方向の中央部の通気部7は長手方向における両端近傍部の通気部7と同様の構成となっているものである。他の構成は前記第3の実施の形態と同様である。
【0023】
以上、第1〜第4の実施の形態について述べたが、何れの実施の形態も一方のシート4の凸部6aと他方のシート4の凸部6aが交わっているが、必ずしも交わらなくても良い。
【0024】
ところで、第1〜第4の実施の形態において、通気部7は収納袋1の長手方向に沿う両側に形成されているが、収納袋1の長手方向に沿う片側でも良く、その場合通気部7の数は1箇所だけでも良い。
【0025】
また、通気部7を収納袋1の長手方向に沿う側部に形成せずに、短手方向に沿う少なくとも1辺に上記と同様に形成することも可能である。その場合、凹凸部6は長さ方向が収納袋の長手方向に対して同一方向に向いているのではなく、収納袋の長手方向に対して僅かに傾斜するようになる。
【0026】
また、ヒートシール部5の形は図面に示す形に限定されるものではない。
さらに、上記した実施の形態では、収納袋1を構成するシート4,4は内面側を構成する層2および外面側を構成する層3が共に合成樹脂からなるものであるが、内面側を構成する層2はヒートシールを施す必要があることから合成樹脂からなり、外面側を構成する層3つまり表面は紙あるいは不織布などで作られていても良い。
【符号の説明】
【0027】
1 収納袋
2 内面側を構成する層
3 外面側を構成する層
4 シート
5 ヒートシール部
5a 内側ヒートシール部
5b 外側ヒートシール部
6 凹凸部
6a 凸部
7 通気部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも内面側を構成する層が合成樹脂からなるシートにより作られ、内部に白米などの粒状内容物を収納するための収納袋であって、
周囲のヒートシールにより接合される辺の少なくとも1辺においてヒートシール部を分断する状態で通気部が形成されており、
この通気部は、波形の凹凸を有して互いに噛み合う2つの成形型間に挟まれて、収納袋の短手方向もしくは長手方向に対して長さ方向が傾斜するように凹凸部が予め形成された2枚のシートがヒートシールにより接合されて形成されるとともに2枚の各シートの凹凸部の長さ方向は互いに逆方向に傾斜していることを特徴とする収納袋。
【請求項2】
凹凸部は波状に形成されており、通気部において2枚のシートの凹凸部の凸部同士は水平に寝かせた収納袋を平面から見てX状に交わっていることを特徴とする請求項1記載の収納袋。
【請求項3】
収納袋内に向く通気部の開口は収納袋内に収納される粒状内容物の粒の大きさよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の収納袋。
【請求項1】
少なくとも内面側を構成する層が合成樹脂からなるシートにより作られ、内部に白米などの粒状内容物を収納するための収納袋であって、
周囲のヒートシールにより接合される辺の少なくとも1辺においてヒートシール部を分断する状態で通気部が形成されており、
この通気部は、波形の凹凸を有して互いに噛み合う2つの成形型間に挟まれて、収納袋の短手方向もしくは長手方向に対して長さ方向が傾斜するように凹凸部が予め形成された2枚のシートがヒートシールにより接合されて形成されるとともに2枚の各シートの凹凸部の長さ方向は互いに逆方向に傾斜していることを特徴とする収納袋。
【請求項2】
凹凸部は波状に形成されており、通気部において2枚のシートの凹凸部の凸部同士は水平に寝かせた収納袋を平面から見てX状に交わっていることを特徴とする請求項1記載の収納袋。
【請求項3】
収納袋内に向く通気部の開口は収納袋内に収納される粒状内容物の粒の大きさよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の収納袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−91530(P2013−91530A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−31604(P2013−31604)
【出願日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【分割の表示】特願2008−159818(P2008−159818)の分割
【原出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(000208226)大和グラビヤ株式会社 (48)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【分割の表示】特願2008−159818(P2008−159818)の分割
【原出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(000208226)大和グラビヤ株式会社 (48)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]