説明

口腔内保護手段を備えた舌圧排子

【課題】口腔内で治療行為や診察行為をする際に、口腔内に損傷を与えたり不快感を与えたりせず、かつ強度や耐久性が十分な、舌圧排子の提供する。
【解決手段】舌圧排子10は舌部や頬部を押さえる舌圧部10aと把持部10bで形成され、舌圧部10aは芯部11と被膜部15より形成され、芯部11はチタン板体を細長板体に形成し先端部12と後端部13を有し、先端部12と後端部13の概略中間部位は該両端部より細く成形され、シリコンゴム製チューブ状の被膜部15の先端部16で閉じ、被膜部15の後端部17で開放するように成形され、芯部11の概略中間部位まで圧入できる寸法に形成される。把持部10bは先端部14と後端部18を有し、標準的な成人が片手で把持できる寸法で一般的な熱可塑性プラスチックで成型され、芯部後端部13と被膜部後端部17を保持し固定するように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医師や診察者が口腔内で治療行為や診察行為またはそれに準ずる行為を実施する場合に用いられる器具であり、舌部や頬部を押さえる舌圧部と把持部とから成る舌圧排子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、口腔内(舌、歯、歯茎、粘膜など)や歯科を治療したり診察したりする医師や診察者が口腔内で治療行為や診察行為またはそれに準ずる行為を実施する場合には、金属製または木製の、舌圧子、舌圧排子、舌鉗子、などと称されている細長板体が使用されている。しかしながら、従来のタイプでは、上記口腔内に対する当たりは硬く、痛みを伴う場合があったり、上記口腔内を傷める心配があった。例えば、口の小さな女性 歯茎が痩せ細った高齢者、子供、障害者、などの上記口腔内に損傷を与えてしまうことがあったり、不快な感じや不安感を与えることがあった。
【0003】
そこで、近年では、下記のような開発案件が散見されるようになった。
例えば、歯科医師が虫歯の治療をするにあたって、患者の舌を押さえ治療をやりやすくするとともに、歯科医師の不快感を解消し、治療中に誤って充填中のインレーなどを落とした時にそれが喉に落ちるのを防止し、また患者の舌を治療器具などで傷つけることを防ぎ、更に患者の唾液を吸引するときに治療を中断しなくてもよいようにすることを目的とし、そのために口の中に入れることによって患者の舌が押さえられ歯科医師が治療をやりやすくなるとともに、患者の舌が歯科医師の指に触れることがないので歯科医師の不快感も解消され、更に患者の舌を傷つけることを防止することができる、虫歯治療用舌押さえを提供する。(登録実用新案第3044128号公報を参照する)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、例えば、登録実用新案第3044128号公報の虫歯治療用舌押さえの開発案件では、口の中に入れることによって患者の舌が押さえられ歯科医師が治療をやりやすくなるとともに、患者の舌が歯科医師の指に触れることがないので歯科医師の不快感も解消され、更に患者の舌を傷つけることを防止することができることを特徴とするが、湿気や水分が多い環境であり、耐久性に問題があるという指摘を受けている。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、口の小さな女性や歯茎が痩せ細った高齢者や子供や障害者などの、口腔内(舌、歯、歯茎、粘膜など)や歯科を治療したり診察したりする医師や診察者が上記口腔内で治療行為や診察行為またはそれに準ずる行為を実施するときに、上記口腔内に対する当たりがソフトであり柔軟性があり、そのため上記口腔内に損傷を与えたり不快感や不安感を与えたりせず、かつ強度や耐久性を十分に備えた、舌圧排子の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するための第一の手段(請求項1)は、医師や診察者が口腔内で治療行為や診察行為またはそれに準ずる行為を実施する場合に用いられる器具であり、舌部や頬部を押さえる舌圧部に把持部を設けた舌圧排子において、前記舌圧排子が芯部と芯部を被膜する被膜部よりなり、前記芯部が硬質素材で前記被膜部が軟質素材で形成されることを特徴とする、口腔内保護手段を備えた舌圧排子を提供することである。
【0008】
課題を解決するための第一の手段で記述した舌圧排子に関しては、舌圧子とか舌鉗子とも称されている、金属製または木製の細長板体が知られているが、一般的に知られているタイプは凡そ本発明への応用が可能である。
課題を解決するための第一の手段で記述した芯部が硬質素材であることに関しては、硬質素材で前記細長板体に形成させるわけであるが、この場合の硬質素材に関しては、金属製で十分な強度を保持できるなら特に種類や品質には制限を設けないものとする。また、木製で十分な強度を保持できるなら特に種類や品質には制限を設けないものとする。また、硬質プラスチック製で十分な強度を保持できるなら特に種類や品質には制限を設けないものとする。
【0009】
課題を解決するための第一の手段で記述した被膜部が軟質素材であることに関しては、可撓性を有したり、弾力性を有したり、柔軟性を有したり、する素材であれば何でも用いることが可能であるが、その中でも特に、シリコン樹脂、シリコンゴム、耐熱樹脂、耐熱ゴム、耐酸性樹脂、耐アルカリ性樹脂、熱収縮性樹脂、耐酸性ゴム、耐アルカリ性ゴム、熱収縮性ゴム、の中から選択して用いることが好ましい。また、熱収縮性で、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性、を備えたシリコン樹脂またはシリコンゴムを用いることも好ましい。
【0010】
課題を解決するための第一の手段で記述する芯部を前記軟質素材で被膜する手段に関しては、塗膜手段、被膜手段、巻着手段、圧着手段、嵌着手段、吸着手段、接着手段、挿着手段、貼着手段、塗着手段、被着手段、密着手段、融着手段、圧入手段、嵌入手段、貫入手段、挿入手段、嵌通手段、密嵌手段、被せ手段、付着手段、浸し手段、熱収縮手段などの中の一般的に知られた手段を選択して、単体または組合せて用いればよい。
また、金属製で所望寸法の細長板体に形成した前記芯部に嵌入できるように形成し、一端が閉じられ他端に開口部を持つ熱収縮性を備えたシリコンゴム製の細長袋体を被膜部としても構わない。
【0012】
課題を解決するための第二の手段(請求項2)は、前記舌圧部及び前記把持部とを同一の素材で所定寸法の長細板状に形成したものを芯部と成し、前記芯部に被膜手段により被膜部を設け、前記芯部が硬質素材で前記被膜部が軟質素材で形成されることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段に記載の口腔内保護手段を備えた舌圧排子を提供することである。
【0013】
課題を解決するための第二の手段で記述した内容は、課題を解決するための第一の手段で記述したまず舌圧部を形成した後にこの舌圧部を接続できるように形成した把持部を接続できるようにしたことを特徴とし、また把持部を形成した後にこの把持部に接続できるように形成した舌圧部を接続できるようにしたことを特徴とすることと異なり、前記硬質素材の中から選択した硬質素材で所望寸法の細長板体に形成した芯部全体に前記軟質素材の中から選択した軟質素材で前記被膜部が形成するようにした場合には、前記芯部の先端部が前記舌圧部として機能し、前記芯部の後端部が前記把持部として機能することを特徴とする。
【0014】
例えば、金属製で所望寸法の細長板体に形成した芯部に嵌入できるように形成し、一端が閉じられ他端に開口部を持つ熱収縮性を備えたシリコンゴム製の細長袋体を開口部を介して前記細長板体に嵌入し加熱手段(熱収縮性を備えたシリコンゴムが熱収縮する温度を提供する手段)によって前記細長袋体を収縮させ前記芯部全体に密着させた後に前記開口部を封ずることで前記細長袋体が前記芯部の被膜部として機能する。そして前記芯部の先端部を舌圧部として使用し、前記芯部の後端部を把持部として使用すればよい。
【0016】
課題を解決するための第三の手段(請求項3)は、前記舌圧部を上にして前記把持部を下にして本体を正面から見た場合に前記舌圧部が前記把持部に対して左右どちらかに約1度〜20度曲折するように形成させたことを特徴とする、課題を解決するための第一の手段または課題を解決するための第二の手段に記載の口腔内保護手段を備えた舌圧排子を提供することである。
【0017】
課題を解決するための第三の手段で記述した前記舌圧部が前記把持部に対して左右どちらかに約1度〜20度曲折するように形成させる手段に関しては、前記舌圧部または前記把持部の芯部や前記舌圧部および前記把持部の芯部が、例えば木質系素材を長細板体および所定角度になるよう公知の切削手段を用いて形成させたり、例えば金属系素材を長細板体および所定角度になるよう公知の切削手段を用いて切削形成させたり、鍛造手段を用いて鍛造形成させたり、金型を介してプレス手段を用いてプレス形成させたり、鋳型を介して鋳造手段を用いて鋳造形成させたり、放電加工手段を用いて放電加工形成させたり、例えばプラスチック系素材を長細板体および所定角度になるよう公知の金型を介してプレス成形させたり、公知の金型を介して射出成形させたり、公知の金型を介してブロウ成形させたり、すればよい。
【0018】
前記木質系素材に関しては、一般的な舌圧排子や舌圧子や舌鉗子として、使用するに十分な強度を保持できるような素材であれば、何を用いても構わない。
前記金属系素材に関しては、一般的な舌圧排子や舌圧子や舌鉗子として、使用するに十分な強度を保持できるような素材であれば、何を用いても構わない。
前記プラスチック系素材に関しては、一般的な舌圧排子や舌圧子や舌鉗子として、使用するに十分な強度を保持できるような素材であれば、何を用いても構わない。
【0019】
課題を解決するための第三の手段で記述した前記舌圧部が前記把持部に対して左右どちらかに約1度〜20度曲折するように形成させることの、例えば角度に関しては、左右のどちらになるにせよ、約1度未満では本発明の効果が薄く、約20度以上では口腔内では使用しづらいという指摘を受けている。本発明では約10度程度曲折させることが好ましい。
【0021】
課題を解決するための第四の手段(請求項4)は、前記芯部の所望する部位には、貫通孔、非貫通孔、孔状、切り欠き、溝状、窪みまたは凹状、突起または凸状、の中の少なくとも一つが形成されていることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第三の手段いずれかに記載の口腔内保護手段を備えた舌圧排子を提供することである。
【0022】
課題を解決するための第四の手段で記述した、前記芯部の所望する部位には、貫通孔、非貫通孔、孔状、切り欠き、溝状、窪みまたは凹状、突起または凸状、を少なくとも一つ形成させる手段に関しては、例えば所定寸法で所定数の貫通孔に関しては一般的に知られた貫通手段や貫通孔形成手段を用いればよい。また、例えば所定寸法で所定数の非貫通孔に関しては一般的に知られた非貫通の穴あけ手段や非貫通孔形成手段を用いればよい。また、例えば所定寸法で所定数の孔状に関しては一般的に知られた孔状手段や孔状形成手段を用いればよい。また、例えば所定寸法で所定数の切り欠きに関しては一般的に知られた切り欠き手段や切り欠き形成手段を用いればよい。また、例えば所定寸法で所定数の溝状に関しては一般的に知られた溝状手段や溝状形成手段を用いればよい。また、例えば所定寸法で所定数の窪みまたは凹状に関しては一般的に知られた窪みまたは凹状手段や窪みまたは凹状形成手段を用いればよい。また、例えば所定寸法で所定数の突起または凸状に関しては一般的に知られた突起または凸状手段や突起または凸状形成手段を用いればよい。
【0023】
前記所定寸法に関しては、前記芯部の幅寸法や長さや厚みに合わせて適宜調節して設計すればよい。
前記所定数に関しては、前記芯部の幅寸法や長さや厚みに合わせて適宜調節して設計すればよい。
【0025】
課題を解決するための第五の手段(請求項5)は、前記芯部の表面の少なくとも一部には、前記被膜部との係着性または接着性または密着性を向上させるための処理を施すことを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第四の手段のいずれかに記載の口腔内保護手段を備えた舌圧排子を提供することである。
【0026】
課題を解決するための第五の手段で記述した前記芯部の表面に処理を施すことに関しては、前記木質系素材に関しては、例えば、表面に粗面を形成させることで前記被膜部との係着性を向上させる手段があるが、物理的手段または電気的手段または化学的手段または機械的手段または熱的手段の中から単独でまたは組合せて用いればよい。また、前記金属系素材に関しては、例えば、表面に粗面を形成させることで前記被膜部との係着性を向上させる手段があるが、物理的手段または電気的手段または化学的手段または機械的手段または熱的手段の中から単独でまたは組合せて用いればよい。また、前記プラスチック系素材に関しては、例えば、表面に粗面を形成させることで前記被膜部との係着性を向上させる手段があるが、表面に粗面を形成させるように設計した金型を用いて、プレス成形させたり、射出成形させたり、ブロウ成形させたり、すればよい。
【0027】
課題を解決するための第五の手段で記述した前記芯部の表面に処理を施すことに関しては、例えば、前記木質系素材の表面と前記被膜部との間に粘着剤または粘着材または接着剤または接着材を設けることで前記被膜部との密着性を向上させる手段を選択しても構わない。また、例えば、前記金属系素材の表面と前記被膜部との間に粘着剤または粘着材または接着剤または接着材を設けることで前記被膜部との密着性を向上させる手段を選択しても構わない。また、例えば、前記プラスチック系素材の表面と前記被膜部との間に粘着剤または粘着材または接着剤または接着材を設けることで前記被膜部との密着性を向上させる手段を選択しても構わない。
【発明の効果】
【0030】
上記のように構成された口腔内保護手段を備えた舌圧排子を、例えば歯の治療や診察に使用すると、前記軟質素材が患者の舌を上からソフトに押さえるので治療や診察がしやすく患者の舌や口腔内の粘膜を傷つけることがないと同時に、治療中や診察中に誤って治療対象者または診察対象者の歯や歯列や歯茎に接触しても、治療者や診察者に不快感や不安感を与えることはない。
【0031】
本発明によって、前記芯部が硬質素材で前記被膜部が軟質素材で形成されることで、本体の強度を保持しながら、前記被膜部の軟質素材によって口腔内の複雑な曲線や歯並びにも対応できるので、治療対象者や診察対象者に不快感や不安感を与えることが無く、その結果、医師や診察者は安心して口腔内で治療行為や診察行為をスムーズに実施することができる。
【0032】
本発明によって、前記芯部を金属製の薄板で前記被膜部を前記軟質素材で形成されることで、本体の強度を十分に保持しながら、舌圧部や把持部を力学的に曲折させることが可能になるので、口腔内の複雑な曲線や歯並びにも柔軟に合わせることができ、治療対象者や診察対象者に不快感や不安感を与えることが無く、その結果、医師や診察者は安心して口腔内で治療行為や診察行為をスムーズに実施することができる。
【0033】
本発明を用いることで、歯の治療対象者や診察対象者が、幼児や障害者や高齢者である場合に、例えばこれらの人たちが、故意に、無意識に、誤って、前記舌圧部に歯を接触させたり、前記舌圧部を歯で噛んだりした場合でも、歯や口腔内に損傷を与えたりすることがない口腔内保護手段を備えた舌圧排子を提供できる。また。その結果、医師や診察者は安心して、幼児や障害者や高齢者の口腔内で治療行為や診察行為をスムーズに実施することができる。
【0034】
上述した各発明の効果に加えて、例えば、前記軟質素材に耐熱性樹脂または耐熱性ゴムおよび耐酸性樹脂または耐酸性ゴムおよび耐アルカリ性樹脂または耐アルカリ性ゴムを採用することで、繰り返しの滅菌手段や殺菌手段や抗菌手段に耐える口腔内保護手段を備えた舌圧排子を提供できる。
【0035】
上述した各発明の効果に加えて、例えば、前記軟質素材に熱収縮性のシリコン樹脂またはシリコンゴムを採用することで、例えば、前記木質系素材の表面と前記被膜部との密着性を向上させ、また、例えば、前記金属系素材の表面と前記被膜部との密着性を向上させ、また、例えば、前記プラスチック系素材の表面と前記被膜部との密着性を向上させることが可能な口腔内保護手段を備えた舌圧排子を提供することができる。
【0036】
上述した各発明の効果に加えて、例えば、前記芯部の所望する部位に、貫通孔、非貫通孔、孔状、切り欠き、溝状、窪みまたは凹状、突起または凸状、を少なくとも一つ形成させる手段を設けることで、一般的には前記金属系素材と前記軟質素材とは前記係着性が比較的よくないとされていた問題を解決できるので、製品の耐久性が向上し、結果的に経済的に優れた、口腔内保護手段を備えた舌圧排子を提供できる。
【0037】
本発明によって、前記舌圧部が前記把持部に対して左右どちらかに約1度〜20度曲折するように形成させたことで、本体の強度を保持しながら、前記口腔内の複雑な曲線や歯並びにも対応できるので、治療対象者や診察対象者に不快感や不安感を与えることが無く、さらに、医師や診察者には使用感を向上させ口腔内で治療行為や診察行為をスムーズに実施することができる、口腔内保護手段を備えた舌圧排子を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の口腔内保護手段を備えた舌圧排子の実施の形態について、図1〜図8に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態例を示す正面図であり、図2は本発明の実施の形態例を示す側面図であり、図3は本発明の実施の形態例を示す正面図であり、図4は本発明の実施の形態例を示す側面図であり、図5は本発明の実施の形態例を示す正面図であり、図6は本発明の実施の形態例を示す側面図であり、図7は本発明の実施の形態例を示す正面図であり、図8は本発明の実施の形態例を示す側面図である。
【実施例1】
【0041】
図1と図2より、10は医師や診察者が口腔内で治療行為や診察行為またはそれに準ずる行為を実施する場合に用いられる舌圧排子であり、舌圧排子10は舌部や頬部を押さえる舌圧部10aと把持部10bで形成されている。舌圧部10aは芯部11と芯部11を被膜手段によって形成した被膜部15より形成されている。芯部11は硬質素材より選択されたチタン製板体を図示したように細長板体に形成し先端部が12であり後端部が13という構造であり、芯部先端部12と芯部後端部13の概略中間部位をこの両端部より細くなるように成形され、芯部11の表面部の少なくとも一部は表面処理が施されてある。被膜部15は軟質素材より選択されたシリコンゴム製の一端が閉じられ他端が開放されたチューブであり、シリコンゴム製でチューブ状の被膜部15の先端部は16であり閉じるように成形され、被膜部15の後端部は17であり開放するように成形され、芯部11の概略中間部位まで嵌入できる寸法に形成されている。把持部10bは図で示されたように先端部が14であり後端部が18という構造であり、標準的な成人が片手で把持できる寸法で一般的な熱可塑性プラスチックで成型され、芯部後端部13と被膜部後端部17を保持し固定するように形成される。
【0042】
次に、チタン製板体から形成された細長板体の芯部11は芯部先端部12から芯部後端部13までの長さは略100mmから略200mm程度の範囲が好ましく、芯部先端部12の幅は略5mmから略20mm程度の範囲が好ましく、芯部後端部13の幅は略5mmから略20mm程度の範囲に形成するのが好ましい。シリコンゴム製でチューブ状の被膜部15は芯部11に嵌入できる寸法に形成されているので、芯部先端部12から挿入し芯部11の略中間部位まで被膜部後端部17を嵌入した後に予め成形されてあった把持部10bによって芯部後端部13と被膜部後端部17を固定することで芯部11は把持部10bによって保持され、芯部先端部12と被膜部先端部16は舌圧部10aとして機能する。
【0043】
実施例1の舌圧排子を、医師や診察者が治療行為を必要とする治療対象者や診察行為を必要とする診察対象者の口腔内に挿入し、舌圧部10aを舌に押し当てることで被膜部先端部16はソフトに舌に接触し芯部先端部12が舌の形状に合わせて変形することで治療対象者や診察対象者に不快感を与えないので、医師や診察者は治療行為や診察行為に専念することができる。
【実施例2】
【0044】
図3と図4より、20は医師や診察者が口腔内で治療行為や診察行為またはそれに準ずる行為を実施する場合に用いられる舌圧排子であり、舌圧排子20は舌部や頬部を押さえる舌圧部20aと把持部20bで形成されている。舌圧部20aは芯部21と芯部21を被膜手段によって形成した被膜部25より形成されている。芯部21は硬質素材より選択されたチタン製板体を図示したように細長板体に形成し先端部が22であり後端部が23という構造であり、芯部先端部22と芯部後端部23の概略中間部位をこの両端部より細くなるように成形され、芯部21の所望する部位に、貫通孔、非貫通孔、孔状、切り欠き、溝状、窪みまたは凹状、突起または凸状、の中から選択した貫通孔を図に示したように二箇所設け、一つは芯部先端部22の近位置に設けた貫通孔を22aとし、貫通孔22aよりは芯部後端部23に近い位置に設けた貫通孔を22bとする。被膜部25は軟質素材より選択された熱収縮性シリコン樹脂製の一端が閉じられ他端が開放されたチューブであり、熱収縮性シリコン樹脂製でチューブ状の被膜部25の先端部は26であり閉じるように成形され、被膜部25の後端部は27であり開放するように成形され、芯部21の概略中間部位まで嵌入できる寸法に形成されている。把持部20bは図で示されたように先端部が24であり後端部が28という構造であり、標準的な成人が片手で把持できる寸法で一般的な耐熱性プラスチックで成型され、芯部後端部23と被膜部後端部27を保持し固定するように形成されているものとする。
【0045】
次に、チタン製板体から形成された細長板体の芯部21は芯部先端部22から芯部後端部23までの長さは略100mmから略200mm程度の範囲が好ましく、芯部先端部22の幅は略10mmから略25mm程度の範囲が好ましく、芯部後端部23の幅は略5mmから略20mm程度の範囲に形成するのが好ましい。また、芯部21の成形時に芯部先端部22の近位置に貫通孔22aが貫通孔22aよりは芯部後端部23に近い位置に貫通孔22bが設けられるように金型を設計する。また熱収縮性シリコン樹脂製でチューブ状の被膜部25は芯部21に圧入できる寸法に形成されているので、芯部先端部22から挿入し芯部21の略中間部位まで被膜部後端部27を嵌入した後に、加熱手段によって少なくとも100℃以上の熱風に接触させることで被膜部25は収縮して芯部21に密着するが、この時貫通孔22aと貫通孔22bの作用によって密着性は向上する。次に予め成形されてあった把持部20bによって芯部後端部23と被膜部後端部27を固定することで芯部21は把持部20bによって保持され、芯部先端部22と被膜部先端部26は舌圧部20aとして機能する。
【0046】
実施例2の舌圧排子を、医師や診察者が治療行為を必要とする治療対象者や診察行為を必要とする診察対象者の口腔内に挿入し、舌圧部20aを舌に押し当てることで被膜部先端部26はソフトに舌に接触し芯部先端部22が舌の形状に合わせて変形することで治療対象者や診察対象者に不快感を与えないので、医師や診察者は治療行為や診察行為に専念することができる。また、貫通孔22aと貫通孔22bの作用によって密着性は向上し本品の耐久性が向上し、経済的に有利な口腔内保護手段を備えた舌圧排子を提供できる。
【実施例3】
【0047】
図5と図6より、30は医師や診察者が口腔内で治療行為や診察行為またはそれに準ずる行為を実施する場合に用いられる舌圧排子であり、舌圧排子30は舌部や頬部を押さえる舌圧部30aと把持部30bで形成されている。舌圧部30aは芯部31と芯部31を被膜手段によって形成した被膜部35より形成されている。芯部31は硬質素材より選択されたチタン製板体を図示したように細長板体に形成し先端部が32であり後端部が33という構造であり、芯部先端部32と芯部後端部33の概略中間部位をこの両端部より細くなるように成形され、A1は芯部先端部32を上に芯部後端部33が下になり垂直状態になるよう芯部31を正面から見た場合に芯部後端部33に対して芯部先端部32を右側に略10度曲折するように形成させた角度を示している。被膜部35は軟質素材より選択されたシリコンゴム製の一端が閉じられ他端が開放されたチューブであり、シリコンゴム製でチューブ状の被膜部35の先端部は36であり閉じるように成形され、被膜部35の後端部は37であり開放するように成形され、芯部31の概略中間部位まで嵌入できる寸法に形成されている。把持部30bは図で示されたように先端部が34であり後端部が38という構造であり、標準的な成人が片手で把持できる寸法で一般的な耐熱性プラスチックで成型され、芯部後端部33と被膜部後端部37を保持し固定するように形成されているものとする。
【0048】
次に、チタン製板体から形成された細長板体の芯部31は芯部先端部32から芯部後端部13までの長さは略100mmから略200mm程度の範囲が好ましく、芯部先端部32の幅は略10mmから略20mm程度の範囲が好ましく、芯部後端部33の幅は略5mmから略20mm程度の範囲に形成するのが好ましい。シリコンゴム製でチューブ状の被膜部35は芯部31に嵌入できる寸法に形成されているので、芯部先端部32から挿入し芯部31の略中間部位まで被膜部後端部37を嵌入するが、このときに芯部31の少なくとも一部に接着剤が塗布されていることが好ましい。次に、予め成形されてあった把持部30bによって芯部後端部33と被膜部後端部37を固定することで芯部31は把持部30bによって保持され、芯部先端部32と被膜部先端部36は舌圧部30aとして機能する。
【0049】
実施例3の舌圧排子を、医師や診察者が治療行為を必要とする治療対象者や診察行為を必要とする診察対象者の口腔内に挿入し、舌圧部30aを舌に押し当てることで被膜部先端部36はソフトに舌に接触し芯部先端部32が舌の形状に合わせて変形することで治療対象者や診察対象者に不快感を与えないので、医師や診察者は治療行為や診察行為に専念することができる。また、舌圧部30aは角度A1によって前記口腔内でのフィット感と医師や診察者による使用感を向上させることが可能になるので、本発明の採用者は商品価値が向上した口腔内保護手段を備えた舌圧排子を提供できる。
【実施例4】
【0050】
図7と図8より、40は医師や診察者が口腔内で治療行為や診察行為またはそれに準ずる行為を実施する場合に用いられる舌圧排子であり、舌圧排子40は舌部や頬部を押さえる舌圧部40aと把持部40bで形成されている。舌圧部40aは芯部41と芯部41を被膜手段によって形成した被膜部45より形成されている。芯部41は硬質素材より選択されたチタン製板体を図示したように細長板体に形成し先端部が42であり後端部が43という構造であり、芯部先端部42と芯部後端部43の概略中間部位をこの両端部より細くなるように成形され、A2は芯部先端部42を上に芯部後端部43が下になり垂直状態になるよう芯部41を正面から見た場合に芯部後端部43に対して芯部先端部42を右側に略10度曲折するように形成させた角度を示している。また、芯部41の所望する部位に、貫通孔、非貫通孔、孔状、切り欠き、溝状、窪みまたは凹状、突起または凸状、の中から選択した貫通孔を図に示したように二箇所設け、例えば一つは芯部先端部42の近位置に設けた貫通孔を42aとし、例えば貫通孔42aよりは芯部後端部43に近い位置に設けた貫通孔を42bとする。被膜部45は軟質素材より選択された熱収縮性シリコン樹脂製の一端が閉じられ他端が開放されたチューブであり、熱収縮性シリコン樹脂製でチューブ状の被膜部45の先端部は46であり閉じるように成形され、被膜部45の後端部は47であり開放するように成形され、芯部41の概略中間部位まで嵌入できる寸法に形成されている。把持部40bは図で示されたように先端部が44であり後端部が48という構造であり、標準的な成人が片手で把持できる寸法で一般的な耐熱性プラスチックで成型され、芯部後端部43と被膜部後端部47を保持し固定するように形成されているものとする。
【0051】
次に、チタン製板体から形成された細長板体の芯部41は芯部先端部42から芯部後端部43までの長さは略100mmから略200mm程度の範囲が好ましく、芯部先端部42の幅は略10mmから略25mm程度の範囲が好ましく、芯部後端部43の幅は略5mmから略20mm程度の範囲に形成するのが好ましい。また、芯部41の成形時に芯部先端部42の近位置に貫通孔42aが貫通孔42aよりは芯部後端部43に近い位置に貫通孔42bが設けられるように、また芯部先端部42に角度A2を形成させるように金型を設計する。また熱収縮性シリコン樹脂製でチューブ状の被膜部45は芯部41に嵌入できる寸法に形成されているので、芯部先端部42から挿入し芯部41の略中間部位まで被膜部後端部47を嵌入した後に、加熱手段によって少なくとも100℃以上の熱風に接触させることで被膜部45は収縮して芯部41に密着するが、この時貫通孔42aと貫通孔42bの作用によって密着性は向上する。次に予め成形されてあった把持部40bによって芯部後端部43と被膜部後端部47を固定することで芯部41は把持部40bによって保持され、芯部先端部42と被膜部先端部46は舌圧部40aとして機能する。
【0052】
実施例4の舌圧排子を、医師や診察者が治療行為を必要とする治療対象者や診察行為を必要とする診察対象者の口腔内に挿入し、舌圧部40aを舌に押し当てることで被膜部先端部46はソフトに舌に接触し芯部先端部42が舌の形状に合わせて変形することで治療対象者や診察対象者に不快感を与えないので、医師や診察者は治療行為や診察行為に専念することができる。また、舌圧部40aは角度A2によって前記口腔内でのフィット感と医師や診察者による使用感を向上させることが可能になるので、本発明の採用者は商品価値が向上した口腔内保護手段を備えた舌圧排子を利用できる。
【0059】
上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
また、本明細書の中で上記において引用されたすべての参考文献は完全にそのまま参照部に取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の口腔内保護手段を備えた舌圧排子は歯科以外でも、口腔内科、小児科、耳鼻咽喉科、などにおいて、小児や乳幼児や高齢者や障害者の口腔内を治療したり診察したりする際にも適用できるので、産業上の利用価値が高い。
また、本発明の口腔内保護手段を備えた舌圧排子は歯科、口腔内科、小児科、耳鼻咽喉科、以外でも、動物の口腔内を治療したり診察したりする際にも適用できるので、産業上の利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態例を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態例を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態例を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態例を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態例を示す正面図である。
【図6】本発明の実施の形態例を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の形態例を示す正面図である。
【図8】本発明の実施の形態例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0062】
10,20,30,40 舌圧排子
10a,20a,30a,40a 舌圧部
10b,20b,30b,40b 把持部
11,21,31,41 芯部
12,22,32,42 芯部先端部
13,23,33,43 芯部後端部
14,24,34,44 把持部先端部
15,25,35,45 被膜部
16,26,36,46 被膜部先端部
17,27,37,47 被膜部後端部
18,28,38,48 把持部後端部
22a,22b 貫通孔
42a,42b 貫通孔
A1,A2 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医師や診察者が口腔内で治療行為や診察行為またはそれに準ずる行為を実施する場合に用いられる器具であり、舌部や頬部を押さえる舌圧部に把持部を設けた舌圧排子において、舌圧排子が芯部と芯部を被膜する被膜部よりなり、前記芯部が硬質素材で前記被膜部が軟質素材で形成されることを特徴とする、口腔内保護手段を備えた舌圧排子。
【請求項2】
前記舌圧部及び前記把持部とを同一の素材で所定寸法の長細板状に形成したものを芯部と成し、前記芯部に被膜手段により被膜部を設け、前記芯部が硬質素材で前記被膜部が軟質素材で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の口腔内保護手段を備えた舌圧排子。
【請求項3】
前記舌圧部を上にして前記把持部を下にして本体を正面から見た場合に前記舌圧部が前記把持部に対して左右どちらかに約1度〜20度曲折するように形成させたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の口腔内保護手段を備えた舌圧排子。
【請求項4】
前記芯部の所望する部位には、貫通孔、非貫通孔、孔状、切り欠き、溝状、窪みまたは凹状、突起または凸状、の中の少なくとも一つが形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の口腔内保護手段を備えた舌圧排子。
【請求項5】
前記芯部の表面の少なくとも一部には、前記被膜部との係着性または接着性または密着性を向上させるための処理を施すことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の口腔内保護手段を備えた舌圧排子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−22702(P2009−22702A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211561(P2007−211561)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(507274397)有限会社片力商事 (1)