説明

可変式分子模型

【課題】 原子を表す形状に正四面体を利用することで、様々な結合状態を示し、その結果、組み立て方によっていろいろな分子を簡単に組み立てることができる可変式分子模型を提供する。
【解決手段】 球で表す水素・希ガス原子以外の非金属元素の原子を正四面体で表し、各原子の性質に合わせて単結合用には頂点の位置をカットして接合面に、二重結合用には辺の部分をカットして接合面に、三重結合用には面そのものを接合面とする。そして接合面にはマジックテープを貼り、このような構造の原子の模型を複数使って様々な分子を組み立てできる可変式の分子模型であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、分子を構成する水素を球で、他の原子は正四面体を利用することで表して、それを接合することで分子の形を表現した可変式分子模型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の分子模型は原子を表す球を棒で繋ぐか、分子そのものを一つの物として表していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の分子模型の場合、分子の形を表すことはできるが、分子内の原子間の結合状態を表すことができなかったし、原子間の距離の違いの理由を明示できなかった。さらに、分子同士の反応の説明にも不向きであった。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
水素以外の非金属原子を正四面体構造を利用し表す。頂点にあたる位置をカットして平面を作る。辺の位置でもそこに平面を作る。こうしてできた平面に接合用のテープを貼る。頂点の位置で繋いで単結合を、辺の位置で繋いで二重結合を、面の位置で繋いで三重結合を表す。猶、水素は球として、その表面の一箇所を円形にカットして、同様にテープを貼る。
本発明は、以上のような原子モデルを複数組み合わせて様々な分子を表すことができる可変式分子模型である。
【発明の効果】
【0005】
正四面体の形状を利用することで、原子間の結合状態から分子の形が決まるということが良く理解できる。また、同じ原子同士の結合であっても単結合・二重結合・三重結合の違いにより原子間距離が異なっていることが視覚的に明確になる。
また、原子間の結合と分離が容易なので、付加反応・縮合反応・置換反応などの比較的に簡単な反応を視覚的に説明できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】水素原子の模型の斜視図である。
【図2】炭素型原子の模型の斜視図である。
【図3】窒素型原子の模型の斜視図である。
【図4】酸素型原子の模型の斜視図である。
【図5】フッ素型原子の模型の斜視図である。
【図6】内部を透視できる素材で外枠を作り、内部に球体を置いた模型の斜視図である。
【図7】結合部以外を省略した酸素型原子の模型の斜視図である。
【図8】エチレン分子を組み立てた場合の斜視図である。
【図9】硝酸分子を組み立てた場合の斜視図である。
【図10】結合部以外を省略した原子を使って組み立てた水分子の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
水素原子・希ガス原子は球形で表すが、炭素・窒素・酸素などの分子を構成する主な原子は正四面体構造を応用して表す。正四面体構造の応用とは正四面体の4個の頂点、2頂点を結んでできる辺、3頂点を結んでできる面を結合用の面として利用することをいう。
原子の最外殻電子数から決まる性質に合わせて、各原子の形が決められる。炭素型原子ならば4頂点それぞれが単結合用とされ、1組の対辺が二重結合用となり、1つの面が三重結合用となる。窒素型原子ならば3頂点が単結合用となり、その3頂点で決まる面が三重結合用とされ、さらにその面の中の1辺が二重結合用となる。酸素型原子では2頂点が単結合用にされ、その2頂点を結ぶ辺が二重結合用となる。フッ素型原子では1頂点だけが単結合用になる。それぞれの型の原子で単結合用とされない頂点も配位結合用とする。
正四面体そのもので原子を表す場合は、単結合用となる頂点は先端を大きくカットして正三角形の面をつくる。二重結合用となる辺は細長い長方形の面ができるようにカットする。三重結合用の面はそのまま使用する。配位結合用とされる頂点は単結合用よりも小さくカットしてやはり正三角形の面をつくる。こうして結合用の面とされた所にはマジックテープなどを貼って、原子どうしを着脱できるようにする。なお、配位結合は配位結合用の頂点と二重結合用の辺を利用して表す。
結合部以外を省略する場合には、原子本体は球で表すが、それと中心を同じくする正四面体の頂点の存在すべき位置まで、球から三角柱ないし円柱を出す。単結合に使用する頂点と配位結合用に使う頂点では柱の太さを変えるようにして区別する。単結合用の方を当然だが太くする。二重結合用の面は単結合用の2頂点を長方形の薄い板で結んで作る。三重結合用の面は単結合用の3頂点を三角形の薄い板で結んで作る。
本発明は、以上のような構造を持つ可変式分子模型である。
【符号の説明】
【0008】
1 単結合用接合面
2 二重結合用接合面
3 三重結合用接合面
4 配位結合用接合面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正四面体の中心の位置を原子の中心とした場合に、正四面体の頂点の位置・辺の位置そして面の位置に当たる部分をそれぞれ単結合・二重結合・三重結合が可能になる場所として考え、それぞれの原子の化学的性質に合わせて接合面を設けて、個々の原子模型を作る。こうして出来た原子模型を複数接合させることで、各原子間の結合状態を表せるのみでなく、自由に組み換えもできるようになる可変式分子模型。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−118483(P2012−118483A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279824(P2010−279824)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(591078158)