説明

取引情報検索を自動更新するための方法および装置

【課題】サーバの負荷状態に応じた取引検索結果の自動更新を可能にするための方法および装置を提供すること。
【解決手段】管理サーバは、端末から第1の設定パラメータと第1の負荷状況パラメータとを含む検索要求を受信すると、第1の負荷状況パラメータの値と、管理サーバが有する負荷状況テーブルの第2の負荷状況パラメータの値が一致するかどうかを判断し、一致しないとき、第2の負荷状況パラメータの値に従って設定パラメータを再生成し、該再生成された設定パラメータの検索条件情報に従って検索を実行する。管理サーバは、検索結果を、再生成された設定パラメータと第2の負荷状況パラメータとともに端末に送信する。端末は、送信された設定パラメータと負荷状況パラメータとを記憶し、設定パラメータで指定された検索条件および更新間隔設定で自動的に検索要求をすることにより、検索結果の自動更新を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引情報検索の自動更新を行うための方法および装置に関し、より詳細には、サーバの負荷状態に応じた取引情報検索の自動更新を可能にするための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外国為替取引(外為取引)の決済では、時差リスクが存在していた。例えば、A行とB行の取引において、A行が円を通貨とし(日本)、B行がドルを通貨とする(米国)場合、各国の為替市場の稼働時間には時差があるため、円とドルを同時に決済することはできない。したがって、例えば、取引を行う銀行の一方は円を通貨として資金の払込みを行ったあと、他方からドルの資金を受け取ることができなくなるというリスクがある。
【0003】
このような時差リスクを削減するために、現在、CLS(Continuous Linked Settlement)銀行を介して外為取引の多通貨(例えば、円と米ドル)を同時に決済するCLS決済が行われている。
【0004】
図13を参照して、CLS決済の仕組みについて簡単に説明する。円を通貨とするA行と、ドルを通貨とするB行との間で外為取引が成立すると、A行およびB行は、それぞれCLS銀行に取引情報の入力を行う(図13(1):取引情報入力)。例えば、取引情報の入力は、各国外為市場の取引時間帯に随時行うことができ、例えば、A行は、東京市場の取引時間帯に取引情報を入力し、B行はニューヨーク市場の取引時間帯に取引情報を入力することができる。CLS銀行は、入力された取引情報をそれぞれの決済日(通常は、取引約定日の2営業日後)まで保存する。
【0005】
CLS銀行は、当初払込みスケジュール(IPIS:Initial Pay-In Schedule)および当日決済取引を含めた修正払込みスケジュール(RPIS:Revised Pay-In Schedule)を所定の時間に通知する。
【0006】
A行およびB行はそれぞれ、同じ決済日の取引を合算して、通貨ごとの受払尻(受払額と支払額との差分)を算出する。次いでCLS銀行から通知されたスケジュールに従って、負けポジションとなっている通貨の差額分の資金を各中央銀行のCLS銀行の口座に払い込む(図13(2):ペイイン)。すなわち、日本銀行やFRB(Federal Reserve Bank)などの各中央銀行に設けられたCLS銀行の口座に資金の払込みを行うことにより、CLS銀行宛に資金を払い込む(ペイインする)ことができる。
【0007】
CLS銀行では、各取引について、対となる通貨の受払を同時に行うことにより振替決済を行う(図13(3):振替決済)。
【0008】
また、振替決済の進捗に伴って、勝ちポジションとなっている通貨については、各中央銀行の口座を通じて資金を払い出す(ペイアウト)ことができる(図13(4):資金決済)。例えば、各中央銀行のCLS銀行の口座から資金を受け取ることができる。
【0009】
CLS銀行は、各取引について、取引の進捗状況に応じて取引ステータス情報をA行およびB行に送信する。例えば、CLS決済対象の取引が成立したこと(A行とB行の両行から取引情報が入力されたこと)を示すステータス、払込みスケジュールが確定しCLS決済の準備が整ったことを示すステータス、CLS決済が完了したことを示すステータスなどである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のようなCLS決済の管理業務においては、決済の進捗状況が常に更新されるのでリアルタイムで取引情報を監視する必要がある。しかしながら、取引情報の進捗状況を監視するために頻繁に検索を行うことは面倒なことである可能性がある。また、取引情報を頻繁に更新しようとすると、サーバへのアクセスが増加してサーバの負荷が発生することとなる。例えば、CLS銀行からIPISが通知される時間帯や、振替決済が開始されて連続的にステータスが更新される時間帯などはリアルタイムで監視する必要があり、多くのユーザが銀行のサーバにアクセスするため、特に負荷が高まると考えられる。
【0011】
したがって、リアルタイムのデータ更新とサーバの負荷低減の両方を実現するための仕組みが必要とされる。
【0012】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、サーバの負荷状態に応じた取引検索結果の自動更新を可能にするための方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、このような目的を達成するために、本発明の第1の側面である方法は、管理サーバの負荷状態に応じた取引情報検索の自動更新を可能にする。管理サーバは、取引情報を含む取引情報データベースと、実行すべき検索条件式を指定する検索条件情報を含む検索条件設定テーブルと、検索結果の自動更新間隔を指定する更新間隔設定情報を含む更新間隔設定テーブルと、管理サーバの負荷状態を示す負荷状況パラメータを含む負荷状況テーブルとを備える。本方法は、管理サーバが、端末から、検索条件情報および更新間隔設定を含む第1の設定パラメータと第1の負荷状況パラメータとを含む検索要求を受信するステップと、前記検索要求内に含まれる前記第1の負荷状況パラメータの値と、前記負荷状況テーブル内の第2の負荷状況パラメータの値とが一致するかどうかを判断するステップと、前記第1の負荷状況パラメータの値と前記第2の負荷状況パラメータの値が一致しないと判断したとき、記負荷状況テーブル内の前記第2の負荷状況パラメータの値に従って、前記検索条件設定テーブル内の少なくとも2つの検索条件式のうち検索の実行に使用すべき検索条件式を決定し、決定された検索条件式を含む検索条件情報を前記検索条件設定テーブルから取り出すステップと、前記負荷状況テーブル内の前記第2の負荷状況パラメータの値に従って、前記更新間隔設定テーブル内の少なくとも2つの更新間隔設定のうち自動更新に使用すべき更新間隔設定を決定し、決定された更新間隔設定を含む更新間隔設定情報を前記更新間隔設定テーブルから取り出すステップと、前記検索条件情報と前記更新間隔設定情報とを含む第2の設定パラメータを生成するステップと、前記第2の設定パラメータの前記検索条件情報に合致する取引情報を前記取引情報データベースから取り出して、取り出された取引情報と、前記第2の設定パラメータと、前記負荷状況テーブルの前記第2の負荷状況パラメータとを前記端末に送信するステップを含む。
【0014】
したがって、端末は、負荷状況パラメータに応じた設定パラメータの更新間隔設定により自動更新を行うこととなり、負荷状態に応じて自動更新が制限されることとなる。
【0015】
また、第2の側面に係る方法において、管理サーバは、該管理サーバの負荷状態を判断する条件を定義する負荷判定条件テーブルをさらに備え、該負荷判定条件テーブルは、負荷状態を判断するために使用される複数の指標と、各指標に対して定義された閾値を含む。本方法は、複数の指標の少なくとも1つが該指標に対して定義された前記閾値を超えているかどうかを判断するステップと、前記少なくとも1つの指標が前記閾値を超えているとき、前記管理サーバが負荷上昇状態にあることを示すように前記負荷状況テーブル内の前記負荷状況パラメータの値を更新するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、CLS管理サーバの現在の負荷状態に応じて、あるいは、CLS管理サーバの負荷状態とユーザのレベルに応じて、検索条件および更新間隔を制限することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態にかかるシステムの全体的な構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる取引情報の更新間隔を設定するためのCLS管理端末上の設定画面の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる自動更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1および第2の実施形態にしたがって自動更新を制限するためのCLS管理サーバおよびCLS管理端末の構成を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態にしたがって自動更新を制限するために、CLS管理サーバの各テーブルの構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態にしたがって自動更新を制限するために、CLS管理サーバの各テーブルの構成を示す図である。
【図7】本発明の第1および第2の実施形態にしたがって、自動更新を制限するための方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1および第2の実施形態にしたがって、自動更新を制限するための方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施形態にしたがって自動更新を制限するためのCLS管理サーバおよびCLS管理端末の構成を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施形態にしたがって自動更新を制限するために、CLS管理サーバの各テーブルの構成を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態にしたがって、自動更新を制限するための方法を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態にしたがって、自動更新を制限するための方法を示すフローチャートである。
【図13】CLS決済の仕組みを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る全体的なシステム構成を示す図である。
【0020】
A行の銀行システム100は、CLS決済の対象となる取引を全般的に管理し、処理するCLS管理サーバ120と、CLS決済の対象となる取引が成立したことを示す取引情報(約定電文)を作成してCLS管理サーバ120に送信するフロントシステム130を備える。銀行システム100は、CLSゲートウェイ140も備え、CLS管理サーバ120は、CLSゲートウェイ140を介してCLS銀行システム150と通信することができる。
【0021】
CLS管理サーバ120は、取引情報データベース(DB)122を備え、フロントシステム130から送信された取引情報を取引情報DB122内に格納する。CLS管理サーバ120の取引情報DB122内に格納される取引情報は、CLS決済の対象となる取引の内容、約定が成立した約定日、決済日、取引ステータス情報などを含む。
【0022】
CLS管理サーバ120は、フロントシステム130から送信された取引情報を、CLSゲートウェイ140を介してCLS銀行システム150に送信する。これにより、CLS決済対象の取引について、A行からCLS銀行への取引情報の入力が行われたことになる。
【0023】
CLS銀行システム150は、A行のCLS管理サーバ120から取引情報を受信すると、対象の取引の決済日まで取引情報を保存する。CLS銀行システム150は、取引情報が対象とする取引のステータスが変化した場合、取引ステータス情報をCLS管理サーバ120に送信する。取引ステータス情報は、例えば、CLS決済対象の取引が成立したこと(取引を行う両行から取引情報が入力されたこと)を示すステータス(例えば、MA)、払込みスケジュールが確定しCLS決済の準備が整ったことを示すステータス(例えば、SM)、CLS決済が完了したことを示すステータス(例えば、ST)などである。CLS管理サーバ120は、CLS銀行システム150から取引ステータス情報を受信すると、取引情報DB122内の取引情報に含まれる取引ステータス情報を更新する。
【0024】
銀行システム100はさらに、ネットワークを介してCLS管理サーバ120に接続されるCLS管理端末110を含む。ユーザは、CLS管理端末110を使用して所望の取引について検索を行うことができる。CLS管理端末110は、ディスプレイ上に複数の検索画面(例えば、検索画面1と検索画面2など)を表示することができ、ユーザは個々の検索画面から、例えば決済日や取引ステータス情報などの所望の検索条件を設定して取引情報の検索を行うことができる。CLS管理端末110は、設定された検索条件に合致する取引情報をCLS管理サーバ120から取得して、該取得した取引情報を検索結果として各検索画面上に表示することができる。
【0025】
例えば、ユーザが、CLS管理端末110の検索画面1から2つの検索条件:検索条件1「決済日=2010/7/1」、検索条件2「ステータス=MA」を指定し、検索画面2から1つの検索条件:検索条件1「ステータス=SM」を指定することができる。検索が実行されると、CLS管理端末110は、各検索条件に合致する取引情報、すなわち決済日が2010年7月1日であって取引ステータスがMAの取引情報と、取引ステータスがSMの取引情報とをCLS管理サーバ120から受信し、それぞれ検索画面1と検索画面2に表示することができる。
【0026】
CLS管理サーバ120は、検索条件設定テーブル124も備え、検索条件設定テーブル124にユーザがCLS管理端末110から設定した検索条件情報を格納することができる。例えば、上述のように、ユーザが各検索画面から決済日や取引ステータスなどの検索条件を設定すると、CLS管理端末110は、設定された検索条件情報を、各ユーザの識別情報(例えば、ユーザID)とともにCLS管理サーバ120に送信する。CLS管理サーバ120は、送信された各ユーザの検索条件情報を検索条件DB124に格納し、その後ユーザが、CLS管理端末110からユーザIDを入力してログインすると、CLS管理サーバ120は、ユーザIDに基づいて検索条件情報を検索条件DB124から取り出すことができる。次いでCLS管理サーバ120は、取り出した検索条件情報に基づいて取引情報DB122から取引情報を取り出して検索結果としてCLS管理端末110に送信し、CLS管理端末110は、検索結果が表示されるようにCLS管理端末110の検索画面をリフレッシュする。したがって、ユーザは、CLS管理端末110の更新された検索画面を見ることにより、所望の取引の取引情報を確認することができる。
【0027】
CLS管理サーバ120はさらに、更新間隔設定テーブル126も備える。本願発明では、ユーザは、検索を実行して取引情報(検索結果)の更新を行う時間間隔を予め設定することができ、設定された更新間隔の情報を更新間隔設定テーブル126に格納することができる。例えば、連続的に取引ステータス情報が更新される時間帯には、ユーザは、取引情報をリアルタイムでモニタリングするためにCLS管理端末110から検索を連続的に実行する必要があり、これはしばしば面倒な作業となる可能性がある。一方、取引ステータス情報が更新されない時間帯には、あまり頻繁に取引情報を取得しなくてもよいこともある。本願発明では、時間帯に応じて所望の更新間隔を設定できるようにし、これによりCLS管理端末100に表示される検索結果を、時間帯に応じて所望の時間間隔設定で自動更新することができる。
【0028】
ここで、図2を参照する。図2は、取引情報の更新間隔を設定するためのCLS管理端末110の設定画面の一例を示す図である。
【0029】
CLS管理端末110の設定画面200では、点線210内に示されるように、時間帯に応じて個別に自動更新/手動更新を選択することができ、自動更新を選択する場合は、自動更新の間隔を設定することができる。図2では、一例として4つの個別の更新設定が選択可能な設定画面を図示しているが、さらに多くの更新設定を選択可能にすることもできる。時間帯に応じた個別の更新設定では、開始時間と終了時間を、点線210内に示される開始時間入力フィールド212と終了時間入力フィールド214にそれぞれ入力することにより、自動更新を行う時間帯を指定することができる。そして、指定した各時間帯に対応する更新間隔入力フィールド216に所望の時間間隔を入力することにより、各時間帯の自動更新間隔を設定することができる。図2の例において、1つめの設定(設定番号1)では、開始時間入力フィールド212に「0:00」、終了時間入力フィールド214に「0:30」、更新間隔入力フィールド216に「1」と入力されているため、OKボタン230の押下などにより入力内容が確定されると、午前12時から午前12時30分までの時間帯は、1秒間隔で自動的に更新が行われることとなる。
【0030】
また、設定画面200は、オプションで手動選択フィールド218、228も含む。例えば、特定の時間帯に対応する手動選択フィールド218にチェック入力すると、その時間帯は手動で更新を行うことを選択することができる。手動更新を選択した場合は、自動更新間隔を設定することはできない。本発明の一実施形態では、手動更新が選択された場合は、更新間隔入力フィールド216をグレーアウトして自動更新間隔を設定することができないことを示すことができる。
【0031】
さらに、設定画面200では、点線210内に示される時間帯毎の個別の更新設定(設定番号1〜4)に加え、点線220内に示されるようなデフォルトの設定を行うこともできる。これにより、設定番号1〜4で個別に指定された時間帯以外は、デフォルトの設定にしたがって取引情報の更新を行うことができる。例えば、図2の例では、点線220内に示されるように、手動選択フィールド228がチェック入力されており、デフォルトの設定では手動更新が選択されている。したがって、設定番号1〜4で個別に指定した時間帯以外は、自動更新は行われず、手動で更新を行う必要がある。手動選択フィールド228を選択せず、更新間隔入力フィールド226に所望の時間間隔を入力した場合は、デフォルトとして自動更新が設定され、設定番号1〜4で個別に指定した時間帯以外は、更新間隔入力フィールド226に入力した更新間隔で自動更新が行われることとなる。
【0032】
このようにCLS管理端末110の設定画面200から入力された各時間帯の更新設定情報およびデフォルトの更新設定情報は、例えばOKボタン230の押下などにより、その内容が確定されて、ユーザIDなどのユーザの識別情報とともにCLS管理サーバ120に送信されて、更新間隔設定テーブル126に格納される。
【0033】
次に、図3を参照して、本発明の一実施形態に係る自動更新処理300の流れを説明する。
【0034】
ステップS302で、CLS管理端末110が、ユーザによって入力されたログイン情報を受信すると、処理300が開始する。ログイン情報は、例えば、ユーザIDなどのユーザの識別情報およびパスワードなどを含む。
【0035】
ステップS304で、CLS管理端末110は、ログイン情報をCLS管理サーバ120に送信する。CLS管理サーバ120は、送信されたログイン情報に含まれるユーザIDおよびパスワードに基づいて、ユーザの認証を行うこともできる。
【0036】
ステップS306で、CLS管理サーバ120は、ログイン情報に含まれるユーザIDに基づいて、検索条件設定DB124から検索条件情報(検索画面番号、検索条件番号および検索条件の条件式など)を取り出し、更新間隔設定テーブル126から更新間隔設定情報(設定番号、開始時間、終了時間、更新間隔設定など)を取り出す。
【0037】
ステップS308で、CLS管理サーバ120は、取り出した検索条件情報と更新間隔設定情報をCLS管理端末110に送信する。CLS管理端末110は、受信した検索条件情報を各検索画面上に表示することができる。
【0038】
ステップS310で、CLS管理端末110は、CLS管理サーバ120から検索条件情報を受信すると、CLS管理サーバ120に検索要求を行う。一実施形態では、各検索画面に検索実行ボタンなどを設けて、ユーザによって検索実行ボタンが押下されると、CLS管理サーバ120に検索要求を行うように構成することができる。検索要求には、検索条件として設定されたパラメータが含まれる。
【0039】
ステップS312で、CLS管理サーバ120は、検索要求に含まれる検索条件に合致する取引情報を取引情報DB122から取り出して、CLS管理端末110に送信する。検索条件が複数存在する場合は、取引情報DB122から、各検索条件に合致する取引情報をそれぞれ取り出す。
【0040】
ステップS314で、CLS管理端末110は、CLS管理サーバ120から送信された取引情報を、検索結果として各検索画面に表示する。
【0041】
ステップS316で、CLS管理サーバ120からステップS308で取得した更新間隔設定情報に基づいて、現在の時刻が、自動更新が選択されている時間帯かどうかを判断する。例えば、CLS管理端末110は、現在の時刻と、更新間隔設定情報内で個別に指定されている各時間帯とを比較して、現在の時刻が、更新間隔設定情報で自動更新が選択されている時間帯であるかどうかを判断する。現在の時刻が、個別に設定された時間帯のいずれかに属し、その時間帯で自動更新が選択されている(すなわち更新間隔の入力がある)場合、あるいは個別に設定された時間帯のいずれにも属さないが、デフォルト設定で自動更新が選択されている場合、現在の時刻は、更新間隔設定情報で自動更新が選択されている時間帯に該当し、処理はステップS318に進む。
【0042】
ステップS318で、CLS管理端末110は、更新間隔設定情報において、現在の時刻が属する時間帯またはデフォルトで設定されている更新間隔の間待機する。更新間隔の経過後に、処理はステップS310に戻り、検索要求をCLS管理サーバ120に送信することにより自動的に再検索を行う。例えば、現在の時刻が属する時間帯について設定された更新間隔がX秒であるとき、CLS管理端末110はX秒間待機し、X秒経過後に自動的に再検索を行うこととなる。
【0043】
一方、現在の時刻が、手動更新として設定された時間帯に属する場合、あるいは個別に設定された時間帯のいずれにも属さず、デフォルト設定で手動更新が選択されている場合は、CLS管理端末110は、自動更新は行わず、ユーザが手動で検索要求したときに再検索を行うこととなる。
【0044】
上述したように自動更新を選択している場合、ユーザは、手動で検索を実行することなく、時間帯に応じて設定した所望の更新間隔で更新された検索結果を取得することができる。したがって、例えば、IPISが通知される時間帯や連続的に取引ステータス情報が更新される時間帯には、更新間隔をより短く設定することで、頻繁に手動で検索を行うことなく、最新の取引ステータス情報を取得することができる。
【0045】
しかしながら、IPISが通知される時間帯や連続的に取引ステータス情報が更新される時間帯においては、CLS管理端末110からのCLS管理サーバ120へのアクセスが殺到して、CLS管理サーバ120の負荷が上昇することがある。例えば、多くのユーザが、取引ステータス情報が連続的に更新される時間帯に非常に短い更新間隔を設定し、一部のユーザは手動更新を設定して頻繁に手動で検索を行う場合には、CLS管理端末110からCLS管理サーバ120への大量の検索要求が行われ、CLS管理サーバ120の負荷が高まることとなる。
【0046】
そこで、本願発明では、CLS管理サーバ120の負荷を低減するために、所定の条件に達した場合にはCLS管理サーバ120が負荷上昇状態であると判断し、CLS管理端末110における検索結果の自動更新を制限できるようにする。
【0047】
以下、図4〜8を参照して、本願発明の第1および第2の実施形態に係る自動更新の制限について説明する。
【0048】
図4は、自動更新を制限するためのCLS管理サーバおよびCLS管理端末の構成を示す概略図である。
【0049】
CLS管理サーバ120は、取引情報DB122、負荷判定条件テーブル410、負荷状況テーブル420、検索条件設定テーブル430、および更新間隔設定テーブル440を備える。取引情報DB122は、図1に関連して説明したものと同じである。
【0050】
負荷判定条件テーブル410は、CLS管理サーバ120が負荷上昇状態であるかどうかを判断する際の条件を定義するテーブルである。後述するように、負荷判定条件テーブル410では、CLS管理サーバ120の負荷状態を判定するための指標(例えば、取引受付件数、為替レートの変動率、CPU使用率)を定義し、指標毎に所定の閾値を定義する。
【0051】
負荷状況テーブル420は、CLS管理サーバ120の負荷状態を管理するためのテーブルであり、CLS管理サーバ120の負荷状態を示す負荷状況パラメータ421を含む。負荷状況パラメータ421は、負荷判定条件テーブル410に定義される負荷判定条件に基づいてCLS管理サーバ120が負荷上昇状態にあるかどうかを示す。一実施形態において、CLS管理サーバ120は、例えば負荷判定条件テーブル410に定義された指標を所定の時間間隔で監視し、いずれかの指標が所定の閾値を超過したとき負荷上昇状態にあると判断して、負荷上昇状態を示すように負荷状況テーブル420内の負荷状況パラメータ421を更新することができる。負荷状況テーブル420の負荷状況パラメータ421が負荷上昇状態を示すとき、CLS管理端末110の自動更新が制限されることとなる。
【0052】
検索条件設定テーブル430および更新間隔設定テーブル440はそれぞれ、図1に関連して説明した検索条件設定テーブル124、更新間隔設定テーブル126と概ね同様であるが、自動更新を制限するために、ユーザによって予め設定された検索条件と更新間隔の情報に加え、負荷上昇状態の検索条件と更新間隔の情報も含む点において異なる。すなわち、検索条件設定テーブル430は、CLS管理サーバ120が通常状態にあり、自動更新を制限する必要がない場合の検索の実行に使用する条件式と、CLS管理サーバ120が負荷上昇状態にあり、自動更新を制限する必要がある場合の検索の実行に使用される条件式を含む。更新間隔設定テーブル440も同様に、自動更新を制限する必要がない場合に使用される更新間隔設定と、自動更新を制限する必要がある場合に使用される更新間隔設定を含む。
【0053】
以下で図7、8に関連して詳述するように、CLS管理サーバ120は、CLS管理端末110からユーザのログイン情報を受信すると、負荷状況テーブル420の負荷状況パラメータにしたがって、検索条件設定テーブル430、更新間隔設定テーブル440からそれぞれ使用すべき検索条件式と更新間隔設定を決定し、該検索条件式と更新間隔設定を含む設定パラメータを生成し、該生成された設定パラメータと負荷状況パラメータをCLS管理端末110に送信する。これにより、CLS管理端末110において、CLS管理サーバ120の負荷状況に応じた検索条件と更新間隔で自動更新を行うことが可能になる。CLS管理端末110は、CLS管理サーバ120から設定パラメータおよび負荷状況パラメータを受信すると、それぞれ設定パラメータ450、負荷状況パラメータ460としてメモリ470内に記憶する。
【0054】
図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る自動更新の制限について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に従って自動更新を制限するために、CLS管理サーバ120の各テーブルの構成を示す図である。
【0055】
図5の(a)に示されるように、本実施形態の負荷判定条件テーブル410は、「取引受付件数」、「為替レート変動率」、「CPU使用率」という3つの指標511と、各指標に対する閾値512を定義している。本実施形態では、CLS管理サーバ120は、負荷判定条件テーブル410の各指標を所定の時間期間(例えば、15分間隔)で監視し、いずれかの指標が閾値を超えたか否かに応じて負荷上昇状態であるかどうかを判断する。
【0056】
指標「取引受付件数」は、CLS管理サーバ120で受け付けたCLS決済対象の取引の件数を示す値である。本実施形態では、CLS管理サーバ120は、所定の時間期間(例えば、直近15分間)に受け付けた取引の件数が所定の閾値(例えば、1000件)を超えたとき、負荷上昇状態であると判断する。
【0057】
指標「為替レート変動率」は、為替レートの変動率(最高レートと最低レートとの差)を示す値である。本実施形態では、CLS管理サーバ120は、所定の時間期間(例えば、直近15分間)の変動率、すなわち最高レートと最低レートの差が、所定の閾値(例えば、5%)を超えたとき、負荷上昇状態であると判断する。
【0058】
指標「CPU使用率」は、CLS管理サーバ120のCPUの使用率を示す値である。本実施形態では、CLS管理サーバ120は、CPU使用率が所定の時間期間の間(例えば、直近15分間の間)、所定の閾値(例えば、90%)の超過状態が継続したとき、負荷上昇状態であると判断する。
【0059】
CLS管理サーバ120は、負荷判定条件テーブル410の各指標511を所定の時間期間監視して、いずれかの指標が閾値を超えているか否かに応じて、負荷状況テーブル420の負荷状況パラメータ421を更新する。いずれかの指標が閾値を超えたときは負荷上昇状態である判断して、負荷状況パラメータ421に「1」(負荷上昇状態)をセットし、いずれの指標も閾値を超えていないときは負荷上昇状態ではないと判断して、負荷状況パラメータ421に「0」(通常状態)をセットする。
【0060】
本実施形態の検索条件設定テーブル430は、図5の(c)に示されるように、ユーザID531と、検索画面番号532と、検索条件番号533と、通常状態の条件式534と、負荷上昇状態の条件式535を含む。
【0061】
上述のように、ユーザは、1つのCLS管理端末110を使用して、それぞれ別の検索画面から複数の検索を行うことができ、1つの検索で複数の検索条件を指定することができる。検索画面番号532は、各検索に対応する検索画面の番号であり、検索画面番号532を使用して各検索および検索結果を表示すべき検索画面を識別することができる。検索条件番号533は、各検索で指定された個々の検索条件を識別する番号である。
【0062】
通常状態の条件式534は、ユーザが予め設定した各検索条件に合致する取引情報を取引情報DB122から取り出すための条件式である。通常状態の条件式534は、CLS管理サーバ120が通常状態にあり、CLS管理端末110の自動更新が制限されない場合に使用される。一方、負荷上昇状態の条件式535は、CLS管理サーバ120が負荷上昇状態のときにCLS管理端末110の自動更新を制限するために、通常状態の条件式534の代わりに使用される条件式であり、通常状態の条件式534よりも制限されている。
【0063】
CLS管理サーバ120は、CLS管理端末110からの検索要求に含まれる検索条件に従って検索を実行するが、検索に使用する条件式が多いほどCLS管理サーバ120の処理が多くなり、したがって負荷がより高くなる。本願発明は、CLS管理サーバ120の負荷状態に応じて異なる条件式を使用して検索を実行することにより、CLS管理サーバ120の負荷を低減させることができる。負荷上昇状態の条件式535は、例えば管理者などが管理者端末などを使用して定義することができる。
【0064】
CLS管理サーバ120は、通常状態の条件式534と負荷上昇状態の条件式535のいずれを検索の実行に使用すべきかを、負荷状況テーブル420の負荷状況パラメータ421に従って決定する。CLS管理サーバ120は、負荷状況テーブル420を参照して、負荷状況パラメータ421の値が「0」(通常状態)のとき、検索の実行に通常状態の条件式534を使用すべきと判断し、「1」(負荷上昇状態)のときは、CLS管理サーバ120は、検索の実行に負荷上昇状態の条件式535を使用すべきと決定する。
【0065】
CLS管理サーバ120は、次いで各ユーザIDに合致する検索条件設定テーブル430の行を特定し、特定された行の検索画面番号532と、検索条件番号533と、通常状態の条件式534または負荷上昇状態の条件式535のうち決定された条件式とを検索条件設定テーブル430から取り出す。
【0066】
検索の実行に通常状態の条件式534が使用されるとき、ユーザID「1」のユーザの検索画面1の検索条件1および検索条件2に対して、それぞれ通常状態の条件式534「ValueDate=YYYY/MM/DD」および「ステータス=MA」を使用して検索が実行されるため、両方の条件式に合致する取引情報が返されることになる。一方、負荷上昇状態の条件式535が使用されるとき、負荷上昇状態の条件式535は、検索条件1に対する条件式「Valuedate=YYYY/MM/DD」のみを含み、検索条件2に対する条件式は含まないため、Valuedateとして指定した日付(例えば、決済日=当日など)に合致する全ての取引情報が検索結果として返されることになる。
【0067】
本実施形態の更新間隔設定テーブル440は、図5の(d)に示されるように、ユーザID541、設定番号542、開始時間543、終了時間544、自動更新フラグ545通常状態の更新間隔546、および負荷上昇状態の更新間隔547を含む。設定番号542は、図2の点線210内の設定番号に対応する。開始時間542、終了時間543、および通常状態の更新間隔546は、それぞれ図2の開始時間入力フィールド212、終了時間入力フィールド214、更新間隔入力フィールド216から入力された値に対応する。自動更新フラグ545は、自動更新が選択されているかどうかを示すフラグである。更新間隔入力フィールド216、226に入力があり、自動更新が選択されている場合は「1」、手動設定フィールド218、228にチェック入力があり、手動更新が選択されている場合は「0」とすることができる。
【0068】
負荷上昇状態の更新間隔547は、CLS管理サーバ120が負荷上昇状態にあるときに、通常状態の更新間隔546の代わりに使用される自動更新間隔である。負荷上昇状態の更新間隔547は、負荷上昇状態の条件式535と同様に管理者などが定義することができる。通常状態の更新間隔546よりもより長い時間間隔を設定することにより、CLS管理端末110からの自動更新のためのアクセス数を制限することができる。本願発明では、CLS管理サーバ120が負荷上昇状態にあるとき、上述のように検索条件を制限することに加え、設定画面200から予め設定された更新間隔(通常状態の更新間隔546)での自動更新を一時的に無効化にし、より長い時間間隔で設定された負荷上昇状態の更新間隔547に従って自動更新を行わせることにより、CLS管理サーバ120の負荷を低減することができる。
【0069】
CLS管理サーバ120は、図5の(d)の更新間隔設定テーブル440において、通常状態の更新間隔546と負荷上昇状態の更新間隔547のうち、いずれの更新間隔設定を使用すべきかを、負荷状況テーブル420の負荷状況パラメータに従って決定する。そして、CLS管理サーバ120は、各ユーザIDに合致する更新間隔設定テーブル440の行を特定し、特定された行の設定番号542と、開始時間543と、終了時間544と、通常状態の更新間隔546または負荷上昇状態の更新間隔547のうち決定された更新間隔設定とを更新間隔設定テーブル440から取り出す。
【0070】
CLS管理サーバ120は、上述のように取り出される検索条件情報と更新間隔設定情報とを含む設定パラメータを生成し、負荷状況テーブル420から取り出した負荷状況パラメータ421とともにCLS管理端末110に送信する。CLS管理端末110は、受信した設定パラメータおよび負荷状況パラメータをそれぞれ、設定パラメータ450、負荷状況パラメータ460としてメモリに記憶する。
【0071】
次の図6を参照して、本発明の第2の実施形態に係る自動更新の制限を説明する。図6は、本発明の第2の実施形態に従って自動更新を制限するためのCLS管理サーバ120の各テーブルの構成を示す図である。第2の実施形態では、負荷判定の条件となる各指標に対して複数の閾値(閾値の範囲)を定義し、複数の閾値に対応する複数の負荷上昇状態を定義し、負荷上昇状態のレベルに応じて検索条件および更新間隔を制限する。
【0072】
本実施形態の負荷判定条件テーブル410は、図6の(a)に示されるように、各指標611に対して複数の閾値0〜3(612〜615)が定義されている。CLS管理サーバ120は、各指標を所定の時間間隔で監視して、各指標が閾値0〜3の範囲に属するかを判断し、各指標が属する閾値のうち最大の閾値nを決定する。例えば、取引受付件数が閾値0の範囲であり、為替レート変動率が閾値2の範囲であり、CPU使用率が閾値1の範囲である場合、最大閾値は閾値2である。CLS管理サーバ120は、次いで、決定された最大閾値nに従って、負荷状況テーブル420の負荷状況パラメータ421を更新する。
【0073】
図6の(b)に示される負荷判定条件テーブル420の負荷状況パラメータ421は、負荷状態に応じて複数のパラメータ値をとることができる。CLS管理サーバ120は、例えば、最大閾値が閾値0の場合は、負荷状況パラメータ421に通常状態を示す値「0」をセットし、最大閾値が閾値1の場合は、負荷上昇状態レベル1であることを示す値「1」をセットすることができ、閾値2および3についても同様に対応する値をセットすることができる。例えば上記例では、最大閾値が閾値2であるので、負荷状況パラメータ421には、負荷上昇状態レベル2を示す値「2」がセットされる。
【0074】
本実施形態では、図6の(c)、(d)に示されるように、負荷上昇状態のレベルに応じて、検索条件設定テーブル430に複数の条件式634〜637を定義し、更新間隔設定テーブル440に複数の更新間隔646〜649を定義することができる。例えば、管理者は、負荷上昇状態レベルが高いほど、より少ない条件式を設定し、より長い更新間隔を設定することができる。
【0075】
CLS管理サーバ120は、負荷状況パラメータ421の値に従って、通常状態の条件式634および負荷上昇状態レベル1〜3の条件式635〜637のうち、検索の実行に使用すべき条件式を決定し、通常状態の更新間隔646および負荷上昇状態レベル1〜3の更新間隔647〜649のうち、使用すべき更新間隔を決定する。例えば、上記例では、負荷状況パラメータ421の値が「2」であるので、負荷上昇状態レベル2の条件式636、および負荷上昇状態レベル2の更新間隔648を使用すると決定される。
【0076】
次に、図7および図8を参照して、本発明の第1および第2の実施形態にしたがって、自動更新を制限するための方法を説明する。
【0077】
CLS管理端末110は、図7のステップS702でユーザによって入力されたログイン情報を受信すると、ステップS704で、ログイン情報をCLS管理サーバ120に送信する。
【0078】
CLS管理サーバ120は、CLS管理端末110からログイン情報を受信すると、ステップS706で、負荷状況テーブル420を参照して負荷状況パラメータ421を取り出す。
【0079】
ステップS708で、CLS管理サーバ120は、負荷状況パラメータ421に従って、検索条件設定テーブル430内の複数の条件式の列(通常状態の条件式の列、ならびに1つまたは複数の負荷上昇状態の条件式の列)のうち、いずれの列の条件式を取り出すべきか決定し、検索条件設定テーブル430から、検索画面番号、検索条件番号、および決定された条件式を検索条件情報として取り出す。
【0080】
例えば、図5の例では、CLS管理サーバ120は、負荷状況パラメータ421が「0」のときは検索条件設定テーブル430の通常状態の条件式の列の条件式を、「1」のときは負荷上昇状態の条件式の列の条件式を取り出すべきであると決定する。図6の例では、CLS管理サーバ120は、負荷状況パラメータ421が「0」のときは検索条件設定テーブル430から通常状態の条件式の列の条件式を、「1」のときは負荷上昇状態レベル1の条件式の列の条件式を、「2」のときは負荷上昇状態レベル2の条件式の列の条件式を、「3」のときは負荷上昇状態レベル3の条件式の列の条件式をそれぞれ取り出すべきと決定する。CLS管理サーバ120は、次いで、検索条件設定テーブル430のユーザIDの列を読み込み、検索条件設定テーブル430の複数の行のうちログイン情報に含まれるユーザIDに合致する行を特定し、特定された行の検索画面番号、検索条件番号、および決定された列の条件式を検索条件情報として取り出す。
【0081】
ステップS710で、CLS管理サーバ120は、負荷状況パラメータ421に従って、更新間隔設定テーブル440内の複数の更新間隔の列(通常状態の更新間隔の列、ならびに1つまたは複数の負荷上昇状態の更新間隔の列)のうち、いずれの列の更新間隔設定を取り出すべきか決定し、更新間隔設定テーブル440から、設定番号、開始時間、終了時間、および決定された更新間隔設定を更新間隔設定情報として取り出す。
【0082】
例えば、図5の例では、CLS管理サーバ120は、負荷状況パラメータ421が「0」のときは更新間隔設定テーブル440の通常状態の更新間隔534の列の更新間隔設定を、「1」のときは負荷上昇状態の更新間隔535の列の更新間隔設定を取り出すべきであると決定する。図6の例では、CLS管理サーバ120は、負荷状況パラメータ421が「0」のときは更新間隔設定テーブル440から通常状態の更新間隔634の列の更新間隔設定を、「1」のときは負荷上昇状態レベル1の更新間隔635の列の更新間隔設定を、「2」のときは負荷上昇状態レベル2の更新間隔636の列の更新間隔設定を、そして「3」のときは負荷上昇状態レベル3の更新間隔637の列の更新間隔設定を取り出すべきであると決定する。次いで、CLS管理サーバ120は、更新間隔設定テーブル440のユーザIDの列(541、641)を読み込み、更新間隔設定テーブル440の複数の行のうち、ログイン情報に含まれるユーザIDに合致する行を特定する。次いで、特定された行の設定番号(542、642)、開始時間(543、643)、終了時間(543、643)、および決定された列の更新間隔設定を、更新間隔設定情報として取り出す。
【0083】
ステップS712で、CLS管理サーバ120は、検索条件情報と更新間隔設定情報とを含む設定パラメータを生成する。
【0084】
ステップS714で、CLS管理サーバ120は、ステップS712で生成された設定パラメータと、S706で取り出した負荷状況パラメータ421とを、CLS管理端末110に送信する。
【0085】
ステップS716で、CLS管理端末110は、CLS管理サーバ120から送信された設定パラメータおよび負荷状況パラメータ421を、それぞれ設定パラメータ450、負荷状況パラメータ460としてメモリ470に記憶する。処理は図8に続く。
【0086】
なお、図7のステップS702〜S716の処理は、初回ログイン時に行われる処理であり、したがって、CLS管理端末110が設定パラメータ450と負荷状況パラメータ460を保持している場合は、ステップS702〜S716の処理を行わなくてもよい。
【0087】
図8のステップS802で、CLS管理端末110は、メモリ470内の保持する設定パラメータ450および負荷状況パラメータ460をCLS管理サーバ120に送信して、検索要求を行う。例えば、CLS管理端末110は、設定パラメータ450の検索条件情報に基づいて各検索画面に検索条件の情報を表示し、ユーザによって検索が開始されると(各検索画面上の検索実行ボタンの押下など)、設定パラメータ450を含む検索要求をCLS管理サーバ120に送信する。
【0088】
CLS管理サーバ120は、CLS管理端末110から検索要求を受信すると、ステップS804で、負荷状況テーブル420を参照して負荷状況パラメータ421を取り出す。
【0089】
ステップS806で、CLS管理サーバ120は、負荷状況テーブル420内の負荷状況パラメータ421の値と、CLS管理端末から送信された負荷状況パラメータ460の値が一致するかどうか判断する。
【0090】
負荷状況パラメータ421と460が一致する場合は、CLS管理端末110に設定パラメータと負荷状況パラメータ421を前に提供したときのCLS管理サーバ120の負荷状態と、現在のCLS管理サーバ120の負荷状態が同じである。この場合、設定パラメータ450(検索条件情報の条件式、更新間隔設定情報の更新間隔)を変更する必要がなく、CLS管理端末110からの設定パラメータ450に従って検索を実行し、自動更新を行うことができる。したがって、負荷状況パラメータ421と460が一致するとき、処理はステップS820に進み、CLS管理サーバ120は、ステップS820で、CLS管理端末110から送信された設定パラメータ450の検索条件情報に合致する取引情報を取引情報DB122から取り出し、ステップS822で、該取り出された取引情報を検索結果としてCLS管理端末110に送信する。CLS管理端末110は、送信された取引情報を検索結果として各検索画面に表示することができる。処理は、ステップS824に進む。
【0091】
一方、負荷状況パラメータ421と460が一致しない場合は、CLS管理端末110に設定パラメータと負荷状況パラメータ421を前に提供したときのCLS管理サーバ120の負荷状態と、現在のCLS管理サーバ120の負荷状態が異なる。したがって、この場合、CLS管理サーバ120の現在の負荷状態に応じて、設定パラメータ450(検索条件情報の条件式、更新間隔設定情報の更新間隔設定)を変更する必要がある。処理はステップS808に進む。
【0092】
ステップS808で、CLS管理サーバ120はステップS708と同様に、負荷状況テーブル420の負荷状況パラメータ421に従って、検索条件設定テーブル430内の複数の条件式のうち検索の実行に使用すべき条件式を決定して、検索条件設定テーブル430から、検索画面番号と検索条件番号と決定された条件式とを含む検索条件情報を取り出す。
【0093】
ステップS810で、CLS管理サーバ120はステップS710と同様に、負荷状況テーブル420の負荷状況パラメータ421に従って、更新間隔設定テーブル440内の複数の更新間隔設定のうち使用すべき更新間隔設定を決定して、更新間隔設定テーブル440から、設定番号と開始時間と終了時間と決定された更新間隔設定とを含む更新間隔設定情報を取り出す。
【0094】
ステップS812で、CLS管理サーバ120は、取り出した検索条件情報と、更新間隔設定情報とから、設定パラメータを再生成する。
【0095】
ステップS814で、CLS管理サーバ120は、再生成された設定パラメータに従って検索を実行する。CLS管理サーバ120は、再生成された設定パラメータに含まれる検索条件情報に合致する取引情報を、取引情報DB122から取り出す。
【0096】
ステップS816で、CLS管理サーバ120は、取り出した取引情報を、再生成された設定パラメータおよび負荷状況パラメータ421とともにCLS管理端末110に送信する。CLS管理端末110は、送信された取引情報を検索結果として各検索画面に表示することができる。
【0097】
ステップS818で、CLS管理端末110は、メモリ470内の設定パラメータ450と負荷状況パラメータ460を、CLS管理サーバ120からの設定パラメータと負荷状況パラメータ421にそれぞれ置き換えて更新する。処理はステップS824に進む。
【0098】
ステップS824で、CLS管理端末110は、該CLS管理端末110が保持する設定パラメータ450で設定された更新間隔の間待機し、更新間隔の時間経過後、自動的にステップS802に戻って再び検索要求を行う。したがって、ステップS806で負荷状況パラメータ421と460が一致すると判断された場合は、CLS管理端末110は、前にCLS管理サーバ120から送信された設定パラメータ450の更新間隔設定情報で設定された更新間隔の間待機して、その後自動的に検索要求を行うことにより、検索結果の自動更新を行うことができる。ステップS806で負荷状況パラメータ421と460が一致しないと判断された場合は、現在の負荷状況パラメータ421に応じて再生成され、送信された設定パラメータ450の更新間隔設定情報で設定された更新間隔の間待機して、その後自動的に検索要求を行うことにより、検索結果の自動更新を行うことができる。自動更新が設定されているときは、ステップS802〜S824が繰り返される。
【0099】
したがって、本方法によると、CLS管理サーバ120の現在の負荷状態を示す負荷状況パラメータ421に対応する設定パラメータ450を使用するため、CLS管理サーバ120の現在の負荷状態に応じて、検索条件および更新間隔を制限することが可能になる。
【0100】
次に図9〜図12を参照して、本発明の第3の実施形態に係る自動更新の制限を説明する。
【0101】
図9は、本発明の第3の実施形態に係るCLS管理サーバ120およびCLS管理端末110の構成を示す図である。図10は、本発明の第3の実施形態に従って自動更新を制限するためのCLS管理サーバ120の各テーブルの構成を示す図である。
【0102】
第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、負荷判定の条件となる各指標のレベルに応じて各指標に対して複数の閾値(閾値の範囲)を定義し、複数の閾値に対応する複数の負荷上昇状態を定義する。したがって、本実施形態では、負荷判定条件テーブル410は、図10の(a)に示されるように、図6(a)の負荷判定条件テーブル410と同様に各指標1011に対して複数の閾値0〜3(1012〜1015)が定義され、負荷判定条件テーブル420の負荷状況パラメータ421は、負荷状態に応じて複数のパラメータ値(例えば「0」〜「3」)をとることができる。
【0103】
図9に図示されるように、第3の実施形態に係るCLS管理サーバ120は、ユーザ一覧テーブル910を備える。ユーザ一覧テーブル910は、図10の(e)に示されるように、各ユーザに関する情報を含むテーブルであり、負荷上昇状態に応じて各ユーザの自動更新を制限するために各ユーザに割り当てられた判定レベル911を含む。判定レベル911は、例えば、負荷上昇状態のレベルと同様に「0」〜「3」の値とすることができる。管理者は、例えば各ユーザの権限など、所定の優先度に従って各ユーザに判定レベル911を割り当てることができる。例えば、より重要なポストにあり、自動更新を制限すべきではないユーザには判定レベル「3」を割り当て、通常のユーザには、各ユーザの権限などに応じて判定レベル「0」〜「2」のいずれかを割り当てることができる。
【0104】
本実施形態では、負荷上昇状態のレベル、すなわち負荷状況パラメータ421の値と、各ユーザに割り当てられた判定レベル911とに基づいて自動更新の制限を行う。CLS管理端末110からユーザがログインすると、CLS管理サーバ120は、ユーザ一覧テーブル910から該ユーザに割り当てられた判定レベル911を特定し、該判定レベル911と負荷状況パラメータ421の値を比較し、判定レベル911の値が負荷状況パラメータ421の値より大きいか否かを判断する。判定レベル911の値が負荷状況パラメータ421の値より大きい場合(判定レベル911>負荷状況パラメータ421の場合)、該ユーザは自動更新の制限の対象とはならず、通常状態の条件式1034および通常状態の更新間隔1046を使用して検索が実行される。一方、判定レベル911の値が負荷状況パラメータ421の値と等しいかまたは小さい場合(判定レベル911≦負荷状況パラメータ421の場合)、該ユーザは自動更新の制限の対象となり、負荷上昇状態の条件式1035および負荷上昇状態の更新間隔1047を使用して検索が実行される。
【0105】
なお、図10の検索条件設定テーブル430および更新間隔設定テーブル440においては、各検索条件に対する負荷上昇状態の条件式、各設定に対する負荷上昇状態の更新間隔設定が、それぞれ1つのみ設定されているが、図6のように負荷上昇状態のレベルに応じて複数の条件式、更新間隔設定を設定することもできる。
【0106】
次に、図11および図12を参照して、本発明の第3の実施形態にしたがって自動更新を制限するための方法について説明する。
【0107】
図11のステップS1102で、CLS管理端末110がユーザIDを含むログイン情報を受信すると、CLS管理端末110は、ステップS1104でログイン情報をCLS管理サーバ120に送信する。CLS管理サーバ120は、CLS管理端末110からログイン情報を受信すると、ステップS1106で、負荷状況テーブル420を参照して負荷状況パラメータ421を取り出す。
【0108】
CLS管理サーバ120は、次いでステップS1108で、ユーザ一覧テーブル910を参照し、ログイン情報に含まれるユーザIDに基づいてユーザに割り当てられた判定レベル911を特定する。
【0109】
ステップS1110で、CLS管理サーバ120は、ユーザの判定レベル911と負荷状況パラメータ421の値を比較し、ユーザの判定レベル911が負荷状況パラメータ421の値より大きいかどうか判断する。
【0110】
ステップS1112で、CLS管理サーバ120は、ステップS1110の比較結果に基づいて、検索条件設定テーブル430内の複数の条件式の列(通常状態の条件式1034の列、および負荷上昇状態の条件式1035の列)のうち、いずれの列の条件式を取り出すべきか決定し、検索条件設定テーブル430から、検索画面番号1032、検索条件番号1033、および決定された条件式を検索条件情報として取り出す。
【0111】
CLS管理サーバ120は、ステップS1110でユーザの判定レベル911が負荷状況パラメータ421の値より大きい(判定レベル911>負荷状況パラメータ421)と判断したとき、検索条件設定テーブル430内の複数の条件式の列のうち通常状態の条件式1034の列の条件式を取り出すべきと判断して、検索条件設定テーブル430から、検索画面番号1032、検索条件番号1033、および通常状態の条件式1034を検索条件情報として取り出す。一方、ステップS1110でユーザの判定レベル911が負荷状況パラメータ421の値と等しいまたは小さい(判定レベル911≦負荷状況パラメータ421)と判断したとき、検索条件設定テーブル430内の複数の条件式の列のうち負荷上昇状態の条件式1035の列の条件式を取り出すべきと判断して、検索条件設定テーブル430から、検索画面番号1032、検索条件番号1033、および負荷上昇状態の条件式1035を検索条件情報として取り出す。
【0112】
次いで、ステップS1114で、CLS管理サーバ120は、ステップS1110の比較結果に基づいて、更新間隔設定テーブル440内の複数の更新間隔の列(通常状態の更新間隔1046の列、および負荷上昇状態の更新間隔1047の列)のうち、いずれの列の更新間隔設定を取り出すべきか決定し、更新間隔設定テーブル440から、設定番号1042、開始時間1043、終了時間1044、および決定された更新間隔設定を更新間隔設定情報として取り出す。
【0113】
CLS管理サーバ120は、ステップS1110でユーザの判定レベル911が負荷状況パラメータ421の値より大きい(判定レベル911>負荷状況パラメータ421)と判断したとき、更新間隔設定テーブル440内の数の更新間隔の列のうち通常状態の更新間隔1046の列の更新間隔設定を取り出すべきと判断して、更新間隔設定テーブル440から、設定番号1042、開始時間1043、終了時間1044、および通常状態の更新間隔設定1046を更新間隔設定情報として取り出す。一方、ステップS1110でユーザの判定レベル911が負荷状況パラメータ421の値と等しいまたは小さい(判定レベル911≦負荷状況パラメータ421)と判断したとき、更新間隔設定テーブル440内の数の更新間隔の列のうち負荷上昇状態の更新間隔1047の列の更新間隔設定を取り出すべきと判断して、更新間隔設定テーブル440から、設定番号1042、開始時間1043、終了時間1044、および負荷上昇状態の更新間隔設定1047を更新間隔設定情報として取り出す。
【0114】
ステップS1116〜S1120は、図7のステップS712〜S716と同様であり、CLS管理サーバ120は、検索条件情報と更新間隔設定情報とを含む設定パラメータを生成し(S1116)、設定パラメータと負荷状況パラメータ421とを、CLS管理端末110に送信する(S1118)。CLS管理端末110は、CLS管理サーバ120から送信された設定パラメータおよび負荷状況パラメータ421を、それぞれ設定パラメータ450、負荷状況パラメータ460としてメモリ470に保存する(S1120)。処理は図12に続く。なお、図11のステップS1102〜S1120の処理は、図7の処理と同様に初回ログイン時に行われる処理である。
【0115】
図12に移ると、ステップS1202で、CLS管理端末110が設定パラメータ450と負荷状況パラメータ460を送信することにより、CLS管理サーバ120に検索要求を行う。
【0116】
CLS管理サーバ120は、ステップS1204で負荷状況テーブル420の負荷状況パラメータ421を取り出し、ステップS1206でCLS管理端末110からの負荷状況パラメータ421と一致するかどうかを判断する。
【0117】
負荷状況パラメータ421と460が一致するとき、CLS管理端末110の設定パラメータ450を変更する必要がないため、処理はステップS1224に進む。ステップS1224〜S1228の処理は、図8のS820〜S822と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0118】
負荷状況パラメータ421と460が一致しないとき、処理はステップS1208に進み、CLS管理サーバ120は、ユーザ一覧テーブル910を参照し、ユーザに対して割り当てられた判定レベル911を特定する。
【0119】
ステップS1210で、CLS管理サーバ120は、ユーザの判定レベル911と負荷状況パラメータ421の値を比較し、ユーザの判定レベル911が負荷状況パラメータ421の値より大きいかどうか判断する。
【0120】
ステップS1212で、CLS管理サーバ120はステップS1112と同様に、ステップS1210の比較結果に基づいて、検索条件設定テーブル430内の複数の条件式の列(通常状態の条件式1034の列、および負荷上昇状態の条件式1035の列)のうち、いずれの列の条件式を取り出すべきか決定し、検索条件設定テーブル430から、検索画面番号1032と、検索条件番号1033と、1034または1035のいずれか決定された条件式とを検索条件情報として取り出す。
【0121】
次いで、ステップS1214で、CLS管理サーバ120はステップS1114と同様に、ステップS1210の比較結果に基づいて、更新間隔設定テーブル440内の複数の更新間隔の列(通常状態の更新間隔1046の列、および負荷上昇状態の更新間隔1047の列)のうち、いずれの列の更新間隔設定を取り出すべきか決定し、更新間隔設定テーブル440から、設定番号1042と、開始時間1043と、終了時間1044と、1046または1047のいずれか決定された更新間隔設定とを更新間隔設定情報として取り出す。
【0122】
CLS管理サーバ120は、図8のステップS812〜S814と同様に、検索条件情報と更新間隔設定情報とを含む設定パラメータを再生成し(ステップS1216)し、再生成された設定パラメータに従って検索を実行して(S1218)、検索結果を、再生成された設定パラメータおよび負荷状況パラメータ421とともにCLS管理端末110に送信する(S1220)。CLS管理端末110は、メモリ470内の設定パラメータ450と負荷状況パラメータ460を、それぞれ送信された設定パラメータと負荷状況パラメータ421で置き換える(S1222)。
【0123】
図8のステップS824と同様にCLS管理端末110は、メモリ470内に保持する設定パラメータ450で設定された更新間隔の間待機し(ステップS1228)、更新間隔の時間経過後、自動的にステップS1202に戻って再び検索要求を行う。自動更新が設定されているときは、ステップS802〜S824が繰り返される。
【0124】
したがって、本方法によると、CLS管理サーバ120の現在の負荷状態を示す負荷状況パラメータ421とユーザの判定レベル911とに対応する設定パラメータ450を使用するため、CLS管理サーバ120の負荷状態とユーザのレベルに応じて、検索条件および更新間隔を制限することが可能になる。
【符号の説明】
【0125】
100 銀行システム
110 CLS管理端末
120 CLS管理サーバ
122 取引情報データベース
124、430 検索条件設定テーブル
126、440 更新間隔設定テーブル
130 フロントシステム
140 CLSゲートウェイ
150 CLS銀行
200 設定画面
212 開始時間入力フィールド
214 終了時間入力フィールド
216、226 更新間隔入力フィールド
218、228 手動選択フィールド
410 負荷判定条件テーブル
420 負荷状況テーブル
421 負荷状況パラメータ
910 ユーザ一覧テーブル
911 判定レベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバ(120)の負荷状態に応じた取引情報検索の自動更新を可能にするための方法であって、前記管理サーバは、取引情報を含む取引情報データベースと、実行すべき検索条件式を指定する検索条件情報を含む検索条件設定テーブルと、検索結果の自動更新間隔を指定する更新間隔設定情報を含む更新間隔設定テーブルと、前記管理サーバの負荷状態を示す負荷状況パラメータを含む負荷状況テーブルとを備え、前記方法は、
管理サーバに接続された端末から、検索条件情報および更新間隔設定を含む第1の設定パラメータ(450)と第1の負荷状況パラメータ(460)とを含む検索要求を受信するステップ(S802)と、
前記検索要求内に含まれる前記第1の負荷状況パラメータの値と、前記負荷状況テーブル(420)内に格納される第2の負荷状況パラメータの値(421)とが一致するかどうかを判断するステップ(S806)と、
前記第1の負荷状況パラメータの値と前記第2の負荷状況パラメータの値が一致しないと判断したとき、
前記負荷状況テーブル内の前記第2の負荷状況パラメータの値に従って、前記検索条件設定テーブル内の少なくとも2つの検索条件式のうち検索の実行に使用すべき検索条件式を決定し、決定された検索条件式を含む検索条件情報を前記検索条件設定テーブルから取り出すステップと(S808)、
前記負荷状況テーブル内の前記第2の負荷状況パラメータの値に従って、前記更新間隔設定テーブル内の少なくとも2つの更新間隔設定のうち自動更新に使用すべき更新間隔設定を決定し、決定された更新間隔設定を含む更新間隔設定情報を前記更新間隔設定テーブルから取り出すステップ(S810)と、
前記検索条件情報と前記更新間隔設定情報とを含む第2の設定パラメータを生成するステップ(S812)と、
前記第2の設定パラメータの前記検索条件情報に合致する取引情報を前記取引情報データベースから取り出して、取り出された取引情報と、前記第2の設定パラメータと、前記負荷状況テーブルの前記第2の負荷状況パラメータとを前記端末に送信するステップ(S814、S816)と
を含むことを特徴とする方法(700、800)。
【請求項2】
前記管理サーバは、該管理サーバの負荷状態を判断する条件を定義する負荷判定条件テーブルをさらに備え、該負荷判定条件テーブルは、負荷状態を判断するために使用される複数の指標と、各指標に対して定義された閾値を含み、
前記複数の指標の少なくとも1つが該指標に対して定義された前記閾値を超えているかどうかを判断するステップと、
前記少なくとも1つの指標が前記閾値を超えているとき、前記管理サーバが負荷上昇状態にあることを示すように前記負荷状況テーブル内の前記負荷状況パラメータの値を更新するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検索条件設定テーブル内の少なくとも2つの検索条件式は、ユーザによって予め設定された第1の検索条件式と、該第1の検索条件式よりも条件が制限された第2の検索条件式とを含み、
前記負荷状況テーブル内の前記第2の負荷状況パラメータの値に従って、前記検索条件設定テーブル内の少なくとも2つの検索条件式のうち検索の実行に使用すべき検索条件式を決定することは、前記負荷状況テーブル内の前記第2の負荷状況パラメータの値が前記管理サーバの通常状態を示すとき、前記検索条件設定テーブル内の前記第1の検索条件式を使用すべきと決定し、前記負荷状況テーブル内の前記第2の負荷状況パラメータの値が前記管理サーバの負荷上昇状態を示すとき、前記検索条件設定テーブル内の前記第2の検索条件式を使用すべきと決定することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記更新間隔設定テーブル内の少なくとも2つの更新間隔設定は、ユーザによって予め設定された第1の更新間隔設定と、該第1の更新間隔設定よりも長い時間間隔が設定された第2の更新間隔設定とを含み、
前記負荷状況テーブル内の前記第2の負荷状況パラメータの値に従って、前記更新間隔設定テーブル内の少なくとも2つの更新間隔設定のうち自動更新に使用すべき更新間隔設定を決定することは、前記負荷状況テーブル内の前記第2の負荷状況パラメータの値が前記管理サーバの通常状態を示すとき、前記更新間隔設定テーブル内の前記第1の更新間隔設定を使用すべきと決定し、前記負荷状況テーブル内の前記第2の負荷状況パラメータの値が前記管理サーバの負荷上昇状態を示すとき、前記更新間隔設定テーブル内の前記第2の更新間隔設定を使用すべきと決定することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記検索要求を受信するステップの前に、検索条件情報と更新間隔設定情報とを含む前記第1の設定パラメータと前記第1の負荷状況パラメータとを前記端末に送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の負荷状況パラメータの値と前記第2の負荷状況パラメータの値が一致すると判断したとき、前記第1の設定パラメータの前記検索条件情報に合致する取引情報を前記取引情報データベースから取り出して、取り出された取引情報を検索結果として前記端末に送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の負荷状況パラメータの値と前記第2の負荷状況パラメータの値が一致しないと判断されたとき、前記端末が保持する前記第1の設定パラメータと前記第1の負荷状況パラメータは、前記第2の設定パラメータと前記第2の負荷状況パラメータによってそれぞれ置き換えられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の負荷状況パラメータの値と前記第2の負荷状況パラメータの値が一致しないと判断されたとき、前記取引情報と、前記第2の設定パラメータと、前記負荷状況テーブルの前記第2の負荷状況パラメータとを前記端末に送信するステップの後、前記第2の設定パラメータの前記更新間隔設定で設定された更新間隔の経過後に、前記端末から、前記第2の設定パラメータと前記第2の負荷状況パラメータによってそれぞれ置き換えられた前記第1の設定パラメータと前記第1の負荷状況パラメータを含む検索要求を受信するステップ(S802)をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の負荷状況パラメータの値と前記第2の負荷状況パラメータの値が一致すると判断されたとき、前記取引情報と、前記第2の設定パラメータと、前記負荷状況テーブルの前記第2の負荷状況パラメータとを前記端末に送信するステップの後、前記第2の設定パラメータの前記更新間隔設定で設定された更新間隔の経過後に、前記端末から、前記第2の設定パラメータと前記第2の負荷状況パラメータによってそれぞれ置き換えられた前記第1の設定パラメータと前記第1の負荷状況パラメータを含む検索要求を受信するステップ(S802)をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
管理サーバ(120)の負荷状態およびユーザに割り当てられたレベルに応じた取引情報検索の自動更新を可能にするための方法であって、前記管理サーバは、取引情報を含む取引情報データベースと、実行すべき検索条件式を指定する検索条件情報を含む検索条件設定テーブルと、検索結果の自動更新間隔を指定する更新間隔設定情報を含む更新間隔設定テーブルと、前記管理サーバの負荷状態を示す負荷状況パラメータを含む負荷状況テーブルと、各ユーザのユーザIDと各ユーザに割り当てられたレベルを示す判定レベルとを含むユーザ一覧テーブルとを備え、前記方法は、
前記管理サーバと接続された端末から、検索条件情報および更新間隔設定を含む第1の設定パラメータ(450)と第1の負荷状況パラメータ(460)とユーザIDとを含む検索要求を受信するステップ(S1202)と、
前記検索要求内に含まれる前記第1の負荷状況パラメータの値と、前記負荷状況テーブル(420)内に格納される第2の負荷状況パラメータの値(421)とが一致するかどうかを判断するステップ(S1206)と、
前記第1の負荷状況パラメータの値と前記第2の負荷状況パラメータの値が一致しないと判断したとき、
前記ユーザIDに基づいて、前記ユーザ一覧テーブル内でユーザに割り当てられた判例レベルを識別し、前記判定レベルと前記第1の負荷状況パラメータの値とを比較するステップ(S1208、S1210)と、
前記比較結果に基づいて、前記検索条件設定テーブル内の少なくとも2つの検索条件式のうち検索の実行に使用すべき検索条件式を決定し、決定された検索条件式を含む検索条件情報を前記検索条件設定テーブルから取り出すステップと(S1212)、
前記比較結果に基づいて、前記更新間隔設定テーブル内の少なくとも2つの更新間隔設定のうち自動更新に使用すべき更新間隔設定を決定し、決定された更新間隔設定を含む更新間隔設定情報を前記更新間隔設定テーブルから取り出すステップ(S1214)と、
前記検索条件情報と前記更新間隔設定情報とを含む第2の設定パラメータを生成するステップ(S1216)と、
前記第2の設定パラメータの前記検索条件情報に合致する取引情報を前記取引情報データベースから取り出して、取り出された取引情報と、前記第2の設定パラメータと、前記負荷状況テーブルの前記第2の負荷状況パラメータとを前記端末に送信するステップ(S1218、S1220)と
を含むことを特徴とする方法(1100、1200)。
【請求項11】
前記判定レベルと前記第1の負荷状況パラメータの値とを比較するステップは、
前記判定レベルと前記第1の負荷状況パラメータの値とを比較して、前記判定レベルが前記第1の負荷状況パラメータより大きいかどうかを判断することを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法(1100、1200)。
【請求項12】
前記検索条件設定テーブル内の少なくとも2つの検索条件式は、前記ユーザによって予め設定された第1の検索条件式と、該第1の検索条件式よりも条件が制限された第2の検索条件式とを含み、
前記比較結果に基づいて、検索の実行に使用すべき検索条件式を決定することは、前記判定レベルが前記第1の負荷状況パラメータの値より大きいとき、前記第1の検索条件式を使用すべきと決定し、前記判定レベルが前記第1の負荷状況パラメータと等しいか小さいとき、前記第2の検索条件式を使用すべきと決定することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記更新間隔設定テーブル内の少なくとも2つの更新間隔設定は、前記ユーザによって予め設定された第1の更新間隔設定と、該第1の更新間隔設定よりも長い時間間隔が設定された第2の更新間隔設定とを含み、
前記比較結果に基づいて、自動更新に使用すべき更新間隔設定を決定することは、前記判定レベルが前記第1の負荷状況パラメータの値より大きいとき、前記第1の更新間隔設定を使用すべきと決定し、前記判定レベルが前記第1の負荷状況パラメータと等しいか小さいとき、前記第2の更新間隔設定を使用すべきと決定することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
負荷状態に応じた取引情報検索の自動更新を可能にするための管理サーバであって、
取引情報を含む取引情報データベースと、
実行すべき検索条件式を指定する検索条件情報を含む検索条件設定テーブルと、
検索結果の自動更新間隔を指定する更新間隔設定情報を含む更新間隔設定テーブルと、
前記管理サーバの負荷状態を判定する条件を定義する負荷判定条件テーブルであって、前記管理サーバの負荷状態を判定するために使用される複数の指標と、各指標に対して定義された閾値を含む、負荷判定条件テーブルと、
前記負荷判定条件テーブルに定義される条件に従って前記管理サーバの負荷状態を示す負荷状況パラメータを含む負荷状況テーブルと
を備え、
前記複数の指標の少なくとも1つが該指標に対して定義された前記閾値を超えているかどうかを判断し、前記閾値を超えているとき、前記管理サーバが負荷上昇状態にあることを示すように前記負荷状況テーブル内の前記負荷状況パラメータの値を更新するように構成され、
該管理サーバと接続された端末から、検索条件情報および更新間隔設定を含む第1の設定パラメータと第1の負荷状況パラメータとを含む検索要求を受信すると、前記検索要求内に含まれる前記第1の負荷状況パラメータの値と、前記負荷状況テーブル内に格納される第2の負荷状況パラメータの値が一致するかどうかを判断し、一致しないとき、前記負荷状況テーブル内の前記第2の負荷状況パラメータの値に従って、前記検索条件設定テーブル内の少なくとも2つの検索条件式のうち検索の実行に使用すべき検索条件式および前記更新間隔設定テーブル内の少なくとも2つの更新間隔設定のうち自動更新に使用すべき更新間隔設定を決定し、前記決定された検索条件式を含む検索条件情報と前記決定された更新間隔設定を含む更新間隔設定情報とを含む第2の設定パラメータを生成し、前記取引情報データベースから取り出される前記第2の設定パラメータの前記検索条件情報に合致する取引情報と、前記第2の設定パラメータと、前記第2の負荷状況パラメータとを前記端末に送信するように構成されることを特徴とする管理サーバ。
【請求項15】
負荷状態とユーザに割り当てられたレベルに応じた取引情報検索の自動更新を可能にする管理サーバであって、
取引情報を含む取引情報データベースと、
実行すべき検索条件式を指定する検索条件情報を含む検索条件設定テーブルと、
検索結果の自動更新間隔を指定する更新間隔設定情報を含む更新間隔設定テーブルと、
前記管理サーバの負荷状態を判定する条件を定義する負荷判定条件テーブルであって、前記管理サーバの負荷状態を判定するために使用される複数の指標と、各指標に対して定義された閾値を含む、負荷判定条件テーブルと、
前記負荷判定条件テーブルに定義される条件に従って前記管理サーバの負荷状態を示す負荷状況パラメータを含む負荷状況テーブルと
各ユーザのユーザIDと各ユーザに割り当てられたレベルを示す判定レベルとを含むユーザ一覧テーブルと
を備え、
前記複数の指標の少なくとも1つが該指標に対して定義された前記閾値を超えているかどうかを判断し、前記閾値を超えているとき、前記管理サーバが負荷上昇状態にあることを示すように前記負荷状況テーブル内の前記負荷状況パラメータの値を更新するように構成され、
該管理サーバと接続される端末から、検索条件情報および更新間隔設定を含む第1の設定パラメータと第1の負荷状況パラメータとユーザIDとを含む検索要求を受信すると、前記検索要求内に含まれる前記第1の負荷状況パラメータの値と、前記負荷状況テーブル内に格納される第2の負荷状況パラメータの値とが一致するかどうか判断し、一致しないとき、前記ユーザIDに基づいて、前記ユーザ一覧テーブル内でユーザに割り当てられた判定レベルを識別し、前記判定レベルと前記第1の負荷状況パラメータの値とを比較し、比較結果に基づいて、前記検索条件設定テーブル内の少なくとも2つの検索条件式のうち検索の実行に使用すべき検索条件式と、前記更新間隔設定テーブル内の少なくとも2つの更新間隔設定のうち自動更新に使用すべき更新間隔設定とを決定して、該決定された検索条件式を含む検索条件情報と、該決定された更新間隔設定を含む更新間隔設定情報と含む第2の設定パラメータを生成し、前記取引情報データベースから取り出される前記第2の設定パラメータの前記検索条件情報に合致する取引情報と、前記第2の設定パラメータと、前記第2の負荷状況パラメータとを前記端末に送信するように構成されることを特徴とする管理サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−78965(P2012−78965A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221910(P2010−221910)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【出願人】(397077955)株式会社三井住友銀行 (120)
【Fターム(参考)】