説明

受光素子、受光システムおよび出力制御方法

【課題】リモコン信号と環境照度の受光において独立した受光部品を使用しているため、装置の外装スペース、コスト面で課題があった。
【解決手段】可視光の環境外光、および環境外光と赤外線リモコン信号の混合信号を受光する受光部51と、受光した混合信号から赤外線リモコン信号を抽出し、抽出した赤外線リモコン信号をリモコンパルス信号に変換するリモコン信号復調部53と、受光した環境外光から照度信号を生成する照度信号生成部55と、リモコンパルス信号の出力の有無を判定し、リモコンパルス信号の出力が無い間は、受光した環境外光から生成された照度信号を保持し、リモコンパルス信号の出力が有る間は、照度信号生成部に対し、受光した環境外光から生成する照度信号に代えて、リモコンパルス信号の出力が無い間に保持している照度信号を出力するよう制御する制御部54と、からなる受光素子05。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受光素子、受光システムに係わり、特に放送受信装置などにおける受光素子、受光システムにおいて、リモコンパルス信号および照度信号の出力を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放送受信装置において、遠隔操作を行なう為に赤外線リモコンの受光部が使用されている。また、画面の輝度を周囲の照度環境によって変化させる機能を備えた放送受信装置には、環境照度を判別するための受光部が使用されている。
【0003】
図6は、従来の放送受信装置の構成図である。
【0004】
従来の放送受信装置200は、チューナー部01、映像処理部02、映像表示部03、リモコン受光部08、環境照度受光部09、制御マイコン10から構成される。
【0005】
図6において、赤外線リモコン06による選局動作を説明する。
【0006】
赤外線リモコン06からユーザー操作により赤外線リモコン信号が送信されると、リモコン受光部08は、赤外線リモコン06からの赤外線リモコン信号を受光し、赤外線リモコン信号を電気信号のリモコンパルス信号に変換し、制御マイコン10へ出力する。
【0007】
制御マイコン10は、放送受信装置200の各種信号処理を行うマイコンである。制御マイコン10は、リモコン受光部08からのリモコンパルス信号を受信し、チューナー部01へCH切替信号や入力切替信号(リモコン制御信号)を送る。
【0008】
チューナー部01は、制御マイコン10からのリモコン制御信号に基づきCH切替や入力切替動作を行ない、受信した映像信号を映像処理部02へ出力する。
【0009】
映像処理部02は、チューナー部01から入力された映像信号に対して、制御マイコン10の制御に基づいた映像処理を行い、映像表示部03へ出力する。
【0010】
映像表示部03は、映像処理部02より入力された映像信号の表示を行なう。
【0011】
図7は、リモコン受光部08および環境照度受光部09の構成図である。
【0012】
リモコン受光部08は、リモコン受光素子81、AGC(Automatic Gain Control)52、リモコン信号復調部53、制御部71から構成される。
【0013】
リモコン受光素子81は、赤外光の範囲に感度波長帯域をもった素子で、赤外線リモコン06からの赤外線リモコン信号を受光し、電気信号に変換する。
【0014】
AGC52は、リモコン受光素子81からの入力信号の強弱に応じて、信号のレベルを調整する。
【0015】
制御部71は、AGC52におけるAGCレベルの調整やリモコン信号復調部53の制御等を行う。
【0016】
リモコン信号復調部53は、AGC52でレベル調整された信号をリモコンパルス信号に変換し、制御マイコン10へ出力する。
【0017】
以上により、赤外線リモコン06で選局操作がされると、制御マイコン10がリモコンパルス信号を受け取り、チューナー部01にリモコン制御信号を送信することにより選局動作を行なうことができる。
【0018】
次に、図6において、環境照度に応じた映像輝度調整動作を説明する。
【0019】
環境外光が環境照度受光部09に入力されると、環境照度受光部09は環境外光の照度に応じた電流・電圧を照度信号として制御マイコン10へ出力する。
【0020】
制御マイコン10では、環境照度受光部09より入力された照度信号に基づき、映像処理部02の制御を行なう。例えば、照度信号の値が高い、つまり環境照度が高い場合には映像の輝度を上げ、照度信号の値が低い、つまり環境照度が低い場合には映像の輝度を下げるよう、映像処理部02に輝度制御信号を送信する。
【0021】
映像処理部02は、チューナー部01から入力された映像信号に対して、制御マイコン10の制御に基づいた映像処理を行い、映像表示部03へ出力する。
【0022】
映像表示部03は、映像処理部02より入力された映像信号の表示を行なう。
【0023】
図7において、環境照度受光部09は、環境照度受光素子91、照度信号生成部92から構成される。
【0024】
環境照度受光素子91は、可視光の範囲に感度波長帯域をもった素子で、環境外光が入力されると、環境外光の照度に応じた電流・電圧を発生する。照度信号生成部92は、環境照度受光素子91からの信号の増幅等を行い、照度信号として制御マイコン10へ出力する。
【0025】
以上より、周囲環境に応じて制御マイコン10が照度信号を受け取り、映像輝度を調整することができる。
【0026】
なお、本願発明に関連する技術として、特許文献1では、赤外線リモコン信号の入力処理と環境外光の赤外線の強弱検出を同時に行う方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】特開2007−250812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
しかしながら、前記従来の構成では、リモコンの受光部08と、環境照度受光部09は、それぞれ独立した受光部品を使用している。その為、放送受信装置の外装にそれぞれの受光部品に光を導くための受光窓のスペースが必要となり、外装デザインの制約となっている。
【0029】
また、受光という共通目的の為に部品を2つ使う為、部品点数の面からもコスト高となる。
【0030】
なお、特許文献1では、1つの受光素子により、赤外線リモコン信号の入力処理と環境外光の赤外線の強弱検出を兼ねる提案がなされているが、環境外光としては赤外線のみしか検出せず、また赤外線の強度は強弱二値の判定しかしないので、可視光の照度検出には使用出来ない。
【課題を解決するための手段】
【0031】
前記従来の課題を解決するために、本発明の受光素子は、可視光の環境外光、および前記環境外光と赤外線リモコン信号の混合信号を受光する受光部と、前記受光した混合信号から前記赤外線リモコン信号を抽出し、前記抽出した赤外線リモコン信号をリモコンパルス信号に変換するリモコン信号復調部と、前記受光した環境外光から照度信号を生成する照度信号生成部と、前記リモコンパルス信号の出力の有無を判定し、前記リモコンパルス信号の出力が無い間は、前記受光した環境外光から生成された照度信号を保持し、前記リモコンパルス信号の出力が有る間は、前記照度信号生成部に対し、前記受光した環境外光から生成する照度信号に代えて、前記リモコンパルス信号の出力が無い間に保持している照度信号を出力するよう制御する制御部と、からなる。
【0032】
また、本発明の出力制御方法は、可視光の環境外光、および前記環境外光と赤外線リモコン信号の混合信号を受光する第1のステップと、前記受光した混合信号から前記赤外線リモコン信号を抽出し、前記抽出した赤外線リモコン信号をリモコンパルス信号に変換する、または前記受光した環境外光から照度信号を生成する第2のステップと、前記リモコンパルス信号の出力の有無を判定し、前記リモコンパルス信号の出力が無い間は、前記受光した環境外光から生成された照度信号を保持および出力し、前記リモコンパルス信号の出力が有る間は、前記リモコンパルス信号とともに、前記受光した環境外光から生成した照度信号に代えて、前記リモコンパルス信号の出力が無い間に保持している照度信号を出力する第3のステップと、からなる。
【0033】
本発明の受光素子および出力制御方法によれば、リモコンパルス信号が出力されている間は、リモコンパルス信号が出力されていない間に保持している可視光の環境外光から生成した照度信号を出力するようにしたので、本受光素子、出力制御方法を用いる装置において、赤外線リモコン信号と可視光の環境外光を受光する受光部を共用化することができ、外装デザインの自由度が増し、また部品点数の削減・実装基板面積の削減等のコストダウンを行なうことが可能となる。
【0034】
前記従来の課題を解決するために、本発明の受光システムは、可視光の環境外光、および前記環境外光と赤外線リモコン信号の混合信号を受光する受光部と、前記受光した混合信号から前記赤外線リモコン信号を抽出し、前記抽出した赤外線リモコン信号をリモコンパルス信号に変換するリモコン信号復調部と、前記受光した環境外光から照度信号を生成する照度信号生成部と、からなる受光素子と、前記リモコンパルス信号および前記環境信号を受信し、前記リモコンパルス信号を受信していない間は、前記受光した環境外光から生成された照度信号を保持するとともに、前記受光した環境外光から生成された照度信号に基づき輝度制御信号を出力し、前記リモコンパルス信号を受信している間は、前記リモコンパルス信号に基づきリモコン制御信号を出力するとともに、前記受光した環境外光から生成された照度信号に代えて、前記リモコンパルス信号の出力を受信していない間に保持している照度信号に基づき輝度制御信号を出力する制御マイコンと、からなる。
【0035】
また、本発明の出力制御方法は、可視光の環境外光、および前記環境外光と赤外線リモコン信号の混合信号を受光する第1のステップと、前記受光した混合信号から前記赤外線リモコン信号を抽出し、前記抽出した赤外線リモコン信号をリモコンパルス信号に変換する、または前記受光した環境外光から照度信号を生成する第2のステップと、前記リモコンパルス信号および前記環境信号を受信し、前記リモコンパルス信号を受信していない間は、前記受光した環境外光から生成された照度信号を保持するとともに、前記受光した環境外光から生成された照度信号に基づき輝度制御信号を出力し、前記リモコンパルス信号を受信している間は、前記リモコンパルス信号に基づきリモコン制御信号を出力するとともに、前記受光した環境外光から生成された照度信号に代えて、前記リモコンパルス信号の出力を受信していない間に保持している照度信号に基づき輝度制御信号を出力する第3のステップと、からなる。
【0036】
本発明の受光システムおよび出力制御方法によれば、放送受信装置における受光システム(受光素子および制御マイコン)において、リモコンパルス信号を受信している間は、リモコンパルス信号を受信していない間に保持している可視光の環境外光から生成した照度信号に基づき輝度制御信号を出力するようにしたので、本受光システム、出力制御方法を用いる装置において、赤外線リモコン信号と可視光の環境外光を受光する受光部を共用化することができ、外装デザインの自由度が増し、また部品点数の削減・実装基板面積の削減等のコストダウンを行なうことが可能となる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の受光素子および出力制御方法によれば、リモコンパルス信号が出力されている間は、リモコンパルス信号が出力されていない間に保持している可視光の環境外光から生成した照度信号を出力するようにしたので、本受光素子、出力制御方法を用いる装置において、赤外線リモコン信号と可視光の環境外光を受光する受光部を共用化することができ、外装デザインの自由度が増し、また部品点数の削減・実装基板面積の削減等のコストダウンを行なうことが可能となる。
【0038】
また、本発明の受光システムおよび出力制御方法によれば、リモコンパルス信号を受信している間は、リモコンパルス信号を受信していない間に保持している可視光の環境外光から生成した照度信号に基づき輝度制御信号を出力するようにしたので、本受光システム、出力制御方法を用いる装置において、赤外線リモコン信号と可視光の環境外光を受光する受光部を共用化することができ、外装デザインの自由度が増し、また部品点数の削減・実装基板面積の削減等のコストダウンを行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施例1における放送受信装置の構成図
【図2】本発明の実施例1における放送受信装置のリモコン・環境照度受光部の構成図
【図3】本発明の実施例1における放送受信装置の動作を示すフローチャート
【図4】本発明の実施例2における放送受信装置のリモコン・環境照度受光部の構成図
【図5】本発明の実施例2における放送受信装置の動作を示すフローチャート
【図6】従来の放送受信装置の構成図
【図7】従来の放送受信装置におけるリモコン受光部および環境照度受光部の構成図
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0041】
図1は、本発明の実施例1における放送受信装置の構成図である。
【0042】
本発明の実施例1における放送受信装置100は、チューナー部01、映像処理部02、映像表示部03、制御マイコン04、リモコン・環境照度受光部05から構成される。
【0043】
従来の放送受信装置200と異なる点は、制御マイコン10、リモコン受光部08、環境照度受光部09に代えて、制御マイコン04、リモコン・環境照度受光部05を備える点である。
【0044】
以下、従来の放送受信装置200と異なる点を中心に、赤外線リモコン06による選局時の動作を説明する。
【0045】
リモコン・環境照度受光部05は、赤外線リモコン06からユーザー操作により赤外線リモコン信号が出力されていない間、環境外光のみを受光し、環境外光の照度に応じた電流・電圧を照度信号として制御マイコン04へ出力する。制御マイコン04では、リモコン・環境照度受光部05より入力された照度信号に基づき、映像処理部02の制御を行なう。
【0046】
一方、赤外線リモコン06からユーザー操作により赤外線リモコン信号が送信されると、リモコン・環境照度受光部05は、環境外光と赤外線リモコン06からの赤外線リモコン信号の両方(混合信号)を受光することになるが、後述する制御により、赤外線リモコン信号を電気信号のリモコンパルス信号に変換し制御マイコン04へ出力するとともに、照度信号を制御マイコン04へ出力する。
【0047】
制御マイコン04は、リモコン・環境照度受光部05からのリモコンパルス信号を受信し、チューナー部01へCH切替信号や入力切替信号(リモコン制御信号)を送る。また、制御マイコン04は、リモコン・環境照度受光部05より入力された照度信号に基づき、映像処理部02の制御を行なう。
【0048】
図2は、本発明の実施例1における放送受信装置におけるリモコン・環境照度受光部の構成図である。
【0049】
リモコン・環境照度受光部05は、受光部51、AGC52、リモコン信号復調部53、制御部54、照度信号生成部55から構成される。なお、図2において、図7と同じ構成要素については同じ符号を用い、適宜説明を省略する。
【0050】
受光部51は、可視光から赤外光の範囲に感度波長帯域をもった素子である。
【0051】
受光部51は、赤外線リモコン06から赤外線リモコン信号が出力されていない間は、環境外光を受光し電流・電圧へ変換し、変換した電流・電圧を環境外光をAGC52および照度信号生成部55へ出力する。
【0052】
一方、受光部51は、赤外線リモコン06から赤外線リモコン信号が出力されると、環境外光と赤外線リモコン信号の混合信号を受光し電流・電圧へ変換し、変換した電流・電圧をAGC52および照度信号生成部55へ出力する。
【0053】
リモコン信号復調部53は、AGC52でレベル調整された環境外光、または混合信号を受信し、受信した環境外光または混合信号の内、混合信号に含まれる赤外線リモコン信号のみを抽出し、抽出した赤外線リモコン信号をリモコンパルス信号に変換し、制御マイコン04および制御部54へ出力する。
【0054】
制御部54は、AGC52におけるAGCレベル調整やリモコン信号復調部53の制御等を行う他、リモコン信号復調部53から出力されたリモコンパルス信号の出力の有無を判定し、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されていないと判定すると、その間、照度信号生成部55において受光部51で受光した環境外光から生成された照度信号を保持する。
【0055】
一方、制御部54は、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されていると判定すると、照度信号生成部55に対して、受光部51で受光した環境外光から生成する照度信号に代えて、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されていない間、制御部54で保持している照度信号を制御マイコン04に出力するよう制御する。
【0056】
照度信号生成部55は、赤外線リモコン06から赤外線リモコン信号が出力されていない間(つまり、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されていない間)は、受光部51で受光した環境外光から照度信号を生成し、制御マイコン04に出力する。
【0057】
一方、照度信号生成部55は、赤外線リモコン06から赤外線リモコン信号が出力されている間(つまり、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されている間)は、制御部54から制御に基づき、受光部51で受光した環境外光から生成する照度信号に代えて、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されていない間、制御部54で保持している照度信号を制御部54から受信し制御マイコン04に出力する。
【0058】
次に、図3を用いて、環境照度受光時に赤外線リモコン信号を受光した際の放送受信装置100の動作を説明する。
【0059】
図3は、本発明の実施例1における放送受信装置の動作を示すフローチャートである。
【0060】
リモコン・環境照度受光部05において、受光部51は、赤外線リモコン06から赤外線リモコン信号が出力されていない間は、環境外光を受光し電流・電圧へ変換し、変換した電流・電圧をAGC52および照度信号生成部55へ出力する(ステップS301)。または、受光部51は、赤外線リモコン06から赤外線リモコン信号が出力されると、環境外光と赤外線リモコン信号の混合信号を受光し電流・電圧へ変換し、変換した電流・電圧をAGC52および照度信号生成部55へ出力する(ステップS301)。
【0061】
制御部54は、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されているか否かを判定する(ステップS302)。
【0062】
制御部54は、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されていないと判定する(ステップS302でNo)と、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されていない間、照度信号生成部55において受光部51で受光した環境外光から生成された照度信号を保持する(ステップS303)。
【0063】
一方、制御部54は、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されていると判定する(ステップS302でYes)と、照度信号生成部55に対して、受光部51で受光した環境外光から生成する照度信号に代えて、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されていない間、制御部54で保持している照度信号を制御マイコン04に出力するよう制御する(ステップS304)。
【0064】
照度信号生成部55は、赤外線リモコン06から赤外線リモコン信号が出力されていない間(つまり、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されていない間)は、受光部51で受光した環境外光から照度信号を生成し、制御マイコン04に出力する(ステップS305)。
【0065】
一方、照度信号生成部55は、赤外線リモコン06から赤外線リモコン信号が出力されている間(つまり、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されている間)は、制御部54から制御に基づき、受光部51で受光した環境外光から生成する照度信号に代えて、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号が出力されていない間、制御部54で保持している照度信号を制御部54から受信し制御マイコン04に出力する(ステップS305)。
【0066】
制御マイコン04は、リモコン信号復調部53からのリモコンパルス信号を受信し、チューナー部01へリモコン制御信号を送る(ステップS306)。また、制御マイコン04は、照度信号生成部55より入力された照度信号に基づき、映像処理部02の制御を行なう(ステップS306)。
【0067】
以上、本発明の放送受信装置における受光素子によれば、リモコンパルス信号が出力されている間は、リモコンパルス信号が出力されていない間に保持している可視光の環境外光から生成した照度信号を出力するようにしたので、放送受信装置において、赤外線リモコン信号と可視光の環境外光を受光する受光部を共用化することができ、外装デザインの自由度が増し、また部品点数の削減・実装基板面積の削減等のコストダウンを行なうことが可能となる。
【0068】
なお、実施例1では放送受信装置における受光素子を例に挙げて説明したが、これに限らず、本発明は放送受信装置以外の装置や方法においても適用可能である。
【実施例2】
【0069】
図4は、本発明の実施例2における放送受信装置のリモコン・環境照度受光部の構成図である。リモコン・環境照度受光部07が、実施例1におけるリモコン・環境照度受光部05と異なる点は、制御部54、照度信号生成部55に代えて、制御部71、照度信号生成部72を備える点である。また、リモコン・環境照度受光部からの出力を受ける制御マイコンも制御マイコン04に代えて、制御マイコン14が備えられている。なお、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、適宜説明を省略する。
【0070】
制御部71は、AGC52におけるAGCレベル調整やリモコン信号復調部53の制御等を行う。
【0071】
照度信号生成部72は、受光部51で受光した環境外光から照度信号を生成し、制御マイコン14に出力する。
【0072】
制御マイコン14は、リモコン信号復調部53から出力されたリモコンパルス信号を受信していない間、照度信号生成部72から出力される受光部51で受光した環境外光から生成された照度信号を保持するとともに、受光部51で受光した環境外光から生成された照度信号に基づき映像処理部02に輝度制御信号を出力する。
【0073】
一方、制御マイコン14は、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号を受信している間、照度信号生成部72から出力される受光部51で受光した環境外光から生成された照度信号に代えて、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号を受信していない間保持している照度信号に基づき映像処理部02に輝度制御信号を出力する。また、制御マイコン14は、リモコン信号復調部53から受信したリモコンパルス信号に基づきチューナー部01にリモコン制御信号を出力する。
【0074】
図5は、本発明の実施例2における放送受信装置の動作を示すフローチャートである。
【0075】
リモコン・環境照度受光部07において、照度信号生成部72は、受光部51で受光した環境外光から照度信号を生成し、制御マイコン14に出力する(ステップS501)。
【0076】
制御マイコン14は、リモコン信号復調部53からのリモコンパルス信号を受信していない間(ステップS502でNo)、照度信号生成部72から出力される受光部51で受光した環境外光から生成された照度信号を保持する(ステップS503)。
【0077】
一方、制御マイコン14は、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号を受信している間(ステップS502でYes)、照度信号生成部72から出力される受光部51で受光した環境外光から生成された照度信号に代えて、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号を受信していない間保持している照度信号を読み出す(ステップS504)。
【0078】
制御マイコン14は、リモコン信号復調部53からのリモコンパルス信号を受信していない間(ステップS502でNo)、受光部51で受光した環境外光から生成された照度信号に基づき映像処理部02に輝度制御信号を出力する(ステップS505)。
【0079】
一方、制御マイコン14は、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号を受信している間(ステップS502でYes)、照度信号生成部72から出力される受光部51で受光した環境外光から生成された照度信号に代えて、リモコン信号復調部53からリモコンパルス信号を受信していない間保持している照度信号に基づき映像処理部02に輝度制御信号を出力する。また、制御マイコン14は、リモコン信号復調部53から受信したリモコンパルス信号に基づきチューナー部01にリモコン制御信号を出力する(ステップS505)。
【0080】
以上、本発明の放送受信装置における受光システム(受光素子および制御マイコン)によれば、リモコンパルス信号を受信している間は、リモコンパルス信号を受信していない間に保持している可視光の環境外光から生成した照度信号に基づき輝度制御信号を出力するようにしたので、放送受信装置において、赤外線リモコン信号と可視光の環境外光を受光する受光部を共用化することができ、外装デザインの自由度が増し、また部品点数の削減・実装基板面積の削減等のコストダウンを行なうことが可能となる。
【0081】
なお、実施例2では放送受信装置における受光システムを例に挙げて説明したが、これに限らず、本発明は放送受信装置以外の装置や方法においても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、リモコンパルス信号が出力されている間は、リモコンパルス信号が出力されていない間に保持している可視光の環境外光から生成した輝度信号を出力するようにしたので、本受光素子、出力制御方法を用いる装置において、赤外線リモコン信号と可視光の環境外光を受光する受光部を共用化することができ、外装デザインの自由度が増し、また部品点数の削減・実装基板面積の削減等のコストダウンを行なうことが可能となり、受光素子に係わり、特に放送受信装置などにおける受光素子において、リモコンパルス信号および照度信号の出力を制御する技術として有用である。
【符号の説明】
【0083】
01 チューナー部
02 映像処理部
03 映像表示部
04、14 制御マイコン
05、07 リモコン・環境照度受光部
06 赤外線リモコン
51 受光部
52 AGC
53 リモコン信号復調部
54、71 制御部
55、72 照度信号生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光の環境外光、および前記環境外光と赤外線リモコン信号の混合信号を受光する受光部と、
前記受光した混合信号から前記赤外線リモコン信号を抽出し、前記抽出した赤外線リモコン信号をリモコンパルス信号に変換するリモコン信号復調部と、
前記受光した環境外光から照度信号を生成する照度信号生成部と、
前記リモコンパルス信号の出力の有無を判定し、
前記リモコンパルス信号の出力が無い間は、
前記受光した環境外光から生成された照度信号を保持し、
前記リモコンパルス信号の出力が有る間は、
前記照度信号生成部に対し、前記受光した環境外光から生成する照度信号に代えて、前記リモコンパルス信号の出力が無い間に保持している照度信号を出力するよう制御する
制御部と、
からなる受光素子。
【請求項2】
可視光の環境外光、および前記環境外光と赤外線リモコン信号の混合信号を受光する第1のステップと、
前記受光した混合信号から前記赤外線リモコン信号を抽出し、前記抽出した赤外線リモコン信号をリモコンパルス信号に変換する、または
前記受光した環境外光から照度信号を生成する第2のステップと、
前記リモコンパルス信号の出力の有無を判定し、
前記リモコンパルス信号の出力が無い間は、
前記受光した環境外光から生成された照度信号を保持および出力し、
前記リモコンパルス信号の出力が有る間は、
前記リモコンパルス信号とともに、前記受光した環境外光から生成した照度信号に代えて、前記リモコンパルス信号の出力が無い間に保持している照度信号を出力する第3のステップと、
からなる出力制御方法。
【請求項3】
可視光の環境外光、および前記環境外光と赤外線リモコン信号の混合信号を受光する受光部と、
前記受光した混合信号から前記赤外線リモコン信号を抽出し、前記抽出した赤外線リモコン信号をリモコンパルス信号に変換するリモコン信号復調部と、
前記受光した環境外光から照度信号を生成する照度信号生成部と、
からなる受光素子と、
前記リモコンパルス信号および前記照度信号を受信し、
前記リモコンパルス信号を受信していない間は、
前記受光した環境外光から生成された照度信号を保持するとともに、前記受光した環境外光から生成された照度信号に基づき輝度制御信号を出力し、
前記リモコンパルス信号を受信している間は、
前記リモコンパルス信号に基づきリモコン制御信号を出力するとともに、前記受光した環境外光から生成された照度信号に代えて、前記リモコンパルス信号の出力を受信していない間に保持している照度信号に基づき輝度制御信号を出力する制御マイコンと、
からなる受光システム。
【請求項4】
可視光の環境外光、および前記環境外光と赤外線リモコン信号の混合信号を受光する第1のステップと、
前記受光した混合信号から前記赤外線リモコン信号を抽出し、前記抽出した赤外線リモコン信号をリモコンパルス信号に変換する、または
前記受光した環境外光から照度信号を生成する第2のステップと、
前記リモコンパルス信号および前記照度信号を受信し、
前記リモコンパルス信号を受信していない間は、
前記受光した環境外光から生成された照度信号を保持するとともに、前記受光した環境外光から生成された照度信号に基づき輝度制御信号を出力し、
前記リモコンパルス信号を受信している間は、
前記リモコンパルス信号に基づきリモコン制御信号を出力するとともに、前記受光した環境外光から生成された照度信号に代えて、前記リモコンパルス信号の出力を受信していない間に保持している照度信号に基づき輝度制御信号を出力する第3のステップと、
からなる出力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−249968(P2011−249968A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119074(P2010−119074)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】