説明

取引所為替証拠金取引における指定決済方法及び取引所為替証拠金取引システム

【課題】個人投資家等への経済的合理性の欠如を解消しつつ、自由度の高い指定決済を可能とする取引所為替証拠金取引における指定決済方法及び取引所為替証拠金取引システムを提供する。
【解決手段】本発明の取引所為替証拠金取引における指定決済方法は、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする決済要求に基づき、取引業者を通じて約定した注文者についての建玉として指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を、共通の価格で生成するステップと、指定された売り建玉と決済用買い建玉とをペアとし、かつ指定された買い建玉と決済用売り建玉とをペアとする決済処理を遂行するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国為替証拠金取引における指定決済方法及び外国為替証拠金取引システムに関し、より詳細には、取引所を通じた為替証拠金取引における指定決済方法及び為替証拠金取引システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、外国為替取引(FX)は、証拠金取引の登場により、個人投資家や機関投資家(以下「個人投資家等」という)の参加が促進され、外国為替市場が活発化している。個人投資家等は、外国為替取引を取扱う取引業者を介して外国為替取引を行うことができ、外国為替証拠金取引では、原則、差金決済により取引が終了する。
【0003】
差金決済は、決済期日を自動的に又は任意にロールオーバー(繰越し)することで先に延ばし、その間に未決済建玉(未決済ポジション)の反対売買を行うことで取引を相殺(ネッティング)し、その差額を清算して取引を終了させる。決済(損益の確定)の方式としては、FIFO(First In First Out)方式と指定決済方式とがあり、FIFO方式は、約定した売り/買い建玉を反対売買によって決済する際、売買の建玉の組み合せ(ペア)を指定せずに約定した日時の古い建玉順に決済をする。一方、指定決済方式は、現在までに保有している売り/買い建玉を任意に指定し、指定した売り/買い建玉に対応する決済注文(反対売買)を行う決済方式である(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
図15は、店頭為替証拠金取引を一例に従来の指定決済方式を示した図である。従来の指定決済方式は、個人投資家等が取引日当日前に取引して約定した売り/買い建玉と、取引日当日に取引する同一種類の通貨の売り/買い建玉とを指定して決済を行うことができる。図15の一例では、取引日当日が7月9日であり、取引日当日前の7月7日及び7月8日にそれぞれドル/円で100枚の買いを建てている(約定している)。このとき、個人投資家等は、7月7日又は7月8日のどちらか一方の買い建玉を指定した反対売買による指定決済(指定決済注文)を行うことができる。なお、FIFO方式では、個人投資家等が売りの決済注文(FIFO注文)を遂行すると、自動的に最も古い建玉として7月7日の買い建玉が選択されて決済が行われることになる。
【0005】
そして、図15に示すように、従来の店頭為替証拠金取引システムは、個人投資家等の顧客側に設けられた注文者端末300、取引業者が保有する取引業者サーバ200、及び取引業者と提携しているカバー先マーケットメーカー(インターバンク市場における銀行等の金融機関、以下、カバー先MMと称す)を含み、取引業者サーバ200は、カバー先MMから提示されるレートに基づいて為替取引レートを連続的に注文者端末300に提示し、注文者は、提示された取引日当日の実勢の為替取引レートに対する新規の買い/売りの注文や取引日当日前に約定した売り又は買いの建玉を任意に指定し、指定した売り又は買いの建玉に対応する指定決済注文を行うことができる。注文者端末300からの注文要求及び/又は決済要求を受信した取引業者サーバ200は、該注文要求及び/又は決済要求に応答してカバー先MMとの間で対応するカバー取引を行う(例えば、非特許文献2)。
【0006】
【非特許文献1】株式会社大阪為替倶楽部ホームページ,「お取引の手引き」の「指定決済」ページ,http://www.osaka-kawase.jp/B_tradeGuidance/B05_settlement.html
【非特許文献2】豊商事株式会社,e-Kawaseホームページ,「FXを始める」の「カバー先金融機関」ページ,https://www.e-kawase.com/service/finance.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、従来の店頭為替証拠金取引における指定決済方式は、現在保有している建玉を任意に指定し、該指定した建玉に対する決済注文による指定決済が可能であるものの、約定後の任意の売り建玉及び買い建玉を指定して決済を行うことができなかった。すなわち、決済対象となる売り/買い建玉のうちのいずれか一方の建玉が取引日当日に取引される建玉であって、かつ他方の指定された建玉に対する同一通貨ペアとしての決済注文による決済を行わなければならなかった。この既に約定した買い建玉及び売り建玉を任意に指定して決済することができない制限は、第1に、上記非特許文献2のように取引業者が個人投資家等からの決済申告に対してカバー先MMとの間で対応するカバー取引を行う必要があること、第2に、両建における個人投資家等に対する経済的合理性の欠如に起因する。
【0008】
従来の店頭為替証拠金取引は、取引所為替証拠金取引のように取引業者が個人投資家等の為替取引を公的な取引所に取り次ぐ取引形態ではなく、取引所を介さずに個人投資家等と金融機関であるカバー先MMとの相対的な為替取引(相対(あいたい)取引)を取引業者が取り次ぐ取引形態である。つまり、取引業者は、個人投資家等の注文、決済に対応する同様の為替取引をカバー先MMとの間で行っているため、常に変動する実勢の為替レートに対して迅速に損益を確定させ、未決済建玉に対するリスクヘッジを行っている。
【0009】
したがって、従来の店頭為替証拠金取引における指定決済方法では、損益の確定していない未決済建玉に対するリスクヘッジ、言い換えれば、為替レートの変動による未決済建玉の潜在的なリスクを回避するために、実勢の為替取引レートに則して売り建玉と買い建玉とを同時に保有する取引日当日でなければ、指定決済ができない制約を課している。
【0010】
一方、両建は、同一通貨の売り建玉及び買い建玉を同時に保有することであり、この同一通貨において両建玉を保有する状態は、利益と損失が相殺された状態(実勢の為替取引レートの影響を受けずに損益が確定した状態)である。しかしながら、この両建の売り建玉及び買い建玉は、互いをペアとする同一通貨の組み合わせとして決済することができず、各々個別に決済しなければならない。つまり、従来の店頭為替証拠金取引では、その決済時に、取引業者が各々の売り建玉及び買い建玉に対する2回のカバー取引(2回の決済注文)を行うことで、為替取引レートの変動によるリスクを回避している。そのため、個人投資家等は、取引手数料及びスプレッドを2倍負担することになる。また、スワップポイントも売り建玉及び買い建玉の両建玉に各々個別に発生し、支払/受け取りが生じる。このため、両建取引は、個人投資家等に対して経済的合理性が欠如する可能性が高く、個人投資家等に過度の負担を強いることになる。
【0011】
したがって、実勢の為替取引レートに則して売り建玉と買い建玉とを同時に保有する取引日当日でなければ指定決済ができない従来の制約がない場合、すなわち、既に約定した売り建玉及び買い建玉同士を任意に指定して決済が可能である場合、両建取引では、個人投資家等に対してスワップポイントの支払/受け取り額の差により逆ザヤが生じることになり、外国為替証拠金取引の安全性が損なわれ、健全な為替取引が維持できなくなる可能性がある。特に、取引日当日前に保有する同一通貨ペアの任意の売り建玉及び買い建玉を指定して決済が可能である場合、両建状態における経済的負担が大きくなる。
【0012】
このように従来の店頭為替証拠金取引では、取引業者のリスクヘッジ及び両建取引における個人投資家等への経済的非合理性の観点から、既に約定した売り建玉及び買い建玉を任意に指定した指定決済処理は、実現されていなかった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、個人投資家等への経済的合理性の欠如を解消しつつ、自由度の高い指定決済を可能とする取引所為替証拠金取引における指定決済方法及び取引所為替証拠金取引システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の1つの観点における指定決済方法は、為替証拠金取引について取引所に登録された取引業者を通じ、為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に基づく取引所為替証拠金取引を注文者に提供する取引所サーバと、取引所サーバにネットワークを介して接続可能な注文者の注文者端末と、により実現される取引所為替証拠金取引における指定決済方法であって、上記取引所サーバが、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする決済要求に基づき、取引業者を通じて約定した該注文者についての建玉として上記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び上記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を、共通の価格で生成するステップと、上記指定された売り建玉と上記決済用買い建玉とをペアとし、かつ上記指定された買い建玉と上記決済用売り建玉とをペアとする決済処理を遂行するステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の他の観点における指定決済方法は、取引所を通じた為替証拠金取引を提供する取引所サーバと、取引所サーバに提供される為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に対する注文者からの注文情報に基づいて、該取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバと、により実現される取引所為替証拠金取引における指定決済方法であって、上記取引業者サーバが、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき、上記取引所サーバに指定決済申請を送信するステップと、上記取引所サーバが、上記指定決済申請に応答して上記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び上記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を共通の価格で生成し、上記生成された共通の価格を有する決済用買い建玉及び決済用売り建玉についての約定情報を上記取引業者サーバに送信するステップと、上記取引業者サーバが、受信した約定情報に基づいて、上記指定された売り建玉と上記決済用買い建玉とをペアとし、かつ上記指定された買い建玉と上記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求を上記取引所サーバに送信するステップと、上記取引所サーバが、決済処理要求に応答して各ペアの決済処理を遂行するステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、上記指定決済方法において、上記取引所サーバが、為替取引レートにおけるビッドレート及びオファーレートに基づいて上記共通の価格を算出するステップ、をさらに含むことができる。
【0017】
また、上記価格を算出するステップは、為替取引レートにおけるビッドレート及びオファーレートの中間値を共通の価格として算出するように構成することができる。
【0018】
また、上記指定決済方法において、上記取引所サーバが、マーケットメーカーから提供される通貨に関するスワップポイント情報に基づいて、約定した売り建玉及び買い建玉に共通に適用されるスワップポイント値を算出するステップ、をさらに含むことができ、上記注文者が保有する同一通貨の売り建玉及び買い建玉の各々に対して、共通に適用されるスワップポイント値が適用されるように構成することができる。
【0019】
また、上記指定決済方法において、上記取引所サーバが、提供された為替取引レートに基づく注文者からの注文情報に応答して、又は注文情報に基づいて取引業者サーバから送信される注文申請に応答して、マーケットメーカーと取引業者との間の取引所を通じた為替取引処理を遂行するステップをさらに有し、上記取引所を通じた為替取引を遂行するステップは、マーケットメーカーと取引業者との間で約定した為替取引を、マーケットメーカーと取引所との間で約定した第1の取引、及び取引業者と取引所との間で約定した第2の取引の2つの独立した為替取引として処理する。さらに、取引所サーバは、第2の取引に基づく上記決済用買い建玉及び上記決済用売り建玉を生成し、第1の取引と独立した第2の取引における決済として上記決済処理を遂行するように構成することができる。
【0020】
また、本発明のさらに他の観点としての取引所為替証拠金取引システムは、為替証拠金取引について取引所に登録された取引業者を通じ、為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に基づく取引所為替証拠金取引を注文者に提供する取引所サーバと、取引所サーバにネットワークを介して接続可能な注文者の注文者端末と、を有する取引所為替証拠金取引システムであって、上記取引所サーバが、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする決済要求に基づき、取引業者を通じて約定した注文者についての建玉として上記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び上記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を、共通の価格で生成する決済処理部を有する。そして、上記決済処理部は、上記指定された売り建玉と上記決済用買い建玉とをペアとし、かつ上記指定された買い建玉と上記決済用売り建玉とをペアとする決済処理を遂行することを特徴とする。
【0021】
また、本発明のさらに他の観点としての取引所為替証拠金取引システムは、取引所を通じた為替証拠金取引を提供する取引所サーバと、取引所サーバに提供される為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に対する注文者からの注文情報に基づいて、該取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバと、を有する取引所為替証拠金取引システムであって、上記取引所サーバが、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき上記取引業者サーバから送信される指定決済申請に応答して、上記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び上記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を共通の価格で生成する決済処理部を有する。そして、上記決済処理部は、生成された決済用買い建玉及び決済用売り建玉に基づいて取引業者サーバから送信される上記指定された売り建玉と上記決済用買い建玉とをペアとし、かつ上記指定された買い建玉と上記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求に応答して、各ペアの決済処理を遂行することを特徴とする。
【0022】
また、上記取引所為替証拠金取引システムの取引所サーバは、マーケットメーカーから提供されるビッド/オファー情報を受信し、注文者に提供するための為替取引レートを生成する取引レート生成部を有することができ、上記決済処理部は、上記為替取引レートに基づいて共通の価格を算出するように構成することができる。
【0023】
また、上記決済処理部は、上記為替取引レートにおけるビッドレート及びオファーレートの中間値を上記共通の価格として算出するように構成することが可能である。
【0024】
また、上記取引所為替証拠金取引システムの取引所サーバは、マーケットメーカーから提供される通貨に関するスワップポイント情報に基づいて、売り建玉及び買い建玉に共通に適用されるスワップポイント値を算出するスワップポイント処理部、をさらに有することができ、上記前記注文者が保有する同一通貨の売り建玉及び買い建玉の各々に対して、前記共通に適用されるスワップポイント値が適用されるように構成することができる。
【0025】
また、上記取引所為替証拠金取引システムの取引所サーバは、上記注文情報に基づいてマーケットメーカーと取引業者との間の取引所を通じた為替取引処理を遂行する取引管理部をさらに有することができ、上記取引管理部は、マーケットメーカーと取引業者との間で約定した為替取引を、マーケットメーカーと取引所との間で約定した第1の取引、及び取引業者と取引所との間で約定した第2の取引の2つの独立した為替取引として処理することができる。そして、上記決済処理部は、第1の取引と独立した第2の取引における決済として上記決済処理を遂行するように構成することができる。
【0026】
また、上記取引所為替証拠金取引システムの取引業者サーバは、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき、上記取引所サーバに指定決済申請を送信する取引処理部を有するように構成することができる。そして、上記取引処理部は、生成された共通の価格を有する決済用買い建玉及び決済用売り建玉についての約定情報を上記取引所サーバから受信し、上記指定された売り建玉と上記決済用買い建玉とをペアとし、かつ上記指定された買い建玉と上記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求を上記取引所サーバに送信するように構成することができる。
【0027】
また、本発明のさらに他の観点としての取引所為替証拠金プログラムは、為替証拠金取引について取引所に登録された取引業者を通じ、為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に基づく取引所為替証拠金取引を注文者に提供する取引所サーバで実行されるプログラムであって、当該取引所サーバに、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする決済要求に基づき、取引業者を通じて約定した前記注文者についての建玉として上記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び上記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を、共通の価格で生成する機能と、上記指定された売り建玉と上記決済用買い建玉とをペアとし、かつ上記指定された買い建玉と上記決済用売り建玉とをペアとする決済処理を遂行する機能と、を実現させる。
【0028】
また、本発明のさらに他の観点としての取引所為替証拠金プログラムは、取引所を通じた為替証拠金取引を提供する取引所サーバで実行され、当該取引所サーバに提供される為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に対する注文者からの注文情報に基づいて該取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバを通じて実現される取引所為替証拠金取引プログラムであって、上記取引所サーバに、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき上記取引業者サーバから送信される指定決済申請に応答して、上記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び上記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を共通の価格で生成する機能と、生成された決済用買い建玉及び決済用売り建玉に基づいて上記取引業者サーバから送信される上記指定された売り建玉と上記決済用買い建玉とをペアとし、かつ上記指定された買い建玉と上記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求に応答して、各ペアの決済処理を遂行する機能と、を実現させる。
【0029】
また、本発明のさらに他の観点としてのプログラムは、取引所を通じた為替証拠金取引を提供する取引所サーバに提供される為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に対する注文者からの注文情報に基づいて、該取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバで実行されるプログラムであって、上取引業者サーバに、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき、上記取引所サーバに指定決済申請を送信する機能と、上記取引業者サーバから送信される指定決済申請に応答して上記取引所サーバにおいて生成された、上記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び上記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉であって、共通の価格を有する決済用買い建玉及び決済用売り建玉についての約定情報を受信する機能と、受信した約定情報に基づいて、上記指定された売り建玉と上記決済用買い建玉とをペアとし、かつ上記指定された買い建玉と上記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求を上記取引所サーバに送信する機能と、を実現させる。
【0030】
また、本発明のさらに他の観点としての取引所サーバは、為替証拠金取引について取引所に登録された取引業者を通じ、為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に基づく取引所為替証拠金取引を注文者に提供する取引所サーバであって、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする決済要求に基づき、取引業者を通じて約定した注文者についての建玉として上記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び上記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を、共通の価格で生成する決済処理部を備える。そして、上記決済処理部は、上記指定された売り建玉と上記決済用買い建玉とをペアとし、かつ上記指定された買い建玉と上記決済用売り建玉とをペアとする決済処理を遂行することを特徴とする。
【0031】
また、本発明のさらに他の観点としての取引所サーバは、注文者からの注文情報に基づいて取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバに対して、取引所為替証拠金取引を提供する取引所サーバであって、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき上記取引業者サーバから送信される指定決済申請に応答して、上記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び上記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を共通の価格で生成する決済処理部を有する。そして、上記決済処理部は、上記生成された決済用買い建玉及び決済用売り建玉に基づいて上記取引業者サーバから送信される上記指定された売り建玉と上記決済用買い建玉とをペアとし、かつ上記指定された買い建玉と上記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求に応答して、各ペアの決済処理を遂行することを特徴とする。
【0032】
また、本発明のさらに他の観点としての取引業者サーバは、取引所を通じた為替証拠金取引を提供する取引所サーバに提供される為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に対する注文者からの注文情報に基づいて、該取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバであって、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき、上記取引所サーバに指定決済申請を送信する取引処理部を有する。そして、上記取引処理部は、指定決済申請に応答して取引所サーバにおいて生成された、上記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び上記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉であって、共通の価格を有する決済用買い建玉及び決済用売り建玉についての約定情報を受信し、受信した約定情報に基づいて上記指定された売り建玉と上記決済用買い建玉とをペアとし、かつ上記指定された買い建玉と上記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求を上記取引所サーバに送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、従来の両建における経済的合理性の欠如を解消しつつ、約定した任意の建玉を指定して決済を行うことが可能な指定決済を提供することが可能となる。
【0034】
すなわち、指定された売り建玉及び買い建玉の各々に対して共通の価格を有する反対の買い建玉及び売り建玉を生成して決済処理を遂行するため、従来の店頭為替証拠金取引のようにカバー取引に伴う為替取引レートの変動リスクが排除され、約定した任意の建玉を指定して決済することが可能となる。さらに、共通の価格で指定された通貨ペアが決済されるため、両建における経済的合理性の欠如を好適に回避しつつ、健全性の高い為替証拠金取引を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明は、外国為替証拠金取引(通称、FX)における指定決済方法に関し、特に、従来の店頭為替証拠金取引における指定決済では実現し得なかった約定した売り建玉及び買い建玉(両建ポジション)同士を任意に指定して決済を行うことが可能な指定決済方法を提供する。
【0036】
そして、本発明の指定決済方法は、為替証拠金取引の公的な取引所を通じた取引所為替証拠金取引において実現され、以下、図面を参照しながら取引所為替証拠金取引における指定決済方法を一例に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0037】
<システム構成>
図1は、本発明を適用した取引所為替証拠金取引システム1のネットワーク構成図である。本実施形態の取引所為替証拠金取引システム1は、取引所為替証拠金取引についての取引所が保有する取引所中央サーバ110を含む取引所システム100と、該取引所システム100に所定の通信回線若しくはインターネット等の通信網を介して接続される複数の各取引業者が保有するサーバ200及び取引業者端末201と、個人投資家等の注文者が操作し、インターネット等の通信網を介して取引所システム100に接続する注文者端末300とを備える。そして、取引所システム100は、為替取引レートの値付け(建値)をするマーケットメーカー(銀行等の金融機関など)のマーケットメーカー端末(MM端末)400と所定の通信回線若しくはインターネット等の通信網を介して接続されている。
【0038】
取引所為替証拠金取引システム1は、複数のマーケットメーカーから提供されるビッド情報/オファー情報から1つの統合された為替取引レートを生成して注文者端末300に送信し、該取引所に登録された取引業者を介した取引所為替証拠金取引を個人投資家等の注文者に提供する。マーケットメーカー及び取引業者は、取引所に対して登録している銀行等及び取引仲介業者(取引参加者)であり、本実施形態の取引業者は、個人投資家等の注文者(顧客)から注文を受託して取引所為替証拠金取引を遂行する金融庁に登録された取引業者である。
【0039】
図2は、本実施形態の取引所システムの構成ブロック図であり、取引所中央サーバ110と、取引業者端末201及び注文者端末300が通信網を介して接続するFX用サーバ120と、MM端末400が通信網を介して接続するMM用サーバ130と、MM端末400、取引業者端末201及び個人投資家等の注文者端末300が取引所システム100に接続する際のアクセス認証を行う認証サーバ140で構成されている。
【0040】
取引所中央サーバ110は、取引所システム100内の各サーバ及びネットワークNを介した取引業者端末201、注文者端末300及びMM端末400との通信を行う通信制御部111と、取引業者端末201及び注文者端末300に対して外国為替証拠金取引を遂行するためのASP機能を提供するFX用サーバ120を管理するFX管理部112と、ビッド情報/オファー情報、スワップポイント情報等の情報を取引所システム100に提供するマーケットメーカーに対してASP機能を提供するMM用サーバ130を管理するMM管理部113と、FX用サーバ120のデータベース122に記憶される個人投資家等の顧客情報(個人情報、取引条件情報等)を管理する顧客管理部114と備えている。
【0041】
さらに、取引所中央サーバ110は、注文者端末300から送信される注文情報等を含む取引要求(売り/買い注文、決済申告など)に基づいて、外国為替証拠金取引に関する各種取引処理の管理・制御を行う取引管理部115と、複数のMM端末400からMM用サーバ130に送信されたビッド情報/オファー情報から統合された1つの為替取引レート情報を生成及び管理する取引レート管理部116と、複数のMM端末400からMM用サーバ130に送信された各通貨に関するスワップポイント情報を管理するスワップポイント管理部117と、注文者毎に取引情報(注文情報、注文履歴情報、建玉情報、約定情報、証拠金情報、入出金情報、相場情報、スワップポイント情報等)を記憶する取引所データベース118を備えている。また、本実施形態の取引管理部115は、決済処理部としての指定決済部115aを含み、外国為替取引における指定決済機能を提供する。この指定決済処理については、後述する。なお、本実施形態では、説明の便宜上、指定決済部115aが取引管理部115に含まれる形態で構成されているが、取引管理部115と個別に構成したり、取引管理部115が指定決済部115aの機能を担うように構成することも可能である。
【0042】
また、本実施形態の取引所為替証拠金取引システム1(取引所)は、この取引所為替証拠金取引に参加するFX用サーバ120のFX用データベース121に登録された取引業者(取引業者端末201)に対し、取引所取引における外国為替証拠金取引を遂行するためのASP機能を提供する。このFX用データベース121には、取引業者端末201及び注文者端末300に送信される画面プログラムなどの画面情報も記憶されている。
【0043】
FX用サーバ120は、取引業者及び取引業者に取引委託した各個人投資家(注文者)を一元的に管理するための顧客データベース122を有し、取引業者端末201がFX用サーバ120に接続した場合、取引委託して当該取引業者から取引を許諾された個人投資家等の顧客情報を入力するための入力画面等がFX用サーバ120から取引業者端末201に提供され、取引業者端末201の不図示のディスプレイ装置に表示される。取引業者は、表示された入力画面等に個人投資家等の顧客情報を入力し、画面を通じて入力された顧客情報は、取引所システム100に送信され、FX用サーバ120の顧客データベース122に記憶される。
【0044】
この顧客データベース122には、個人投資家等を一意に識別するためのコード(委託者コード、参加者コード等)や、個人投資家等の建玉情報、証拠金状況情報等の顧客取引情報が登録される。例えば、各個人投資家等毎に付与されるユーザコードとともに、参加者コード、ユーザ名、発注証拠金、取引所証拠金、売約定数量、買約定数量、売ポジション数量、買ポジション数量などが登録される。
【0045】
そして、本実施形態の複数の各取引業者が保有する取引業者端末201は、FX用サーバ120に接続することで、顧客データベース122に登録されている個人投資家等の氏名、メールアドレス、ログインのためのID及びパスワードなどの情報を取得することができる。つまり、ID及びパスワードの発行処理を始めとする注文者の登録及び取引処理などの主要な処理は、全て取引所システム100で一元的に管理・遂行されるようになっており、各取引業者は、個人投資家等の個人情報や証拠金情報、これらの情報に基づく取引条件等の情報を該取引所システム100に登録し、取引業者が個別に個人投資家等に対して取引についての機能を提供する必要はない。また、個人投資家等は、直接に取引所システム100(FX用サーバ120)に接続することで、委託した取引業者を介した取引所為替証拠金取引を遂行することができる。
【0046】
具体的には、取引業者を通じた取引所への登録により、取引所において注文者が一元管理され、該注文者は、取引業者との間の委託契約に基づき、注文者端末300から取引所システム100のFX用サーバ120に接続し、FX用サーバ120が提供するASP機能により取引所為替証拠金取引を遂行することができる。FX用サーバ120は、注文者端末300からの接続要求に応答して所定のログイン画面を提供し、注文者により入力されたIDとパスワードを用いて認証サーバ140による認証処理が行われる。認証処理の結果、取引所に登録された正当な注文者であると認証され、取引開始を許諾するに場合には、FX用サーバ120は、格納されている画面プログラムを注文者端末300に提供し、個人投資家等は、その表示画面を通じて注文、決済などの取引(注文指示、決済指示、出金指示等)、現在までの取引状況の閲覧(未約定の注文、未決済の建玉、注文履歴、約定履歴、証拠金状況、入金状況、入出金履歴、出金指示履歴等)、取引の各種設定登録を行うことができる。つまり、本実施形態のFX用サーバ120は、取引所中央サーバ110から提供されるマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に基づいて個人投資家等が注文した注文情報を受信し、受信した注文情報に基づいて取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバとして機能する。言い換えれば、FX用サーバ120は、注文者から注文情報を受信した取引業者が、取引所(取引所中央サーバ110)に対して注文等を行う取引業者サーバである。したがって、図2に示すように、FX用サーバ120は、取引処理部123を備え、この取引処理部123が、個人投資家等が要求する注文、決済などの取引要請を取引所中央サーバ110に出力(送信)し、取引所中央サーバ110との間の為替証拠金取引の取引処理を遂行する。
【0047】
MM用サーバ130は、各マーケットメーカーに関する情報を記憶するMMデータベース131を有しており、MM業者コード、MM業者名、連絡先等のMM業者情報が記憶されている。そして、MMデータベース131に登録されたマーケットメーカーは、そのMM端末400からMM用サーバ130に接続し、ビッド情報、オファー情報、スワップポイント情報等を取引所システム100に提供する。このとき、MM用サーバ130は、FX用サーバ120と同様に、ビッド情報等の入力又は送信するための画面プログラムをMM端末400に提供することができる。
【0048】
次に、本実施形態の取引所為替証拠金取引システム1の取引レート情報の生成処理について説明する。本実施形態の取引所為替証拠金取引システム1は、個人投資家等の注文者が、銀行等の複数のマーケットメーカーによって提供されるビッド(買気配値)及びオファー(売気配値)の中から最も自らにとって有利な価格で取引を行うことができる為替取引レートを提供する。
【0049】
具体的には、取引所中央サーバ110の取引レート管理部116は、各マーケットメーカーのMM端末400から送信されるビッド情報及びオファー情報の各建値と、該建値での取引可能な数量(買数量、売数量)とを受信し、マーケットメーカー別に各建値及び各取引可能数量をメモリ等の記憶装置に記憶する。
【0050】
そして、これら複数のビッド情報及びオファー情報の中からベストビッド(最も高い買気配値、すなわち各マーケットメーカーが提示する通貨買付けの希望価格(買気配値)のうちの最高値。言い換えれば、個人投資家等の注文者がこの買値で取引対象通貨を売付けることができる値)とベストオファー(最も安い売気配値、すなわち各マーケットメーカーが提示する通貨売付希望価格のうちの最低値。言い換えれば、個人投資家等の注文者がこの売値で取引対象通貨を買付けることができる値)を抽出し、抽出したべストビッド及びベストオファーを取引価格とする為替取引レートと該為替取引レートにて取引可能な買数量及び売数量とを直接各注文者端末300に送信する。
【0051】
例えば、マーケットメーカーAから108.53−63、マーケットメーカーBから108.50−60、マーケットメーカーCから108.53−59のUSD/JPYのビッド情報及びオファー情報が取引所システム100に送信された場合、取引レート管理部116は、ベストビッドとしてマーケットメーカーAが提示するビッド情報を抽出し、ベストオファーとしてマーケットメーカーCが提示するオファー情報を抽出する。その後、これらのベストビッド及びベストオファーで構成される為替取引レート108.53−59とこの為替取引レートでの取引可能数量とが各注文者端末300に送信されることになる。なお、マーケットメーカーA、B、Cから各ビッド情報/オファー情報を受信するタイミングは、同一ではないため、例えば、一定の時間内に提供されたビッド情報/オファー情報の中からベストビッド及びベストオファーを抽出するように構成したり、一度提供したベストビッド及びベストオファーに対し、マーケットメーカーA、B、Cからビッド情報/オファー情報を受信する度に、提供されているベストビッド及びベストオファーと比較して、ベストビッド/ベストオファーの一方又は両方をリアルタイムで更新するように構成してもよい。
【0052】
図3及び図4は、本実施形態の取引所為替証拠金取引システム1の処理フローを示した図である。
【0053】
まず、個人投資家等は、自身のコンピュータ(注文者端末300)から取引所為替証拠金取引を取扱う取引業者が保有するサーバ200に接続し、サーバ200が提供する所定の取引申込画面を通じて個人情報を登録するとともに、為替証拠金取引のための口座を開設する。サーバ200では、登録された個人情報に基づく与信審査を経て、個人投資家等の与信情報が取引条件に適合すると判断した場合、取引業者は、取引業者端末201から取引所システム100のFX用サーバ120に接続し、当該個人投資家等の顧客情報、口座開設情報等をFX用サーバ120に登録する。サーバ200は、例えば、取引業者が運営するWEBサイトを提供するWEBサーバである。
【0054】
取引所中央サーバ110の顧客管理部114は、取引業者端末201からFX用サーバ120への顧客情報登録処理に伴って、個人投資家等の個人情報、取引金額、各種取引条件を所定の基準と比較してチェックし、取引所に対する個人投資家等の登録処理を行う。そして、顧客管理部114は、顧客登録処理の登録完了後、認証サーバ140に対してID及びパスワードの発行要求を出力し、発行されたID及びパスワードは認証データベース141に登録される。発行されて登録されたIDとパスワードは、顧客管理部114又はFX管理部112によりFX用サーバ120の顧客データベース122に反映(格納)されるとともに、取引業者端末201に送信される。取引業者は、取引所システム100から取得したID、パスワード情報を注文者端末300に通知するとともに、必要な証拠金情報を含む口座開設通知等を行う。
【0055】
注文者端末300では、口座開設通知に対して必要な証拠金の入金処理を行う。取引業者は、取引業者端末201を通じて証拠金の入金確認処理を行い、取引所システム100のFX用サーバ120に確認した入金情報を送信する。取引所中央サーバ110の顧客管理部114は、受信した入金情報を顧客データベース122に格納する。取引所中央サーバ110の顧客管理部114は、FX用サーバ120の顧客データベース122への入金登録処理の完了後に、注文者端末300に対して直接に外国為替証拠金取引の開始許諾通知を行う。
【0056】
個人投資家等(注文者端末300)は、取引開始許諾に基づいて取引システム100にネットワークNを通じて直接接続すると(ステップS101)、取引所中央サーバ110のFX用サーバ120は、注文者端末300に所定のログイン画面を提供し、注文者は、取引業者を介して取得したID及びパスワードを用いてログインする。注文者端末300に表示されたログイン画面において入力されたID及びパスワードは、FX用サーバ120を経由して又は認証サーバ140に直接送信され、認証サーバ140において認証処理が遂行される(ステップS301)。
【0057】
認証処理後、顧客管理部114は、注文者端末300での外国為替取引を遂行するため取引開始処理を実行し、FX用サーバ120に対してFX用データベース121に格納されている所定の画面プログラムを注文者端末300に送信する命令を出力する。FX用サーバ120は、注文者端末300に当該画面用プログラムを送信する。
【0058】
注文者端末300には外国為替取引用の所定の画面が表示されるとともに、取引中央サーバ110は、為替取引レート情報(ベストビッド/ベストオファー)を注文者端末300にリアルタイムで提供する(ステップS302)。注文者端末300では、この所定の画面に表示されたリアルタイムに変動する為替取引レート情報(レート及びその取引可能数量)を参照し、所定の注文フォームから買い又は売りの注文情報を入力して取引所システム100に送信する。また、注文の変更や取り消し等についても、所定の変更/取り消しフォームから入力し、取引所システム100に送信する(ステップS102)。
【0059】
例えば、FX用サーバ120(取引処理部123)は、注文者端末300から注文情報を受信すると、取引管理部115に受信した注文情報を出力し(ステップS303)、取引管理部115は、該注文情報に含まれる詳細な情報(注文者が指定するビッドレートやオファーレート、取引数量等についての条件など)に基づいて、注文方式(単一注文、OCO注文、IfDone注文、IfDoneOCO注文、ストリーミング注文)を特定し、該注文方式及び注文者が指定するビッドレートやオファーレートに則った取引処理を遂行する。具体的には、取引管理部115は、受信した注文情報の受付処理、及び注文内容及びベストビッド値或いはベストオファーの値に従った注文の成否の決定、注文成立時における決済等の各種処理を行い(ステップS304)、これら処理結果をFX用サーバ120に送信する(ステップS305)。処理結果を受信したFX用サーバ120の取引処理部123は、処理結果に基づいて該当の個人投資家等の顧客データベース122に格納されたデータ(注文情報、建玉情報、約定情報等)を更新するとともに、当該処理結果を注文者端末300に送信する(ステップS306)。また、このとき取引管理部115は、これらの注文情報、取引結果情報などを取引データベース118に記憶する。
【0060】
なお、取引所システム100のFX用サーバ120における取引処理部123は、ステップS303において注文者端末300からの注文情報を受信した際、FX用サーバ120の顧客データベース122に登録されている顧客情報に基づく与信処理、例えば、注文内容が証拠金情報等に基づく取引条件と合致するかなどの与信処理を行うことができる。この与信処理の結果、注文者端末300から送信された注文情報が取引条件等に合致しない場合には、注文情報にエラー情報が含まれるとして、注文者端末300に対して注文情報エラー通知を送信する。例えば、証拠金及びレバレッジの関係等から設定される取引可能上限金額を超えている場合、その注文を受け付けないようにする。
【0061】
取引管理部115は、注文者の注文情報に対して取引が成立すると、ビッド情報又はオファー情報を提供した該当のマーケットメーカーと取引業者との間で取引を約定(成立)させ、約定情報、建玉情報等を取引所データベース118に格納する。そして、本実施形態の取引管理部115は、マーケットメーカーと取引業者との間で約定した為替取引を、マーケットメーカーと取引所との間で約定した第1の取引と取引業者と取引所との間で約定した第2の取引の2つの独立した為替取引として処理する。図5は、本実施形態の取引処理を説明した図であり、取引管理部115は、成立した1つの取引処理に対して独立した2つの取引処理を遂行し、注文者の注文指示により取引業者と複数のマーケットメーカーとの間において成立した取引所為替取引(丸付き文字3)を、取引成立と同時にマーケットメーカーと取引所との間の第1の取引(丸付き文字1)及び取引所と取引業者との間の第2の取引(丸付き文字2)の2つの取引に自動的に置き換え、取引業者及びマーケットメーカーの各取引当事者の取引の相手方を、すべて取引所に置き換えた取引として処理する。
【0062】
図6は、本実施形態の取引処理の処理フローを示したフローチャートであり、取引管理部115は、注文者端末300から注文情報に基づくFX用サーバ120(取引業者サーバ)から注文要請を受信すると(ステップS601)、取引レート管理部116から提供されるベストビッド(最適買い気配値)及びベストオファー(最適売り気配値)と、注文情報に含まれる取引レート(注文レート)とのマッチング処理を行い、注文成否の決定等を行う(ステップS602)。また、取引管理部115は、受信した注文情報を該当のユーザと対応付けて取引所データベース118に格納する(ステップS603)とともに、FX用サーバ120に注文成否の情報、すなわち、約定情報を送信(出力)する。FX用サーバ120の取引処理部123は、受信した約定情報に基づいて顧客データベース122を更新して、当該注文の成否を注文者端末300に送信する。
【0063】
ステップS602におけるマッチング処理の結果が取引の成立、つまり、約定した場合(ステップS604)、取引管理部115は、マーケットメーカーと取引業者との間で成立した取引情報を、取引所−マーケットメーカー間の第1の取引処理(ステップS605a)と、取引所−取引業者間の第2の取引処理(ステップS605b)とに分けて遂行し、2つ取引情報を各々取引所データベース118に格納する(ステップS606)。なお、本実施形態の取引処理は、取引の成立と同時に遂行してもよく、取引成立後に任意のタイミング(バッチ処理等)で遂行するように構成できる。また、2つの取引情報は、個別のテーブルに各々格納してもよい。
【0064】
このように本実施形態の取引所為替証拠金取引は、個人投資家等の注文者からの取引要請に対して成立した取引が、マーケットメーカーと取引所との間の第1の取引及び取引所と取引業者(注文者)との間の第2の取引の2つの独立した取引として処理及び管理される。このため、約定した取引は、取引業者又はマーケットメーカーを取引相手とするのではなく、取引所を取引相手として遂行することが可能となり、取引業者とマーケットメーカーとの間に直接の取引関係が存在しないことになる。
【0065】
次に、注文者は、注文者端末300から取引所システム(取引所)に送信した注文情報に基づく取引状況照会を行うことができる。後述する注文者端末300に表示された表示画面の所定の照会ボタンが注文者の操作によって押下されると(ステップS103)、注文者端末300から取引所システム100のFX用サーバ120に照会要求が送信される。FX用サーバ120は、注文者からの照会要求に基づいて取引所中央サーバ110に照会要請を出力する。取引所中央サーバ110の取引管理部115は、この照会要請に応答して取引所データベース118の注文情報テーブル、注文履歴テーブル、約定情報テーブル、証拠金情報テーブルから対応する各種のデータを抽出する取引状況取得処理を行い、例えば、建玉照会の要求が成された場合、建玉一覧情報(約定日、約定番号、商品、売買区分、建玉数量、約定価格等)を生成してFX用サーバ120に送信する。FX用サーバ120は、受信した建玉一覧情報を含む所定の画面(建玉一覧画面)を注文者端末300に送信する(ステップS307からS309)。また、取引管理部115は、その他に照会要求(照会要請)に基づいて、注文一覧情報(注文状況、注文方法、商品名、売買区分、執行条件、注文価格、注文数量、約定価格、約定数量、注文日時、注文受付番号等)、注文履歴情報、約定情報、証拠金情報等を生成して、FX用サーバ120を通じて注文者端末300に送信することができる。
【0066】
そして、本実施形態は、指定決済方式による決済機能を提供する。本実施形態の指定決済方式は、建玉一覧照会画面において表示された保有する(既に約定した)同一通貨ペアの売り建玉及び買い建玉同士を任意に指定し(ステップS104)、注文者が指定した売り建玉及び買い建玉を指定決済するための申告処理(建玉一覧照会画面の申告ボタンの押下等)を遂行することで、注文者端末300から取引所システム100のFX用サーバ120に指定決済要求が送信される(ステップS105)。注文者端末300から指定決済要求を受信したFX用サーバ120は、取引所中央サーバ110に指定決済申請を送信(出力)し、取引管理部115の指定決済部115aは、FX用サーバ120からの指定決済申請に基づいて本実施形態の指定決済処理を遂行し(ステップS310)、決済結果を取引所データベース118に格納するとともに、該決済結果が、FX用サーバ120を介して注文者端末300に送信される(ステップS311〜S312)。
【0067】
また、取引所システム100は、毎日の市場価格の変化(為替取引レートの変動)に伴い、個人投資家等が保有する建玉を取引所において決められた清算価格によって評価替えする値洗い処理を行う(ステップS313)。この値洗い処理は、取引所中央サーバ110の取引管理部115によって行われ、取引所データベース118から各種情報を取得して値洗い情報を生成し、また、取引所中央サーバ110のスワップポイント管理部117が、複数のマーケットメーカーのMM端末400から送信される売り建玉(売りポジション)、買い建玉(買いポジション)に関するスワップポイント情報(複数のマーケットメーカーから提供される通貨に関するスワップポイント情報)に基づいて、スワップポイント値を算出する処理を行う。この値洗い情報及びスワップポイントは、FX用サーバ120を介して注文者端末300に送信される(ステップS314、S315)。
【0068】
ここで、本実施形態のスワップポイント算出処理について、図7を参照して詳細に説明する。本実施形態のスワップポイント(金利差の受け渡し)の算出処理は、複数のマーケットメーカーが提供する売り建玉及び買い建玉の各々のスワップポイント情報を基に、売り建玉及び買い建玉の区別なしに共通に適用されるスワップポイント値、言い換えれば、売り建玉及び買い建玉の各々に共通して適用される同一のスワップポイント値を算出する。
【0069】
マーケットメーカーは、所定のタイミングで各MM端末400から取引所システム100に対して売り建玉及び買い建玉に関する情報と、この売り建玉及び買い建玉に関するスワップポイント情報とを送信する。取引所中央サーバ110のスワップポイント管理部117は、これらMM端末400から受信した売建玉及び買建玉に関する情報及びスワップポイント情報を、取引所データベース118のスワップポイントテーブル117Aに、各マーケットメーカーのビッド及びオファー情報別に記憶(登録)する。
【0070】
そして、スワップポイント管理部117は、登録した各マーケットメーカーが提示するスワップポイント情報のチェック処理を行い、不正なスワップポイント情報、例えば、一のマーケットメーカーが提示するスワップポイント情報が他のマーケットメーカーが提示するスワップポイント情報と著しく異なる値である場合や、取引対象通貨に対するスワップポイント情報が未登録(未送信)である場合などは、不正なスワップポイント情報として、MM端末400に問い合わせ通知を出力したり、再度、スワップポイント情報の送信を促す通知を行ったりする。
【0071】
スワップポイント管理部117は、スワップポイントテーブル117Aに登録された各マーケットメーカーの売り建玉及び買い建玉の各々に関する情報に基づいて、マーケットメーカー全体の売り/買いのポジションサイドを判別する。例えば、図7の表117Bに示すように、マーケットメーカー毎のビッドサイド及びオファーサイドのポジション情報を整理し、売り建玉及び買い建玉毎に合計建玉を算出し、合計建玉が多い方を全マーケットメーカーのポジションサイドと判別する。そして、判別されたポジションサイドのスワップポイント情報、図7の表117Bでは、各合計建玉が、売り建玉よりも買い建玉が多いので、全マーケットメーカーのポジションサイドを買いサイドとして判別する。
【0072】
このポジションサイドの判別結果に基づいて、判別された全マーケットメーカーのポジションサイドに関するスワップポイント情報の平均値を算出し、この平均値を売りポジション及び買いポジションの区別なく共通の(同一の)スワップポイント値として取引所データベース118に記憶し、該スワップポイント値をFX用サーバ120を介して、または各注文者端末300に直接送信する。
【0073】
<指定決済処理>
図8から図14は、本実施形態の取引所為替証拠金取引における指定決済方法を説明するための図であり、本実施形態の指定決済方法は、図15に示した従来の指定決済方法の制約、すなわち、既に約定した任意の売り建玉及び買い建玉を指定した決済ができない制約を排除するとともに、両建状態における経済的合理性の欠如を解消した指定決済機能を提供する。
【0074】
図8は、本実施形態の指定決済方法を示した説明図であり、同図に示すように、注文者が現在までに約定した未決済建玉の中から、任意の同一通貨ペアの売り建玉及び買い建玉を指定して決済を行う場合、注文者は、建玉一覧情報が表示された画面(図10参照)から任意の同一通貨ペアの売り建玉及び買い建玉を指定し、指定決済要求をFX用サーバ120に送信する。図8の例では、注文者が保有する同一通貨の売り建玉B及び買い建玉Cが指定され、FX用サーバ120に当該指定情報を含む指定決済要求が送信される。
【0075】
指定決済要求を受信したFX用サーバ120(取引処理部123)は、指定情報を参照して、指定された売り建玉B及び買い建玉Cの指定決済申請を取引所中央サーバ110に送信する。取引所中央サーバ110(指定決済部115a)は、FX用サーバ120から指定決済申請を受信すると、当該指定決済申請の承認処理を遂行し、承認OKの場合は、同一の決済価格(約定価格)を有する決済用建玉Aを生成する。このとき、決済用建玉Aは、マーケットメーカーが供給するビッド情報/オファー情報に基づく取引、言い換えれば、為替取引レートを値付けするマーケットメーカーから供給されるビッド情報/オファー情報に対する取引処理を行わずに、取引所側で上述した第2の取引に基づいて生成される建玉である。
【0076】
図8の例では、申請された売り建玉Bの反対売買の決済用買い建玉A1と、申請された買い建玉Cの反対売買の決済用売り建玉A2とを各々生成し、取引所データベース118に約定情報として格納するとともに、決済用買い建玉A1及び決済用売り建玉A2を含む決済用建玉Aの約定情報(建玉生成情報)をFX用サーバ120に送信する。
【0077】
そして、FX用サーバ120は、受信した約定情報に基づいて該当の注文者のデータ(顧客データベース122)を更新するとともに、指定された売り建玉Bと決済用買い建玉A1をペアとする決済処理要求1及び指定された買い建玉Cと決済用売り建玉A2をペアとする決済処理要求2を生成して、取引所中央サーバ110に送信する。
【0078】
取引所中央サーバ110は、決済処理要求1及び決済処理要求2を同時に又は個別に受信し、当該処理要求に応答した決済処理を遂行する。つまり、指定された売り建玉Bと決済用買い建玉A1をペアとする決済処理1及び指定された買い建玉Cと決済用売り建玉A2をペアとする決済処理2を遂行する。これら決済処理1、2により結果は、FX用サーバ120に送信され、FX用サーバ120の取引処理部123が、注文者端末300に処理結果を送信する。
【0079】
図9は、本実施形態の指定決済方法の処理フローを説明するためのフローチャートであり、当該指定決済処理は、指定決済部115aにより遂行される。また、図10から図13は、注文者端末300に表示される画面の一例を示す図であり、上述のように各画面は、FX用サーバ120により提供される。
【0080】
ここで、図10等に示した画面について説明する。注文者端末300に表示される為替証拠金取引画面GUは、取引商品(通貨)毎のベストオファー(買い気配値)及びベストビッド(売り気配値)、ベストオファーに対する取引可能数量(買数量)及びベストビッドに対する取引可能数量(売数量)などがリアルタイムで表示される為替取引レート情報表示欄GU1と、注文者端末300に表示可能な画面の項目が当該為替証拠金取引画面GUに対して固定的に表示される項目表示欄GU2と、項目表示欄GU2で選択された画面が表示される表示欄GU3とで構成されている。画面(表示)項目としては、「取引」や「照会」などがあり、図11の例では、注文者の操作により「照会」における「建玉一覧照会」が選択され、表示欄GU3に建玉一覧情報が表示されている。
【0081】
まず、注文者は、指定決済を遂行するに際し、為替証拠金取引画面GUの項目表示欄GU2の「建玉一覧照会」を選択する。注文者端末300は、該選択に対して建玉一覧照会要求をFX用サーバ120を介して取引所中央サーバ110に送信し、取引所中央サーバ110の取引管理部115は、この建玉一覧照会要求に応答して取引所データベース118の約定情報テーブルから対応する注文者の未決済建玉を抽出し、建玉一覧情報(約定日、約定番号、商品、売買区分、建玉数量、約定価格等)を生成して注文者端末300に送信する。なお、図10に示すように、表示欄GU3に表示される建玉一覧情報の各建玉には、各建玉を選択するためのチェック欄(チェックボックス)が設けられている。
【0082】
次に、建玉一覧情報が表示された表示欄GU3において、注文者は決済を希望する同一通貨の売り建玉及び買い建玉を指定する(対応するチェック欄をチェックする)。このとき、2つの建玉のみならず、2つ以上の複数の建玉を指定することが可能であり、図10の例では、2つの売り建玉と1つの買い建玉が指定されている。すなわち、本実施形態の指定決済方法は、保有する任意の同一通貨における売り建玉及び買い建玉のペアを注文者が指定するが、単に2つの売り建玉及び買い建玉同士を指定することのみならず、複数の売り建玉及び買い建玉を決済対象のペアとして指定することができる。言い換えれば、同一通貨における売り建玉及び買い建玉のペアには、売り建玉/買い建玉の1対1のペア、1対複数のペア、複数対1のペア、複数対複数のペアの各々のペアが含まれる。
【0083】
なお、この未決済建玉の指定において、同一通貨の売り建玉及び買い建玉のペアが指定されずに、異なる通貨(商品)の売り建玉及び買い建玉のペアが選択された場合は、当該画面制御において、指定決済ができない旨を表示したり、また、選択ができないように構成することが好ましい。
【0084】
その後、注文者は、チェックした後に表示欄GU3に表示された「建玉整理」ボタンを選択すると、表示欄GU3が図11のように遷移して指定決済する建玉(整理する建玉)の情報が表示される。また、指定された売り建玉及び買い建玉の建玉数量の合計が表示され、注文者は、売り建玉及び買い建玉の各合計数量の少ない方の合計数量を上限とする申請数量(決済数量)を任意に入力することができる。図11の例では、売り建玉及び買い建玉の各合計数量が300で同数であるため、300を上限とする申請数量を任意に入力することができる。なお、申請数量入力欄には、売り建玉及び買い建玉の各合計数量の少ない方の合計数量、又は売り建玉及び買い建玉の各合計数量が同数量である場合にはどちらか一方の合計数量をデフォルトの申請数量として入力された状態に表示させることも可能である。そして注文者は、表示欄GU3の「登録(指定決済申請)」ボタンを押下することにより、取引所に対して指定決済の申告(指定決済要求の送信)を行うことができる。これら画面は、FX用サーバ120が提供するASP機能の1つとして提供され、FX用サーバ120は、本実施形態の個別に約定した同一通貨ペアを任意に指定する機能を注文者に提供し、この指定する機能を通じて指定された売り建玉及び買い建玉に関する指定決済要求を注文者端末30から受信すると(ステップS9001)、FX用サーバ120が指定決済要求についての指定決済申請を取引所中央サーバ110(指定決済部115a)に送信する。
【0085】
指定決済部115aは、注文者端末300から指定決済要求、すなわち、FX用サーバ120からの指定決済申請を受信すると、以下の指定決済処理を遂行する。
【0086】
指定決済部115aは、まず、指定決済申請の承認処理を遂行し(ステップS9101)、承認処理がOKである場合に、取引所データベース118に格納された最新のベストビッド/ベストオファー、又は取引レート管理部116から最新のベストビッド/ベストオファーを取得し(ステップS9102)、取得したベストビッド及びベストオファーの中間値(仲値)を算出する(ステップS9103)。
【0087】
そして、指定決済部115aは、算出した中間値を決済価格として共通に有する反対の買い建玉及び売り建玉を生成し、取引所データベース118の約定情報テーブルに格納する。すなわち、指定決済部115aは、注文者によって指定された売り建玉に対して、同一通貨であって、決済価格として算出された中間値を有する決済用買い建玉を生成し、さらに該指定された買い建玉に対して、同一通貨であって、同様に決済価格として算出された中間値を有する決済用売り建玉を生成する(ステップS9104)。そして、生成した同一の決済価格を共通に有する決済用買い建玉及び決済用売り建玉を、当該注文者において約定された決済用建玉として取引所データベース118に格納し(ステップS9105)、生成された同一の決済価格を共通に有する決済用買い建玉及び決済用売り建玉の約定情報(建玉生成情報)をFX用サーバ120に送信する(ステップS9106)。
【0088】
ここで、上述のように本実施形態の取引処理は、マーケットメーカーと取引所との間の第1の取引及び取引所と取引業者(注文者)との間の第2の取引の2つの独立した取引として処理及び管理されるので、指定決済処理部115aは、指定された売り建玉及び買い建玉に各々に対し、第2の取引として共通の決済価格を有する反対の決済用買い建玉及び決済用売り建玉を各々生成している。言い換えれば、共通の決済価格を有する反対の決済用買い建玉及び売り建玉は、マーケットメーカーと取引業者との間の通常の取引処理ではなく、マーケットメーカーとの取引状態が存在しない取引所と取引業者との間の取引として処理(生成)される。
【0089】
その後、同一の決済価格を共通に有する決済用買い建玉及び決済用売り建玉の約定情報を受信したFX用サーバ120の取引処理部123は、約定情報に基づいて該当の注文者のデータ(顧客データベース122)を更新するとともに、指定された売り建玉と決済用買い建玉をペアとする決済処理要求及び指定された買い建玉と決済用売り建玉をペアとする決済処理要求の2つの要求を各々生成して、取引所中央サーバ110に送信する(ステップS9003)。
【0090】
取引所中央サーバ110の指定決済部115aは、これら決済処理要求を同時に又は個別に受信すると、指定された売り建玉と決済用買い建玉をペアとする決済処理及び指定された買い建玉と決済用売り建玉をペアとする決済処理を各々遂行する。このとき、当該決済処理は、第2の取引における決済処理として遂行される(ステップS9107)。つまり、上述の第1の取引(マーケットメーカー)と独立した第2の取引内の決済として決済処理を遂行する。なお、図10の例では、3つの建玉を指定した指定決済であるため、指定決済部115aは、2008年7月7日に約定した100枚の売り建玉に対して100枚の決済用買い建玉、2008年7月7日に約定した300枚の買い建玉に対して300の決済用売り建玉、及び2008年7月9日に約定した200枚の売り建玉に対して200枚の決済用買い建玉の3つの建玉を生成する。そして、この3つの建玉生成情報がFX用120に送信されると、FX用サーバ120は、指定された100枚の売り建玉と100枚の決済用買い建玉をペアとする第1決済処理要求、指定された300枚の買い建玉と300の決済用売り建玉をペアとする第2決済処理要求、及び指定された200枚の売り建玉と200枚の決済用買い建玉をペアとする第3決済処理要求を生成して、取引所中央サーバ110に送信する。これら3つの決済処理要求を受信した取引所中央サーバ110の指定決済部115aは、各決済処理要求の建玉ペアに基づく決済処理を遂行することになる。
【0091】
また、本実施形態では、上述のように決済する建玉数量を任意に指定することができる。具体的には、図11の例では、指定された売り建玉及び買い建玉の建玉数量の合計数量が同数量であり、申請数量入力欄に上限である300を入力して申請しているが、この申請数量を250として指定決済を行うことも可能である。この場合、注文者によって指定された売り建玉のうち、50枚の売り建玉は決済されず、また、注文者によって指定された買い建玉のうち、50の買い建玉は決済されない。すなわち、指定決済部115aは、指定された売り建玉及び買い建玉の各建玉数量の同数量(250枚)の決済用買い建玉及び決済用売り建玉を生成するとともに、残りの50枚の各建玉数量については、未決済建玉として処理し、250枚の各建玉数量について決済処理を遂行する。また、同様に、指定された売り建玉及び買い建玉の建玉数量の合計数量が異なる数量である場合、少ない方の合計数量を上限とする数量での決済処理が遂行され、例えば、図10の例において2008年7月7日に約定した売り建玉が注文者によって指定されなかった場合、買いの合計数量が300枚、売りの合計数量が200枚となり、200枚を上限とする指定決済が遂行される。このとき、2008年7月7日に約定した買い建玉の300枚のうち、100枚が未決済建玉として処理され、当該未決済建玉の買い建玉100枚を注文者が保有する建玉として建玉一覧情報を更新する。
【0092】
なお、本実施形態では、注文者による申請数量の入力の際に、画面制御において申請可能数量の上限を制限しているが、このような制御を行わずに指定決済部115a側で、FX用サーバ120からの指定決済要求に基づいて、指定された売り建玉及び買い建玉の各建玉数量をチェックし、売りの建玉数量と買いの建玉数量が同数量でない場合には、数量が少ない方の建玉数量を上限とする決済処理を遂行(数量が少ない方の建玉数量を上限とする数量の決済用買い建玉及び決済用売り建玉を生成)し、建玉数量が多い方の建玉についての差し引き建玉数量(図10の例では、300−200枚の買い建玉)分の未決済建玉として処理することが可能である。
【0093】
図12は、指定決済の申告後に表示欄GU3に約定履歴情報が表示された画面の一例であり、同図に示すように、指定決済の申告が取引所において受理され、指定決済処理が遂行されると、約定日を取引日当日、約定価格を指定決済申告時のベストビッド/ベストオファー(為替取引レート)の中間値とする取引が約定建玉(決済建玉)として、当該注文者に計上される。そして、図13に示す指定決済申告後の建玉一覧情報、すなわち、注文者が保有する未決済建玉情報には、図10において指定された建玉が指定決済によって決済されたために表示されず、図10において指定されていない未決済の建玉のみが表示されている(つまり、指定決済された建玉は、決済済み建玉として取引所データベース118で管理(格納)される)。
【0094】
そして、指定決済部115aにおける各決済処理の処理結果は、FX用サーバ120に送信され(ステップS9108)、FX用サーバ120の取引処理部123は、受信した処理結果を注文者端末300に送信する(ステップS9004)。
【0095】
なお、図9の処理フローにおいて、例えば、取引所データベース118を参照して、指定された未決済建玉が決済済みの建玉であるのかなどをチェックし、決済済みの建玉が指定されたために決済できない場合は、指定された建玉での決済ができない旨をFX用サーバ120に出力し、FX用サーバ120が表示欄GU3にこの旨の表示を行うための画面プログラムを生成又は抽出して注文者端末300に送信するように構成することもできる。
【0096】
このように本実施形態の指定決済処理は、生成する反対の買い建玉及び売り建玉(決済用建玉)が有する共通の決済価格を、取引所に供給される複数のマーケットメーカーのビッド/オファーに基づいて生成して決済時の実勢レートに則った決済価格を適用するとともに、建値をするマーケットメーカーの需要と供給の関係に基づく取引関係を有しない建玉の生成及び決済処理を遂行する。言い換えれば、建値をするマーケットメーカーの需要と供給の関係に基づく取引所市場と関係なく、上述の第2の取引関係に基づき、実勢レートに則した取引所と取引業者との間の決済処理を遂行する。
【0097】
特に、生成される反対の買い建玉及び売り建玉の各決済価格には、決済時の実勢レートの仲値が共通に(同値として)適用される。つまり、指定された売り建玉及び買い建玉の各々に対して同一の決済価格が適用され、また、スワップポイントについても、売り建玉及び買い建玉に共通に適用されるスワップポイント値が適用される。
【0098】
図14は、指定決済処理における損益及びスワップポイントの適用例を示す図であり、図14(a)は、上述の本実施形態において売り建玉及び買い建玉に共通に適用される日毎のスワップポイントの一例を示している。
【0099】
図14(b)は、図12で示した約定履歴をより詳細に示した図である。同図に示すように、決済のために指定された売り建玉及び買い建玉に対して、決済申告時の買い気配値106.02と売り気配値106.04の中間値(仲値)である106.03を約定価格(決済価格)として有する買い建玉及び売り建玉が約定している。ここで、各決済についての損益を計算すると、決済対象の建玉全てに同一の決済価格が適用されるため、最終的な損益は、指定された売り建玉の約定価格と及び買い建玉の約定価格との差額に各約定数量を乗算した値となる。例えば、図14(b)のユーロ/円における指定決済を一例に説明すると、売り建玉の損益=50×(167.85−168.30),買い建玉の損益=50×(168.30−168.05)となる。つまり、指定された未決済建玉の約定価格の差分(スプレッド)に約定数量を乗算した値=(168.05−167.85)×50が損益となる。したがって、本実施形態では、両建取引が成立した時点で損益が確定し、決済までの実勢レートの変動による損益が発生しない。
【0100】
一方、スワップポイントについても、上記決済価格と同様に売り建玉及び買い建玉の各々に共通な1つのスワップポイントが適用されるため、最終的なスワップポイントの差額は、両建数量の差分(売り数量−買い数量)×日々のスワップポイント値となる。特に、図14(b)のユーロ/円の一例では、同じ取引日に両建が行われ、かつ売り数量及び買い数量が同数であるため、両建数量の差分が0となり、決済時のスワップポイントの支払又は受け取りが発生しないことになる。したがって、同日、同数の両建取引の場合、これらを指定した決済を行う日までに、実勢レートの変動及びスワップポイントによる損益は発生しないことになる。
【0101】
このように本実施形態の指定決済方法は、従来の両建における経済的合理性の欠如を解消しつつ、既に約定した任意の建玉ペアを指定して決済することが可能な指定決済を提供することが可能となる。
【0102】
すなわち、従来の店頭為替証拠金取引において取引日当日前又は取引日当日の既に約定した同一通貨の任意の売り建玉及び買い建玉を指定可能な指定決済を適用しようとすると、カバー取引に伴う取引手数料の増加や為替取引レートの変動、売り建玉及び買い建玉毎に異なるスワップポイント値の適用などにより、個人投資家等に経済的な大きな負担を強いることになる。このため、従来は、既に約定した建玉ペアを指定した指定決済ができず、既に約定した建玉に対する同一通貨ペアとしての決済注文による決済を行わなければならなかった(通貨ペアとして指定された決済注文を行わなければならなかった)。しかしながら、本実施形態の取引所為替証拠金取引における指定決済方法は、決済日までの個人投資家等に対する経済的負担を極めて低くし、両建状態における実勢レートの変動リスク及びスワップポイントの差額負担がない。
【0103】
このため、安全性及び健全性の高い為替証拠金取引を確保しつつ、既に約定した任意の建玉を指定して決済することが可能な自由度の高い指定決済を提供することができる。
【0104】
また、本指定決済方法は、建値をするマーケットメーカーの需要と供給の関係に基づく取引所為替市場と関係なく、取引所と取引業者との間の第2の取引関係に基づき、当該取引所と取引業者との間で決済処理を遂行する。つまり、本実施形態の指定決済においてマーケットメーカーとの間の反対売買は行われない(行う必要がない)決済処理が成される。このため、マーケットメーカーが供給する売り買い取引が、決済における反対売買により阻害されることがなく、外国為替市場のマーケットの流動化が確保される。
【0105】
より具体的に説明すると、例えば、情勢の急激な変化によって、外国為替相場が急変した場合、建玉を保有する個人投資家等は、建玉を保有することによるリスクヘッジ及び早期の損益の確定のために、当該保有する建玉を決済しようとする。そして、従来のようにマーケットメーカーと取引相手とする反対売買による決済が集中すると、マーケットメーカーが供給する売り買いの取引が、決済における反対売買の取引によって吸収され、新規の売り買いの取引が阻害されることになる(マーケットの流動性が低下することなる)。これに対して、本実施形態の指定決済方法は、マーケットメーカーとの間の反対売買は行われない決済処理がなされるため、マーケットメーカーが供給する売り買いの取引が、決済における反対売買の取引によって吸収されることなく、マーケットの流動性を確保することができる。
【0106】
なお、本実施形態においても、従来の指定決済を行うことも可能であり、既に約定した取引日当日又は取引日当日前の過去の建玉を任意に指定し、指定した建玉に対する決済注文を行うことで決済処理が成される。また、本実施形態では、取引日当日に約定した両建取引、すなわち、取引日当日に各々個別の新規注文で約定した同一通貨の売り建玉及び買い建玉を任意に指定して決済を遂行することも可能であり、従来のように決済に際して同一通貨ペアを形成するための決済注文処理を遂行せずに、既に約定した建玉同士を任意に指定して決済を行うことができる。
【0107】
また、本実施形態では、個人投資家等によって指定された売り建玉及び買い建玉に対する反対の買い建玉及び売り建玉の決済価格を、実勢レート(ベストビッド/ベストオファー)に基づいて算出しているが、他の値に基づいて決済価格を算出(決定)してもよい。例えば、取引所における取引開始前の注文等が可能な時間帯(プレオープン)に個人投資家等が指定決済の申告を行った場合、前日の取引時間終了後に決定される清算価格(前日清算価格)を決済価格として適用することができる。この清算価格は、取引所為替証拠金取引における証拠金所要額を算出する(値洗いをする)ために、通貨ペア別に日々の取引時間終了後に取引所が決める価格であり、売り建玉及び買い建玉の各々に共通に適用される(つまり、1つの通貨ペア毎に1つの清算価格が算出される)。清算価格の算出例として、取引時間終了後に取引管理部115は、当該取引時間における最終の売り/買いの決済価格(終値)を取引所データベース118から取得し、売り/買いの各終値の中間値を清算価格として算出することができる。算出された清算価格は、取引所データベース118に格納される。
【0108】
また、通常の取引可能な時間帯(オープン)においてリアルタイムで供給されるビッド情報及びオファー情報が、システム障害やマーケットメーカーのビッド情報/オファー情報供給不能状態の発生によって、一時的にビッド/オファーが取引所に供給されない場合、個人投資家等に提示した、若しくはマーケットメーカーから供給された直近(直前)のビッド/オファーの仲値を算出し、決済価格として適用することもできる。
【0109】
すなわち、本実施形態の指定決済方法は、指定された建玉ペアに対して生成された反対の各買い建玉及び売り建玉に適用される共通の決済価格は、取引所における所定の取引可能時間内であれば、リアルタイムに供給される最新の為替取引レートにおけるビッドレート及びオファーレートの仲値、個人投資家等に提示した若しくはマーケットメーカーから供給された直近(直前)のビッドレート/オファーレートの仲値が適用(算出)され、取引時間外の注文等のみが可能な所定の時間帯(プレオープン時間内)では、前日の清算価格(前日の売り/買いの最終の取引におけるビッドレート及びオファーレートの中間値)が適用される(為替取引レートにおけるビッドレート及びオファーレートの中間値には、清算価格が含まれることになる)。なお、本実施形態では、実勢レートに則って為替取引レートにおけるビッドレート及びオファーレートの中間値を算出しているが、該中間値を共有の決済価格として適用しなくてもよい。すなわち、売り建玉及び買い建玉の各々に共通して適用される決済価格であればよい。
【0110】
また、本実施形態の取引所為替証拠金取引システムでは、取引所システム100に取引業者サーバとしてのFX用サーバ120が含まれた態様で構成されているが、このFX用120は、取引所システム100に含まれない態様で取引所為替証拠金取引システムを構成することも可能である。具体的には、取引業者のサーバ200を、FX用サーバ120が提供するASP機能及び取引処理部123の機能を具備するように構成し、注文者端末300は、サーバ200に注文情報を送信し、サーバ200が注文者の注文情報に基づいて、取引所システム100に注文申請を行うように構成することも可能である。つまり、取引所システム100(取引所中央サーバ110)との間で、FX用サーバ120が遂行する取引所為替証拠金取引の取引処理と同様の取引処理を遂行するように構成することで、FX用120を、取引所システム100に含まれない態様で構成することが可能である。また、FX用サーバ120(取引業者サーバ)の機能を、取引所中央サーバ110に含ませた態様で取引所為替証拠金取引システムを構成することも可能である。すなわち、取引管理部115が、注文者端末300からの注文要求や決済要求を受信すると、図8に示したFX用サーバ120の取引処理部123の処理を吸収した形で処理を遂行したり、また、FX用サーバ120の取引処理部123と同様の処理部を別途取引所中央サーバ110に設けて、取引管理部115と設けられた処理部との間で図8に示した指定決済処理を遂行するよう構成することもできる。
【0111】
言い換えれば、本実施形態の指定決済方法は、為替証拠金取引について取引所に登録された取引業者を通じ、為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に基づく取引所為替証拠金取引を注文者に提供する取引所中央サーバと、取引所中央サーバにネットワークを介して接続可能な注文者の注文者端末300と、により取引所為替証拠金取引システムを構成し、取引所中央サーバが、注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする決済要求に基づき、取引業者を通じて約定した注文者についての建玉として当該指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び当該指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を、共通の決済価格で生成するステップと、当該指定された売り建玉と決済用買い建玉とをペアとし、かつ当該指定された買い建玉及び前記決済用売り建玉のペアとする決済処理を遂行するステップと、を遂行するように構成することで実現可能である。
【0112】
また、図14に示すスワップポイントの損益(受け渡し/受け取り)を含む最終的な損益確定処理は、取引管理部115により遂行するように構成することができ、また、指定決済部115aが遂行するように構成することも可能である。具体的には、取引管理部115又は指定決済部115aは、指定決済処理により決済された建玉に対し、決済された建玉に適用されるスワップポイント情報を取引所データベース118から取得し、取得したスワップポイントを各建玉に適用して最終的な損益を算出することができる(図14(b)参照)。したがって、本実施形態の指定決済部115aは、共通の決済価格に基づく指定決済処理を遂行するとともに、共通に適用されるスワップポイントを用いた最終的な損益確定処理を含む決済処理を遂行することができる。
【0113】
以上、上記実施形態において、本発明の取引所為替証拠金取引における指定決済方法は、読込可能なコンピュータ(CPU)で実行され、指定決済方法の各機能を実行させるためのプログラムとして提供することも可能である。これらの各プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、又は所定の通信網又は通信回線を通じて提供することが可能であり、コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。
【0114】
また、上記実施形態における各サーバは、ハードウェア構成として上述以外にも、キーボード、マウス、スキャナー等の操作入力手段、液晶ディスプレイ等の表示手段、プリンタ、スピーカなどの出力手段、主記憶装置(メモリ)、補助記憶装置(ハードディスク等)等を備えることが可能であり、各端末においてもこれらの手段を備えることができる。各手段に制御は、サーバ又はコンピュータ全体の制御を司る制御手段(CPU)により遂行される。
【0115】
なお、本発明の詳細な説明では具体的な実施形態について説明したが、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で多様に変形できる。よって、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムのシステム構成図。
【図2】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムの取引所中央サーバの構成ブロック図。
【図3】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムの処理フローを説明するためのフローチャート図。
【図4】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムの処理フローを説明するための、図3に続くフローチャート図。
【図5】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムにおける取引処理を説明するための図。
【図6】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムにおける取引処理の処理フローを説明するためのフローチャート。
【図7】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムのスワップポイント処理を説明するための図。
【図8】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムにおける指定決済処理を説明するための図である。
【図9】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムにおける指定決済処理の処理フローを説明するための図。
【図10】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムにおける指定決済の画面を示す図。
【図11】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムにおける指定決済の画面を示す図。
【図12】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムにおける指定決済の画面を示す図。
【図13】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムにおける指定決済の画面を示す図。
【図14】本発明を適用した取引所為替証拠金取引システムにおける指定決済処理を説明するための図。
【図15】従来の店頭為替証拠金取引における指定決済方法を説明した図である。
【符号の説明】
【0117】
100 取引所システム
110 取引所中央サーバ
111 通信制御部
112 FX管理部
113 MM管理部
114 顧客管理部
115 取引管理部
115a 指定決済部
116 取引レート管理部
117 スワップポイント管理部
118 取引所データベース
120 FX用サーバ(取引業者サーバ)
121 FX用データベース
122 顧客データベース
123 取引処理部
130 MM用サーバ
200 サーバ
201 取引業者端末
300 注文者端末
400 マーケットメーカー端末(MM端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
為替証拠金取引について取引所に登録された取引業者を通じ、為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に基づく取引所為替証拠金取引を注文者に提供する取引所サーバと、前記取引所サーバにネットワークを介して接続可能な前記注文者の注文者端末と、により実現される取引所為替証拠金取引における指定決済方法であって、
前記取引所サーバが、
前記注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする決済要求に基づき、前記取引業者を通じて約定した前記注文者についての建玉として前記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び前記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を、共通の価格で生成するステップと、
前記指定された売り建玉と前記決済用買い建玉とをペアとし、かつ前記指定された買い建玉と前記決済用売り建玉とをペアとする決済処理を遂行するステップと、
を含むことを特徴とする取引所為替証拠金取引における指定決済方法。
【請求項2】
取引所を通じた為替証拠金取引を提供する取引所サーバと、前記取引所サーバに提供される為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に対する注文者からの注文情報に基づいて、該取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバと、により実現される取引所為替証拠金取引における指定決済方法であって、
前記取引業者サーバが、前記注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき、前記取引所サーバに指定決済申請を送信するステップと、
前記取引所サーバが、前記指定決済申請に応答して、前記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び前記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を共通の価格で生成し、前記生成された共通の価格を有する決済用買い建玉及び決済用売り建玉についての約定情報を前記取引業者サーバに送信するステップと、
前記取引業者サーバが、受信した前記約定情報に基づいて、前記指定された売り建玉と前記決済用買い建玉とをペアとし、かつ前記指定された買い建玉と前記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求を前記取引所サーバに送信するステップと、
前記取引所サーバが、前記決済処理要求に応答して各ペアの決済処理を遂行するステップと、
を含むことを特徴とする取引所為替証拠金取引における指定決済方法。
【請求項3】
前記取引所サーバが、前記為替取引レートにおけるビッドレート及びオファーレートに基づいて前記共通の価格を算出するステップ、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の取引所為替証拠金取引における指定決済方法。
【請求項4】
前記価格を算出するステップは、
前記為替取引レートにおけるビッドレート及びオファーレートの中間値を前記共通の価格として算出することを特徴とする請求項3に記載の取引所為替証拠金取引における指定決済方法。
【請求項5】
前記取引所サーバが、前記マーケットメーカーから提供される通貨に関するスワップポイント情報に基づいて、約定した売り建玉及び買い建玉に共通に適用されるスワップポイント値を算出するステップをさらに含み、
前記注文者が保有する同一通貨の売り建玉及び買い建玉の各々に対して、前記共通に適用されるスワップポイント値が適用されることを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載の取引所為替証拠金取引における指定決済方法。
【請求項6】
前記取引所サーバが、前記注文情報に基づいて前記取引業者サーバから送信される注文申請に応答して、前記マーケットメーカーと前記取引業者との間の取引所を通じた為替取引処理を遂行するステップをさらに有し、
前記取引所を通じた為替取引を遂行するステップは、
前記マーケットメーカーと前記取引業者との間で約定した為替取引を、前記マーケットメーカーと前記取引所との間で約定した第1の取引、及び前記取引業者と前記取引所との間で約定した第2の取引の2つの独立した為替取引として処理し、
前記取引所サーバが前記決済用買い建玉及び決済用売り建玉を共通の価格で生成し、前記約定情報を前記取引業者サーバに送信するステップは、前記第2の取引に基づく前記決済用買い建玉及び前記決済用売り建玉を生成し、
前記取引所サーバが決済処理を遂行するステップは、
前記第1の取引と独立した前記第2の取引における決済として前記決済処理を遂行することを特徴とする請求項2から5のいずれか1つに記載の取引所為替証拠金取引における指定決済方法。
【請求項7】
為替証拠金取引について取引所に登録された取引業者を通じ、為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に基づく取引所為替証拠金取引を注文者に提供する取引所サーバと、前記取引所サーバにネットワークを介して接続可能な前記注文者の注文者端末と、を有する取引所為替証拠金取引システムであって、
前記取引所サーバが、前記注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする決済要求に基づき、前記取引業者を通じて約定した前記注文者についての建玉として前記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び前記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を、共通の価格で生成する決済処理部を有し、
前記決済処理部は、前記指定された売り建玉と前記決済用買い建玉とをペアとし、かつ前記指定された買い建玉と前記決済用売り建玉とをペアとする決済処理を遂行することを特徴とする取引所為替証拠金取引システム。
【請求項8】
取引所を通じた為替証拠金取引を提供する取引所サーバと、前記取引所サーバに提供される為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に対する注文者からの注文情報に基づいて、該取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバと、を有する取引所為替証拠金取引システムであって、
前記取引所サーバが、前記注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき前記取引業者サーバから送信される指定決済申請に応答して、前記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び前記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を共通の価格で生成する決済処理部を有し、
前記決済処理部は、前記生成された決済用買い建玉及び決済用売り建玉に基づいて前記取引業者サーバから送信される前記指定された売り建玉と前記決済用買い建玉とをペアとし、かつ前記指定された買い建玉と前記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求に応答して、各ペアの決済処理を遂行することを特徴とする取引所為替証拠金取引システム。
【請求項9】
前記取引所サーバは、前記マーケットメーカーから提供される前記ビッド/オファー情報を受信し、前記注文者に提供するための為替取引レートを生成する取引レート生成部を有し、
前記決済処理部は、
前記為替取引レートに基づいて、前記共通の価格を算出することを特徴とする請求項8に記載の取引所為替証拠金取引システム。
【請求項10】
前記決済処理部は、
前記為替取引レートにおけるビッドレート及びオファーレートの中間値を前記共通の価格として算出することを特徴とする請求項9に記載の取引所為替証拠金取引システム。
【請求項11】
前記取引所サーバは、前記マーケットメーカーから提供される通貨に関するスワップポイント情報に基づいて、前記売り建玉及び買い建玉に共通に適用されるスワップポイント値を算出するスワップポイント処理部、をさらに有し、
前記注文者が保有する同一通貨の売り建玉及び買い建玉の各々に対して、前記共通に適用されるスワップポイント値が適用されることを特徴とする請求項8から10のいずれか1つに記載の取引所為替証拠金取引システム。
【請求項12】
前記取引所サーバは、前記注文情報に基づいて前記マーケットメーカーと前記取引業者との間の取引所を通じた為替取引処理を遂行する取引管理部をさらに有し、
前記取引管理部は、
前記マーケットメーカーと前記取引業者との間で約定した為替取引を、前記マーケットメーカーと前記取引所との間で約定した第1の取引、及び前記取引業者と前記取引所との間で約定した第2の取引の2つの独立した為替取引として処理し、
前記決済処理部は、
前記第1の取引と独立した前記第2の取引における決済として前記決済処理を遂行することを特徴とする請求項8から11のいずれか1つに記載の取引所為替証拠金取引システム。
【請求項13】
前記取引業者サーバは、
前記注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき、前記取引所サーバに指定決済申請を送信する取引処理部を有し、
前記取引処理部は、前記生成された共通の価格を有する決済用買い建玉及び決済用売り建玉についての約定情報を前記取引所サーバから受信し、前記指定された売り建玉と前記決済用買い建玉とをペアとし、かつ前記指定された買い建玉と前記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求を前記取引所サーバに送信することを特徴とする請求項8から12のいずれか1つに記載の取引所為替証拠金取引システム。
【請求項14】
為替証拠金取引について取引所に登録された取引業者を通じ、為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に基づく取引所為替証拠金取引を注文者に提供する取引所サーバで実行される取引所為替証拠金取引プログラムであって、前記取引所サーバに、
前記注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする決済要求に基づき、前記取引業者を通じて約定した前記注文者についての建玉として前記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び前記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を、共通の価格で生成する機能と、
前記指定された売り建玉と前記決済用買い建玉とをペアとし、かつ前記指定された買い建玉と前記決済用売り建玉とをペアとする決済処理を遂行する機能と、を実現させるためのプログラム。
【請求項15】
取引所を通じた為替証拠金取引を提供する取引所サーバで実行され、前記取引所サーバに提供される為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に対する注文者からの注文情報に基づいて該取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバを通じて実現される取引所為替証拠金取引プログラムであって、前記取引所サーバに、
前記注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき前記取引業者サーバから送信される指定決済申請に応答して、前記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び前記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を共通の価格で生成する機能と、
前記生成された決済用買い建玉及び決済用売り建玉に基づいて前記取引業者サーバから送信される前記指定された売り建玉と前記決済用買い建玉とをペアとし、かつ前記指定された買い建玉と前記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求に応答して、各ペアの決済処理を遂行する機能と、を実現させるためのプログラム。
【請求項16】
取引所を通じた為替証拠金取引を提供する取引所サーバに提供される為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に対する注文者からの注文情報に基づいて、該取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバで実行されるプログラムであって、前記取引業者サーバに、
前記注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき、前記取引所サーバに指定決済申請を送信する機能と、
前記取引業者サーバから送信される指定決済申請に応答して前記取引所サーバにおいて生成された、前記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び前記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉であって、共通の価格を有する決済用買い建玉及び決済用売り建玉についての約定情報を受信する機能と、
受信した前記約定情報に基づいて、前記指定された売り建玉と前記決済用買い建玉とをペアとし、かつ前記指定された買い建玉と前記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求を前記取引所サーバに送信する機能と、を実現させるためのプログラム。
【請求項17】
為替証拠金取引について取引所に登録された取引業者を通じ、為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に基づく取引所為替証拠金取引を注文者に提供する取引所サーバであって、
前記注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする決済要求に基づき、前記取引業者を通じて約定した前記注文者についての建玉として前記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び前記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を、共通の価格で生成する決済処理部を備え、
前記決済処理部は、前記指定された売り建玉と前記決済用買い建玉とをペアとし、かつ前記指定された買い建玉と前記決済用売り建玉とをペアとする決済処理を遂行することを特徴とする取引所サーバ。
【請求項18】
注文者からの注文情報に基づいて取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバに対して、取引所為替証拠金取引を提供する取引所サーバであって、
前記注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき前記取引業者サーバから送信される指定決済申請に応答して、前記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び前記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉を共通の価格で生成する決済処理部を有し、
前記決済処理部は、前記生成された決済用買い建玉及び決済用売り建玉に基づいて前記取引業者サーバから送信される前記指定された売り建玉と前記決済用買い建玉とをペアとし、かつ前記指定された買い建玉と前記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求に応答して、各ペアの決済処理を遂行することを特徴とする取引所サーバ。
【請求項19】
取引所を通じた為替証拠金取引を提供する取引所サーバに提供される為替取引レートの値付けをするマーケットメーカーからのビッド/オファー情報に対する注文者からの注文情報に基づいて、該取引所を通じた為替証拠金取引を遂行する取引業者サーバであって、
前記注文者により指定された該注文者が保有する任意の同一通貨の売り建玉及び買い建玉をペアとする該注文者からの決済要求に基づき、前記取引所サーバに指定決済申請を送信する取引処理部を有し、
前記取引処理部は、前記指定決済申請に応答して前記取引所サーバにおいて生成された、前記指定された売り建玉に対する同一通貨の決済用買い建玉及び前記指定された買い建玉に対する同一通貨の決済用売り建玉であって、共通の価格を有する決済用買い建玉及び決済用売り建玉についての約定情報を受信し、前記指定された売り建玉と前記決済用買い建玉とをペアとし、かつ前記指定された買い建玉と前記決済用売り建玉とをペアとする決済処理要求を前記取引所サーバに送信することを特徴とする取引業者サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−49416(P2010−49416A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212069(P2008−212069)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(501167611)株式会社東京金融取引所 (8)