説明

受信装置及びネットワークシステム

【課題】回路規模を縮小することのできる受信装置及びネットワークシステムを提供すること。
【解決手段】受信装置Dは、各再生装置の第1〜第3送信装置A〜Cから単体音楽データをそれぞれ受信する第1〜第3受信部31〜33と、各受信部31〜33に第1〜第3分周クロック信号CLKd1〜CLKd3を供給する1つのクロック生成部25を含む。各受信部31〜33は、第2FIFOメモリに記憶した単体音楽データを各分周クロック信号CLKd1〜CLKd3に同期してそれぞれ読み出す。第1〜第3受信部31〜33の無音制御部は、第2FIFOメモリに記憶したデータ量に応じて、第2FIFOメモリから読み出す無音データのデータ量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
受信装置及びネットワークシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、音楽を鑑賞するために、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、HD(Hard Disk)等に記憶されている音楽データを再生する再生機器と、モニタやスピーカなどの出力機器が相互に接続される。これら再生機器と出力機器を接続するためのインターフェース規格として、国際標準規格であるIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394規格が知られている。
【0003】
IEEE1394規格には、再生機器の送信装置から出力機器の受信装置に所定の周期(125μs,以下、アイソサイクルという)毎にデータ送信することで、出力機器にて音楽を途切れなく出力することができるアイソクロナス(Isochronous)転送モードが規定されている。
【0004】
例えば、CDに記憶された音楽データの音楽を鑑賞する場合、再生機器は、標本化周波数(サンプリング周波数ともいう、CDの場合は44.1kHz)に同期して、CDに記録された音楽データを構成する標本化された複数の単体音楽データを、最初に標本化された単体音楽データから最後に標本化された単体音楽データまで順番に読み出す。
【0005】
なお、単体音楽データは、音楽の電気信号(アナログ信号)を標本化(サンプリング)し、標本化によって分割された複数の電気信号の一つ一つの電気信号であって、それら一つ一つの電気信号は量子化及び符号化されたデータである。
【0006】
そして、送信装置は、アイソサイクル内においてその読み出された複数(例えば、8個又は16個)の単体音楽データを含むパケットを生成し、アイソサイクル毎に、そのパケットを受信装置に送信する。受信装置は、送信装置から入力されるパケットから単体音楽データを抽出し、備えるFIFO(First-In First-Out)メモリにその単体音楽データを一時的に格納する。受信装置は、FIFOメモリに格納された単体音楽データを送信装置から読み出された順番に、標本化周波数に基づいて、読み出してスピーカなどから音楽を発する。
【0007】
ところで、送信装置は、音楽データを単体音楽データ毎に読み出し出力するための標本化周波数の第1クロック信号を、送信装置が有する水晶発振器からの第1基準クロック信号に基づいて生成している。また、受信装置は、FIFOメモリから単体音楽データを順番に読み出すための標本化周波数の第2クロック信号を、受信装置が有する水晶発振器からの第2基準クロック信号に基づいて生成している。
【0008】
第1クロック信号は送信装置が有する水晶発振器にて生成され、第2クロック信号は受信装置が有する水晶発振器にて生成され、それぞれの水晶発振器のばらつきにより、第1クロック信号の周波数と第2クロック信号の周波数が異なり、第1及び第2クロック信号の間で周波数差が生じる場合がある。この場合、送信装置における単体音楽データの読み出し間隔と、受信装置における単体音楽データのFIFOからの読み出し間隔が等しくならない。
【0009】
例えば、第1基準クロック信号の周波数が第2基準クロック信号の周波数より低いと、受信装置のFIFOメモリに格納される単体音楽データが減少する。そして、FIFOメモリから読み出す単体音楽データが無くなると、スピーカなどから発する音楽が音切れしてしまう。
【0010】
反対に、第1基準クロック信号の周波数が第2基準クロック信号の周波数より高いと、受信装置のFIFOメモリに格納される単体音楽データが増加する。そして、FIFOメモリにおける単体音楽データが格納されていない領域が無くなると、先に単体音楽データが格納された領域に新たな単体音楽データを格納することになる。これにより、FIFOメモリに先に格納された単体音楽データが消失し、異なる単体音楽データに応じた音楽をスピーカなどから発することになってしまう。
【0011】
その結果、第1基準クロック信号の周波数と第2基準クロック信号の周波数が等しくならないと、CDに記憶された音楽データの音楽を精度良くスピーカなどから発することができないことになる。
【0012】
そこで、IEEE1394規格では、送信装置は、第1クロック信号の周波数と、第2クロック信号の周波数を等しくするため、単体音楽データに加えて同期情報(タイムスタンプ)を付加したパケットを受信装置に送信する。一方、受信装置は、その同期情報に基づいて第2クロック信号を生成するためのクロック生成回路を備える。そして、クロック生成回路は、同期情報に基づいて、第2クロック信号の周波数が第1クロック信号の周波数と等しくなるように制御する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−144694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記の受信装置では、複数の送信装置から音楽データを受信する場合、各送信装置にて生成される各第1クロック信号に対応した第2クロック信号をそれぞれ生成する必要がある。このため、受信装置は、各送信装置に対応したクロック生成回路を備えなければならず、その分回路規模が増大していた。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一観点によれば、複数の送信装置から音データを受信する受信装置であって、 前記複数の送信装置から受信した前記音データをクロック信号に応じて出力する複数の受信部と、前記クロック信号を生成して対応する受信部に供給するクロック生成部と、を有し、前記複数の受信部のうち少なくとも1つは、対応する前記送信装置からの前記音データを記憶し、該記憶した音データを前記クロック信号に応じて出力する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した前記音データの数が所定範囲内に入るように、無音データを連続して読み出すデータの数を制御する無音制御部と、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一観点によれば、回路規模を縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】通信システムの概略図である。
【図2】受信装置のブロック図である。
【図3】受信部のブロック図である。
【図4】無音検出部のブロック図である。
【図5】無音領域記憶レジスタの説明図である。
【図6】無音領域制御部のブロック図である。
【図7】第2FIFOメモリに記憶された単体音楽データの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1は、IEEE1394規格に準拠した通信システム10の接続形態(トポロジ)を示す。例えば、自動車に設けられた通信システム10は、3つの送信装置及び1つの受信装置を有する。また、第1送信装置AはCDプレーヤ、第2送信装置BはDVDプレーヤ、第3送信装置Cはカーナビゲーションシステム(以下、単にカーナビという)に設けられている。さらに、受信装置Dは、スピーカに設けられている。
【0019】
第1送信装置Aは、IEEE1394規格に準拠したケーブル(バスケーブル)11aを介して受信装置Dに接続されている。第2送信装置Bは、バスケーブル11bを介して受信装置Dに接続されている。第3送信装置Cは、バスケーブル11cを介して受信装置Dに接続されている。
【0020】
本実施形態の通信システム10では、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、カーナビにて再生された音楽データを各送信装置A〜Cから受信装置Dにそれぞれ送信することで、その音楽データに基づいた音楽をスピーカから発するようになっている。
【0021】
CDプレーヤは、CDに記録された複数の単体音楽データDaからなる音楽データを、サンプリング信号(標本化周波数)に同期して、その複数の単体音楽データDaを順番に読み出してCDプレーヤの送信装置に出力する。
【0022】
単体音楽データDaは、その値が大きいほど音楽の音量が大きいことを示している。単体音楽データDaは、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、カーナビに応じたビット数で構成されている。例えば、CDプレーヤから送信される単体音楽データDaは、量子化ビット数が16ビットのため、16ビットで構成されている。従って、CDの場合、単体音楽データDaは、「0000000000000000」〜「1111111111111111」の順で、音楽の音量が大きいことを示している。尚、以下の説明では、各送信装置A〜Cから送信される単体音楽データDaのビット数を全て8ビットにしている。
【0023】
CDプレーヤは、CDに記録された音楽データを構成する複数の単体音楽データDaを、サンプリング信号(標本化周波数)に同期して、順番に読み出してCDプレーヤの第1送信装置Aに出力する。CDプレーヤの第1送信装置Aは、各アイソサイクル内においてCDプレーヤにより読み出された複数の単体音楽データDaを含むパケットを生成し、各パケットを、アイソサイクル毎にバスケーブル11aを介してスピーカの受信装置Dに送信する。
【0024】
DVDプレーヤは、DVDに記録された音楽データを構成する複数の単体音楽データDaを、サンプリング信号(標本化周波数)に同期して、順番に読み出してDVDプレーヤの第2送信装置Bに出力する。そして、DVDプレーヤの第2送信装置Bは、各アイソサイクル内において読み出された複数の単体音楽データDaを含むパケットを生成し、各パケットをアイソサイクル毎にバスケーブル11bを介して受信装置Dに送信する。
【0025】
カーナビは、HDに記録された音楽データを構成する複数の単体音楽データDaを、サンプリング信号(標本化周波数)に同期して、順番に読み出しカーナビの第3送信装置Cに出力する。そして、カーナビの第3送信装置Cは、各アイソサイクル内において読み出された複数の単体音楽データDaを含むパケットを生成し、各パケットをアイソサイクル毎にバスケーブル11cを介して受信装置Dに送信する。
【0026】
図2に示すように、スピーカの受信装置Dは、第1〜第3ポート21〜23、クロック生成部25、第1〜第3受信部31〜33を有している。
第1ポート21は、バスケーブル11aを介して第1送信装置Aと接続されている。また、第2ポート22は、バスケーブル11bを介して第2送信装置Bと接続されている。さらに、第3ポート23は、バスケーブル11cを介して第3送信装置Cと接続されている。
【0027】
これら各ポート21〜23は、各送信装置A〜Cからバスケーブル11a〜11cを介して受信する電気信号を、受信装置Dで扱う電気信号に変換して第1〜第3受信部31〜33にそれぞれ出力する。また、第1〜第3ポート21〜23は、第1〜第3受信部31〜33からの電気信号を、IEEE1394規格の電気信号に変換してバスケーブル11a〜11cを介して各送信装置A〜Cにそれぞれ送信する。
【0028】
クロック生成部25は、クロック生成回路25a、第1〜第3分周器25b〜25dを有している。
クロック生成回路25aは、例えばPLL(Phase Locked Loop)回路であって、所定周波数の基準クロック信号CLKrを生成する。
【0029】
第1〜第3分周器25b〜25dは、クロック生成回路25aから基準クロック信号CLKrがそれぞれ入力される。第1分周器25bは、音楽データの転送前に行われる第1〜第3送信装置A〜C及び受信装置Dのコンフィグレーションにおいて、第1ポート21を介して第1送信装置Aから第1設定データが設定される。第1設定データは、第1送信装置Aからの単体音楽データDaを再生する際に使われるサンプリング信号の周波数を示すデータである。第1分周器25bは、このサンプリング信号の周波数(標本化周波数)を示すデータに基づいて、基準クロック信号CLKrを分周した第1分周クロック信号CLKd1を第1受信部31に出力する。
【0030】
また、第2分周器25cは、音楽データの転送前に行われる第1〜第3送信装置A〜C及び受信装置Dのコンフィグレーションにおいて、第2ポート22を介して第2送信装置Bから第2設定データが設定される。第2設定データは、第2送信装置Bからの単体音楽データDaを再生する際に使われるサンプリング信号の周波数を示すデータである。第2分周器25cは、このサンプリング信号の周波数を示すデータに基づいて、基準クロック信号CLKrを分周した第2分周クロック信号CLKd2を第2受信部32に出力する。
【0031】
さらに、第3分周器25dは、音楽データの転送前に行われる第1〜第3送信装置A〜C及び受信装置Dのコンフィグレーションにおいて、第3ポート23を介して第3送信装置Cから第3設定データが設定される。第3設定データは、第3送信装置Cからの単体音楽データDaを再生する際に使われるサンプリング信号の周波数を示すデータである。第3分周器25dは、このサンプリング信号の周波数を示すデータに基づいて、基準クロック信号CLKrを分周した第3分周クロック信号CLKd3を第3受信部33に出力する。
【0032】
次に、第1受信部31の内部構成について図3に従って説明する。なお、第2及び第3受信部32,33は、第1受信部31と内部構成が同じであって、第1受信部31と接続先が異なるだけであるため、図面及び説明を省略する。
【0033】
第1受信部31は、抽出部41、第1FIFOメモリ42、FIFOメモリ部43、オーディオインターフェース44を有している。
抽出部41は、第1送信装置Aからバスケーブル11a及び第1ポート21を介してパケットが入力される。抽出部41は、そのパケットから複数個(8個)の単体音楽データDaを抽出し、その各単体音楽データDaを1つ1つ順番に第1FIFOメモリ42に出力する。
【0034】
第1FIFOメモリ42は、抽出部41から順番に出力されてくる単体音楽データDaが入力される。また、第1FIFOメモリ42は、バスクロック信号CLKbが入力される。
【0035】
第1FIFOメモリ42は、バスクロック信号CLKbに同期して抽出部41から順番に出力されてくる単体音楽データDaを記憶する。そして、第1FIFOメモリ42は、バスクロック信号CLKbに同期して先に格納された単体音楽データDaから順番にFIFOメモリ部43に出力する。
【0036】
FIFOメモリ部43は、第2FIFOメモリ46、無音制御部47を有している。
第2FIFOメモリ46は、第1FIFOメモリ42から単体音楽データDaが入力される。また、第2FIFOメモリ46は、バスクロック信号CLKb及び第1分周クロック信号CLKd1が入力される。
【0037】
バスクロック信号CLKbは、例えば第1受信部31内で生成され、第2FIFOメモリ46が単体音楽データDaを記憶するタイミングを決めるために使われる。一方、第1分周クロック信号CLKd1は、第2FIFOメモリ46が単体音楽データDaを読み出すタイミングを決めるために使われる。
【0038】
また、第2FIFOメモリ46は、単体音楽データDaを記憶するメモリセルのアドレスを指定するライトポインタWPを有し、ライトポインタWPにて指定されたアドレス(ライトアドレス)WAのメモリセルに、その単体音楽データDaをバスクロック信号CLKbに同期して記憶する。なお、第2FIFOメモリ46は、複数のメモリセルを有する。各メモリセルは、単体音楽データDaをそれぞれ記憶する。また、ライトポインタWPは、第2FIFOメモリ46が単体音楽データDaをメモリセルに記憶する度に、ライトアドレスWAに「1」を加算(インクリメント)するポインタである。
【0039】
これにより、第2FIFOメモリ46は、ライトアドレスWAに基づいて、単体音楽データDaを順番に先頭アドレスのメモリセルから最終アドレスのメモリセルに格納していく。そして、第2FIFOメモリ46は、最終アドレスのメモリセルまで単体音楽データDaを記憶すると、ライトポインタWPはリセットされ、再び先頭アドレスのメモリセルから最終アドレスのメモリセルに向かって順番にデータを書き込むようになっている。
【0040】
また、第2FIFOメモリ46は、第2FIFOメモリ46に格納された単体音楽データDaを読み出すメモリセルのアドレス(リードアドレス)RAを指定するリードポインタRPIを有する。リードポインタRPIは、後述する無音制御部47からリードアドレスRA1が入力され、その入力されたリードアドレスRA1を新たなリードアドレスRAとして記憶される。そして、第2FIFOメモリ46が、第1分周クロック信号CLKd1に同期して、リードポインタRPIにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルから単体音楽データDaを読み出し、オーディオインターフェース44に出力する。
【0041】
尚、第2FIFOメモリ46は、第1分周クロック信号CLKd1に同期して、指定するリードアドレスRAのメモリセルから単体音楽データDaを読み出すと、該リードポインタRPIに記憶されていたリードアドレスRAをリードアドレスRA2として無音制御部47に出力する。そして、第2FIFOメモリ46は、リードアドレスRA1が無音制御部47から入力され新たなリードアドレスRAとして記憶されるようになっている。
【0042】
第2FIFOメモリ46は、空きセル数Sを演算する演算部49と、その演算結果を示すエンプティフラグEF及びフルフラグFFを備えている。エンプティフラグEFは、空きセル数Sが多いことを知らせるためのフラグであって、空きセル数Sが多いとき、論理値「1(Hレベル)」となる。また、フルフラグFFは、空きセル数Sが少ないことを知らせるためのフラグであって、空きセル数Sが少ないとき、論理値「1(Hレベル)」となる。
【0043】
そして、第2FIFOメモリ46の演算部49は、空きセル数Sが予め定めた所定値(以下、上限値Smaxという)より多くなると(S>Smax)、エンプティフラグEFを論理値「0(Lレベル)」から論理値「1」にする。また、演算部49は、空きセル数Sが予め定めた所定値(以下、下限値Sminという)より少なくなると(S<Smin)、フルフラグFFを論理値「0(Lレベル)」から論理値「1」にする。
【0044】
なお、空きセル数Sは、例えば、ライトアドレスWAとリードアドレスRAから、単体音楽データDaが格納されているメモリセルのセル数を求め、その求めたセル数から、先頭アドレスから最終アドレスまでのメモリセルのセル数を減算することによって求められる。第2FIFOメモリ46は、上記のエンプティフラグEF及びフルフラグFFを以下の理由から有している。
【0045】
第2FIFOメモリ46は、書き込み回数WNが読み出し回数RNより少ないと(RN>WN)、単体音楽データDaが格納されていないメモリセルの数(空きセル数S)が多くなる。そして、第2FIFOメモリ46は、メモリセルに格納された単体音楽データが枯渇(アンダーフロー状態)するため、単体音楽データDaを読み出すことができなくなる。
【0046】
反対に、第2FIFOメモリ46は、書き込み回数WNが読み出し回数RNより多いと(WN>RN)、空きセル数Sが少なくなる。そして、空きセル数Sがゼロになると(オーバーフロー状態)、第2FIFOメモリ46は、既に単体音楽データDaが格納されているメモリセルに、新たな単体音楽データDaを記憶する。従って、第2FIFOメモリ46は、既に記憶されていた単体音楽データDaを消去してしまうことになる。
【0047】
このため、第2FIFOメモリ46は、空きセル数Sが多いことを知らせるためのエンプティフラグEFと、空きセル数Sが少ないことを知らせるためのフルフラグFFを有している。
【0048】
第2FIFOメモリ46は、音楽データの単体音楽データDaの転送前に行われる第1〜第3送信装置A〜C及び受信装置Dのコンフィグレーションにおいて、第1ポート21を介して第1送信装置Aから上記の下限値Smin及び上限値Smaxが入力され設定される。これら下限値Smin及び上限値Smaxは、第2FIFOメモリ46のメモリ容量、及び、第1送信装置Aと受信装置Dの間のデータ転送速度の許容範囲に応じて、その値が変更されるようになっている。第1送信装置Aと受信装置Dの間のデータ転送速度の許容範囲は、第1送信装置Aと受信装置Dの間のデータ転送速度について仕様に規定された許容範囲である。
【0049】
具体的には、第2FIFOメモリ46のメモリ容量が小さいほど、第2FIFOメモリ46は、早くオーバーフロー状態又はアンダーフロー状態になってしまう。このため、第2FIFOメモリ46のメモリ容量が小さいほど、第2FIFOメモリ46は、下限値Sminを大きくするとともに、上限値Smaxを小さくするようにしている。
【0050】
また、第2FIFOメモリ46は、第1送信装置Aと受信装置Dの間のデータ転送速度の許容範囲が広いほど、早くオーバーフロー状態又はアンダーフロー状態になってしまう。このため、第1送信装置Aと受信装置Dの間のデータ転送速度の許容範囲が広いほど、第2FIFOメモリ46は、下限値Sminを大きくするとともに、上限値Smaxを小さくするようにしている。
【0051】
無音制御部47は、無音検出部50、無音領域記憶レジスタ51、無音領域制御部52を有している。
図4に示すように、無音検出部50は、比較器55、カウンタ回路56を有している。
【0052】
比較器55は、第1FIFOメモリ42から単体音楽データDaが入力される。また、比較器55は、単体音楽データDaの転送前に行われる第1〜第3送信装置A〜C及び受信装置Dのコンフィグレーションにおいて、第1ポート21を介して第1送信装置Aから無音判定値Vjが設定される。無音判定値Vjは、人間が聞こえない音量のうち、最も大きな音量に対応して設定されている値である。従って、無音判定値Vjは、音楽の電気信号(アナログ信号)を量子化する量子化ビット数が大きくなるほど、即ち単体音楽データDaのビット数が大きいほど、その値が大きくなる。
【0053】
比較器55は、その単体音楽データDaと無音判定値Vjを比較するとともに、その比較結果である判定信号Sjを出力する。具体的には、比較器55は、単体音楽データDaが無音判定値Vjより小さいとき、単体音楽データDaが無音であると判定し、本実施形態ではHレベルの判定信号Sjを出力する。反対に、比較器55は、単体音楽データDaが無音判定値Vj以上のとき、単体音楽データDaが無音ではないと判定し、本実施形態ではLレベルの判定信号Sjを出力する。
【0054】
比較器55が判定した判定信号Sjは、カウンタ回路56に出力する。
カウンタ回路56は、判定信号Sjと、バスクロック信号CLKbが入力される。カウンタ回路56は、Hレベルの判定信号Sjを入力すると(単体音楽データDaが無音であると判定すると)、バスクロック信号CLKbのパルスをカウントする。反対に、カウンタ回路56は、Lレベルの判定信号Sjを入力すると(単体音楽データDaが無音でないと判定すると)、その時までのカウント値をリセットするとともに、バスクロック信号CLKbのパルスをカウントしない。
【0055】
従って、カウンタ回路56は、比較器55にて無音と判定された単体音楽データ(無音データ)が第2FIFOメモリ46に格納される間、バスクロック信号CLKbのパルスをカウントする。この結果、カウンタ回路56のカウント値Dcは、第2FIFOメモリ46が無音データを連続して格納した回数を示す値になる。
【0056】
また、比較器55が判定した判定信号Sj及びカウンタ回路56のカウント値Dcは、図3に示す無音領域記憶レジスタ51に出力される。
無音領域記憶レジスタ51は、第2FIFOメモリ46からライトアドレスWAが入力されるとともに、バスクロック信号CLKbが入力される。
【0057】
無音領域記憶レジスタ51は、無音データ格納範囲を記憶する範囲データ記憶部58を複数個備えている。各範囲データ記憶部58は、それぞれ第1記憶部58aと第2記憶部58bを有している。
【0058】
第1記憶部58aは、第1送信装置Aから連続して送信される複数の無音データのうち最初の無音データが第2FIFOメモリ46に格納されるメモリセルのアドレス(無音先頭アドレス)HAdが記憶される。第2記憶部58bは、その最初の無音データに続いて無音データが連続して格納された時に記憶した回数(カウント値Dc)が記憶される。
【0059】
無音領域記憶レジスタ51は、判定信号SjがLレベルからHレベルに立ち上がると(第1FIFOメモリ46が無音でない単体音楽データDaを記憶してから無音である単体音楽データDaを記憶すると)、バスクロック信号CLKbに同期して、その時のライトポインタWPが指定したライトアドレスWAを範囲データ記憶部58の第1記憶部58aに記憶するとともに、カウンタ回路56のカウント値Dc(この時点ではカウント値Dcは「1」)を範囲データ記憶部58の第1記憶部58aに記憶する。そして、無音領域記憶レジスタ51は、判定信号SjがHレベルの間、バスクロック信号CLKbに同期してその時のカウント値Dcを第2記憶部58bに記憶、即ちカウント値Dcを更新していく。
【0060】
そして、無音領域記憶レジスタ51は、判定信号SjがHレベルからLレベルに立ち下がると(第1FIFOメモリ46が無音である単体音楽データDaを記憶してから無音でない単体音楽データDaを記憶すると)、カウンタ回路56のカウント値Dcはリセットされるが、そのリセットされたカウント値Dcを第2記憶部58bに記憶しない、即ちカウント値Dcを更新しない。
【0061】
つまり、無音領域記憶レジスタ51は、第1送信装置Aから連続して送信される複数の無音データのうち最初の無音データが第2FIFOメモリ46に記憶されると、その記憶されたメモリセルのアドレス(無音先頭アドレス)HAdをライトポインタWPに指定されたライトアドレスWAに基づいて第1記憶部58aに記憶するとともに、カウンタ回路56のカウント値Dc(この時、Dc=1)を合わせて第2記憶部58bに記憶する。アドレス(無音先頭アドレス)HAdに合わせて第2記憶部58bに記憶されるカウント値Dcは、第2FIFOメモリ46に無音データが記憶される間、カウント値Dcを記憶して更新されていく。このため、1つの範囲データ記憶部58には、無音先頭アドレスHAdと、無音データが第2FIFOメモリ46に連続して格納された回数(カウント値Dc)が記憶される。
【0062】
そして、判定信号SjがLレベルからHレベルに立ち上がり、次に判定信号SjがHレベルからLレベルに立ち下がると、上記と同様にその時のメモリセルのアドレス(無音先頭アドレス)HAdをライトポインタWPに指定されたライトアドレスWAに基づいて新たな範囲データ記憶部58の第1記憶部58aに記憶する。そして、無音先頭アドレスHAdに合わせてその新たな範囲データ記憶部58の第2記憶部58bに無音データが連続して格納されたカウント値Dcを記憶する。
【0063】
つまり、無音領域記憶レジスタ51は、第1送信装置Aから連続して送信される複数の無音データのうち最初の無音データが第2FIFOメモリ46に記憶される毎に、その時のメモリセルのアドレス(無音先頭アドレス)HAdと無音データが連続して格納されたカウント値Dcが、同無音領域記憶レジスタ51に設けた複数の範囲データ記憶部58に記憶される。
【0064】
尚、無音領域記憶レジスタ51は、判定信号SjがHレベルからLレベルに立ち下がる毎に(単体音楽データDaが無音であるから無音でないと判定されると毎に)、その時の範囲データ記憶部58の第2記憶部58bに記憶された無音データが連続して格納された回数(カウント値Dc)を読み出し、予め設定した無音連続数Dkと比較する。
【0065】
無音連続数Dkは、単体音楽データDaの転送前に行われる第1〜第3送信装置A〜C及び受信装置Dのコンフィグレーションにおいて、第1ポート21を介して第1送信装置Aから無音領域記憶レジスタ51に設定される。無音連続数Dkは、サンプリング信号の周波数が高いほど、大きな値が設定される。
【0066】
詳しくは、無音領域記憶レジスタ51は、カウント値Dcが無音連続数Dk以上のとき(Dc≧Dk)、無音先頭アドレスHAd及びカウント値Dcをその範囲データ記憶部58のアドレスを1つシフトし新たな範囲データ記憶部58(第1記憶部58a及び第2記憶部58b)に次の無音先頭アドレスHAd及びカウント値Dcを記憶する。
【0067】
反対に、無音領域記憶レジスタ51は、カウント値Dcが無音連続数Dkより小さいとき(Dk>Dc)、範囲データ記憶部58のアドレスを1つシフトすることなく、該範囲データ記憶部58に、次に入力される無音先頭アドレスHAd及びカウント値Dcを上書き記憶する。
【0068】
これにより、無音領域記憶レジスタ51は、カウント値Dcが無音連続数Dk以上のとき、連続した無音データが第2FIFOメモリ46に記憶される毎に、次のアドレスの範囲データ記憶部58に無音先頭アドレスHAd及びカウント値Dcが順番に記憶される。
【0069】
例えば、無音連続数Dkが5個以上のときには、第2FIFOメモリ46にアドレス「0100h」から16個の無音データが連続して記憶され、アドレス「0215h」から15個の無音データが連続して記憶され、アドレス「02FFh」から5個の無音データが格納される場合、無音領域記憶レジスタ51は、各範囲データ記憶部58にはそれぞれ、図5に示すように、無音先頭アドレスHAd及びカウント値Dcを記憶する。
【0070】
無音領域記憶レジスタ51の各範囲データ記憶部58に記憶された無音先頭アドレスHAdとカウント値Dc(回数)は、無音領域制御部52に出力される。
図6に示すように、無音領域制御部52は、リードポインタRPO、判定器61、インクリメンタ62を有している。
【0071】
リードポインタRPOは、第2FIFOメモリ46のリードポインタRPIからリードアドレスRA2が入力される。また、リードポインタRPOは、インクリメンタ62からリードアドレスRA1が入力される。そして、リードポインタRPOは、リードポインタRPIからリードアドレスRA2を入力したとき、該リードアドレスRA2を、第2FIFOメモリ46から単体音楽データDaを今読み出したメモリセルのリードアドレスRAとして記憶する。このようにリードポインタRPOに記憶されるリードアドレスRAは、判定器61及びインクリメンタ62にリードアドレスRA2として読み出される。
【0072】
また、リードポインタRPOは、インクリメンタ62からリードアドレスRA1を入力したとき、該リードアドレスRA1を、第2FIFOメモリ46から単体音楽データDaを次に読み出すメモリセルのリードアドレスRAとして記憶するようになっている。このようにリードポインタRPOに記憶されるリードアドレスRAは、第2FIFOメモリ46のリードポインタRPIにリードアドレスRA1として読み出される。
【0073】
判定器61は、第2FIFOメモリ46からエンプティフラグEF及びフルフラグFFが入力される。判定器61は、リードポインタRPOからリードアドレスRAをリードアドレスRA2として読み出す。また、判定器61は、無音領域記憶レジスタ51から無音先頭アドレスHAd及びカウント値Dcを読み出す。
【0074】
そして、判定器61は、第2FIFOメモリ46のエンプティフラグEFが「1」のとき(空きセル数Sが上限値Smax以上あるとき)、無音先頭アドレスHAdと、無音先頭アドレスHAdにカウント値Dcを加算したアドレスとの範囲内(無音データが格納されているメモリセル)に、リードポインタRPOのリードアドレスRAが入っているか否かを判定する。
【0075】
つまり、判定器61は、第2FIFOメモリ46の空きセル数Sが上限値Smax以上あるとき、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されているか否かを判定している。
【0076】
判定器61は、その判定結果に応じて、エンプティ判定信号Seをインクリメンタ62に出力する。具体的には、判定器61は、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されていないとき、例えばLレベルのエンプティ判定信号Seを出力する。反対に、判定器61は、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されているとき、例えばHレベルのエンプティ判定信号Seを出力する。
【0077】
一方、判定器61は、第2FIFOメモリ46のフルフラグFFが「1」のとき(空きセル数Sが下限値Smin以下のとき)、無音先頭アドレスHAdと、無音先頭アドレスHAdからカウント値Dcだけ大きいアドレスとの間(無音データが格納されているメモリセル)に、リードポインタRPOのリードアドレスRAが入っているか否かを判定する。
【0078】
つまり、判定器61は、第2FIFOメモリ46の空きセル数Sが下限値Smin以下のとき、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されているか否かを判定している。
【0079】
判定器61は、その判定結果に応じて、フル判定信号Sfをインクリメンタ62に出力する。具体的には、判定器61は、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されていないとき、例えばLレベルのフル判定信号Sfを出力する。反対に、判定器61は、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されているとき、例えばHレベルのフル判定信号Sfを出力する。
【0080】
なお、第2FIFOメモリ46のフルフラグFF及びエンプティフラグEFは共に「1」となることはない。
インクリメンタ62は、クロック生成部25から第1分周クロック信号CLKd1が入力される。インクリメンタ62は、判定器61からエンプティ判定信号Se及びフル判定信号Sfが入力される。インクリメンタ62は、リードポインタRPOからリードアドレスRAをリードアドレスRA2として読み出す。また、インクリメンタ62は、そのリードアドレスRA2を下位側に拡張するための1ビットの拡張データDeが記憶されている。
【0081】
そして、インクリメンタ62は、エンプティ判定信号Se及びフル判定信号Sfに応じて、リードポインタRPOから読み出したリードアドレスRA2に対する加算方法を変更する。
【0082】
具体的には、インクリメンタ62は、判定器61からLレベルのフル判定信号Sf及びLレベルのエンプティ判定信号Seが入力されるとき、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がると、読み出したリードポインタRPOのリードアドレスRA2に「1」を加算したリードアドレスRA1を生成する。
【0083】
すなわち、インクリメンタ62は、第2FIFOメモリ46の空きセル数Sが上限値Smaxより少なく、下限値Sminより多い場合には、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がると、読み出したリードポインタRPOのリードアドレスRA2に「1」を加算したリードアドレスRA1を生成する。
【0084】
また、インクリメンタ62は、第2FIFOメモリ46の空きセル数Sが下限値Smin以下であって、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されていない場合には、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がると、読み出したリードポインタRPOのリードアドレスRA2に「1」を加算したリードアドレスRA1を生成する。
【0085】
さらに、インクリメンタ62は、第2FIFOメモリ46の空きセル数Sが上限値Smax以上であって、リードポインタRPOのリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されていない場合には、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がると、読み出したリードポインタRPOのリードアドレスRA2に「1」を加算したリードアドレスRA1を生成する。
【0086】
そして、インクリメンタ62は、加算したリードポインタRPOのリードアドレスRA1をリードポインタRPOに新たなリードアドレスRAとして記憶する。
従って、このような場合、第2FIFOメモリ46は、単体音楽データDaを読み出すと、その単体音楽データDaを読み出したメモリセルの次のアドレスのメモリセルから単体音楽データDaを読み出すことになる。
【0087】
例えば、図7に示すように、第2FIFOメモリ46がアドレス「000h」〜「1FFh」のメモリセルで構成されている場合、第2FIFOメモリ46は、アドレス「000h」のメモリセルから単体音楽データDaを読み出すと、次に、アドレス「001h」のメモリセルから単体音楽データDaを読み出す。
【0088】
一方、判定器61からLレベルのフル判定信号Sf及びHレベルのエンプティ判定信号Seが入力される場合、即ち、第2FIFOメモリ46の空きセル数Sが上限値Smax以上であって、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されている場合には、インクリメンタ62は、リードポインタRPOのリードアドレスRA2の下位ビット側に拡張データDeを付加し、9ビットのリードアドレス(拡張リードアドレス)RA3を生成する。
【0089】
例えば、最下位ビットのデータが「0」のリードアドレスRA2を読み出し、拡張データDeが「0」の場合、インクリメンタ62は、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がると、拡張リードアドレスRA3に「1」を加算することにより、拡張リードアドレスRA3の最下位ビットのデータが「1」になる。このとき、拡張リードアドレスRA3の最上位ビットから8ビット目のデータ、即ちリードポインタRPOのリードアドレスRA2の最下位ビットのデータは「0」である。
【0090】
次に、インクリメンタ62は、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がると、拡張リードアドレスRA3に「1」を加算することにより、拡張リードアドレスRA3の最下位ビットのデータが「0」になる。また、拡張リードアドレスRA3の最上位ビットから8ビット目のデータ、即ちリードポインタRPOのリードアドレスRA2の最下位ビットのデータが「1」になる。
【0091】
そして、インクリメンタ62は、加算した拡張リードアドレスRA3について、拡張リードアドレスRA3から拡張データDeにて付加された最下位ビットを除去した9ビットから8ビットに縮小させたリードアドレスRA1と、該除去した最下位ビットの値である拡張データDeをそれぞれ分離する。インクリメンタ62は、分離されたリードアドレスRA1をリードポインタRPOに新たなリードアドレスRAとして記憶する。また、インクリメンタ62は、分離された拡張データDeを新たな拡張データDeとして記憶する。
【0092】
従って、第2FIFOメモリ46は、空きセル数Sが上限値Smax以上であって、リードポインタRPOのリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されている場合には、拡張リードアドレスRA3の最下位ビットが除去されたリードアドレスRA1が第2FIFOメモリ46のリードポインタRPIに入力されるため、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに2回立ち上がると、次のメモリセルから単体音楽データDaを読み出す。
【0093】
この結果、第2FIFOメモリ46は、空きセル数Sが上限値Smax以上であって、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されている場合、そのリードアドレスRAのメモリセルに格納された単体音楽データDaを読み出すと、その単体音楽データを読み出したメモリセルと同じメモリセルから単体音楽データDaを再び読み出す。
【0094】
例えば、図7に示すように、第2FIFOメモリ46がアドレス「000h」〜「1FFh」のメモリセルで構成されている場合、第2FIFOメモリ46は、アドレス「101h」のメモリセルから単体音楽データDaを読み出すと、次に、再度アドレス「101h」のメモリセルから単体音楽データDaを読み出す。続いて、第2FIFOメモリ46は、アドレス「102h」のメモリセルから単体音楽データDaを読み出す。
【0095】
これにより、無音制御部47は、空きセル数Sが上限値Smax以上であって、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されていると、同じメモリセルから単体音楽データDaを2回読み出されることから、第2FIFOメモリ46の空きセル数Sを減少させることができる。
【0096】
反対に、空きセル数Sが下限値Smin以下であって、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されているとき、判定器61は、Hレベルのフル判定信号Sf及びLレベルのエンプティ判定信号Seをインクリメンタ62に出力する。
【0097】
インクリメンタ62は、判定器61からのHレベルのフル判定信号Sf及びLレベルのエンプティ判定信号Seに基づいて、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がると、読み出したリードポインタRPOのリードアドレスRA2に「2」を加算したリードアドレスRA1を生成する。つまり、インクリメンタ62は、空きセル数Sが下限値Smin以下であって、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されている場合、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がると、リードポインタRPOのリードアドレスRA2に「2」を加算したリードアドレスRA1を生成する。
【0098】
その結果、第2FIFOメモリ46は、第1分周クロック信号CLKd1に同期して、先に読み出したメモリセルから1つのメモリセルを読み飛ばしたメモリセルの単体音楽データDaを読み出すことになる。
【0099】
そして、インクリメンタ62は、加算したリードポインタRPOのリードアドレスRA1をリードポインタRPOに新たなリードアドレスRAとして格納する。
例えば、図7に示すように、第2FIFOメモリ46がアドレス「000h」〜「1FFh」のメモリセルで構成されている場合、第2FIFOメモリ46は、アドレス「101h」のメモリセルから単体音楽データDaを読み出すと、次に、アドレス「103h」のメモリセルから単体音楽データDaを読み出す。
【0100】
従って、無音制御部47は、空きセル数Sが下限値Smin以下であって、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されていると、1つメモリセルを読み飛ばしたメモリセルから単体音楽データDaが読み出されることから、第2FIFOメモリ46の空きセル数Sを増加させることができる。
【0101】
オーディオインターフェース44は、FIFOメモリ部43から単体音楽データDaが入力される。オーディオインターフェース44は、その単体音楽データDaをスピーカに出力することにより、スピーカから単体音楽データDaに基づいた音楽を発する。
【0102】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)スピーカの受信装置Dは、各受信部31〜33に対応する第1〜第3分周クロック信号CLKd1〜CLKd3を生成するクロック生成部25を有する。各受信部31〜33は、対応する第1〜第3分周クロック信号CLKd1〜CLKd3がクロック生成部25からそれぞれ入力される。各受信部31〜33は、入力された第1〜第3分周クロック信号CLKd1〜CLKd3に同期して第2FIFOメモリ46から単体音楽データDaをそれぞれ読み出すようにした。
【0103】
従来、受信装置Dは、複数の送信装置から音楽データを受信する場合、各送信装置に対応する複数の受信部にクロック信号をそれぞれ供給する複数のクロック生成部を有していた。
【0104】
従って、受信装置Dは、複数の送信装置から音楽データを受信する場合、各送信装置に対応する複数の受信部に対して1つのクロック生成部25を設けるだけで良く、従来と比べて回路規模の増大を縮小することができる。
【0105】
(2)無音制御部47は、第2FIFOメモリ46のフルフラグFFが「1」であって(空きセル数Sが下限値Smin以下)、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されている場合、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がる毎に、リードポインタRPOのリードアドレスRAに「2」を加算するようにした。
【0106】
これにより、第2FIFOメモリ46は、第2FIFOメモリ46のフルフラグFFが「1」であって(空きセル数Sが下限値Smin以下)、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されている場合、前回読み出したメモリセルから1つのメモリセルを読み飛ばしたメモリセルから単体音楽データDaを読み出す。
【0107】
従って、第2FIFOメモリ46は、従来に比べて、単体音楽データDaを読み出す毎の空きセル数Sを増加させることができるため、オーバーフロー状態になることを低減することができる。
【0108】
また、無音制御部47は、第2FIFOメモリ46のエンプティフラグEFが「1」であって(空きセル数Sが上限値Smax以上)、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されている場合、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに2回立ち上がる毎に、リードポインタRPOのリードアドレスRAに「1」を加算するようにした。
【0109】
これにより、第2FIFOメモリ46は、第2FIFOメモリ46のエンプティフラグEFが「1」であって(空きセル数Sが上限値Smax以上)、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されている場合、同じメモリセルから単体音楽データDaを2回読み出してから次のメモリセルの単体音楽データDaを読み出す。
【0110】
従って、第2FIFOメモリ46は、従来に比べて、単体音楽データDaを読み出す毎の空きセル数Sを減少させることができるため、アンダーフロー状態になることを低減することができる。
【0111】
この結果、第1〜第3送信装置A〜C及び受信装置Dが備える水晶発振器の周波数偏差等により、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、カーナビから各送信装置A〜Cへの単体音楽データDaの読み出し間隔と、第2FIFOメモリ46からオーディオインターフェース44への単体音楽データDaの読み出し間隔が異なる場合でも、第2FIFOメモリ46は、アンダーフロー状態又はオーバーフロー状態になることを低減することができる。
【0112】
(3)無音領域制御部52のインクリメンタ62は、第2FIFOメモリ46のエンプティフラグEFが「1」であって(空きセル数Sが上限値Smax以上)、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されている場合、リードポインタRPOのリードアドレスRA2の下位側に拡張データDeを付加して拡張リードアドレスRA3を生成する。インクリメンタ62は、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がる毎に、その拡張リードアドレスRA3に「1」を加算するようにした。
【0113】
従って、インクリメンタ62は、容易な回路構成で、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに2回立ち上がる毎に、リードポインタRPOのリードアドレスRAに「1」を加算することができる。
【0114】
(4)無音制御部47の無音領域記憶レジスタ51は、標本化周波数が高いほど、無音連続数Dkを増加させるようにした。第2FIFOメモリ46は、受信装置Dが受信する単体音楽データDaの標本化周波数が高いほど、アンダーフロー状態及びオーバーフロー状態になりやすい。従って、第2FIFOメモリ46は、受信装置Dが受信する単体音楽データDaの標本化周波数が高いほど、無音連続数Dkを増加させることで、アンダーフロー状態及びオーバーフロー状態になることをさらに低減することができる。
【0115】
(5)第2FIFOメモリ46は、第2FIFOメモリ46のメモリ容量が小さいほど、下限値Sminを大きく、上限値Smaxを小さくするようにした。また、第2FIFOメモリ46は、標本化周波数が高いほど、下限値Sminを大きく、上限値Smaxを小さくするようにした。第2FIFOメモリ46は、そのメモリ容量が小さいほど、又、受信装置Dが受信する単体音楽データDaの標本化周波数が高いほど、アンダーフロー状態及びオーバーフロー状態になりやすい。
【0116】
従って、第2FIFOメモリ46は、そのメモリ容量が小さいほど、下限値Sminを大きく、上限値Smaxを小さくすることで、アンダーフロー状態及びオーバーフロー状態になることをさらに低減することができる。また、第2FIFOメモリ46は、受信装置Dが受信する単体音楽データDaの標本化周波数が高いほど、下限値Sminを大きく、上限値Smaxを小さくすることで、アンダーフロー状態及びオーバーフロー状態になることをさらに低減することができる。
【0117】
(6)無音制御部47の無音検出部50は、受信装置Dが受信する単体音楽データDaのビット数が増加するほど、無音判定値Vjを大きくするようにした。単体音楽データDaのビット数が増加すると、人間が聞こえない音量のうち最も大きな音量に対応する単体音楽データDaが大きくなる。従って、無音検出部50は、単体音楽データDaのビット数が増減しても、人間が聞こえない音量のうち最も大きな音量に対応する無音判定値Vjに変更することができる。
【0118】
(7)無音領域記憶レジスタ51は、カウント値Dcが無音連続数Dkより小さいとき(Dk>Dc)、無音先頭アドレスHAd及びカウント値Dcを記憶する範囲データ記憶部58のアドレスを1つシフトすることなく、該範囲データ記憶部58に、次に入力される無音先頭アドレスHAd及びカウント値Dcを上書き記憶するようにした。
【0119】
これにより、無音制御部47は、連続する数が無音連続数Dkより少ない無音データを第2FIFOメモリ46から読み出す際、従来通り、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がる毎に、リードポインタRPOのリードアドレスRAに「1」を加算する。この結果、連続する数が無音連続数Dkより少ない無音データをスピーカから音楽として発する場合(スピーカから短い無音の音楽を発する場合)、無音時間の長さを制御しないため、違和感なく音楽を聴くことができる。
【0120】
尚、上記各実施の形態は、以下の態様で実施してもよい。
・本実施形態では、無音領域制御部52のインクリメンタ62は、第2FIFOメモリ46のフルフラグFFが「1」であって(空きセル数Sが下限値Smin以下)、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されている場合、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がる毎に、リードポインタRPOのリードアドレスRA2に「2」を加算するようにした。
【0121】
これに限らず、上記の場合、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに立ち上がる毎に、リードポインタRPOのリードアドレスRA2に加算する数は特に制限されない。これにより、上記の実施形態よりアンダーフロー状態及びオーバーフロー状態になることを低減することができる。
【0122】
・本実施形態では、無音領域制御部52のインクリメンタ62は、第2FIFOメモリ46のエンプティフラグEFが「1」であって(空きセル数Sが上限値Smax以上)、リードポインタRPOにて指定されたリードアドレスRAのメモリセルに無音データが格納されている場合、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに2回立ち上がる毎に、リードポインタRPOのリードアドレスRA2に「1」を加算するようにした。
【0123】
これに限らず、インクリメンタ62は、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに何回立ち上がる毎に、リードポインタRPOのリードアドレスRA2に「1」を加算するようにしてもよい。これにより、上記の実施形態よりアンダーフロー状態及びオーバーフロー状態になることを低減することができる。
【0124】
・本実施形態では、拡張データDeは1ビットで構成されていたが、何ビットで構成してもよい。拡張データDeのビット数が増加するほど、第2FIFOメモリ46は、第1分周クロック信号CLKd1に同期して同じメモリセルから単体音楽データDaを読み出す回数が増加する。
【0125】
例えば、拡張データDeが2ビットの場合、インクリメンタ62は、第1分周クロック信号CLKd1がHレベルに4回立ち上がる毎に、リードポインタRPOのリードアドレスRA2に「1」を加算する。これにより、第2FIFOメモリ46は、第1分周クロック信号CLKd1に同期して同じメモリセルから単体音楽データDaを4回読み出す。その結果、上記の実施形態よりアンダーフロー状態及びオーバーフロー状態になることを低減することができる。
【0126】
・本実施形態では、無音判定値Vjは、人間が聞こえない音量のうち最も大きな音量に対応した値となっていたが、人間が聞こえない音量の範囲内の単体音楽データDaであれば特に制限されない。このように変更しても、上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0127】
・本実施形態では、リードポインタRPOにリードアドレスRA及び拡張データDeが記憶されていたが、別々のレジスタにリードアドレスRA及び拡張データDeを記憶するようにしてもよい。このように変更しても、上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0128】
・本実施形態では、自動車に搭載した複数の電子機器のネットワークに具体化した。これを、オフィスや家庭において設置した複数の電子機器のネットワークに具体化してもよい。
【0129】
・本実施形態では、第1〜第3送信装置A〜C及び受信装置Dからなる4つの送信装置及び受信装置で構成したが、その数を特に制限されるものではなく、2又は4以上で構成してもよい。
【0130】
上記各実施形態に関し、以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の送信装置から音データを受信する受信装置であって、
前記複数の送信装置から受信した前記音データをクロック信号に応じて出力する複数の受信部と、
前記クロック信号を生成して対応する受信部に供給するクロック生成部と、を有し、
前記複数の受信部のうち少なくとも1つは、
対応する前記送信装置からの前記音データを記憶し、該記憶した音データを前記クロック信号に応じて出力する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した前記音データの数が所定範囲内に入るように、連続して読み出す無音データの数を制御する無音制御部と、
を含むことを特徴とする受信装置。
(付記2)
付記1に記載の受信装置において、
前記無音制御部は、
前記記憶手段に記憶されている前記音データの数が下限値より少ないと、前記記憶手段が連続して出力する前記無音データの数を増加させることを特徴とする受信装置。
(付記3)
付記1に記載の受信装置において、
前記無音制御部は、
前記記憶手段に記憶されている前記音データの数が上限値より多いと、前記記憶手段が連続して出力する前記無音データの数を減少させることを特徴とする受信装置。
(付記4)
付記1〜3のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記記憶手段は、
ライトアドレスに基づいて、対応する前記送信装置からの前記音データを順番にメモリセルに記憶し、リードアドレスに基づいて、前記メモリセルに順番に記憶した前記音データをクロック信号に同期して順番に読み出し、
前記無音制御部は、
前記記憶手段に記憶される前記音データと基準値と比較し、前記記憶手段に連続して入力される音データから前記無音データを検出する無音検出部と、
前記無音検出部の検出結果に基づいて、前記記憶手段に前記無音データが連続して記憶された前記メモリセルに関する無音領域情報を記憶する無音領域記憶手段と、
前記無音領域記憶手段に記憶された無音領域情報に基づいて、無音領域中のアドレスに前記リードアドレスが含まれるか否かを判定し、無音領域中のアドレスに前記リードアドレスが含まれる場合、前記記憶手段に記憶された前記音データの数が下限値より少ないと、リードアドレスに「0」を加算し、前記記憶手段に記憶された前記音データの数が上限値より多いと、リードアドレスに1より大きな値を加算する無音領域制御部と
を有することを特徴とする受信装置。
(付記5)
付記4に記載の受信装置において、
前記無音領域制御部は、
前記無音データが連続して記憶された前記メモリセルの無音領域中のアドレスを前記リードアドレスが示す場合に、前記記憶手段に記憶されている前記音データの数が下限値より少ないと、前記リードアドレスの下位ビット側に所定のビット数を付加し、該リードアドレスをインクリメントすることを特徴とする受信装置。
(付記6)
付記1〜5のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記クロック生成部は、
基準クロック信号を生成するクロック生成回路と、
前記基準クロック信号を分周して前記各受信部に対応した複数の前記クロック信号を生成し、該クロック信号を前記各受信部にそれぞれ出力する複数の分周器と、
を有することを特徴とする受信装置。
(付記7)
付記4〜6のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記無音検出部は、
前記記憶手段に記憶される前記音データの音量が基準音量より小さいと、その音データを無音データとして検出し、
前記無音領域記憶手段は、
前記無音検出部の検出結果に基づいて、前記記憶手段に設定数以上の前記無音データが連続して格納された前記メモリセルに関する無音領域情報を記憶することを特徴とする受信装置。
(付記8)
付記7に記載の受信装置において、
前記設定数は、
前記音データの標本化周波数に応じて設定されることを特徴とする受信装置。
(付記9)
付記7又は8に記載の受信装置において、
前記基準音量は、
前記音データの量子化ビット数に応じて設定されることを特徴とする受信装置。
(付記10)
付記2〜8のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記上限値は、
前記記憶手段の容量、及び、前記送信装置と前記受信装置との間におけるデータ転送量の許容範囲に応じて設定されることを特徴とする受信装置。
(付記11)
付記3〜9のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記下限値は、
前記記憶手段の容量、及び、前記送信装置と前記受信装置との間におけるデータ転送量の許容範囲に応じて設定されることを特徴とする受信装置。
(付記12)
複数の送信装置から音データを受信する受信装置を有するネットワークシステムであって、
前記受信装置は、
各送信装置から前記音データをそれぞれ受信する複数の受信部と、
前記複数の受信部に対応するクロック信号をそれぞれ生成し、対応する前記受信部に前記クロック信号を供給するクロック生成部と、を有し、
前記複数の受信部のうち少なくとも1つは、
対応する前記送信装置からの前記音データを記憶し、該記憶した音データを前記クロック信号に同期して出力する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した前記音データの数が所定範囲内に入るように、連続して読み出す無音データの数を制御する無音制御部と、
を含むことを特徴とするネットワークシステム。
【符号の説明】
【0131】
46 記憶手段(第2FIFOメモリ)
47 無音制御部
51 無音領域記憶手段(無音領域記憶レジスタ)
52 無音領域制御部
A〜C 送信装置
D 受信装置
Da 音データ(単体音楽データ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送信装置から音データを受信する受信装置であって、
前記複数の送信装置から受信した前記音データをクロック信号に応じて出力する複数の受信部と、
前記クロック信号を生成して対応する受信部に供給するクロック生成部と、を有し、
前記複数の受信部のうち少なくとも1つは、
対応する前記送信装置からの前記音データを記憶し、該記憶した音データを前記クロック信号に応じて出力する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した前記音データの数が所定範囲内に入るように、連続して読み出す無音データの数を制御する無音制御部と、
を含むことを特徴とする受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の受信装置において、
前記無音制御部は、
前記記憶手段に記憶されている前記音データの数が下限値より少ないと、前記記憶手段が連続して出力する前記無音データの数を増加させることを特徴とする受信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の受信装置において、
前記無音制御部は、
前記記憶手段に記憶されている前記音データの数が上限値より多いと、前記記憶手段が連続して出力する前記無音データの数を減少させることを特徴とする受信装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記記憶手段は、
ライトアドレスに基づいて、対応する前記送信装置からの前記音データを順番にメモリセルに記憶し、リードアドレスに基づいて、前記メモリセルに順番に記憶した前記音データをクロック信号に同期して順番に読み出し、
前記無音制御部は、
前記記憶手段に記憶される前記音データと基準値と比較し、前記記憶手段に連続して入力される音データから前記無音データを検出する無音検出部と、
前記無音検出部の検出結果に基づいて、前記記憶手段に前記無音データが連続して記憶された前記メモリセルに関する無音領域情報を記憶する無音領域記憶手段と、
前記無音領域記憶手段に記憶された無音領域情報に基づいて、無音領域中のアドレスに前記リードアドレスが含まれるか否かを判定し、無音領域中のアドレスに前記リードアドレスが含まれる場合、前記記憶手段に記憶された前記音データの数が下限値より少ないと、リードアドレスに「0」を加算し、前記記憶手段に記憶された前記音データの数が上限値より多いと、リードアドレスに1より大きな値を加算する無音領域制御部と
を有することを特徴とする受信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の受信装置において、
前記無音領域制御部は、
前記無音データが連続して記憶された前記メモリセルの無音領域中のアドレスを前記リードアドレスが示す場合に、前記記憶手段に記憶されている前記音データの数が下限値より少ないと、前記リードアドレスの下位ビット側に所定のビット数を付加し、該リードアドレスをインクリメントする
ことを特徴とする受信装置。
【請求項6】
複数の送信装置から音データを受信する受信装置を有するネットワークシステムであって、
前記受信装置は、
各送信装置から前記音データをそれぞれ受信する複数の受信部と、
前記複数の受信部に対応するクロック信号をそれぞれ生成し、対応する前記受信部に前記クロック信号を供給するクロック生成部と、を有し、
前記複数の受信部のうち少なくとも1つは、
対応する前記送信装置からの前記音データを記憶し、該記憶した音データを前記クロック信号に同期して出力する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した前記音データの数が所定範囲内に入るように、連続して読み出す無音データの数を制御する無音制御部と、
を含むことを特徴とするネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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