説明

口金具付きゴムホース、及び口金具付きゴムホースの製造方法

【課題】口金具を容易かつ確実に止着することのできる口金具付きゴムホースの提供。
【解決手段】口金具3の外周面にストップリング7を突出して形成する。ストップリング7を覆うようにホース本体2を形成する。ストップリング7からずれた位置の補強繊維層4a、及びスパイラルワイヤ5の巻き径をストップリング7の外径よりも小径に設定する。補強繊維層4aよりも外周側でストップリング7よりも先端側に止着用コード6を巻き付ける。止着用コード6が補強繊維層4a及びスパイラルワイヤ5の拡径を規制する。補強繊維層4a及びスパイラルワイヤ5がゴムを介して先端側からストップリング7に引っ掛かる。ホース本体2からの口金具3の抜け出しが阻止されて止着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば生コンクリートの打設などに使用される口金具付きゴムホースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、生コンクリートの打設などに使用されるゴムホースは、樹脂やゴムなどのエラストマーからなるホース本体の端部に筒状の口金具を止着した構造の口金具付きゴムホースとされる。
【0003】
図6(a)に口金具付きゴムホースの一例の断面図を示す。この口金具付きゴムホース101は、ホース本体102に補強繊維層103及びスパイラルワイヤ104を埋設すると共に、ホース本体102の端部に口金具105を止着した構造とされる。口金具105は、その外周面にストップリング106が突出して形成され、ストップリング106よりも先端側にビードリング107を配置すると共に、このビードリング107に掛けるよう補強繊維層103の端部を折り返すことにより、ホース本体102の端部に止着されている。
【0004】
ただ、口金具付きゴムホース101は、ホース本体102のうちの補強繊維層103の端部をビードリング107に掛けて強固に係止するので、圧送する流体の圧力変動の繰り返しにより、ホース本体102を構成するゴムなどと口金具105とが剥離しやすい。さらに、その剥離が進行した状態で耐圧力を上回る内圧が作用することにより、図6(b)に示すように、ホース本体102が破断面108に沿って破断するおそれがある。
【0005】
また、図7に示すように、スパイラルワイヤ104をストップリング106よりも先端側にまで配置して係止する構造も採用されているが、ホース本体102と口金具105との接着力の低下により、スパイラルワイヤ104がストップリング106を乗り越えやすく、その止着力が低下しやすい。
【0006】
これに対し、図8に示すように、例えば特許文献1は、ホース本体102の端部に口金具105を挿入すると共に、ホース本体102の外側から外筒リング109で締め付けるようにした口金具付きゴムホース101を開示している。口金具付きゴムホース101は、ホース本体102の外側に配置した外筒リング109を加締めて、ホース本体102を所定の圧縮率で圧縮することにより、所望の止着力が得られるまでホース本体102と口金具105との摩擦力を高めるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開2005−180479号公報(段落番号0035、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1の口金具付きゴムホースは、外筒リングを加締め加工するのに手間がかかり、しかも、外筒リングを加締め加工する際、ホース本体の径のバラツキを考慮しつつ、所望の止着力が得られる加締め量に設定するのが難しい。
【0009】
本発明は、口金具を容易かつ確実に止着することのできる口金具付きゴムホース、及び口金具付きゴムホースの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る口金具付きゴムホースは、ホース本体の端部内側に筒状の口金具を止着したものであり、そのホース本体に、端部の拡径を規制して内側に口金具を止着する止着用コードを巻き付けると共に、この止着用コードを加硫成形の際にホース本体と一体化したものである。
【0011】
上記構成によれば、止着用コードの巻き付けにより、ホース本体の端部の拡径を規制して口金具を止着するので、外筒リングの加締め加工のような手間のかかる後加工を不要にすることができる。さらに、止着用コードは、ホース本体の径にバラツキが生じたとしても、その径に応じて巻き付けることができるので、無理なくかつ隙間を生じることなくホース本体端部を押さえて拡径を規制することができる。しかも、止着用コードを加硫成形の際にホース本体と一体化するので、特別の工程を設けることなく、止着用コードの緩みを防止して口金具を確実に止着することができる。
【0012】
ここで、止着用コードとしては、スチールコードや合成繊維コードを使用することができるが、そのうち、伸びにくいスチールコードやアラミッド繊維コードを使用することにより、例えば内圧の作用によるホース本体の端部の拡径を確実に規制することができ、特に好ましい。また、止着用コードは、ラジアル方向、すなわちホース中心軸にほぼ直交する方向に巻き付けることにより、ホース本体の端部の拡径を効果的に規制することができる。
【0013】
止着用コードは、ホース本体の外周面に露出するよう巻き付けてもよいが、加締め加工のような後加工が不要であるので、ホース本体に埋設して、その損傷を防止することができる。この場合、止着用コードをゴムホースの耐圧性に寄与しない外面ゴムで覆うようにして埋設するのがよい。
【0014】
また、ホース本体に二層の筒状の補強繊維層を埋設すると共に、口金具の外周面に、周方向に連続して突出するストップリングを形成して、内周側の補強繊維層をストップリングに引っ掛けることにより、口金具を強固に止着するようにしてもよい。
【0015】
具体的には、ストップリングの外径よりも二層のうちの外周側の補強繊維層を大径に設定し、この外周側の補強繊維層よりも外周側、かつストップリングよりもホース中心軸方向で先端側に止着用コードを巻き付け、さらに、ホース本体のうち、ホース中心軸方向でストップリングよりも先端側の部位において、その二層のうちの内周側の補強繊維層をストップリングの外径よりも小径に設定すると共に、止着用コードによって拡径を規制する。
【0016】
そうすれば、ストップリングよりも先端側で内周側の補強繊維層をストップリングの外径よりも小径に設定すると共に、その拡径を止着用コードで規制するので、内周側の補強繊維層をゴムなどのエラストマーを介してストップリングに先端側から引っ掛けることができる。これにより、ホース本体からの口金具の抜け出しを阻止して強固に止着し、口金具付きゴムホースの耐圧力を高めることができる。なお、止着用コードをホース本体と一体化しているので、止着用コードを残してホース本体のみが抜け出すことがなく、口金具を確実に止着することができる。
【0017】
さらに、外周側の補強繊維層よりも外周側、かつストップリングよりも基端側に第二の止着用コードを巻き付けることにより、ホース中心軸方向でストップリングの両側に止着用コードを巻き付けることもできる。この場合、ホース本体のうち、ホース中心軸方向でストップリングの両側の部位において、その二層のうちの内周側の補強繊維層をストップリングの外径よりも小径に設定すると共に、止着用コードによって外周側の補強繊維層を介して内周側の補強繊維層の拡径を規制する。
【0018】
そうすれば、ホース本体からの口金具の抜け出しを阻止すると共に、ホース本体への口金具の押し込みを阻止することができる。しかも、より広い範囲で拡径を規制することができ、ホース本体と口金具との剥離をより確実に阻止することができる。
【0019】
ホース本体のうちの二層の補強コード層の間に、ホース中心軸を螺旋状に取り巻いて補強するスパイラルワイヤを埋設し、このスパイラルワイヤの拡径を止着用コードによって外周側の補強繊維層を介して規制する。これにより、スパイラルワイヤがストップリングを乗り越えるのを阻止して、補強繊維層と同様、スパイラルワイヤをストップリングに引っ掛けることができ、口金具の止着力をより高めることができる。
【0020】
また、補強繊維層よりも外周側、かつストップリングを覆うように止着用コードを巻き付け、ホース本体のうち、ホース中心軸方向でストップリングの両側の部位において、その補強繊維層をストップリングの外径よりも小径に設定すると共に、止着用コードによって拡径を規制するようにしてもよい。
【0021】
これにより、ストップリングの両側に止着用コードを巻き付ける上記の構成と同様、ホース本体からの口金具の抜け出し及び押し込みを阻止すると共に、ストップリングの外周側をも含む広い範囲で拡径を規制することができ、ホース本体と口金具との剥離をより確実に阻止することができる。
【0022】
また、本発明は、ホース本体の端部内側に筒状の口金具を止着してなる口金具付きゴムホースの製造方法を提供する。具体的には、口金具に端部を掛けつつ未加硫ゴム、内周側の補強繊維層、スパイラルワイヤ及び外周側の補強繊維層を積層して管状の積層体を成型し、この積層体の端部に止着用コードを巻き付けた後、未加硫ゴムを加硫成形する。この構成によれば、上記の口金具付きゴムホースの構成を採用することによる効果と同じ効果を得ることができる。
【0023】
さらに、止着用コードとして、未加硫ゴムで被覆したトッピングコードを巻き付けるようにすれば、その被覆ゴムが滑り止めとなるので、止着用コードを緩みなく巻き付けることができ、しかも、例えば撚り合わせた止着用コード自体に被覆ゴムが侵入する分、止着用コードをホース本体になじませて確実に一体化することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のとおり、本発明によると、ホース本体の端部に止着用コードを巻き付けて拡径を規制すると共に、この止着用コードを加硫成形の際にホース本体と一体化することにより、止着用コードの緩みを防止するようにしている。これにより、口金具を確実に止着することができ、しかも、ホース本体の径にバラツキが生じたとしても、その径に応じて止着用コードを巻き付けるのが容易である分、口金具の止着を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係る口金具付きゴムホースを示す図で、上半分は断面図、下半分は側面図
【図2】本発明の第2実施形態に係る口金具付きゴムホースを示す図で、断面図の上半分のみを示す
【図3】本発明の第3実施形態に係る口金具付きゴムホースを示す図で、断面図の上半分のみを示す
【図4】本発明の第4実施形態に係る口金具付きゴムホースを示す図で、断面図の上半分のみを示す
【図5】本発明の第5実施形態に係る口金具付きゴムホースを示す図で、断面図の上半分のみを示す
【図6】(a)は従来の口金具付きゴムホースの断面図、(b)は口金具付きゴムホースが破断した状態を示す断面図
【図7】従来の別の口金具付きゴムホースの断面図
【図8】従来のさらに別の口金具付きゴムホースの断面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る口金具付きゴムホース、及び口金具付きゴムホースの製造方法を実施するための第1実施形態〜第5実施形態について、図面を用いて説明する。
【0027】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る口金具付きゴムホースを示す図で、上半分は断面図、下半分は側面図である。
【0028】
口金具付きゴムホース1は、例えば生コンクリートを所定の場所に打設するよう、その輸送管の先端に接続して使用されるものであり、ホース本体2の端部内側に筒状の口金具3を止着した構造とされる。
【0029】
ホース本体2は、耐摩耗性のゴムからなる管状とされ、これに二層の筒状の補強繊維層4a、4bと、ホース中心軸を螺旋状に取り巻くスパイラルワイヤ5とを埋設して補強した構造とされる。ホース本体2の端部には、一層のコード層を構成し、かつ補強繊維層4a、4b及びスパイラルワイヤ5よりも外周側に埋設されるよう、止着用コード6が複数回巻き付けられ、この止着用コード6がホース本体2の端部と一体化してその拡径を規制することにより、ホース本体2の端部内側に口金具3が止着されている。
【0030】
止着用コード6は、例えば伸びにくいスチールコードとされ、ラジアル方向、すなわち、ホース中心軸と直交する方向に巻き付けられて、ホース本体2の端部の拡径を効果的に規制する。なお、止着用コード6として、スチールコードに代えて、他のコードを使用することもできるが、使用可能なコード及びその破断伸びを例示すると、スチールコードが1%〜2%、アラミッド繊維コードが3%〜6%、ナイロンコードが15%〜30%、ポリエステルコードが10%〜30%であり、伸びにくく、ホース本体2の拡径を効果的に規制することのできるスチールコード又はアラミッド繊維コードの採用が好ましい。
【0031】
口金具3は、その外周面の先端側を露出させつつ基端側を覆われるようホース本体2に止着される。ホース本体2で覆われた基端付近の外周面には、周方向に連続して突出するストップリング7が形成され、このストップリング7よりもホース中心軸方向の先端側で、ホース本体2に止着用コード6が巻き付けられる。
【0032】
内周側の補強繊維層4aは、ストップリング7からずれた位置でストップリング7の外径よりも小径に設定されると共に、ストップリング7をホース中心軸方向に乗り越えて覆うように設けられている。この補強繊維層4aのうち、ストップリング7よりも先端側の部位は、止着用コード6によって拡径が規制され、これにより、補強繊維層4aが、ホース本体2を構成するゴムを介してストップリング7に先端側から引っ掛かり、ホース本体2からの口金具3の抜け出しを規制して強固に止着する。
【0033】
外周側の補強繊維層4bは、ストップリング7の外径よりも大径に設定されると共に、ストップリング7をホース中心軸方向に乗り越えて覆うように設けられ、この補強繊維層4bを介して、止着用コード6が補強繊維層4a及びスパイラルワイヤ5の拡径を規制する。
【0034】
スパイラルワイヤ5は、補強繊維層4a、4b間に配置され、そのワイヤ中心における巻き径がストップリング7の外径よりも小径に設定されている。このスパイラルワイヤ5は、ストップリング7をホース中心軸方向に跨ぐように設けられ、ストップリング7よりも先端側に巻き付けられた止着用コード6がホース本体2を外周側から押さえることにより、ストップリング7よりも先端側におけるスパイラルワイヤ5の拡径が阻止される。これにより、スパイラルワイヤ5が、ホース本体2を構成するゴムを介してストップリング7に先端側から引っ掛かり、ホース本体2からの口金具3の抜け出しを規制して強固に止着する。
【0035】
次に、口金具付きゴムホース1の製造方法を説明する。まず、マンドレルに口金具3を装着し、この口金具3の基端側に端部を掛けつつ、マンドレルの周りに、内面側の未加硫ゴム、補強繊維層4a、スパイラルワイヤ5及び補強繊維層4bを順次積層し、その端部に、止着用コード6を未加硫ゴムで被覆してなるトッピングコードを巻き付ける。さらに、補強繊維層4b及び止着用コード6を全長に渡って覆うように外面側の未加硫ゴムを積層して管状の積層体を成型した後、この積層体の未加硫ゴムを加硫成形して、口金具付きゴムホース1を得る。
【0036】
上記構成によれば、止着用コード6を巻き付けることにより、ホース本体2の端部の拡径を規制して口金具3を止着するので、加締め加工のような後加工を不要にすることができ、しかも、ホース本体2の径のバラツキが生じたとしても、その径に応じて止着用コード6を容易に巻き付けることができるので、口金具3を容易かつ確実に止着することができる。
【0037】
また、止着用コード6を巻き付けることにより、ホース本体2を構成するゴムを介して内周側の補強繊維層4aをストップリング7に先端側から引っ掛けるので、口金具付きゴムホース1に負荷される内圧に耐えるよう口金具3を強固に止着することができる。しかも、ホース本体2をマンドレルの周りに成型して加硫成形した後、このホース本体2をマンドレルから取り外す際に口金具3のずれや離反を生じることもない。さらに、止着用コード6をホース本体2に埋設するので、止着用コード6を残してホース本体2のみが抜け出すのを防止することができる。
【0038】
[第2実施形態]
図2は本発明の第2実施形態に係る口金具付きゴムホースを示す図で、断面図の上半分のみを示す。
【0039】
第2実施形態の口金具付きゴムホース8は、第1実施形態の口金具付きゴムホース1とほぼ同じ構成であるが、止着用コード6を巻き付けて一層のコード層を構成する代わりに、二層のコード層を構成したものである。層数が多い分、ホース本体2の端部の拡径をより強く規制して、口金具付きゴムホース8の耐圧性を高めることができる。なお、他の構成は第1実施形態と同じである。
【0040】
[第3実施形態]
図3は本発明の第2実施形態に係る口金具付きゴムホースを示す図で、断面図の上半分のみを示す。
【0041】
第3実施形態の口金具付きゴムホース9は、第2実施形態の口金具付きゴムホース8とほぼ同じ構成であるが、止着用コード6をホース本体2の端部に埋設する代わりに、止着用コード6をホース本体2の外周面に露出させている。止着用コード6は、トッピングコードとして巻き付けることにより、加硫成形する際にホース本体2と一体化されるので、その緩みが阻止される。
【0042】
この口金具付きゴムホース9は、止着用コード6を露出させるので、外面側の未加硫ゴムを積層するまで、従来のゴムホースと同じ手順で積層体を成型することができる。なお、他の構成は第1実施形態と同じである。
【0043】
[第4実施形態]
図4は本発明の第4実施形態に係る口金具付きゴムホースを示す図で、断面図の上半分のみを示す。
【0044】
第4実施形態の口金具付きゴムホース10は、第1実施形態の口金具付きゴムホース1とほぼ同じ構成であるが、ストップリング7よりも先端側に巻き付けられる止着用コード6に加えて、外周側の補強繊維層4bよりも外周側かつストップリング7よりも基端側に第二の止着用コード11を巻き付けたものである。
【0045】
止着用コード11は、先端側の止着用コード6とほぼ同じ効果を奏するものであるが、ストップリング7よりも基端側に巻き付けることにより、ホース本体2への口金具3の押し込みを規制する。しかも、止着用コード11を止着用コード6に加えて設ける分、広い範囲でホース本体2の拡径を規制し、ホース本体2と口金具3との剥離をより確実に阻止する。
【0046】
これにより、例えば生コンクリートを打設する際に、その内圧変動によってホース本体2がホース中心軸方向に伸縮したとしても、ホース本体2と口金具3とが強固に止着されていることにより、十分な耐久性を得ることができる。しかも、ホース本体2と口金具3とを接着することなく、加硫成形後にマンドレルから取り外すときの口金具3のずれを防止することができる。なお、他の構成は第1実施形態と同じである。
【0047】
[第5実施形態]
図5は本発明の第5実施形態に係る口金具付きゴムホースを示す図で、断面図の上半分のみを示す。
【0048】
第5実施形態の口金具付きゴムホース12は、第4実施形態の口金具付きゴムホース10とほぼ同じ構成であるが、ストップリング7の両側に設ける止着用コード6、11に加えて、止着用コード6、11及びストップリング7を外周側から覆うように第三の止着用コード13を巻き付けたものである。
【0049】
止着用コード13は、先端側の止着用コード6と基端側の止着用コード11とを合わせたのとほぼ同じ効果を奏するものであるが、ストップリング7の外周側をも含む広い範囲でホース本体2の拡径を規制することができ、ホース本体2と口金具3との剥離をより確実に阻止することができる。しかも、止着用コード13を止着用コード6、11に加えて設ける分、その層数が多くなり、ホース本体2の端部の拡径をより強く規制して、口金具付きゴムホース12の耐圧性を高めることができる。なお、他の構成は第4実施形態と同じである。
【符号の説明】
【0050】
1、8、9、10、12 口金具付きゴムホース
2 ホース本体
3 口金具
4a、4b 補強繊維層
5 スパイラルワイヤ
6、11、13 止着用コード
7 ストップリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホース本体の端部内側に筒状の口金具を止着してなる口金具付きゴムホースであって、
前記ホース本体に二層の筒状の補強繊維層が埋設されると共に、該二層の補強繊維層の間にホース中心軸を螺旋状に取り巻いて補強するスパイラルワイヤが埋設され、前記口金具の外周面に、周方向に連続して突出するストップリングが形成され、該ストップリングの外径よりも前記二層のうちの外周側の補強繊維層が大径に設定され、
前記外周側の補強繊維層よりも外周側に、ホース本体の端部の拡径を規制して内側に口金具を止着する止着用コードが巻き付けられ、
前記止着用コードは、ストップリングよりもホース中心軸方向で先端側に巻き付けられ、加硫成形の際にホース本体と一体化され、
前記ホース本体のうち、ホース中心軸方向でストップリングよりも先端側の部位は、前記二層のうちの内周側の補強繊維層がストップリングの外径よりも小径に設定されると共に、前記止着用コードによって外周側の補強繊維層を介して内周側の補強繊維層及びスパイラルワイヤの拡径が規制されることを特徴とする口金具付きゴムホース。
【請求項2】
ホース本体の端部内側に筒状の口金具を止着してなる口金具付きゴムホースであって、
前記ホース本体に二層の筒状の補強繊維層が埋設されると共に、該二層の補強繊維層の間にホース中心軸を螺旋状に取り巻いて補強するスパイラルワイヤが埋設され、前記口金具の外周面に、周方向に連続して突出するストップリングが形成され、該ストップリングの外径よりも前記二層のうちの外周側の補強繊維層が大径に設定され、
前記外周側の補強繊維層よりも外周側に、ホース本体の端部の拡径を規制して内側に口金具を止着する止着用コードが巻き付けられ、
前記止着用コードは、ストップリングを覆うように巻き付けられ、加硫成形の際にホース本体と一体化され、
前記ホース本体のうち、ホース中心軸方向でストップリングの両側の部位は、前記二層のうちの内周側の補強繊維層がストップリングの外径よりも小径に設定されると共に、前記止着用コードによって外周側の補強繊維層を介して内周側の補強繊維層及びスパイラルワイヤの拡径が規制されることを特徴とする口金具付きゴムホース。
【請求項3】
前記止着用コードがホース本体に埋設されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の口金具付きゴムホース。
【請求項4】
ホース本体の端部内側に筒状の口金具を止着してなる口金具付きゴムホースの製造方法であって、
口金具に端部を掛けつつ未加硫ゴム、内周側の補強繊維層、スパイラルワイヤ及び外周側の補強繊維層を積層して管状の積層体を成型し、該積層体の端部に止着用コードを巻き付けた後、前記未加硫ゴムを加硫成形することを特徴とする口金具付きゴムホースの製造方法。
【請求項5】
前記止着用コードとして、未加硫ゴムで被覆されたトッピングコードを巻き付けることを特徴とする請求項4に記載の口金具付きゴムホースの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−145234(P2012−145234A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−107162(P2012−107162)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【分割の表示】特願2007−120610(P2007−120610)の分割
【原出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】