説明

口腔衛生装置

【課題】口腔衛生装置において、ブラシが歯に正確に当たっているか否かをユーザに認知させることにより、ブラッシングによる歯垢除去効果を向上させ、これにより微小電流による口腔内への衛生効果を有効に発揮させる。
【解決手段】電子歯ブラシ1は、ブラシを有したヘッド部と把持部とを備える。ヘッド部には電極4aが設けられ、把持部には電極4bが設けられている。両電極4a及び4b間に電圧印加したとき、本装置1と人体5とを繋ぐ電気回路6に電流が供給される。また電子歯ブラシ1は、ヘッド部を往復動させる駆動部31と、電気回路6に流れる電流を検出する電流検出回路33bと、検出電流に応じて駆動部31による往復動作を制御する制御回路33dとを備える。検出電流に応じてブラシの往復動作を適宜変化させ、そのような動作変化が生じることをユーザに予め報告しておくことで、ブラシが歯に正確に当たっているか否かをユーザに認知させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内に微小な電流を流すことが可能な電子歯ブラシ等の口腔衛生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の装置として、ヘッド部及び把持部の双方に電極が設けられ、両電極間に電圧印加したときに本装置と人体とを繋ぐ電気回路に電流が供給される電子歯ブラシが知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。このような電気歯ブラシにおいては、ヘッド部を口腔内に挿入すると口腔内に微小電流が流れ、電気化学的作用により歯垢を除去し易くしたり、電気的刺激により口腔内の新陳代謝や血行改善を図ることが可能となる。また、上記のような電気歯ブラシにおいて、ヘッド部をモータにより往復動させる機能を有したものもある(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−175745号公報
【特許文献2】特開平2−283310号公報
【特許文献3】特公昭48−027390号公報
【特許文献4】特許第2853798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、歯や歯肉に比較的多くの汚れが残っている場合には、微小電流の流れが不安定となり微小電流による口腔内への衛生効果は低減するため、ブラッシングにより歯垢を除去することが重要となる。ところが、ユーザは、ブラッシングによる歯垢除去が的確に行われている否かを知ることが難しく、その結果、微小電流による口腔内への衛生効果が十分に発現されないことがあった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ヘッド部が口腔内に挿入されたときに、ブラシが歯に正確に当たっているか否かをユーザに認知させることにより、ブラッシングによる歯垢除去効果を向上させ、これにより、微小電流による口腔内への衛生効果を有効に発揮することができる口腔衛生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、口腔内に挿入されるブラシを有したヘッド部と、前記ヘッド部に連接される把持部とを備え、前記ヘッド部及び把持部の双方に電極が設けられ、両電極間に電圧印加したときに本装置と人体とを繋ぐ電気回路に電流が供給される口腔衛生装置において、前記ヘッド部を前記把持部に対して往復動作させる駆動手段と、前記電気回路に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段による検出電流に応じて前記駆動手段による往復動作を制御する制御手段とを備えるものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、使用開始時に前記電気回路に流れた電流を基準値として記憶する記憶部を備え、前記制御手段は、前記記憶部に記憶された基準値と前記電流検出手段による検出電流とを比較して前記駆動手段による往復動作を制御するものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、前記電流検出手段による検出電流が大きくなったときに前記駆動手段の動作速度を上昇させ、前記電流検出手段による検出電流が小さくなったときに前記駆動手段の動作速度を低下させるよう、正帰還のフィードバックを行うものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、前記電流検出手段による検出電流が大きくなったときに前記駆動手段の動作速度を低下させ、前記電流検出手段による検出電流が小さくなったときに前記駆動手段の動作速度を上昇させるよう、負帰還のフィードバックを行うものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の発明において、前記ヘッド部が口腔内で受ける負荷を検出する負荷検出手段を備え、前記制御部は、前記負荷検出手段による検出結果をも参照して、前記駆動手段による往復動作を制御するものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、電流検出手段による検出電流に応じてヘッド部の動作を適宜変化させることができるので、ヘッド部を口腔内に挿入したときにそのような動作変化が生じることをユーザに予め報告しておくことで、ブラシが歯に正確に当たっているか否かをユーザに認知させることができる。従って、効果的なブラッシングにより歯垢を除去することが可能となり、歯垢除去に伴って口腔内に流れる微小電流による衛生効果が高まるので、歯周疾患を効果的に予防できる。
【0012】
請求項2の発明によれば、歯や歯肉に付着する汚れが減ったことを、記憶された基準値に対する検出電流の変動により読み取ることができるので、実使用環境におけるユーザ個々のバラツキが排除され、ブラシの接触具合をユーザに的確に認知させることが可能となる。従って、より効果的なブラッシングを行うことが可能となり、微小電流による衛生効果が一層高まる。
【0013】
請求項3の発明によれば、ブラシが歯や歯肉に正しく当たっているときにヘッド部の動きが速くなり、ブラシが歯や歯肉に正しく当たっていないときにヘッド部の動きが遅くなるので、そのような動作変化が生じることをユーザに報告しておくことによって、ブラシの接触具合をユーザに的確に認知させることが可能となる。また、ブラシが歯や歯肉に正確に当たっている場合、ブラッシングによる歯垢除去効果が高まり、ヘッド部が口腔内から取り出された場合、ヘッド部の動きが減速又は停止してヘッド部に付着した歯磨き剤等が飛散することがなくなる。
【0014】
請求項4の発明によれば、ブラシが歯や歯肉に正しく当たっているときにヘッド部の動きが遅くなり、ブラシが歯や歯肉に正しく当たっていないときにヘッド部の動きが速くなるので、そのような動作変化が生じることをユーザに報告しておくことによって、ブラシの接触具合をユーザに的確に認知させることが可能となる。また、ブラシが歯や歯肉に正しく当たっている場合、ヘッド部の動きが減速してユーザのブラッシング操作を邪魔することがなくなり、一方で、ブラシが歯や歯肉に正しく当たっていない場合、ヘッド部の動きが速くなりユーザのブラッシング操作を補助することができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、口腔内でヘッド部が受ける負荷と、電流検出手段による検出電流とに応じてブラシの往復動作を適正に変化できるので、歯や歯肉とブラシとの接触具合に適応した効果的なブラッシングを行うことができる。従って、例えば、検出電流が所定レベルにあり微小電流による衛生効果が発現していると考えられるとき、ヘッド部における負荷が大きいなら、ブラシを歯で噛み込んでいることが想定されるので、ヘッド部の動きを遅くすることで口腔内を傷つけることを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る口腔衛生装置の断面構成図。
【図2】上記口腔衛生装置のブロック構成図。
【図3】上記口腔衛生装置における電流検出回路による検出電流と駆動部への供給電流との関係を示す図。
【図4】上記口腔衛生装置における駆動制御の変形例を示す図。
【図5】上記口腔衛生装置における駆動制御の他の変形例を示す図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る口腔衛生装置のブロック構成図。
【図7】上記口腔衛生装置における検出電流と供給電流との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る口腔衛生装置について図1乃至図3を参照して説明する。図1は本実施形態に係る口腔衛生装置である電子歯ブラシ1の概略構成を示す。電子歯ブラシ1は、先端側にブラシ2aが植設されたヘッド部2と、ヘッド部2の基端側に連接される略筒状の把持部3とを備えている。また、電子歯ブラシ1は、口腔内に微小電流を流すための電極部として、ヘッド部2におけるブラシ2a近傍部位に配された電極4aと、把持部3表面の一部に配された電極4bを備えている。把持部3は、ヘッド部2を往復動作させる駆動部31、蓄電池から成る電源部32、本装置1制御のための各種回路が実装された回路基板33等を内蔵している。駆動部31は、電源部32からの電力を受けて駆動するアクチュエータであって、ヘッド部2を高速振動させるものが好ましい。把持部3の内部には、駆動部31の駆動力をヘッド部2に伝達する駆動軸34が設けられている。この駆動軸34は、把持部3の長手方向に突出しており、導電性を有している。
【0018】
ヘッド部2は、把持部3に対して着脱自在とされ、ヘッド部2の基端側には駆動軸34の先端側と係合する嵌め込み穴21が形成されている。ヘッド部2の内部には、電極4aと駆動軸34とを電気的に接続する導電部材22が設けられている。電極4aは、導電部材22、駆動軸34、回路基板33を介して電源部32のマイナス極に接続される。一方、電極4bは、回路基板33を介して電源部32のプラス極に接続される。上記のような構成により、両電極4a及び4b間に電圧印加された状態でブラシ2aが口腔内に挿入されると、本装置1と人体とが電気的に導通されて電流が流れる。このときの電流経路は、電源部32のプラス極〜回路基板33〜電極4b(把持部3側)〜手〜体内〜口腔内(歯、歯肉)〜唾液〜電極4a(ヘッド部2側)〜導電部材22〜駆動軸34〜回路基板33〜電源部32のマイナス極となる。
【0019】
図2は本電子歯ブラシ1の電気的なブロック構成を示す。回路基板33は、本装置1と人体5とを繋ぐ電気回路6に電流を供給する電流供給回路33aと、電気回路6に流れる電流を検出する電流検出回路33bと、駆動部31を駆動させるための駆動回路33cと、電流供給回路33a及び駆動回路33を制御する制御回路33dとを有している。電流供給回路33aは、電源部32の直流電圧を昇圧して両電極4a及び4b間に印加する昇圧回路や、電気回路6に大電流が流れないように電流値を制限するトランジスタ回路等を有している。電流検出回路33bは、電極4aと電流供給回路33aとの間に設けられており、シャント抵抗と、シャント抵抗の両端に生じる電位差を増幅するオペアンプと、オペアンプからの電位差信号に基づき電流値を演算する演算部等で構成される。
【0020】
駆動回路33cは、制御回路33dからの制御信号を受け、電源部32より必要な電力を駆動部31に供給する。制御回路33dは、電流検出回路33bによる検出電流に応じて駆動回路33cに制御信号を送出し、駆動部31による往復動作を制御する。制御回路33dには、使用開始時に電気回路6に流れた電流を基準値として記憶する記憶部33eが設けられている。制御回路33dは、記憶された基準値と検出電流とを比較することにより、駆動回路33cに送出する制御信号を決定する。記憶部33eに記憶される基準値は、本装置1使用の度に書き換えられる。
【0021】
図3は、電流検出回路33bによる検出電流Iinと、駆動部31への供給電流Ioutとの関係をグラフ化したものを示す。本図において、横軸は基準値Iin(0)と検出電流Iinの比較値Iin(0)−Iinを表し、縦軸は供給電流Ioutを表している。図中の供給電流Iout(0)は、使用開始時における駆動部31への供給電流、すなわち供給電流の初期値である。ここでは、比較値Iin(0)−Iinが0より大きくなるに連れて供給電流Ioutは初期値Iout(0)より小さくなるように設定され、比較値Iin−Iin(S)が0より小さくなるに連れて供給電流Ioutは初期値Iout(0)より大きくなるように設定されている。供給電流Ioutが初期値Iout(0)より小さくなると、ヘッド部2の動きは使用開始時よりも遅くなり、供給電流Ioutが初期値Iout(0)より大きくなると、ヘッド部2の動きは使用開始時よりも速くなる。
【0022】
ここで、比較値Iin(0)−Iinが正の値となる場合とは、ブラシ2aが歯に正確に当たっていない状態であって、検出電流Iinが基準値Iin(0)より小さくなっている場合と想定される。一方で、比較値Iin(0)−Iinが負の値となる場合とは、ブラシ2aが歯に正確に当たっている状態であって、検出電流Iinが基準値Iin(0)より大きくなっている場合と想定される。
【0023】
このように本実施形態に係る電子歯ブラシ1によれば、電流検出回路33bによる検出電流に応じてヘッド部2の動作を適宜変化させることができるので、ヘッド部2を口腔内に挿入したときにそのような動作変化が生じることをユーザに予め報告しておくことで、ブラシ2aが歯に正確に当たっているか否かをユーザに認知させることができる。また、歯や歯肉に付着する汚れが減ったことを、記憶された基準値に対する検出電流の変動により読み取るので、実使用環境におけるユーザ個々のバラツキが排除され、ブラシ2aの接触具合をユーザに的確に認知させることが可能となる。従って、効果的なブラッシングにより歯垢を除去することが可能となり、歯垢除去に伴って口腔内に流れる微小電流による衛生効果が高まるので、歯周疾患を効果的に予防できる。
【0024】
次に、上記実施形態の電子歯ブラシ1における制御回路33dが行う駆動制御の種々の変形例について図4及び図5を参照して説明する。ここでの変形例においては、上述した基準値を用いることなく駆動部31の往復動作を制御する。図4に示される検出電流Iinと供給電流Ioutとの関係においては、検出電流Iinが大きくなるに連れて供給電流Ioutは大きくなり、検出電流Iinが小さくなるに連れて供給電流Ioutを小さくなるように設定されている。つまり、検出電流Iinの時間当たりの変化量をΔIin、供給電流Ioutの時間当たりの変化量をΔIoutとしたとき、制御回路33dはフィードバックの特性ΔIout/ΔIinが正の値になるように制御を行う(正帰還のフィードバック)。
【0025】
このような駆動制御よれば、ブラシ2aが歯や歯肉に正しく当たっているときにヘッド部2の動きが速くなり、ブラシ2aが歯や歯肉に正しく当たっていないときにヘッド部2の動きが遅くなるので、そのような動作変化が生じることをユーザに報告しておくことによって、ブラシ2aの接触具合をユーザに的確に認知させることが可能となる。また、ブラシ2aが歯や歯肉に正確に当たっている場合、ブラッシングによる歯垢除去効果が高まり、ヘッド部2が口腔内から取り出された場合、ヘッド部2の動きが減速又は停止し、ヘッド部2に付着した歯磨き剤等が飛散することがなくなり、本電子歯ブラシ1の初心者に対して効果的なブラシ動作を行うことが可能となる。
【0026】
図5に示される検出電流Iinと供給電流Ioutとの関係においては、検出電流Iinが大きくなるに連れて供給電流Ioutは小さくなり、検出電流Iinが小さくなるに連れて供給電流Ioutを大きくなるように設定されている。つまり、制御回路33dはフィードバックの特性ΔIout/ΔIinが負の値になるように制御を行う(負帰還のフィードバック)。
【0027】
このような駆動制御よれば、ブラシ2aが歯や歯肉に正しく当たっているときにヘッド部2の動きが遅くなり、ブラシ2aが歯や歯肉に正しく当たっていないときにヘッド部2の動きが速くなるので、そのような動作変化が生じることをユーザに報告しておくことによって、ブラシ2aの接触具合をユーザに的確に認知させることが可能となる。また、ブラシ2aが歯や歯肉に正しく当たっている場合、ヘッド部2の動きが減速してユーザのブラッシング操作を邪魔することがなくなり、一方で、ブラシ2aが歯や歯肉に正しく当たっていない場合、ヘッド部2の動きが速くなってユーザのブラッシング操作を補助することができ、本電子歯ブラシ1の熟練者に対して効果的なブラシ動作を行うことが可能となる。
【0028】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る口腔衛生装置について図6及び図7を参照して説明する。図6は電子歯ブラシ1の電気的なブロック構成を示す。本実施形態における電子歯ブラシ1は、ヘッド部2が口腔内で受ける負荷を検出する負荷検出回路33fをさらに備えている。なお、上述した記憶部33eは回路基板33に設けられていない。負荷検出回路33fにおける負荷検知は、駆動部31への電力供給を一瞬止めた場合に得られる逆起電力の大きさや磁力変動値から、負荷電流を算出するようなものであればよい。また、圧力センサを用いることにより、駆動部31や駆動軸34、ブラシ2a等の負荷抵抗を直接読み取るようにしてもよい。制御回路33dは、電流検出回路33bによる検出電流と、負荷検出回路33fによる負荷電流とを参照して、駆動部31による往復動作を制御する。
【0029】
図7は、検出電流Iin及び負荷電流Iと、供給電流Ioutとの関係をグラフ化したものを示す。本図においては、横軸を検出電流Iinとし、縦軸を負荷電流Iをとし、これら2軸により区切られた4つの象限毎に供給電流Ioutの増減が設定されている。検出電流Iinが所定値より大きく、負荷電流Iが所定値よりも大きい場合(領域A)、供給電流Ioutが減少するよう設定されている。このとき、ヘッド部2が噛み込まれている場合と想定される。検出電流Iinが所定値より大きく、負荷電流Iが所定値よりも小さい場合(領域B)、供給電流Ioutは一定となるよう設定されている。このとき、ブラシ2aが歯や歯肉に正確に当たっている場合と想定される。検出電流Iinが所定値より小さく、負荷電流Iが所定値よりも小さい場合(領域C)、供給電流Ioutは増加するよう設定されている。このとき、ブラシ2aが口腔内から取り出された場合と想定される。検出電流Iinが所定値より小さく、負荷電流Iが所定値よりも大きい場合(領域D)、供給電流Ioutは増加するよう設定されている。このとき、ブラシ2aが歯や歯肉に正確に当たっていない場合と想定される。
【0030】
このように本実施形態に係る電子歯ブラシ1によれば、各象限に応じて駆動部31への供給電流を個別に増減することで、口腔内でヘッド部2が受ける負荷と、電流検出回路33bによる検出電流に応じてブラシ2aの往復動作を適正に変化できるので、歯や歯肉とブラシ2aとの接触具合に適応した効果的なブラッシングを行うことができる。従って、例えば、検出電流が所定レベルにあり微小電流による衛生効果が発現していると考えられるときに、ヘッド部2における負荷が大きいなら、ブラシ2aを歯で噛み込んでいることが想定されるので、ヘッド部2の動きを遅くすることで口腔内を傷つけることを回避できる。
【0031】
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、ブラシ2aが駆動部によって回転動作するような構成の電子歯ブラシであってもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 電子歯ブラシ(口腔衛生装置)
2 ヘッド部
2a ブラシ
3 把持部
31 駆動部(駆動手段)
33b 電流検出回路(電流検出手段)
33d 制御回路(制御部)
33e 記憶部
33f 負荷検出回路(負荷検出手段)
4a 電極
4b 電極
5 人体
6 電気回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内に挿入されるブラシを有したヘッド部と、前記ヘッド部に連接される把持部とを備え、前記ヘッド部及び把持部の双方に電極が設けられ、両電極間に電圧印加したときに本装置と人体とを繋ぐ電気回路に電流が供給される口腔衛生装置において、
前記ヘッド部を前記把持部に対して往復動作させる駆動手段と、
前記電気回路に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段による検出電流に応じて前記駆動手段による往復動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする口腔衛生装置。
【請求項2】
使用開始時に前記電気回路に流れた電流を基準値として記憶する記憶部を備え、
前記制御手段は、前記記憶部に記憶された基準値と前記電流検出手段による検出電流とを比較して前記駆動手段による往復動作を制御する請求項1に記載の口腔衛生装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記電流検出手段による検出電流が大きくなったときに前記駆動手段の動作速度を上昇させ、前記電流検出手段による検出電流が小さくなったときに前記駆動手段の動作速度を低下させるよう、正帰還のフィードバックを行うことを特徴とする請求項1に記載の口腔衛生装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記電流検出手段による検出電流が大きくなったときに前記駆動手段の動作速度を低下させ、前記電流検出手段による検出電流が小さくなったときに前記駆動手段の動作速度を上昇させるよう、負帰還のフィードバックを行うことを特徴とする請求項1に記載の口腔衛生装置。
【請求項5】
前記ヘッド部が口腔内で受ける負荷を検出する負荷検出手段を備え、
前記制御部は、前記負荷検出手段による検出結果をも参照して、前記駆動手段による往復動作を制御することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の口腔衛生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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