説明

可動目視面を有する電動歯ブラシ

電動歯ブラシが提供されている。この電動歯ブラシには、中に配置されたモータを有している柄部と、1つ以上の可動毛ホルダを有している頭部とが含まれており、1つ以上の可動毛ホルダは、前記モータに作動的に連結されている。柄部と頭部との間には首部が配置されている。柄部には、目視窓と、その下方に配置された可動目視面とがあり、その目視面の少なくとも一部は前記窓を通して見ることができる。目視面は、前記モータの回転出力によって目視面の動きが引き起こされるように、前記モータに機構的に連結されている。目視面は、前記モータに直接的にあるいは間接的に連結されていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動歯ブラシの分野に関するものであり、さらに詳しくは、本発明は可動目視面を有する電動歯ブラシの分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1つ以上の可動毛ホルダを有する電動歯ブラシが、当業界において知られている。しかしながら、毛ホルダに加えて、1つ以上の画像をその上に有している目視面のような構造体を動かすためにモータ出力を利用する電動歯ブラシの提供に対する要望がある。動画によれば、ユーザーとりわけ子供のために歯ブラシの魅力を改善することができ、また、電動歯ブラシの使用を促進することができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
電動歯ブラシが提供されている。この電動歯ブラシは、中に配置されたモータを有している柄部と、1つ以上の可動毛ホルダを有している頭部とを備えてなり、1つ以上の可動毛ホルダは前記モータに作動的に接続されている。柄部と頭部との間には首部が配置されている。柄部には、目視窓とその下方に配置された可動目視面とがあり、この目視面の少なくとも一部は前記窓を通して見ることができる。目視面は、前記モータの回転出力が目視面の動きを引き起こすように、前記モータに機構的に連結されている。目視面は前記モータに直接的にあるいは間接的に連結されていてもよい。
【0004】
本発明は、添付図面とともに行われた以下の説明からいっそうよく理解されるであろうと思われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
この明細書の中で検討されたすべての特許刊行物は、参照としてこの明細書の中に完全に組み入れられる。ここで、参照は本発明のさまざまな実施形態について行われるが、それらの例は、類似の符号が図を通して同じ要素を表示している添付図面に図示されている。認識されるであろうが、本発明は、1つ以上の可動毛ホルダに加えて可動目視面を有している(交換可能な頭部を有している電動歯ブラシを含む)電動歯ブラシに向けられている。可動目視面は、歯ブラシのモータに間接的にあるいは直接的に連結されていてもよい。直接的な機構的連結は、物理的に相互接続された(例えば、ピン、接着剤、溶接、シャフト、締め具、歯車などによって相互接続された)要素をいうことが意図されており、また、間接的な機構的連結は、磁力のような非物理的接続手段を組み入れる相互接続要素をいうことが意図されている。
【0006】
図1〜図4を参照して、本発明によって作られた電動歯ブラシがこれから説明される。この電動歯ブラシは、歯ブラシの長手軸に沿って直線的に往復運動するシャフトを利用するものである。本発明は、簡略化および明確化の目的のために図1に図示された特定のモータ・シャフト構成に関して説明されるが、他のシャフト、歯車装置、および/またはモータ構成に置き換えることができる、ということはわかるであろう。例えば、米国特許出願第2003/0163881号、米国特許第5,617,603号、5,850,603号、5,974,615号、6,032,313号、5,732,432号、5,070,567号、5,170,525号、5,416,942号、3,588,936号、5,867,856号および4,397,055号には、適切であるかもしれないシャフト、歯車装置、および/またはモータ構成が図示されている。
【0007】
電動歯ブラシ20は、歯ブラシ頭部21、本体あるいは柄部22、およびそれらの間に延出している細長い首部24が備わってなる。柄部は、中空であって、モータ26(図3)とこのモータに電力を供給するバッテリ(図示略)とを含んでいる。モータは出力シャフト23を介して回転出力をもたらす。バッテリの代わりに、充電可能な電源に交換することができる。シャフト34が、首部24の内部における少なくとも一部に内蔵されており、また、1つ以上の可動毛ホルダに作動的に接続されている。頭部20の第1端部には第1可動毛ホルダ36が配置されており、この第1端部は頭部20の最前方箇所にある。第1毛ホルダ36は、形状が円形として図示されているが、他の形状を利用することができる。さらに、第1毛ホルダ36は、頭部20の第1端部に配置されているが、それは第1端部から離れて配置することができ、また、静止毛のような他の形態が、第1毛ホルダ36と頭部20の第1端部との間に配置されてもよい。可動毛ホルダ36とシャフトとは、米国特許第6,178,579号に示されたような、当業界において知られた構造を利用して相互接続することができる。第1毛ホルダ36に隣接して第2毛ホルダ38が配置されてもよい。第2毛ホルダ38は、これもまた動いてもよく、または静止的あるいは固定的であってよい。
【0008】
毛ホルダは、回転、揺動、往復運動、振動、旋回、軌道運動、およびこれらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない任意の種類の運動を受けることができる。この明細書で使用されたように、用語「回転する」は単一方向の角運動(例えば定速度時計回り運動)をいうことが意図されており、一方、用語「揺動する」は振動性角運動(例えば、時計回り回転と反時計回り回転との繰り返しサイクル)をいうことが意図されている。振動は繰り返しサイクルを有している任意の周期的運動である。実質的に直線状である振動性運動は、この明細書では往復運動と呼ばれている。本発明は、電動歯ブラシと、可動毛ホルダに作動的に接続されたシャフトを含んでおり、かつ、毛ホルダへ動きを付与するために回転し、揺動し、軌道運動し、あるいは往復運動する(さらにこれらの組み合わせにより運動する)電動歯ブラシ頭部とを組み合わせて使用することができる。
【0009】
バッテリとモータ26との間における電気回路を完成してモータを作動させるために、スイッチ38がバッテリとモータ26とに電気的に接続されている。加えて、図1の電動歯ブラシには、当業界において知られたように、交換可能な頭部が設けられていてもよい。本発明に適合させることのできる適切な構成が米国特許第5,617,601号に開示されている。
【0010】
柄部22には目視窓40が含まれている。透明プラスチック材料から成形することのできる目視窓40は、ユーザーによる目視に便利なようにスイッチ38の上方であって柄部と同じ側に配置されるのが好ましいが、柄部22におけるさまざまな位置に配置することができる。目視窓40は円形として示されているが、他の形状に設けることができる。柄部22には、首部24に隣接した拡大部分42が含まれていてもよい。目視窓40は、拡大部分42の上にあるいは中に配置されていてもよい。拡大部分42は、図3に見られるように、可動のホイール、平板、円板あるいは目視面46のための他の支持構造体44を収容するのに適している球、円筒または他の湾曲状あるいは曲線状の形状に設けることができる。目視面46には、その上に配置された1つ以上の画像48がある。目視面の少なくとも一部は、目視窓40の下方に配置されており、また、目視窓40を通して見ることができる。目視窓40はさまざまな大きさに設けることができる。目視窓40は、支持構造体44の上に刻印された1つ以上の画像を見ることができるような大きさに作られるのが好ましい。画像48は、文字、図形、絵画あるいはアイコン、またはこれらの組み合わせであってよい。支持構造体44の目視面46には複数の画像48が含まれていてもよい。1つの実施形態では、目視面46に2〜10個の画像がある。別の実施形態では、目視面46に2〜6個の画像がある。これらの画像はスポーツのような共通のテーマに関連したものかあるいはそのようなテーマを共有するものであるのが好ましい。例えば、これらの画像は、すべてサッカーのテーマを共有するものでもよく、また、サッカー選手のさまざまな画像を含んでいてもよい。画像48の数は、目視面の大きさと目視窓40の大きさならびに配置とによってだけ制限される。2つ以上の目視窓40は、必要であれば柄部あるいは拡大部分42の上に設けることができる。目視窓40は図に示された位置以外の位置に配置することができる。加えて、目視窓40は色が付けられていてもよく、あるいは染められていてもよい。目視窓はまた、目視面46における画像48を拡大してそれらをユーザーにいっそう見やすくするレンズとして作用することもできる。
【0011】
図3および図4によれば、モータ26に間接的に連結された目視面を有している電動歯ブラシがこれから説明される。拡大部分42の内部には支持構造体44が回転可能に取り付けられている。支持構造体44は、平板、円板、円筒などのようなさまざまな形状に設けることができる。目視面46は、図3に示されたように、目視窓40を通してユーザーが見るための画像48をいっそう良好な方位にするために、角度が付けられていてもよい。支持構造体44は、拡大部分42と壁51とに埋め込まれたピン50によって、拡大部分42に取り付けることができる。支持構造体44は、当業界において知られた他の手段によって拡大部分42に取り付けることができる。さらに、支持構造体44およびその上の目視面は回転可能に取り付けられたように図示されているが、支持構造体44および/または目視面46には他の動きがもたらされてもよい、ということが意図されている。例えば、支持構造体44および/または目視面46には、回転運動ではなく、揺動運動、平行移動すなわち往復運動がもたらされてもよい。さらにまた、2つ以上の支持構造体あるいは目視面が、同じようにあるいは異なるように設けられてもよい。例えば、1つの目視面は時計回り方向に動いてもよく、一方、他の目視面は反時計回り方向に動いてもよい。または、1つの目視面は平行移動してもよく、一方、他の目視面は回転してもよく、あるいは、2つの目視面は同じように動いてもよい(すなわち、両方とも時計回り方向に動いてもよい)。
【0012】
支持構造体44の下面には1つ以上の被駆動マグネット54が配置されている。1つの実施形態では、支持構造体44には2〜4個の被駆動マグネット54がある。被駆動マグネット54に対向して1つ以上の駆動マグネット56が配置されている。壁51は被駆動マグネット54と駆動マグネット56との間に配置されている。壁51によって、歯ブラシ柄部22の上方ハウジング57の一部が形成されており、また、目視面46がモータ26から隔離されている。目視面46をモータおよび空隙59から隔離することによって、清潔さとそれゆえ画像48の見易さとを維持することが促進される。駆動マグネット56は歯車58に取り付けられている。駆動マグネット56は、被駆動マグネット54と整合されていて、駆動マグネット56の移動が被駆動マグネット54の対応する動きを引き起こすように駆動マグネット56および被駆動マグネット54が磁気的に連結されているのが好ましい。図3に示された実施形態では、歯車58は、モータ26によって歯車60を介して軸62の周りに回転される。歯車58は、可動毛ホルダ36へ動きを伝達するために、シャフト34に作動的に接続されている。駆動マグネット56が軸62の周りに回転すると、被駆動マグネット54はピン50の軸64の周りに対応方向へ回転する。この実施形態では、軸62および64は、歯車58および支持構造体44が基本的に同じ軸の周りに回転するように、同一直線上にある。従って、駆動マグネット56が1回転すると、駆動マグネットおよび被駆動マグネットの磁気結合によって、支持構造体44の同一方向における1回転が付与される。図3の実施形態では、被駆動マグネット54が支持構造体44の下面に取り付けられたように示されているが、被駆動マグネットは、次に支持構造体44に連結される別個の要素の上に設けることができる、ということはわかるであろう。例えば、被駆動マグネット54は、次に支持構造体44に連結される第2歯車(図示略)の上に配置されて、歯車58と支持構造体44との間に歯車削減をもたらすことができ、その場合に、歯車58が1回転すると、歯車どうしの間における歯の数に左右されるが、支持構造体44の2以上あるいは1未満の回転がもたらされる。
【0013】
使用に際して、スイッチ38を閉じると、モータ26とバッテリとの間の電気回路が完成する。モータによって歯車60が回転し、次に歯車58が回転する。駆動マグネット56が歯車58とともに回転し、次に、被駆動マグネット54によって支持構造体44と目視面46とが回転する。目視面46が回転すると、画像48が目視窓40の内部で視野の中へかつ外へ回転する。ユーザーがスイッチ38を開いて、モータ26とバッテリとの間の電気回路が遮断されると、モータ26は回転を停止し、それによって、歯車(すなわち、60,62および58)、支持構造体44、および目視面46の回転が停止するであろう。動きが停止したときにどのような画像48が目視窓40の下方に配置されていても、その画像はもはや動かないので、次いで、目視窓40を通してその画像の全体をあるいは一部を見ることができるであろう。この歯ブラシの使用によれば、目視面46が目視窓40の下方におけるさまざまな位置に停止したときに目視窓40を通して見ることのできる画像のランダムなパターンが作成されるであろう。
【0014】
この明細書の中で検討されたいくつかの実施形態は歯車58に磁気的に結合される目視面46に関して説明されているが、目視面とモータ26とは直接連結することができる、ということが意図されている。例えば、目視面および/または支持構造体は、歯車58にピンで留められたものでもよく、あるいは、図5の例に示されたように、目視面は、歯車58の一部として一体に形成され、それによって、別個の支持構造体の必要性を排除するものであってもよい。同様に、目視面は、歯車58に直接固定されている支持構造体の上に、溶接、接着剤、および当業界において知られた締め具などによって形成されてもよい。これらの後者の実施形態では、壁51は一部あるいは完全に排除されており、また、目視面は、画像48の劣化を防止するために保護コーティング(例えば、ポリマーの被膜あるいはペースト)で被覆されてもよい。さらに、目視面46は柄部の拡大部分の内部に配置された状態に示されているが、目視面の形状、大きさ、および方位は、図において示されたように柄部が拡大部分を有する必要のないように変更することができる、ということが意図されている。
【0015】
本発明は好ましい実施形態を参照して説明されてきた。明らかなことに、この明細書を読んで理解する他の人々には修正および改変が生じるであろうが、それらのいくつかはこの明細書の中で説明された。そのような修正および改変のすべては、それらが添付の特許請求の範囲あるいはその等価物の範囲にある限り包含される、ということが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明によって作られた電動歯ブラシの平面図である。
【図2】図2は図1の歯ブラシの側面図である。
【図3】図3は図1の線3−3に沿って得られた図1の歯ブラシの拡大された一部断面側面図である。
【図4】図4は図1の歯ブラシに適している目視面の平面図である。
【図5】図5は図1の線3−3に沿って得られた図1の歯ブラシの別の実施形態における、拡大された一部断面側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中に配置されたモータを有している柄部と、
1つ以上の可動毛ホルダを有しており、1つ以上の可動毛ホルダは前記モータに作動的に接続されている頭部と、
柄部と頭部との間に配置された首部と
を備えてなり、
柄部は、目視窓とその下方に配置された可動目視面とを有し、この目視面の少なくとも一部は前記窓を通して見ることができ、かつ、
目視面は、前記モータの回転出力が目視面の動きを引き起こすように、前記モータに機構的に連結されている電動歯ブラシ。
【請求項2】
目視面は、その上に配置された1つ以上の画像を有している請求項1に記載の電動歯ブラシ。
【請求項3】
目視面は、前記モータに作動的に連結された第1歯車に取り付けられている先行請求項のいずれかに記載の電動歯ブラシ。
【請求項4】
第1歯車は、前記モータに取り付けられた第2歯車に係合する請求項3に記載の電動歯ブラシ。
【請求項5】
第1歯車は、シャフトに作動的に接続され、かつ、このシャフトは、1つ以上の可動毛ホルダに作動的に連結されている請求項4に記載の電動歯ブラシ。
【請求項6】
目視面と前記モータとは、磁気的に結合されている先行請求項のいずれかに記載の電動歯ブラシ。
【請求項7】
目視面は、回転可能な円板に取り付けられている請求項6に記載の電動歯ブラシ。
【請求項8】
円板は、1つ以上の被駆動マグネットと、前記モータに作動的に連結された第1歯車の 上に配置された1つ以上の駆動マグネットとを有し、1つ以上の駆動マグネットは、1つ以上の被駆動マグネットに磁気的に結合されている請求項7に記載の電動歯ブラシ。
【請求項9】
第1歯車は、シャフトに作動的に接続され、かつ、このシャフトは、1つ以上の可動毛ホルダに作動的に連結されている請求項8に記載の電動歯ブラシ。
【請求項10】
前記モータと電源とに電気的に連結されたスイッチをさらに備え、このスイッチの閉鎖によって前記モータが作動され、それによって、目視面の回転が引き起こされる先行請求項のいずれかに記載の電動歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−510472(P2007−510472A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538519(P2006−538519)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/036986
【国際公開番号】WO2005/046507
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(504308408)チャーチ アンド ドワイト カンパニー インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】