説明

取付通風器

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案の取付通風器は建物の室内換気用に使用する。
【0002】
【従来の技術】室内換気用の通風器は建物の壁にあけた取付孔へ嵌め込んで使用するが、従来の円筒型通風器は単なる円筒の本体筒で構成しているにすぎない。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】このような従来の通風器では、本体筒の上部や出口に溜まった埃や油は、雨天時には雨水に溶けて汚れ水となって流下するが、この汚れ水は建物の外壁面を伝わって流下するので、その流下跡が黒い汚れとなって外壁面に残り、外壁面の美観が短日月のうちに損われる。
【0004】本考案は建物の外壁面に汚れ水の流下跡がつくことが少なく、外壁の美観を長年保持できる取付通風器を提供できるようにした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案に係る取付通風器は、円筒状本体筒の開口前端部に形成した外向フランジの下半部分の外周に、この外向フランジの半径方向へ張り出す拡径枠フランジと、この枠フランジのさらに外周に形成された前方に突出するカラーとよりなる水受用のガイド枠を設けた構造のものとしてある。
【0006】
【作用】本考案の取付通風器は建物の壁へ貫通せしめて取り付ける。
【0007】かくすることにより室内の空気は本体筒から室外へ排気される。
【0008】また、本体筒の外向フランジやガイド枠に溜まった埃や油は雨天時に汚れ水となり、外向フランジの汚れ水は水受用のガイド枠内へ一旦流下し、ガイド枠内の汚れ水と一緒になって流下するが、その汚れ水はガイド枠の前方へ突出しているカラーのエッジから落下するので、建物の外壁面を伝わって流下することは殆どない。
【0009】
【実施例】<実施例1>図1〜図4は本考案に係る取付通風器の一例を示す。
【0010】同図において符号1は円筒状の本体筒で、開口前端部の周縁に外向フランジ2を形成してあり、後端開口部1bの下半部分はハーフ後板3で塞いである。
【0011】本体筒1の前端開口部にはガラリ板4をリベット5により本体筒1の外向フランジ2へ止めて取り付けてあるとともに、ガラリ板4と本体筒の外向フランジ2とで挾んで防虫網6を取り付けてある。
【0012】ガラリ板4には前傾する切起しルーバー片7を上下に複数片形成することにより横長スリット状のルーバー通気孔7aを上下に多数あけてある。
【0013】また、本体筒における外向フランジの下半部分には前方へ突出するガイド枠8を設けてある。
【0014】このガイド枠は、半径方向へ張り出す半円状の拡径枠フランジ部8aの外周に前方へ若干拡径して突出するカラー8bを形成したものとしてあって、拡径枠フランジ8aをリベット5で本体筒の外向フランジ2へ止めることにより本体筒の外向フランジへ取り付けてある。
【0015】また、カラー8bは、排気や雨天時の汚れ水が外壁面を伝わらずに落下する突出量のものとしてあり、かつ枠フランジ8aの左右両端上部には若干前傾する折曲水止片9を形成してある。
【0016】なお、ガイド枠は本体筒の外向フランジと一体に成形するばあいもある。
【0017】この実施例の通風器は図3のように建物における壁10の取付孔11へ嵌め込んで取り付け、本体筒のフランジ外周縁と壁面との間は適宜コーキングしてシールする。
【0018】室内からの油煙等を含む汚れた空気は本体筒1内へ後端開口部1bから入り、その空気はガラリ板のルーバー通気孔7aから斜め下向きに前方へ排気される。
【0019】また、使用中に外向きフランジ2の表面やガイド枠8の内面には埃や油等が溜まり、これらが雨天時に汚れ水となるが、その汚れは拡径枠フランジとカラーによってすべてガイド枠内に一旦溜る。しかしてガイド枠は外壁面から前方へ突出しているので、汚れ水が壁を伝わって流れるようなことはまずなく、外壁面における通風器取付箇所の下に汚れ水の流下跡がつくことは殆どない。
【0020】またガイド枠8は、本体筒の外向フランジよりも大径な枠フランジ8aの外周にカラー8bを形成したものとすることにより、外向フランジ上半部外周近傍の壁を流下する水をも一旦受けて、カラーの下部エッジから水を落下させることができる。
【0021】<実施例2>図5乃至7は本考案に係る取付通風器の他の一例を示す。
【0022】この実施例のものは本体筒の前記フランジ前面にフード12を設けたものとしてあって、フード12は下部が開成する半球殻状のものとしてあり、フランジの下半部分には実施例のものと同様にガイド枠8を設けてある。
【0023】なお、この実施例のものの本体筒は実施例1のものの本体筒と同じ構造であるので、その各構成部分は符号を付すだけで説明は省略した。
【0024】この実施例2の取付通風器はフードを備えているので、雨や風が室内へ逆流するのを阻止される。
【0025】また、フード表面の埃や内面の埃や内面の埃および油等が雨水に溶けた汚れ水は、これもガイド枠8へ流下し、ガイド枠の下部エッジから建物の外壁面を伝わることなく落下し、外壁面に汚れ水跡は殆どつかない。
【0026】
【考案の効果】本考案の取付通風器は前述したガイド枠を備えているので、建物外壁面における通風器取付箇所の下に汚れ水の流下跡が残るようなことが少なく、外壁面の美観を長年にわたって保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る取付通風器の一例を示す平面図。
【図2】同通風器の正面図。
【図3】本通風器を壁へ取り付けた状態を示す中央縦断側面図。
【図4】本通風器の分解斜視図。
【図5】本考案に係る取付通風器の他の例を示す平面図。
【図6】同通風器の正面図。
【図7】同通風器の中央縦断側面図。
【符号の説明】
1 本体筒
1b 後端開口部
2 外向フランジ
3 ハーフ後板
4 ガラリ板
5 リベット
6 防虫網
7 ルーバー片
7a ルーバー通気孔
8 ガイド枠
8a フランジ部
8b カラー部
9 水止片
10 壁
11 取付孔
12 フード

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】円筒状本体筒の開口前端部に形成した外向フランジの下半部分の外周に、この外向フランジの半径方向へ張り出す拡径枠フランジと、この枠フランジのさらに外周に形成された前方に突出するカラーとよりなる水受用のガイド枠を設けてなる取付通風器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【登録番号】第2514411号
【登録日】平成8年(1996)7月23日
【発行日】平成8年(1996)10月16日
【考案の名称】取付通風器
【国際特許分類】
【出願番号】実願平3−12844
【出願日】平成3年(1991)2月15日
【公開番号】実開平4−103538
【公開日】平成4年(1992)9月7日
【出願人】(591019988)株式会社キョーワナスタ (16)
【参考文献】
【文献】実開平3−23725(JP,U)