説明

取引管理装置および取引管理方法

【課題】早期に取引を成立させること。
【解決手段】マッチング処理部15は、業者x、業者yが予め登録した、出品車両とこの出品車両との取引を希望する購買希望車両とが設定された複数の出品車両データの中から、1つの出品車両データに設定された購買希望車両の取引条件を満たす出品車両を含む出品車両データの組合せを抽出する。そして、抽出された出品車両データの組合せそれぞれに含まれる出品車両の状態の比較により出品車両データの組合せそれぞれに含まれる出品車両の差額を演算する。取引処理部16は、マッチング処理部15によって抽出された出品車両データを当該取引管理装置10に送信したクライアント装置それぞれに対し、差額を含む交換取引データを送信して出品車両の取引を成立させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は取引管理装置および取引管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等のネットワークを用いて、出品者および落札希望者間で商品を取引するシステムが知られている。例えば、ユーザから放出希望物品と取得希望物品を受け付け、放出希望物品と取得希望物品が整合するユーザの組合せを検索し、物々交換を仲介する技術が知られている。また、インターネット上の近似した商品を選択し、仲介する物品の見積価格を定める技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−6469号公報
【特許文献2】特開2005−100406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オークション等の取引では、オークションの事前にリストが配布される。落札希望者は、配布されたリストに基づいて、事前に欲しい商品を抽出することができる。
しかしながら、実際に取引が成立するのはオークション時であり、商品の抽出から実際の落札までにタイムラグが発生する。このため、取引の効率が悪いという問題があった。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、早期に取引を成立させる取引管理装置および取引管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、開示の取引管理装置が提供される。この取引管理装置は、抽出部と演算部と取引処理部とを有している。
抽出部は、利用者が予め登録した、出品する第1の商品とこの第1の商品との取引を希望する第2の商品とが設定された複数の商品データの中から、1つの商品データに設定された第2の商品の取引条件を満たす第1の商品を含む商品データの組合せを抽出する。
【0007】
演算部は、抽出部によって抽出された商品データの組合せそれぞれに含まれる第1の商品の状態の比較により商品データの組合せそれぞれに含まれる第1の商品の差額を演算する。
【0008】
取引処理部は、抽出部によって抽出された商品データを当該取引管理装置に送信した装置それぞれに対し、差額を含む交換取引データを送信して第1の商品の取引を成立させる。
【発明の効果】
【0009】
早期に取引を成立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態の取引管理システムを示す図である。
【図2】実施の形態の取引管理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
【図3】クライアント装置の機能を示すブロック図である。
【図4】出品車両データを作成する画面を示す図である。
【図5】出品車両データの一例を示す図である。
【図6】実施の形態の取引管理装置の機能を示すブロック図である。
【図7】出品車両管理データを示す図である。
【図8】差額データを示す図である。
【図9】会員データを示す図である。
【図10】マッチングデータの一例を示す図である。
【図11】マッチングデータを説明する図である。
【図12】マッチング管理データの一例を示す図である。
【図13】取引管理システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【図14】マッチング処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態の取引管理装置を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施の形態の取引管理システムを示す図である。
取引管理システム100は、中古車の交換取引を管理するシステムである。取引管理システム100では、取引管理装置10が、ネットワーク50を介してクライアント装置20a、20bに接続されている。取引管理装置10は、オークション主催会社が中古車のオークションを行うオークション会場31に設置されている。クライアント装置20aは、中古車販売業務を行うX社(利用者)の店舗32に設置されている。また、クライアント装置20bは、中古車販売業務を行うY社(利用者)の店舗33に設置されている。なお、取引管理装置10、およびクライアント装置20a、20bの設置箇所は一例であり、前述した箇所に限定されない。また、図1では2つのクライアント装置20a、20bを図示したが、取引管理装置10に接続されるクライアント装置の数は、特に限定されない。
【0012】
クライアント装置20a、20bには、それぞれオークションに出品する中古車に関するデータが記憶されている。オークションに中古車を出品する際、X社の業者xおよびY社の業者yは、取引管理装置10が定めたフォーマット等に出品する車両のデータを登録する。業者x、yは、車両のデータの登録時に、車両を交換することを希望する場合には、出品する車両に関するデータに、交換を希望する車両に関するデータを関連づけて登録する。以下、このデータを「出品車両データ」と言う。なお、出品車両データは、商品データの一例である。
【0013】
取引管理装置10は、クライアント装置20a、20bそれぞれから送信される出品車両データを用いて、交換可能な車両を抽出するマッチング処理を行う。そして、マッチング処理の処理結果をクライアント装置20a、20bに応答する。業者x、yが、応答された車両の交換に応じると、交換取引が仮成立し、その後の決済処理を経て交換取引が正式に成立する。以下、取引管理装置10およびクライアント装置20a、20bが実行する機能および処理を詳しく説明する。
【0014】
図2は、実施の形態の取引管理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
取引管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
【0015】
RAM102は、取引管理装置10の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に使用する各種データが格納される。
【0016】
バス108に接続されている周辺機器としては、ハードディスクドライブ103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、ドライブ装置106、および通信インタフェース107がある。
【0017】
ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ハードディスクドライブ103は、取引管理装置10の二次記憶装置として使用される。ハードディスクドライブ103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
【0018】
グラフィック処理装置104には、モニタ104aが接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ104aの画面に表示させる。モニタ104aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた液晶表示装置等が挙げられる。
【0019】
入力インタフェース105には、キーボード105aとマウス105bとが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード105aやマウス105bから送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス105bは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等が挙げられる。
【0020】
ドライブ装置106は、例えば、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された光ディスクや、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の持ち運び可能な記録媒体に記録されたデータの読み取りを行う。例えば、ドライブ装置106が光学ドライブ装置である場合、レーザ光等を利用して、光ディスク200に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク200には、Blu−ray(登録商標)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等が挙げられる。
【0021】
通信インタフェース107は、ネットワーク50に接続されている。通信インタフェース107は、ネットワーク50を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0022】
このようなハードウェア構成の取引管理装置10内には、以下のような機能が設けられる。なお、クライアント装置20a、20bのハードウェア構成も、取引管理装置10と同様のハードウェア構成で実現することができる。
【0023】
次に、クライアント装置20a、20bの機能を説明する。クライアント装置20a、20bが有する機能は同じであるため、代表してクライアント装置20aの機能を説明する。
【0024】
図3は、クライアント装置の機能を示すブロック図である。
クライアント装置20aは、出品車両データ作成部21と、マッチングデータ処理部22とを有している。
【0025】
出品車両データ作成部21は、出品車両データを作成する画面をクライアント装置20aに接続されたモニタ204aに表示する。
図4は、出品車両データを作成する画面を示す図である。
【0026】
図4に示すモニタ204aには、入力画面21aが表示されている。入力画面21aには、出品車両データ入力部211aと購買希望車両データ入力部212aが存在する。出品車両データ入力部211aは、出品する車両のデータを入力する部位である。出品車両データ入力部211aには、データを入力する項目として車種、色、希望価格、年式、評価点および走行距離が設定されている。各項目の横には選択ボタンが設定されており、業者xがクライアント装置20aに接続されたマウス等を用いて選択ボタンを押下することにより、それぞれの項目に応じたデータを選択することができる。なお、評価点の欄には、業者x等が評価した車両の内外装の程度や修理歴の有無等、車両の状態を示す値が用意されている。本実施の形態では、評価点が高い程、車両の状態がよいものとする。なお、設定する項目は、図示したものに限定されず、例えば、メーカー名、車両のグレード、装備、排気量、変速機の種別等が設定されていてもよい。
【0027】
購買希望車両データ入力部212aは、出品車両に対し交換を希望する車両のデータを入力する部位である。購買希望車両データ入力部212aには、データを入力する項目として希望区分、希望車種、希望色、希望年式、希望評価点、および希望走行距離が設定されている。これらの項目のうち、希望年式、希望評価点、および希望走行距離には、選択の幅(閾値)を指定するタブが設定されている。例えば、希望評価点であれば、4点+1点(すなわち4点〜5点)、また、希望走行距離であれば、1万km+1万km内(すなわち、1万km〜2万km)等の指定が可能である。タブを設定することにより、希望する車両をより見つけやすくすることができる。なお、希望区分には、交換を希望する優先度を示すデータの指定が可能である。第1希望が最も優先度が高く、第2希望、第3希望、・・・と数字が大きくなるにつれて優先度が低くなる。図4では第1希望が初期設定として表示されている。業者xが各項目を選択し、確定ボタン213aを押下すると、出品車両データ作成部21は、出品車両データを作成する。そして、作成した出品車両データをモニタ204aに表示する。
【0028】
図5は、出品車両データの一例を示す図である。
図5に示す出品車両データ211は、会員番号、出品車両、取引希望価格、走行距離、年式、評価点および購買希望車両の欄が設けられている。横方向に並べられたデータ同士が互いに関連づけられている。
【0029】
会員番号の欄には、会員であるA社を識別する番号が設定される。この会員番号は、取引管理装置10が作成し、クライアント装置20aに送信する。会員番号を受け取ったクライアント装置20aは、受け取った会員番号をHDD103に記憶しておき、出品車両データ作成部21が、出品車両データ211の作成時に参照する。
【0030】
出品車両の欄には、出品車両データ入力部211aで業者xが入力した車両名(例えば乗用車A)および車両の色が設定されている。なお、出品車両の欄に設定された車両名の車両は、第1の商品の一例である。
【0031】
取引希望価格の欄には、出品車両データ入力部211aで業者xが入力した出品車両の取引を希望する価格が設定されている。
走行距離の欄には、出品車両データ入力部211aで業者xが入力した出品車両の走行距離が設定されている。
【0032】
年式の欄には、出品車両データ入力部211aで業者xが入力した出品車両の年式が設定されている。
評価点の欄には、出品車両データ入力部211aで業者xが入力した出品車両の評価点が設定されている。
【0033】
購買希望車両の欄には、購買希望車両データ入力部212aで業者xが入力した項目が第1希望から優先順に設定されている。すなわち、乗用車Gが、第1希望であり、乗用車Dが第2希望であり、乗用車Bが第3希望である。なお、購買希望車両の欄に設定された車両名の車両は、第2の商品の一例である。
【0034】
また、モニタ204aには、次入力ボタン214aおよび送信ボタン215aが表示されている。次入力ボタン214aを押下すると、出品車両データ作成部21は、再び入力画面21aを表示する。業者xは、出品車両データ211に追加する出品車両および購買希望車両のデータ入力が可能となる。送信ボタンを押下すると、出品車両データ作成部21は、出品車両データ211を取引管理装置10に送信する。
【0035】
再び図3に戻って説明する。マッチングデータ処理部22は、取引管理装置10が行った処理の結果を示すマッチングデータを、クライアント装置20aに接続されたモニタ204aに表示する。なお、マッチングデータは、交換取引データの一例であり、後に詳述する。
【0036】
次に、取引管理装置10が有する機能を説明する。
図6は、実施の形態の取引管理装置の機能を示すブロック図である。
取引管理装置10は、出品車両データ受付部11と、出品車両管理データ格納部12と、マッチング条件格納部13と、会員データ格納部14と、マッチング処理部15と、取引処理部16と、マッチングデータ格納部17と、決済処理部18と、ログ格納部19とを有している。
【0037】
出品車両データ受付部11は、クライアント装置20a、20bが送信する出品車両データを受け付ける。そして、出品車両データ受付部11は、受け付けた出品車両データ211に出品番号を付加して出品車両管理データ格納部12に格納する。以下、出品車両データに出品番号を付加したデータを「出品車両管理データ」と言う。また、出品車両データ受付部11は、出品車両データ211を受け付けたことを示す受領通知を、出品番号とともに出品車両データを送信したクライアント装置20aまたはクライアント装置20bに送信する。
【0038】
出品車両管理データ格納部12は、出品車両データ受付部11が受け付けた出品車両管理データをテーブル化して記憶する。
マッチング条件格納部13は、出品車両と購買希望車両の条件に応じた差額を設定した差額データを格納する。この差額データは、マッチング処理にて使用する。
【0039】
会員データ格納部14は、会員に関するデータを格納する。
マッチング処理部15は、出品車両管理データ格納部12に記憶されている出品車両管理データおよびマッチング条件格納部13に格納されている差額データに基づいてマッチング処理を行い、マッチングデータを作成する。具体的には、マッチング処理部15は、出品車両データの購買希望車両の欄に設定されている車両の条件に近い順に交換条件を満たす購買希望車両を抽出することにより、マッチングデータを作成する。なお、マッチング処理は、例えば、予め決まった時間に行ってもよいし、有る程度の出品車両データが出品車両管理データ格納部12に格納された時点で行ってもよいし、出品車両データが出品車両管理データ格納部12に格納される度に行ってもよい。また、マッチング処理部15は、作成したマッチングデータを管理するデータ(マッチング管理データ)を作成する。そして、マッチング処理部15は、作成したマッチングデータおよびマッチング管理データをマッチングデータ格納部17に格納する。
【0040】
取引処理部16は、マッチング処理部15がマッチング処理を行うことにより作成したマッチングデータをクライアント装置20a、20bに送信する。そして、交換取引を成立させる処理を行う。また、取引処理部16は、決済処理が終了した通知を決済処理部18から受け取った時点で交換取引が成立した車両に関する出品車両管理データを、出品車両管理データ格納部12からログ格納部19に移動する。また、交換取引が成立した車両に関するマッチングデータおよびマッチング管理データをマッチングデータ格納部17から削除する。
【0041】
マッチングデータ格納部17には、マッチングデータおよびマッチング管理データが格納される。
決済処理部18は、車両の交換取引に伴う決済を処理する。
【0042】
ログ格納部19には、交換取引が成立した車両に関する出品車両管理データのログが格納される。
次に、出品車両管理データ格納部12に格納される出品車両管理データを説明する。
【0043】
図7は、出品車両管理データを示す図である。
図7に示す管理テーブル12aは、複数の出品車両管理データ121を管理している。出品車両管理データ121には、取引管理装置10が出品車両データを管理する固有の番号が設定された出品番号の欄がさらに設けられている。
【0044】
次に、マッチング条件格納部13に格納される差額データを説明する。
図8は、差額データを示す図である。
マッチング条件格納部13には、差額データがテーブル化されて格納されている。差額データ管理テーブル131には、項目、条件、金額の欄が設けられている。横方向に並べられたデータ同士が互いに関連づけられている。項目の欄には、車両の交換に伴い評価する項目が設定されている。図8では項目として、評価点、希望色、年式および走行距離が設定されている。条件の欄には、金額が変動すること、または金額が変動しないことを示す条件が設定されている。金額の欄には、条件の欄に記載された条件を満たすことにより金額が変動しないことを示す「減額なし」、または変動する金額が設定されている。
【0045】
例えば、1行目の項目「評価点」、条件「差分がマイナス」、金額「1点マイナスにつき−5万円」は、出品車両の評価点と購買希望車両の評価点の差分がマイナスである場合、その差分に応じて出品車両の取引希望価格から5万円を減算することを示している。また、2行目の項目「評価点」、条件「差分がプラス」、金額「減額なし」は、出品車両の評価点と購買希望車両の評価点の差分がプラスである場合、出品車両の取引希望価格からの減額がないことを示している。なお、図8に示す差額データ管理テーブル131の内容は一例であり、増額および減額の基準は、図示したものに限定されない。
【0046】
図9は、会員データを示す図である。
会員データ格納部14には、会員データがテーブル化されて格納されている。会員データ管理テーブル141には、会員番号、連絡先、会社名、口座番号の欄が設けられている。横方向に並べられたデータ同士が互いに関連づけられている。
【0047】
会員番号の欄には、会員であるX社またはY社を識別する番号が設定される。
連絡先の欄には、会員への連絡先(例えばメールアドレス等)が設定されている。この連絡先は、後述する受領通知および交換仮成立通知の連絡に用いられる。
【0048】
会社名の欄には、X社またはY社を取引管理装置の管理者が識別できるデータが設定される。
口座番号の欄には、会員の口座番号が設定されている。
【0049】
図10は、マッチングデータの一例を示す図である。
図10は、マッチングデータ処理部22がクライアント装置20aに接続されたモニタ204aに表示した2つのマッチングデータ151を図示している。各マッチングデータ151には、それぞれマッチ番号、会員番号、出品番号、出品車両、購買候補車両、受取額、支払額、申し込みおよび詳細の欄が設けられている。横方向に並べられたデータ同士が互いに関連づけられている。
【0050】
マッチ番号の欄には、マッチングデータを識別する番号が設定されている。
会員番号の欄には、業者xが作成した出品車両データ211に対応する出品車両管理データ121のうち、購買候補車両が存在した出品車両管理データ121の会員番号が設定されている。
【0051】
出品番号の欄には、業者xが作成した出品車両データ211に対応する出品車両管理データ121のうち、購買候補車両が存在した出品車両管理データ121の出品番号が設定されている。
【0052】
出品車両の欄には、業者xが作成した出品車両データ211に対応する出品車両管理データ121のうち、購買候補車両が存在した出品車両管理データ121の出品車両が設定されている。
【0053】
購買候補車両の欄には、業者xが作成した出品車両データ211に対応する出品車両管理データ121の購買候補車両の条件を満たす購買候補車両、すなわち、購買候補車両の条件を満たす業者yが作成した出品車両データの出品車両が設定されている。
【0054】
受取額の欄には、業者xが交換取引により受け取る金額が設定されている。
支払額の欄には、業者xが交換取引により支払う金額が設定されている。なお、受取額と支払額は各マッチングデータ151につきいずれか一方が設定される。
【0055】
申し込みの欄には、申し込みボタン151aが設定されている。業者xが申し込みボタン151aを押下することにより、出品車両の欄に表示された車両と、購買候補車両の欄に表示された車両との交換取引の申し込みが行われる。交換取引の申し込みが行われた場合、申し込みの欄には「済み」が表示される。
【0056】
詳細の欄には、詳細ボタン151bが設定されている。業者xが詳細ボタン151bを押下することにより、マッチング詳細データ152が表示される。
業者xは、マッチングデータ151を閲覧することにより、乗用車Aに関する出品車両データ211に含めた購買希望車両のうち、乗用車Gがマッチング処理により抽出されたことを確認することができる。また、乗用車Aと乗用車Gとの交換取引が成立することにより、業者xが19万円を受け取ることを確認することができる。
【0057】
次にマッチング詳細データ152を説明する。
図10に示すマッチング詳細データ152には、出品番号、会員番号、対比車両、取引希望価格、走行距離、色、年式、評価点の欄が設けられている。
【0058】
マッチング詳細データ152の1行目には、マッチングデータ151の出品車両に関して業者xが入力した出品車両データ211の項目が設定されている。マッチング詳細データ152の2行目には、マッチングデータ151の購買候補車両に関して業者yが入力した出品車両データ211の項目が設定されている。
【0059】
業者xは、マッチング詳細データ152を閲覧することにより、乗用車Aの出品車両データ211にて業者xが入力した乗用車Aに関する項目を確認することができる。また、業者xは、マッチング処理部15のマッチング処理により抽出された乗用車Gに関する項目を確認することができる。さらに、業者xは、どの項目でいくら差額が発生しているのかを確認することができる。例えば、図10に示す例では、乗用車Gについて業者yが設定した取引希望価格が130万円であり、乗用車Aについて業者xが設定した取引希望価格との比較により20万円の受け取り差額が生じていることを確認することができる。また、乗用車Gの走行距離は1万kmであり、マッチング処理部15が差額データ管理テーブル131に基づいて演算を行った結果、乗用車Aの走行距離との比較により5万円の支払い差額が生じていることを確認することができる。また、乗用車Gの色は黒であり、マッチング処理部15が差額データ管理テーブル131に基づいて比較を行った結果、差額が生じていないことを確認することができる。また、乗用車Gの年式は、平成19年式であり、マッチング処理部15が差額データ管理テーブル131に基づいて演算を行った結果、乗用車Aの年式との比較により5万円の受け取り差額が生じていることを確認することができる。また、乗用車Gの評価点は4点であり、マッチング処理部15が差額データ管理テーブル131に基づいて比較を行った結果、差額が生じていないことを確認することができる。また、取引額の欄には、乗用車Aと乗用車Gの支払い差額と受け取り差額の合計が設定されている。手数料の欄には、交換取引を確定させることによりオークション主催会社に支払う手数料が設定されている。図10では、手数料を取引額の5%に設定している例を示しているが、手数料は、オークション主催会社が任意の額に設定することができる。受取額の欄には、取引額から手数料を差し引いた額が設定されている。
【0060】
なお、1台の出品車両に対し、購買候補車両が複数抽出された場合は、業者xが設定した優先順を識別するデータを、マッチング処理部15が付加するようにしてもよい。そして、マッチングデータ処理部22が、業者xが設定した優先順を識別するデータをモニタ204aに表示するようにしてもよい。これにより、業者xは、希望した条件に近い購買候補車両を容易に把握することができる。業者xが設定した優先順を識別するデータをモニタ204aに表示する方法としては、例えば、マッチングデータ151の購買候補車両の表示色を変える方法や、業者xが購買希望車両データ入力部212aに入力した条件に近いデータから昇順にマッチング処理部15がマッチングデータ151を並べる方法等が挙げられる。
【0061】
また、1台の購買候補車両に対し、業者yが出品した出品車両が複数抽出された場合は、業者xが購買希望車両データ入力部212aに入力した条件との近さを識別するデータを、マッチング処理部15が付加するようにしてもよい。そして、マッチングデータ処理部22が、業者xが購買希望車両データ入力部212aに入力した条件との近さを識別するデータをモニタ204aに表示するようにしてもよい。これにより、業者xは、希望した条件に近い購買候補車両を容易に把握することができる。業者xが購買希望車両データ入力部212aに入力した条件との近さを識別するデータをモニタ204aに表示する方法としては、例えば、マッチングデータ151の購買候補車両の表示色を変える方法や、業者xが購買希望車両データ入力部212aに入力した条件に近いデータから昇順にマッチング処理部15がマッチングデータ151を並べる方法等が挙げられる。
【0062】
ところで、業者xにより申し込みボタン151aが押下されると、取引処理部16は、マッチングデータ151の購買候補車両の欄に記載された車両を出品した業者yに対し、マッチングデータを含む交換申し込み通知を送信する。
【0063】
図11は、マッチングデータを説明する図である。
クライアント装置20bに接続されたモニタ204bに表示されたマッチングデータ153を示している。マッチングデータ153は、業者yが出品した乗用車Gを基準としたデータである。このマッチングデータ153は、出品車両と購買候補車両がマッチングデータ151と逆となる。また、マッチング詳細データ154は、乗用車Gを基準とした乗用車Aとの取引額が表示される。業者yにより了解ボタン153aが押下されると、マッチングデータ処理部22は、マッチ番号「m00001」を含む交換了解通知を取引管理装置10に送信する。取引管理装置10が交換了解通知を受け取った時点で交換取引が仮成立する。
【0064】
図12は、マッチング管理データの一例を示す図である。
マッチングデータ格納部17には、マッチング管理データがテーブル化されて格納されている。
【0065】
マッチング管理テーブル171には、マッチ番号、マッチングデータの欄が設けられている。横方向に並べられたデータ同士が互いに関連づけられている。
マッチ番号の欄には、マッチ番号が格納される。
【0066】
マッチングデータの欄には、マッチングデータのデータ名が格納される。例えば、マッチングデータ「match1.txt」は、マッチングデータ151の内容、およびマッチング詳細データ152の内容を含む。
【0067】
次に、取引管理システム100の処理の一例を説明する。
図13は、取引管理システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
[シーケンスSeq1] 業者yが、クライアント装置20bに接続されたマウス等を用いて所定の操作を行うことにより、クライアント装置20bが有する出品車両データ作成部が、クライアント装置20bに接続されたモニタ204bに入力画面を表示する。
【0068】
業者yはモニタ204bに表示された入力画面を見ながら、出品車両データ211を入力する。業者yは、入力が終了すると、入力画面内の確定ボタンを押下する。確定ボタンの押下により、クライアント装置20bは、業者yが作成した出品車両データ211を取引管理装置10に送信する。
【0069】
[シーケンスSeq2] 取引管理装置10の出品車両データ受付部11は、出品車両データ211を受け付けると、受け付けた出品車両データ211に出品番号を付加して出品車両管理データ121を作成する。そして、出品車両データ受付部11は、作成した出品車両管理データ121を、出品車両管理データ格納部12に格納する。また、出品車両データ受付部11は、会員データ管理テーブル141を参照し、受け付けた出品車両データ211に含まれる会員番号に一致する会員番号の連絡先に、出品車両データ211を受信したことを示す受領通知メールを送信する。なお、受領通知メールには、出品車両データ211に付加した出品番号が含まれる。
【0070】
[シーケンスSeq3] クライアント装置20aは、業者xが作成した出品車両データ211を取引管理装置10に送信する。
[シーケンスSeq4] 取引管理装置10の出品車両データ受付部11は、出品車両データ211を受け付けると、受け付けた出品車両データ211に出品番号を付加して出品車両管理データ121を作成する。そして、出品車両データ受付部11は、作成した出品車両管理データ121を、出品車両管理データ格納部12に格納する。また、出品車両データ受付部11は、会員データ管理テーブル141の連絡先の欄を参照し、受け付けた出品車両データ211に含まれる会員番号に一致する会員番号の連絡先に、出品車両データ211を受信したことを示す受領通知メールを送信する。なお、受領通知メールには、、出品車両データ211に付加した出品番号が含まれる。
【0071】
[シーケンスSeq5] マッチング処理部15は、マッチング処理を行う。
[シーケンスSeq6] マッチング処理部15は、マッチング処理を行った結果、交換条件を満たす車両が存在すれば、マッチングデータおよびマッチング管理データを作成する。また、マッチング処理部15は、作成したマッチングデータおよびマッチング管理データをマッチングデータ格納部17に格納する。また、マッチング処理部15は、会員データ管理テーブル141を参照する。そして、マッチした組合せそれぞれの出品車両データ211に含まれる会員番号の連絡先に、作成したマッチングデータを送信する。この処理により、業者x、業者yそれぞれが作成した出品車両データ211に対するマッチングデータがクライアント装置20a、20bに送られる。以下、説明の便宜上、マッチングデータ151がクライアント装置20aに送られたものとする。
【0072】
[シーケンスSeq7] クライアント装置20aのマッチングデータ処理部22は、クライアント装置20aに接続されたモニタ204aに受け取ったマッチングデータ151を表示する。業者xにより申し込みボタン151aが押下されると、マッチングデータ処理部22は、申し込みボタン151aが押下されたマッチ番号「m00001」を含む交換申し込み要求を取引管理装置10に送信する。
【0073】
[シーケンスSeq8] 交換申し込み要求を受け取った取引管理装置10の取引処理部16は、交換申し込み要求に含まれるマッチ番号「m00001」に基づいて、マッチングデータ格納部17を参照することにより、マッチングデータ「match1.txt」を特定する。そして、特定したマッチングデータ「match1.txt」に基づきマッチングデータ153を作成し、マッチングデータ153を含む交換申し込み通知をクライアント装置20bに送信する。
【0074】
[シーケンスSeq9] クライアント装置20bが有するマッチングデータ処理部は、マッチングデータ153をモニタ204bに表示する。業者yにより了解ボタン153aが押下されると、マッチングデータ処理部22は、マッチ番号「m00001」を含む交換了解通知を取引管理装置10に送信する。
【0075】
[シーケンスSeq10] 取引管理装置10が交換了解通知を受け取った時点で交換取引が仮成立する。マッチ番号「m00001」を含む交換了解通知を受け取った取引管理装置10の取引処理部16は、会員データ管理テーブル141の連絡先の欄を参照し、マッチングデータに含まれる会員番号に一致する会員番号の連絡先に、乗用車Aと乗用車Gの交換仮成立通知メールを送信する。この交換仮成立通知メールには、例えば、決済処理申し込み内容が記載されたURL(Uniform Resource Locator)等が含まれている。
【0076】
[シーケンスSeq11] 業者xの操作により、クライアント装置20aが交換仮成立通知メールを開封すると、メーラ(図示せず)は、クライアント装置20aに接続されたモニタ204aに受け取った交換仮成立通知の内容を表示する。業者xが決済処理申し込み内容が記載されたURLにアクセスすると、クライアント装置20aが有するWebブラウザが起動し、マッチ番号「m00001」の決済処理申し込み内容を表示する。業者xが、決済処理を申し込むと、クライアント装置20は、決済処理要求を取引管理装置10に送信する。
【0077】
[シーケンスSeq12] 決済処理要求を受け取った取引管理装置10の決済処理部18は、会員データ管理テーブル141の口座番号の欄を参照し、Y社の指定した口座からマッチングデータ151の支払額を引き出し、オークション主催会社の口座に入金する。その後、会員データ管理テーブル141の口座番号の欄を参照し、X社の指定した口座にマッチングデータ153の受取額を払い込む。この処理により、オークション主催会社の口座に今回の交換取引に伴う手数料が残る。この時点で正式に交換取引が成立する。なお、決済処理の方法は一例である。
【0078】
[シーケンスSeq13] 決済処理部18は、マッチ番号「m00001」の交換取引が成立した旨を取引処理部16に通知する。取引処理部16は、マッチ番号「m00001」に対応する出品車両管理データ121を、出品車両管理データ格納部12から削除する。例えば本具体例では、1行目と4行目の出品車両管理データ121を、出品車両管理データ格納部12から削除する。決済処理が終了した通知を受け取った時点で交換取引が成立した車両に関するレコードを、出品車両管理データ格納部12からログ格納部19に移動する。また、交換取引が成立した車両に関するデータをマッチング管理テーブル171から削除する。また、取引処理部16は、マッチ番号「m00001」の交換取引の決済完了通知をクライアント装置20a、20bそれぞれに送信する。以上で図13の説明を終了する。
【0079】
なお、決済処理が完了した後に、オークション主催会社により書類部品等の受け渡し、名義変更、車両の引き渡しが行われる。
なお、図13では、業者x側から業者y側への交換申し込み要求があった場合を説明したが、業者y側から業者x側への交換申し込み要求があった場合も、図13と同様の処理が行われる。また、交換取引が成立しなかった出品車両管理データおよびマッチング処理により条件を満たす購買希望車両が存在しなかった出品車両管理データは、オークション主催会社が別途行うオークションにて使用される。
【0080】
次に、マッチング処理部15が実行するマッチング処理を、フローチャートを用いて説明する。
図14は、マッチング処理を示すフローチャートである。
【0081】
[ステップS1] マッチング処理部15は、マッチング処理に使用する差額記憶部を用意する。この差額記憶部は、RAM102の一部の記憶領域により実現できる。その後、ステップS2に遷移する。
【0082】
[ステップS2] マッチング処理部15は、出品車両管理データ格納部12に格納されている出品車両管理データ121を1つ選択する。その後、ステップS3に遷移する。
[ステップS3] マッチング処理部15は、ステップS2にて選択した出品車両管理データ121の購買希望車両を1つ選択する。その後、ステップS4に遷移する。
【0083】
[ステップS4] マッチング処理部15は、出品車両管理データ格納部12に格納されている出品車両管理データ121のうち、ステップS3にて選択した購買希望車両に一致する出品車両を備える出品車両管理データ121が存在するか否かを判断する。ステップS3にて選択した購買希望車両に一致する出品車両を備える出品車両管理データ121が存在する場合(ステップS4のYes)、一致する出品車両管理データ121を抽出し、ステップS5に遷移する。ステップS2にて選択した購買希望車両に一致する出品車両を備える出品車両管理データ121が存在しない場合(ステップS4のNo)、ステップS14に遷移する。
【0084】
[ステップS5] マッチング処理部15は、ステップS4にて抽出した出品車両管理データ121の評価点の欄を参照する。そして、参照した評価点が、ステップS3にて選択した購買希望車両の評価点の条件内か否かを判断する。参照した評価点が、ステップS3にて選択した購買希望車両の評価点の条件内である場合(ステップS5のYes)、ステップS6に遷移する。参照した評価点が、ステップS3にて選択した購買希望車両の評価点の条件内ではない場合(ステップS5のNo)、ステップS14に遷移する。
【0085】
[ステップS6] マッチング処理部15は、ステップS3にて選択した購買希望車両の評価点からステップS5にて抽出した出品車両管理データ121の評価点の欄に設定された評価点を減算することにより評価点の差分を演算する。そして、マッチング処理部15は、マッチング条件格納部13に格納された差額データ管理テーブル131の項目「評価点」の条件および金額を参照する。そして、マッチング処理部15は、条件の欄に設定された条件に従って差額を算出する。マッチング処理部15は、算出した差額およびそれぞれの評価点を差額記憶部に記憶する。その後、ステップS7に遷移する。
【0086】
[ステップS7] マッチング処理部15は、ステップS4にて抽出した出品車両管理データ121の希望色の欄を参照する。そして、参照した希望色が、ステップS3にて選択した購買希望車両の色に一致するか否かを判断する。参照した希望色が、ステップS3にて選択した購買希望車両の色に一致する場合(ステップS7のYes)、ステップS9に遷移する。参照した希望色が、ステップS3にて選択した購買希望車両の色に一致しない場合(ステップS7のNo)、ステップS8に遷移する。
【0087】
[ステップS8] マッチング処理部15は、マッチング処理部15は、マッチング条件格納部13に格納された差額データ管理テーブル131の項目「希望色」の金額を参照する。そして、マッチング処理部15は、設定された金額およびそれぞれの色を差額記憶部に記憶する。その後、ステップS9に遷移する。
【0088】
[ステップS9] マッチング処理部15は、ステップS4にて抽出した出品車両管理データ121の年式の欄を参照する。そして、参照した年式が、ステップS3にて選択した購買希望車両の年式の条件内か否かを判断する。参照した年式が、ステップS3にて選択した購買希望車両の年式の条件内である場合(ステップS9のYes)、ステップS10に遷移する。参照した年式が、ステップS3にて選択した購買希望車両の年式の条件内ではない場合(ステップS9のNo)、ステップS13に遷移する。
【0089】
[ステップS10] マッチング処理部15は、ステップS3にて選択した購買希望車両の年式からステップS4にて抽出した出品車両管理データ121の年式の欄に設定された年式を減算することにより年式の差分を演算する。マッチング処理部15は、マッチング条件格納部13に格納された差額データ管理テーブル131の項目「年式」の条件および金額を参照する。そして、マッチング処理部15は、条件の欄に設定された条件に従って差額を算出する。マッチング処理部15は、算出した差額およびそれぞれの年式を差額記憶部に記憶する。その後、ステップS11に遷移する。
【0090】
[ステップS11] マッチング処理部15は、ステップS4にて抽出した出品車両管理データ121の走行距離の欄を参照する。そして、参照した走行距離が、ステップS3にて選択した購買希望車両の走行距離の条件内か否かを判断する。参照した走行距離が、ステップS3にて選択した購買希望車両の走行距離の条件内である場合(ステップS11のYes)、ステップS12に遷移する。参照した走行距離が、ステップS3にて選択した購買希望車両の走行距離の条件内ではない場合(ステップS11のNo)、ステップS13に遷移する。
【0091】
[ステップS12] マッチング処理部15は、ステップS3にて選択した購買希望車両の走行距離からステップS4にて抽出した出品車両管理データ121の年式の欄に設定された走行距離を減算することにより走行距離の差分を演算する。マッチング処理部15は、マッチング条件格納部13に格納された差額データ管理テーブル131の項目「走行距離」の条件および金額を参照する。そして、マッチング処理部15は、条件の欄に設定された条件に従って差額を算出する。マッチング処理部15は、算出した差額およびそれぞれの走行距離を差額記憶部に記憶する。その後、ステップS14に遷移する。
【0092】
[ステップS13] マッチング処理部15は、ステップS3にて今回選択した購買希望車両について演算した差額およびそれぞれの項目を消去する。その後、ステップS14に遷移する。
【0093】
[ステップS14] マッチング処理部15は、ステップS2にて選択した出品車両管理データ121の全ての購買希望車両についてステップS4〜S13の処理が終了したか否かを判断する。ステップS2にて選択した出品車両管理データ121の全ての購買希望車両について処理が終了した場合(ステップS14のYes)、ステップS15に遷移する。ステップS2にて選択した出品車両管理データ121の全ての購買希望車両について処理が終了していない場合(ステップS14のNo)、ステップS3に遷移する。そして、未選択の購買希望車両を1つ選択し、ステップS4以降の処理を引き続き行う。
【0094】
[ステップS15] マッチング処理部15は、全ての出品車両管理データ121についてステップS4〜S14の処理が終了したか否かを判断する。全ての出品車両管理データ121についてステップS4〜S14の処理が終了した場合(ステップS15のYes)、図11の処理を終了する。全ての出品車両管理データ121についてステップS4〜S14の処理が終了していない場合(ステップS15のNo)、ステップS2に遷移する。そして、未選択のレコードを1つ選択し、ステップS3以降の処理を引き続き行う。
【0095】
以上で図14の処理の説明を終了する。
以上述べたように、取引管理装置10によれば、オークション前に車両の交換取引を成立させることで、出品車両の早期売買を図ることができる。また、会員は、オークションで落札するよりも安い価格で車両を入手できる可能性が高まる。また、オークションで落札するよりも安い価格で車両を入手できる可能性が高まるため、取引の成約率が向上する可能性が高まり、オークション主催会社も、より多くの手数料を得ることができる可能性が高まる。
【0096】
なお、取引管理装置10からクライアント装置20a、20bへの交換成立や交換仮成立の通知方法は、前述した方法に限定されない。
なお、本実施の形態では、中古車の交換取引を管理するシステムを説明したが、取引管理システム100は、新車の取引にも適用することができる。
【0097】
なお、取引管理装置10が行った処理が、複数の装置によって分散処理されるようにしてもよい。例えば、1つの装置が、マッチング処理までを行ってマッチングデータを生成しておき、他の装置が、そのマッチングデータを用いて取引処理および決済処理を行うようにしてもよい。
【0098】
以上、本発明の取引管理装置および取引管理方法を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0099】
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、取引管理装置10が有する機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等が挙げられる。磁気記憶装置には、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等が挙げられる。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RW等が挙げられる。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等が挙げられる。
【0100】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0101】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0102】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
【符号の説明】
【0103】
10 取引管理装置
11 出品車両データ受付部
12 出品車両管理データ格納部
12a 管理テーブル
121 出品車両管理データ
13 マッチング条件格納部
131 差額データ管理テーブル
14 会員データ格納部
141 会員データ管理テーブル
15 マッチング処理部
151、153 マッチングデータ
152、154 マッチング詳細データ
16 取引処理部
17 マッチングデータ格納部
171 マッチング管理テーブル
18 決済処理部
19 ログ格納部
20a、20b クライアント装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が予め登録した、出品する第1の商品と前記第1の商品との取引を希望する第2の商品とが設定された複数の商品データの中から、1つの前記商品データに設定された前記第2の商品の取引条件を満たす前記第1の商品を含む前記商品データの組合せを抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された前記商品データの組合せそれぞれに含まれる前記第1の商品の状態の比較により前記商品データの組合せそれぞれに含まれる前記第1の商品の差額を演算する演算部と、
前記抽出部によって抽出された前記商品データを当該取引管理装置に送信した装置それぞれに対し、前記差額を含む交換取引データを送信して前記第1の商品の取引を成立させる取引処理部と、
を有することを特徴とする取引管理装置。
【請求項2】
前記交換取引データを送信した前記装置それぞれからの商品の交換を了解する通知を経て前記第1の商品同士の交換取引に関する金銭処理を行う決済部をさらに有することを特徴とする請求項1記載の取引管理装置。
【請求項3】
前記商品データには前記第1の商品に対する複数の前記第2の商品および前記第2の商品の取引を希望する優先順序が設定されており、前記抽出部が、1つの前記商品データに設定された前記第2の商品の取引条件を満たす前記第1の商品を複数抽出した場合、前記取引処理部は、前記優先順序を識別するデータを前記交換取引データに付加することを特徴とする請求項1または2に記載の取引管理装置。
【請求項4】
前記商品データに含まれる前記第2の商品の取引条件には条件を満たす閾値が設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の取引管理装置。
【請求項5】
コンピュータが、
利用者が予め登録した、出品する第1の商品と前記第1の商品との取引を希望する第2の商品とが設定された複数の商品データの中から、1つの前記商品データに設定された前記第2の商品の取引条件を満たす前記第1の商品を含む前記商品データの組合せを抽出すし、
抽出された前記商品データの組合せそれぞれに含まれる前記第1の商品の状態の比較により前記商品データの組合せそれぞれに含まれる前記第1の商品の差額を演算し、
抽出された前記商品データを当該コンピュータに送信した装置それぞれに対し、前記差額を含む交換取引データを送信して前記第1の商品の取引を成立させる、
ことを特徴とする取引管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−234242(P2012−234242A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100419(P2011−100419)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)